JPH09145895A - 原子炉出力制御方法および装置 - Google Patents

原子炉出力制御方法および装置

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JPH09145895A
JPH09145895A JP7299581A JP29958195A JPH09145895A JP H09145895 A JPH09145895 A JP H09145895A JP 7299581 A JP7299581 A JP 7299581A JP 29958195 A JP29958195 A JP 29958195A JP H09145895 A JPH09145895 A JP H09145895A
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water temperature
neutron flux
reactor water
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temperature change
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JP7299581A
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Atsushi Fushimi
篤 伏見
Yoshihiko Ishii
佳彦 石井
Yoshiyuki Miyamoto
義之 宮本
Kazuhiko Ishii
一彦 石井
Takehiko Seiji
岳彦 清治
Yuko Aizawa
優子 会沢
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 炉水温度変化率を目標値に近付けるための中
性子束目標値を高精度に求め、この中性子束目標値に従
って炉の出力を制御すること。 【解決手段】 熱電対16と温度検出器20により原子
炉10内の炉水の温度を検出し、この検出値から温度変
化率算出器22により温度変化率を算出し、この算出値
からその極大値を検出器24により検出する。一方、中
性子束検出器12により中性子束を検出し、この検出値
からその極大値を検出器28により検出する。そして温
度変化率の極大値と中性子束の極大値との比は一定の関
係にあるところから、炉水温度変化率目標値と中性子束
目標値との関係も一定の関係にあるとし、中性子束と温
度変化率の各極大値および炉水温度変化率目標値に従っ
て中性子束目標値を算出器32により算出し、この算出
値に従って制御器34により制御棒の位置を調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子炉出力制御方
法および装置に係り、特に、原子力発電プラントの起動
時の原子炉昇温昇圧過程において、炉水温度変化率の目
標値に従って原子炉を目標圧力まで昇温昇圧するに好適
な原子炉出力制御方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】原子力発電プラント、例えば沸騰水型原
子炉を用いた原子力発電プラントにおいては、原子炉を
起動する場合に際して、起動開始、臨界、定格圧力到
達、発電機併入、定格出力到達の手順で炉の出力を高め
ることが行なわれている。このうち、原子炉臨界から定
格圧力到達までの間は昇温昇圧過程とよばれており、こ
の過程では、タービンバイパス弁・加減弁を閉じ、原子
炉から蒸気が流出しない状態で炉心に挿入された制御棒
を順次引き抜いて原子炉を昇温昇圧することが行なわれ
ている。
【0003】昇温昇圧過程では、主に次の二つの運転制
限事項が採用されている。一つは、制御棒を引く抜き時
に中性子束の急激な上昇によりスクラムなどの原子炉保
護機能が作動しないように、炉周期(中性子束φが元の
値の2.71倍となるまでの時間)を一定値以下に保つ
ことである。もう一つの制限事項は、原子炉を構成する
各部材に熱的衝撃を与えぬように、炉水の温度変化率を
制限値、(例えば55℃/h)以下に保つことである。
二つの運転制限事項のうち後者の方が条件としては厳し
いので、制限値以下の温度変化率を目標値に設定し、温
度変化率が目標値となるように、制御棒を操作すること
が一般的に行なわれている。なお、ここでいう炉水温度
とは、必ずしも炉心内での冷却材の温度を意味していな
い。すなわち、沸騰水型原子炉では、炉心内での炉水温
度を直接測定しないため、原子炉圧力容器から引き出さ
れた配管内の冷却材の温度を測定し、この測定した温度
を炉水温度としている。このため、炉心内での冷却材の
実際の温度と炉水温度の測定値との間には時間遅れがあ
り、炉水温度の変化率が制限値以下の目標値となるよう
に制御棒を操作するに際して、熟練した運転員でも制御
棒を何度も操作することが余儀なくされている。
【0004】具体的には、原子炉の起動時には、運転員
の操作により、まず、未臨界の原子炉から制御棒を徐々
に引き抜いて、原子炉周期が100秒〜200秒程度の
超過臨界にもっていく制御が行なわれる。ここまでの過
程を臨界過程とよび、その後、原子炉を定格圧力まで昇
圧する昇温昇圧過程が始まる。この昇温昇圧過程の初期
には、炉水温度が上昇を開始し、炉心に負の反応度が印
加されるまでは、炉周期を100秒〜200秒程度に保
って中性子束を上昇させる。このとき、運転員は、中性
子束の値を監視し、中性子束の値がある程度上昇したと
ころで、中性子束の値と中性子束レベルの目安(過去の
運転実績から炉水の温度変化率が目標値付近となるとし
て得られた値)とを比較し、中性子束の値が目安を超え
