JP2011089024A - 改質タール並びに改質タールの製造方法、生コークスの製造方法及びニードルコークスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ニードルコークス及びニードルコークスの製造に適した生コークスを提供することのできる改質タールを提供する。
【解決手段】石炭系低温タールまたは石炭系低温タールの軽質分を除去して得られた石炭系ピッチ100質量部に水素供与性溶剤を30〜300質量部加えて、0.3〜5.0MPaの加圧下、380〜450℃で0.1〜4時間保持する。
【選択図】図1
【解決手段】石炭系低温タールまたは石炭系低温タールの軽質分を除去して得られた石炭系ピッチ100質量部に水素供与性溶剤を30〜300質量部加えて、0.3〜5.0MPaの加圧下、380〜450℃で0.1〜4時間保持する。
【選択図】図1
Description
本発明は、改質タール並びに改質タールの製造方法、生コークスの製造方法及びニードルコークスの製造方法に関する。
ニードルコークスは配向繊維状組織を示し、流れ模様に沿って、炭素六角網面が良く発達した黒鉛化しやすい組織を有している。このようなニードルコークスは、石油系、石炭系の重質油を原料として製造され、具体的には、ピッチから固形分を除去した後、蒸留精製する工程、精製されたピッチをコーキングして生コークスを得る工程、生コークスをか焼する工程等のプロセスを経て製造される。
石炭系の重質油には、石炭系高温タールと石炭系低温タールとがある。石炭系高温タールは、コークス炉において、石炭を1000〜1250℃の温度で乾留すると、炉内で生成する熱的に不安定な化合物が分解、重合、その他の反応が進行する中で、石炭に対し約3%程度が、ガスとともに液状物として炉外に取り出されるものである。石炭系低温タールは、ルルギ式石炭ガス化プロセス(500〜800℃)や、低温乾留条件のコークス炉(約600℃)などから生成する副生油である。
石炭系の重質油には、石炭系高温タールと石炭系低温タールとがある。石炭系高温タールは、コークス炉において、石炭を1000〜1250℃の温度で乾留すると、炉内で生成する熱的に不安定な化合物が分解、重合、その他の反応が進行する中で、石炭に対し約3%程度が、ガスとともに液状物として炉外に取り出されるものである。石炭系低温タールは、ルルギ式石炭ガス化プロセス(500〜800℃)や、低温乾留条件のコークス炉(約600℃)などから生成する副生油である。
従来、石炭系タールを使用してニードルコークスを製造する場合において、特許文献1、2に示すように、通常、前記石炭系高温タールが用いられており、石炭系高温タールを蒸留して得られたピッチを基にニードルコークス製造用の原料が製造されている。
一方、石炭系低温タールは、石炭系高温タールと同様に芳香族成分が主成分であるが、石炭系高温タールと比較して、酸素、硫黄、窒素などのヘテロ原子を分子中に含んだ極性分子成分を多く含むという特徴を有する。また、石炭系低温タールから得られたピッチにも極性分子成分を多く含む。そのため、このような石炭系低温タールから得られたピッチを熱処理してコーキングしても等方性組織が入り混じった組織や流れ組織の単位が小さい等の流れ組織が未発達の生コークスしか得られない。具体的にはニードルコークスを製造するために適した組織の生コークスは流れ組織と呼ばれる連続相を示しており、そのサイズは100μm以上である。一方、上記石炭系低温タールあるいはピッチから得られる生コークスはファインモザイク組織(サイズ10μm以下)もしくはコースモザイク組織(サイズ10μm超〜100μm未満)と呼ばれる微細な組織を多く含む。また、反応性が高く高粘度化しやすいという特徴も同時に有するので、生コークスを得るために熱処理する際、上記のように流れ組織の形成が阻害されてしまう。従って、そのような生コークスを使用してニードルコークスを製造しようとしても、配向繊維状組織が発達した良質なニードルコークスが得られにくい状況であった。
