JP6915807B2 - 連結具 - Google Patents

連結具 Download PDF

Info

Publication number
JP6915807B2
JP6915807B2 JP2018030205A JP2018030205A JP6915807B2 JP 6915807 B2 JP6915807 B2 JP 6915807B2 JP 2018030205 A JP2018030205 A JP 2018030205A JP 2018030205 A JP2018030205 A JP 2018030205A JP 6915807 B2 JP6915807 B2 JP 6915807B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
connecting shaft
buried
plates
hole
plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018030205A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019143415A (ja
Inventor
大倉 憲峰
憲峰 大倉
義邦 大倉
義邦 大倉
Original Assignee
大倉 憲峰
憲峰 大倉
義邦 大倉
義邦 大倉
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 大倉 憲峰, 憲峰 大倉, 義邦 大倉, 義邦 大倉 filed Critical 大倉 憲峰
Priority to JP2018030205A priority Critical patent/JP6915807B2/ja
Publication of JP2019143415A publication Critical patent/JP2019143415A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6915807B2 publication Critical patent/JP6915807B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、木造建築を始めとする木構造において、CLTなどの部材の据え付けに用いる連結具に関する。
木造建築は、住宅を始めとする小規模な建物を中心に普及してきたが、近年は集成材の製造技術の向上により、大断面の木材を安定して供給できるようになり、集合住宅や公共施設など、より規模の大きな建物についても、木造化が実現できるようになった。集成材には様々な種類が存在するが、その一つとしてCLTが挙げられる。CLTは、直交集成板とも呼ばれ、ラミナと称される板材を積層したものだが、隣接する層の木目方向を直交させることで強度の方向性が打ち消され、しかも相応の厚さを有することから、CLT同士を連結するだけで建物の骨格を完成させることもできる。
CLT同士の連結方法は様々だが、ホゾパイプなどの棒状の金物を用いることが多い。ホゾパイプは、CLTなどの部材同士の境界を跨ぐように埋め込み、その後、部材の表面からホゾパイプに向けてドリフトピンなどを差し込み、ホゾパイプを部材に固定する。ホゾパイプの使用に際しては、あらかじめ部材に穴加工を行う必要があるものの、施工作業が容易であり、しかも施工後は、大半が部材の内部に埋め込まれ、美観や結露対策で優れている。
ホゾパイプに関連する技術の例として、後記の特許文献1が挙げられる。この文献では、接合強度に優れたダボ接合部を有する構造物(框立てドアなど)が開示されており、接合される複数の部材を跨ぐようにダボ穴を形成してあり、そこに棒状のダボを差し込み、さらに、ダボと交差するように係止ピンを差し込み、ダボを部材に固定する。そしてこの技術では、一本の係止ピンを複数本のダボと交差させており、複数本のダボと複数本の係止ピンが格子状に組み上がることで、これらの剛性が向上し、構造物の接合強度も向上する。なおここでのダボは、ホゾパイプと同様の機能を果たし、その素材については、硬質の木材のほか、プラスチックや金属が挙げられている。
そのほか後記の特許文献2では、横架材と柱などを接合する際に用いる構造用金物が開示されている。この金物は、柱などに加工した切割溝に差し込まれる板状部材と、締結具(ボルト)を差し込むための筒体を一体化した構造で、板状部材の中央上部を切り欠いて間隙を設けてあり、この間隙の下に筒体を配置してある。さらに、間隙によって分割された板状部材には、それぞれの区画にピン孔を設けてある。そして横架材と柱を接合する際は、まず横架材の上面からボルトを突出させ、これを筒体に差し込み、ボルトの先端にナットを螺合させ、金物を横架材の上面に固定する。その後、柱の切割溝に金物を差し込み、柱の表面からピン孔に向けてピンを差し込むと、一連の接合作業が完了する。
特開2001−11950号公報 特開平2−157338号公報
