JPH034878B2 - - Google Patents

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JPH034878B2
JPH034878B2 JP56196990A JP19699081A JPH034878B2 JP H034878 B2 JPH034878 B2 JP H034878B2 JP 56196990 A JP56196990 A JP 56196990A JP 19699081 A JP19699081 A JP 19699081A JP H034878 B2 JPH034878 B2 JP H034878B2
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reactor
control
reactor pressure
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Juichi Tokawa
Kenjiro Imanaga
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Hitachi Ltd
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Hitachi Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)
  • Control Of Fluid Pressure (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、原子炉圧力制御方法に関する。特
に、原子炉昇圧時や減圧時に、圧力設定値を制御
することにより原子炉圧力を制御する原子炉圧力
制御技術に関する。
この種の技術は、例えば沸騰水型原子力発電所
の原子炉圧力制御などに用いられている。ところ
がこのような沸騰水型原子炉発電所においては、
起動または停止時に原子炉を未臨界状態にする場
合がある。それに伴つて原子炉圧力は減少するわ
けであるが、従来はこの場合、運転員が圧力設定
値と原子炉圧力との偏差が適切な範囲になるよ
う、圧力設定値を手動で設定していた。この時運
転員は、この圧力設定値操作によりバイパス弁な
ど蒸気加減弁が動作しないように、この操作を行
なつている。起動時などには、圧力制御と併行し
て炉水位制御が行なわれるので、バイパス弁を開
くとこの炉水位制御に影響が及んで、原子炉をス
クラムさせる虞があり得るからである。このよう
に従来にあつては、原子炉を未臨界にした時には
運転員の手動による圧力制御となつているため、
運転員の負担の増加や、後述する如く場合によつ
ては過大な熱応力による危険発生の虞もなしとし
なかつた。
以下、この従来技術における原子炉圧力制御系
統につき、第1図を参照して一層詳しく説明す
る。
図中、符号1は原子炉圧力容器であり、2はそ
の炉心である。この原子炉圧力容器1内で、ウラ
ンが核分裂し、その際中性子を放出する。この中
性子は減速された後、他のウランに衝突し新たな
分裂をおこし反応が継続し、一定のパワーが継続
される。この状態が臨界状態であり、通常この臨
界状態で原子炉運転が行なわれる。しかしこの臨
界状態から、場合によつて炉内を未臨界状態にす
る場合がある。起動や停止などの場合である。こ
の時には、制御棒3を炉内に挿入することによつ
て、未臨界状態とする。つまり、制御棒は一般に
中性子吸収材から成つており、これを挿入する
と、中性子が吸収されて連鎖反応が切れ、もつて
パワーが落ちて、未臨界状態となるのである。当
然、炉内圧力も低下して来る。
起動時、タービンを併入していない状態で原子
炉出力を上昇中の原子炉圧力制御は、以下のよう
に行なわれる。第1図において、タービン止め弁
5は閉じており、発生した蒸気はタービンバイパ
ス弁4を介して復水器7に逃される。この時、図
中Aの位置で、圧力検出器9が圧力を検知し、こ
れは主蒸気圧力信号10としてタービン制御装置
8に送られ、このタービン制御装置8は該主蒸気
圧力信号10と運転員によつて設定された圧力設
定信号12とを比較し、両者10,12の偏差を
零とするような開度要求信号11をタービンバイ
