JPH10139841A - 肥大化ラテックス粒子の製法 - Google Patents

肥大化ラテックス粒子の製法

Info

Publication number
JPH10139841A
JPH10139841A JP31281396A JP31281396A JPH10139841A JP H10139841 A JPH10139841 A JP H10139841A JP 31281396 A JP31281396 A JP 31281396A JP 31281396 A JP31281396 A JP 31281396A JP H10139841 A JPH10139841 A JP H10139841A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer particles
seed polymer
polymerization
polymerization initiator
particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP31281396A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinzo Omi
信三 尾見
Akira Nakano
彰 仲野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Zeon Co Ltd filed Critical Nippon Zeon Co Ltd
Priority to JP31281396A priority Critical patent/JPH10139841A/ja
Publication of JPH10139841A publication Critical patent/JPH10139841A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Graft Or Block Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の方法に比べて、粒径コントロールが容
易で、安定かつ効率的に肥大化ラテックス粒子を得るた
めの製造法を提供する。 【解決手段】 過硫酸アンモニウム16重量部を用いて
メチルメタクリレート3000重量部を重合了し、平均
粒子径0.18μmの種重合体粒子を得、この種重合体
粒子を含有するラテックス1500重量部(固形分)の
存在下にジメチルアミノエチルメタクリレート300重
量部及びスチレン2700重量部を2,2’−アゾビス
(2−アミジノプロパン)二塩酸塩9.4重量部を用い
て重合し、粒子径0.38μm(種重合体粒子の2.1
倍)のラテックス粒子を得た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、肥大化ラテックス
粒子の製法に関し、さらに詳しくは、従来の方法に比べ
て、粒径コントロールが容易で、安定かつ効率的に肥大
化ラテックス粒子を提供する製造法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、粒子径や粒子径分布は合成ラテッ
クスの流動性に大きな影響を与えるだけでなく、ポリマ
ーコロイドとしての特性を左右する最も重要な因子であ
る。例えば、ABS樹脂の耐衝撃性は、通常のラテック
ス粒子径では耐衝撃性の付与が難しく、何らかの方法を
用いて粒子径を大きくすることが要求されている。ま
た、塗料分野や顔料塗工紙などの紙加工分野では流動性
が重要な品質であり、特に粒子径が大きい場合は固形分
濃度が高い時に粘度上昇が小さく有利である。このよう
に、いろいろな分野で大粒子径のラテックスが要求さ
れ、以下に述べるような製造方法により種々実施されて
いるが、反応系が不安定となり、大粒子径を製造するこ
とは簡単では無い。現在、工業的に用いられているラテ
ックスの粒子の肥大化法としては、(1)ラテックスに
凝集効果のある添加剤を用いる方法、(2)冷凍による
凝集促進、(2)機械的な強撹拌、(3)圧力変化を利
用した方法などや(4)重合反応中に核粒子を成長させ
る播種重合による方法などがある。なお、(1)の添加
剤による例としては、乳化重合に用いた石鹸の一部を
中和する方法、pHを低下させる方法、電解質を添
加する方法、溶媒を添加する方法などがある。しかし
ながら、いずれの方法も反応系が不安定なため制御が難
しく、大量の塊状物の発生や不定形の粒子が生成するな
どの生産上の困難を伴っているのが現状である。また、
安定な範囲内で製造を行おうとすると粒子径の成長が低
いため、この操作を繰り返さねばならず生産効率が大幅
に悪化してしまう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の方法に比べて、粒径コントロールが容易で、安定かつ