CLTは、複数のラミナを貼り合わせた構造で、CLTの厚さ方向に積層されたラミナ同士は、十分な接着が行われている。しかし、CLTの厚さ方向から見て、同一面に並ぶラミナ同士の境界については、製造工程との兼ね合いから十分な接着が行われていない。このラミナ同士の境界は、CLTの表面に一直線に並ぶことはなく、意図的に分散配置されており、通常、強度上の問題を生じることはない。ただしこの境界付近に各種金物を配置した場合、その保持が不十分になり、強度上の問題を生じることがある。
その具体例を図7と図8に示す。図7では、一本のホゾシャフトを用い、上下に並ぶ二枚の壁材を連結することを想定しており、上下の壁材の間には床材が挟み込まれる。壁材については、ラミナを積層させたCLTを用いており、中央の中ラミナを側ラミナで挟み込んだ三層構造で、中ラミナと側ラミナは接着剤で強固に一体化されている。またホゾシャフトは、各部材に加工したホゾ穴に埋め込まれ、さらに、ホゾ穴と交差するようにドリフトピンを差し込むことで、壁材とホゾシャフトを一体化する。そのため壁材の側面には、ホゾ穴と交差するピン穴を加工してあり、ホゾシャフトには側穴を設けてある。
図7下方の壁材の一側面を構成する側ラミナは、一枚だけで構成されている訳ではなく、二枚で構成されており、図中に直線で表れている「境界」は、側ラミナの端面同士が接触している位置である。この二枚の側ラミナは、接着で一体化されている訳ではなく、単に端面同士が接触しているに過ぎない。そのため、この境界付近の側ラミナは、他の領域よりも拘束が緩く、変形を生じやすくなるが、図7では、この境界にピン穴を加工してある。このピン穴は、必然的に内周面が一体化されておらず、境界で二分割されており、ドリフトピンに作用する荷重を十分に受け止めることができない。
図8は、図7の完成状態を示し、上下の壁材がホゾシャフトで引き寄せられ、その間に床板が挟み込まれている。この状態において、上下の壁材を引き離す方向に荷重が作用すると、これがドリフトピンを介して側ラミナに伝達される。ただしドリフトピンは、側ラミナ同士の境界に差し込まれており、荷重が作用すると、早い段階でピン穴が楕円形になり、ドリフトピンに緩みが生じ、連結箇所の強度を維持できなくなる。なお、境界がピン穴の中心を通る場合、荷重が両側で均等に受け止められ、強度上の問題が軽減される。しかし、境界がピン穴の円周近傍をかすめるような場合、ピン穴が変形しやすくなり、強度上の問題が発生しやすい。
このような事態を防ぐため、ピン穴は、ラミナ同士の境界から遠ざけて配置すべきである。しかしCLTに各種穴加工を行う際、都度、ラミナ同士の境界に配慮するならば、余計な手間が増えるほか、CLTの切り出し作業にも影響を与え、歩留まりが低下する恐れもある。そこでラミナ同士の境界を配慮することなく、部材同士を連結できる手段を検討すべきである。なお他の集成材においても、このような未接着箇所が存在する可能性があるほか、無垢材においても、節などによる局地的な脆弱部が存在する。
本発明はこうした実情を基に開発されたもので、CLTを構成するラミナの未接着箇所など、部材中に存在する局地的な脆弱部に起因する強度の低下を回避可能な連結具の提供を目的としている。
前記の課題を解決するための請求項1記載の発明は、一方材と他方材を一体化するために用い、一対の平面状の埋設板と、一対の該埋設板の間を結び且つこれらを一体化する接続軸と、からなり、一対の該埋設板のうち一方は前記一方材に埋め込み、他方は前記他方材に埋め込み、前記接続軸の端部は、前記埋設板の中央部に接触しており、前記埋設板は、棒状の固定具を用いて前記一方材または前記他方材と一体化する構造であり、該埋設板には、該固定具を差し込むための通し穴および中央穴を設けてあり、該通し穴は、前記接続軸を挟み込むように左右両側に配置してあり、さらに該埋設板は、いずれもその中央部が突出した凸字形であり、この突出した部位を含む該埋設板の中央部には、複数の前記中央穴が前記接続軸の長手方向に沿って並んでおり、また一対の該埋設板は、その中央部の突出した部位が互いに離反するように配置してあり、前記接続軸の両端部には、前記埋設板を差し込むため、軸線方向に伸びる係合溝を設けてあり、該接続軸の側周面には、該係合溝と交差する側穴を設けてあり、該側穴と前記中央穴を貫くように前記固定具を差し込むことで、該埋設板と該接続軸を一体化することを特徴とする連結具である。
本発明による連結具は、木造建築を始めとする木構造において、一方材および他方材と称する部材を一体化するために用いる。ここで一方材および他方材は、連結される二部材を区別するため、便宜上付した名称であり、いずれもCLTなどの集成材を想定しているが、無垢材でも構わない。また、一方材や他方材は、柱や梁など、特定の用途に限定されるものではなく、あらゆる箇所で使用可能である。そのほか一方材と他方材は、単純に面接触する場合もあるが、一方材と他方材との間に他の部材が入り込み、これを一方材と他方材で挟み込む場合もある。
連結具は、一対の埋設板と、この一対の埋設板の間を結ぶ一本の接続軸と、で構成される。そして埋設板は平面状の金属板で、一対のうちの一方は、一方材の内部に埋め込まれ、一対のうちの他方は、他方材の内部に埋め込まれ、双方が直に接触することはない。また埋設板の具体的な形状は自在だが、本発明では接続軸の軸線方向に対し、横方向に広がるようにする必要がある。なお埋設板を埋め込むため、一方材と他方材には、あらかじめスリットを加工しておく。