一方、石炭系低温タールは、石炭系高温タールと同様に芳香族成分が主成分であるが、石炭系高温タールと比較して、酸素、硫黄、窒素などのヘテロ原子を分子中に含んだ極性分子成分を多く含むという特徴を有する。また、石炭系低温タールから得られたピッチにも極性分子成分を多く含む。そのため、このような石炭系低温タールから得られたピッチを熱処理してコーキングしても等方性組織が入り混じった組織や流れ組織の単位が小さい等の流れ組織が未発達の生コークスしか得られない。具体的にはニードルコークスを製造するために適した組織の生コークスは流れ組織と呼ばれる連続相を示しており、そのサイズは100μm以上である。一方、上記石炭系低温タールあるいはピッチから得られる生コークスはファインモザイク組織(サイズ10μm以下)もしくはコースモザイク組織(サイズ10μm超〜100μm未満)と呼ばれる微細な組織を多く含む。また、反応性が高く高粘度化しやすいという特徴も同時に有するので、生コークスを得るために熱処理する際、上記のように流れ組織の形成が阻害されてしまう。従って、そのような生コークスを使用してニードルコークスを製造しようとしても、配向繊維状組織が発達した良質なニードルコークスが得られにくい状況であった。
また、硫黄、窒素などのヘテロ原子がニードルコークス中に多く存在すると、ニードルコークスを使用して製鋼用電極などの人造黒鉛材料を製造する際にパッフィングが起こることが知られている。パッフィングとは黒鉛化工程における不可逆的な異常熱膨張現象をいい、これが発生すると固有抵抗値、機械的強度などの特性の劣化を招くので、この発生を抑える必要がある。
特許文献3には、予めキノリン不溶分を除いたコールタール系重質油と石油系重質油とを窒素及び硫黄分を一定量以下になる割合に混合して、生コークスにした後、2段階のか焼を行うことにより、パッフィングの発生が改善されるニードルコークスが提供されることが報告されている。
特許文献3には、予めキノリン不溶分を除いたコールタール系重質油と石油系重質油とを窒素及び硫黄分を一定量以下になる割合に混合して、生コークスにした後、2段階のか焼を行うことにより、パッフィングの発生が改善されるニードルコークスが提供されることが報告されている。
以上、従来石炭系低温タールから、流れ組織の発達を阻害する成分である極性分子成分を選択的に除去できない状況にあった。また、反応性が高く高粘度化しやすいという特徴によっても生コークスを得るために熱処理する際、流れ組織の形成が阻害されてしまう状況にあった。そのため、石炭系低温タールをニードルコークス製造用の原料として使用できない状況にあった。
また、硫黄、窒素などのヘテロ原子の存在は、得られたニードルコークスを使用して製鋼用電極などの人造黒鉛材料を製造する際にパッフィングの発生を招くことになる。
また、硫黄、窒素などのヘテロ原子の存在は、得られたニードルコークスを使用して製鋼用電極などの人造黒鉛材料を製造する際にパッフィングの発生を招くことになる。
本発明は、上記実情に鑑み、石炭系低温タールあるいは石炭系低温タールから得られる石炭系ピッチを改質することにより、ニードルコークスの製造に適した生コークス及びニードルコークスを提供できる改質タールを提供することにある。
〔構成〕
上記目的を達成するための本発明の改質タールの製造方法の特徴構成は、石炭系低温タールまたは石炭系低温タールの軽質分を除去して得られた石炭系ピッチ100質量部に水素供与性溶剤を30〜300質量部加えて、0.3〜5.0MPaの加圧下、380〜450℃で0.1〜4時間保持する点にある。
また、前記水素供与性溶剤が、エチレンボトムオイルまたはFCCデカントオイルであることが好ましい。
上記目的を達成するための本発明の改質タールの製造方法の特徴構成は、石炭系低温タールまたは石炭系低温タールの軽質分を除去して得られた石炭系ピッチ100質量部に水素供与性溶剤を30〜300質量部加えて、0.3〜5.0MPaの加圧下、380〜450℃で0.1〜4時間保持する点にある。
また、前記水素供与性溶剤が、エチレンボトムオイルまたはFCCデカントオイルであることが好ましい。
〔作用効果〕
原料としては、石炭系低温タールあるいは石炭系低温タールから石炭系低温タールの軽質分を蒸留によって除去するなどにより得られた石炭系ピッチが用いられる。この原料に、水素供与性溶剤を混合して加圧下で熱処理を施すと、前記原料中に含まれるヘテロ原子を有する成分が、前記水素供与生溶剤によって還元作用を受ける際に、その原料が分解されて低分子化するなどしてヘテロ原子が系外に除去されるため、改質作用を受け、品質の高いニードルコークスが製造可能な改質タールとなるものと考えられる。
原料としては、石炭系低温タールあるいは石炭系低温タールから石炭系低温タールの軽質分を蒸留によって除去するなどにより得られた石炭系ピッチが用いられる。この原料に、水素供与性溶剤を混合して加圧下で熱処理を施すと、前記原料中に含まれるヘテロ原子を有する成分が、前記水素供与生溶剤によって還元作用を受ける際に、その原料が分解されて低分子化するなどしてヘテロ原子が系外に除去されるため、改質作用を受け、品質の高いニードルコークスが製造可能な改質タールとなるものと考えられる。