効率的に肥大化ラテックス粒子を提供する製造法を提供
することである。本発明者らは前記目的を達成すべく鋭
意研究をした結果、アニオン性の重合開始剤を用いて重
合した種重合体粒子の存在下に、カチオン性の重合開始
剤を用いて、親水性単量体と疎水性単量体を重合するこ
とにより、容易に且つ飛躍的にラテックス粒子を肥大化
できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成
するに到った。
【0004】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、(1)アニオン性またはカチオン性のいずれかの重
合開始剤(a)を用いて重合して得た種重合体粒子の存
在下に、親水性単量体および疎水性単量体を、(親水性
単量体の重量[Ma])/(疎水性単量体の重量[M
o])が0.01〜1、([Ma]+[Mo])/(種
重合体粒子の重量[P])が0.1〜100の条件で、
且つ該種重合体粒子を得るために用いた重合開始剤
(a)とは逆極性の重合開始剤(b)を用いて重合する
ことを特徴とする肥大化ラテックス粒子の製法が提供さ
れる。
【0005】本発明の製法の好適な態様として、以下の
ものが提供される。 (2) 種重合体粒子が、種重合体粒子を得るために用
いる単量体に対してアニオン性もしくはカチオン性のい
ずれかの重合開始剤(a)0.001〜8重量%を用い
て重合して得たものである前記(1)の製法。 (3) 種重合体粒子が、アニオン性の重合開始剤
(a)を用いて重合して得たものである前記(1)〜
(2)の製法。 (4) 親水性単量体および疎水性単量体の合計重量
[M]に対して、重合開始剤(b)0.01〜8重量%
用いて重合せしめる前記(1)〜(3)いずれかのラテ
ックス粒子の製法。 (5) 親水性単量体が、アミノ基または4級アンモニ
ウム基を有する単量体である前記(1)〜(4)の製
法。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明で用いる種重合体粒子は、
アニオン性またはカチオン性のいずれかの重合開始剤
(a)を用いて重合して得られる重合体粒子である。
【0007】種重合体粒子を得るために用いるアニオン
性の重合開始剤(a)としては、過硫酸アンモニウム、
過硫酸カリウムのごとき過硫酸塩類;過酸化水素のごと
き無機過酸化物類;2,2’−アゾビス−2−(メチル
カルボキシ)プロパン、4,4’−アゾビス(4−シア
ノペンタノン酸)などの酸基を含む化合物、t−ブチル
過マレイン酸、イソブチル過酢酸などのアルキル過酸や
スルフィン酸を含むペルオキシド;などが挙げられる。
上記アニオン性重合開始剤とともに、ジベンゾイルパー
オキシドのごときジアシルパーオキシド類、ジイソプロ
ピルパーオキシジカーボネートのごときパーオキシジカ
ーボネート類、t−ブチルパーオキシピバレートなどの
パーオキシエステル類、アセチルシクロヘキシルスルフ
ォニルパーオキシド、ジサクシニックアシッドパーオキ
シドのごとき有機過酸化物類を重合方法に応じて併用す
ることができる。さらに酸化剤として過硫酸カリウム、
還元剤としてホルムアルデヒドスルホキシ酸ナトリウ
ム、酸化還元開始剤としてエチレンジアミンテトラアセ
タト鉄錯体などを用いる酸化還元系重合開始剤も用いる
ことができる。
【0008】種重合体粒子を得るために用いるカチオン
性の重合開始剤(a)としては、2,2’−アゾビス
(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビ
スイソブチルアミド、アゾビスイソブチラミジン二塩酸
塩、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒド
ロキエチル)プロピオナミド、アゾビス(N,N’−ジ
メチルイソブチラミジン)二塩酸塩、4,4’−アゾビ
ス−4−シアノメチルピペリジン、ジメチルアミノメチ
ル−t−ブチルパーオキシド、ジメチルアミノ−t−ア
ミルパーオキシド、ジエチルアミノ−t−アミルパーオ
キシド、ジイソプロピルアミノメチル−t−ブチルパー
オキシド、N−ピペリジノメチル−t−ブチルパーオキ
シド、1−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エチル
−t−ブチルパーオキシドなどが挙げられる。これら
は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ
る。これら重合開始剤(a)のうち好適なものは、アニ
オン性重合開始剤である。
【0009】重合開始剤(a)の量は、種重合体粒子を
得るために用いる単量体に対して、通常、0.001〜
8重量%、好ましくは0.01〜5重量%である。
【0010】本発明で用いられる種重合体粒子は、通
