JPH1031090A - 原子炉出力制御装置 - Google Patents

原子炉出力制御装置

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JPH1031090A
JPH1031090A JP8185027A JP18502796A JPH1031090A JP H1031090 A JPH1031090 A JP H1031090A JP 8185027 A JP8185027 A JP 8185027A JP 18502796 A JP18502796 A JP 18502796A JP H1031090 A JPH1031090 A JP H1031090A
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Yoshiyuki Miyamoto
義之 宮本
Shoji Tanigawa
尚司 谷川
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 投入反応度に非線形性を有する制御棒を操作
して原子炉を起動する時においても、制御目標値に対し
て追従性の良い制御を行う。 【解決手段】 原子炉起動時の昇温昇圧過程等で、目標
温度変化率設定8に対する変化率制限器9出力と温度変
化率の進み補償機能12の出力の偏差を比例積分演算1
3により目標中性子束レベルを算出する。この目標中性
子束レベルと現在の中性子束の対数変換器14出力との
偏差により制御棒を操作する場合に、比例積分演算13
出力と中性子束の対数変換器出力14との偏差が規定値
以上となったとき、積分器演算を制限して積分演算を行
わないようにする。これにより、非線形性を有する制御
棒に適切な動作指令信号を出力することが可能となり、
制御パラメ−タの目標値オ−バ−シュ−トが小さくな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は原子力発電プラント
を起動する時に制御棒を自動的に制御して出力を制御す
る原子炉出力制御装置に係り、特に、制御系に与える制
御信号を積分処理を行って求める制御モードに好適な原
子炉出力制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】改良型沸騰水型原子力発電プラントの起
動時の出力上昇は、起動開始→臨界→定格圧力到達→発
電機併入→定格出力到達の手順で進められる。このう
ち、従来技術を、原子炉臨界から定格圧力到達までの間
の昇温昇圧過程で説明する。この過程における制御で
は、タ−ビンバイパス弁と加減弁を閉じ、原子炉から蒸
気が流失しない状態のもとで、炉心に挿入されていた制
御棒を引き抜き、原子炉を昇温昇圧する。
【0003】昇温昇圧過程での主な運転制限事項は下記
の2点である。 (i) 制御棒引き抜き時に中性子束の急激な上昇によりス
クラム等の原子炉保護機能が作動しない様炉周期(中性
子束がe=2.71倍となるまでの時間)を一定値以下
に保つ。
【0004】(ii)原子炉を構成する各部材に熱的衝撃を
与えぬよう炉水の温度変化率を制限値(例えば55℃/h)
以下に保つ。
【0005】後者の(ii)の方が条件としては厳しいの
で、一般的には、制限値以下の温度変化率を目標値とし
て設定し、温度変化率が目標値となるよう制御棒を操作
する。なお、ここで言う炉水温度とは必ずしも炉心内で
の冷却材の温度を意味しない。一般の沸騰水型原子炉で
は、炉心内の炉水温度を直接測定していないため、原子
炉圧力容器から引き出した配管内で測定した冷却材の温
度を炉水温度と呼んでいる。このため、炉心内での冷却
材の温度と炉水温度測定値との間には、時間遅れがあ
る。
【0006】起動時における運転員の従来の制御棒操作
手順を以下に示す。まず、未臨界の原子炉から制御棒を
徐々に引き抜いて、原子炉周期が100秒〜200秒程度の超
過臨界の状態にもっていく。ここまでの過程を臨界過程
と呼び、その後、原子炉を定格圧力まで昇圧する昇温昇
