JPH10316508A - 生物付着防止剤 - Google Patents

生物付着防止剤

Info

Publication number
JPH10316508A
JPH10316508A JP12193797A JP12193797A JPH10316508A JP H10316508 A JPH10316508 A JP H10316508A JP 12193797 A JP12193797 A JP 12193797A JP 12193797 A JP12193797 A JP 12193797A JP H10316508 A JPH10316508 A JP H10316508A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
species
group
derivative
hydrogen atom
underwater
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP12193797A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideo Eto
英男 衛藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Chemical Corp
Original Assignee
Nissan Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Chemical Corp filed Critical Nissan Chemical Corp
Priority to JP12193797A priority Critical patent/JPH10316508A/ja
Publication of JPH10316508A publication Critical patent/JPH10316508A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規な水中生物付着防止剤を提供。 【解決手段】 式(1) 【化1】 (式中、R1 及びR2 は水素原子、ホルミル基、カルボ
ン酸基、炭素数2ー10のアルコキシカルボニル基を、
3 、R4 及びR5 は水素原子、炭素数1ー9のアルキ
ル基、炭素数2ー10のアルキルカルボニル基を、R6
は結合部位の水素原子1個を除去したセスキテルペン残
基を示す。)で表されるイソペンチルフロログルシノー
ル誘導体を有効成分とすることを特徴とする水中生物付
着防止剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、漁網、船舶の船
底、ブイ等の海中に置かれる設備、海洋構築物、火力ま
たは原子力発電所の復水器冷却水系、化学工業の熱交換
器冷却用水の取水路、水中構築物あるいは貯水池等に、
具類等の有害な水中生物が付着するのを防止するための
水中生物付着防止剤に関する。
【0002】
【従来の技術】漁網、船舶の船底部、ブイ等の海水中に
置かれる設備、海洋構築物、火力または原子力発電所及
び各種工業の冷却用水の取水路、ダムの付属設備等の水
中構築物、貯水池等、常時海水や淡水と接触する部分に
は、ムラサキイガイ、フジツボ、カキ、ヒドロムシ、ヒ
ドラ、セルプラ、ホヤ、コケムシ、タニシ、アオサ、ア
オノリ、シオミドロ等の貝類及び藻類が付着繁殖する。
【0003】これらの水中生物が養殖網に付着すれば、
編目が詰まり、海水の流通の低下に伴って養殖魚の発育
が阻害され、魚病の多発を招く。船舶へのこれら水中生
物の付着は、流体抵抗の増加を引き起こし、その結果、
航行速度の低下、消費燃料の増加さらに船底の清掃のた
めの費用、運行休止による費用等の損失を招く。
【0004】海洋設備、海洋及び水中構築物において
は、水中生物の付着による重量増加及び取扱い操作の著
しい不便さを生じ、取水路への付着は、熱伝導度の低下
を引き起こすとともに、取水路が閉塞したり、取水量が
減少する等の問題を生じる。従来、これらの海水および
淡水水中生物の付着繁殖を防止するため、ビストリブチ
ルスズオキシド等の有機スズ化合物、硫酸銅および亜酸
化銅等の銅化合物等を含有する防汚塗料が使用されてい
る。
