JPH10316704A - 塩化ビニル系重合体ラテックスの製造方法 - Google Patents
塩化ビニル系重合体ラテックスの製造方法Info
- Publication number
- JPH10316704A JPH10316704A JP14350597A JP14350597A JPH10316704A JP H10316704 A JPH10316704 A JP H10316704A JP 14350597 A JP14350597 A JP 14350597A JP 14350597 A JP14350597 A JP 14350597A JP H10316704 A JPH10316704 A JP H10316704A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polymerization
- vinyl chloride
- oxygen
- monomer
- oxygen concentration
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Polymerisation Methods In General (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Abstract
く制御して、白度の高い成形品を与えることのできる塩
化ビニル系重合体ラテックスを安定した重合反応で生産
性よく製造する方法を提供すること。 【解決手段】 塩化ビニルまたは塩化ビニルおよびこれ
と共重合し得る不飽和単量体の混合物を回分式で乳化重
合、播種乳化重合または播種微細懸濁重合して塩化ビニ
ル系重合体ラテックスを製造するに際し、重合器内を1
00torr以下に脱気してから酸素濃度5ppm以下
である30〜90℃の水を仕込み、次いで攪拌しつつ重
合器内の水を40〜80℃に保ち、気相を150tor
r以下に再脱気した後単量体を仕込み、重合反応開始時
の重合器内の酸度濃度を単量体重量に対して25ppm
以下にすることを特徴とする塩化ビニル系重合体ラテッ
クスの製造方法。
Description
体ラテックスの製造方法に関する。詳しくは、本発明
は、重合反応時の酸素濃度を制御することにより重合反
応速度の変動を抑え、白度の高い成形品を与えることの
できる塩化ビニル系重合体ラテックスの製造方法に関す
る。
ーストレジンを得る目的で、塩化ビニルの乳化重合が行
われる。塩化ビニルの乳化重合は、水分散媒、アニオン
性又はノニオン性界面活性剤の乳化剤、水溶性の重合開
始剤などを用い、冷却ジャケット付き耐圧重合器中で比
較的緩徐な攪拌を行いつつ、界面活性剤の作用によって
塩化ビニル単量体を微細な液滴に乳化させ、単量体を包
む界面活性剤ミセル層内で重合を進め、粒径0.05〜
0.5μm程度の微小球形樹脂をラテックスとして得る
ものである。乳化重合法よりも更に大きい粒径を有する
粒子のラテックスを得るために、予備重合した重合体ラ
テックスを種子として用い、乳化剤を連続的または断続
的に添加して種子のポリマー粒子の全表面積を単分子層
でカバーするのに必要な理論量の20〜60%に保ちつ
つ重合することにより、新たな微小粒子の生成を防ぎつ
つ種子粒子のみを太らせるための被覆重合を行う播種乳
化重合が行われている。また、ラテックスやペーストレ
ジンを得る別の方法としては、水を分散媒とし、単量
体、乳化剤、油溶性の重合開始剤等の混合物を、ホモジ
ナイザ等を用いて微細な液滴に分散させたのち重合する
微細懸濁重合や、微細懸濁重合で得られた重合体を種子
粒子として更に被覆重合を行う播種微細懸濁重合等も行
われている。
合、播種乳化重合および播種微細懸濁重合においては、
重合反応時の酸素濃度がある一定値以上あると重合反応
開始までの誘導期間が長くなったり、重合反応速度が低
下したりして重合時間が延びる現象を惹起する。また、
そのような重合反応を経て得られるラテックス粒子がラ
テックス加工やペースト加工に供されると、色調が黄色
系もしくは赤色系にくすんで白度の低い成形品が得られ
る問題がある。重合反応開始時の酸素濃度を低減するた
めに重合器内の脱気を強化しようとしても、単に真空操
作に時間をかけるだけでは、現実には酸素濃度を単量体
重量に対して35ppm以下にすることは困難で、不可
能に近いことである。そこで、脱気操作に次いで窒素等
の不活性ガスを導入し、再び脱気操作を施すことを繰返