そうなときには制御棒を挿入し、逆に中性子束の値が目
安を大きく下回りそうなときには制御棒を引き抜く操作
を行なう。このような操作を行なう過程で、炉水温度が
上昇すると水の密度が小さくなり、核分裂に寄与する中
性子束の数が減少し、中性子束の値が上昇から減少に移
行する。さらに炉水温度変化率の測定値も時間遅れを経
た後同様に上昇から減少に移行する。このとき、温度変
化率の測定値が目標値に達しないときには、再度制御棒
を引き抜いて温度変化率の上昇を待つことになる。
【0005】このような操作を繰り返し、温度変化率の
測定値が目標値に達した後は、温度変化率の目標値より
温度変化率の測定値が約10℃/h下回るのを待って、
炉周期が十分長いことを確認し、制御棒を少量引き抜
く。この操作を繰り返して炉水の温度変化率を一定値に
保つ。
【0006】このように、原子炉内の実際の炉水温度と
測定値との間に時間遅れがあるため、熟練した運転員で
も、効率良く昇温昇圧するにも操作棒を操作する回数が
多くなり、起動に多くの時間を要するとともに運転員の
負担が大きくなる。
【0007】そこで、炉水温度変化率の測定値を監視
し、この測定値と温度変化率の目標値との偏差に基づい
て制御棒を操作する方法が提案されている。この方法に
よれば、制御棒の操作に応答してただちに中性子束の値
を変化させることできる。しかし、温度変化率の変化が
測定されるまでには、燃料棒から炉心内の冷却材への伝
熱時間、炉心から温度測定点までの流動時間、炉水温度
を測定する熱電対の熱容量などの計測器による遅れ時
間、さらに測定温度から温度変化率を算出するための時
間平均操作による遅れ時間などを生じ、これらの遅れ時
間は数分のオーダとなる。このため、炉水温度変化率の
目標値と測定値との偏差に基づいて制御棒を単に操作し
ても、制御棒の操作が遅れ、炉水温度変化率を目標値に
保つことが困難である。
【0008】一方、より応答の速い中性子束に基づいて
制御棒を操作する方法として、炉水温度変化率の目標値
を与える中性子束を評価し、中性子束の値が評価した値
となるように制御棒を操作する方法が提案されている。
この方法の原理は、中性子束φと炉心内の炉水温度変化
率(測定処理による時間遅れがない炉水温度変化率)d
T/dtの間に以下の熱収支式が成立することを利用し
ている。
【0009】 M・Cv・(dT/dt)=α・φ−Qloss…(1) ただし、M :冷却材の実効的な質量 Cv :冷却材の比熱 α :中性子束φから炉出力への変換係数 Qloss :原子炉外部への熱損失 (1)式によれば、中性子束φから炉出力への換算係数
αや、炉心外部への熱損失Qlossを適切に評価すれ
ば、炉水温度変化率の目標値(目標とする炉水温度変化
率)を与える中性子束を評価することができる。
【0010】例えば、特開昭52−67487号公報に
記載されているように、α・φを原子炉出力Pと置き、
Qloss=0とする代わりに、その補正項Kを導入し
た次の(2)式を用い、(2)式の補正項Kを過去の運
転実績から原子炉圧力や炉水温度の関数として事前に与
え、目標出力を算出する方法が提案されている。
【0011】 M・Cv・(dT/dt)=K・P…(2)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、(2)式を用
いた方法でも、昇温昇圧過程では、原子炉の出力Pを直
接測定することはできず、炉心内の数個所に設置された
中性子検出器の中性子束レベルφで代用せざるを得な
い。しかも、中性子束から炉出力への換算係数αは中性
子検出器の感度や炉心の出力分布に依存する。すなわ
ち、(1)式のφは炉心内の中性子束の平均値を意味す
るが、実際に測定できるのは局所的な中性子束の値であ
り、この値は制御棒の挿入位置や挿入深さによる炉心出
力分布に大きく影響される。さらに制御棒の挿入位置や
挿入深さは、炉心あるいは同一炉心で装荷している燃料
種類、配置によって異なることが普通である。また中性
子検出器の感度は中性子の照射により時間的に劣化す
る。従って、αの値を事前に評価することは困難であ
り、(2)式を用いて制御棒を操作する方法で目標出力
(実際には目標中性子束)を与えることは実用上困難な
ところがある。
【0013】また事前に目標中性子束を設定する代わり
に、原子炉周期を用いた方法が提案されている。例え
ば、特公平5−87797号公報に記載されているよう
に、炉水温度上昇開始直後の温度変化率の小さいときに
は所定の炉周期を維持し、それ以後は炉水温度変化率が
上昇するにつれて炉周期を大きくする制御規則(実際の
機器から得られたデータにより生成された制御規則)に
従って制御棒の操作量を決定する方法が提案されてい
る。
【0014】上記従来技術の方法を用いれば、炉水温度
変化率と炉周期を監視するだけで、制御棒を操作するこ
とができる。しかし、炉水温度変化率を制限値以下に維
持するには、温度変化率の検出時間遅れが大きいときほ
ど炉周期を小さく設定しなければならない。すなわち、
温度変化率の検出時間遅れが大きいときにも炉周期を大
きく設定すると、中性子束φの値が2.71倍となる時
間が順次早くなり、炉水温度変化率が制限値を超えるこ
とになる。このため、温度変化率の検出時間遅れが大き
いときには炉周期を小さく設定しなければならず、温度
変化率の値が目標値に達するまでの時間が遅くなる。こ
の結果昇温昇圧過程に要する時間が長くなり、起動に要
する時間が長くなることになる。
【0015】本発明の目的は、炉水温度変化率を目標値
に近づけるための中性子束目標値を高精度に求め、この
中性子束目標値に従って炉の出力を制御することができ
