JP6808197B2 - 連結具 - Google Patents

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本発明は、主に木質系板材を据え付けるために用いる連結具に関する。
木造建築はこれまで、住宅などの小規模な建物を中心に普及してきた。しかし近年は、集成材の製造技術が向上したため、大断面の木材を安定して供給できるようになり、集合住宅や公共施設など、より規模の大きい建物の木造化も無理なく実現できるようになった。集成材には様々な種類が存在しているが、その一つとしてCLTが挙げられる。CLTは、直交集成板とも称され、隣接する板片の繊維方向が直交するように積層されており、強度の方向性が打ち消され、しかも相応の厚さを有することから、CLT同士を組み合わせるだけで、建物の骨格構造を完成させることもできる。
建物の骨格構造にCLTを用いるため、これまでにも様々な技術開発が進められており、その例として後記の特許文献が挙げられる。そのうち特許文献1では、隣接する集成材をH鋼材で連結した床構造が開示されており、集成材としてCLTを用いることが想定されている。この床構造は、横倒しにした集成材を複数並べたもので、個々の集成材の側面には、全長に亘って上下一対のスリットを加工してある。そして、隣接する集成材の間にH鋼材を配置し、そのフランジの半分を一方の集成材のスリットに差し込み、残る半分を他方の集成材のスリットに差し込み、接着などで集成材とH鋼材を一体化する。このように、H鋼材を用いて集成材を連結することで、軽量でありながら、強度を持たせた床構造が実現する。
次の特許文献2では、施工時にボルト・ナットの締め付け作業が不要な連結構造が開示されている。この連結構造は、主材および副材と称する二部材を一体化するもので、副材には棒状の寄せ具を取り付ける。寄せ具の先端には、フランジ状の突出片を設けてあり、この突出片は、副材の表面から飛び出すように配置する。そして寄せ具の先端を主材に設けた保持穴の内部に到達させ、さらに保持穴の入り口から拘束具を差し込むと、拘束具で突出片の変位が規制され、主材と副材が連結される。したがって施工時は、主材と副材を所定の姿勢で接触させた後、保持穴の入り口から拘束具を差し込むだけで連結作業が完了する。ここに挙げた主材や副材については、CLTを用いることも想定されている。
特開2017−25524号公報 特開2017−2526号公報
CLTは、その剛性の高さから、建物の構造材としても使用することができ、しかもCLT同士を連結するだけで強固な壁や床が構築されるため、施工作業の簡素化も期待できる。ただし隣接するCLT同士の境界は、必然的に細長い矩形状になり、その全域で双方を強固に一体化させる場合、施工作業の複雑化を招く恐れがある。そのため、CLT同士の連結に際しては、施工性や費用などを考慮した現実的な手段を導入することになるが、構造材の緩みを防ぐため、せん断荷重に対する強度は、十分に確保する必要がある。
前記の特許文献1のように、部材同士の連結には接着を用いることも多い。接着は、接触する部材同士を面状に一体化できることから、強度の面で優れているが、現地での接着作業は品質管理が難しく、接着不良が発見されることなく作業が進められる恐れがある。また、接着剤の凝固に要する時間を考慮する必要があり、現地での手間が増大する。したがって、現地での部材同士の連結については、ボルトや釘類などの物理的な手段を用いることが望ましい。
本発明はこうした実情を基に開発されたもので、主に木質系板材を据え付けるために用い、せん断荷重に対する強度を確保できるほか、現地での施工作業も容易な連結具の提供を目的としている。