パス弁4に出力し、これをもつて原子炉圧力容器
1内の炉心で発生した蒸気をタービンバイパス弁
4を通して復水器7にブローダウンして、原子炉
圧力を圧力設定値に保つように制御する。(図中
5はタービン止め弁である)。
原子炉出力上昇運転時には上記自動的圧力制御
がなされるのであるが、起動時や停止時に原子炉
を未臨界状態にした場合には、従来は既述のよう
に運転員の手動により圧力制御が行なわれてい
る。このような原子炉昇圧・減圧時にはタービン
止め弁5は閉じており、タービン6は停止してい
る。この時、制御棒3は全挿入され、原子炉は未
臨界状態にある。
起動時に原子炉を未臨界状態に置いた場合に、
直ちに圧力が下がらずなお原子炉圧力が上昇して
いる間は、運転員は、原子炉冷却材温度の上昇率
が一定の制限値を守るようにしながら圧力設定値
を手動で設定する。ここで一定の制限値とは、一
般に+55℃/hの温度変化率であり、これ以上
(1時間で55℃以上)で冷却材温度が上昇すると、
熱応力が過大になつてしまうものである。つま
り、この冷却材温度変化率制限値は、原子炉圧力
容器の熱応力の制約から定まるものである。この
制限値の範囲内になるように目標冷却温度変化率
を定め、その変化率となるように圧力設定値を手
動設定するものである。次いで原子炉圧力が減少
しはじめると、現在の原子炉圧力と圧力設定値と
の偏差を設定し、その偏差が適切な範囲内に収ま
るよう、運転員が圧力設定値を手動設定する。
ところがこれらの設定値操作は原子炉の点検時
期と重なるため、このような手動設定では運転員
の負担を過大とするものである。かつこの圧力設
定値操作は既述のとおり蒸気加減弁(タービンバ
イパス弁)が動作しないように行なわなければな
らないので、その負担は大きくなつている。しか
もこのように運転員の負担を増加させるだけでな
く、手動設定であるが故に、万一設定値操作を忘
れると、原子炉圧力容器に熱応力を与え、危険の
生ずる虞もある。この設定値操作は、原子炉を再
び臨界状態にして再昇圧する時、原子炉冷却材温
度上昇率がその制限変化率を守るように制御する
に当たつて必要不可欠のものだからである。
本発明の目的は、上記した従来技術の問題点を
解決して、原子炉昇圧または減圧時などに原子炉
を未臨界状態にした場合でも、それに伴う圧力設
定値操作を、運転員の負担が大きくならないよう
に、かつ過大な熱応力がかかる虞なく安全に、し
かもそれを自動的にも行なえるようにして、運転
員の負担の増加や危険の発生の虞を防止した、原
子炉圧力の制御方法を提供することにある。
この目的を達成するため、本発明においては、
原子炉圧力昇圧時には目標温度変化率を維持しつ
つ昇圧を制御する操作(本明細書においてこれを
原子炉圧力設定値制御と称する)を行ない、原子
炉を未臨界状態においた場合には炉内の状態量の
挙動に基づき該圧力設定値制御を止めて、圧力下
降時の圧力制御操作(本明細書においてこれを原
子炉圧力追従制御と称する)を開始し、かつ原子
炉が臨界状態に復した場合には炉内の状態量の挙
動に基づいてこの圧力追従制御を終了して再び圧
力設定値制御を作動し得る構成とする。
このように構成すれば、制御棒を挿入して未臨
界状態にした場合でも、その圧力制御を自動化す
ることも可能で、臨界・未臨界状態にかかわら
ず、全圧力制御を自動制御とすることもできる。
運転員の手動で行なう場合でも、その負担はきわ
めて小さくなり、極く補助的・監視的なものでよ
くなる。かつ、設定値操作がなされない可能性と
いうものも殆んどあり得ず、従つて過大な熱応力
による危険の虞もなくなる。バイパス弁等の蒸気
加減弁を閉じたままでの自動操作により、この面
での危険の発生も防止できる。
原子炉圧力追従制御の開始・終了の指標として
は、圧力偏差(圧力と圧力設定値の偏差)を用い
ることができる。あるいは、温度変化率を用いる
ことができる。
圧力追従制御は、圧力設定値と圧力との偏差が
あらかじめ与えられた最適範囲に収まるよう、そ
の圧力設定値を設定制御することにより、達成で
きる。
また圧力設定値制御は、原子炉温度変化率を目
標温度変化率となるように、圧力設定値を設定制
御することにより、達成できる。
上記の本発明の圧力制御方法は、これを具体化
するにあたつて、圧力設定値と実際の圧力との偏