常、0.01〜3μmの平均粒子径を有する重合体粒子
である。種重合体粒子は、その製造にあたっては乳化重
合法、微細懸濁重合重合法、乳化播種重合法、微細懸濁
播種重合法などを用いることができる。
【0011】種重合体粒子を得るために用いる単量体と
しては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、シ
クロヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアク
リレートなどのアクリレート系単量体;メチルメタクリ
レート、エチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチル
メタクリレート、グリシジルメタクリレート、ブトキシ
エチルメタクリレートなどのメタクリレート系単量体;
スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどの
芳香族ビニル系単量体;アクリロニトリル、メタクリロ
ニトリルなどのシアン化ビニル系単量体;ビニルアセテ
ート、ビニルステアレートなどのビニルエステル系単量
体;マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、モノエチルマ
レート、2−ヒドロキシエチルフマレート、モノブチル
マレートなどの不飽和カルボン酸系単量体;1,3−ブ
タジエン、イソプレン、クロロプレンなどの共役ジエン
系単量体;塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデンな
どのハロゲン化ビニル単量体;などが挙げられる。これ
らは1種または2種以上を組み合わせて用いることがで
きる。これらのうち、メタクリレート系単量体、アクリ
レート系単量体、ハロゲン化ビニル系単量体または芳香
族ビニル系単量体が好適に使用される。
【0012】重合に用いる界面活性剤類として、ラウリ
ル硫酸エステルナトリウム、ミリスチル硫酸エステルナ
トリウムのごときアルキル硫酸エステル塩類;ドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウムのごときアルキルアリー
ルスルホン酸塩類;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウ
ムのごときスルホコハク酸エステル塩類;ラウリン酸ア
ンモニウム、ステアリン酸カリウムのごとき脂肪酸塩
類;ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩類、ポ
リオキシエチレンアルキルアリール硫酸エステル塩類;
などのアニオン界面活性剤類:ソルビタンモノラウレー
ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートの
ごときソルビタンエステル類;ポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテル類;ポリオキシエチレンアルキル
エステル類;などのノニオン界面活性剤などを挙げるこ
とができる。さらに、ラウリン酸、ミリスチン酸、オレ
イン酸、ステアリン酸などの高級脂肪酸類、ラウリルア
ルコール、ステアリルアルコールなどの高級アルコール
界面活性剤助剤、その他必要に応じて連鎖移動剤や架橋
剤などを用い重合しても良い。重合温度、重合操作、重
合装置は従来の技術を適用することができる。
【0013】種重合体粒子を得た後、未反応の単量体や
界面活性剤を必要に応じて除去することが好ましい。未
反応単量体や界面活性剤を除去することにより、これに
引き続き行われる親水性単量体と疎水性単量体との重合
をさらに効率的に行うことができるようになる。
【0014】次に種重合体粒子の重合に引き続き、親水
性単量体と疎水性単量体との重合(以下、「二段目重
合」ということがある。)を行う。
【0015】二段目重合に用いる親水性単量体は、Br
andrup、Immergut、“POLYMER
HANDBOOK”第3版、WILEY(1989)に
おいて水に対する溶解度がvs(よく溶ける)もしくは
s(溶ける)の記述のある単量体又は社団法人有機合成
化学協会編「有機化合物辞典」講談社1985年発行に
おいて水に溶ける旨の記述のある単量体である。具体例
としては、アクロレイン、メタクロレイン、アクリルア
ミド、N−メチロールアクリルアミド、アクリル酸、ク
ロトン酸、アリルアルコール、アリルアミド、ジアリル
アミン、ジニトリルフマレート、イタコン酸、マレイン
酸、メタクリル酸、o−ヒドロキシスチレン、ビニルア
セテート、ビニル酢酸、ビニルクロトネート、ビニルエ
チルケトン、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジ
ン、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルア
ミノエチルメタクリレート、ソジウム(2−スルホキシ
エチル)メタクリレート、スルホラニルメタクリレー
ト、ビニルホスホネート、ジエチルビニルホスホネー
ト、ビニルスルホン、2,2−イソプロペニルオキサゾ
リン、2−ビニルキノリン、4,6−ジアミノ−2−ビ
ニルトリアジン、2,3−ブタジエン−1−オールなど
の水溶性単量体が挙げられる。これらは1種又は2種以
上を組み合わせて用いることができる。これら親水性単
量体のうち、アミノ基または第4級アンモニウム基を有
する単量体が好適に用いられる。
【0016】疎水性単量体は、Brandrup、Im
mergut、“POLYMERHANDBOOK”第
3版、WILEY(1989)において水に対する溶解
度がss(わずかに溶ける)もしくはi(溶解しない)
の記述のある単量体又は社団法人有機合成化学協会編
「有機化合物辞典」講談社1985年発行において水に
不溶あるいは難溶の旨の記述のある単量体である。具体
例としては、スチレン、α−メチルスチレンなどのスチ
レン系単量体やブタジエン、イソプレンなどの共役ジエ
ン系単量体、ブチルアクリレート、グリシジルアクリレ
ート、ブチルメタクリレート、グリシジルメタクリレー
トなどのアクリル系、メタクリル系単量体、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデンなどのハロゲン化ビニル単量体など
の水に対する溶解度の低い単量体が挙げられる。これら
は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ
る。
【0017】重合開始剤(b)は、前記種重合体粒子を
得るために用いた重合開始剤(a)とは逆の極性を有す
るものである。すなわち種重合体粒子を得るときにアニ
オン性重合開始剤(a)を用いたときはカチオン性重合
開始剤(b)を、種重合体粒子を得るときにカチオン性
重合開始剤(a)を用いたときはアニオン性重合開始剤
(b)を用いる。重合開始剤(b)の量は、親水性単量
体と疎水性単量体との合計重量に対して、通常、0.0
1〜8重量%、好ましくは0.05〜5重量%である。
【0018】二段目重合に用いる界面活性剤類やその助
剤、その他の添加剤などとしては種重合体粒子の製造に
用いたものと同様のものが挙げられる。
【0019】二段目重合時の単量体の供給は、反応性比
や反応の安定性などを考慮して重合時に、一括もしくは
断続的あるいは連続的に行う。重合温度は、通常、0〜
95℃好ましくは5〜80℃の範囲である。
【0020】二段目重合に供する親水性単量体と疎水性
単量体との合計重量[M]は、種重合体粒子の重量
[P]との比[M]/[P]において、0.1〜10
0、好ましくは0.2〜40の範囲にする。[M]/
[P]が0.1未満では、ラテックス粒子の肥大化の効
果が得られない。逆に100を越えると新粒子の発生が
多くなり、肥大化が抑制されてしまう。
【0021】また、二段目重合に用いる親水性単量体の
重量[Ma]、疎水性単量体の重量[Mo]の比[M
a]/[Mo]は、0.01〜1、好ましくは0.02
〜0.57の範囲にする。親水性単量体が少ない場合
は、十分な凝集ができず肥大化が達成できない。多い場
合は、通常の播種重合と新粒子の発生によりこれも十分
な肥大化がなされない。
【0022】なお、すべての単量体を同時に重合させ
て、二層構造粒子ではない重合体粒子を製造した場合
は、肥大化が進まない。凝集剤としてカチオン系乳化剤
を用いた場合にはラテックスの安定性が大幅に低下して
しまうなど好ましくない結果となった。
【0023】本発明の製法で得られたラテックス粒子を
含む水分散液は、他の配合剤と混合して種々のラテック
ス用途に供することができる。また、常法により乾燥
し、粒子を得、充填剤、顔料等の用途に用いることがで
きる。
【0024】かくして本発明の製法は、粒子径の比較的
よく揃った球形粒子を形成し、従来技術に比して効率的
に安定且つ大粒子径のラテックス粒子を提供することが
できるので、粒子径の肥大化が要求されている各分野に
展開可能なものである。
【0025】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定
されるものではない。なお、実施例中の部及び%は特に
断らないかぎり重量基準である。
【0026】ポリマー平均粒子径は、走査電子顕微鏡
(SEMと略す)写真より粒子径を測定し求めた。走査
電子顕微鏡は、日本電子製SM−35CFII−Aであ
る。測定にあたっては、ラテックスサンプルの原液を1
万倍に希釈したものをアルミ箔で覆ったSEMの試料台
上にキャピラリーピペットで3〜4滴落としデシケータ
で24時間乾燥した後、金蒸着を行って測定試料とし