すことによって酸素濃度を低減することが行われてい
る。しかし、この方法は、窒素置換工程が複数必要であ
り、操作が繁雑であることに加えて、操作時間が長くな
り生産性を低下させる欠点を有している。このため、簡
易的な方法で重合反応間での変動が少なく、酸素濃度を
低減させる重合方法の開発が望まれていた。
事情の下で、簡便な方法で重合器内の酸素濃度を低く制
御して白度の高い成形品を与えることのできる塩化ビニ
ル系重合体ラテックスを安定した反応で生産性よく製造
する方法を提供することを目的としてなされたものであ
る。
を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、重合器内に一定
の酸素濃度及び温度の水を張って一定の脱気操作と組合
わせることにより上記の目的が達成されることを見出
し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。か
くして本発明によれば、塩化ビニルまたは塩化ビニルお
よびこれと共重合し得る不飽和単量体の混合物を回分式
で乳化重合、播種乳化重合または播種微細懸濁重合して
塩化ビニル系重合体ラテックスを製造するに際し、重合
器内を100torr以下に脱気してから酸素濃度5p
pm以下である30〜90℃の水を仕込み、次いで攪拌
しつつ重合器内の水を40〜80℃に保ち、気相を15
0torr以下に再脱気した後、単量体を仕込み、重合
反応開始時の重合器内の酸素濃度を仕込み単量体重量に
対して25ppm以下にすることを特徴とする塩化ビニ
ル系重合体ラテックスの製造方法が提供される。
化ビニル及びこれと共重合し得る不飽和単量体の回分式
の乳化重合、播種乳化重合及び播種微細懸濁重合に適用
される。本発明方法を塩化ビニル及びこれと共重合し得
る不飽和単量体の共重合に適用する場合には、単量体混
合物中の塩化ビニルの量が50重量%以上であることが
好ましく、75重量%以上であることがより好ましい。
本発明方法において、塩化ビニルと共重合し得るエチレ
ン系不飽和単量体としては、例えば、エチレン、プロピ
レン等のオレフィン系化合物;酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニル等のビニルエステル;アクリル酸、メタクリル
酸等の不飽和モノカルボン酸;アクリル酸メチル、アク
リル酸エチル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−
2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸エチル、メタクリル酸−N,N−ジメチルアミノエ
チル等の不飽和モノカルボン酸エステル;アクリルアミ
ド、メタクリルアミド等の不飽和アミド;アクリロニト
リル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル;マレイ
ン酸、フマール酸等の不飽和ジカルボン酸並びにこれら
のエステル及びこれらの無水物;N−置換マレイミド
類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等の
ビニルエーテル;更に塩化ビニリデン等のビニリデン化
合物等を挙げることができる。
rr以下にする第1回目の脱気操作の段階、加温された
水を仕込む段階、重合器内の水を40〜80℃に保ちつ
つ気相を150torr以下にする第2回目の脱気操作
の段階及び単量体を仕込んで重合反応を行う段階を含
む。第1回目の脱気操作では、重合器内圧力を100t
orr以下、好ましくは50torr以下にする。重合
反応が播種乳化重合または播種微細懸濁重合の場合は、
種子重合体ラテックスを仕込む必要がある。種子重合体
ラテックスの重合器への仕込みは、第1回目の脱気操作
の後でも、それに続く温浄水の仕込みの後でもよいが、
通常、第1回目の脱気操作の前に重合器に仕込む。種子
重合体ラテックスの仕込みは、配管を通して行ってもよ
いしマンホールから投入してもよい。種子重合体ラテッ
クスの水の酸素濃度は、5ppm以下であることが好ま
しい。第1回目の脱気操作に次いで、温浄水を重合器に
所定量仕込む。本発明方法において、重合反応の媒体と
して重合器に仕込まれる水は30〜90℃、好ましくは
40〜80℃の温浄水である。該温浄水は、イオン交換
樹脂により金属イオンを除去された水または蒸留水であ
ると好ましい。該温浄水の温度が30℃より低いと、温
浄水に溶存可能な酸素の濃度が大きくなることに加え