差を監視し、この偏差に基づいて該圧力設定値を
再設定し、これにより各制御を行なうように構成
できる。このため、本発明の方法を実施する装置
として、圧力設定信号が設定されている圧力制御
部と、該圧力設定信号と実際の圧力との比較演算
を行なつて圧力設定信号を前記圧力制御部に出力
する原子炉圧力制御手段とを備えたものを用い得
る。この場合、圧力制御部は、信号を出力して弁
調整を行なわせるなどの制御装置を用い得、また
圧力制御手段としては入力データ(前記偏差な
ど)から適正な圧力設定値を算出する演算装置
(コンピユータでよい)を用いることができる。
(例えば後記第2図を参照しての実施例にあつて
は、圧力制御部はタービン圧力制御装置8であ
り、圧力制御手段は、原子炉圧力制御装置14で
ある。) 本発明は、未臨界状態にした時の圧力下降に対
する従来からの運転員の圧力設定値操作を定性的
に解明して、それに立脚して種々研究の結果達成
されたものということができる。
以下、本発明の一実施例について説明する。
まず、第2図を参照して、本実施例の圧力制御
装置を説明するものとする。この例は、本発明
を、原子炉により発生させた蒸気タービンを回転
して発電を行なう。原子力発電設備に適用したも
のである。
従来例が圧力制御のための手段としてタービン
圧力制御装置8のみを有していたのに対し、本実
施例ではこれに加えて原子炉圧力制御装置14を
も備えている。
即ち本例装置は、設定値圧力信号が設定されて
いる圧力制御部としてのタービン圧力制御装置8
と、該設定値圧力信号と実際の圧力との比較演算
を行なつて圧力設定信号をその圧力制御部(ター
ビン圧力制御装置14)に出力する原子炉圧力制
御手段としての原子炉圧力制御装置14とを備え
ているのである。
さらに詳しくは本例にあつては、原子炉圧力容
器1内の炉心2で発生した熱により原子炉冷却材
が蒸気となり、原子炉圧力が上昇する。昇圧・減
圧過程においては通常、タービン止め弁5は停止
状態にあるため、原子炉の蒸気はタービンバイパ
ス弁4を通して復水器7に逃され、原子炉圧力が
制御されるようになつている。
本装置における圧力制御は、圧力検出器9から
の主蒸気圧力信号10と、タービン圧力制御装置
8に設定されている設定値である圧力信号15と
を取り込み、主蒸気圧力信号10とこの設定値圧
力信号15とを比較する。このような設定値と実
際の圧力値との比較演算処理を行なうことによ
り、適正な圧力設定信号16を自動的に算出し
て、これをタービン圧力制御装置8に出力する。
この演算された圧力設定信号16を用いて、実際
の圧力制御が達成されるのである。図中11は開
度要求信号である。このようにもともとの設定値
圧力信号15をそのまま用いるのでなく、一度実
際の圧力値10と比較した上で圧力設定信号16
を求めるようにすれば、温度変化率が制限を超え
て過大な応力を発生することもなく、常に適正な
状態での圧力制御が可能となる。
ここで、13は運転員による圧力設定信号12
と原子炉圧力制御装置14からの圧力設定信号1
6とを切替える手動・自動切替器である。
この圧力制御には、通常の圧力制御つまり原子
炉冷却材温度変化率を目標温度変化率になるよう
に圧力設定値を制御する場合(以降、圧力設定値
制御と称する)と、未臨界状態にした時の圧力設
定値の制御の場合(以降、圧力追従制御と称す
る)との、二つの場合がある。
まず前者の、圧力設定値制御について、第3図
により説明する。
第3図は、主蒸気圧力を圧力設定値を変化させ
ることにより適正に制御する状態を示したグラフ
である。このグラフにおいて、t=0の時の主蒸
気圧力をP1,この時の設定値圧力をPS1とする。
PS1により、主蒸気圧力は上昇することになる
が、この時の冷却材温度の変化率は、一定の温度
上昇率の範囲内になければならない。目標とする
温度の変化率(目標温度変化率)は、例えば30
℃/h及至35℃/hに設定されている。この目標
温度変化率を守るため、圧力の設定値を次に変化
させるまで、一定の時間をおくようにする。図で
言えば、設定値たる圧力の値をPS1から次のPS2
に上げるのは、圧力設定値変更待機時間T1に経
過した後である。かつ、設定値を上げるのは、実
際の主蒸気圧力が現設定値PS1に一定程度近づい