【0005】本発明の水中生物付着防止剤の有効成分で
あるマクロカルパール(Macrocarpal)a誘
導体及びマクロカルパールb誘導体は、ユーカリ(Eu
calyptus)属植物の研究からその化学構造式が
決定され、抗バクテリア剤或いは人免疫不全ウイルス逆
転写酵素阻害剤(human immunodefic
iency virus reverse trans
criptase inhibitor)としての活性
を有することが、バイオサイエンス・バイオテクノロジ
ー・アンド・バイオケミストリー(BIOSCIENC
E,BIOTECHNOLOGY,AND BIOCH
EMISTRY)、59巻、2330−2332頁(1
995年)、アグリカルチャル・アンド・バイオロジカ
ル・ケミストリー(AGRICULTURAL AND
BIOLOGICAL CHEMISTRY)、54
巻、3221−3226頁(1990年)、バイオサイ
エンス・バイオテクノロジー・アンド・バイオケミスト
リー(BIOSCIENCE,BIOTECHNOLO
GY,AND BIOCHEMISTRY)、56巻、
1570−1576頁(1992年)、テトラヘドロン
・レター(TETRAHEDRON LETTER
S)、2983−2986頁(1992年)、ジャーナ
ル・オブ・ナチュラル・プロダクツ(JOURNAL
OF NATURAL PRODUCTS)、59巻、
823−827頁(1996年)等に報告されている
が、水中生物、特に貝類等の付着乃至は繁殖を防止する
水中生物付着防止剤としての活性は全く知られていな
い。
【0006】又、アグリカルチャル・アンド・バイオロ
ジカル・ケミストリー(AGRICULTURAL A
ND BIOLOGICAL CHEMISTRY)、
53巻、2827−2829頁(1989年)及びアグ
リカルチャル・アンド・バイオロジカル・ケミストリー
(AGRICULTURAL AND BIOLOGI
CAL CHEMISTRY)、54巻、2443−2
444頁(1990年)には、ユーカリ属シムフィオミ
ルタス(symphyomyrtus)亜属のルビダ
(rubida)種及びレシニフェラ(resinif
era)種から単離された本発明の有効成分とは全く異
なるスチルベン配糖体の水中生物付着防止活性が報告さ
れているが、いずれも弱い付着防止活性を示すのみであ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記有機スズ化合物
は、水中生物の付着防止には有効であるものの、毒性が
強く、特に魚貝類の体内蓄積が著しく、環境汚染を進行
させるため現在規制の対象となっている。例えば、米国
においては有機スズ防汚塗料規制法(1987年)によ
って、65フィート以下の船舶への有機スズ船舶塗料の
使用が禁止され、英国においては食品環境保護法令(1
987年)によってトリブチルスズ含有防汚剤は、25
メートル以下の船舶および海洋農業への使用が禁止され
ている。
【0008】又、日本においては化審法(1990年)
によってトリブチルスズオキシドが第1種特定化学物質
に、トリフェニルスズ化合物及びトリブチルスズ化合物
が第2種特定化学物質に指定され、魚網用に関しては使
用が禁止されている。更に、トリブチルスズ系の船底塗
料の使用抑制の措置(運輸省通達、1990年)もとら
れている。
【0009】上記銅化合物は、取水路及び船底部用の防
汚塗料に広く使用されてはいるが、スズ化合物と同様重
金属である銅を含有しているため、将来の環境汚染が懸
念され、好ましい水中生物付着防止剤とは言えない。生
態系への影響や二次汚染の少ない水中生物付着防止剤と
して、天然物由来の生理活性物質、それらの誘導体およ
び抽出物等の活用が期待されている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため鋭意検討の結果、ユーカリ属植物の葉から
単離されたイソペンチルフロログルシノール誘導体、マ
クロカルパール、更にはユーカリ属植物の葉の特定の抽
出物が、安全性が高く、水中生物、特に貝類等の付着乃
至は繁殖を防止する優れた水中生物付着防止能(防汚
能)を有し、実用性の高い水中生物付着防止剤となるこ
とを見出し、本発明を完成した。
【0011】即ち、本発明は 1.式(1)
【0012】
【化11】