このとき、原料としては、石炭系低温タールから予め軽質分が除去された石炭系ピッチを用いることが好ましい。
また、上記石炭系低温タールまたは石炭系ピッチに添加する水素供与性溶剤の量は、少なすぎると充分な改質作用が得られず、多すぎると、費用対効果の面で非効率的になり、コスト高となるため、原料100質量部に対して30〜300質量部が好ましい。より好ましくは、50〜100質量部である。
上記改質反応は、石炭系低温タールまたは石炭系ピッチと水素供与性溶剤との混合物を、加圧下、所定時間加熱することにより効率的に行うことが出来る。加圧は、窒素ガスの導入量もしくは排気ガス量の制御によって行うことができ、0.3〜5.0MPaの加圧下とすることにより、経済的な加圧条件で反応性を十分高くすることが出来るので好ましい。尚、さらに好ましくは、1.5〜2.5MPaである。また加熱条件としては、温度が低すぎると水素化反応が進まず、高すぎると水素化反応と併行して極性成分などの反応性の高い成分の選択的な熱重合反応が始まる。また、改質物中に異方性が生じ始めるので、380〜450℃とすることが好ましい。反応時間は、上記原料の性状、温度、圧力条件で変化するものの、0.1〜4時間保持することによって行えば良い。
水素供与性溶剤としては、中軽質油を使用することが簡便かつ効率的である。中軽質油としては、エチレンボトムオイル、FCCデカントオイル、エキストラクトオイル、アントラセンオイル、テトラリン、ジヒドロアントラセン、テトラヒドロキノリンなどから選ばれる少なくとも一種以上の中軽質油を主成分とするものを用いることができるが、これらの複数種を含有しても良い。また、他に種々の粘度調整の機能を損なわない溶媒や添加物を含有していてもかまわない。
このうち、効果及び経済性を考慮するとエチレンボトムオイル及びFCCデカントオイルが特に好ましい。
このうち、効果及び経済性を考慮するとエチレンボトムオイル及びFCCデカントオイルが特に好ましい。
〔構成〕
また、本発明の改質タールの特徴構成は、上記改質タールの製造方法により得られ、酸素含有量が3.0質量%以下、窒素含有量は1.3質量%以下である点、もしくは、上記改質タールの製造方法により得られ、数平均分子量が100〜300である点にある。
また、本発明の改質タールの特徴構成は、上記改質タールの製造方法により得られ、酸素含有量が3.0質量%以下、窒素含有量は1.3質量%以下である点、もしくは、上記改質タールの製造方法により得られ、数平均分子量が100〜300である点にある。
〔作用効果〕
上記製造方法で得られた改質タールは、分子量及び分子構造において、以下のような特徴を有する。そのため、生コークスの製造原料として好適なものとなっていると考えられる。
上記製造方法で得られた改質タールは、分子量及び分子構造において、以下のような特徴を有する。そのため、生コークスの製造原料として好適なものとなっていると考えられる。
FD−MS(電界脱離イオン化質量分析)により測定した分子量分布から計算される平均分子量の一例を示すと、高温タールを蒸留して調製した石炭系ピッチの数平均分子量(Mn)は717、石炭系低温タール由来のピッチのMnは538、改質タールのMnは169であった。つまり、分子量において、原料の石炭系ピッチ等に比べて小さくなっている。
石炭系高温タール由来のピッチでは、元素分析によるとC/H(質量比、以下同様)が約20であり、かつ酸素がほとんどないため、平均で4〜6環の多環芳香族分子で構成されていると考えられる。一方、石炭系低温タール由来のピッチでは、元素分析によるとC/Hが約13、C/Oが約14であることから、平均2〜3環の多環芳香族分子3個が酸素原子により架橋結合しているような分子構造と推察される。つまり、得られた改質タールは、C/Oが34以上になり、ヘテロ原子のきわめて少ない組成となっていることがわかる。
したがって、改質タールでは数平均分子量及び酸素量が大きく減少しているため、上記低温タール由来のピッチに関して、架橋結合が切断され、平均2〜3環の芳香族分子に側鎖として酸素が存在するような分子構造となっているものと考えられ、これは、生コークスの生成に際して流れ組織が成長するのに適した構造といえる。
〔構成〕
さらに、本発明の生コークスの製造方法の特徴構成は、上記改質タールを、生コークス化する温度で熱処理する点にある。
さらに、本発明の生コークスの製造方法の特徴構成は、上記改質タールを、生コークス化する温度で熱処理する点にある。
〔作用効果〕