たとする。よつて、設定値を一段階上げるのは、
時間T1経過した後であつて、しかも主蒸気圧力
と設定値PS1との偏差が一定の値εSの範囲内にあ
る時とするものである。グラフにおいて、時間
T1が過ぎた時点では、設定値PS1と主蒸気圧力P2
との差が設定偏差εSより小であるので、設定値圧
力をΔP上げてPS2(=PS1+ΔP)とする。
上記の如く、冷却材温度変化率が目標温度変化
率となるように設定値をΔP増加させるとともに
圧力設定値変更待機時間T1を定めるのであるが、
この時間T1は次式で演算する。
T1=(PS+ΔP)−(PS)/RATE 但し、PS:設定値圧力(設定した圧力値) ΔP:圧力設定値変更量 RATE:目標温度変化率 :圧力→飽和温度変換関数 この時間T1が経過した時点で、主蒸気圧力と
設定値圧力との偏差εPが設定偏差εS以下になつた
場合(εP<εSの場合)に、設定値圧力をΔP増や
してこれを変更するのである。この過程を繰り返
す。
このような圧力設定値制御を実行するフローを
示したのが、第4図である。この第4図を用いて
上述の過程を説明すると以下のとおりである。ま
ずスタートすると、初回か否かを判定する。初回
つまり第3図のグラフでのt=0のような場合で
あると、直ちに圧力設定変更待機時間を演算し
て、T1を得る。タイマをクリアした後、T1をセ
ツトして起動する。次に、圧力をPS1に設定す
る。これで1過程が終了し、主蒸気圧力は徐々に
上昇する。この過程はある定められた周期で起動
する。次に起動したときは初回ではないから、圧
力偏差εPを演算するフローに入る。ここで、圧力
偏差εPである主蒸気圧力と設定値圧力(この場合
PS1)との差が演算され、これと設定圧力偏差εS
とが比較される。実際の偏差εPが設定偏差εSより
も大きい時、例えば第3図の主蒸気圧力がP2′の
場合などにおいては、フローは終了し、再びスタ
ートから繰り返す。しかしεP<εSになつた場合に
は、次のタイマーアツプか否かの判定に入る。こ
の時、未だ設定時間T1を過ぎていない場合、例
えば第3図の主蒸気圧力がP2″の時などでは、εP
<εSの条件は満たしているがT1が経過していな
いということで、この場合もフローは終了とな
る。第3図の主蒸気圧力がP2になつた時点は、
時間T1も経過しているので、この時にはスター
トから圧力偏差演算、圧力偏差大小判定、タイマ
ーアツプ判定を経て圧力設定変更待機時間演算に
入り、タイマーが起動し、設定値がΔP変化して
PS2に上がり、次の設定段階に入る。
上記の過程が繰り返されるのである。
上述した圧力設定値制御は、昇圧中の圧力制御
を対象としている。次に、このような昇圧中に、
制御棒を全挿入して、原子炉を未臨界状態にした
場合での圧力制御について述べる。
但し、原子炉を未臨界状態にしても直ちに圧力
が降下するのではなく、徐々に圧力上昇率が低下
しては行くが、ある程度圧力の上昇が続く。この
ようになお圧力が上昇している間は上記の圧力設
定値制御を行なう。圧力が降下しはじめた場合、
圧力設定値制御から、原子炉圧力追従制御へと移
行するようにする。このような移行は、原子炉の
状態量の挙動を観測して、これに基づいて達成で
きる。例えば、圧力の変化値を指標とできるし、
また温度変化率を用いて、それがプラス(つまり
温度上昇中)の時は未だ圧力設定値制御、マイナ
ス(つまり温度下降中)の時は圧力追従制御に移
行というようにすることもできる。
上記と同様に、原子炉圧力追従制御を実行中に
制御棒を引抜き、これにより原子炉を臨界状態に
した場合、徐々に圧力下降率が低下して行くが、
なお圧力が下降している間は原子炉圧力追従制御
を行ない、圧力が上昇しはじめるとそれを検出し
て、圧力設定値制御へ移行する構成としてある。
このような移行は、本実施例においては、指標
の変化に基づき自動的に行なわれるようになつて
いる。尚運転員の判断により手動で行わせること
も可能である。
以下、この方法について、第5図を用いて説明
する。
第5図のグラフは、圧力上昇中に圧力設定値制
御を行なつている状態からはじまつており、途中
で制御棒を全挿入して原子炉を未臨界状態とし、
それにより圧力降下がはじまると追従制御を開始
し、その後制御棒を引抜いて臨界状態とし、圧力