前記の課題を解決するための請求項1記載の発明は、隣接する一方材と他方材との境界で用い、前記一方材に組み込む接合具と、前記接合具と重なるように面接触し且つ前記他方材に組み込む対向板と、前記接合具および前記対向板を固定するための釘類と、からなり、前記接合具は、前記一方材に設けた凹部に埋め込まれる平面状の留置板と、該留置板の表裏を貫く棒状のホゾと、で構成され、前記対向板は、前記他方材に設けた凹部に埋め込まれる平面状で、且つ該対向板には、前記ホゾを緩みなく嵌め込むための案内穴を設けてあり、前記ホゾが前記案内穴に嵌まり込むことで、前記一方材と前記他方材との境界に作用するせん断荷重を伝達できることを特徴とする連結具である。
本発明による連結具は、接合具と対向板と釘類の三要素で構成され、木造建築を始めとする各種木構造において、隣接する二部材を固定するために用い、連結される二部材のうち、一方を一方材と称し、他方を他方材と称するものとする。ここで一方材および他方材は、CLTを始めとする板材や、大断面の棒材を想定しており、一方材と他方材は、双方の表面同士が接触し、本発明によって一方材と他方材との相対的な変位を規制する。
接合具と対向板は、一方材と他方材との境界に配置され、そのうち接合具は一方材に固定し、対向板は他方材に固定する。そして接合具は、平面状の留置板と、この留置板を貫くホゾで構成され、留置板は、一方材に設けた凹部に埋め込む。凹部は、留置板を緩みなく嵌め込むことのできる形状に仕上げるほか、凹部の側周面は、途切れることなく周回しているものとする。なお留置板を凹部に埋め込んだ際、ホゾの一端は一方材に埋め込まれるが、ホゾの他端は一方材から突出する。また接合具を一方材に固定するため、留置板から一方材に向けて釘類を差し込む。
対向板は、接合具の留置板と重なるように配置するほか、他方材に設けた凹部に埋め込む。凹部については、一方材側と同様、対向板を緩みなく嵌め込むことのできる形状に仕上げるほか、凹部の側周面は、途切れることなく周回しているものとする。また凹部に埋め込んだ対向板は、釘類で他方材に固定する。そして対向板には、接合具のホゾを緩みなく嵌め込むため、案内穴を設ける。なお案内穴を突き抜けたホゾは、他方材に埋め込まれる。
接合具のホゾが対向板の案内穴に嵌まり込むことで、一方材と他方材との間でせん断荷重が伝達されるようになる。接合具の留置板は、一方材の凹部に緩みなく埋め込まれ、対向板は他方材の凹部に緩みなく埋め込まれており、せん断荷重が円滑に伝達される。なお凹部の深さについては、一方材と他方材が接触した際、留置板と対向板も接触できるよう、高い精度で調整する必要がある。
ホゾについては、一方材と他方材を跨ぐように埋め込まれる。そのため、仮にホゾを埋め込む穴を精度よく加工するならば、ホゾ単体でもせん断荷重を伝達することができる。そのほか、留置板と対向板が円滑に面接触できるよう、留置板や対向板に差し込む釘類は、その頭部を埋め込むなどの対策を講じる。
このように、接合具と対向板と釘類で構成される連結具を用いることで、一方材と他方材との間でせん断荷重が円滑に伝達していき、一方材と他方材を強固に連結することができる。接合具や対向板は、製材段階で一方材や他方材に取り付け可能で、現地では接合具のホゾを対向板の案内穴に嵌め込むだけで、一方材と他方材との相対的な変位が規制され、現地での施工作業が容易になる。なお、一方材と他方材を引き寄せる手段については、様々な従来技術を自在に選択して構わない。
請求項2記載の発明は、一方材と他方材を離脱不能に密着させるためのもので、接合具および対向板を挟み込むように配置する寄せ具を用い、該寄せ具によって一方材と他方材を引き寄せることを特徴とする。請求項2記載の発明は、一方材と他方材との連結を完成させるためのもので、新たに寄せ具を用いている。寄せ具は、接合具と対向板を挟み込むように配置するほか、その用途から、一方材と他方材の双方に接触する。
寄せ具については、様々な従来技術をそのまま流用可能で、その一例として箱形金具が挙げられる。箱形金具は、文字通り鋼板を箱状に組み上げた中空状のもので、接合具と対向板を挟み込むよう、二箇所に配置し、しかも個々の箱形金具の一面は一方材に接触させ、反対面は他方材に接触させる。そして一方材と他方材には、ラグスクリューなどの埋設具を埋め込み、その一端面を箱形金具に接触させる。さらに箱形金具の内部から埋設具に向け、ボルトなどの固定具を差し込み、埋設具を箱形金具に引き寄せる。その結果、箱形金具を介して一方材と他方材が引き寄せられ、一方材と他方材が離脱不能に密着する。
