JP3297161B2 - 海生生物付着防止剤 - Google Patents

海生生物付着防止剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、海生生物付着防止剤に
関し、特に漁網、船底、海水取水路壁等のような水中構
造物に塗布したり、海水に添加することにより、フジツ
ボやムラサキイガイのような海生生物の付着による汚れ
を防ぐのに有効な化合物を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】海水を冷却水等として利用する火力発電
所や製鉄所等の諸工場では、その冷却水系統に海生生
物、例えばムラサキイガイ、フジツボ、ヒドロムシ、コ
ケムシ等が付着して機能を低下させている。その一例を
以下に述べる。ムラサキイガイは幾重にも重なりあって
付着する性質のもので、その成長速度も速いために最下
層に付着したムラサキイガイは、海水から栄養塩類や溶
存酸素を充分に摂取できないために死滅する。この最下
層のムラサキイガイの死滅により、壁面に付着している
足糸が弱くなって水圧や水中等によって脱落する。そし
て、この脱落したムラサキイガイが冷却チューブの閉塞
を引き起こすため、海水の通水を妨げ、その機能を低下
させるのである。
【0003】また、近年盛んとなったハマチ等の養殖漁
業では、養殖用網やロープまたは定置網などを海中に長
期間設置するので、ムラサキイガイやコケムシ、ホヤ等
の海生生物が付着し、これらにより種々の障害を受けて
いる。その一例を以下に述べる。ムラサキイガイやホ
ヤ、コケムシ等が養殖網に多量に付着すると、海水の通
水が阻害され、養殖魚に溶存酸素不足をきたしたり、ま
たは網の沈下や切断等を引き起こし、養殖魚が死滅する
等の被害が生ずる。
【0004】さらに、船舶等の水中構造物においては、
フジツボやムラサキイガイ等の海生生物の付着により、
船舶においては抵抗の増大による速度の低下、海水の取
水路においては流水量の低下を引き起こし、一定期間ご
とにドック入り或いは操業を停止してこれらの付着を除
去しなければならない。
【0005】上記のような種々の障害を防止するため
に、従来、有機錫化合物、重金属類、有機硫黄化合物及
び第4級アンモニウム塩等が用いられていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記有機錫
化合物及び重金属類は人畜及び魚類等に対する毒性が高
いため並びに環境汚染の観点からも使用が規制されつつ
ある。一方、その他の前記薬剤は効果が充分ではない。
【0007】本発明者等は、人畜及び魚類等に対する毒
性や環境汚染がなく、しかも重金属類を含まないような
海生生物付着防止剤を鋭意研究した結果、特定のバニリ
ルアミン誘導体が上記条件を満たし、極めて優れた海生
生物の付着防止作用を示すこと、並びにより低濃度で有
効であることを見い出した。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記に鑑み提
案されたもので、
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】 の一種以上(以下、総じてバニリルアミン誘導体とい
う)を有効成分として含有する海生生物付着防止剤を提
案するものである。
【0009】本発明における前記特定のバニリルアミン
誘導体は、化学的に合成したものでも良いし、天然物よ
り抽出したものを使用しても良い。例えばバニリルノニ
ルアミドは芥子中より抽出することができるが、芥子そ
のものをそのまま使用しても良い。
【0010】上記バニリルアミン誘導体は、海生生物
(例えばムラサキイガイ)の付着成長時などに少量海水
冷却水系統に添加する方法、またこのバニリルアミン
誘導体を含む溶液中に魚網を浸漬して定着させ、この魚
網を養殖用網として海生生物の付着期に使用する方法、
さらにこのバニリルアミン誘導体を塗膜形成材中に混
合して対象物に塗布する方法等によりその目的を達成す
ることができる。
【0011】海水冷却水系に上記バニリルアミン誘導
体を少量添加する方法では、海水中に均一に分散される
ようにバニリルアミン誘導体を予め適当な溶剤(水、ま
たはアセトン、キシレン、ジメチルホルムアミド、メチ
ルセロソルブ、メチルアルコール、エチルアルコール、
トルエン、酢酸セロソルブ等の有機溶剤)に溶解或いは
乳化懸濁し、必要に応じて界面活性剤を添加し、適当な
濃度の製剤として使用することが好ましい。尚、上記界
面活性剤としては、高級脂肪酸塩類、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル類、ア
ルキルトリメチルアンモニウム塩類、アルキルベタイン
類等を挙げることができる。
【0012】魚網に浸漬して定着させる方法では、バ
ニリルアミン誘導体に、天然樹脂や油性合成樹脂系また
は合成ゴム系ビヒクル及び可塑剤や溶剤を加えるか、ま
た着色顔料を加え、溶解・分散して用いる。尚、上記し
た天然樹脂や油性合成樹脂系または合成ゴム系ビヒクル
としては、ロジン、ボイル油、アスファルト、コールタ
ール、クマロン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹
脂、ポリブテンのようなポリオレフィン樹脂、ポリスチ
レン、アクリル系樹脂、ポリウレタン樹脂、アミノ樹
脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、
不飽和ポリエステル樹脂等を挙げることができる。
【0013】バニリルアミン誘導体を塗膜形成材(塗