た。加速電圧15kv、倍率は18000倍で室温で行
った。
【0027】実施例1 ステンレス製オートクレーブに、イオン交換水7000
部、過硫酸アンモニウム16部を添加し、脱気した後、
乳化剤としてラウリル硫酸ナトリウムを20部、連鎖移
動剤としてt−ドデシルメルカプタン5部、メチルメタ
クリレート3000部を仕込み、60℃に加温し、反応
を開始し、3時間後に反応を終了し、平均粒子径0.1
8μmの種重合体粒子を得た。次にステンレス製オート
クレーブに前記種重合体粒子を含有するラテックス15
00部(固形分)とイオン交換水5000部を添加し、
脱気した後、乳化剤としてポリオキシエチレンノニルフ
ェノール75部と親水性単量体としてジメチルアミノエ
チルメタクリレート300部、疎水性単量体としてスチ
レン2700部を添加し、種重合体粒子のラテックスと
よく攪拌混合しながら60℃に昇温した。次いで、カチ
オン性の開始剤である2,2’−アゾビス(2−アミジ
ノプロパン)二塩酸塩9.4部を反応系に導入して重合
を開始した。反応開始後5時間で反応を終了した。転化
率91.7%であった。このときの粒子径は、0.38
μであった。前記種重合体粒子に対して親水性単量体お
よび疎水性単量体が新粒子の発生が無い状態で通常の播
種重合を行ったとすれば、種重合体粒子の1.41倍の
約0.25μになるはずであるのに対して、この製造法
では種重合体粒子の2.1倍の粒子径であった。また、
この製法において塊状物の発生は0.00%であり、安
定した反応であった。
【0028】比較例1 実施例1においてカチオン性重合開始剤である2,2’
−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩9.4部
の代わりにアニオン性重合開始剤である過硫酸アンモニ
ウム16部にした以外は実施例1と同様に重合しラテッ
クス粒子を得た。重合転化率は92.5%であった。こ
のときの粒子径は、0.24μであり、通常の播種重合
とほぼ同様な結果となり、飛躍的な肥大化はできなかっ
た。
【0029】実施例2 実施例1において用いたジメチルアミノエチルメタクリ
レートおよびスチレンの量を、それぞれ450部および
2550部に変えた他は実施例1と同様に重合しラテッ
クス粒子を得た。転化率88.2%であった。このとき
の粒子径は、0.43μであり、種重合体粒子の2.4
倍の粒子径であった。また、この系での塊状物の発生は
0.00%であり、安定した反応系であった。
【0030】実施例3 実施例1において用いたジメチルアミノエチルメタクリ
レートおよびスチレンの量を、それぞれ900部および
2100部に変えた他は実施例1と同様に重合しラテッ
クス粒子を得た。転化率は81.1%で、粒子径は0.
53μで種重合体粒子の2.9倍の粒子径であった。ま
た、この系での塊状物の発生は0.00%であり、安定
した反応系であった。
【0031】比較例2 実施例1において用いたジメチルアミノエチルメタクリ
レートおよびスチレンの量を、それぞれ15部および2
985部に変えた他は実施例1と同様に重合しラテック
ス粒子を得た。その結果、転化率は97.2%で、粒子
径は0.26μで通常の播種重合並の粒径であった。
【0032】比較例3 実施例1において用いたジメチルアミノエチルメタクリ
レートおよびスチレンの量を、それぞれ1800部およ
び1200部に変えた他は実施例1と同様に重合しラテ
ックス粒子を得た。その結果、転化率は67.2%で、
粒子径は0.22μであった。新粒子の発生しない条件
で播種重合した場合に得られるはずの0.24μに比べ
小粒径であった。
【0033】実施例4 ステンレス製オートクレーブに実施例1において得られ
た種重合体粒子を含有するラテックス750部(固形
分)とイオン交換水5000部を添加し、脱気した後、
乳化剤としてポリオキシエチレンノニルフェノール75
部と親水性単量体としてジメチルアミノエチルメタクリ
レート150部、疎水性単量体としてスチレン1350
部を添加し、種重合体粒子のラテックスとよく攪拌混合
しながら60℃に昇温した。次いで、カチオン性の開始
剤である2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)
二塩酸塩9.4部を反応系に導入して重合を開始した。
反応開始から3時間経過後、ジメチルアミノエチルメタ
クリレート150部およびスチレン1350部の混合物
を1時間かけて連続添加した。添加終了後、さらに3時
間反応させてラテックス粒子を得た。転化率は91.1
%で、粒子径は0.48μであった。通常の播種重合で
は核粒子の1.58倍、すなわち0.28μになるはず
であるのに対して、この製造法では核粒子の2.67倍
の粒子径に肥大化した。また、この系での塊状物の発生
は0.00%であり、安定した反応系であった。
【0034】実施例5 ステンレス製オートクレーブに実施例1において得られ