寄せ具の具体例については、箱形金具のほか、シャフトが挙げられる。シャフトは円断面の金属棒で、一方材と他方材を貫くように埋め込み、さらに、埋め込まれたシャフトと交差するようにドリフトピンなどを打ち込み、シャフトを一方材と他方材の双方に固定する。その結果、シャフトを介して一方材と他方材が離脱不能に密着する。なおドリフトピンを打ち込むため、一方材と他方材の側面には事前に穴を加工しておくが、打ち込まれたドリフトピンは摩擦で固定され、自然に脱落することはない。
請求項1記載の発明のように、接合具と対向板と釘類で構成される連結具を用いることで、一方材と他方材との間でせん断荷重が円滑に伝達していき、一方材と他方材との連結箇所の強度が向上する。また本発明では、複数の連結具を並べて配置することができ、細長く伸びる部材の側端面での使用に適しており、CLT同士の連結や、CLTと他の部材との連結も容易に実現可能で、構造材としてCLTを用いた建物の普及にも貢献する。
請求項2記載の発明のように、箱形金具やシャフトなどの寄せ具を用いることで、一方材と他方材が離脱不能に密着し、一方材と他方材との間に作用する引張荷重の伝達が実現し、連結具としての機能を完全に発揮できるようになる。
本発明では、施工に先立ち、一方材や他方材に寄せ具を組み込むことができ、また接合具や対向板についても、あらかじめ釘類で一方材や他方材に固定しておくことができ、現地では、寄せ具を一方材か他方材のいずれかに固定するだけで一連の連結作業が完了する。そのため、現地での時間や手間を抑制できる。さらに施工時は、接合具のホゾを対向板の案内穴に嵌め込むだけで、一方材と他方材との相対的な変位が規制され、その後、寄せ具を一方材か他方材のいずれかに固定する作業は、安定した状態で行うことができ、信頼性や安全性に優れている。
本発明による連結具の構成例を示す斜視図で、一方材および他方材と称する二本の部材が直立しており、一方材の上面と他方材の下面を連結する。 図1の一方材と他方材を連結する過程を示す斜視図で、一方材と他方材の双方に埋設具が埋め込まれ、さらに固定具の組み込みにより、寄せ具は一方材の上面両端に固定されている。 図1の一方材と他方材を連結した状態を示す斜視図である。 本発明による連結具を用い、一方材の上下両方に他方材を据え付けた構成を示す斜視図である。 図4と同様、一方材の上下両方に他方材を据え付けた構成を示す斜視図だが、この図の一方材は水平に伸びる棒材で、他方材よりも図の右側に突出している。また接合具と対向板は、図4と同じ構成だが、寄せ具については、計二本のシャフトを用いている。 接合具と対向板と釘類だけで構成された連結具を用い、一方材の上面に他方材を据え付ける場合を示す斜視図で、一方材は水平に敷設される床材で、他方材は直立する壁材である。
図1は、本発明による連結具の構成例を示し、この図では、一方材41および他方材51と称する二本の部材が直立しており、一方材41の上面と他方材51の下面を連結する。そして一方材41と他方材51のいずれも、CLTなど、相応の厚さを有する板状の部材であり、建物の構造材として使用することもできる。またこの連結具は、寄せ具11と埋設具21と固定具15からなる一群と、接合具31と対向板37と釘類39からなる一群で構成され、一方材41と他方材51を強固に連結する。
寄せ具11と埋設具21と固定具15の一群は、一方材41と他方材51を引き寄せ、引張荷重を伝達する役割を担う。そのうち寄せ具11は、金属板を溶接で一体化した中空の箱形金具で、一方材41と他方材51との境界の端部に一個ずつ配置する。そして寄せ具11を収容するため、他方材51の下面の両端を矩形状に切り欠き、肩部56を設けてある。当然ながら肩部56は、一方材41と他方材51との境界に不要な隙間が生じないよう、寸法を調整してある。
