JPH1171206A - 生物付着防止剤 - Google Patents

生物付着防止剤

Info

Publication number
JPH1171206A
JPH1171206A JP23616897A JP23616897A JPH1171206A JP H1171206 A JPH1171206 A JP H1171206A JP 23616897 A JP23616897 A JP 23616897A JP 23616897 A JP23616897 A JP 23616897A JP H1171206 A JPH1171206 A JP H1171206A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
species
formula
carbon atoms
eucalyptus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP23616897A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideo Eto
英男 衛藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Chemical Corp
Original Assignee
Nissan Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Chemical Corp filed Critical Nissan Chemical Corp
Priority to JP23616897A priority Critical patent/JPH1171206A/ja
Publication of JPH1171206A publication Critical patent/JPH1171206A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】新規な水中生物付着防止剤を提供 【解決手段】 式(1) 【化1】 (式中、R1 、R2 及びR3は、それぞれ独立に水素原
子、ホルミル基、カルボン酸基又は炭素数2〜10のア
ルコキシカルボニル基を示し、R4は炭素数2〜10の
アルキルシカルボニル基を示し、R5、R6、R7、R8
及びR9は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜9の
アルキル基又は炭素数2〜10のアルキルカルボニル基
を示し、R10及びR11は、それぞれ独立に水素原子又は
炭素数1〜9のアルキル基を示す。)で表されるフロロ
グルシノール化合物を有効成分とすることを特徴とする
水中生物付着防止剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、漁網、船舶の船
底、ブイ等の海中に置かれる設備、海洋構築物、火力ま
たは原子力発電所の復水器冷却水系、化学工業の熱交換
器冷却用水の取水路、水中構築物あるいは貯水池等に、
具類等の有害な水中生物が付着するのを防止するための
水中生物付着防止剤に関する。
【0002】
【従来の技術】漁網、船舶の船底部、ブイ等の海水中に
置かれる設備、海洋構築物、火力または原子力発電所及
び各種工業の冷却用水の取水路、ダムの付属設備等の水
中構築物、貯水池等、常時海水や淡水と接触する部分に
は、ムラサキイガイ、フジツボ、カキ、ヒドロムシ、ヒ
ドラ、セルプラ、ホヤ、コケムシ、タニシ、アオサ、ア
オノリ、シオミドロ等の貝類及び藻類が付着繁殖する。
【0003】これらの水中生物が養殖網に付着すれば、
編目が詰まり、海水の流通の低下に伴って養殖魚の発育
が阻害され、魚病の多発を招く。船舶へのこれら水中生
物の付着は、流体抵抗の増加を引き起こし、その結果、
航行速度の低下、消費燃料の増加さらに船底の清掃のた
めの費用、運行休止による費用等の損失を招く。
【0004】海洋設備、海洋及び水中構築物において
は、水中生物の付着による重量増加及び取扱い操作の著
しい不便さを生じ、取水路への付着は、熱伝導度の低下
を引き起こすとともに、取水路が閉塞したり、取水量が
減少する等の問題を生じる。従来、これらの海水および
淡水水中生物の付着繁殖を防止するため、ビストリブチ
ルスズオキシド等の有機スズ化合物、硫酸銅および亜酸
化銅等の銅化合物等を含有する防汚塗料が使用されてい
る。
【0005】本発明の水中生物付着防止剤の有効成分で
あるグランディナール(Grandinal)A及びグ
ランディナール(Grandinal)Bに類似の先行
技術としては、特願平8−96459号公報にユーカリ
属植物からシデロキシロナルの単離及びその水中生物付
着防止活性が報告されているが、当該公報に開示されて