て、水温を40〜80℃に調整するのに手間を要する。
また、仕込まれる温浄水の温度が90℃より高いと、重
合器内の温度が重合反応温度より高くなり、無駄な冷却
操作が必要になる。本発明において該温浄水は、酸素を
5ppm以下、好ましくは3ppm以下含有するもので
ある。酸素濃度が5ppmより大きいと、第2回目の脱
気操作だけでは酸素を仕込み単量体重量当り25ppm
以下に抑えられない可能性がある。該温浄水は、重合器
に仕込まれる前に貯槽において上記温度範囲に制御され
ていることが好ましい。また、上記貯槽にて窒素バブリ
ングが行われれば、温浄水の溶存酸素が一層低減するの
で好ましい。
および水溶性の重合開始剤の添加時期は必ずしも限定さ
れないが、温浄水を仕込んだ段階で添加されることが多
い。重合開始剤を40〜80℃の水に60〜180分以
上接触させると、分解によりラジカル量が不足する可能
性があるので、単量体の仕込み直前または仕込み中に重
合開始剤を添加することが好ましい。ただし、播種微細
懸濁重合の場合は重合開始剤は種子重合体中に残存する
油溶性重合開始剤で足りるので新たな添加は不要であ
る。温浄水を仕込んだことによる水蒸気圧上昇や空間容
積の減少により、重合器の圧力は第1回目の脱気操作に
よる圧力から、真空度が減少された状態に復圧する。次
に、攪拌しつつ重合器内の水相をジャケットなどにより
40〜80℃、好ましくは50〜70℃に保って第2回
目の脱気操作を行い、缶内を150torr以下、好ま
しくは130torr以下の圧力にする。第1回目の脱
気による圧力が100torrより高いと、また第2回
目の脱気による圧力が150torrより大であると重
合器内の酸素量が十分に除去できず、誘導期間、反応遅
延または成形品の白度不良等の問題を解決し得ない。ま
た、第2回目の脱気操作時の水相の温度が40℃より低
いと、水蒸気圧が小さくなる分、脱気操作で除去される
酸素の量が少なくなる。一方、水相の温度が80℃より
高いと、重合反応温度より高いので後で冷却する無駄な
操作を要することになる。
み、次いで、単量体の導入により下降した重合器内の温
度を所定の反応温度に昇温して重合反応を開始する。重
合反応温度は30〜80℃であることが好ましい。本発
明方法においては、2回の脱気操作と特定の温浄水の使
用とを組合わせることが必要で、更に、単量体を仕込ん
でから昇温して重合反応を開始する時点における重合器
内の酸素濃度が単量体重量に対し25ppm以下である
ことを要する。重合反応開始時の系内の酸素濃度が15
ppm以下であれば、本願発明の効果がより優れたもの
となり、好ましい。本発明において、上記の2回の脱気
操作と特定の温浄水の使用との組合わせにより、効率的
に酸素濃度25ppm以下を実現することができる。重
合反応開始時の系内の酸素濃度が単量体重量に対し25
ppmを超えると、重合誘導期間が認められるようにな
ったり重合反応速度が低下したりして重合反応が長び
き、また、得られた塩化ビニル系重合体ラテックスを用
いて成形された製品が黄色又は薄赤色を帯びるなどして
白度が悪化する。重合反応開始時の酸素濃度を25pp
m以下に抑えさえすれば、反応の経過での酸素濃度を管
理する必要がなく、本発明の前記目的が達成される。
例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のア
ルキルベンゼンスルホン酸塩;ラウリル硫酸ナトリウ
ム、テトラデシル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩;
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジヘキシルスル
ホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸塩;ラウリン
酸ナトリウム、半硬化牛脂脂肪酸カリウム等の脂肪酸
塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテルサルフェート
ナトリウム塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエー
テルサルフェートナトリウム塩等のエトキシサルフェー
ト塩;アルカンスルホン酸塩;アルキルエーテル燐酸エ
ステルナトリウム塩;ポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンラウリルエ
ステル等のノニオン性界面活性剤等を挙げることができ
る。乳化剤は初期添加のみの方法と、粒径の肥大化のた
めに重合の進行に合わせて追加添加をも行う方法とがあ
るが、使用量は単量体100重量部に対し、0.1〜5
重量部が好ましく、0.1〜3重量部が更に好ましい。
水溶性重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、
過硫酸アンモニウム、過酸化水素等の水溶性過酸化物;
これらの水溶性過酸化物又はクメンヒドロパーオキシ
ド、t−ブチルヒドロパーオキシド等のヒドロパーオキ
シドに、酸性亜硫酸ナトリウム、亜硫酸アンモニウム、
アスコルビン酸等の還元剤を組み合わせたレドックス系
開始剤;2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオンア
ミジン)二塩酸塩等の水溶性アゾ化合物等を挙げること
ができる。
がなく、容量は10〜100m3 が適当である。ジャケ
ットは在来型の外套方式でも、あるいは特公平3−42
49号公報に記載されたような伝熱係数の改善された内
部ジャケット方式でもよい。また反応時間短縮のために
還流凝縮器を付帯させて除熱能力を上げたものを使用し
てもよい。本発明方法においては、重合条件によって連
鎖移動剤、架橋剤、スケール防止剤等の公知の添加剤を
適宜使用することができる。本発明方法によれば、重合
器内脱気時に窒素などの不活性ガスによる置換を行わず
に酸素濃度を低減でき、酸素濃度が、重合開始時単量体
重量に対し25ppm以下に簡便に制御することができ
る。これにより誘導期間の発生を防ぎ得、重合反応を遅
延させることなく、得られる加工製品の白度を改良する
ことができる。
明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定さ
れるものではない。なお、実施例及び比較例における、
酸素濃度、酸素量等の測定や塩化ビニル系重合体より得
られる加工製品白度評価は下記の方法により行った。 (1)浄水溶存酸素量 重合反応媒体に使用する浄水
を溶存酸素計(飯島精密工業(株)製、MY900)を
用いて測定する。 (2)単量体溶存酸素量 重合反応に使用する塩化ビ
ニル単量体を真空耐圧容器中で気化させ、酸素測定装置
(大阪酸素(株)製、ポータブル HERCHMKP−
H型)により測定する。 (3)重合器気相酸素量 (イ)第1回脱気操作後 温度、重合器全容積および
重合器の第1回脱気後の圧力より残存空気量を算出し、
その21容量%を酸素容量とし、ボイル−シャールの法
則により重量に換算する。 (ロ)第2回脱気操作後 第1回脱気操作での残存酸
素量を基本に、第2回脱気操作後の重合器圧力と温浄水
仕込み後の復圧した重合器圧力との比より重合器気相の
残存酸素量を計算する。 (4)中心粒子径 レーザー散乱粒径分布測定装置
(マルバーン社製、マスターサイザーMS−20)を用
いて累積粒径分布を測定し、累積値が50重量%に当た
る粒径として求める。
された塩化ビニル系重合体ラテックスをスプレー乾燥し
て得られた樹脂粉100重量部に、可塑剤ジ−2−エチ
ルヘキシルフタレート50重量部、炭酸カルシウム〔白
石工業(株)製、ホワイトンH〕12重量部、酸化チタ
ントナー〔日本ピグメント(株)製、NVS914W〕
20重量部、Ba−Zn系熱安定剤〔旭電化工業(株)
製、FL103A〕3重量部、発泡剤アゾジカルボアミ
ド〔大塚化学(株)製、AZH25〕2重量部および粘
度調整剤ミネラルスピリット〔日本石油(株)製、MS
P〕7重量部を混合してプラスチゾルを調製して25℃
に4時間放置後、離型紙上にコーターで厚み150μm
に塗布する。これをギアオーヴンにて150℃で30秒
間加熱してセミゲル化したシートを取出し、マルチオー
ヴンに入れ、245℃で25秒間加熱して発泡シートを
作成する。この発泡体シートの白度を色差試験器〔スガ
試験機(株)製、カラーコンピューターSM3〕にて測
定する。b値は低いほど、L値は高いほど白度が高いこ
とを意味する。b値が4以上であると黄色系のくすみが
感じられる。 (6)ゾル粘度 重合反応を経て製造された塩化ビニ
ル系重合体ラテックスをスプレー乾燥して得られた樹脂
粉100重量部と可塑剤ジ−2−エチルヘキシルフタレ
ート60重量部とを、温度25℃、相対湿度55%の恒
温恒湿室中でらいかい機で混練してプラスチゾルを調製
し、4時間静置後のゾルの粘度をブルックフィールド型