埋設具21は、一方材41や他方材51を寄せ具11に引き寄せるため、一方材41と他方材51の双方に埋め込むもので、図1では埋設具21としてラグスクリューを用いている。したがって埋設具21の側周面には、螺旋状に伸びる凸条27が突出しているほか、一端面には、工具を掛けるための頭部24を設けてあり、さらに頭部24の中心には、メネジ25を設けてある。そして埋設具21は、一方材41の上面と、他方材51の肩部56の上方の計四箇所に埋め込む。そのため一方材41の上面の両端寄りには、埋設穴45を加工してあり、他方材51の肩部56の上方にも埋設穴55を加工してある。
埋設具21の埋め込みに際しては、その頭部24と埋設穴45、55入口との間で段差が生じないように調整し、埋設具21の端面を寄せ具11に接触させる。このような処置を講じることで、一方材41や他方材51の表面が寄せ具11によって陥没させられることを防ぐ。さらに、寄せ具11と埋設具21を一体化するため、固定具15を用いる。固定具15は単純なボルトで、寄せ具11の内部から埋設具21のメネジ25に向けて差し込む。したがって寄せ具11の上下面の中心には、固定具15の軸部を差し込むため、通し穴14を設けてある。
寄せ具11の内部に固定具15を収容し、その先部を埋設具21のメネジ25に螺合させると、一方材41と他方材51の双方が寄せ具11に引き寄せられ、寄せ具11などを介して一方材41と他方材51が連結される。その後、一方材41と他方材51を引き離す荷重は、寄せ具11などを介して伝達される。さらに寄せ具11は、一方材41と他方材51との境界の両端に配置されるため、曲げモーメントを受け止めることもできる。
接合具31と対向板37と釘類39からなる一群は、一方材41と他方材51との間でせん断荷重を伝達する役割を担う。そのうち接合具31は、平面状の留置板32に丸棒状のホゾ33が貫通した構成で、一方材41に固定される。ホゾ33は、留置板32の上下両方に突出しており、双方は溶接で一体化してある。対して対向板37は、留置板32と同じ大きさで、留置板32の上に重なるように配置され、他方材51に固定される。
一方材41の上面には、留置板32を埋め込むため、凹部42を加工してある。凹部42は、留置板32が緩みなく埋め込まれるように加工してあり、しかも埋め込まれた留置板32の上面は、一方材41の上面と段差なく並ぶ。そして凹部42に埋め込まれた接合具31は、釘類39で一方材41に固定する。なお図1では、釘類39としてネジ釘を用いている。釘類39を差し込むため、留置板32には六箇所に釘穴34を設けてあり、個々の釘穴34の入口には、釘類39の頭部を埋め込むため、直径を拡大したザグリ35を設けてある。
他方材51の下面には、対向板37を埋め込むため、凹部52を加工してある。凹部52は、対向板37が緩みなく埋め込まれるように加工してあり、しかも埋め込まれた対向板37の下面は、他方材51の下面と段差なく並ぶ。そして凹部52に埋め込まれた対向板37は、接合具31と同様、釘類39で固定する。
対向板37には、ホゾ33を緩みなく嵌め込むため、案内穴38を設けてある。したがって、対向板37が留置板32の上面に載り、ホゾ33が案内穴38を貫くと、必然的に接合具31と対向板37との間でせん断荷重を伝達できるようになる。なお対向板37についても、釘類39を差し込むため、釘穴34とザグリ35を設けてあり、留置板32と対向板37は、無理なく面接触することができる。
ホゾ33は、対向板37の案内穴38に嵌め込まれるほか、一方材41に加工したホゾ穴43と、他方材51に加工したホゾ穴53の双方にも埋め込まれる。これらのホゾ穴43、53についても、ホゾ33を緩みなく嵌め込むことのできる内径に仕上げてあり、ホゾ穴43、53を介してもせん断荷重が伝達される。なお接合具31や対向板37は、その全体が一方材41や他方材51に埋め込まれ、施工後は外部に露出することがない。
