JP2775784B2 - 石炭系ニードルコークスの製造法 - Google Patents

石炭系ニードルコークスの製造法

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JP2775784B2 JP63297424A JP29742488A JP2775784B2 JP 2775784 B2 JP2775784 B2 JP 2775784B2 JP 63297424 A JP63297424 A JP 63297424A JP 29742488 A JP29742488 A JP 29742488A JP 2775784 B2 JP2775784 B2 JP 2775784B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は石炭系ニードルコークスの製造法に関するも
のであり、詳しくは黒鉛化時の不可逆膨張すなわち所謂
パッフィングの小さいニードルコークスの製造法に関す
るものである。
(従来の技術) 近年、人造黒鉛電極は電極使用条件の苛酷化に伴っ
て、高い機械的強度ならびに耐熱衝撃性に秀れているこ
とが要求されている。かかる人造黒鉛電極の製造には熱
膨張係数の小さいニードルコークスが必要でとりわけ熱
膨張係数の低い石炭系ニードルコークスは好まれてい
る。しかしながら、近時の黒鉛電極製造においては省エ
ネルギー化を図るために、従来からあるアチソン炉に変
わって迅速黒鉛化炉を用いる方法が多くなりつつある。
石炭系ニードルコークスを用いて製造した電極では、迅
速黒鉛化炉を用いて黒鉛化した際にパッフィング現象が
現れて亀裂を生じることがあり、また亀裂発生に至らな
いまでも見掛比重が小さくなって強度の十分な電極が得
られないことがある。
ところで、パッフィングの原因については、明確では
ないがコークス中の炭素−硫黄結合、炭素−窒素結合の
高温で分解生成物である硫化水素、窒素がコークス外部
へ揮散する時にコークス組織を押し広げるためとされて
いる。したがってパッフィングを防止するためには硫黄
分、窒素分の少ない原料を選択すればよいが、なかなか
入手が困難である。また、もう一つの方法として原料の
脱硫・脱窒、コークスの脱硫・脱窒が挙げられ、種々提
案されている。(原料の脱硫−特公昭52−39041号公
報、原料の脱窒−特開昭60−149690号公報、コークスの
脱硫−特開昭54−123101号公報) しかし、多環芳香族化合物であるコークス原料から脱
硫・脱窒はかならずしも容易ではなく、さらに重縮合化
したコークスに到っては、その脱硫・脱窒は極めて困難
である。かつコスト的にも割高となりあまり好ましくな
い。その他の方法として、硫化鉄等のパッフィング防止
剤を原料に添加し、コーキングする方法(特開昭55−11
0190号公報)が提案されているが、パッフィング防止剤
が結晶成長阻害物として作用し熱膨張係数を悪化させ好
ましくない。また灰分の増加にもつながるものである。
(発明が解決しようとする課題) 上記の提案のようにほとんどが、パッフィングの原因
である硫黄・窒素を除くか、あるいは安定化させるか等
の対策であり、新たな問題を呈するものもある。
また、石炭ニードルコークスは石油系ニードルコーク
スに比較し、パッフィングが高く、かつ黒鉛電極製造時
にパッフィングを抑えるために入れるパッフィング防止
剤(一般に酸化鉄)の効果が小さいとも言われている。
この原因については、種々様々な説があり必ずしも明確
にされていない。
〔課題を解決するための手段〕
そこで本発明者らは、上記実情に鑑み、さらに改良さ
れた方法を見出すべく鋭意検討した結果、硫黄、窒素等
の低減によるパッフィング低下よりも、コークス組織・
構造を変える方がより絶大な効果があり、また酸化鉄の
効果も石油系と同等のものができることを見い出し、本
発明の完成に到った。
すなわち、本発明の要旨はキノリン不溶分が0.8重量
%以下であるコールタール、コールタールピッチ又はこ
れらを主体とする炭化水素物質である原料油をコークス
ドラムに供給してディレードコーキング法によりコーク
ス化する方法において、200〜360℃の留分を40〜55重量
%含有するように調整した原料油をコークスドラムに供
給することを特徴とする石炭系ニードルコークスの製造
法に存する。
以下本発明を詳細に説明する。
まず本発明において使用される原料油はコールター
ル、コールタールピッチあるいはこれらを主体とする炭
化水素物質である。これらの石炭系原料油は例えば次の
ような方法によりQIを除去される。
すなわち、これらの原料に溶剤として例えば沸点又は
95容量%の留出温度が350℃以下であって次式で表わさ
るB.M.C.I.値 B.M.C.I.=48.640/K+473.7S−456.8 (式中Kは平均沸点(゜K)、Sは60゜Fにおける比重を
示す)が5〜70である炭化水素物質、具体的に好ましく
はシクロヘキサン、灯油、灯油+ナフタリン油等を配合
割合が原料:溶剤の重量比として1:0.3〜1:1になるよう
に加え、混合する。次いで原料と溶剤との混合物を静置
沈降しデカンテーション法などの簡便な操作により不溶
分を分離除去してQ.I.を実質的に含まない炭化水素が得
られる。ここで清澄液として得られる縮合芳香族化合物
を含む炭化水素物質のQ.I.含有量は通常0.8重量%以
下、好ましくは0.3重量%以下、最適には0.1重量%以下
に減少する。このQ.I.含有量の100分率の割合は後記す
る「改質原料油」重量に対する割合である。
上記の混合、静置沈降、分離の各工程は操作を容易に
するため好ましくは60〜350℃程度の温度下で実施され