る原子炉出力制御方法および装置を提供することにあ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、第1の制御方法として、原子炉内の中性
子束と炉水温度をそれぞれ検出し、中性子束の検出値か
ら中性子束の極大値を検出し、炉水温度の検出値から炉
水温度変化率を算出し、この算出値から炉水温度変化率
の極大値を検出し、検出した中性子束の極大値と検出し
た炉水温度変化率の極大値および炉水温度変化率の目標
値に従って中性子束目標値を算出し、算出した中性子束
目標値に従って制御棒の位置を調整する原子炉出力制御
方法を採用したものである。
【0017】前記制御方法を採用するに際して、極大値
の代わりに最大値を検出することもできる。
【0018】また本発明は第2の制御方法として、原子
炉内の中性子束と炉水温度をそれぞれ検出し、中性子束
の検出値から中性子束の極大値を検出し、炉水温度の検
出値から炉水温度変化率を算出し、この算出値から炉水
温度変化率の極大値を検出し、中性子束の極大値を検出
した時刻と炉水温度変化率の極大値を検出した時刻との
差を示す時刻偏差を検出し、その後任意の時刻に炉水温
度を検出し、この炉水温度の検出値から炉水温度の変化
率を算出し、さらに、任意の時刻から時刻偏差分ずれた
時刻の中性子束を検出し、この時刻の中性子束と任意の
時刻に検出した炉水温度から算出した炉水温度変化率お
よび炉水温度変化率の目標値に従って中性子束目標値を
算出し、算出した中性子束目標値に従って制御棒の位置
を調整する原子炉出力制御方法を採用したものである。
【0019】第2の制御方法を採用するに際しては、時
刻偏差の代わりに時間遅れを検出することもできる。
【0020】さらに第2の制御方法を採用するに際して
は、中性子束の極大値と炉水温度変化率の極大値をそれ
ぞれ検出した時刻との差を示す時間遅れを検出し、その
後任意の時刻に中性子束を検出し、任意の時刻から時間
遅れ分遅れた時刻に炉水温度を検出し、この炉水温度の
検出値から炉水温度の変化率を算出し、任意の時刻に検
出した中性子束と任意の時刻より時間遅れ分遅れた時刻
に検出した炉水温度から算出した炉水温度変化率および
炉水温度変化率の目標値に従って中性子束目標値を算出
することもできる。
【0021】前記各制御方法を採用するに際しては、算
出した中性子束目標値を表示することもできる。
【0022】また第1の制御装置として、本発明は原子
炉内の中性子束を検出する中性子束検出手段と、原子炉
内の炉水温度を検出する炉水温度検出手段と、中性子束
検出手段の検出値から中性子束の極大値を検出する中性
子束極大値検出手段と、炉水温度検出手段の検出値から
炉水温度変化率を算出する炉水温度変化率算出手段と、
炉水温度変化率算出手段の算出値から炉水温度変化率の
極大値を検出する炉水温度変化率極大値検出手段と、炉
水温度変化率の目標値を入力する炉水温度変化率目標値
入力手段と、中性子束極大値検出手段の検出値と炉水温
度変化率極大値検出手段の検出値および炉水温度変化率
目標値入力手段の入力による炉水温度変化率目標値に従
って中性子束目標値を算出する中性子束目標値算出手段
と、中性子束目標値算出手段の算出した中性子束目標値
に従って制御棒の位置を調整する制御棒制御手段とを備
えている原子炉出力制御装置を構成したものである。
【0023】前記制御装置を構成するに際しては、中性
子束や温度変化率の値を検出する手段として、極大値の
代わりに最大値を検出手段を用いることもできる。
【0024】また第2の制御装置として、本発明は、原
子炉内の中性子束を検出する中性子束検出手段と、原子
炉内の炉水温度を検出する炉水温度検出手段と、中性子
束検出手段の検出値から中性子束の極大値を検出する中
性子束極大値検出手段と、炉水温度検出手段の検出値か
ら炉水温度変化率を算出する炉水温度変化率算出手段
と、炉水温度変化率算出手段の算出値から炉水温度変化
率の極大値を検出する炉水温度変化率極大値検出手段
と、炉水温度変化率の目標値を入力する炉水温度変化率
目標値入力手段と、中性子束検出手段が中性子束の極大
値を検出した時刻と炉水温度変化率極大値検出手段が極
大値を検出した時刻との差を示すの時刻偏差を検出する
時刻偏差検出手段と、時刻偏差検出手段により時刻偏差
が検出された後の任意の時刻に炉水温度変化率算出手段
により算出された炉水温度変化率と任意の時刻から時刻
偏差分ずれた時刻に中性子束検出手段により検出された
中性子束および炉水温度変化率目標値入力手段の入力に
よる炉水温度変化率目標値に従って中性子束目標値を算
出する中性子束目標値算出手段と、中性子束目標値算出
手段の算出した中性子束目標値に従って制御棒の位置を
調整する制御棒制御手段とを備えている原子炉出力制御
装置を構成したものである。
【0025】第2の制御装置を構成するに際しては、時
刻偏差検出手段の代わりに、中性子束の極大値を検出し
た時刻と炉水温度変化率の極大値を検出した時刻との差
を示す時間遅れを検出する時間遅れ検出手段を用いるこ
ともできる。
【0026】さらに、第2の制御装置を構成するに際し
ては、時刻偏差検出手段の代わりに、中性子束の極大値
を検出した時刻と炉水温度変化率の極大値を検出した時
刻との差を示す時間遅れを検出する時間遅れ検出手段を
用いることでき、また中性子束目標値算出手段として、
時間遅れ検出手段より時間遅れが検出された後の任意の
時刻に中性子束検出手段により検出された中性子束の検
出値と任意の時刻から時間遅れ分遅れた時刻に炉水温度
変化率算出手段により算出された炉水温度変化率の算出
値および炉水温度変化率目標値入力手段の入力による炉
水温度変化率目標値に従って中性子束目標値を算出する
ものを用いることができる。
【0027】さらに、各制御装置を構成するに際して
