JPH10316661A - 1−(1−ブチル)−4−シアノピリジニウム塩及びその製造方法 - Google Patents

1−(1−ブチル)−4−シアノピリジニウム塩及びその製造方法

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JPH10316661A
JPH10316661A JP13925397A JP13925397A JPH10316661A JP H10316661 A JPH10316661 A JP H10316661A JP 13925397 A JP13925397 A JP 13925397A JP 13925397 A JP13925397 A JP 13925397A JP H10316661 A JPH10316661 A JP H10316661A
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JP
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butyl
cyanopyridinium
salt
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compound
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JP13925397A
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Osamu Uno
修 宇野
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Koei Chemical Co Ltd
Original Assignee
Koei Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡便な方法で1−(1−ブチル)−4−アミ
ノメチルピペリジンを製造し得る化合物を提供するこ
と。 【解決手段】 一般式(1): 【化1】 (式中、A-は陰イオンを表す。)で示される1−(1
−ブチル)−4−シアノピリジニウム塩。例えば、4−
シアノピリジンを1−ハロゲン化ブタンと反応せしめる
と、上記一般式(1)において陰イオンがハロゲンイオ
ンである1−(1−ブチル)−4−シアノピリジニウム
=ハライドを製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な化合物であ
る1−(1−ブチル)−4−シアノピリジニウム塩及び
その製造方法に関するものである。1−(1−ブチル)
−4−シアノピリジニウム塩は、例えば、1−(1−ブ
チル)−4−(アミノメチル)ピペリジンの製造原料と
して有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】1−(1−ブチル)−4−(アミノメチ
ル)ピペリジンは、医薬の原料等に使用される有用な化
合物であり、例えば、イソニペコチン酸アミドを1−臭
化ブタンと反応せしめて得た1−(1−ブチル)イソニ
ペコチン酸アミドを、エーテル溶媒中、窒素雰囲気下で
温度を0℃に保ちながらリチウムアルミニウムヒドリド
で還元して製造されている(国際公開WO 93/18
036号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の通り、1−(1
−ブチル)−4−アミノメチルピペリジンを製造するに
あたって、原料化合物として1−(1−ブチル)イソニ
ペコチン酸アミドを使用する場合、還元剤として取扱い
が困難なリチウムアルミニウムヒドリドを用いなければ
ならない。即ち、リチウムアルミニウムヒドリドと水と
の接触を避けるために、還元に用いる化合物の脱水を行
い、かつ窒素雰囲気下で還元を行わなければならないな
ど、上記方法は工業的方法として未だ満足できるもので
はない。本発明は、より簡便な方法で1−(1−ブチ
ル)−4−アミノメチルピペリジンを製造し得る化合物
を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討を
行った結果、新規化合物である一般式(1):
【0005】
【化2】 (式中、A-は陰イオンを表す。)で示される1−(1
−ブチル)−4−シアノピリジニウム塩〔以下、単に1
−(1−ブチル)−4−シアノピリジニウム塩(1)と
いう。〕が上記課題を解決し得る化合物であることを見
出し、本発明を完成するに至った。即ち、1−(1−ブ
チル)−4−シアノピリジニウム塩(1)を、水素化触
媒の存在下に水素と接触反応せしめると、当該1−(1
−ブチル)−4−シアノピリジニウム塩(1)のピリジ
ン環及びシアノ基が1行程の反応操作により還元され、
容易にしかも好収率で4−アミノメチル−1−(1−ブ
チル)ピペリジンを製造できたのである。
【0006】本発明は、1−(1−ブチル)−4−シア
ノピリジニウム塩(1)及びその製造方法に関するもの
である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の1−(1−ブチル)−4−シアノピリジニウム
塩(1)において、一般式(1)中のA-は陰イオンで
あり、例えば、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン
等のハロゲンイオン、(1/2)硫酸イオン、硫酸水素
イオン、硝酸イオン、炭酸イオン、水酸イオンなどが挙
げられる。1−(1−ブチル)−4−シアノピリジニウ
ム塩(1)の具体例としては、1−(1−ブチル)−4
−シアノピリジニウム=クロリド、1−(1−ブチル)
−4−シアノピリジニウム=ブロミド、1−(1−ブチ
ル)−4−シアノピリジニウム=ヨージド、1−(1−
ブチル)−4−シアノピリジニウム=(1/2)スルフ
ェート、1−(1−ブチル)−4−シアノピリジニウム
=ヒドロゲンスルフェート、1−(1−ブチル)−4−
シアノピリジニウム=(1/2)カーボネート、1−
(1−ブチル)−4−シアノピリジニウム=ニトレー
ト、1−(1−ブチル)−4−シアノピリジニウム=ヒ
ドロキシド等が挙げられる。
【0008】本発明の1−(1−ブチル)−4−シアノ
ピリジニウム塩(1)は、一般に公知の第4級アンモニ
ウム塩の製造方法を適用して製造することができる。例
えば、アルキル化剤として1−ハロゲン化ブタンを使用
し、これを4−シアノピリジンと反応せしめれば、陰イ
オンがハロゲンイオンである1−(1−ブチル)−4−
シアノピリジニウム=ハライドが得られる。陰イオンが
ハロゲンイオン以外の他の1−(1−ブチル)−4−シ
アノピリジニウム塩(1)は、例えば、特開昭61−1
70588号公報に記載された方法を用いて4−シアノ