【0013】(式中、R1 及びR2 は、それぞれ独立に
水素原子、ホルミル基、カルボン酸基又は炭素数2ー1
0のアルコキシカルボニル基を示し、R3 、R4 及びR
5 は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1ー9のアルキ
ル基又は炭素数2ー10のアルキルカルボニル基を示
し、R6 は結合部位の水素原子1個を除去したセスキテ
ルペン残基を示す。)で表されるイソペンチルフロログ
ルシノール誘導体を有効成分とすることを特徴とする水
中生物付着防止剤、 2.式(1)のR6 が下記のセスキテルペン残基
【0014】
【化12】
【0015】から選ばれるイソペンチルフロログルシノ
ール誘導体を有効成分とする水中生物付着防止剤、 3.式(2)叉は式(3)
【0016】
【化13】
【0017】
【化14】
【0018】(式中、R1 及びR2 は、それぞれ独立に
水素原子、ホルミル基、カルボン酸基又は炭素数2ー1
0のアルコキシカルボニル基を示し、R3 、R4 及びR
5 は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1ー9のアルキ
ル基又は炭素数2ー10のアルキルカルボニル基を示
し、R6 は結合部位の水素原子1個を除去した下記のセ
スキテルペン残基
【0019】
【化15】
【0020】から選ばれる基を示す。)で表されるイソ
ペンチルフロログルシノール誘導体A及び/又はイソペ
ンチルフロログルシノール誘導体Bを有効成分とするこ
とを特徴とする水中生物付着防止剤、 4.式(4)
【0021】
【化16】
【0022】(式中、R6 は結合部位の水素原子1個を
除去した下記のセスキテルペン残基
【0023】
【化17】
【0024】から選ばれる基を示す。)で表されるマク
ロカルパール誘導体を有効成分とすることを特徴とする
水中生物付着防止剤、 5.式(5)叉は式(6)
【0025】
【化18】
【0026】
【化19】
【0027】(式中、R6 は結合部位の水素原子1個を
除去した下記のセスキテルペン残基
【0028】
【化20】
【0029】から選ばれる基を示す。)で表されるマク
ロカルパールa誘導体及び/又はマクロカルパールb誘
導体を有効成分とすることを特徴とする水中生物付着防
止剤、 6.マクロカルパール誘導体を含有するユーカリ属植物
の葉抽出物を用いることを特徴とする水中生物付着防止
剤、 7.マクロカルパールa誘導体及び/又はマクロカルパ
ールb誘導体を含有するユーカリ属植物の葉抽出物を用
いることを特徴とする水中生物付着防止剤、 8.ユーカリ属がシムフィオミルタス亜属、モノカリプ
タス(monocalyptus)亜属から選ばれるこ
とを特徴とする水中生物付着防止剤、 9.ユーカリ属シムフィオミルタス亜属がグランディス
(grandis)種、アムプリフォリア(ampli
folia)種、テレティコルニス(teretico
rnis)種、ロブスタ(robusta)種、カマル
ドュレンシス(camaldulensis)種、ロイ
コキシロン(leucoxylon)種、サイペロカル
パ(cypellocarpa)種、メリオドラ(me
lliodora)種、ミクロコリス(microco
rys)種、ボツリオイデス(botryoides)
種、シデロキシロン(sideroxylon)種、マ
クロカルパ(macrocarpae)種、グロブラス
(globulus)種から選ばれることを特徴とする
水中生物付着防止剤、 10.ユーカリ属モノカリプタス亜属がオブリカ(ob
liqua)種、ラデエタ(radiata)種、ハエ
マストマ(haemastoma)種から選ばれること
を特徴とする水中生物付着防止剤、 11.ユーカリ属植物の葉抽出物が極性溶媒抽出物又は
極性溶媒抽出物の脂肪族ハロゲン化炭化水素及び/又は
芳香族ハロゲン化炭化水素抽出物であることを特徴とす
る水中生物付着防止剤に関するものである。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明の水中生物付着防止剤は、
式(1)で表されるイソペンチルフロログルシノール誘
導体を有効成分として含んでいればよい。式(1)のR
1 、R2 、R3 、R4 及びR5 の置換基を次に例示する