は、中性子束目標値算出手段の算出した中性子束目標値
を表示する表示手段を設けることができる。
【0028】前記した手段によれば、原子炉の起動時、
例えば、昇温昇圧過程では、中性子束の検出値および炉
水温度変化率の検出値としてそれぞれ複数の極大値が検
出される。そして中性子束の極大値と炉水温度変化率の
極大値との比はほぼ一定の値を示している。すなわち、
検出された炉水温度から得られた炉水温度変化率d
dtには時間遅れがあり、この算出値と実際の炉水温度
変化率dT/dtとは異なる。このため検出された炉水
温度を基に算出された炉水温度変化率d/dtを単に
(1)式のdT/dtに代入しても(1)式を満たすこ
とはできない。
【0029】しかし、昇温昇圧過程のうち、特に、初期
の段階に生じる最初の中性子束極大値φmaxと炉水温
度変化率の最初の極大値dmax/dtとの比は一定
の関係を有するため、これらの値を(1)式に代入する
と、次の(3)式が得られる。
【0030】 M・Cv・(dmax/dt)=α・φmax−Qloss…(3) (3)式において、中性子束極大値と温度変化率の極大
値の発生する時刻に時間遅れがあっても、各極大値の比
が一定の値を示すため、極大値が発生する時刻によらず
(3)式が成立することになる。さらに、昇温昇圧過程
の初期ではQlossが比較的小さいという実測データ
の知見を基に、Qlossを見積もることで、すなわち
Qlossの値がほぼ0とみなせる程度に小さく、影響
が小さいので、精度の良いαを実測データから算出する
ことができる。αが算出できれば、炉水温度変化率dT
/dtを目標値に近づけるための中性子束目標値は
(3)式から評価することができる。
【0031】すなわち、起動時の初期の段階では、熱損
失は無視できるところから、Qlossを0と近似する
と、(3)式は、次の(4)式で表される。
【0032】 M・Cv/α=(中性子束の極大値)/(炉水温度変化率の極大値)…(4) (4)式において、中性子束の極大値と炉水温度変化率
の極大値との比の値は、常に一定の値を示すことから、
極大値の関係を目標値の関係にみなすことができ、
(4)式から(5)式が得られる。
【0033】 (中性子束目標値)/(炉水温度変化率目標値)=(中性子束の極大値)/( 炉水温度変化率の極大値)…(5) (5)式から、中性子束の極大値と炉水温度変化率の極
大値および炉水温度変化率目標値を基に中性子束目標値
を精度良く求めることができる。そして中性子束目標値
に従って制御棒の位置を調整することで炉水温度変化率
を迅速に目標値に近づけることでき、原子炉を迅速に昇
温昇圧することができる。
【0034】次に、中性子束の最初の極大値と炉水温度
変化率の最初の極大値が求められた後は、各極大値が検
出された時刻の差を示す時間遅れ(時刻偏差)Δtを求
めれば、その後任意の時刻に得られた中性子束の検出値
および炉水温度変化率の算出値によっても中性子束目標
値を評価することができる。
【0035】すなわち時間遅れΔt後に算出された炉水
温度変化率の算出値をd/dtとし、この値が得られ
た時刻よりも時間遅れΔt分ずれた時刻に検出された中
性子束をφdelayとすると、(1)式は次の(6)
式で表される。
【0036】 M・Cv・(d/dt)=α・φdelay−Qloss…(6) (6)式において、αが算出できれば、炉水温度変化率
の目標値を与える中性子束の目標値は、(5)式と同様
に求めることができる。このため炉水温度変化率を目標
値に近づけるための中性子束目標値を高精度に求めるこ
とができ、この中性子束目標値に従って制御棒の位置を
制御することで、原子炉を迅速に昇温昇圧することがで
きる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて説明する。
【0038】図1は本発明の一実施形態を示す原子炉出
力制御装置のブロック構成図である。図1において、原
子力プラントに用いられる原子炉10には中性子束検出
器12、圧力検出器14、熱電対16が設けられてお
り、中性子束検出器2、圧力検出器14、熱電対16の
出力信号がそれぞれ原子炉出力制御器18に入力されて
いる。原子炉出力制御器18は、温度検出器20、温度
変化率算出器22、温度変化率極大値検出器24、中性
子束モニタ26、中性子束極大値検出器28、入力部3
0、中性子束目標値算出器32、制御棒制御器34、C
RT36を備えて構成されている。
【0039】熱電対16は原子炉10に接続された配管
内に設置されており、配管内の炉水の温度に検出し、検
出した温度の信号を温度検出器20へ出力する。温度検
出器20は熱電対16からの信号に応じた温度検出信号
を温度変化率算出器22へ出力するようになっている。
すなわち熱電対16と温度検出器20は原子炉10内の
炉水の温度を検出する炉水温度検出手段として構成され
ている。温度変化率算出器22は温度検出器20の検出
信号を順次記憶し、炉水温度の時間的変化(時間の経
過)から炉水温度の変化率を算出する炉水温度変化率算
出手段として構成されており、この算出値が温度変化率
極大値検出器24に入力されている。温度変化率極大値
検出器24は温度変化率算出器22の算出値を順次記憶
し、温度変化率算出値の値が増加から減少に変化したと
きの値を極大値として順次記憶し、記憶した極大値に関
する信号を中性子束目標値算出器32へ出力する温度変
化率極大値検出手段として構成されている。
【0040】中性子束検出器12は原子炉10の炉心内
に設置されており、この中性子束検出器12は原子炉1
0内で1秒間に発生する中性子束の数を計数し、この計
数値を中性子束検出信号として中性子束モニタ26へ出
力する中性子束検出手段として構成されている。中性子