粘度計〔東京計器(株)製、BL型〕、ローター4を用
いて6rpmで測定する。
酸素濃度5ppmの水媒体に中心粒子径0.55μmの
種子重合体35重量%を含む水性分散液4.32kgと
開始剤である過硫酸カリウム21grとをマンホールよ
り仕込み、その後マンホールを閉め、第1回目の脱気操
作を行った。温度20℃にて約5分で重合器内圧力は収
束し、真空度は36torrであった。次に、60℃に
温調した、かつ、窒素バブリングして溶存酸素を2pp
mに制御した脱陽イオン水を35kgを仕込んだ後、重
合気内の水を撹拌しながら60℃に制御しつつ第2回目
の脱気操作を行った。重合器内圧力は、温浄水仕込み後
は500torrに復圧したが、第2回目脱気操作約5
分で125torrに収束した。重合器内の酸素量を計
算する。 (第1回目脱気操作) 種子ラテックス中の酸素 4.32×(1−0.3
5)×(5×10-6)=0.014g 気相 空間部 100−4.32=95.7リット
ルだから酸素の量は、 (32g/mol)(36torr/760torr)
(95.7リットル×0.21)/(0.0821)
(273+20)=1.26g (第2回目脱気操作) 温浄水 35,000×(2×10-6)=0.07
g 気相 500torrに復圧した気相が125to
rrまで脱気されたので、 1.26×(125/500)=0.31g 次に、酸素を1ppm含む塩化ビニル21kgを仕込ん
だ。これによる重合器内に持ち込まれた酸素は、 21,000×(1×10-6)=0.021g
る酸素の量は、 (種子ラテックス中)0.014g、(温浄水中)0.
07g、(気相)0.31g、(塩化ビニル単量体中)
0.021g、(合計)0.415g 従って、仕込み単量体重量当りの酸素濃度は、0.41
5/21,000=1.98×10-5であり、20pp
mであった。尚、種子重合体水性分散液仕込み開始か
ら、単量体仕込み終了までの操作時間は20分であっ
た。撹拌速度100rpmで撹拌を開始し、一旦52℃
まで低下した内容物の温度を重合缶のジャケットで加熱
して55℃まで昇温した。重合器内の圧力は8kg/c
m2 Gになり、55℃に達してから重合反応が開始し
た。尚、種子重合体水性分散液仕込み開始から重合反応
開始までの操作時間は25分であった。重合反応は反応
温度55℃に制御しながら継続した。重合開始から8時
間50分後、重合器内圧力が5kg/cm2 Gにまで低
下したので重合反応を終了した。次いで、撹拌機を停止
し、未反応の塩化ビニル単量体を回収し、ラテックスを
取り出した。重合体ラテックスの粒子の中心粒子径は
1.30μmで、スプレー乾燥で得られた樹脂粉で調製
したゾル粘度は3000CPであった。そして成形加工
品白度は色差計b値で3.5、L値は93.4で白度は
改良され満足できるレベルであった。評価結果を表1に
示す。
て、60℃に温調した、しかし、窒素バブリングしてい
ない、溶存酸素を5ppmに制御した脱陽イオン水35
kgを仕込んだほかは実施例1と同様に行った。重合器
内の酸素量を計算する。 (第1回目脱気操作) 種子ラテックス中の酸素 0.014g 気相の酸素 1.26g (第2回目脱気操作) 温浄水の酸素 35,000×(5×10-6)=
0.175g 気相の酸素 0.31g 塩化ビニル単量体による重合器内に持ち込まれた酸素
0.021g 結局、重合反応開始時に重合器内に存在する酸素の量
は、 (種子ラテックス中)0.014g、(浄水中)0.1
75g、(気相)0.31g、(塩化ビニル単量体中)
0.021g、(合計)0.52g 従って、仕込み単量体重量当りの酸素濃度は、0.52
/21,000=2.48×10-5であり、25ppm
であった。そのほかの評価項目と合わせ、評価結果を表
1に示す。
酸素濃度5ppmの水媒体に中心粒子径0.55μmの
種子重合体35重量%を含む水性分散液4.32kgと
開始剤である過硫酸カリウム21grとをマンホールよ
り仕込み、その後マンホールを閉め第1回目の脱気操作
を行った。20℃にて約5分で重合器内圧力は収束し、
真空度は36torrであった。そして60℃に温調し
た、かつ窒素バブリングして溶存酸素を2ppmに制御
した脱陽イオン水を35kg仕込んだ。その後実施例1
の様な第2回目の脱酸素を行わずに、酸素を1ppm含
有する塩化ビニル単量体21kgのの仕込み工程へ入っ
た。重合器内の酸素量を求める。実施例1と同様に計算
する。 (種子ラテックス中)0.014g、(温浄水中)0.