コーキング処理は、例えば、ディレードコーカー(遅延コークス化コーカー)等のコーキング炉を熱処理炉として用いて熱処理する。このとき、本発明の改質タールは、430〜600℃に達すると、流れ組織が形成され、ニードルコークス製造に適した生コークスを得ることができる。ここで、ディレードコーカーを用いると、数秒で所望の温度まで昇温することができ(4800℃/分)、このように充分速い昇温速度であっても、上記改質タールでは、充分流れ組織が発達し、良好な生コークスが得られる。昇温能力がディレードコーカーほど高くない熱処理炉を用いる場合は、例えば5〜50℃/分程度の昇温速度を選択することができ、容易に上記改質タールから流れ組織を形成することができる。
コーキング処理は、例えば、ディレードコーカー(遅延コークス化コーカー)等のコーキング炉を熱処理炉として用いて熱処理する。このとき、本発明の改質タールは、430〜600℃に達すると、流れ組織が形成され、ニードルコークス製造に適した生コークスを得ることができる。ここで、ディレードコーカーを用いると、数秒で所望の温度まで昇温することができ(4800℃/分)、このように充分速い昇温速度であっても、上記改質タールでは、充分流れ組織が発達し、良好な生コークスが得られる。昇温能力がディレードコーカーほど高くない熱処理炉を用いる場合は、例えば5〜50℃/分程度の昇温速度を選択することができ、容易に上記改質タールから流れ組織を形成することができる。
〔構成〕
さらに、本発明のニードルコークスの製造方法の特徴構成は、上述の生コークスの製造方法により得られた生コークスを、か焼処理する点にある。
さらに、本発明のニードルコークスの製造方法の特徴構成は、上述の生コークスの製造方法により得られた生コークスを、か焼処理する点にある。
〔作用効果〕
つまり、生コークスをか焼すると、生コークスの構造が変化してニードルコークスを製造することができる。生コークスでは、結合水素等が残った高分子量炭化水素であるが、か焼により、揮発成分の除去、脱水、熱分解、易酸化構造の燃焼除去、固相反応による重合、高分子化等を経て安定な化合物へと変化する。ここでは、上述の生コークスを用いてニードルコークスを製造するから、配向繊維状組織が充分発達した良質なニードルコークスを得ることができる。
か焼は、生コークスを800℃〜1400℃に加熱する熱処理装置が使用でき、工業的にはカルサイナーと呼ばれるロータリーキルンが用いられる。
つまり、生コークスをか焼すると、生コークスの構造が変化してニードルコークスを製造することができる。生コークスでは、結合水素等が残った高分子量炭化水素であるが、か焼により、揮発成分の除去、脱水、熱分解、易酸化構造の燃焼除去、固相反応による重合、高分子化等を経て安定な化合物へと変化する。ここでは、上述の生コークスを用いてニードルコークスを製造するから、配向繊維状組織が充分発達した良質なニードルコークスを得ることができる。
か焼は、生コークスを800℃〜1400℃に加熱する熱処理装置が使用でき、工業的にはカルサイナーと呼ばれるロータリーキルンが用いられる。
したがって、改質タール並びに改質タールの製造方法、生コークスの製造方法及びニードルコークスの製造方法によれば、製綱用電極、特殊炭素材、高品質の炭素繊維、電池用黒鉛材料の製造原料として好適である。
以下に、本発明の改質タール並びに改質タールの製造方法、生コークスの製造方法及びニードルコークスの製造方法を説明する。尚、以下に好適な実施例を記すが、これら実施例は、それぞれ、本発明をより具体的に例示するために記載されたものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変更が可能であり、本発明は、以下の記載に限定されるものではない。
〔実施例1〕
ルルギ式石炭ガス化プロセスの副生油である石炭系低温タールを用いた。石炭系低温タールを、常法により蒸留し、軽質分を除去して石炭系ピッチを得た。石炭系ピッチの物性は、下記のとおりである。なお、酸素含有量及び窒素含有量は元素分析によって求めた。
ルルギ式石炭ガス化プロセスの副生油である石炭系低温タールを用いた。石炭系低温タールを、常法により蒸留し、軽質分を除去して石炭系ピッチを得た。石炭系ピッチの物性は、下記のとおりである。なお、酸素含有量及び窒素含有量は元素分析によって求めた。
石炭系ピッチ:
軟化点………47℃
キノリン不溶分………≦0.01質量%
トルエン不溶分………4.3質量%
酸素含有量………6.1質量%
窒素含有量………1.7質量%
軟化点………47℃
キノリン不溶分………≦0.01質量%
トルエン不溶分………4.3質量%
酸素含有量………6.1質量%
窒素含有量………1.7質量%