束モニタ26は中性子束検出器12の出力信号を中性子
束レベル(中性子束の検出値と炉心の定格出力との割合
を示すレベル=%定格)に変換し、変換した中性子束レ
ベルを中性子束極大値検出器28へ出力するようになっ
ている。中性子束極大値検出器28は、中性子束モニタ
26の出力を順次記憶し、中性子束レベルが増加から減
少に変化したときの値を中性子束の極大値として記憶す
るとともに極大値の検出に関する極大値検出信号を中性
子束目標値算出器32へ出力する中性子束極大値検出手
段として構成されている。入力部30は、例えば、キー
ボードなどで構成され、運転員の操作により、炉水温度
変化率目標値として、例えば20℃/h(時間)に関す
る信号を中性子束目標値算出器32へ出力する炉水温度
変化率目標値入力手段として構成されている。
【0041】中性子束目標値算出器32は、温度変化率
極大値検出器24の検出による極大値と中性子束極大値
検出器28の検出による極大値および入力部30の入力
による温度変化率目標値に基づいて中性子束目標値を算
出する中性子束目標値算出手段として構成されている。
そして本実施形態においては、中性子束目標値算出器3
2は、炉水温度変化率が目標値となるような中性子束目
標値を求めるために、前述した(1)式を利用し、中性
子束極大値と温度変化率極大値および炉水温度変化率目
標値に従って中性子束目標値を精度高く求めることとし
ている。
【0042】具体的には、昇温昇圧過程においては、熱
損失Qlossを0と近似すると、(1)式は次の
(7)式で表される。
【0043】 M・Cv/α=(中性子束の極大値)/(炉水温度変化率の極大値)…(7) ここで、臨界後に生じる中性子束と温度変化率の値を測
定したところ、図2に示すような結果が得られた。図2
から、中性子束の極大値A1〜A7が順次発生した後一
定時間、例えば、6分ごとに炉水温度変化率の極大値B
1〜B7が順次発生することがわかる。さらに中性子束
の極大値A1〜A7と炉水温度変化率の極大値B1〜B
7の比はそれぞれ符号C1〜C7で示すように、ほぼ一
定の値となる。
【0044】すなわち、中性子束の極大値と炉水温度変
化率の極大値との比は常に一定の値を示すため、中性子
束目標値と炉水温度変化率目標値との比も一定の値を示
すとみなすことができ、(7)式を(8)式で表すこと
ができる。
【0045】 (中性子束目標値)=(中性子束の極大値)/(炉水温度変化率の極大値)× (炉水温度変化率目標値)…(8) 中性子束目標値算出器32で算出された中性子束目標値
は表示手段としてのCRT36の表示画面上に表示され
るとともに、制御棒自動制御器34に入力される。制御
棒自動制御器34は、算出された中性子束目標値、圧力
検出器14の検出出力、中性子束検出器12の検出出
力、内蔵したタイマの出力を基に中性子束の値が中性子
束目標値と一致するように、複数の制御棒のうち特定の
制御棒の位置を調整する制御棒制御手段として構成され
ている。
【0046】上記構成において、原子炉10の炉心が臨
界に達した後、昇温昇圧過程に移行すると、運転員の操
作により、原子炉出力制御器18が起動されるとともに
入力部30に炉水温度変化率目標値が入力される。そし
て臨界到達時には、100秒〜200秒の炉周期をもっ
た臨界超過の状態にあり、この炉周期は、炉水温度が上
昇を開始して負の減速材温度反応度が入るまでほぼ一定
に保たれる。このため、中性子束は順次上昇し続ける。
このとき原子炉10内の圧力が圧力検出器14によって
検出され、炉水の温度が熱電対16、温度検出器20に
よって検出され、中性子束が中性子束検出器12によっ
て検出される。さらに、このとき中性子束極大値検出器
28では最新の時刻に得られた中性子束を最大値として
記憶するが、この後中性子束の値が減少に変化しないと
きには、記憶した最大値を極大値とは判定しない。一
方、この間、炉水温度は一定もしくは熱損失が大きいと
きには低下し、温度変化率算出器22の算出値は0また
は負となり、温度変化率極大値検出器24も極大値を検
出しない状態にある。
【0047】次に、中性子束が増加して発熱量が炉心定
格出力の0.1%程度に達すると、炉水温度が上昇し始
め、炉水温度変化率も増加する。炉水温度が上昇する
と、炉心に負の反応度が印加され、中性子束の上昇が遅
くなり、やがて中性子束が減少し始める。中性子束が減
少し始めると、中性子束極大値検出器28では、これま
でに記憶した中性子束の最大値を極大値と判定し、この
極大値A1(図2参照)を最初の極大値を示す信号とし
て中性子束目標値算出器32へ出力する。
【0048】一方、中性子束が増加から減少に転じで
も、炉水温度は上昇し続けるが、炉水温度変化率は、数
分の時間遅れの後、例えばΔt時間経過してから増加か
ら減少に移行する。このとき温度変化率極大値検出器2
4では、温度変化率の最大値を最初の極大値B1と判定
し、この極大値B1に関する信号を中性子束目標値算出
器32に出力する。中性子束と温度変化率の極大値がそ
れぞれ検出されると、各極大値と炉水温度変化率目標値
に従って中性子束目標値が前記(8)式に基づいて算出
される。そして算出された中性子束目標値はそれぞれC
RT36に表示されるとともに制御棒自動制御器34に
入力される。なお、極大値を検出するに際して、計測ノ
イズや計測値のばらつきを抑制するために、例えば、現
時点まで計測された最大値と現時点での計測値を比較
し、最大値に比べて現時点での計測値が一定値以上小さ
くなったことにより、その最大値を極大値として検出す
る方法を採用することもできる。
【0049】中性子束目標値が算出された後は、制御棒
自動制御器34は、図3に示すロジックに従って制御棒