07g、(気相)1.26g、(塩化ビニル単量体中)
0.021g、(合計)1.365g 従って、仕込み単量体当りの酸素濃度は、1.365/
21,000=6.5×10-5
る酸素の濃度は、仕込み塩化ビニル単量体重量に対し6
5ppmであった。尚、種子重合体水性分散液仕込み開
始から、単量体仕込み終了までの操作時間は18分であ
った。塩化ビニル単量体21kgを仕込んだ後、撹拌速
度100rpmで撹拌を開始し、55℃まで昇温した。
重合器内の圧力は8kg/cm2 Gになり、55℃に達
してから重合が開始した。尚、種子重合体水性分散液仕
込み開始から重合反応開始までの操作時間は23分であ
った。重合反応は反応温度55℃に制御しながら継続し
た。実施例1の反応時間8時間50分では重合器内圧力
は7kg/cm2 Gにまでしか低下せずに、5kg/c
m2 Gまで下がるには9時間40分要した。その後、撹
拌機停止し未反応の塩化ビニルを回収し、ラテックスを
取り出した。重合体ラテックスの中心粒子径は1.30
μmで、ゾル粘度は3000CPであった。成形加工品
白度は色差計b値で4.3、L値93.2で満足できる
レベルではなかった。評価結果を表1に示す。
酸素濃度5ppmの水媒体に中心粒子径0.55μmの
種子重合体35重量%を含む水性分散液4.32kgと
開始剤である過硫酸カリウム21grとをマンホールよ
り仕込み、その後マンホールを閉め第1回目の脱気操作
を行った。20℃にて約5分で重合器内圧力は収束し、
真空度は36torrであった。その後60℃に温調し
た、かつ窒素バブリングして溶存酸素を2ppmに制御
した脱陽イオン水35kgを仕込み、重合器内を撹拌し
ながら60℃に調整して第2回目の脱気操作を行った。
脱気操作は重合器内圧で500torrより250to
rrまで行った。次いで酸素を1ppm含有する塩化ビ
ニル単量体21kgの仕込み工程に入った。重合器内の
酸素量を計算すると、 (種子ラテックス中)0.014g、(温浄水中)0.
07g、(気相)1.26×(250/500)=0.