石炭系ピッチに、同量(質量:特記無き場合は以下同様)の水素供与性溶剤としてのエチレンボトムオイルを加えて混合後、ステンレス製の圧力容器に入れ、窒素ガスにより2.0MPaの圧力を与えて400℃まで加熱し、その温度で4時間保持した。これによって、室温で粘着性のある液体状の改質タールを得た。この改質タールの酸素含有量は2.3質量%、窒素含有量は1.0質量%であった。
得られた改質タールを、コーキング処理して生コークスを得た。
図1にコーキング実験装置を示す。外径40mm、内径37mm、長さ300mmのパイレックス(登録商標)製試験管1に約50gの試料2を入れる。試験管1に窒素ガスを導入するための外径10mm、内径8mmのガラス管3と窒素ガス及び試料から発生する揮発分を排気する同じく外径10mm、内径8mmのガラス管4を挿入し、シリコンゴム栓5で試験管上部を密閉する。窒素ガスを200ml/分の流量で流しながらヒータ6で500℃に加熱し温度保持した溶融塩バス7に浸漬する。浸漬し始めた時刻から3時間後に試験管1を溶融塩バスから取り出して加熱を終了する。
図1にコーキング実験装置を示す。外径40mm、内径37mm、長さ300mmのパイレックス(登録商標)製試験管1に約50gの試料2を入れる。試験管1に窒素ガスを導入するための外径10mm、内径8mmのガラス管3と窒素ガス及び試料から発生する揮発分を排気する同じく外径10mm、内径8mmのガラス管4を挿入し、シリコンゴム栓5で試験管上部を密閉する。窒素ガスを200ml/分の流量で流しながらヒータ6で500℃に加熱し温度保持した溶融塩バス7に浸漬する。浸漬し始めた時刻から3時間後に試験管1を溶融塩バスから取り出して加熱を終了する。
得られた生コークスの組織を偏光顕微鏡により観察した。その結果、図2に示すように全て流れ組織が発達した生コークスが得られていることがわかった。
尚、生コークスに含まれる流れ組織及びモザイク組織の面積割合は以下のようにして求めた。
コークスを樹脂に埋め込み、表面を研磨後、観察倍率約200倍の偏光顕微鏡にて観察する。観察画像を一枚につき、44μm×34μmの面積を有するデジタル画像として約10枚の画像をコンピューターに取り込み、コンピューター上で2μm×2μmのマス目に分割する。分割したマス目を目視で流れ組織、コースモザイク組織及びファインモザイク組織に分類し、1250個以上のマス目(5000μm2以上)を検査し、マス目の個数割合を求めることにより、各組織の面積割合を算出する。
生コークスに含まれる流れ組織の面積割合は100%であった。
生コークスに含まれる流れ組織の面積割合は100%であった。
得られた生コークスを、蓋付き黒鉛製坩堝に入れ、その坩堝をヒータ加熱式の電気炉で、窒素ガス気流中1000℃(昇温速度5℃/分)で熱処理し、か焼した。得られたか焼物の組織を偏光顕微鏡により確認したところ、図3に示すように配向繊維状組織の発達したニードルコークスであることがわかった。
〔実施例2〕
実施例1と同じ石炭系ピッチに、石炭系ピッチの半分の量のエチレンボトムオイルを加えて混合後、実施例1と同様にステンレス製の圧力容器に入れ、窒素ガスにより2.0MPaの圧力を与えて400℃まで加熱し、その温度で4時間保持した。これによって、室温で粘着性のある液体状の改質タールを得た。この改質タールの酸素含有量は2.7質量%、窒素含有量は1.3質量%であった。
実施例1と同じ石炭系ピッチに、石炭系ピッチの半分の量のエチレンボトムオイルを加えて混合後、実施例1と同様にステンレス製の圧力容器に入れ、窒素ガスにより2.0MPaの圧力を与えて400℃まで加熱し、その温度で4時間保持した。これによって、室温で粘着性のある液体状の改質タールを得た。この改質タールの酸素含有量は2.7質量%、窒素含有量は1.3質量%であった。
つづいて、得られた改質タールを、実施例1と同様な方法でコーキング処理して生コークスを得た。
得られた生コークスの組織を偏光顕微鏡により観察した。その結果図4に示すようにほとんど全て流れ組織が発達した生コークスが得られていることがわかった。生コークスに含まれる流れ組織の面積割合は92%であった。ファインモザイク組織の面積割合が8%であった。
得られた生コークスの組織を偏光顕微鏡により観察した。その結果図4に示すようにほとんど全て流れ組織が発達した生コークスが得られていることがわかった。生コークスに含まれる流れ組織の面積割合は92%であった。ファインモザイク組織の面積割合が8%であった。
さらに、得られた生コークスを実施例1と同様な方法でか焼した。得られたか焼物の組織を偏光顕微鏡により確認したところ、図5に示すように、配向繊維状組織の発達したニードルコークスであることがわかった。