圧過程が始まる。昇温昇圧過程の初期には、炉水温度が
上昇を開始して炉心に負の反応度が印加されるまでは、
前記炉心周期を保って中性子が上昇する。運転員は過去
の運転実績から炉水の温度変化率が目標値付近となる中
性子束レベルの目安をもっており、ある程度中性子束値
が上昇したところで、今後、前記目安を超えそうな場合
は制御棒を挿入し、目安を大きく下回りそうな場合には
制御棒を引き抜く。
【0007】炉水温度が上昇すると中性子束の上昇が止
まり減少に転じる。炉水温度変化率測定値も、前記時間
遅れを経た後、同様に上昇から減少に転じる。この時、
温度変化率測定値が目標値に達しないときは再度制御棒
を引き抜き、温度変化率の上昇を待つ。以上の操作を繰
り返して、一旦測定温度変化率が目標値に達した以後
は、温度変化率目標値より温度変化率測定値が約10℃/h
下回るのを待って、炉周期が十分長いことを確認後、制
御棒を少量引き抜く。この操作を繰り返して炉水の温度
変化率を一定値に保つ。
【0008】運転員による上記の制御棒操作は、効率良
く昇温昇圧するためには熟練を要する上、操作回数が多
いため時間もかかり、負担が大きい。このため、いくつ
かの自動操作方法が従来から提案されている。その第1
の従来方法では、炉水温度変化率の測定値をみながら、
目標とする温度変化率との偏差に対して比例積分演算を
行い、その結果に基づいて制御棒を操作している。ま
た、第2の従来方法(特公平3−81693公報記載)
では、昇温昇圧過程において、目標温度変化率と現在の
温度変化率とから制御目標値を演算し、制御棒動作のタ
イミングを決定している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】制御棒の反応度は、同
じ引抜量でも反応度の大きな領域と小さな領域を持つい
わゆる非線形性を有する。さらに、中性子束は、制御棒
操作により直ちに変化するが、炉水温度変化率の変化が
測定されるまでには、燃料棒から炉心内での冷却材への
伝熱時間や、炉心から温度測定点までの流動時間、熱電
対の熱容量などの計測器の遅れ時間、さらに温度から温
度変化率を算出するための時間平均操作による遅れ時間
を生じ、この遅れ時間は数分のオ−ダになる。このた
め、第1の従来方法の様に、炉水温度変化率の目標値と
測定値の偏差に基づいて制御棒を操作した場合、積分器
演算での制御棒反応度の小さい領域での偏差の蓄積、お
よび、温度検出の時間遅れから、目標とする炉水温度変
化率に保つことが難しい。
【0010】また、第2の従来方法では、制御目標値が
一定であるため、制御棒反応度の小さい領域では炉水温
度変化率が目標値に追従できず、目標中性子束を演算す
る積分器に偏差が溜まることになる。その結果、制御棒
反応度の大きい領域に移行したとき、過剰な反応度が印
加されてしまい、炉水温度変化率が55℃/h以上になる
可能性がある。
【0011】本発明の目的は、投入反応度に非線形性が
あっても、制御パラメータを目標値に良好に追従させる
ことができ目標値のオーバーシュートを抑制することが
できる原子炉出力制御装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的は、検出値から
求めた制御パラメータの値と目標値との偏差を比例積分
して生成した制御信号に基づき制御棒の引抜量を制御す
る原子炉出力制御において、前記偏差が規定値を下回る
ときは前記比例積分の処理を行って前記制御信号を生成
し、前記偏差が規定値以上になったとき前記積分の時間
を大きくして該積分の処理結果の増大を小さくして前記
制御信号を生成することで、達成される。
【0013】上記目的はまた、前記偏差が規定値を下回
るときは前記比例積分の処理を行って前記制御信号を生
成し、前記偏差が規定値以上になったとき前記積分の処
理を停止して前記制御信号を生成することで、達成され
る。
【0014】上記目的は、好適には、前記目標値は目標
変化率として設定され、前記制御パラメータの値も変化
率として前記検出値から求める。
【0015】上記目的は、好適には、制御開始から所定