が再上昇した時に追従制御を終了させる場合を示
している。
まず、圧力設定値制御から、圧力追従制御に移
行する方法について説明する。本実施例では、該
移行のための指標として圧力値を用いる。特に圧
力設定値PSと、主蒸気圧力Pとの偏差εPが一定
の圧力追従制御開始指標εSCより小さいか大きい
かによつて、制御を移行させるか否かを定める。
偏差εPが指標εSCより小さい間は圧力設定値制御
を継続し、逆に偏差εPが指標εSCより大きくなつ
てεP>εSCとなつた時に、圧力追従制御を開始す
るのである。
第5図を参照してこれを具体的に説明する。同
図のB点では、未だ制御棒は挿入されておらず、
圧力は上昇中であつて第3図にて説明した制御が
継続している。よつてC点において、実際の圧力
と設定値圧力との差εPが設定偏差εSより小であり
かつ時間T1が経過していれば、設定値圧力はΔP
だけ増加される。次いで、D点にて制御棒が全挿
入されたとする。この時点から未臨界状態にな
り、圧力上昇率は低下して来るが、なお上昇は続
く。このような昇圧中は、なお同様の制御を続け
る。この制御を続けるか、または追従制御に移行
するかは、主蒸気圧力と設定圧力との偏差εPと、
指標εSCとの比較による。E点で考えれば、この
偏差εPは指標εSCよりもまだ相当に小さい。よつ
て、εP<εSCの間は、従前の制御を続ける。
次にF点について考える。これは、主蒸気圧力
が低下に転じている場合である。このF点では、
主蒸気圧力と設定値圧力との差εPと、指標SSC
を比較すると、εP>εSCに変わつている。よつて
この時圧力追従制御に切換えて、図の如く従前と
は逆に設定値圧力をΔPだけ下げるのである。こ
のF点が追従制御開始の時点となり、以後H点ま
でこの制御が継続する。
次にG点において制御棒を引抜く。従つてここ
で原子炉は臨界状態に復する。しかしこれにより
再昇圧を開始しても、なお暫くは減圧が続く間
は、追従制御を続ける。圧力が上昇に転じ、偏差
εPが圧力追従制御終了指標εEC以下(つまりεP
εEC)となつた場合圧力追従制御から、もとの圧
力設定値制御による昇圧を開始する。これは図の
H点の時点である。つまりH点においては、主蒸
気圧力と設定値圧力との差εPは、指標εECよりも
小さく、つまりεP<εECとなつているので、追従
制御を終了して、爾後は圧力設定値制御(第3図
の制御)を行なうのである。
上記説明した方法を実行するフローを、第6図
に示す。この図を用いて本方法を説明する。
まず、スタートし、圧力偏差(主蒸気圧力と設
定値圧力との差)εPを演算しておく。次に追従制
御中であるか否か、つまりIF=1にセツトされ
ているか否かを判定する。追従制御中でない場
合、例えば第5図のB点などでは、NOであるか
ら、次に偏差εPと指標εSCとの比較に入る。B点
は未だ偏差εPは指標εSCより小さいので、圧力設
定値制御を続けるということで、この過程は終了
する。C点、E点でも同様である。F点の場合を
考えてみると、スタートから追従制御中か否かの
判定までは同様であるが、この場合は圧力偏差εP
が指標より大きいので、追従制御に入る方に設定
され、IF=1にフラグセツトされる。これでこ
の過程は終わるが、次の周期ではIF=1(追従制
御中)ということであるから、圧力偏差εPが指標
εSCより小か否かが判定され、このF点の場合NO
であり、かつ次の偏差εPが指標εSCより大か否か
がYESであるから、追従制御のための圧力の設
定値をΔP減少させることになる。これで、F点
においてΔP設定値が下がる作用が達成されるの
である。G点も同様に、この追従制御が続けられ
る。しかしH点に至ると、εP≦εECであるから、
追従制御のフラグをリセツトして、IF=0とす
る。よつて次の過程からは、前述のB点における
流れとと同様の過程をとつて、圧力設定値制御が
行なわれる。
上述の実施例では、原子炉圧力追従制御の開始
及び終了を監視する指標として、主蒸気圧力と圧
力の設定値との偏差εPを用い、これが一定の値
εSC又はεECより大きいか否かで制御の移行を定め
るようにしたが、圧力の偏差ではなく、原子炉温
度変化率を用いる方法もある。この時、例えば温
度変化率がマイナス(温度下降)で追従制御開
始、プラス(温度上昇)で終了として、構成する