エチレンボトムオイルの添加量は、原料100質量部に対して50質量部であっても充分な量であることがわかった。
〔実施例3〕
実施例1と同じ石炭系ピッチに、同量のFCCデカントオイルを加えて混合後、実施例1と同様にステンレス製の圧力容器に入れ、窒素ガスにより2.0MPaの圧力を与えて400℃まで加熱し、その温度で4時間保持した。これによって、室温で粘着性のある液体状の改質タールを得た。この改質タールの酸素含有量は2.2質量%、窒素含有量は1.1質量%であった。
実施例1と同じ石炭系ピッチに、同量のFCCデカントオイルを加えて混合後、実施例1と同様にステンレス製の圧力容器に入れ、窒素ガスにより2.0MPaの圧力を与えて400℃まで加熱し、その温度で4時間保持した。これによって、室温で粘着性のある液体状の改質タールを得た。この改質タールの酸素含有量は2.2質量%、窒素含有量は1.1質量%であった。
つづいて、得られた改質タールを、実施例1と同様な方法でコーキング処理して生コークスを得た。
得られた生コークスの組織を偏光顕微鏡により観察した。その結果、図6に示すように全て流れ組織が発達した生コークスが得られていることがわかった。生コークスに含まれる流れ組織の面積割合は100%であった。
得られた生コークスの組織を偏光顕微鏡により観察した。その結果、図6に示すように全て流れ組織が発達した生コークスが得られていることがわかった。生コークスに含まれる流れ組織の面積割合は100%であった。
さらに、得られた生コークスを実施例1と同様な方法でか焼した。得られたか焼物の組織を偏光顕微鏡により確認したところ、図7に示すように、配向繊維状組織の発達したニードルコークスであることがわかった。
つまり、エチレンボトムオイルに代えFCCデカントオイルを用いても、実施例1と同様に良質の改質タールが得られることがわかった。
〔比較例1〕
実施例1と同じ石炭系ピッチに、石炭系ピッチの5分の1の量のエチレンボトムオイルを加えて混合後、実施例1と同様にステンレス製の圧力容器に入れ、窒素ガスにより2.0MPaの圧力を与えて400℃まで加熱し、その温度で4時間保持した。これによって、室温で粘着性のある液体状の改質タールを得た。この改質タールの酸素含有量は3.2質量%、窒素含有量は1.6質量%であった。
実施例1と同じ石炭系ピッチに、石炭系ピッチの5分の1の量のエチレンボトムオイルを加えて混合後、実施例1と同様にステンレス製の圧力容器に入れ、窒素ガスにより2.0MPaの圧力を与えて400℃まで加熱し、その温度で4時間保持した。これによって、室温で粘着性のある液体状の改質タールを得た。この改質タールの酸素含有量は3.2質量%、窒素含有量は1.6質量%であった。
つづいて、得られた改質タールを、実施例1と同様な方法でコーキング処理して生コークスを得た。
得られた生コークスの組織を偏光顕微鏡により観察した。その結果、ファインモザイクの他コースモザイクが認められた。図8に示すように流れ組織の発達が不十分な生コークスであった。生コークスに含まれる流れ組織の面積割合は68%であった。ファインモザイク組織の面積割合が23%であり、コースモザイク組織の面積割合が9%であった。
得られた生コークスの組織を偏光顕微鏡により観察した。その結果、ファインモザイクの他コースモザイクが認められた。図8に示すように流れ組織の発達が不十分な生コークスであった。生コークスに含まれる流れ組織の面積割合は68%であった。ファインモザイク組織の面積割合が23%であり、コースモザイク組織の面積割合が9%であった。
さらに、得られた生コークスを実施例1と同様な方法でか焼した。得られたか焼物の組織を偏光顕微鏡により確認したところ、図9に示すように、配向繊維状組織の発達が不十分なコークスであることがわかった。
水素供与性溶剤の添加量は、20質量部まで減少すると良質な改質タールが得られず、ほぼ30質量部程度〜300質量部の範囲で実施例1と同様に良質の改質タールが得られることが示唆された。
〔比較例2〕
実施例1と同じ石炭系ピッチに、石炭系ピッチと同量のエチレンボトムオイルを加えて混合した。この混合物の酸素含有量は3.1質量%、窒素含有量は0.9質量%であった。
実施例1と同じ石炭系ピッチに、石炭系ピッチと同量のエチレンボトムオイルを加えて混合した。この混合物の酸素含有量は3.1質量%、窒素含有量は0.9質量%であった。
この混合物を加熱改質処理なしで実施例1と同様な方法で、コーキング処理して生コークスを得た。すなわち、図1に示すコーキング実験装置で、窒素ガスを200ml/分の流量で流しながら500℃にて3時間加熱してコーキング処理を行った。