時間後に目標変化率となるように制限を設ける。
【0016】上記目的は、好適には、制御パラメ−タの
値に時間遅れがあるときは制御パラメ−タの値の変化か
ら所定時間後の値を予測して制御信号を生成する。
【0017】上記目的は、好適には、比例積分の処理で
比例ゲインおよび/または積分時間を偏差の量に応じて
可変とする。
【0018】積分出力を制限することにより、制御棒反
応度の非線形特性によらず制御パラメ−タの目標値オ−
バ−シュ−トを抑制でき、制御目標値に追従した制御が
可能となる。
【0019】また、制御棒動作による出力制御中におい
て、比例積分結果の制御目標値変化特性と制御パラメ−
タ変化特性に時間遅れがある場合、制御棒動作のハンチ
ング(挿入/引抜の繰り返し)を招いたり、例えば温度
測定値にゆらぎがあるためそのまま制御に使用すると制
御棒動作がハンチングする虞があるが、過去の変化特性
から規定時間先の温度変化率を予測する機能(温度変化
率進み補償機能)を設けることで、これらの不具合を回
避できる。
【0020】更に、制御開始当初は制御パラメ−タは制
御目標値との間に差がありこの状態で制御目標値がパル
ス的に設定されると制御棒過引き抜きとなって目標値を
オ−バ−シュ−トするが、変化率を制限することで、こ
のオーバーシュートを抑制できる。
【0021】更にまた、比例/積分のゲインを可変とす
ることで、目標温度変化率への追従性のよい制御が可能
となる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に
係る原子炉出力制御装置の構成図である。図1におい
て、原子炉出力制御装置1は、中性子検出器4に接続さ
れた中性子束モニタ6から取り込んだ中性子束レベルを
対数化する対数変換器14と、温度計(熱電対)5を有
する温度検出器7から取り込んだ炉水温度の変化率を算
出する温度変化率演算器10と、炉水温度変化率のゆら
ぎを除去するための最小自乗演算器11と、炉水温度の
進み補償機能12と、目標とする炉水温度変化率を入力
するための目標炉水温度変化率設定器8と、目標温度変
化率の設定を徐々に上昇させる変化率制限器9と、目標
とする炉水温度変化率を与える中性子束を算出する比例
積分器13と、中性子束目標値と現在の中性子束との偏
差により制御棒操作を判定する制御棒動作判定回路16
と、偏差値より積分器制限信号を出力する比較回路(積
分制限手段)15と、原子炉圧力を検出する圧力計22
の信号と目標原子炉圧力を設定する目標原子炉圧力設定
器19との偏差が規定値以下となることを判定し制御停
止指令を出力する比較器20とから構成されている。
【0023】次に、臨界到達後から昇温昇圧制御におけ
る原子炉出力制御装置の制御動作を説明する。まず、炉
心が臨界に達した後、図1の原子炉出力制御装置1が自
動的あるいは運転員指令により起動する。格納容器21
に設置された中性子束検出器4の出力信号と、原子炉配
管内に設置された熱伝対5から出力された炉水温度信号
は、夫々、中性子束モニタ6と温度検出器7に入力され
る。中性子束検出器4の検出信号は、中性子束モニタ6
で中性子束レベルに換算され、熱電対5による炉水温度
の検出信号は、温度検出器7で温度信号に換算される。
【0024】昇温昇圧制御の開始時点では、まず、目標
原子炉圧力設定器19にて、目標原子炉圧力設定、及
び、目標炉水温度変化率設定器8にて目標炉水温度変化
率の設定を行う。
【0025】目標炉水温度変化率は、変化率制限器9に
より規定のレ−トで変化率が徐々に上昇していく。炉水
温度変化率演算器10の出力は、実機特性では揺らぎが
あり、この値をそのまま制御に使用した場合、制御棒動
作が引抜/挿入を繰り返す可能性がある。これを防ぐた
め、最小自乗演算器11によりある規定時間の最小自乗
演算を行い、平均化した炉水温度変化率を求める。ま
た、熱電対5には、検出器時定数がある他、制御棒2の
引き抜きによって炉内の温度が上昇するまでの間に更に
炉心部の温度が上昇し、その温度上昇した炉水が熱電対
5の位置に到達して温度が検出されるまで時間がかかる
ため、進み補償機能12にてある時間先の炉水温度を予
測する。
【0026】変化率制限器9の出力と、進み補償機能1
2の出力との間に偏差がある場合には、その偏差量を0
とする様に制御棒を動作させなければならない。その制
御棒動作量を決定するための演算を次に説明する。変化
率制限器9と進み補償機能12の偏差は、比例積分回路
13により、目標の中性子束レベルに換算される。この
理由は、中性子束レベルと温度変化率とはほぼ比例関係
にあるためである。このため、比例積分器13により算
出された目標中性子束レベルは、中性子束モニタ6の出
力から対数変換した中性子束レベルと比較される。ここ
で、中性子束モニタ6出力を対数変換器14により対数
化する理由は、中性子束モニタ6出力は昇温昇圧制御過
程において100倍程度変化するものであり、幅の広い
変化を制御しやすいような値に変換するためである。
【0027】比例積分器13の出力と中性子束の対数変
換器14の出力との偏差は、制御棒動作判定回路16に
入力され、この偏差が規定値以上の場合に、制御棒の引
抜指令(または挿入指令)18が出力される。この引抜
/挿入指令は、制御棒操作系に入力され、図示しない制
御棒駆動モ−タ3が駆動することにより、制御棒2が動
作する。
【0028】また、比例積分器13出力と中性子束lo
g演算出力との偏差は、比較回路15に入力される。こ
の比較回路15で規定値以上の偏差が検出されたとき、
比例積分器13の積分器演算が制限される。
【0029】次に、上記で説明した機能の詳細と効果を
説明する。制御棒は、炉心の中央部に設置されたものを
引き抜くと、投入反応度が大きく、炉内の燃料の核分裂
が進んで炉水温度が上昇する。これに対し、炉心の中央
部から離れた外周部に設置されたものを引き抜くと、投
入反応度が小さく、炉内燃料の核分裂は進まずに炉水温
度の上昇は小さい。炉心中央部の制御棒を引き抜くか、
外周部の制御棒を引き抜くかの順序は、原子炉起動時に
決定する制御棒引き抜きシ−ケンスで決定されるが、上
述したように制御棒の投入反応度に違いがあるため、例
えば昇温昇圧制御で投入反応度の小さい炉心外周部の制
御棒を動作させる状態では、図2(a)のように、目標
温度変化率(実線)の上昇に対して実際の温度変化率
(破線)が追従しない現象が生じる。
【0030】目標温度変化率と実際の炉水温度変化率と
の偏差が大の状態でこの偏差を比例積分回路13(図
1)に入力し続けると、積分出力の演算は増加し続け
る。このときに、前記制御棒引き抜きシ−ケンスに従っ
た制御棒の動作が炉心中央部の反応度投入の大きい箇所
に移行しても、制御棒引き抜きにもかかわらず蓄積され
た積分器の値が小さくならないため、過度に制御棒を引
き抜いてしまい、温度変化率が目標値をオ−バ−シュ−
トしてしまう可能性がある。そこで本実施形態では、こ
のオーバーシュートを防止するため、比例積分器13と
中性子束レベルの対数演算出力との偏差が規定値以上に
なった場合には、積分器出力を制限する。即ち、図2
(b)において、時刻t2まで徐々に積分器出力が増大
してこの時刻t2の時点で比較回路15の積分器制限
(偏差≧規定値)の条件が成立したとき、積分器出力を
一定値に保つという制限を実行する。そして、制御棒反
応度が大きい領域に移行し、目標の炉水温度変化率と現
在の温度変化率の偏差が小さくなった時点t3で、この
制限を除外して通常の積分演算を行う。
【0031】尚、積分器制限を行う条件としては、前記
条件の他、目標炉水温度変化率と現在の炉水温度変化率
の偏差量でも可能である。また、積分器の積分制限の方
法としては、積分器出力を一定に保持する代わりに、積
分制限条件が成立したときに積分時間を大きくとって積
分器出力の上昇を小さくなるようにしてもよい。
【0032】積分器を制限する技術は、昇温昇圧過程に
のみ有効な技術ではなく、その他の原子力プラントの制
御棒による起動制御(例えば、発電機出力制御過程)に
おいても同様に適用が可能である。即ち、目標パラメ−
タに対してフィ−ドバックパラメ−タが追従しない場合
は、制御棒反応度の小さい領域と判断して積分制限を実
施することにより、目標値のオ−バ−シュ−トを低減で
きる。
【0033】次に、温度変化率の制限機能について説明
する。目標温度変化率は、通常運転では、10℃/h〜40
℃/hの間で設定される。一方、制御開始時の温度変化
率はほぼ0℃/hであり、もし、目標温度変化率を40℃
/hと設定し、この値が目標値として制御に使用される
と、制御には目標温度変化率と現在の温度変化率の差が
40℃/hとして比例積分器に入力される。この結果、積
分器による偏差が蓄積され、制御棒の過引き抜きの原因
となる。そこで、図3のように、設定された目標温度変
化率に対し規定の時間tで目標の温度変化率が出力され
るために変化率制限器を設置する。この結果、制御開始
当初の目標炉水温度変化率と現在の炉水温度変化率の偏
差は小さく、積分器に偏差が蓄積されることが無くな
る。温度変化率制限を設けない場合の制御特性を図4に
示し、設けた場合の特性を図5に示す。変化率制限を設
けることで炉水温度変化率のオ−バ−シュ−トが低減可
能である。
【0034】次に、炉水温度変化率の進み補償機能につ
いて説明する。制御棒を引き抜いた場合、それに伴い中
性子束が上昇する。この中性子束上昇のレベルに応じて
炉水温度も上昇するが、炉水温度の上昇は、中性子束上
昇から遅れが生じる。遅れの原因としては、炉水温度検
出器の遅れ時定数や、炉心中央部の炉水が炉水温度検出
器に到達するまでの移送遅れ時間があるが、このト−タ
ルとして約数分を要する。
【0035】図1で示したように、昇温昇圧制御におい
ては、最終的に温度変化率の偏差から比例積分演算によ
って求めた目標中性子束レベルと現在の中性子束レベル
の偏差で制御棒を動作する。従って、温度変化率の特性
と中性子束変化特性にずれがあると、温度変化率が目標
値に追従できない原因となる。これを防止するため図6
のように、過去の温度変化率デ−タから2次曲線を求
め、規定時間先の温度変化率デ−タを予想する進み補償
機能を設ける。この進み補償機能で予測した温度変化率
値を制御に使用することにより、中性子束変化特性と温
度変化特性とが一致し、目標値に追従した制御が可能に
なる。進み補償を設けない場合の制御特性を図7に示
し、設けた場合の制御特性を図8に示す。この進み補償
機能により温度変化率の大きな変動が抑制できる。
【0036】次に、積分器の積分時間を可変にする実施
形態について説明する。前述の温度変化率を制限する機
能の説明と同様に、目標温度変化がパルス的に設定され
た場合、現在の温度変化率との偏差が大きくなり、積分
器に偏差が蓄積され、制御棒の過引き抜きとなる。これ
を防止する一手段として、目標炉水温度変化率と現在の
温度変化率の偏差量に応じて積分時間を可変とする。例
えば、図9(a)に示すように偏差量がbの様に大きい
ときは、図9(b)に示すように積分時間を短くし、偏
差量がaの様に小さいときは、積分時間も長くする。温
度変化率の偏差が大きい場合には、積分時間を短くすこ
とで積分値が早い時間に大きくなって制御棒引き抜き量
が多くなり、炉水温度は急上昇し、目標炉水温度変化率
と現在の温度変化率の偏差が小さくなったときには、積
分時間を大きくすることで積分器出力はゆっくりと増し
ていき、制御棒の引き抜き量は小さくなる。これによ
り、炉水温度変化率は目標値に早く追従可能となる。こ
れにより、炉水温度変化率の目標値オ−バ−シュ−トが
低減可能となる。尚、積分時間を可変にすることについ
て述べたが、比例ゲインを偏差量に応じて可変にするこ
とで対処することも可能である。
【0037】以上の制御により原子炉圧力と目標原子炉
圧力設定器17の設定の偏差が比較器20において規定
値以下となった場合には、昇温昇圧制御を停止とする。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、反応度の非線形性を有
する制御棒の自動制御においても、目標変化率への追従
性が良い制御が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る原子炉出力制御装置の
機能構成図である。
【図2】制御目標値に対する制御パラメータの値の関係
を示す図(a)と積分器の制限を示す図(b)である。
【図3】変化率制限器の機能説明図である。
【図4】目標温度変化率制限を行わなかったときの炉水
温度の変化を示すグラフである。
【図5】目標温度変化率制限を行ったときの炉水温度の
変化を示すグラフである。
【図6】進み補償の機能説明図である。
【図7】進み補償の機能を設けなかったときの炉水温度
の変化を示す図である。
【図8】進み補償の機能を設けたときの炉水温度の変化
を示す図である。
【図9】目標温度変化率と実温度変化率との関係を示す
グラフ(a)および両変化率の大きさと積分時間との関
係を示すグラフ(b)である。
【符号の説明】
1…原子炉出力制御装置、2…制御棒、3…駆動モ−
タ、4…中性子束検出器、5…熱伝対、6…中性子束モ
ニタ、7…温度検出器、8…目標炉水温度変化率設定
器、9…変化率制限器、10…温度変化率演算器、11…最
小自乗演算器、12…進み補償機能、13…比例積分器、14
…対数変換器、15…比較回路、16…制御棒動作判定回
路、17…積分制限信号、18…制御棒引き抜き、挿入信
号、19…目標原子炉圧力設定器、20…比較器、21…原子
炉格納容器、22…原子圧力検出器。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検出値から求めた制御パラメータの値と
    目標値との偏差を比例積分して生成した制御信号に基づ
    き制御棒の引抜量を制御する原子炉出力制御装置におい
    て、前記偏差が規定値を下回るときは前記比例積分の処
    理を行わせ前記偏差が規定値以上になったとき前記積分
    の時間を大きくして該積分の処理結果の増大を小さくし
    前記制御信号を生成させる積分制限手段を設けたことを
    特徴とする原子炉出力制御装置。
  2. 【請求項2】 検出値から求めた制御パラメータの値と
    目標値との偏差を比例積分して生成した制御信号に基づ
    き制御棒の引抜量を制御する原子炉出力制御方法におい
    て、前記偏差が規定値を下回るときは前記比例積分の処
    理を行わせ前記偏差が規定値以上になったとき前記積分
    の処理を停止させて前記制御信号を生成させる積分制限
    手段を設けたことを特徴とする原子炉出力制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2において、前記
    目標値を目標変化率として設定する手段と、前記制御パ
    ラメータの値を変化率として前記検出値から求める手段
    とを備えることを特徴とする原子炉出力制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、制御開始から所定時
    間後に目標変化率となるように制限手段を設けたことを
    特徴とする原子炉出力制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれかにおい
    て、制御パラメ−タの値に時間遅れがあるときは制御パ
    ラメ−タの値の変化から所定時間後の値を予測して制御
    信号を生成する遅れ補償手段を設けたことを特徴とする
    原子炉出力制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれかにおい
    て、比例積分の処理で比例ゲインおよび/または積分時
    間を偏差の量に応じて可変とする手段を設けたことを特
    徴とする原子炉出力制御装置。
JP18502796A 1996-07-15 1996-07-15 原子炉出力制御装置 Expired - Lifetime JP3357975B2 (ja)

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