図2は、図1の一方材41と他方材51を連結する過程を示している。一方材41と他方材51の双方に埋設具21が埋め込まれ、さらに固定具15の組み込みにより、寄せ具11は一方材41の上面両端に固定されている。また左右の寄せ具11の間では、接合具31の留置板32が一方材41の凹部42に埋め込まれ、しかも留置板32に差し込んだ釘類39により、接合具31が一方材41に固定されている。他方材51については、凹部52に対向板37が埋め込まれ、釘類39で固定されている。
本発明では、図2に描くように、寄せ具11と接合具31と対向板37を一方材41や他方材51に組み込み、その後、一方材41と他方材51を現地に輸送することができ、現地の作業を簡素化できる。現地では、まず一方材41を据え付け、次に他方材51を吊り上げ、ホゾ33を案内穴38に嵌め込むと、他方材51が安定した状態で据え置かれる。そして寄せ具11の内部に固定具15を配置し、他方材51に埋め込まれた埋設具21を寄せ具11に引き寄せると、他方材51の据え付けが完了する。
図3は、図1の一方材41と他方材51を連結した状態を示す。一方材41と他方材51との境界の両端に寄せ具11が露出しているが、接合具31や対向板37は、一方材41や他方材51に埋め込まれ、全く露出していない。なお本発明において、寄せ具11の形状に制約はなく、一方材41と他方材51の双方に埋め込まれた埋設具21を引き寄せ、引張荷重を伝達できればよい。接合具31についても、一本以上のホゾ33を有するならば、その形状に制約はない。したがって、一方材41と他方材51との境界の延長が増大するならば、それに連れて接合具31や対向板37の延長が増大し、ホゾ33の本数も増える。そのほか埋設具21についても、ラグスクリューに限定されるものではない。
図4は、本発明による連結具を用い、一方材41の上下両方に他方材51を据え付けた構成を示す。図4の一方材41は、水平に敷設される部材を想定しているが、他方材51は直立したCLTであり、上下のCLTを直に連結するのではなく、その間に一方材41が挟み込まれている。そして一方材41については、その上下両面に接合具31を固定してある。対して、上下の他方材51については、その上面または下面の両端に肩部56を加工し、そこに寄せ具11を配置してある。さらに両端の寄せ具11の間には、対向板37を固定してある。なお接合具31や対向板37の配置方法や固定方法は、これまでの各図と同じである。
一方材41に埋め込む埋設具22については、これまでの各図に描いたものとは異なり、図4の左側に描いたようなものを用いている。この埋設具22は、その延長を一方材41の高さと揃えてあり、埋設具22の両端面が寄せ具11と接触する。また埋設具22の中心には、両端を貫く中穴26を設けてあり、そこに固定具16を差し込む。この固定具16は全ネジボルトで、その両端部は埋設具22から突出し、上下の寄せ具11の内部に入り込み、そこにナット17を螺合させる。このナット17を締め付けることで、上下の寄せ具11は、一方材41に引き寄せられる。
図5は、図4と同様、一方材41の上下両方に他方材51を据え付けた構成を示すが、この図の一方材41は水平に伸びる棒材で、他方材51よりも図の右側に突出している。また接合具31と対向板37は、図4と同じ構成だが、寄せ具12についてはシャフトを用いており、接合具31と対向板37を挟み込むように計二本配置してある。寄せ具12は円断面の金属棒で、その側周面には、ドリフトピン19を差し込むための側穴18を設けてある。
寄せ具12は、上下の他方材51を貫くように埋め込む。そのため中間に位置する一方材41には、上下面を貫く埋設穴45を加工してあり、他方材51についても、これと同心で有底の埋設穴55を加工してある。そのほか上下の他方材51の側面には、反対面に貫通するピン穴59を加工してある。ピン穴59は、ドリフトピン19を打ち込むためのもので、その途中で埋設穴55と交差しており、ドリフトピン19を緩みなく保持できる内径に仕上げてある。
