JPH05170616A - 海生生物付着防止剤 - Google Patents

海生生物付着防止剤

Info

Publication number
JPH05170616A
JPH05170616A JP35793991A JP35793991A JPH05170616A JP H05170616 A JPH05170616 A JP H05170616A JP 35793991 A JP35793991 A JP 35793991A JP 35793991 A JP35793991 A JP 35793991A JP H05170616 A JPH05170616 A JP H05170616A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesion
extract
preventing agent
present
agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP35793991A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsutomu Okubo
勉 大久保
Munetaka Ishida
宗孝 石田
Seritsuto Muunii
ムーニー・セリット
Masaru Fujiki
優 藤木
Busaku Kin
武祚 金
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiyo Kagaku KK
Original Assignee
Taiyo Kagaku KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiyo Kagaku KK filed Critical Taiyo Kagaku KK
Priority to JP35793991A priority Critical patent/JPH05170616A/ja
Publication of JPH05170616A publication Critical patent/JPH05170616A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フジツボ,イガイ,藻類等の海生生物に対す
る付着防止剤を提供する。 【構成】 ニームの有機溶媒または含水有機溶媒による
抽出物を有効成分として含有する海生生物付着防止剤。 【効果】 安全性の高い本発明の海生生物付着防止剤
を、海水を使用する工場,船舶,養殖用網等に使用すれ
ば、貝類や藻類の付着を防止でき作業性を図れると同時
に、環境汚染の防止にも貢献できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は船舶の船底部や海中構造
物の没水部または養殖用網・ロープ・定置網への海生生
物付着防止剤に関する。
【0002】
【従来の技術】海水を利用する火力発電所や製鉄所の諸
工場では、その冷却水系に海生生物、すなわちムラサキ
イガイ,フジツボ,ヒドロムシ,コケムシおよび藻類な
どが付着してその機能を低下させている。船舶の船底部
や海中構造物の没水部などに上記海生生物が付着する
と、海水抵抗が増加するために燃料消費が増加したり、
生物付着による荷重の増加や鉱材の腐食が進行するなど
いろいろな弊害が発生し、一定期間毎にドッグ入りし、
または操業を停止してこれらの付着物を除去しなければ
ならない。
【0003】また、近年ハマチ等の養殖漁業が盛んにな
り、養殖用網やロープまたは定置網などは、海中に長期
間設置されるために藻類,ムラサキイガイ,コケムシ,
ホヤ等の生物が付着し、これらにより種々の弊害をうけ
ている。すなわち、これら海生生物が養殖網に多量に付
着すると海水の通水が阻害され養殖魚に溶存酸素不足を
きたしたり、または網の沈下や切断等を引き起こし、養
殖魚が死滅するなどの被害が生じる。このような弊害を
防止するために、従来、有機スズ化合物類,重金属類,
有機イオウ化合物および第四級アンモニウム塩等が用い
られていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが上記有機スズ
化合物類および重金属類は人畜および魚類に対する毒性
が強く、その使用が規制されている。したがって本発明
の目的は海生生物に対して付着防止効果が強く、安全な
海生生物付着防止剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意研究した結果、ニームの抽出物が優
れた海生生物付着防止効果を有することを見い出し、本
発明を完成するに至った。すなわち本発明はニームの有
機溶媒または含水有機溶媒による抽出物を有効成分とし
て含有することを特徴とする海生生物付着防止剤であ
る。
【0006】本発明のニームとはインドセンダンを指
し、インドヒマラヤ地方を中心に広く分布し生育してい
る常緑樹である。インドでは神聖樹であり、街路樹,緑
陰樹として愛用されているとともに、苦味強壮,収れ