が、これらに限定されるものではない。
【0031】但し、記号はそれぞれ以下の意味を表す。
Me:メチル基、Et:エチル基、Pr−n:ノルマル
プロピル基、Pr−iso:イソプロピル基、Bu−
n:ノルマルブチル基、Bu−sec:セカンダリーブ
チル基、Bu−tert:ターシャリーブチル基、Pe
n−n:ノルマルペンチル基、Hex−n:ノルマルヘ
キシル基、Hep−n:ノルマルヘプチル基、Oct−
n:ノルマルオクチル基、Non−n:ノルマルノニル
基。
【0032】R1 及びR2 の炭素数2〜10のアルコキ
シカルボニル基としては、COOMe、COOEt、C
OOPr−n、COOPr−iso、COOBu−n、
COOBu−sec、COOBu−tert、COOP
en−n、COOHex−n、COOHep−n、CO
OOct−n、COONon−n等が挙げられる。R
3 、R4 及びR5の炭素数1〜9のアルキル基として
は、Me、Et、Pr−n、Pr−iso、Bu−n、
Bu−sec、Bu−tert、Pen−n、Hex−
n、Hep−n、Oct−n、Non−n等が挙げられ
る。
【0033】R3 、R4 及びR5の炭素数2〜10のア
ルキルカルボニル基としては、COMe,COEt、C
OPr−n、COPr−iso、COBu−n、COB
u−sec、COBu−tert、COPen−n、C
OHex−n、COHep−n、COOct−n、CO
Non−n等が挙げられる。R6 のセスキテルペン残基
は、ユーカリ属植物により産生されるセスキテルペン化
合物の結合部位の水素原子1個を除去した基であれば制
限はない。
【0034】又、本発明においてユーカリ属植物の葉抽
出物を水中生物付着防止剤として用いる場合には、ユー
カリ属植物の葉からリーフワックス(leaf wa
x)を除き、メタノール、エタノール、プロパノール、
アセトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の極性溶
媒で抽出した抽出物又は極性溶媒で抽出した抽出物を水
に溶解し、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエ
タン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素及び/又はクロロベ
ンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香属ハロゲン化炭化水
素で抽出した抽出物を用いると本発明の有効成分を効率
良く含むため良好な水中生物付着防止活性を与える。
【0035】但し、ユーカリ属植物の葉の抽出方法はこ
れらに限定されるものではない。本発明の水中生物付着
防止剤は単独で使用してもよく、又本発明以外の水中生
物付着防止剤と混合して使用することもできる。本発明
の水中生物付着防止剤は、塗料、溶液、乳剤等の形態に
調製して使用される。
【0036】これら塗料、溶液、乳剤等の調製には通常
実施される一般的処方を採用することができる。本発明
の水中生物付着防止剤を防汚塗料の形態で使用する場合
には、例えば本発明の有効成分又は葉抽出物を塗膜形成
剤に配合して塗料を調製し、船舶の船底、海洋構築物、
冷却用取水管路或いは水中構築物等に塗布することによ
って水中生物の付着繁殖を防止することができる。
【0037】塗膜形成剤としては、油ワニス、合成樹
脂、人造ゴム等が用いられる。更に、必要に応じて溶
剤、顔料等を使用しても差し支えない。塗料を調製する
場合には、本発明の有効成分又は葉抽出物は塗膜が形成
できる限りにおいて濃度に上限はないが、防汚塗料の重
量に対し、1〜50重量%、好ましくは5〜20重量%
の割合で配合される。
【0038】本発明の水中生物付着防止剤を防汚塗料と
して用いる場合の処方例を示す。
【0039】
【化21】
【0040】
【化22】
【0041】
【化23】
【0042】処方例1
【0043】
【表1】 成分 重量% 本発明化合物1〜6の何れかの化合物 8 VYHH(ビニル系合成樹脂、UCC社製) 7 ロジン 7 リン酸トリクレシル 3 タルク 20 硫酸バリウム 15 弁柄 10 キシレン 20 メチルイソブチルケトン 10 ─────── 100 処方例2
【0044】