接続軸は、離れて配置される一対の埋設板の間を結ぶ棒状のもので、接続軸を介して一対の埋設板が一体化される。また接続軸の端部は、埋設板の中央部に接触させる。したがって接続軸は、埋設板の中央線と同心に揃う。なお埋設板と接続軸を一体化する方法は、様々なものを選択可能で、施工前の段階で双方を一体化することもあれば、施工に伴って双方を一体化することもある。
埋設板は、ドリフトピンやボルトなど、棒状の固定具を用いて一方材または他方材に固定する。そのため埋設板には、固定具を差し込むための通し穴を設ける。そして本発明では、通し穴が単に一列に並ぶのではなく、接続軸を挟み込むように左右両側に配置し、固定具の差し込み位置を広範囲に分散させることを特徴としている。当然ながら、通し穴の本数を増やすことで、一本の固定具に作用する荷重が軽減し、強度上の問題を生じにくくなるが、その分、埋設板が大形化する。
このように、一対の埋設板と一本の接続軸で連結具を構成し、埋設板には、接続軸を挟み込むように左右両側に通し穴を配置することで、固定具の差し込み位置を広範囲に分散させることができる。その結果、一部の固定具が脆弱部に差し込まれたとしても、残りの固定具がこれを補い、一式の連結具においては、強度上の問題を解消できる。
そのほか本発明による連結具は、一対の埋設板の間を接続軸で結ぶ構造で、連結具に作用する引張荷重は、接続軸だけで伝達される。そこで接続軸の長さや太さを調整することで、接続軸に適度な弾塑性変形を生じさせることも容易で、地震などで過大な荷重が作用した際、部材に作用する衝撃を緩和することもできる。
加えて接続軸の両端部には、埋設板を差し込むため、軸線方向に伸びる係合溝を設けてあり、固定具の差し込みによって埋設板と接続軸を一体化する。ここでの接続軸は丸棒状で、その両端部から、軸線方向に伸びる係合溝を設け、そこに埋設板を差し込む。当然ながら、係合溝に埋設板を差し込んだだけでは、双方は容易に分離するため、これらを固定具で一体化する。
固定具は、前記のように、一方材または他方材に埋設板を固定するために用い、さらに固定具を接続軸にも差し込むことで、埋設板と接続軸を一体化する。そのため接続軸には、その側周面を貫く側穴を設けるほか、埋設板の中央には、側穴と連通する穴を設ける。当然ながら、埋設板と接続軸を一体化する固定具は、一方材または他方材の表面から差し込まれるため、これらが全て一体化されることになる。
このように、固定具の差し込みによって埋設板と接続軸を一体化することで、埋設板と接続軸の双方の形状が複雑化することがなく、これらの製造時、溶接などの手間の掛かる作業も不要である。また必然的に固定具の使用本数が増えるため、埋設板が一方材や他方材と強固に一体化され、強度の面でも有利である。
請求項1記載の発明のように、一対の埋設板と一本の接続軸で連結具を構成し、埋設板には、接続軸を挟み込むように左右両側に通し穴を配置することで、固定具の差し込み位置を広範囲に分散することができる。その結果、仮に一部の固定具が脆弱部に差し込まれたとしても、残りの固定具がこれを補い、一式の連結具においては、強度上の問題を解消できる。したがって、本発明による連結具を用いてCLTの据え付けを行う場合、固定具の差し込み位置をラミナ同士の境界から遠ざけるといった配慮が不要で、施工に先立つ手間が増えることがない。また、CLTの切り出し作業に影響を与えることもなく、歩留まりの低下も生じない。
本発明による連結具は、CLTでの使用を想定したものだが、CLT以外の集成材においても、接着が不十分で局地的な脆弱部が存在する可能性があるほか、無垢材においても、節などによる局地的な脆弱部が存在し、このような部材の使用に際しては、十分な余裕を見込む必要がある。しかし本発明では、固定具を広範囲に分散配置することから、局地的な脆弱部に起因する強度の低下を回避できるほか、個々の固定具に作用する荷重を軽減できるため、安定した連結を実現できる。
そのほか本発明による連結具は、一対の埋設板の間を接続軸で結ぶ構造で、連結具に作用する引張荷重は、接続軸だけで伝達される。そこで接続軸の長さや太さを調整することで、接続軸に適度な弾塑性変形を生じさせることも容易で、地震などで過大な荷重が作用した際、部材に作用する衝撃を緩和することもできる。
さらに接続軸の両端部には、埋設板を差し込むための係合溝を設け、固定具の差し込みによって埋設板と接続軸を一体化することで、埋設板と接続軸の双方の形状が複雑化することがなく、これらの製造時、溶接などの手間の掛かる作業も不要である。また必然的に固定具の使用本数が増えるため、埋設板が一方材や他方材と強固に一体化され、強度の面でも有利である。
本発明による連結具の形状例と使用状態例を示す斜視図で、この連結具は、一方材と他方材を一体化するために用いられ、上下二枚で一対となる埋設板と、この一対の埋設板の間を結ぶ接続軸と、で構成される。 図1の一方材と他方材を連結する過程を示す斜視図で、一方材には埋設板と接続軸を取り付けてあり、他方材には埋設板だけを取り付けてある。 図1の一方材と他方材が一体化した状態を示す斜視図である。 図1とは異なる連結具の形状例を示す斜視図で、接続軸として全ネジボルトを用いており、螺合によって埋設板と接続軸が一体化している。 図4の一方材と他方材が一体化した状態を示す斜視図である。 図1および図4に描いた連結具の単体形状を示す斜視図で、図の上方には図1の連結具を描いてあり、図の下方には図4の連結具を描いている。 本発明が解決しようとする課題を示す斜視図で、一本のホゾシャフトを用い、上下に並ぶ二枚の壁材を連結することを想定しており、上下の壁材の間には床材が挟み込まれる。 図7の完成状態を示す斜視図で、ドリフトピンは、側ラミナ同士の境界に差し込まれており、引張荷重が作用するとピン穴が変形する恐れがある。