いるシデロキシロナールは、本発明の有効成分とは全く
異なる構造を有している。
【0006】又、アグリカルチャル・アンド・バイオロ
ジカル・ケミストリー(AGRICULTURAL A
ND BIOLOGICAL CHEMISTRY)5
3巻、2827−2829頁(1989年)及びアグリ
カルチャル・アンド・バイオロジカル・ケミストリー
(AGRICULTURAL AND BIOLOGI
CAL CHEMISTRY)54巻、2443−24
44頁(1990年)には、ユーカリ属シムフィオミル
タス(Symphyomyrtus)亜属のルビダ(r
ubida)種及びレシニフェラ(resinifer
a)種から単離された本発明の有効成分とは全く異なる
スチルベン配糖体の水中生物付着防止活性が報告されて
いるが、いずれも弱い付着防止活性を示すのみである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記有機スズ化合物
は、水中生物の付着防止には有効であるものの、毒性が
強く、特に魚貝類の体内蓄積が著しく、環境汚染を進行
させるため現在規制の対象となっている。例えば、米国
においては有機スズ防汚塗料規制法(1987年)によ
って、65フィート以下の船舶への有機スズ船舶塗料の
使用が禁止され、英国においては食品環境保護法令(1
987年)によってトリブチルスズ含有防汚剤は、25
メートル以下の船舶および海洋農業への使用が禁止され
ている。
【0008】又、日本においては化審法(1990年)
によってトリブチルスズオキシドが第1種特定化学物質
に、トリフェニルスズ化合物及びトリブチルスズ化合物
が第2種特定化学物質に指定され、魚網用に関しては使
用が禁止されている。更に、トリブチルスズ系の船底塗
料の使用抑制の措置(運輸省通達、1990年)もとら
れている。
【0009】上記銅化合物は、取水路及び船底部用の防
汚塗料に広く使用されてはいるが、スズ化合物と同様重
金属である銅を含有しているため、将来の環境汚染が懸
念され、好ましい水中生物付着防止剤とは言えない。生
態系への影響や二次汚染の少ない水中生物付着防止剤と
して、天然物由来の生理活性物質、それらの誘導体およ
び抽出物等の活用が期待されている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため鋭意検討の結果、ユーカリ属植物の葉から
単離されたフロログルシノール化合物、グランディナー
ル、更にはユーカリ属植物の葉の特定の抽出物が、安全
性が高く、水中生物、特に貝類等の付着乃至は繁殖を防
止する優れた水中生物付着防止能(防汚能)を有し、実
用性の高い水中生物付着防止剤となることを見出し、本
発明を完成した。
【0011】即ち、本発明は 1.式(1)
【0012】
【化7】
【0013】(式中、R1、R2及びR3は、それぞれ独
立に水素原子、ホルミル基、カルボン酸基又は炭素数2
〜10のアルコキシカルボニル基を示し、R4は炭素数
2〜10のアルキルシカルボニル基を示し、R5、R6
7、R8 及びR9は、それぞれ独立に水素原子、炭素数
1〜9のアルキル基又は炭素数2〜10のアルキルカル
ボニル基を示し、R10及びR11は、それぞれ独立に水素
原子又は炭素数1〜9のアルキル基を示す。)で表され
るフロログルシノール化合物を有効成分とすることを特
徴とする水中生物付着防止剤、 2.式(2)又は式(3)
【0014】
【化8】
【0015】
【化9】
【0016】(式中、R1、R2及びR3は、それぞれ独
立に水素原子、ホルミル基、カルボン酸基又は炭素数2
〜10のアルコキシカルボニル基を示し、R4は炭素数
2〜10のアルキルシカルボニル基を示し、R5、R6
7、R8 及びR9は、それぞれ独立に水素原子、炭素数
1〜9のアルキル基又は炭素数2〜10のアルキルカル
ボニル基を示し、R10及びR11は、それぞれ独立に水素
原子又は炭素数1〜9のアルキル基を示す。)で表され
るフロログルシノール化合物A及び/又はフロログルシ
ノール化合物Bを有効成分とすることを特徴とする水中
生物付着防止剤、 3.式(4)
【0017】
【化10】
【0018】で表されるグランディナールを有効成分と
することを特徴とする水中生物付着防止剤、 4.式(5)又は式(6)
【0019】
【化11】
【0020】
【化12】
【0021】で表されるグランディナールA及び/又は
グランディナールBを有効成分とすることを特徴とする
水中生物付着防止剤、 5.グランディナールを含有するユーカリ属植物の葉抽
出物を用いることを特徴とする水中生物付着防止剤、 6.グランディナールA及び/又はグランディナールB
を含有するユーカリ属植物の葉抽出物を用いることを特
徴とする水中生物付着防止剤、 7.ユーカリ属がシムフィオミルタス亜属、モノカリプ
タス(Monocalyptus)亜属から選ばれるこ
とを特徴とする水中生物付着防止剤、 8.ユーカリ属シムフィオミルタス亜属がグランディス
(grandis)種、アムプリフォリア(ampli
folia)種、テレティコルニス(teretico
rnis)種、ロブスタ(robusta)種、カマル
ドュレンシス(camaldulensis)種、ロイ
コキシロン(leucoxylon)種、サイペロカル
パ(cypellocarpa)種、メリオドラ(me
lliodora)種、ミクロコリス(microco
rys)種、ボツリオイデス(botryoides)
種、シデロキシロン(sideroxylon)種から
選ばれることを特徴とする水中生物付着防止剤、 9.ユーカリ属モノカリプタス亜属がオブリカ(obl
iqua)種、ラデエタ(radiata)種、ハエマ
ストマ(haemastoma)種から選ばれることを
特徴とする水中生物付着防止剤、 10.ユーカリ属植物の葉抽出物が極性溶媒抽出物また
は極性溶媒抽出物の脂肪族ハロゲン化炭化水素及び/又
は芳香族ハロゲン化炭化水素抽出物であることを特徴と
する水中生物付着防止剤 に関するものである。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の水中生物付着防止剤は、
式(1)で表されるフロログルシノール化合物を有効成
分として含んでいればよい。式(1)のR1 、R2 、R
3 、R4 、R5 、R6 、R7 、R8 、R9 、R10及びR
11の置換基を次に例示するが、これらに限定されるもの
ではない。
【0023】但し、記号はそれぞれ以下の意味を表す。
Me:メチル基、Et:エチル基、Pr−n:ノルマル
プロピル基、Pr−iso:イソプロピル基、Bu−
n:ノルマルブチル基、Bu−sec:セカンダリーブ
チル基、Bu−iso:イソブチル基、Bu−ter
t:ターシャリーブチル基、Pen−n:ノルマルペン
チル基、Hex−n:ノルマルヘキシル基、Hep−
n:ノルマルヘプチル基、Oct−n:ノルマルオクチ
ル基、Non−n:ノルマルノニル基。
【0024】R1、R2及びR3の炭素数2〜10のアル
コキシカルボニル基としては、COOMe、COOE
t、COOPr−n、COOPr−iso、COOBu
−n、COOBu−sec、COOBu−tert、C
OOPen−n、COOHex−n、COOHep−
n、COOOct−n、COONon−n等が挙げられ
る。
【0025】R4の炭素数2〜10のアルキルシカルボ
ニル基としては、COMe、COEt、COPr−n、
COPr−iso、COBu−n、COBu−sec、
COBu−iso、COBu−tert、COPen−
n、COHex−n、COHep−n、COOct−
n、CONon−n等が挙げられる。R5 、R6 、R
7 、R8 、R9 、R10及びR11の炭素数1〜9のアルキ
ル基としては、Me、Et、Pr−n、Pr−iso、
Bu−n、Bu−sec、Bu−tert、Pen−
n、Hex−n、Hep−n、Oct−n、Non−n
等が挙げられる。
【0026】R5、R6、R7 、R8 及びR9の炭素数2
〜10のアルキルカルボニル基としては、COMe,C
OEt、COPr−n、COPr−iso、COBu−
n、COBu−sec、COBu−tert、COPe
n−n、COHex−n、COHep−n、COOct
−n、CONon−n等が挙げられる。又、本発明にお
いてユーカリ属植物の葉抽出物を水中生物付着防止剤と
して用いる場合には、ユーカリ属植物の葉からリーフワ
ックス(leaf wax)を除き、メタノール、エタ
ノール、プロパノール、アセトン、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等の極性溶媒で抽出した抽出物又は極性
溶媒で抽出した抽出物を水に溶解し、ジクロロメタン、
クロロホルム、ジクロロエタン等の脂肪族ハロゲン化炭
化水素及び/又はクロルベンゼン、ジクロルベンゼン等
の芳香属ハロゲン化炭化水素で抽出した抽出物を用いる
と本発明の有効成分を効率良く含むため良好な水中生物
付着防止活性を与える。
【0027】但し、ユーカリ属植物の葉の抽出方法はこ
れらに限定されるものではない。本発明の水中生物付着
防止剤は単独で使用してもよく、又本発明以外の水中生
物付着防止剤と混合して使用することもできる。本発明
の水中生物付着防止剤は、塗料、溶液、乳剤等の形態に
調製して使用される。
【0028】これら塗料、溶液、乳剤等の調製には通常
実施される一般的処方を採用することができる。本発明
の水中生物付着防止剤を防汚塗料の形態で使用する場合
には、例えば本発明の有効成分又は葉抽出物を塗膜形成
剤に配合して塗料を調製し、船舶の船底、海洋構築物、
冷却用取水管路或いは水中構築物等に塗布することによ
って水中生物の付着繁殖を防止することができる。
【0029】塗膜形成剤としては、油ワニス、合成樹
脂、人造ゴム等が用いられる。更に、必要に応じて溶
剤、顔料等を使用しても差し支えない。塗料を調製する
場合には、本発明の有効成分又は葉抽出物は塗膜が形成
できる限りにおいて濃度に上限はないが、防汚塗料の重
量に対し、1〜50重量%、好ましくは5〜20重量%
の割合で配合される。
【0030】本発明の水中生物付着防止剤を防汚塗料と
して用いる場合の処方例を示す。 処方例1
【0031】
【表1】 成分 重量% グランディナールA 8 VYHH(ビニル系合成樹脂、UCC社製) 7 ロジン 7 リン酸トリクレシル 3 タルク 20 硫酸バリウム 15 弁柄 10 キシレン 20 メチルイソブチルケトン 10 ─────── 100 処方例2
【0032】
【表2】 成分 重量% グランディナールB 5 CR−10(塩化ゴム樹脂、旭電化社製) 13 亜鉛華 20 タルク 20 可塑剤 2 弁柄 10 キシレン 30 ─────── 100 処方例3
【0033】
【表3】 成分 重量% グランデイズ種葉抽出物 8 VYHH(ビニル系合成樹脂、UCC社製) 7 ロジン 7 リン酸トリクレシル 3 タルク 20 硫酸バリウム 15 弁柄 10 キシレン 20 メチルイソブチルケトン 10 ─────── 100 本発明の水中生物付着防止剤を溶液の形態で使用する場
合には、例えば本発明の有効成分又は葉抽出物を塗膜形
成剤と共に溶媒に溶解した溶液を調製して、養殖魚網、
定置漁網等に塗布することによって水中生物の付着繁殖
を防止することができる。
【0034】塗膜形成剤としては、合成樹脂、人造ゴ
ム、天然樹脂等が用いられ、溶媒としては、キシレン、
トルエン、クメン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、アセトン等が用いられる。更に、必要に応
じて添加剤、例えば可塑剤等を使用しても差し支えな
い。溶液を調製する場合には、本発明の有効成分又は葉
抽出物は溶液が形成できる限りにおいて濃度に上限はな
いが、溶液の重量に対し、1〜50重量%、好ましくは
5〜30%の割合で配合される。
【0035】本発明の水中生物付着防止剤を乳剤の形態
で使用する場合には、通常乳剤を調製する際の一般的方
法に従い、本発明の有効成分又は葉抽出物の溶液に界面
活性剤を添加し、所望の乳剤を調製することができ、用
いる界面活性剤の種類に特に限定はない。調製した乳剤
は、海洋或いは水中で使用する養殖漁網、定置網等の原
料素材、例えば高分子樹脂等に練り込んで用いることが
できる。
【0036】乳剤を調製する場合には、本発明の有効成
分または葉抽出物は乳剤が形成できる限りにおいて濃度
に上限はないが、乳剤の重量に対し、1〜50重量%、
好ましくは3〜30重量%の割合で配合される。又、本
発明の上記溶液または乳剤は、冷却用水の取水管路ある
いは貯水池等における水中生物の付着繁殖を防止するた
め、用水、貯水等に添加して用いることもできる。
【0037】
【実施例】以下、本発明について、更に具体的且つ詳細
に実施例を用いて説明するが、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。 実施例1 ユーカリ属シムフィオミルタス亜属のグランディス種の
成葉部風乾物1.0Kgをメタノールに加え、室温にて
浸漬抽出した。
【0038】抽出後、メタノールを減圧下留去すること
によりユーカリ属植物の葉抽出物を得た。上記葉抽出物
をn−ヘキサンで抽出後、クロロホルムを用いて抽出
し、クロロホルム抽出物を得た。クロロホルム抽出物
を、カラムクロマトグラフィー[Toyopearl
HW−40C](メタノール)に供し、4分画としムラ
サキイガイに対する忌避活性を評価した所、4番目の分
画が活性を示した。
【0039】当該分画をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(クロロホルム:酢酸=100:1)に供し、2
分画A及びBとした。 A分画をクロロホルム:メタノール(1:1)に溶解
し、高速液体クロマトグラフィー(HPLC、ODS、
メタノール:酢酸:水=185:2:13)に供し、グ
ランジナールA100mgを得た。
【0040】次に、グランジナールAの付着防止効果を
求めた。グランディナールAをアセトンに溶解し、試験
紙上に描かれた直径4cmのゾーン内に均一に塗布し
た。ブランクとしてアセトンのみを塗布したゾーン、比
較として、硫酸銅を塗布したゾーンを設けた。
【0041】乾燥後、殻長が2−2.5cm前後のムラ
サキイガイをスペーサーとして一辺が5mmのゴム辺を
用い、それぞれのゾーンの外周に4固体ずつ接着した。
調製した試験板を、新鮮な海水が流入(10L/mi
n)する水槽(縦900×横750×深さ300mm)
に浸漬し、暗所4時間静置した。水槽中から試験板を上
げ、ムラサキイガイ足糸の付着位置と本数を計測した。
【0042】比較として用いた硫酸銅との対比で、付着
防止効果(付着忌避活性)を求めた。 付着忌避活性の
評価法は、伊奈和夫、衛藤英男「ムラサキイガイを用い
た海洋付着生物の付着忌避物質の検索法」(化学と生
物、第28巻(第2号)、132−138ページ(19
90年)に従った。薬量及び結果を第1表に示した。
【0043】
【表4】 第 1 表 ────────────────────────────── 薬量(μmol/cm2) 判定 ────────────────────────────── グランディナールA 1.0 ++ 硫酸銅(比較薬剤) 1.0 ++ ブランク − − ────────────────────────────── 表中の記号は下記の意味を表す。
【0044】 ++:ゾーン内に全く付着せず、強い忌避効果が認めら
れる。 −:ゾーン内外に同程度に付着し、忌避効果が認められ
ない。 上記結果からグランディナールAは硫酸銅と同等の付着
防止効果を示すことが判明した。
【0045】
【発明の効果】式(1)で表されるフロログルシノール
化合物を有効成分とする水中生物付着防止剤は、安全性
が高く、特に貝類等の付着乃至は繁殖を防止する優れた
水中生物付着防止能(防汚能)を有する。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1) 【化1】 (式中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に水素原
    子、ホルミル基、カルボン酸基又は炭素数2〜10のア
    ルコキシカルボニル基を示し、R4は炭素数2〜10の
    アルキルシカルボニル基を示し、R5、R6、R7、R8
    及びR9は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜9の
    アルキル基又は炭素数2〜10のアルキルカルボニル基
    を示し、R10及びR11は、それぞれ独立に水素原子又は
    炭素数1〜9のアルキル基を示す。)で表されるフロロ
    グルシノール化合物を有効成分とすることを特徴とする
    水中生物付着防止剤。
  2. 【請求項2】 式(2)又は式(3) 【化2】 【化3】 (式中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に水素原
    子、ホルミル基、カルボン酸基又は炭素数2〜10のア
    ルコキシカルボニル基を示し、R4は炭素数2〜10の
    アルキルシカルボニル基を示し、R5、R6、R7、R8
    及びR9は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜9の
    アルキル基又は炭素数2〜10のアルキルカルボニル基
    を示し、R10及びR11は、それぞれ独立に水素原子又は
    炭素数1〜9のアルキル基を示す。)で表されるフロロ
    グルシノール化合物A及び/又はフロログルシノール化
    合物Bを有効成分とすることを特徴とする水中生物付着
    防止剤。
  3. 【請求項3】 式(4) 【化4】 で表されるグランディナールを有効成分とすることを特
    徴とする水中生物付着防止剤。
  4. 【請求項4】 式(5)又は式(6) 【化5】 【化6】 で表されるグランディナールA及び/又はグランディナ
    ールBを有効成分とすることを特徴とする水中生物付着
    防止剤。
  5. 【請求項5】 請求項3記載のグランディナールを含有
    するユーカリ属植物の葉抽出物を用いることを特徴とす
    る水中生物付着防止剤。
  6. 【請求項6】 請求項4記載のグランディナールA及び
    /又はグランディナールBを含有するユーカリ属植物の
    葉抽出物を用いることを特徴とする水中生物付着防止
    剤。
  7. 【請求項7】 ユーカリ属植物がシムフィオミルタス亜
    属、モノカリプタス亜属から選ばれることを特徴とする
    請求項5又は請求項6記載の水中生物付着防止剤。
  8. 【請求項8】 ユーカリ属シムフィオミルタス亜属がグ
    ランディス種、アムプリフォリア種、テレティコルニス
    種、ロブスタ種、カマルドュレンシス種、ロイコキシロ
    ン種、サイペロカルパ種、メリオドラ種、ミクロコリス
    種、ボツリオイデス種、シデロキシロン種から選ばれる
    ことを特徴とする請求項7記載の水中生物付着防止剤。
  9. 【請求項9】 ユーカリ属モノカリプタス亜属がオブリ
    カ種、ラデエタ種、ハエマストマ種から選ばれることを
    特徴とする請求項7記載の水中生物付着防止剤。
  10. 【請求項10】 ユーカリ属植物の葉抽出物が極性溶媒
    抽出物又は極性溶媒抽出物の脂肪属ハロゲン化炭化水素
    及び/又は芳香族ハロゲン化炭化水素抽出物であること
    を特徴とする請求項5又は請求項6記載の水中生物付着
    防止剤。
JP23616897A 1997-09-01 1997-09-01 生物付着防止剤 Pending JPH1171206A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23616897A JPH1171206A (ja) 1997-09-01 1997-09-01 生物付着防止剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23616897A JPH1171206A (ja) 1997-09-01 1997-09-01 生物付着防止剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1171206A true JPH1171206A (ja) 1999-03-16

Family

ID=16996787

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23616897A Pending JPH1171206A (ja) 1997-09-01 1997-09-01 生物付着防止剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1171206A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102613187A (zh) * 2012-02-27 2012-08-01 云南民族大学 黄烷类化合物在防止海洋生物污损中的运用
CN116041908A (zh) * 2023-02-02 2023-05-02 南雄市星隆化工有限公司 一种具有防污作用的改性环氧树脂及其制备方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102613187A (zh) * 2012-02-27 2012-08-01 云南民族大学 黄烷类化合物在防止海洋生物污损中的运用
CN116041908A (zh) * 2023-02-02 2023-05-02 南雄市星隆化工有限公司 一种具有防污作用的改性环氧树脂及其制备方法
CN116041908B (zh) * 2023-02-02 2023-09-05 南雄市星隆化工有限公司 一种具有防污作用的改性环氧树脂及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH1171206A (ja) 生物付着防止剤
JPH10316508A (ja) 生物付着防止剤
JPH09286706A (ja) 生物付着防止剤
JPS6042471A (ja) 水中防汚塗料
JPH1192307A (ja) 防汚剤
JP3297161B2 (ja) 海生生物付着防止剤
JP2899093B2 (ja) 水中生物付着防止剤
JP3830832B2 (ja) チオシアネート系水中生物付着防止剤および水中生物付着防止塗料
JPH08225409A (ja) 水中生物の付着防除剤および付着防除塗料
JPS6224022B2 (ja)
KR19990081908A (ko) 수중생물 부착 방지제
JPH11279008A (ja) 防汚剤
JP4338023B2 (ja) イソチオシアネート系水中生物付着防止剤および生物付着防止塗料
JP2859781B2 (ja) 水中防汚剤
JPH06128508A (ja) 海棲生物付着防止塗料
JP2840965B2 (ja) 漁網防汚剤
KR900006521B1 (ko) 수중부착 생물방제제
JPH0789811A (ja) 水中有害付着生物防除剤
JP2001187706A (ja) フェニルアルコキシフェニルイソチオシアナート類を含有する工業用抗菌・抗カビ剤、殺藻剤並びに生物付着防止剤
JPH0789814A (ja) 水中有害付着生物防除剤
JPS6164764A (ja) 水中防汚塗料
JPH05170616A (ja) 海生生物付着防止剤
JPH07258006A (ja) 水中有害付着生物防除剤
JPH07242507A (ja) 水中付着生物防汚剤
JPH05331010A (ja) 水中有害付着生物防汚剤