の位置を調整するために、制御棒の引き抜きを実行す
る。
【0050】すなわち、制御部自動制御器34は、圧力
センサ14の検出による炉圧が目標圧力よりも小さいこ
と、制御棒を前回操作してから一定時間、例えば10秒
経過したこと、中性子束検出器12の検出による炉周期
が一定値、例えば500秒より大きいこと、中性子束検
出器12の検出による中性子束検出値と中性子束目標値
算出器32で算出された中性子束目標値との偏差が一定
値εより大きいこと、さらに中性子束目標値算出器32
により中性子束目標値が設定されたことのすべての条件
が満たされたときに、複数の制御棒のうち特定の制御棒
を引き抜く。この制御棒の引き抜く量は、反応度が過度
に投入されないようにあらかじめ設定されている。そし
て、中性子束の値が中性子束目標値となるように制御棒
を操作することで、炉水温度変化率を目標値に迅速に近
づけることができ、昇温昇圧過程に要する時間を短縮す
ることができる。
【0051】本実施形態によれば、(1)式と実測値に
よるαを利用するとともに、(8)式を用いて中性子束
目標値を求めるようにしているため、時間遅れのある炉
水温度変化率の計測値を参照することなく制御棒を操作
するこができ、昇温昇圧過程において制御棒の操作を迅
速に行なうことができ、起動に要する時間を短縮するこ
とができる。
【0052】また中性子束目標値をCRT36の画面上
に表示することで、制御棒自動制御器34の起動中に
は、制御棒自動制御器34の動作を確認することがで
き、制御棒自動制御器34の停止中には、手動によって
も制御棒を操作することができる。
【0053】また、炉水温度変化率を目標値に近づける
ために、中性子束目標値に従って制御棒を操作すると、
制御棒を早く操作することができ、炉水温度変化率の変
化が少なく、原子炉10が昇温するとき出力の安定した
制御が実現できる。
【0054】前記実施形態では、熱損失Qlossを0
と近似したが、この値を0と近似しなくても、適切な方
法で事前に評価したQlossの値を用いても中性子束
目標値を算出することができる。
【0055】次に、本発明の他の実施形態を図4に従っ
て説明する。
【0056】本実施形態は、図4に示すように、タイマ
38、時間遅れ検出器40、遅れ回路42を設け、中性
子束と炉水温度変化率の各極大値が検出されたときに、
両者の極大値がそれぞれ検出された時刻の偏差を基に、
任意の時刻における中性子束目標値を算出するようにし
たものであり、他の構成は図1と同様であるので、図1
と同一ものには同一符号を付してそれらの説明は省略す
る。
【0057】時間遅れ検出器40は、タイマ38から時
刻データを順次取り込み、温度変化率極大値24により
極大値が検出された時刻と中性子束極大値検出器28に
より極大値が検出された時刻をそれぞれ記憶し、両者の
偏差を示す時間遅れ(時刻偏差)を検出する時間遅れ
(時刻偏差)検出手段として構成されている。例えば、
中性子束の極大値A1が検出された時刻がt1であると
きには、この時刻t1を記憶するとともに、中性子束極
大値検出器28により極大値B1が検出された時刻がt
2のときにはこの時刻t2を記憶する。そして両者の偏
差を時間遅れΔtとして、遅れ回路42へ出力する。遅
れ回路42は、中性子束モニタ26の出力を順次出力
し、遅れ時間Δt分ずれた時刻に検出された中性子束レ
ベルの信号を順次中性子束目標値算出器32へ出力す
る。
【0058】中性子束目標値算出器32は、入力部30
から入力された炉水温度変化率目標値、温度変化率算出
器22の算出値、遅れ回路22から入力された中性子束
レベルに従って、中性子束目標値を算出する。すなわ
ち、中性子束の極大値と炉水温度変化率の極大値との比
は一定の関係にあるため、遅れ時間Δtが検出された後
は、その後得られた温度変化率の算出値とこの算出値が
得られた時刻から遅れ時間Δtだけずれた時刻に検出さ
れた中性子束との間には一定の関係があり、前述した
(6)式が成立する。そして中性子束や炉水温度変化率
を一定のサンプリング周期で検出する場合、例えば、時
間的に遅れた中性子束と炉水温度変化率の算出値との比
に関して、現時点からnサンプリング周期前までの平均
値(n個の平均値)を算出する場合、(6)式は次の
(9)式に示すように、平均値に炉水温度変化率の目標
値を乗じて中性子束目標値を算出する式で表すことがで
きる。
【0059】 (中性子束目標値)=(Σφn/(dT/dt)n)/n×(炉水温度変化率 目標値)…(9) (9)式において、φn :現時点よりnサンプリング周期前に 入力し時間的に遅れた中性子束 (dT/dt)n :現時点よりnサンプリング周期前に 入力した炉水温度変化率の検出値 本実施形態によれば、前記実施形態と同様な効果を得る
ことができるとともに、補機操作の変更で炉心の熱損失
などが大きく変化した場合や、制御棒の操作により中性
子束検出器12の感度が変化した場合でも、任意の中性
子束目標値を求めることができるため、昇温昇圧過程の
任意の時刻において中性子束目標値を精度の高い値に速
やかに更新することできる。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
中性子束と炉水温度変化率との比の関係を利用して、炉
水温度変化率を目標値に近づけるための中性子束目標値
を算出するようにしたため、中性子束検出値の感度や炉
水温度変化率の遅れ時間に影響されることなく、炉水温
度変化率目標値を実現するための中性子束目標値を精度
高く求めることができる。この結果、時間遅れのある炉
水温度変化率を参照することなく、中性子束が目標値に
近づくように、制御棒を制御することで、炉水温度変化