【表2】 成分 重量% 本発明化合物1〜6の何れかの化合物 5 CR−10(塩化ゴム樹脂、旭電化社製) 13 亜鉛華 20 タルク 20 可塑剤 2 弁柄 10 キシレン 30 ─────── 100 本発明の水中生物付着防止剤を溶液の形態で使用する場
合には、例えば本発明の有効成分又は葉抽出物を塗膜形
成剤と共に溶媒に溶解した溶液を調製して、養殖魚網、
定置漁網等に塗布することによって水中生物の付着繁殖
を防止することができる。
【0045】塗膜形成剤としては、合成樹脂、人造ゴ
ム、天然樹脂等が用いられ、溶媒としては、キシレン、
トルエン、クメン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、アセトン等が用いられる。更に、必要に応
じて添加剤、例えば可塑剤等を使用しても差し支えな
い。溶液を調製する場合には、本発明の有効成分又は葉
抽出物は溶液が形成できる限りにおいて濃度に上限はな
いが、溶液の重量に対し、1〜50重量%、好ましくは
5〜30%の割合で配合される。
【0046】本発明の水中生物付着防止剤を乳剤の形態
で使用する場合には、通常乳剤を調製する際の一般的方
法に従い、本発明の有効成分又は葉抽出物の溶液に界面
活性剤を添加し、所望の乳剤を調製することができ、用
いる界面活性剤の種類に特に限定はない。調製した乳剤
は、海洋或いは水中で使用する養殖漁網、定置網等の原
料素材、例えば高分子樹脂等に練り込んで用いることが
できる。
【0047】乳剤を調製する場合には、本発明の有効成
分または葉抽出物は乳剤が形成できる限りにおいて濃度
に上限はないが、乳剤の重量に対し、1〜50重量%、
好ましくは3〜30重量%の割合で配合される。又、本
発明の上記溶液または乳剤は、冷却用水の取水管路ある
いは貯水池等における水中生物の付着繁殖を防止するた
め、用水、貯水等に添加して用いることもできる。
【0048】
【実施例】以下、本発明について、更に具体的且つ詳細
に実施例を用いて説明するが、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。 実施例1 ユーカリ属植物グロブラス種の成葉部風乾物1.0Kg
をアセトンに加え、室温にて浸漬抽出した。
【0049】抽出後、アセトンを減圧下留去することに
よりユーカリ属植物の葉抽出物を得た。上記葉抽出物を
n−ヘキサンで抽出後、クロロホルムを用いて抽出し、
クロロホルム抽出物37gを得た。クロロホルム抽出物
を、トヨパール(Toyopearl)HW40Cを用
いカラムクロマトグラフィー(メタノール)に供し、4
分画とし、実施例3に記載の方法でムラサキイガイに対
する忌避活性を評価した所、2番目の分画(25g)が
活性を示した。
【0050】当該分画をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(クロロホルム:メタノール=1:0から0:
1)に供し、3分画とし、2番目の分画(7.4g)を
再度シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホル
ム:酢酸=100:1、次に90:1、次に80:1、
次に70:1、次に50:1)に供し、5分画とした。
2番目の分画(867mg)及び5番目(480mg)
の分画にムラサキイガイに対する強い忌避活性が認めら
れた。
【0051】両分画を高速液体クロマトグラフィー(H
PLC、ODS、メタノール:水:酢酸=85:13:
2)に供し、本発明化合物3(198mg)及び本発明
化合物4(38mg)を得た。 実施例2 ユーカリ属植物アムプリフォリア種の成葉部風乾物のメ
タノール抽出物を用い、実施例1と同様の方法により本
発明化合物1、2、5及び6を得た。 実施例3 本発明化合物1−6をそれぞれアセトンに溶解し、試験
紙上に描かれた直径4cmのゾーン内に、それぞれのサ
ンプル溶液を均一に塗布した。
【0052】ブランクとしてアセトンのみを塗布したゾ
ーン、比較として、硫酸銅を塗布したゾーンを設けた。
乾燥後、殻長が2−2.5cm前後のムラサキイガイを
スペーサーとして一辺が5mmのゴム辺を用い、それぞ
れのゾーンの外周に4固体ずつ接着した。調製した試験
板を、新鮮な海水が流入(10L/min)する水槽
(縦900x横750x深さ300mm)に浸漬し、暗