図1は、本発明による連結具の形状例と使用状態例を示し、この連結具は、一方材51と他方材61を一体化するために用いられ、上下二枚で一対となる埋設板11、12と、この一対の埋設板11、12の間を結ぶ接続軸21と、で構成される。ただし図1では、一方材51と他方材61との間に板状の中間材71が挟み込まれ、一方材51と他方材61が直に接触することはない。また一方材51や他方材61には、左右の側ラミナ53、63の間に中ラミナ52、62が挟み込まれた三層のCLTを用いており、その一部表面には木目を描いてあり、側ラミナ53、63と中ラミナ52、62は、木目方向がほぼ直交している。
連結具を構成する埋設板11、12は、金属板を凸字形に切り出し、そこに通し穴15と中央穴16を設けたもので、上下二枚とも同一形状だが、この二枚は線対称形に配置する。さらに埋設板11、12は、一方材51と他方材61のそれぞれに加工したスリット58、68に差し込む。スリット58、68は、中間材71との接触面から奥方に伸び、埋設板11、12の全体を収容可能な深さを確保してある。なお当然ながら、図の下方の埋設板11は、一方材51のスリット58に差し込まれ、図の上方の埋設板12は、他方材61のスリット68に差し込まれる。
接続軸21は、一対の埋設板11、12を一体化するために用いる金属製の丸棒で、その上下には、埋設板11、12を収容するための係合溝25を設けてある。係合溝25は、接続軸21の横断面の中央を通るように設けてあり、埋設板11、12の全体を収容可能な深さを確保してある。また接続軸21は、中間材71を通り抜け、一方材51と他方材61との間を結ぶように配置する。そのため中間材71には、接続軸21を緩みなく差し込み可能な丸穴77を加工してあり、一方材51と他方材61についても、これと同心で丸穴57、67を加工してある。なお中間材71については、丸穴77の中心を通る線で切断した状態で描いてある。
一方材51や他方材61のスリット58、68に差し込まれた埋設板11、12は、固定具40で一方材51や他方材61に固定される。この固定具40はドリフトピンであり、一方材51や他方材61の側面から埋設板11、12に向けて固定具40を差し込むことで、双方を一体化する。なお固定具40を差し込むため、一方材51や他方材61の側面には、スリット58、68と交差するピン穴55、65を加工してあり、埋設板11、12には通し穴15を設けてある。当然ながらピン穴55、65は、通し穴15と連通するように加工してあり、ピン穴55、65に差し込まれた固定具40は、摩擦で保持される。
このように固定具40は、埋設板11、12を一方材51や他方材61に固定する役割を有するが、ここでは、埋設板11、12と接続軸21を一体化する役割も有する。埋設板11、12の中央には、上下に並ぶ四個の中央穴16を設けてあり、接続軸21についても、中央穴16と連通する側穴26を設けてある。側穴26は、係合溝25と交差して反対側に貫いており、接続軸21の上下いずれとも、四個が並んでいる。
中央穴16や側穴26に対応し、一方材51と他方材61については、これらと連通するピン穴56、66を加工してある。このピン穴56、66は、いずれも上下に四個が並び、丸穴57、67と交差して反対面に到達する。またこのピン穴56、66の両側には、三個ずつピン穴55、65を配置してある。
図1の一方材51および他方材61の側ラミナ53、63は、一側面が一枚で構成されている訳ではなく、二枚が隣接しており、双方の境界54、64が線状に露出している。この境界54、64については、隣接する二枚の側ラミナ53、63が十分に接着されておらず、局地的に変形を生じやすくなる。しかし図1では、複数のピン穴55、65のうち、一番右側のものが境界54、64に位置している。
図2は、図1の一方材51と他方材61を連結する過程を示しており、一方材51には埋設板11と接続軸21を取り付けてあり、他方材61には、埋設板12だけを取り付けてある。一方材51については、計十本の固定具40が差し込まれており、そのうち中央で上下に並ぶ四本は、一方材51と接続軸21と埋設板11を一括して貫き、これらを一体化している。また、中央に差し込まれた固定具40を挟み込むように、左右それぞれに三本の固定具40が差し込まれており、これらは一方材51と埋設板11を貫いている。
上方の他方材61については、左右それぞれに三本の固定具40が差し込まれ、埋設板12が他方材61に固定されている。その後、一方材51の上面に中間材71を配置し、一方材51から突出する接続軸21を中間材71の丸穴77に差し込み、中間材71を一方材51の上面に載せる。次に、接続軸21を他方材61の丸穴67に差し込むと、一方材51と他方材61との間に中間材71が挟み込まれ、最後に、他方材61のピン穴66に固定具40を差し込むと、中間材71を挟んで一方材51と他方材61が一体化する。