率を目標値に迅速に近付けることができ、原子炉を迅速
に昇温できるとともに制御棒の操作を自動化および簡素
化することができる。さらに中性子束目標値を表示する
ことで、手動操作によっても、炉水温度変化率の変動の
少ない安定した制御が可能となり、運転員の負担を軽減
することできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す原子炉出力制御装置
のブロック構成図である。
【図2】昇温昇圧過程における中性子束と炉水温度変化
率との関係を示す特性図である。
【図3】制御棒自動制御器の制御ロジックを説明するた
めの図である。
【図4】本発明の他の実施形態を示すブロック構成図で
ある。
【符号の説明】
10 原子炉 12 中性子束検出器 14 圧力検出器 16 熱電対 20 温度検出器 22 温度変化率算出器 24 温度変化率極大値検出器 26 中性子束モニタ 28 中性子束極大値検出器 30 入力部 32 中性子束目標値算出器 34 制御棒自動制御器 36 CRT 38 タイマ 40 時間遅れ検出器 42 遅れ回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 一彦 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立製作所大みか工場内 (72)発明者 清治 岳彦 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立製作所大みか工場内 (72)発明者 会沢 優子 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立製作所大みか工場内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原子炉内の中性子束と炉水温度をそれぞ
    れ検出し、中性子束の検出値から中性子束の極大値を検
    出し、炉水温度の検出値から炉水温度変化率を算出し、
    この算出値から炉水温度変化率の極大値を検出し、検出
    した中性子束の極大値と検出した炉水温度変化率の極大
    値および炉水温度変化率の目標値に従って中性子束目標
    値を算出し、算出した中性子束目標値に従って制御棒の
    位置を調整する原子炉出力制御方法。
  2. 【請求項2】 原子炉内の中性子束と炉水温度をそれぞ
    れ検出し、中性子束の検出値から中性子束の最大値を検
    出し、炉水温度の検出値から炉水温度変化率を算出し、
    この算出値から炉水温度変化率の最大値を検出し、検出
    した中性子束の最大値と検出した炉水温度変化率の最大
    値および炉水温度変化率の目標値に従って中性子束目標
    値を算出し、算出した中性子束目標値に従って制御棒の
    位置を調整する原子炉出力制御方法。
  3. 【請求項3】 原子炉内の中性子束と炉水温度をそれぞ
    れ検出し、中性子束の検出値から中性子束の極大値を検
    出し、炉水温度の検出値から炉水温度変化率を算出し、
    この算出値から炉水温度変化率の極大値を検出し、中性
    子束の極大値を検出した時刻と炉水温度変化率の極大値
    を検出した時刻との差を示す時刻偏差を検出し、その後
    任意の時刻に炉水温度を検出し、この炉水温度の検出値
    から炉水温度の変化率を算出し、さらに、任意の時刻か
    ら時刻偏差分ずれた時刻の中性子束を検出し、この時刻
    の中性子束と任意の時刻に検出した炉水温度から算出し
    た炉水温度変化率および炉水温度変化率の目標値に従っ
    て中性子束目標値を算出し、算出した中性子束目標値に
    従って制御棒の位置を調整する原子炉出力制御方法。
  4. 【請求項4】 原子炉内の中性子束と炉水温度をそれぞ
    れ検出し、中性子束の検出値から中性子束の極大値を検
    出し、炉水温度の検出値から炉水温度変化率を算出し、
    この算出値から炉水温度変化率の極大値を検出し、中性
    子束の極大値を検出した時刻と炉水温度変化率の極大値
    を検出した時刻との差を示す時間遅れを検出し、その後
    任意の時刻に炉水温度を検出し、この炉水温度の検出値
    から炉水温度の変化率を算出し、さらに、任意の時刻か
    ら時間遅れ分ずれた時刻の中性子束を検出し、この時刻
    の中性子束と任意の時刻に検出した炉水温度から算出し
    た炉水温度変化率および炉水温度変化率の目標値に従っ
    て中性子束目標値を算出し、算出した中性子束目標値に
    従って制御棒の位置を調整する原子炉出力制御方法。
  5. 【請求項5】 原子炉内の中性子束と炉水温度をそれぞ
    れ検出し、中性子束の検出値から中性子束の極大値を検
    出し、炉水温度の検出値から炉水温度変化率を算出し、
    この算出値から炉水温度変化率の極大値を検出し、中性
    子束の極大値を検出した時刻と炉水温度変化率の極大値
    を検出した時刻との差を示す時間遅れを検出し、その後
    任意の時刻に中性子束を検出し、任意の時刻から時間遅
    れ分遅れた時刻に炉水温度を検出し、この炉水温度の検
    出値から炉水温度の変化率を算出し、任意の時刻に検出
    した中性子束と任意の時刻より時間遅れ分遅れた時刻に
    検出した炉水温度から算出した炉水温度変化率および炉
    水温度変化率の目標値に従って中性子束目標値を算出
    し、算出した中性子束目標値に従って制御棒の位置を調
    整する原子炉出力制御方法。
  6. 【請求項6】 算出した中性子束目標値を表示する請求
    項1、2、3、4または5記載の原子炉出力制御方法。