ピリジンを炭酸ジブチルと反応せしめれば、陰イオンが
炭酸イオンであるものを得ることができ、そして同公報
に記載の方法で炭酸イオンを水酸イオンに交換すること
ができる。また1−(1−ブチル)−4−シアノピリジ
ニウム=ハライドからは、特公昭54−7763号公報
又は特開昭57−24333号公報の方法を用いてハロ
ゲンイオンを硫酸水素イオンに交換したものを、Jou
rnal of American Chemical
Society,87,4347(1965)に記載
の方法を用いてハロゲンイオンを硝酸イオンに交換した
ものをそれぞれ得ることができる。
【0009】1−(1−ブチル)−4−シアノピリジニ
ウム=ハライドは、アルキル化剤としての1−ハロゲン
化ブタンの入手が容易であり、極めて簡便に製造できる
ことから特に好ましい化合物である。本発明の1−(1
−ブチル)−4−シアノピリジニウム塩(1)の製造に
ついて、1−(1−ブチル)−4−シアノピリジニウム
=ハライドを例にとり、以下に説明する。
【0010】1−(1−ブチル)−4−シアノピリジニ
ウム=ハライドを製造するには、例えば、4−シアノピ
リジン及び溶媒の混合物中に、攪拌下、通常60℃以
上、好ましくは60℃〜還流温度で4−シアノピリジン
1モルに対して0.9〜1.1モルの1−ハロゲン化ブ
タンを添加した後、引き続き同温度に保持して反応を完
結させればよい。溶媒としては、4−シアノピリジンや
1−ハロゲン化ブタンと反応しないものであれば特に制
限されず、例えば、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコー
ル、1−ブチルアルコール等のアルコール類、アセトニ
トリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル等のニトリ
ル類、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルプ
ロピルケトン、ブチルメチルケトン等のケトン類などを
挙げることができる。溶媒の使用量は、特に制限され
ず、好ましくは4−シアノピリジン1重量部に対して1
〜3重量部である。そして反応終了後の反応液をそのま
ま冷却するか又は濃縮後冷却して結晶を析出せしめ、析
出した結晶を濾別し、乾燥すれば1−(1−ブチル)−
4−シアノピリジニウム=ハライドを結晶として得るこ
とができる。
【0011】
【実施例】次に実施例を示し更に詳細に本発明を説明す
るが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。
【0012】実施例 500mlの四つ口フラスコに4−シアノピリジン52
g(0.58モル)及びアセトニトリル120gを仕込
み、攪拌下、80〜85℃にて1−ブロモブタン75.
9g(0.55モル)を1時間で滴下した。滴下終了
後、攪拌下、同温度に保持して10時間反応を行った。
反応終了後、得られた反応液を冷却し、20℃で1時間
結晶を析出させた。析出した結晶を濾別し、乾燥して1
−(1−ブチル)−4−シアノピリジニウム=ブロミド
55.4g(0.24モル)を得た。得られた1−(1
−ブチル)−4−シアノピリジニウム=ブロミドのNM
Rの分析結果を以下に示す。
【0013】
【化3】
【0014】13C−NMR(溶媒 DMSO−d6)の
ケミカルシフト ppm:13.3(a)、18.6
(b)、32.6(c)、61.5(d)、114.8
(e)、126.8(f)、131.0(g)、14
6.1(h)
【0015】1H−NMR(溶媒 DMSO−d6)のケ
ミカルシフト ppm:0.91[triplet,3
H:C(a)−H]、1.31[sextet,2H:
C(b)−H]、1.92[quintet,2H:C
(c)−H]、4.72[triplet,2H:C
(d)−H]、8.74[doublet,2H:C
(g)−H]、9.46[doublet,2H:C
(h)−H]
【0016】参考例 500mlのオートクレーブに1−(1−ブチル)−4
−シアノピリジニウム=ブロミド50.0g(0.20
7モル)、水250g、35%塩酸21.6g(0.2
07モル)及び5%ロジウム/カーボン5gを加え、オ
ートクレーブ内を水素置換後、水素を導入しながら反応
温度50℃、水素圧0.5MPaに保って反応を行っ
た。上記反応温度に到達後、9時間で水素の吸収が認め
られなくなり反応が終了した。反応終了後、オートクレ
ーブ内を常圧、常温に戻し、反応液を濾過して触媒を濾
別した後、濾液に48%水酸化ナトリウム水溶液34.
5g(0.414モル)を加えた。次いでトルエン30
0gを加えて抽出を行い、得られたトルエン層を濃縮
後、減圧下で蒸留して、純度99.7%の無色透明の油
状の1−(1−ブチル)−4−アミノメチルピペリジン
が22.3g(収率63.3%)得られた。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1): 【化1】 (式中、A-は陰イオンを表す。)で示される1−(1
    −ブチル)−4−シアノピリジニウム塩。
  2. 【請求項2】 陰イオンが、ハロゲンイオンである請求
    項1記載の1−(1−ブチル)−4−シアノピリジニウ
    ム塩。
  3. 【請求項3】 4−シアノピリジンを1−ハロゲン化ブ
    タンと反応せしめることを特徴とする請求項2記載の1
    −(1−ブチル)−4−シアノピリジニウム塩の製造方
    法。
JP13925397A 1997-05-13 1997-05-13 1−(1−ブチル)−4−シアノピリジニウム塩及びその製造方法 Pending JPH10316661A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9453285B2 (en) 2011-09-22 2016-09-27 Bromine Compounds Ltd. Processes for preparing N-ethyl-2-methylpyridinium bromide and N-ethyl-3-methylpyridinium bromide

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9453285B2 (en) 2011-09-22 2016-09-27 Bromine Compounds Ltd. Processes for preparing N-ethyl-2-methylpyridinium bromide and N-ethyl-3-methylpyridinium bromide

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