図3は、図1の一方材51と他方材61が一体化した状態を示す。この図に描くように、一方材51と他方材61のいずれも、計十本の固定具40が差し込まれ、埋設板11、12と接続軸21を介して一方材51と他方材61が一体化している。また固定具40は、接続軸21を挟み込むように左右に分散して配置してある。図の一番右側の固定具40は、側ラミナ53、63同士の境界54、64に位置しているが、他の固定具40はこの境界54、64から離れており、その影響を受けることなく荷重を受け止め、一方材51と他方材61との連結を健全な状態で維持できる。
図4は、図1とは異なる連結具の形状例を示し、この連結具も一方材51と他方材61を一体化するために用いられるが、接続軸22として全ネジボルトを用いており、螺合によって埋設板13、14と接続軸22が一体化している。したがって接続軸22の両端部には、オネジ27が形成されている。また埋設板13、14は、単純な平面状ではなく、接続軸22との螺合を考慮した形状としてあり、下方の埋設板13の上部中央には、メネジ19を形成したソケット17を一体化してある。対して、上方の埋設板14の下部中央には、接続軸22を差し込むためのリング18を設けてある。そのほかこの図でも、一方材51と他方材61が直に接触することはなく、その間に中間材71が挟み込まれる。
下方の埋設板13については、ソケット17のメネジ19との螺合で接続軸22と一体化する。対して、上方の埋設板14については、接続軸22の上部をリング18の中から突出させ、そこにナット29を螺合させて接続軸22と一体化する。この構造では、施工途中でナット29を螺合させ、一対の埋設板13、14を一体化する。また個々の埋設板13、14には、五個の通し穴15を設けてある。
一方材51の上面と他方材61の下面には、埋設板13、14を収容するスリット58、68を加工してあるほか、ソケット17やリング18を収容するため、スリット58、68の入口中央には丸穴57、67を加工してある。そして一方材51と他方材61の側面には、埋設板13、14を貫く固定具40を差し込むため、それぞれ五個のピン穴55、65を加工してある。なお図の一番右側のピン穴55、65は、側ラミナ53、63同士の境界54、64に位置している。そのほか、中間材71に接続軸22を通すための丸穴77は、接続軸22を余裕で通すことのできる内径としてあり、接続軸22の変形を許容している。
図5は、図4の一方材51と他方材61が一体化した状態を示す。この図に描くように、一方材51と他方材61のいずれも、五本の固定具40が差し込まれており、しかも固定具40は、接続軸22を挟み込むように左右に分散して配置してある。図の一番右側の固定具40は、側ラミナ53、63同士の境界54、64に位置しているが、他の固定具40はこの境界54、64から離れており、その影響を受けることなく荷重を受け止め、一方材51と他方材61との連結を維持できる。
図6は、図1および図4に描いた連結具の単体形状を示している。図6の上方に描いた図1の連結具は、埋設板11、12の中央部を接続軸21の係合溝25に差し込んだ後、接続軸21の側穴26と埋設板11、12の中央穴16を貫くように固定具40を差し込むことで、双方が一体化される。なお埋設板11、12と接続軸21が一体化すると、接続軸21の両側面から埋設板11、12が突出する形状になり、上下に離れて配置される一対の埋設板11、12の間を接続軸21が結んでいる。
図6の下方に描いた図4の連結具は、全ネジボルトを用いた接続軸22を介して二枚の埋設板13、14を一体化しており、下方の埋設板13には、接続軸22のオネジ27との螺合のため、メネジ19を形成したソケット17を一体化してあり、上方の埋設板14には、接続軸22を差し込むためのリング18を一体化してあり、リング18の中から突出した接続軸22にナット29を螺合することで、埋設板14が取り付けられる。ここでの接続軸22は、必然的に小径となりやすく、過大な引張荷重が作用した際は、図の右下に描くように、弾塑性変形を生じさせることも容易である。この弾塑性変形を意図的に生じさせることで、地震などによる衝撃を緩和させ、部材の破損を防ぐこともできる。
11 埋設板(凸字形・一方材に埋め込むもの)
12 埋設板(凸字形・他方材に埋め込むもの)
13 埋設板(ソケットを一体化・一方材に埋め込むもの)
14 埋設板(リングを一体化・他方材に埋め込むもの)
15 通し穴
16 中央穴
17 ソケット
18 リング
19 メネジ
21 接続軸(係合溝のあるもの)
22 接続軸(両端部にオネジを形成したもの)
25 係合溝
26 側穴
27 オネジ
29 ナット
40 固定具(ドリフトピン)
51 一方材
52 中ラミナ
53 側ラミナ
54 境界
55 ピン穴(通し穴と連通するもの)
56 ピン穴(中央穴および側穴と連通するもの)
57 丸穴
58 スリット
61 他方材
62 中ラミナ
63 側ラミナ
64 境界
65 ピン穴(通し穴と連通するもの)
66 ピン穴(中央穴および側穴と連通するもの)
67 丸穴
68 スリット
71 中間材
77 丸穴