例えばコールタールを原料とする場合には60〜90℃程
度、軟コールタールピッチの場合には150〜290℃程度が
好適である。
得られた清澄液は、次いで、溶剤の沸点或いは95容量
%の留出温度以下、或いは約350℃以下の留出温度で蒸
留される。留出分は回収され、必要に応じて溶剤として
再使用される。例えば、原料としてコールタールを使用
する場合には、溶剤留出(例えば、シクロヘキサンの場
合には81℃)後、温度を約300℃に上昇させ、ピッチ化
する方が後のコークス化に有利である。このようにして
蒸留後、留出しない留分は改質原料油として取り出され
る。
得られる改質原料油はコークス化送入原料油としてい
わゆるディレードコーキング法により加熱コークス化し
生ニードルコークスを得るが、本発明においては特定の
前処理がなされる。
すなわちコークスドラム装入原料中に(常圧換算)20
0〜360℃留分の芳香族油を40〜55重量%含むように調整
する。かかる留分は吸収油、クレオソート油、アントラ
セン油に相当し、芳香族炭化水素油主体の油であれば使
用可能で、分子量分布の広い(沸点範囲の広い)ものが
好ましい。40%未満ではパッフィングの低下は小さく、
55%を超えると操業上、経済性の問題がある。調整方法
としては、原料油に対する蒸留塔からのリサイクル油の
混合量いわゆるリサイクル比で制御する方法、コークド
ラム装入原料に上記芳香族油を添加する方法、つまりコ
ークスドラムと蒸留塔の間に中間タンクを設け、このタ
ンクで混合調整する方法、あるいは配管ミキサーをもう
け直接配管で調整する方法等が挙げられる。
以上のように調整した原料を、450〜500℃で常法によ
りディレードコーキングを実施すればよいがその際コー
クドラム内の滞留液体部、固体部と気体部の温度差が5
〜30℃となるようにするとさらに効果的である。また得
られた生ニードルコークスの揮発分は熱膨張係数の悪化
をさけるため5%以下が好ましい。
(実施例) 以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、
本発明は後記する実施例に限定されるものではない。
実施例1 キノリン不溶分が0%のコールタールピッチ(200〜3
60℃留分約20重量%)にアントラセン油を添加し、200
〜360℃留分が45重量%のドラム供給原料を作成し、デ
ィレードコーキングし、生ニードルコークスを製造し
た。その後、ロータリーキルンで1450℃で仮焼した。こ
の仮焼ニードルコークスを粉砕・篩別し、適宜に粒度配
合を行い、このもの100部に対し、32部のバインダーピ
ッチを加えた。
混捏後、押出成形加工し、25mmφ×120mmLのテストピ
ースを作り、焼成後1000℃以上の温度範囲は20℃/分の
昇温速度で2800℃迄昇温し2800℃に30分保持して黒鉛化
を行った。
黒鉛化前後の直径の測定を行ないパッフィングを計算
した。さらに、黒鉛化後のラストピースを20mmφ×100m
mLに削り、これを用いて25〜125℃間の熱膨張係数を測
定した。その結果熱膨張係数は6.0×10-7/℃パッフィン
グは0.5%であった。
また、混捏時に酸化鉄2%を添加し、上記と同様に熱
膨張係数パッフィングを測定した。熱膨張係数は6.0×1
0-7/℃、パッフィングは0.1%であった。
比較例1 実施例1において、アントラセン油を添加しないで実
施例1と同様の操作を行なった。
酸化鉄無添加 熱膨張係数 3.0×10-7/℃ パッフィング 2.5% 酸化鉄2%添加 熱膨張係数 3.0×10-7/℃ パッフィング 2.4% 比較例2 キノリン不溶分が0.3%のコールタールピッチ(200〜
360℃留分約20%)にアントラセン油を添加し、200〜36
0℃留分が30%の原料油を作成し実施例1と同様の操作
を行なった。
酸化鉄無添加 熱膨張係数 6.0×10-7/℃ パッフィング 1.3% 酸化鉄2%添加 熱膨張係数 6.0×10-7/℃ パッフィング 1.1% 〔発明の効果〕 本発明の方法は、パッフィングの低減方法として、従
来のS.N除去に比し経済性にすぐれ、また石炭系ニード
ルコークスの難点である酸化鉄によるパッフィング低減
が改善され、非常にその効果は大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今泉 武男 香川県坂出市番の州町1番地 三菱化成 株式会社坂出工場内 (72)発明者 宇都宮 幸夫 香川県坂出市番の州町1番地 三菱化成 株式会社坂出工場内 (56)参考文献 特開 昭63−210187(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C10B 57/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】キノリン不溶分が0.8重量%以下であるコ
    ールタール、コールタールピッチ又はこれらを主体とす
    る炭化水素物質である原料油をコークスドラムに供給し
    てディレードコーキング法によりコークス化する方法に
    おいて、200〜360℃の留分を40〜55重量%含有するよう
    に調整した原料油をコークスドラムに供給することを特
    徴とする石炭系ニードルコークスの製造法。
JP63297424A 1988-11-25 1988-11-25 石炭系ニードルコークスの製造法 Expired - Lifetime JP2775784B2 (ja)

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