図5では、上下の他方材51を貫くように寄せ具12を埋め込んでおり、さらに上下の他方材51にドリフトピン19を打ち込むことで、寄せ具12が内部で固定され、上下の他方材51の間に一方材41が挟み込まれ、一方材41と他方材51の全てが完全に一体化する。なおシャフトを用いた寄せ具12は、比較的単純な構成のため、本数を増やして強度を向上することも容易で、図5のように、左右に一本ずつ配置する場合もあるが、左右に複数本ずつ配置する場合もある。
図6は、接合具31と対向板37と釘類39だけで構成された連結具を用い、一方材41の上面に他方材51を据え付ける場合を示している。木構造において、枠状に組み上げられた骨格の内部に板材を組み込んで補強することがある。この板材は、せん断荷重に対しては強固に対抗する必要があるが、引張荷重に関する対策は、ほとんど不要である。図6は、このような場合を想定したもので、一方材41の上面に他方材51を据え付けており、ここでの一方材41は水平に敷設される床材で、また他方材51は直立する壁材である。
図6の接合具31は、これまでの各図と同様、平面状の留置板32に丸棒状のホゾ33が貫通した構成だが、留置板32を円形としてあり、この留置板32に載る対向板37についても、同一直径の円形としてある。そして留置板32を埋め込むため、一方材41の上面には凹部42を加工してあり、他方材51の下面にも凹部52を加工してあり、留置板32や対向板37は、これらに緩みなく埋め込まれ、さらに釘類39で固定される。なお凹部42、52の中心には、ホゾ穴43、53を加工してある。
一方材41は広大な床材で平面状に展開し、また他方材51は広大な壁材で、必然的に一方材41と他方材51との境界は、細長い矩形状になる。したがって連結具は、図に描くように、境界の長手方向に沿って複数を連続的に配置(図では二箇所に配置)していき、境界の全域でせん断荷重を伝達できるようにする。なお図の左側に描いた連結具は、一方材41や他方材51に埋め込む前の状態で、図の右側に描いた連結具は、一方材41や他方材51に埋め込み、釘類39で固定した状態である。そのほか他方材51の上部は、何らかの手段(図示は省略)で拘束されており、一方材41と他方材51は、自然に密着状態を維持できるため、寄せ具11などは用いていない。
11 寄せ具(箱形金具)
12 寄せ具(シャフト)
14 通し穴
15 固定具(ボルト)
16 固定具(全ネジボルト)
17 ナット
18 側穴
19 ドリフトピン
21 埋設具
22 埋設具
24 頭部
25 メネジ
26 中穴
27 凸条
31 接合具
32 留置板
33 ホゾ
34 釘穴
35 ザグリ
37 対向板
38 案内穴
39 釘類
41 一方材
42 凹部
43 ホゾ穴
45 埋設穴
51 他方材
52 凹部
53 ホゾ穴
55 埋設穴
56 肩部
59 ピン穴

Claims (2)

  1. 隣接する一方材(41)と他方材(51)との境界で用い、
    前記一方材(41)に組み込む接合具(31)と、
    前記接合具(31)と重なるように面接触し且つ前記他方材(51)に組み込む対向板(37)と、
    前記接合具(31)および前記対向板(37)を固定するための釘類(39)と、からなり、
    前記接合具(31)は、前記一方材(41)に設けた凹部(42)に埋め込まれる平面状の留置板(32)と、該留置板(32)の表裏を貫く棒状のホゾ(33)と、で構成され、
    前記対向板(37)は、前記他方材(51)に設けた凹部(52)に埋め込まれる平面状で、且つ該対向板(37)には、前記ホゾ(33)を緩みなく嵌め込むための案内穴(38)を設けてあり、
    前記ホゾ(33)が前記案内穴(38)に嵌まり込むことで、前記一方材(41)と前記他方材(51)との境界に作用するせん断荷重を伝達できることを特徴とする連結具。
  2. 前記接合具(31)および前記対向板(37)を挟み込むように配置する寄せ具(11または12)を用い、該寄せ具(11または12)によって前記一方材(41)と前記他方材(51)を引き寄せることを特徴とする請求項1記載の連結具。
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