得られた生コークスの組織を偏光顕微鏡により観察した。その結果、ファインモザイクの他コースモザイクが認められた。図10に示すように流れ組織の発達が不十分な生コークスであった。生コークスに含まれる流れ組織の面積割合は65%であった。ファインモザイク組織の面積割合が9%であり、コースモザイク組織の面積割合が26%であった。
さらに、得られた生コークスを実施例1と同様な方法でか焼した。得られたか焼物の組織を偏光顕微鏡により確認したところ、図11に示すように、配向繊維状組織の発達が不十分なコークスであることがわかった。
さらに、得られた生コークスを実施例1と同様な方法でか焼した。得られたか焼物の組織を偏光顕微鏡により確認したところ、図11に示すように、配向繊維状組織の発達が不十分なコークスであることがわかった。
〔比較例3〕
実施例1と同じ石炭系ピッチに、石炭系ピッチと同量のFCCデカントオイルを加えて混合した。この混合物の酸素含有量は3.2質量%、窒素含有量は0.9質量%であった。
実施例1と同じ石炭系ピッチに、石炭系ピッチと同量のFCCデカントオイルを加えて混合した。この混合物の酸素含有量は3.2質量%、窒素含有量は0.9質量%であった。
この混合物を加熱改質処理なしで実施例1と同様な方法で、コーキング処理して生コークスを得た。すなわち、図1に示すコーキング実験装置で、窒素ガスを200ml/分の流量で流しながら500℃にて3時間加熱してコーキング処理を行った。
得られた生コークスの組織を偏光顕微鏡により観察した。その結果、ファインモザイクの他コースモザイクが認められた。図12に示すように流れ組織の発達が不十分な生コークスであった。生コークスに含まれる流れ組織の面積割合は78%であった。ファインモザイク組織の面積割合が22%であった。
さらに、得られた生コークスを実施例1と同様な方法でか焼した。得られたか焼物の組織を偏光顕微鏡により確認したところ、図13に示すように、配向繊維状組織の発達が不十分なコークスであることがわかった。
〔比較例4〕
実施例1と同じ石炭系ピッチを直接、コーキング処理して生コークスを得た。
得られた生コークスの組織を偏光顕微鏡により観察した。その結果、ファインモザイクの他コースモザイクが認められた。図14に示すように流れ組織の発達が不十分な生コークスであった。生コークスに含まれる流れ組織の面積割合は44%であった。ファインモザイク組織の面積割合が22%であり、コースモザイク組織の面積割合が34%であった。
実施例1と同じ石炭系ピッチを直接、コーキング処理して生コークスを得た。
得られた生コークスの組織を偏光顕微鏡により観察した。その結果、ファインモザイクの他コースモザイクが認められた。図14に示すように流れ組織の発達が不十分な生コークスであった。生コークスに含まれる流れ組織の面積割合は44%であった。ファインモザイク組織の面積割合が22%であり、コースモザイク組織の面積割合が34%であった。
さらに、得られた生コークスを実施例1と同様な方法でか焼した。得られたか焼物の組織を偏光顕微鏡により確認したところ、図15に示すように、配向繊維状組織の発達が不十分なコークスであることがわかった。
(極性分子成分分析)
実施例1で用いた石炭系ピッチ及び得られた改質タールをガスクロマトグラフ質量分析(GC/MS)により分析した。GC/MS分析では、試料をTHF(テトラヒドロフラン)で溶解し、1質量%溶液として分析した。ガスクロマトグラフ分析装置(GC)はHEWLETT PACKARD製HP5890を用いた。カラム温度は50〜320℃(昇温10℃/分)であった。キャリアガスとしてヘリウムガスを用い流量1ml/分を流した。質量分析装置(MS)は日本電子製JMS−700を用いた。電子衝撃によるイオン化エネルギー70eV、加速電圧10kVとした。
実施例1で用いた石炭系ピッチ及び得られた改質タールをガスクロマトグラフ質量分析(GC/MS)により分析した。GC/MS分析では、試料をTHF(テトラヒドロフラン)で溶解し、1質量%溶液として分析した。ガスクロマトグラフ分析装置(GC)はHEWLETT PACKARD製HP5890を用いた。カラム温度は50〜320℃(昇温10℃/分)であった。キャリアガスとしてヘリウムガスを用い流量1ml/分を流した。質量分析装置(MS)は日本電子製JMS−700を用いた。電子衝撃によるイオン化エネルギー70eV、加速電圧10kVとした。
ヘテロ原子を含む極性分子成分のうち、表1に示す物質が石炭系ピッチでは検出され、改質タールでは検出されなかった。
GC/MS分析より、ナフトール等の含酸素化合物、カルバゾール等の含窒素化合物がよく除去されているのが確認された。