料)中に混合して対象物に塗布する方法では、上記塗膜
形成材に、塗膜形成主要素として天然樹脂系、合成樹脂
系、ゴム誘導体系ビヒクルを用い、また前記主要素に少
量加えて塗料の分散、塗膜の乾燥、硬化、諸物性を改良
するための塗膜形成副要素として乾燥剤、硬化剤、可塑
剤、乳化または分散のための界面活性剤等を用い、さら
に塗料を塗り易くするために塗膜形成助要素として溶剤
または希釈剤を用いることができる。これらの成分以外
に通常は塗膜形成材の一成分としてさらに着色顔料、体
質顔料、特殊顔料(錆止め顔料、発光顔料等)のような
顔料成分が添加される。尚、上記塗膜形成主要素として
用いられる天然樹脂系、合成樹脂系またはゴム誘導体系
のビヒクルとしては、前記魚網に浸漬して定着させる
方法において示したものを挙げることができる。また、
塗膜形成副要素として用いられる可塑剤としては、トリ
ブチルホスフェート、リン酸トリクレジル、フマル酸ジ
ブチル、フタル酸ジオクチル、ジブチルマレート等を挙
げることができる。また、塗膜形成副要素として用いる
界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエー
テル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリ
オキシエチレンポリオキシプロピレン類、ソルビタン脂
肪酸エステル類、アルキルトリメチルアンモニウム塩
類、アルキルベタイン類等を挙げることができる。さら
に、塗膜形成助要素としての溶剤または希釈剤として
は、水、アルコール、キシレン、灯油、メチルイソブチ
ルケトン、酢酸ブチル、ジメチルホルムアミド、メチル
セロソルブ、ブチルセロソルブ等を挙げることができ
る。また、顔料成分としては、タルク、チタン白、黄
鉛、紺青、弁柄、フタロシアニンブルーやこれら以外の
無機或いは有機の種々の顔料を挙げることができる。上
記塗膜形成材としての各成分を用いる場合は、各々の1
種以上を選択して配合することができる。
【0014】バニリルアミン誘導体の使用量は、前記
のように海水冷却水系に少量添加する方法では、有効成
分の5〜50%溶液を冷却水に対して1〜50ppmの
割合で比例注入する。また、前記及びのように魚網
やその他の対象物に定着させる方法では、対象物の種
類、塗装法(ハケ塗り、スプレー、浸漬法等)、貯蔵期
間、貯蔵方法等を考慮し、その用途に応じた塗料物性及
び塗膜物性となるように決定される。通常は本発明の有
効成分の1種以上の1〜50重量部に対し、塗膜形成材
が99〜50重量部となるように配合される。さらに詳
しくは、有効成分の1種以上10〜30重量部に対し、
塗膜形成材として塗膜形成主要素10〜40重量部、塗
膜形成副要素5〜65重量部、塗膜形成助要素0〜65
重量部、そして顔料成分0〜40重量部が配合される。
また、毒性や環境汚染がない範囲で他の付着防止剤と併
用するようにしても良い。
【0015】
【実施例】以下に本発明の実施例を示す。
【0016】[試験1]表1に示す配合の実施例1の塗
料及び比較例1の塗料を作製し、それぞれテストピース
の表面に塗布した。そして、各テストピースを海水中の
小路に設置して6カ月後、12カ月後の海生生物(ムラ
サキイガイ,フジツボ,カサネカンザシ)の付着状況を
観察し、その結果を表1に示した。また、何も塗布しな
いテストピース(ブランク)についても同様に試験を行
なって結果を表1に併せて示した。
【0017】
【表1】
【0018】[試験2]ポリ塩化ビニル製100×10
0mm四角、長さ2.5mの水路中に試験片(杉板)を
入れたテストプラントを作製し、この水路に流量7.5
3 /hr,流速0.35m/secの条件で海水を通
水した。そして、この海水中に表2に示す配合及び添加
条件の実施例2,3の添加剤及び比較例2の添加剤をそ
れぞれ添加し、30日間の海生生物(ムラサキイガイ,
フジツボ)の付着量を調べ、その結果を表2に示した。
また、何も添加しない場合(ブランク)についても同様
に試験を行なって結果を表2に併せて示した。
【0019】
【表2】
【0020】[試験3]表3に示す配合の実施例4の溶
液及び比較例3の溶液を作製し、ポリエチレン製無結節
網(6節、400デニール/60本)を上記各塗料中に
それぞれ浸漬した後に風乾した。そして、上記各試験網
を海水中、海面下1mに浸漬保持して3か月間(4月〜
7月)の網に対する海生生物の付着状況を観察し、その
結果を表3に示した。
【0021】
【表3】
【0022】
【発明の効果】以上説明したように本発明の海生生物付
着防止剤は、有効成分であるバニリルアミン誘導体が海
生生物を死滅するのではないが、忌避効果に優れている
ため、フジツボやムラサキイガイのような海生生物が漁
網、船底、海生取水路壁等に付着することを防止するこ
とができる。したがって、例えば火力発電所や製鉄所等
の諸工場では冷却水系の機能低下を防止するために利用
することができる他、養殖漁業や船舶等でも海生生物の
付着により引き起こされる各種の被害や機能低下を防止
することができるものである。
【0023】また、本発明に使用されるバニリルアミン
誘導体は、例えばバニリルノニルアミドが芥子から抽出
されることからも明らかなように人畜及び魚類等、並び
に環境に対して高い安全性を有するものである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 の一種以上を有効成分として含有する海生生物付着防止
    剤。
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