た種重合体粒子を含有するラテックス40部(固形分)
とイオン交換水5000部を添加し、脱気した後、乳化
剤としてポリオキシエチレンノニルフェノール75部と
親水性単量体として酢酸ビニル300部、疎水性単量体
として塩化ビニル1200部を添加し、種重合体粒子の
ラテックスとよく攪拌混合しながら60℃に昇温した。
次いで、カチオン性の開始剤である2,2’−アゾビス
(2−アミジノプロパン)二塩酸塩4.5部を反応系に
導入して重合を開始した。反応開始から5時間経過後、
酢酸ビニル300部および塩化ビニル1200部の混合
物を3時間かけて連続添加した。添加終了後、さらに3
時間反応させてラテックス粒子を得た。転化率は86.
3%で、粒子径は、1.30μであり、通常の播種重合
で新粒子の発生が無いとしたときには種重合体粒子の
4.01倍、すなわち0.72μになるはずであるのに
対して、この製造法では種重合体粒子の7.22倍の粒
子径であった。また、この系での塊状物の発生は0.0
3%であり、比較的に安定した反応系であった。
【0035】比較例4 実施例5において種重合体粒子を含有するラテックスの
量を27部(固形分)に変えた他は実施例5と同様にし
てラテックス粒子を得た。転化率は84.6%で、粒子
径は0.61μであり、通常の播種重合で新粒子の発生
が無いとすれば、種重合体粒子の4.01倍、すなわち
0.72μになるはずであるのに対して、新粒子の発生
のため予想よりも小さい粒子径となった。また、この系
での塊状物の発生は1.10%であり、不安定な反応系
であった。
【0036】比較例5 実施例1において得られた種重合体粒子を含有するラテ
ックスの量を3000部(固形分)に変え、カチオン性
重合開始剤2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパ
ン)二塩酸塩の量を0.94部に変え、ジメチルアミノ
エチルメクリレートおよびスチレンの量を、それぞれ3
0部および260部に変えた他は実施例1と同様にして
ラテックス粒子を得た。転化率は97.9%であった。
この時の粒子径は0.19μで粒子の成長はわずかであ
った。但し、反応系は、塊状物が無く安定であった。
【0037】実施例6 実施例1において用いたスチレン2700部に代えてブ
タジエン900部およびスチレン1800部にした他は
実施例1と同様にしてラテックス粒子を得た。転化率は
89.9%で、粒子径は0.45μで、種重合体粒子の
2.5倍となり実施例1と同様に肥大化した。
【0038】実施例7 実施例6においてジメチルアミノエチルメタクリレート
の代わりにアクリル酸を用いた他は実施例6と同様にし
てラテックス粒子を得た。転化率は93.1%であっ
た。粒子径は0.35μで種重合体粒子の1.94倍に
肥大化した。
【0039】実施例8 実施例1の種重合体粒子の重合に用いたメチルメタクリ
レート3000部に代えてメチルメタクリレート200
0部およびスチレン1000部を用いた他は実施例1と
同様にして種重合体粒子を得た。種重合体粒子の粒径は
0.19μであった。次に、この種重合体粒子を用いた
他は実施例1と同様にしてラテックス粒子を得た。粒子
径は0.39μとなり、播種重合での計算値0.27μ
にくらべ肥大化していた。
【0040】実施例9 実施例1において用いたカチオン性重合開始剤である
2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩
9.4部の代わりに2,2’−アゾビス(2−アミジノ
プロパン)二塩酸塩4.7部およびアゾビスイソブチラ
ミジン二塩酸塩4.7部を併用した他は実施例1と同様
にしてラテックス粒子を得た。転化率は93.1%で、
粒子径は0.40μに肥大化した。塊状物の発生はなか
った。
【0041】
【発明の効果】本発明によるラテックス粒子の製法は、
アニオン性又はカチオン性重合開始剤によって重合した
種重合体粒子と二段目重合で用いる逆極性の重合開始剤
との靜電的な性質と二段目重合で用いる親水性単量体と
疎水性単量体との組み合わせによって、従来技術に比し
て安定かつ効率的な粒子の肥大化を提供するものであ
る。本発明の製法によって得られるラテックス粒子を含
む分散液は、紙塗工用途、ABS樹脂用途、接着剤用
途、塗料用途、シーリング剤用途、セメント混和剤用途
などに適用することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アニオン性またはカチオン性のいずれかの
    重合開始剤(a)を用いて重合して得た種重合体粒子の
    存在下に、親水性単量体および疎水性単量体を、(親水
    性単量体の重量[Ma])/(疎水性単量体の重量[M
    o])が0.01〜1、([Ma]+[Mo])/(種
    重合体粒子の重量[P])が0.1〜100の条件で、