Claims (1)

  1. 一方材(51)と他方材(61)を一体化するために用い、
    一対の平面状の埋設板(11、12)と、一対の該埋設板(11、12)の間を結び且つこれらを一体化する接続軸(21)と、からなり、一対の該埋設板(11、12)のうち一方は前記一方材(51)に埋め込み、他方は前記他方材(61)に埋め込み、
    前記接続軸(21)の端部は、前記埋設板(11、12)の中央部に接触しており、
    前記埋設板(11、12)は、棒状の固定具(40)を用いて前記一方材(51)または前記他方材(61)と一体化する構造であり、該埋設板(11、12)には、該固定具(40)を差し込むための通し穴(15)および中央穴(16)を設けてあり、該通し穴(15)は、前記接続軸(21)を挟み込むように左右両側に配置してあり、
    さらに該埋設板(11、12)は、いずれもその中央部が突出した凸字形であり、この突出した部位を含む該埋設板(11、12)の中央部には、複数の前記中央穴(16)が前記接続軸(21)の長手方向に沿って並んでおり、また一対の該埋設板(11、12)は、その中央部の突出した部位が互いに離反するように配置してあり、
    前記接続軸(21)の両端部には、前記埋設板(11、12)を差し込むため、軸線方向に伸びる係合溝(25)を設けてあり、該接続軸(21)の側周面には、該係合溝(25)と交差する側穴(26)を設けてあり、該側穴(26)と前記中央穴(16)を貫くように前記固定具(40)を差し込むことで、該埋設板(11、12)と該接続軸(21)を一体化することを特徴とする連結具。
JP2018030205A 2018-02-22 2018-02-22 連結具 Active JP6915807B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018030205A JP6915807B2 (ja) 2018-02-22 2018-02-22 連結具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018030205A JP6915807B2 (ja) 2018-02-22 2018-02-22 連結具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019143415A JP2019143415A (ja) 2019-08-29
JP6915807B2 true JP6915807B2 (ja) 2021-08-04