ん,周期的熱病薬として重用しており、安全性が確認さ
れている。
【0007】本発明のニームの抽出物は、ニームの樹
皮,葉,小枝,果実および種子の内、1種または2種以
上の部位を細断し、これに有機溶媒または含水有機溶媒
を加え常法により、室温あるいは加熱下に抽出を行い、
その後抽出残渣を濾別し、濾液から溶媒を留去または濃
縮することにより得られる。
【0008】抽出に用いられる有機溶媒としてはメタノ
ール,エタノール,プロパノール,イソプロパノール,
ブタノール,オクタノール等のアルコール類;プロピレ
ングリコール,エチレングリコール,グリセリン等のポ
リオール類;メチルエーテル,エチルエーテル,プロピ
ルエーテル,イソプロピルエーテル,テトラヒドロフラ
ン,ジオキサン等のエーテル類,酢酸エチル等のエステ
ル類;クロロホルム,ジクロロメタン等のハロゲン化炭
化水素類およびこれらの含水物等のいずれでもよいが、
特にメタノール,エタノール等のアルコール類やメチル
エーテル,エチルエーテル等のエーテル類,ジクロロメ
タン等のハロゲン化炭化水素類およびこれらの含水物が
本発明の目的に好適である。
【0009】本発明の抽出物はその使用する溶媒により
オイル,エキストラクト,アブソリュート,オレオレジ
ン,シロップ,エッセンス,チンキ等の形で得られ、い
ずれの形態であっても海生生物付着防止剤として使用す
ることができる。また、ニーム抽出物を適当な担体を用
いて適用分野,適用方法に適した剤形、例えば液剤,固
形剤等に調製してもよい。本発明の抽出物はその使用に
当り、ムラサキイガイの付着成長時に海水冷却水系統に
小量添加するか、この抽出物と塗膜形成材を用いて対象
物に塗布するか、この抽出物を含む溶液に魚網を浸漬し
養殖用網としてムラサキイガイ,藻類の付着期に使用す
ることによりその目的を達成する。
【0010】本発明の抽出物の海水冷却水系統への添加
量は、一般に海水流量に対し、0.01〜1000ppm を一日当
り、1〜24時間注入すればよい。なお、海水冷却水系統
に本発明の抽出物を添加する場合は、海水に均一分散す
るように適当な溶剤(水またはアルコール,アセトン,
キシレン,ジメチルホルムアミド,メチルセロソルブ
等)に溶解あるいは、乳化懸濁し必要に応じ界面活性剤
を添加し適当な濃度の製剤として使用するのが好まし
い。その際の界面活性剤としては、高級脂肪酸塩類,ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル類,ポリオキシエチ
レンアルキルエステル類,ソルビタンアルキルエステル
類,ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン類,アル
キルトリメチルアンモニウム塩類,アルキルベタイン類
等が挙げられる。
【0011】また、本発明の抽出物を対象物、例えば船
舶の船底等に塗布する場合の塗膜形成材としては塗膜形
成主剤として天然樹脂系,合成樹脂系,ゴム誘導体系ビ
ヒクルが、また、前記主剤に小量加えて塗料の分散,塗
膜の乾燥,硬化,諸物性を改良するための塗膜形成副剤
として乾燥剤,硬化剤,可塑剤,乳化または分散のため
の界面活性剤等が用いられ、更に塗料を塗りやすくする
ために塗膜形成助要素として溶剤または希釈剤が用いら
れる。これらの成分以外に通常は被膜形成剤の一成分と
してさらに着色顔料,特殊顔料(サビ止め顔料,発光顔
料等)のような顔料成分が添加される。
【0012】塗膜形成主要素として用いられる天然樹脂
や合成樹脂または合成ゴム系ビヒクルとしては、ロジ
ン,ボイル油,アスファルト,コールタール,クマロン
樹脂,塩化ビニル樹脂,ポリオレフィン樹脂,ポリスチ
レン,アクリル系樹脂,ポリウレタン樹脂,アミノ樹
脂,エポキシ樹脂,フェノール樹脂,アルキッド樹脂,
不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。
【0013】塗膜形成副要素として用いられる可塑剤と
してはトリブチルフォスフェート,トリオクチルフォス
フェート,リン酸トリクレジル,ジブチルマレート等が
挙げられる。また、塗膜形成副要素として用いられる界
面活性剤としては前記のものが挙げられる。
【0014】塗膜形成助要素として用いられる溶剤また
は希釈剤としては、水,アルコール,キシレン,灯油,
メチルブチルケトン,酢酸ブチル,ジメチルホルムアミ
ド,メチルセルソルブ,ブチルセルソルブ等が挙げられ
る。顔料成分としては、タルク,チタン白,黄鉛,紺
青,ベンガラ,フタロシアニンブルーや、これら以外の
無機あるいは有機の種々の顔料が挙げられる。上記塗膜
形成剤としての各成分を用いる場合葉、各々一種類以上
を選択して配合される。
【0015】また、魚網用に浸せき処理する場合は、本
発明の抽出物と天然樹脂や合成樹脂または合成ゴム系ビ
ヒクルおよび可塑剤や溶剤を加えるか、また着色顔料を
加え、溶解・分散して用いる。
【0016】これら塗料製剤中の有効成分の割合は、塗
膜形成剤が99〜20重量部に対し1〜80重量部、好ましく
は5〜50重量部である。
【0017】