    且つ該種重合体粒子を得るために用いた重合開始剤
    (a)とは逆極性の重合開始剤(b)を用いて重合する
    ことを特徴とする肥大化ラテックス粒子の製法。
JP31281396A 1996-11-08 1996-11-08 肥大化ラテックス粒子の製法 Pending JPH10139841A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31281396A JPH10139841A (ja) 1996-11-08 1996-11-08 肥大化ラテックス粒子の製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31281396A JPH10139841A (ja) 1996-11-08 1996-11-08 肥大化ラテックス粒子の製法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10139841A true JPH10139841A (ja) 1998-05-26

Family

ID=18033726

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31281396A Pending JPH10139841A (ja) 1996-11-08 1996-11-08 肥大化ラテックス粒子の製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10139841A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4894397A (en) Stable emulsion polymers and methods of preparing same
JP3549902B2 (ja) グラフト共重合体およびその製造方法
JPH09501457A (ja) 重合体エマルジョンの製造
JPH0250923B2 (ja)
WO1999061484A1 (fr) Emulsion aqueuse et procede permettant de la preparer
US3297613A (en) Vinylidene chloride-acrylate-amide interpolymer
JPH09176212A (ja) 水性ポリマー分散液の製法
US5294658A (en) Process for the preparation of large-particle, aqueous plastic dispersions
JPH10139841A (ja) 肥大化ラテックス粒子の製法
JP3563234B2 (ja) 塩化ビニル系重合体ラテックスの製造方法
KR100348866B1 (ko) 친수성 고분자와 소수성 고분자로 이루어진 수성 잉크용에멀젼의 제조방법
JP2559894B2 (ja) 複合中空粒子
JP2722661B2 (ja) 反応性ポリマー粒子の水性分散体の製造方法
JPH02300203A (ja) 高架橋ミクロゲルの製造方法
JP2002097205A (ja) 水溶性架橋共重合体粉末の製造方法
JPH0445102A (ja) 乳化重合体の製造方法及びその製造方法で得られる乳化重合体
JP3610179B2 (ja) 塩化ビニル系重合体ラテックスの製造方法
JPH0531582B2 (ja)
JP3417583B2 (ja) 高酸価アクリル樹脂の製造方法
JPH11106442A (ja) 共重合体分散液の製造方法、それにより得られた共重合体分散液およびそれを含む塗料組成物
JP2023059567A (ja) 塩化ビニル系樹脂凝集体の製造方法
JPH1129608A (ja) 超微粒子水性樹脂エマルジョンの製造方法
JPH11124530A (ja) 水性塗料用エマルジョン
Santos 7 Application of surfactants in latex formulation: introduction to emulsion polymerization technology
JP2829418B2 (ja) 複合粒子構造を有する重合体ラテックスの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Effective date: 20040524

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20040602

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Effective date: 20041006

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02