(黒鉛化物の構造)
実施例1及び比較例4で得られたか焼物を、工業用のアチソン炉を用いて2800℃の熱処理を行い、黒鉛化物を得た。
X線回折測定により得られた黒鉛化物の結晶配向性を測定した。ニードルコークスは流れ組織で形成されているため、モザイク組織と比較して結晶の配向性が高い特徴がある。この結晶配向性はX線回折測定により、54.5°付近に表れる004回折線ピークと76.3°付近に表れる110回折線ピークの強度比(I(004)/I(110))を測定することによって評価できる。この強度比が高いほうが、結晶の配向性が高い。
実施例1及び比較例4で得られたか焼物を、工業用のアチソン炉を用いて2800℃の熱処理を行い、黒鉛化物を得た。
X線回折測定により得られた黒鉛化物の結晶配向性を測定した。ニードルコークスは流れ組織で形成されているため、モザイク組織と比較して結晶の配向性が高い特徴がある。この結晶配向性はX線回折測定により、54.5°付近に表れる004回折線ピークと76.3°付近に表れる110回折線ピークの強度比(I(004)/I(110))を測定することによって評価できる。この強度比が高いほうが、結晶の配向性が高い。
実施例1及び比較例4において得られた黒鉛化物について強度比を測定した。測定方法は、200メッシュ以下に粉砕した黒鉛化物を約0.1g計り取り、20×16×0.5mmのサンプルを受ける窪みを備えた35×50×1mmのガラス製サンプルホルダーに仕込み、平らなガラス板で圧密した。圧密し、表面を平らにした試料を理学電機株式会社製のX線広角回折装置(型式:RINT2500)にセットし、測定した。測定に用いたパラメータは下記の通りであった。
管電圧:40kV
管電流:200mA
ゴニオ半径:185mm
走査軸:2θ/θ
ステップ:0.02
計数時間:1秒
測定方法:FT
繰り返し回数:1回
管電流:200mA
ゴニオ半径:185mm
走査軸:2θ/θ
ステップ:0.02
計数時間:1秒
測定方法:FT
繰り返し回数:1回
得られたデータを解析ソフト(Carbon Analyzer G series((株)菱化システム))を用いて解析した。
その結果、実施例1にかかる黒鉛化物のI(004)/I(110)は、7.90であったのに対して、比較例4にかかる黒鉛化物のI(004)/I(110)は、1.18であった。つまり、本発明のニードルコークスの製造方法により得られたニードルコークスは、黒鉛化した際に、良質な結晶構造を有し、電極材料等の用途で有用な高品質な材料を提供することができることがわかった。
その結果、実施例1にかかる黒鉛化物のI(004)/I(110)は、7.90であったのに対して、比較例4にかかる黒鉛化物のI(004)/I(110)は、1.18であった。つまり、本発明のニードルコークスの製造方法により得られたニードルコークスは、黒鉛化した際に、良質な結晶構造を有し、電極材料等の用途で有用な高品質な材料を提供することができることがわかった。
1 試験管
2 試料
3 ガラス管
4 ガラス管
5 ゴム栓
6 ヒータ
7 溶融塩バス
2 試料
3 ガラス管
4 ガラス管
5 ゴム栓
6 ヒータ
7 溶融塩バス
Claims (6)
- 石炭系低温タールまたは石炭系低温タールの軽質分を除去して得られた石炭系ピッチ100質量部に水素供与性溶剤を30〜300質量部加えて、0.3〜5.0MPaの加圧下、380〜450℃で0.1〜4時間保持する改質タールの製造方法。
- 前記水素供与性溶剤が、エチレンボトムオイルまたはFCCデカントオイルである請求項1に記載の改質タールの製造方法。
- 請求項1または2に記載の改質タールの製造方法により得られ、酸素含有量が3.0質量%以下、窒素含有量は1.3質量%以下である改質タール。
- 請求項1または2に記載の改質タールの製造方法により得られ、数平均分子量が100〜300である改質タール。
- 請求項3または4に記載の改質タールを、生コークス化する温度で熱処理する生コークスの製造方法。
- 請求項5に記載の生コークスの製造方法により得られた生コークスを、か焼処理するニードルコークスの製造方法。
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JP2009243662A JP2011089024A (ja) | 2009-10-22 | 2009-10-22 | 改質タール並びに改質タールの製造方法、生コークスの製造方法及びニードルコークスの製造方法 |
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