Family

ID=67771042

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018030205A Active JP6915807B2 (ja) 2018-02-22 2018-02-22 連結具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6915807B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002356917A (ja) * 2001-05-30 2002-12-13 Sekisui House Ltd 木造軸組用の接合金物及びこれを用いた接合構造
EP2228550B1 (en) * 2009-03-13 2012-09-05 Toshiyuki Kato Tenon joint
JP6214022B1 (ja) * 2017-03-17 2017-10-18 株式会社エヌ・シー・エヌ 接合金具セット、同接合金具セットを使用した木造建築物の構造躯体の接合構造及び木造建築物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019143415A (ja) 2019-08-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9890532B2 (en) Structural component
JP6202465B2 (ja) 木質部材の接合構造
JP7244595B2 (ja) 木質耐震壁
WO2015068710A1 (ja) 連結構造
JP4628212B2 (ja) 締結具
JP7270879B2 (ja) 予めプレスされた板を含む建築要素の製造方法
KR101598761B1 (ko) 각관 삽입식 암수 결합구를 이용한 집성 원목 결합체
JP6915807B2 (ja) 連結具
US11391043B2 (en) Modular system and kit for the dry building of structures for constructions, as well as a building method thereof
JP6649922B2 (ja) 接合金具セット、同接合金具セットを使用した木造建築物の構造躯体の接合構造及び木造建築物
JP6241097B2 (ja) 木質構造部材、木質構造部材の接合構造及びその施工方法
JP6928351B2 (ja) 連結構造
JP7018207B2 (ja) 連結構造
KR20190082344A (ko) 조립식 파이프 결합구조
JP6506038B2 (ja) 連結構造
JP6808197B2 (ja) 連結具
JP6972803B2 (ja) 接合構造及び面構造の施工方法
KR102017419B1 (ko) 각관을 원터치 방식의 연결관으로 연결하는 집성 원목 결합체
JP7010486B2 (ja) 耐力壁及び水平構面
JP2015182354A (ja) 建築用重ね合わせパネル、建築物の構造体及び建築用重ね合わせパネルの製造方法
JP6532144B2 (ja) 柱の接合構造
JP3180415U (ja) 角材の組立構造
JP3895696B2 (ja) 建築用連結パネルと建築構造
KR102512134B1 (ko) 조립식 트러스
JP2019108687A (ja) 連結具

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191126

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201021

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201110

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210108

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210622

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210706

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6915807

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150