63g、(塩化ビニル単量体中)0.021g、(合
計)0.735g 従って、仕込み単量体当りの酸素濃度は、0.735/
21,000=3.5×10-5
る酸素の量は、仕込み塩化ビニル単量体重量に対し35
ppmであった。尚、種子重合体水性分散液仕込み開始
から、単量体仕込み終了までの操作時間は19分であっ
た。塩化ビニル単量体21kgを仕込んだ後、撹拌速度
100rpmで撹拌を開始し、55℃まで昇温した。重
合器内の圧力は8kg/cm2 Gになり、55℃に達し
てから重合が開始した。尚、種子重合体水性分散液仕込
み開始から重合反応開始までの操作時間は24分であっ
た。重合反応は反応温度55℃に制御しながら継続し
た。終了は少し重合遅延し、重合開始9時間00分で重
合器内圧力が5kg/cm2 Gにまで低下したので重合
終了した。撹拌機停止し、未反応の塩化ビニルを回収
し、ラテックスを取り出した。重合体ラテックスの中心
粒子径は1.30μmで、ゾル粘度は3000CPであ
った。成形加工品白度は色差計b値で4.0で、L値9
3.0で満足できるレベルではなかった。評価結果を表
1に示す。
酸素濃度5ppmの水媒体に中心粒子径0.55μmの
種子重合体35重量%を含む水性分散液4.32kgと
開始剤である過硫酸カリウム21grとをマンホールよ
り仕込み、その後マンホールを閉め第1回目の脱気操作
を行った。20℃にて約5分で重合器内圧力は収束し、
真空度は36torrであった。次いで、一度窒素で2
kg/cm2 Gまで加圧してから第2回目の脱気操作に
て再度36torrとした。その後60℃に温調した、
かつ窒素バブリングして溶存酸素を2ppmに制御した
脱陽イオン水35kgを仕込んだ後、重合器内を撹拌し
ながら60℃に調整し、続いて酸素を1ppm含有する
塩化ビニル単量体21kgを仕込み、撹拌速度100r
pmで撹拌を開始し、55℃まで昇温した。重合開始時
の酸素量は、気相の酸素は無視できるとして、種子ラテ
ックスの持込み分0.014g、浄水の持込み分0.0
7g及び塩化ビニル単量体の持ち込み分0.021gで
あるので、合計0.105gである。従って、仕込み単
量体重量当りの酸素濃度は、0.105/21,000
=5×10-6 結局、重合反応開始時の重合器内の酸素濃度は、仕込み
単量体重量に対して5ppmである。
合器内の圧力は8kg/cm2 Gであった。尚、種子重
合体水性分散液仕込み開始から重合反応開始までの操作
時間は40分であった。重合反応は反応温度55℃で一
定になるよう制御しながら反応を継続した。重合開始8
時間50分後、槽内圧力が5kg/cm2 Gにまで低下
したので重合終了した。撹拌機停止し、未反応の塩化ビ
ニルを回収し、ラテックスを取り出した。得られた重合
体ラテックスの中心粒子径は1.30μmで、ゾル粘度
は3000CPであった。そして加工品白度は色差計b
値で3.5、L値で93.6で満足できるレベルであっ
た。評価結果を表1に示す。
始までの時間。
合、播種乳化重合または播種微細懸濁重合において、不
活性ガスで置換を伴わない簡便な脱気操作で、効率的に
かつ的確に酸素濃度を単量体重量に対して25ppm以
下に抑えて重合反応を開始することができ、操作時間を
短かくし、反応時間を遅延させず、かつ白度の高い成形
品を与えることのできる塩化ビニル系重合体ラテックス
を安定に製造できる。
Claims (1)
- 【請求項1】 塩化ビニルまたは塩化ビニルおよびこれ
と共重合し得る不飽和単量体の混合物を回分式で乳化重
合、播種乳化重合または播種微細懸濁重合して塩化ビニ
ル系重合体ラテックスを製造するに際し、重合器内を1
00torr以下に脱気してから酸素濃度5ppm以下
である30〜90℃の水を仕込み、次いで攪拌しつつ重
合器内の水を40〜80℃に保ち、気相を150tor
r以下に再脱気した後、単量体を仕込み、重合反応開始
時の重合器内の酸素濃度を仕込み単量体重量に対して2
5ppm以下にすることを特徴とする塩化ビニル系重合
体ラテックスの製造方法。 【0001】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14350597A JP3563234B2 (ja) | 1997-05-16 | 1997-05-16 | 塩化ビニル系重合体ラテックスの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14350597A JP3563234B2 (ja) | 1997-05-16 | 1997-05-16 | 塩化ビニル系重合体ラテックスの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10316704A true JPH10316704A (ja) | 1998-12-02 |
JP3563234B2 JP3563234B2 (ja) | 2004-09-08 |
Family
ID=15340296
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14350597A Expired - Lifetime JP3563234B2 (ja) | 1997-05-16 | 1997-05-16 | 塩化ビニル系重合体ラテックスの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3563234B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1112324A (ja) * | 1997-06-24 | 1999-01-19 | Mitsubishi Chem Corp | 塩化ビニル系重合体 |
US7067578B2 (en) * | 2000-12-21 | 2006-06-27 | Solvay (Societe Anonyme) | Method for preparing latex |