【作用】本発明のニーム抽出物がいかなる作用で海生生
物の付着を防止しているかいまだ不明である。有機スズ
化合物類や重金属類等の付着防止剤は金属イオンによっ
て貝への毒物を作り、これを用いて殺貝による効果を期
待するものである。本発明の抽出物は上記作用によるも
のではなく、海生生物が対象物への付着忌避効果による
ものと考えられるが、その詳細はいまだ明かではない。
【0018】
【実施例】以下、実施例および試験例をもって本発明を
詳しく説明するが、本発明はもとよりこれに限定される
ものではない。 実施例1 ニームの樹皮の乾燥細断品500 gにメタノール4リット
ルを加え、室温にて約3日間抽出を行った。得られた抽
出混合物を濾過してメタノール抽出液を得た。抽出残渣
に再びメタノール4リットルを加え再抽出を行った。こ
の操作を計3回行った後、3回分のメタノール抽出液を
集め、ロータリーエバポレーターにて濃縮乾固して本発
明の抽出物30gを得た。
【0019】実施例2 この抽出物14gに乳化剤(ハイマール326H,松本油脂
製)6gを加えて攪拌乳化せしめ海生生物付着防止剤
(水和剤)を調製した。
【0020】実施例3 ニームの種子から得られる仁1kgを圧搾しニーム油45
0 gを得る。本ニーム油にヘキサン1リットルを加え2
日間、室温にて抽出した。常法により濾過しヘキサン抽
出液を得る。残渣にヘキサン1リットルを加え再度抽出
を行い濾過により抽出液を得た。2つの抽出液を1つと
し、ヘキサンを留去し、本発明の抽出物200 gを得た。
(ニームのヘキサン抽出物)
【0021】実施例4 キシレン250 gとメチルイソブチルケトン(MIBK)
250 gの混合溶剤を攪拌しながら、これに塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体80gと中国ロジンWW80g,トリク
レジルフォスフェート30gとを加えて均一に溶解させ
た。この溶液全量と酸化チタン100 g,タルク50g,実
施例3で得た本発明の抽出物100 g,デスパロン#4200
-20 10g,MIBK50gをポットミルに仕込、16時間
回転させて海生生物付着防止剤(塗料)を得た。
【0022】実施例5 酢酸エチル50gとキシレン150 gの混合溶剤を攪拌しな
がら、塩化ゴム樹脂(イギリス,ICI社製,製品名ア
ロブレンR−10)50gとニカラグアロジン50gとを加え
て均一に溶解させた。この溶液にさらに実施例3で得た
本発明の抽出物300 gを加えて20分間高速攪はんして海
生生物付着防止剤(塗料)を得た。
【0023】実施例6 イソシアネート変性ポリ酢酸ビニルエマルジョン970 g
に実施例3で得た本発明の抽出物100 gを加え、さらに
酢酸150 g,黄色顔料50gを加えて魚網用海生生物付着
防止剤を得た。
【0024】試験例1 実施例5で得た本発明の海生生物付着防止剤の効果を試
験した。予め#240 サンドペーパーをかけ、アセトンで
脱脂した硬質塩化ビニル板(100mm × 200mm×3mm)に
実施例5で得た海生生物付着防止剤を膜厚が60ミクロン
となるように刷毛で塗布し、1週間室温で乾燥させた。
対照として、付着防止効果の無い無塗装の硬質塩化ビニ
ル板をそのまま試験に供した。上記の両板を漁港の桟橋
に板の上縁が海面下50cmになるように吊り下げ、1カ月
後,2カ月後,3カ月後および4カ月後の各々の防汚状
態を観察した。その結果を表1に示した。
【0025】
【表1】
【0026】試験例2 実施例6で得た本発明の海生生物付着防止剤の効果を試
験した。実施例6の付着防止剤にナイロン製のロープを
浸せきし絞り上げ、80℃で乾燥後、製網し、得られた網
を伊勢湾内の定置網に使用し、藻類および貝類の付着状
況を観察した。試験環境は水温8〜26℃,塩分濃度0.1
〜0.3 %,水深0〜10m,試験期間2月〜11月。試験結
果は、10カ月経過後も全く藻類や貝類の付着は観察され
なかった。
【0027】
【発明の効果】上記試験例から明かなように、本発明の
海生生物付着防止剤は海生生物対して優れた付着防止効
果を示した。また、本発明のニームは人間にとって身近
な植物で安全であると同時に、ニーム油等は工業的規模
で生産されており資源的にも豊富であることから本発明
の海生生物付着防止剤は非常に有益である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤木 優 三重県四日市市赤堀新町9番5号 太陽化 学株式会社内 (72)発明者 金 武祚 三重県四日市市赤堀新町9番5号 太陽化 学株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニームの有機溶媒または含水有機溶媒に
    よる抽出物を有効成分として含有することを特徴とする
    海生生物付着防止剤。