所4時間静置した。
【0053】水槽中から試験板を上げ、ムラサキイガイ
足糸の付着位置と本数を計測した。比較として用いた硫
酸銅との対比で、付着防止効果(付着忌避活性)を求め
た。 付着忌避活性の評価法は、伊奈和夫、衛藤英男
「ムラサキイガイを用いた海洋付着生物の付着忌避活性
物質の検索法」(化学と生物、第28巻(第2号)、1
32−138頁(1990年)に従った。
【0054】硫酸銅との対比で、第1表に本発明化合物
1−6の付着防止効果を示した。尚、表中の記号は下記
の意味を示す。 ++:ゾーン内に全く付着せず、強い忌避効果が認めら
れる。 +:ゾーン内への付着も観測されるが、大部分はゾーン
外に付着し、忌避効果が認められる。
【0055】−:ゾーン内外に同程度に付着し、忌避効
果が認められない。
【0056】
【表3】 第 1 表 ───────────────────────────── 有効成分 薬量(μmol/cm2 ) 判定 ───────────────────────────── 本発明化合物1 0.33 ++ 本発明化合物2 0.33 ++ 本発明化合物3 0.33 ++ 本発明化合物4 0.33 ++ 本発明化合物5 0.33 ++ 本発明化合物6 0.65 + ───────────────────────────── 硫酸銅 1.00 ++ (比較薬剤) 0.50 + ───────────────────────────── ブランク − − ─────────────────────────────

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1) 【化1】 (式中、R1 及びR2 は、それぞれ独立に水素原子、ホ
    ルミル基、カルボン酸基又は炭素数2ー10のアルコキ
    シカルボニル基を示し、R3 、R4 及びR5 は、それぞ
    れ独立に水素原子、炭素数1ー9のアルキル基又は炭素
    数2ー10のアルキルカルボニル基を示し、R6 は結合
    部位の水素原子1個を除去したセスキテルペン残基を示
    す。)で表されるイソペンチルフロログルシノール誘導
    体を有効成分とすることを特徴とする水中生物付着防止
    剤。
  2. 【請求項2】 R6 が下記のセスキテルペン残基 【化2】 から選ばれるイソペンチルフロログルシノール誘導体を
    有効成分とする請求項1の水中生物付着防止剤。
  3. 【請求項3】 式(2)叉は式(3) 【化3】 【化4】 (式中、R1 及びR2 は、それぞれ独立に水素原子、ホ
    ルミル基、カルボン酸基又は炭素数2ー10のアルコキ
    シカルボニル基を示し、R3 、R4 及びR5 は、それぞ
    れ独立に水素原子、炭素数1ー9のアルキル基又は炭素
    数2ー10のアルキルカルボニル基を示し、R6 は結合
    部位の水素原子1個を除去した下記のセスキテルペン残
    基 【化5】 から選ばれる基を示す。)で表されるイソペンチルフロ
    ログルシノール誘導体A及び/又はイソペンチルフロロ
    グルシノール誘導体Bを有効成分とすることを特徴とす
    る水中生物付着防止剤。
  4. 【請求項4】 式(4) 【化6】 (式中、R6 は結合部位の水素原子1個を除去した下記
    のセスキテルペン残基 【化7】 から選ばれる基を示す。)で表されるマクロカルパール
    誘導体を有効成分とすることを特徴とする水中生物付着
    防止剤。
  5. 【請求項5】 式(5)叉は式(6) 【化8】 【化9】 (式中、R6 は結合部位の水素原子1個を除去した下記
    のセスキテルペン残基 【化10】 から選ばれる基を示す。)で表されるマクロカルパール
    a誘導体及び/又はマクロカルパールb誘導体を有効成
    分とすることを特徴とする水中生物付着防止剤。
  6. 【請求項6】 請求項4記載のマクロカルパール誘導体
    を含有するユーカリ属植物の葉抽出物を用いることを特
    徴とする水中生物付着防止剤。
  7. 【請求項7】 請求項5記載のマクロカルパールa誘導
    体A及び/又はマクロカルパールb誘導体を含有するユ
    ーカリ属植物の葉抽出物を用いることを特徴とする水中
    生物付着防止剤。