JP2010077252A (ja) * | 2008-09-25 | 2010-04-08 | Sekisui Plastics Co Ltd | 重合体粒子の製造方法 |
JP2020117569A (ja) * | 2019-01-21 | 2020-08-06 | 東ソー株式会社 | ポリ塩化ビニル系ペースト樹脂及びそれを含む樹脂組成物 |
-
1997
- 1997-05-16 JP JP14350597A patent/JP3563234B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1112324A (ja) * | 1997-06-24 | 1999-01-19 | Mitsubishi Chem Corp | 塩化ビニル系重合体 |
US7067578B2 (en) * | 2000-12-21 | 2006-06-27 | Solvay (Societe Anonyme) | Method for preparing latex |
JP2010077252A (ja) * | 2008-09-25 | 2010-04-08 | Sekisui Plastics Co Ltd | 重合体粒子の製造方法 |
JP2020117569A (ja) * | 2019-01-21 | 2020-08-06 | 東ソー株式会社 | ポリ塩化ビニル系ペースト樹脂及びそれを含む樹脂組成物 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3563234B2 (ja) | 2004-09-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3145665B2 (ja) | 微粒子の含有率が高い2つの粒径分布を有する塩化ビニルをベースにしたポリマーのラテックスと、このラテックスの製造方法と、その利用 | |
CA1056997A (en) | Process for the production of vinyl chloride polymerizates | |
JP3563234B2 (ja) | 塩化ビニル系重合体ラテックスの製造方法 | |
JPH1095806A (ja) | 平均粒径が異なる2つの粒子群を含む塩化ビニル共重合体のラテックスと、その製造方法と、その利用 | |
KR930003103B1 (ko) | 파종된 미소현탁액 내에서 비닐클로라이드 단일 - 및 공중합체의 제조방법 | |
JPH10265511A (ja) | 塩化ビニル系重合体の製造方法 | |
JP2756995B2 (ja) | 塩化ビニル系共重合体の製造方法 | |
JP2004035850A (ja) | 塩化ビニル系樹脂ラテックス用粒径制御剤、それを用いた塩化ビニル系樹脂ラテックスとペースト加工用塩化ビニル系樹脂の製造方法 | |
JPH0867705A (ja) | 塩化ビニル系重合体の製造方法 | |
CN114599683B (zh) | 制造氯乙烯-丙烯酸共聚物胶乳的方法 | |
JP3610179B2 (ja) | 塩化ビニル系重合体ラテックスの製造方法 | |
JP5386876B2 (ja) | ペースト加工用塩化ビニル系樹脂及びその製造方法 | |
JP3552407B2 (ja) | 塩化ビニル系重合体の製造法 | |
JPH10139801A (ja) | 塩化ビニルの重合方法 | |
JPH11100414A (ja) | ペースト加工用塩化ビニル系重合体ラテックスおよびその製造方法 | |
JP2022549234A (ja) | 塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体ラテックスの製造方法 | |
JPH0445102A (ja) | 乳化重合体の製造方法及びその製造方法で得られる乳化重合体 | |
JPH04227904A (ja) | シード重合用ビニルエステル系重合体エマルジョンの製法 | |
JP3854293B2 (ja) | 塩化ビニル系重合体ラテックスの製造方法 | |
JP2024140905A (ja) | ポリ塩化ビニル系ペースト樹脂の製造方法、プラスチゾル組成物、塩化ビニル系シート及び塩化ビニル系発泡体 | |
JPH10279629A (ja) | 塩化ビニル系重合体の製造方法 | |
JP6107073B2 (ja) | 塩化ビニル系重合体ラテックス組成物およびその製造方法 | |
JPH10139841A (ja) | 肥大化ラテックス粒子の製法 | |
JPH0820603A (ja) | 塩化ビニル系重合体の製造方法 | |
JPH05287031A (ja) | 塩化ビニル系樹脂の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040325 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040518 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040602 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080611 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090611 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100611 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100611 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130611 Year of fee payment: 9 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |