JPH10311117A - 木造集成材の屋根構造 - Google Patents

木造集成材の屋根構造

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JPH10311117A
JPH10311117A JP12217397A JP12217397A JPH10311117A JP H10311117 A JPH10311117 A JP H10311117A JP 12217397 A JP12217397 A JP 12217397A JP 12217397 A JP12217397 A JP 12217397A JP H10311117 A JPH10311117 A JP H10311117A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】木造集成材の屋根構造の交差部において、交点
部材と梁部材の隙間および接合金物の露出を無くし、梁
部材の接合端部の切削加工を少なくし、軸力(圧縮力)
の伝達を良くして屋根全体の変形を少なくする。 【解決手段】木造集成材のアーチ屋根やドーム屋根の梁
部材梁部材の交差部Aに角型鋼管2を縦に配設して交点
部材とし、この角型鋼管に引き寄せボルト4をボルト先
端部4aが角型鋼管から突出するように貫通させ、ボル
ト基端部4bに取付けたダブルナット5で固定し、一方
梁部材1の接合端部にはボルト先端部4aが螺着される
接合用パイプ材6を埋設し、この接合用パイプ材6と梁
部材1とを、接合用パイプ材6に直交して挿入され梁部
材1内に埋入されるボルト7またはドリフトピンにより
固定する構造とし、ダブルナット5を締め付けることで
梁部材1を角型鋼管2へ引き寄せ、これらの接合面を密
着させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、梁部材が格子状に
組まれた木造集成材の屋根構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】木造の梁部材で格子状に組まれたアーチ
屋根やドーム屋根の交差部においては、従来、図15に
示すような接合金物を使用している(交点部材を使用し
た場合)。即ち、梁部材1の交差部Aに配置される交点
部材2の4側面にT型金物50のフランジ50aを貫通
ボルト51・ナット52により取付け、一方、木造の梁
部材1の接合端部の小口には、T型金物50のウェブ5
0bを挿入するための縦の切り込み53と、ボルト頭・
ナットを収納する欠き込み54を設け、切り込み53に
挿入したウェブ50bと梁部材1とを、ウェブ50bに
直交して挿入され梁部材1内に埋入されるドリフトピン
55またはボルトにより固定している。切り込み53の
梁下における空いた隙間は、埋木56により塞がれる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
従来の屋根構造においては、 梁部材1と交点部材2
の接合面を密着させることができず、梁部材1と交点部
材2の間に隙間が生じてしまう。この隙間は、意匠的に
良くないのと同時に、防火対策上もT型金物50が木部
の燃え代により覆われないため問題となる。 梁部材
1の小口に切り込み53と欠き込み54が必要となり、
切削加工が複雑となる。また、意匠的な面および防火対
策上から梁下の切り込み部分に埋木56が必要となる。
【0004】本発明は、前述のような問題点を解消すべ
くなされたもので、その目的は、木造集成材の屋根構造
の交差部において、交点部材と梁部材の隙間および接合
金物の露出を無くすことができると共に、梁部材の接合
端部の切削加工を少なくすることができ、さらに軸力
(圧縮力)の伝達を良くして屋根全体の変形を少なくす
ることのできる木造集成材の屋根構造を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の木造集成
材の屋根構造は(請求項1に係る発明)、図1〜図6に
示すように、梁部材が格子状に組まれ、梁部材の交差部
に交点部材が配設される木造集成材の屋根構造におい
て、前記交点部材(角型鋼管など)に引き寄せボルトを
そのボルト先端が交点部材から突出するように貫通さ
せ、梁部材の接合端部には前記ボルト先端が螺着される
接合用パイプ材を埋設し、この接合用パイプ材と梁部材
とを、接合用パイプ材に直交して挿入され梁部材内に埋
入される固定用軸材(ボルト、ドリフトピンなど)によ
り固定してなることを特徴とする。
【0006】引き寄せボルトは、例えば図1〜図3に示
すように、ボルト頭の無いスクリューロッドを用い、角
型鋼管等の内部に突出したボルト基端部にダブルナット
を取付けて角型鋼管等に固定する。接合に際しては、梁
部材の接合端部に接合用パイプ材をボルト、ドリフトピ
ン等により固定しておき、接合用パイプ材には引き寄せ
ボルトを取付けておき、このような梁部材の接合端部を
角型鋼管等の側面に当接させ、角型鋼管等の内部に突出
した引き寄せボルトのボルト基端部にダブルナットを取
付け、このダブルナットを締め付けることにより、梁部
材を角型鋼管等に引き寄せ、梁部材と角型鋼管等の接合
面を密着させる。
【0007】あるいは、引き寄せボルトに、角型鋼管等
を貫通して両端のボルト先端部が角型鋼管等の側面から
突出するスクリューロッドを用い、図4、図5に示すよ
うに、ドリフトピンにより梁部材を角型鋼管等に引き寄
せるようにする。接合に際しては、角型鋼管等に挿通さ
せた引き寄せボルトのボルト先端部に接合用パイプ材を
取付けておき、このような角型鋼管等の側面に対して梁
部材の接合端部を当接させ、梁部材の固定用挿入孔に対
してずれた接合用パイプ材のピン挿入孔にドリフトピン
を挿入することにより、梁部材を角型鋼管等に引き寄
せ、梁部材と角型鋼管等の接合面を密着させる。
【0008】本発明の第2の木造集成材の屋根構造は
(請求項2に係る発明)、図7〜図14に示すように、
梁部材が格子状に組まれ、梁部材の交差部で梁部材同士
が直接接合される木造集成材の屋根構造(例えば、梁部
材がいわゆる市松状に配設される場合)において、接合
する一方の梁部材の接合部に引き寄せボルトをそのボル
ト先端が梁部材から突出するように貫通させ、他方の梁
部材の接合端部には前記ボルト先端が螺着される接合用
パイプ材を埋設し、この接合用パイプ材と梁部材とを、
接合用パイプ材に直交して挿入され梁部材内に埋入され
る固定用軸材(ドリフトピン、ボルトなど)により固定
してなることを特徴とする。
【0009】図7に示すように、接合に際して引き寄せ
ボルトの締め付けを行えない場合には、ドリフトピンを
使用して一方の梁部材を他方の梁部材に対して引き寄せ
るようにする。接合に際しては、一方の梁部材に挿通さ
せた引き寄せボルトのボルト先端部に接合用パイプ材を
取付けておき、このような梁部材の側面に対して他方の
梁部材の接合端部を当接させ、梁部材の固定用挿入孔に
対してずれた接合用パイプ材のピン挿入孔にドリフトピ
ンを挿入することにより、梁部材を相手側の梁部材に引
き寄せ、梁部材と梁部材との接合面を密着させる。
【0010】また、図13に示すように、屋根の外周部
分の接合部のように接合に際して引き寄せボルトの締め
付けを行える場合には、梁部材の接合端部に接合用パイ
プ材をボルト、ドリフトピン等により固定しておき、こ
のような梁部材の接合端部を相手側の梁部材の側面に当
接させると共に、相手側の梁部材の片側から引き寄せボ
ルトを挿通し、ボルト先端部を接合用パイプ材に螺入し
て締め付けることにより、梁部材を相手側の梁部材に対
して引き寄せ、梁部材と梁部材の接合面を密着させる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示する実施例に
基づいて説明する。図1〜図6は、本発明の第1の木造
集成材の屋根構造の例であり、図1は、その屋根構造の
交差部の一例を示す縦断面図・横断面図であり、図2、
図3は、その接合金物の詳細を示す縦断面図・横断面
図、接合状態を示す縦断面図・横断面図である。図4、
図5は、別の接合金物を使用した場合の接合方法を示す
縦断面図・横断面図、接合状態を示す縦断面図・横断面
図、図6は本発明の第1の屋根構造におけるアーチ屋根
を示す平面図・正面図である。
【0012】図6は、1方向曲面の四角網目のアーチ屋
根の例であり、第1の屋根構造においては、柱Pにより
両端で支持されたアーチ屋根Rは、格子状に縦横に組ま
れた梁部材1と、梁部材の交差部Aに配設される交点部
材2から構成されている。このようなアーチ屋根、ある
いは2方向曲面のドーム屋根(図示省略)などの交差部
Aに本発明の接合構造を適用する。
【0013】本実施例では、図1に示すように、交差部
Aの交点部材として角型鋼管2を使用し、この角型鋼管
2を交差部Aに縦に配置し、この角型鋼管2の4側面に
それぞれ上下に所定の間隔をおいてボルト貫通孔3を穿
設し、この上下一対のボルト貫通孔3に引き寄せボルト
(ボルト頭の無いスクリューロッド)4を貫通させて先
端のボルト先端部4aが角型鋼管2の側面から突出する
ように取付ける。この引き寄せボルト4は、角形鋼管2
の内部に位置する基端部4bに螺着したダブルナット5
により平ワッシャーまたはスプリングワッシャーを介し
て角型鋼管2に固定する。
【0014】一方、梁部材1の接合端部には雌ねじが切
られた接合用パイプ材6を上下一対の引き寄せボルト4
に対応させて埋設する。接合用パイプ材6と梁部材1と
は、接合用パイプ材6に直交して挿通するスクリューロ
ッド型のボルト(ラグスクリュー)7またはドリフトピ
ン7’により固定する。
【0015】図2に示すように、梁部材1の接合端部の
小口には、接合用パイプ材6が挿入されるパイプ取付孔
8を穿設しておく。また、接合用パイプ材6の梁部材1
内に埋設される基端部には、接合用パイプ材6に直交し
ボルト7またはドリフトピン7’が螺入あるいは挿入さ
れるネジ孔またはピン挿入孔9を穿設し、この孔9の両
端部にはピン等が入りやすいように面取り10を施して
おく。また、梁部材1にも接合用パイプ材6に対して水
平方向から直交し、孔9に連通可能な固定用挿入孔11
を梁部材1の片側面から接合用パイプ材6を貫通するよ
うに穿設しておく。この固定用挿入孔11は、ボルト7
またはドリフトピン7’を完全に埋没できる長さとす
る。なお、ボルト7またはドリフトピン7’の頭部の空
間には木栓12を埋設する(図5参照)。
【0016】以上のような構成において、図1、図2に
示すように、梁部材1の接合端部のパイプ取付孔8に接
合用パイプ材6を挿入し、梁部材1の固定用挿入孔11
を介して接合用パイプ材6の孔9にボルト7またはドリ
フトピン7’を螺入あるいは挿入し、接合用パイプ材6
を梁部材1に固定しておく。さらに、この接合用パイプ
材6に引き寄せボルト4のボルト先端部4aを螺入して
取付けておく。次いで、梁部材1から突出する引き寄せ
ボルト4の基端部4bを角型鋼管2のボルト貫通孔3に
挿入して、梁部材1の接合端部の小口を角型鋼管2の側
面に当接させ、引き寄せボルト4の角型鋼管2の内部に
突出する基端部4bにダブルナット5を取付け、締め付
けを行う。図3に示すように、梁部材1が角型鋼管2に
引き寄せられ、梁部材1と角型鋼管2とが一体化する。
【0017】なお、以上の実施例は、各梁部材1に対し
てボルト頭の無い引き寄せボルト4とダブルナット5を
それぞれ配設した場合を示したが、これに限らず、例え
ば引き寄せボルト4を角型鋼管2に貫通させて両端のボ
ルト先端部4aを左右に突出させ、ここに左右一対の梁
部材1を取付けるようにしてもよい。この場合には、梁
部材1と角型鋼管2の接合に際して引き寄せボルト4の
締め付けを行えないため、ドリフトピン7’により梁部
材1の引き寄せを行う。
【0018】即ち、図4に示すように、角型鋼管2の側
面に梁部材1の小口を当接させた状態で接合用パイプ材
6のピン挿入孔9が梁部材1の固定用挿入孔11に対し
て角型鋼管2寄りにずれるようにセットしておき、ドリ
フトピン7’を叩き込むことにより、接合用パイプ材6
・引き寄せボルト4に図の右側方向の張力を付与し、こ
の反力により梁部材1が角型鋼管2に引き寄せられるよ
うにする。また、この場合、接合用パイプ材6は引き寄
せボルト4にネジ込んで取付けておき、この際、接合用
パイプ材6のピン挿入孔9が水平となるようにネジ込み
を行い、接合用パイプ材6が梁部材1のパイプ取付孔8
に挿入されるように、梁部材1を角型鋼管2の接合部に
取付ける。この場合にも、図5に示すように、梁部材1
が角型鋼管2に引き寄せられ、梁部材1と角型鋼管2と
が一体化する。なお、屋根の外周部分の接合部におい
て、角型鋼管2の片側にのみ梁部材1が取り付く部分で
は、図1の引き寄せボルト4・ダブルナット5、あるい
はボルト頭付きの引き寄せボルトを使用すればよい。
【0019】以上のような接合構造を用いた屋根構造で
あれば、 梁部材1と角型鋼管2の接合面を密着させ
ることができ、梁部材1と角型鋼管2の間の隙間が完全
に無くなるため、また引き寄せボルト4・接合用パイプ
材6等の接合金物が完全に梁部材1内に埋没されるた
め、意匠的に良好なものとなると同時に、接合金物が木
部の燃え代により完全に覆われるため、防火対策上も良
好なものとなる。 梁部材1の小口には、簡単な孔を
穿設するだけで良いため、加工が容易となる。また、接
合金物が完全に梁部材1内に埋没されるため、埋木を必
要としない。引き寄せボルト4・接合用パイプ材6・
ボルト7またはドリフトピン7’により梁部材1を角型
鋼管2へ引き寄せる方向の張力を梁部材1に導入するこ
とができ、梁部材1と角型鋼管2を密着させることで部
材方向の軸力(圧縮力)の伝達が良好となり、圧着効果
が高まることで部材のめり込みが減少し、屋根全体の変
形も少なくなる。
【0020】次に、図7〜図14は、本発明の第2の木
造集成材の屋根構造の例であり、図7は、その屋根構造
の交差部の一例を示す縦断面図・横断面図であり、図
8、図9は、その接合金物の詳細を示す縦断面図・横断
面図である。図10、図11は、接合金物における張力
の導入方法とその接合状態を示す縦断面図・横断面図、
図12は接合金物の剪断力に対する効果を示す縦断面図
・横断面図、図13は、屋根の外周部分における接合部
を示す縦断面図・横断面図、図14は、本発明の第2の
屋根構造におけるアーチ屋根を示す平面図・正面図であ
る。
【0021】図14に示すように、第2の屋根構造にお
けるアーチ屋根Rは、縦横の梁部材1をいわゆる市松状
に配設し、前述のような交点部材2を使用せずに、一方
の梁部材1の接合側面に他方の梁部材1の接合端面を直
接接合して構成されている。
【0022】このような直接接合方式のアーチ屋根、あ
るいは2方向曲面のドーム屋根(図示省略)などの交差
部Aに本発明の接合構造を適用する。
【0023】図7に示すように、一方の梁部材1の交差
部A(長手方向中央部)に上下に所定の間隔をおいてボ
ルト貫通孔3を水平に穿設しておき、この上下一対のボ
ルト貫通孔3に両端に雄ねじの切られた引き寄せボルト
(ボルト頭の無いスクリューロッド)4を貫通させて両
端のボルト先端部4aが梁部材1の側面から突出するよ
うに取付ける。他方の梁部材1の接合端部には雌ねじが
切られた接合用パイプ材6を上下一対の引き寄せボルト
4に対応させて埋設する。接合用パイプ材6と梁部材1
とは、接合用パイプ材6に直交して挿通するドリフトピ
ン7’(またはボルト7)により固定する。
【0024】図7、図8に示すように、接合用パイプ材
6が取付けられる梁部材1の接合端部の小口には、接合
用パイプ材6の先端部分を残してほぼ全体が挿入される
パイプ取付孔8を穿設しておき、また引き寄せボルト4
が取付けられる梁部材1における引き寄せボルト4の先
端位置にも接合用パイプ材6の先端部分が挿入されるダ
ボ穴13を穿設しておく。また、図8に示すように、接
合用パイプ材6の梁部材1内に埋設される基端部には、
接合用パイプ材6に直交しドリフトピン7’が挿入され
るピン挿入孔9を穿設し、このピン挿入孔9の両端部に
はピンが入りやすいように面取り10を施しておく。ま
た、梁部材1にも接合用パイプ材6に対して水平方向か
ら直交し、ピン挿入孔9に連通可能な固定用挿入孔11
を梁部材1の片側面から接合用パイプ材6を貫通するよ
うに穿設しておく。この固定用挿入孔11は、ドリフト
ピン7’を完全に埋没できる長さとし、またドリフトピ
ン7’の頭部の空間には木栓12を埋設する。
【0025】以上のような構成において、図7に示すよ
うに、一方の梁部材1のボルト貫通孔3に引き寄せボル
ト4を挿入し、梁部材1から突出した両端のボルト先端
部4aにそれぞれ接合用パイプ材6をネジ込んで取付け
る。この際、接合用パイプ材6の先端部分がダボ穴13
に嵌合し、ピン挿入孔9が水平となるようにネジ込みを
行う。次いで、他方の梁部材1のパイプ取付孔8に接合
用パイプ材6が挿入されるように、梁部材1の接合端部
を梁部材1の接合側面に取付ける。接合用パイプ材6の
ピン挿入孔9と梁部材1の固定用挿入孔11が水平状態
で一致し、ここにドリフトピン7’を挿入し、梁部材1
を接合用パイプ材6に固定することにより、梁部材1と
梁部材1を一体化する。
【0026】ここで、この図7のように梁部材1と梁部
材1の接合に際して引き寄せボルト4の締め付けを行え
ない場合には、図10に示すように、梁部材1の側面に
梁部材1の小口を当接させた状態で接合用パイプ材6の
ピン挿入孔9が梁部材1の固定用挿入孔11に対して接
合面側寄りにずれるようにセットしておき、ドリフトピ
ン7’を叩き込むことにより、接合用パイプ材6・引き
寄せボルト4に図の右側方向の張力を付与し、この反力
により、図11に示すように、一方の梁部材1が他方の
梁部材1に引き寄せられるようにする。これにより、梁
部材1と梁部材1が密着する。
【0027】なお、屋根の外周部分の接合部において、
一方の梁部材1の長手方向中央部の片側にのみ他方の梁
部材の接合端部が接合される部分では、図13に示すよ
うに、ボルト頭付きの引き寄せボルト4を使用する。こ
の場合、引き寄せボルト4は、そのボルト頭を梁部材1
の片側の側面に形成した座堀14内に収納し、そのボル
ト先端部4aが梁部材1の反対側の側面から突出するよ
うにする。その他の構成は、図7の場合と同様である。
【0028】接合に際しては、梁部材1のパイプ取付孔
8に接合用パイプ材6を挿入して取付け、さらにドリフ
トピン7’(またはボルト7)を接合用パイプ材6のピ
ン挿入孔9と梁部材1の固定用挿入孔11に挿入して固
定しておき、接合用パイプ材6の先端部分が相手側の梁
部材1のダボ穴13に挿入されるように、梁部材1を相
手側の梁部材1の側面に取り付ける。次いで、頭付きの
引き寄せボルト4を、梁部材1のボルト貫通孔3に片側
から挿入すると共に接合用パイプ材6にネジ込む。この
図13の場合には、梁部材1の片側から引き寄せボルト
4の締め付けを行うことができ、梁部材1と梁部材1の
接合面を簡単に密着させることができる。なお、この図
13の場合、引き寄せボルト4の締め付け前の状態で、
ダボ穴13には隙間が形成されるようにしておく。
【0029】以上のような接合構造を用いた屋根構造で
あれば、 梁部材1と梁部材1の接合面を密着させる
ことができ、梁部材1と梁部材1の間の隙間が完全に無
くなるため、また引き寄せボルト4・接合用パイプ材6
等の接合金物が完全に梁部材1内に埋没されるため、意
匠的に良好なものとなると同時に、接合金物が木部の燃
え代により完全に覆われるため、防火対策上も良好なも
のとなる。 梁部材1の小口には、簡単な孔を穿設す
るだけで良いため、加工が容易となる。また、接合金物
が完全に梁部材1内に埋没されるため、埋木を必要とし
ない。 引き寄せボルト4・接合用パイプ材6・ドリ
フトピン7’またはボルト7により梁部材1を相手側の
梁部材1へ引き寄せる方向の張力を梁部材1に導入する
ことができ、梁部材1と梁部材1を密着させることで部
材方向の軸力(圧縮力)の伝達が良好となり、圧着効果
が高まることで部材のめり込みが減少し、屋根全体の変
形も少なくなる。 さらに、図12に示すように、接
合用パイプ材6の先端部分を梁部材1のダボ穴13に挿
入して梁部材1に掛けることで、ダボ栓の効果が得ら
れ、梁部材1からの剪断力を伝達することができ、接合
部の剛性がより高まる。
【0030】
【発明の効果】前述の通り、本発明は、梁部材が格子状
に組まれた木造集成材の屋根構造において、梁部材の交
差部における交点部材あるいは梁部材に引き寄せボルト
をそのボルト先端が交点部材あるいは梁部材から突出す
るように貫通させ、相手側の梁部材の接合端部には前記
ボルト先端が螺着される接合用パイプ材を埋設し、この
接合用パイプ材と梁部材とを、接合用パイプ材に直交し
て挿入され梁部材内に埋入される固定用軸材により固定
するようにしたため、次のような効果を得ることができ
る。
【0031】(1) 接合部材の接合面を密着させて隙間を
完全に無くすことができ、また接合金物を完全に梁部材
の内部に埋没させることができ、意匠的に良好なものと
することができると共に、接合金物が木部の燃え代によ
り完全に覆われるため、防火対策上も良好なものとな
る。
【0032】(2) 梁部材の接合端部の小口には、簡単な
孔を穿設するだけで良いため、加工が容易となる。ま
た、接合金物が完全に梁部材の内部に埋没されるため、
埋木を必要とせず、加工や作業が容易となる。
【0033】(3) 引き寄せボルト、接合用パイプ材、ボ
ルトまたはドリフトピンなどにより、梁部材を交点部材
へ引き寄せる方向の張力を導入することができ、接合面
を密着させることで軸力(圧縮力)の伝達が良くなり、
圧着効果が高まることで部材のめり込みが減少して屋根
全体の変形を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の木造集成材の屋根構造における
交差部の一例であり、(a) は縦断面図、(b) は横断面図
である。
【図2】図1における接合金物の詳細であり、(a) は縦
断面図、(b) は横断面図である。
【図3】図2の接合金物の接合状態を示す、(a) は縦断
面図、(b) は横断面図である。
【図4】本発明の別の接合金物を用いた場合の接合方法
を示す、(a) は縦断面図、(b)は横断面図である。
【図5】図4の接合金物の接合状態を示す、(a) は縦断
面図、(b) は横断面図である。
【図6】本発明の第1の屋根構造におけるアーチ屋根を
示す、(a) は平面図、(b) は正面図である。
【図7】本発明の第2の木造集成材の屋根構造における
交差部の一例であり、(a) は縦断面図、(b) は横断面図
である。
【図8】図7における接合金物の詳細であり、(a) は縦
断面図、(b) は横断面図である。
【図9】図7の接合金物の斜視図である。
【図10】図7における張力の導入方法の例を示す、
(a) は縦断面図、(b) は横断面図である。
【図11】図11における接合状態を示す、(a) は縦断
面図、(b) は横断面図である。
【図12】図7の接合金物の剪断力に対する効果を示
す、(a) は縦断面図、(b) は横断面図である。
【図13】屋根の外周部分における接合部の例を示す、
(a) は縦断面図、(b) は横断面図である。
【図14】本発明の第2の屋根構造におけるアーチ屋根
を示す、(a) は平面図、(b) は正面図である。
【図15】従来の木造集成材の屋根構造の交差部を示
す、(a) は縦断面図、(b) は横断面図である。
【符号の説明】
R…屋根 A…交差部 1…梁部材 2…角型鋼管(交点部材) 3…ボルト貫通孔 4…引き寄せボルト 4a…ボルト先端部 4b…ボルト基端部 5…ダブルナット 6…接合用パイプ材 7…ボルト 7’…ドリフトピン 8…パイプ取付孔 9…ネジ孔またはピン挿入孔 10…面取り 11…固定用挿入孔 12…木栓 13…ダボ穴 14…座堀

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 梁部材が格子状に組まれ、梁部材の交差
    部に交点部材が配設される木造集成材の屋根構造におい
    て、前記交点部材に引き寄せボルトをそのボルト先端が
    交点部材から突出するように貫通させ、梁部材の接合端
    部には前記ボルト先端が螺着される接合用パイプ材を埋
    設し、この接合用パイプ材と梁部材とを、接合用パイプ
    材に直交して挿入され梁部材内に埋入される固定用軸材
    により固定してなることを特徴とする木造集成材の屋根
    構造。
  2. 【請求項2】 梁部材が格子状に組まれ、梁部材の交差
    部で梁部材同士が直接接合される木造集成材の屋根構造
    において、接合する一方の梁部材の接合部に引き寄せボ
    ルトをそのボルト先端が梁部材から突出するように貫通
    させ、他方の梁部材の接合端部には前記ボルト先端が螺
    着される接合用パイプ材を埋設し、この接合用パイプ材
    と梁部材とを、接合用パイプ材に直交して挿入され梁部
    材内に埋入される固定用軸材により固定してなることを
    特徴とする木造集成材の屋根構造。
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KR20210051263A (ko) * 2019-10-30 2021-05-10 주식회사 포스코 기둥과 보부재의 접합구조

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