ことができる。
上述の如く、本発明によれば、原子炉を未臨界
状態にした場合でも、それに伴う圧力設定値操作
はきわめて容易に行ない得、かつ過大な熱応力が
かからないように安全に、運転員の負担を増加さ
せずに達成できる。本発明の構成は上記実施例の
如く自動化もなし得るので、運転員負担軽減の効
果を一層高めるようにすることもできる。
【図面の簡単な説明】
第1図は従来の原子炉圧力制御装置の制御系統
図である。第2図は本発明の一実施例を示し、そ
の原子炉圧力制御装置の制御系統図である。第3
図は同例の圧力設定値制御を説明するためのグラ
フ、第4図は該圧力設定値制御の方法を示す概略
フロー図である。第5図は同例の原子炉圧力追従
制御を説明するためのグラフ、第6図は該原子炉
圧力追従制御の方法を示す概略フロー図である。 1…原子炉(圧力容器)、4…蒸気加減弁(タ
ービンバイパス弁)、8…圧力制御部(タービン
圧力制御装置)、10…実際の圧力(主蒸気圧力
信号)、14…原子炉圧力制御手段(原子炉圧力
制御装置)、15…圧力信号(設定値圧力信号)、
16…(適正な)圧力設定信号。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 原子炉の炉内圧力を蒸気加減弁の開度調整に
    より調節し得る構成の原子炉における原子炉圧力
    の制御の方法であつて、原子炉圧力昇圧時には目
    標温度変化率を維持しつつ昇圧を制御する原子炉
    圧力設定値制御を行ない、原子炉を未臨界状態に
    おいた場合には炉内の状態量の挙動に基づき該原
    子炉圧力設定値制御を止めて圧力下降時の圧力制
    御たる原子炉圧力追従制御を開始し、かつ原子炉
    が臨界状態に復した場合には炉内の状態量の挙動
    に基づいてこの原子炉圧力追従制御を終了して、
    再び前記の原子炉圧力設定値制御を作動し得る構
    成としたことを特徴とする、原子炉圧力制御方
    法。 2 原子炉圧力追従制御の開始又は終了を定める
    状態量は炉内圧力であり、開始は原子炉を未臨界
    状態においた場合の制御されない原子炉圧力減少
    により定め、終了は未臨界時における圧力設定値
    と原子炉炉内圧力との偏差を監視して、該偏差が
    あらかじめ決められた範囲内になつた時点をもつ
    て定め、これによつて臨界状態に復した場合に前
    記原子炉圧力制御装置を再作動できる構成とした
    ことを特徴とする、特許請求の範囲第1項に記載
    の原子炉圧力制御方法。 3 原子炉圧力追従制御の開始又は終了を定める
    状態量は、原子炉内の温度変化率であり、開始は
    温度変化率がマイナスになり、終了は温度変化率
    がプラスになつた時点をもつて定めることを特徴
    とする、特許請求の範囲第1項に記載の原子炉圧
    力制御方法。 4 原子炉圧力追従制御は、圧力設定値と原子炉
    圧力との偏差が、あらかじめ与えられた最適範囲
    内に収まるように前記圧力設定値を設定する制御
    であることを特徴とする、特許請求の範囲第1項
    乃至第3項のいずれかに記載の原子炉圧力制御方
    法。 5 原子炉圧力設定値制御は、原子炉温度変化率
    を目標温度変化率となるように圧力設定値を設定
    する制御を行なうものであることを特徴とする、
    特許請求の範囲第1項乃至第4項のいずれかに記
    載の原子炉圧力制御方法。
JP56196990A 1981-12-09 1981-12-09 原子炉圧力制御方法 Granted JPS5899797A (ja)

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JP56196990A JPS5899797A (ja) 1981-12-09 1981-12-09 原子炉圧力制御方法

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JPS4977091A (ja) * 1972-12-01 1974-07-25

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