JP35793991A 1991-12-25 1991-12-25 海生生物付着防止剤 Pending JPH05170616A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35793991A JPH05170616A (ja) 1991-12-25 1991-12-25 海生生物付着防止剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35793991A JPH05170616A (ja) 1991-12-25 1991-12-25 海生生物付着防止剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05170616A true JPH05170616A (ja) 1993-07-09

Family

ID=18456718

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35793991A Pending JPH05170616A (ja) 1991-12-25 1991-12-25 海生生物付着防止剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05170616A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116041908A (zh) * 2023-02-02 2023-05-02 南雄市星隆化工有限公司 一种具有防污作用的改性环氧树脂及其制备方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116041908A (zh) * 2023-02-02 2023-05-02 南雄市星隆化工有限公司 一种具有防污作用的改性环氧树脂及其制备方法
CN116041908B (zh) * 2023-02-02 2023-09-05 南雄市星隆化工有限公司 一种具有防污作用的改性环氧树脂及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5698191A (en) Non-lethal bio-repellent compositions
DE60103582T2 (de) Zusammensetzungen mit kontrollierter Freisetzung
KR101675099B1 (ko) 4-브로모-2-(4-클로로페닐)-5-(트리플루오로메틸)-1h-피롤-3-카보니트릴을 포함하는 오염방지 배합물
US5248221A (en) Antifouling coating composition comprising lactone compounds, method for protecting aquatic structures, and articles protected against fouling organisms
US5259701A (en) Antifouling coating composition comprising furan compounds, method for protecting aquatic structures, and articles protected against fouling organisms
US5741483A (en) Industrial preservative antifungal composition and underwater antifouling composition
EP1765937A1 (en) Environment- friendly pollution- proof agent
KR100314105B1 (ko) 오염방지성코팅조성물및이를이용한구조물의보호방법
JPH05331008A (ja) 海生付着生物の付着防止剤
US5252630A (en) Antifouling coating and method for using same
JPH05170616A (ja) 海生生物付着防止剤
CN101215443A (zh) 一种海洋防污涂料及其制备方法
JPH03287507A (ja) 汚損生物防除剤及び汚損防止塗料組成物
JP3297161B2 (ja) 海生生物付着防止剤
KR100791630B1 (ko) 친환경성 방오제
JPH03239766A (ja) 汚損生物防除剤及び汚損防止塗料組成物
JPS6277306A (ja) 新規な防汚剤およびそれを用いた水中防汚塗料
JPH1192307A (ja) 防汚剤
JPH08225409A (ja) 水中生物の付着防除剤および付着防除塗料
JP2899093B2 (ja) 水中生物付着防止剤
JPH0812906A (ja) 塗料組成物
WO2006097479A1 (en) Use of mitochondrial electron transport inhibitors to control fouling organisms
WO1998046683A1 (en) Coating compositions comprising busoxinone
JP2840965B2 (ja) 漁網防汚剤
JPH1171206A (ja) 生物付着防止剤