  8. 【請求項8】 ユーカリ属がシムフィオミルタス亜属、
    モノカリプタス亜属から選ばれることを特徴とする請求
    項6叉は請求項7記載の水中生物付着防止剤。
  9. 【請求項9】 ユーカリ属シムフィオミルタス亜属がグ
    ランディス種、アムプリフォリア種、テレティコルニス
    種、ロブスタ種、カマルドュレンシス種、ロイコキシロ
    ン種、サイペロカルパ種、メリオドラ種、ミクロコリス
    種、ボツリオイデス種、シデロキシロン種、マクロカル
    パ種、グロブラス種から選ばれることを特徴とする請求
    項8記載の水中生物付着防止剤。
  10. 【請求項10】 ユーカリ属モノカリプタス亜属がオブ
    リカ種、ラデエタ種、ハエマストマ種から選ばれること
    を特徴とする請求項8記載の水中生物付着防止剤。
  11. 【請求項11】 ユーカリ属植物の葉抽出物が極性溶媒
    抽出物又は極性溶媒抽出物の脂肪族ハロゲン化炭化水素
    及び/又は芳香族ハロゲン化炭化水素抽出物であること
    を特徴とする請求項6又は請求項7記載の水中生物付着
    防止剤。
JP12193797A 1997-05-13 1997-05-13 生物付着防止剤 Pending JPH10316508A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12193797A JPH10316508A (ja) 1997-05-13 1997-05-13 生物付着防止剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12193797A JPH10316508A (ja) 1997-05-13 1997-05-13 生物付着防止剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10316508A true JPH10316508A (ja) 1998-12-02

Family

ID=14823631

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12193797A Pending JPH10316508A (ja) 1997-05-13 1997-05-13 生物付着防止剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10316508A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3091018B2 (ja) 海生付着生物の付着防止剤
JPH1171206A (ja) 生物付着防止剤
JP2002053408A (ja) カテコール誘導体を含有する工業用抗菌・抗カビ剤、防藻剤及び生物付着防止剤
JPH10316508A (ja) 生物付着防止剤
JPH09286706A (ja) 生物付着防止剤
JPH0469192B2 (ja)
JPH1192307A (ja) 防汚剤
JPH08225409A (ja) 水中生物の付着防除剤および付着防除塗料
JP3297161B2 (ja) 海生生物付着防止剤
KR19990081908A (ko) 수중생물 부착 방지제
JPH0834770A (ja) 水中付着生物防汚剤
JP2899093B2 (ja) 水中生物付着防止剤
KR900006521B1 (ko) 수중부착 생물방제제
JP2859781B2 (ja) 水中防汚剤
JPH11279008A (ja) 防汚剤
JP2001187706A (ja) フェニルアルコキシフェニルイソチオシアナート類を含有する工業用抗菌・抗カビ剤、殺藻剤並びに生物付着防止剤
JP4051103B2 (ja) 防汚性を有する新規セスキテルペン化合物
JP2840965B2 (ja) 漁網防汚剤
JPH06128508A (ja) 海棲生物付着防止塗料
JPH0789814A (ja) 水中有害付着生物防除剤
JPS6224022B2 (ja)
JPH0789811A (ja) 水中有害付着生物防除剤
JPH05170616A (ja) 海生生物付着防止剤
JPH05331010A (ja) 水中有害付着生物防汚剤
JPH10175803A (ja) 防汚材