  7. 【請求項7】 原子炉内の中性子束を検出する中性子束
    検出手段と、原子炉内の炉水温度を検出する炉水温度検
    出手段と、中性子束検出手段の検出値から中性子束の極
    大値を検出する中性子束極大値検出手段と、炉水温度検
    出手段の検出値から炉水温度変化率を算出する炉水温度
    変化率算出手段と、炉水温度変化率算出手段の算出値か
    ら炉水温度変化率の極大値を検出する炉水温度変化率極
    大値検出手段と、炉水温度変化率の目標値を入力する炉
    水温度変化率目標値入力手段と、中性子束極大値検出手
    段の検出値と炉水温度変化率極大値検出手段の検出値お
    よび炉水温度変化率目標値入力手段の入力による炉水温
    度変化率目標値に従って中性子束目標値を算出する中性
    子束目標値算出手段と、中性子束目標値算出手段の算出
    した中性子束目標値に従って制御棒の位置を調整する制
    御棒制御手段とを備えている原子炉出力制御装置。
  8. 【請求項8】 原子炉内の中性子束を検出する中性子束
    検出手段と、原子炉内の炉水温度を検出する炉水温度検
    出手段と、中性子束検出手段の検出値から中性子束の最
    大値を検出する中性子束最大値検出手段と、炉水温度検
    出手段の検出値から炉水温度変化率を算出する炉水温度
    変化率算出手段と、炉水温度変化率算出手段の算出値か
    ら炉水温度変化率の最大値を検出する炉水温度変化率最
    大値検出手段と、炉水温度変化率の目標値を入力する炉
    水温度変化率目標値入力手段と、中性子束最大値検出手
    段の検出値と炉水温度変化率最大値検出手段の検出値お
    よび炉水温度変化率目標値入力手段の入力による炉水温
    度変化率目標値に従って中性子束目標値を算出する中性
    子束目標値算出手段と、中性子束目標値算出手段の算出
    した中性子束目標値に従って制御棒の位置を調整する制
    御棒制御手段とを備えている原子炉出力制御装置。
  9. 【請求項9】 原子炉内の中性子束を検出する中性子束
    検出手段と、原子炉内の炉水温度を検出する炉水温度検
    出手段と、中性子束検出手段の検出値から中性子束の極
    大値を検出する中性子束極大値検出手段と、炉水温度検
    出手段の検出値から炉水温度変化率を算出する炉水温度
    変化率算出手段と、炉水温度変化率算出手段の算出値か
    ら炉水温度変化率の極大値を検出する炉水温度変化率極
    大値検出手段と、炉水温度変化率の目標値を入力する炉
    水温度変化率目標値入力手段と、中性子束検出手段が中
    性子束の極大値を検出した時刻と炉水温度変化率極大値
    検出手段が極大値を検出した時刻との差を示すの時刻偏
    差を検出する時刻偏差検出手段と、時刻偏差検出手段に
    より時刻偏差が検出された後の任意の時刻に炉水温度変
    化率算出手段により算出された炉水温度変化率と任意の
    時刻から時刻偏差分ずれた時刻に中性子束検出手段によ
    り検出された中性子束および炉水温度変化率目標値入力
    手段の入力による炉水温度変化率目標値に従って中性子
    束目標値を算出する中性子束目標値算出手段と、中性子
    束目標値算出手段の算出した中性子束目標値に従って制
    御棒の位置を調整する制御棒制御手段とを備えている原
    子炉出力制御装置。
  10. 【請求項10】 原子炉内の中性子束を検出する中性子
    束検出手段と、原子炉内の炉水温度を検出する炉水温度
    検出手段と、中性子束検出手段の検出値から中性子束の
    極大値を検出する中性子束極大値検出手段と、炉水温度
    検出手段の検出値から炉水温度変化率を算出する炉水温
    度変化率算出手段と、炉水温度変化率算出手段の算出値
    から炉水温度変化率の極大値を検出する炉水温度変化率
    極大値検出手段と、炉水温度変化率の目標値を入力する
    炉水温度変化率目標値入力手段と、中性子束検出手段が
    中性子束の極大値を検出した時刻と炉水温度変化率極大
    値検出手段が極大値を検出した時刻との差を示す時間遅
    れを検出する時間遅れ検出手段と、時間遅れ検出手段に
    より時間遅れが検出された後の任意の時刻に炉水温度変
    化率算出手段により算出された炉水温度変化率と任意の
    時刻から時間遅れ分ずれた時刻に中性子束検出手段によ
    り検出された中性子束および炉水温度変化率目標値入力
    手段の入力による炉水温度変化率目標値に従って中性子
    束目標値を算出する中性子束目標値算出手段と、中性子
    束目標値算出手段の算出した中性子束目標値に従って制
    御棒の位置を調整する制御棒制御手段とを備えている原
    子炉出力制御装置。
  11. 【請求項11】 原子炉内の中性子束を検出する中性子
    束検出手段と、原子炉内の炉水温度を検出する炉水温度
    検出手段と、中性子束検出手段の検出値から中性子束の
    極大値を検出する中性子束極大値検出手段と、炉水温度
    検出手段の検出値から炉水温度変化率を算出する炉水温
    度変化率算出手段と、炉水温度変化率算出手段の算出値
    から炉水温度変化率の極大値を検出する炉水温度変化率
    極大値検出手段と、炉水温度変化率の目標値を入力する
    炉水温度変化率目標値入力手段と、中性子束検出手段が
    中性子束の極大値を検出した時刻と炉水温度変化率極大
    値検出手段が極大値を検出した時刻との差を示す時間遅
    れを検出する時間遅れ検出手段と、時間遅れ検出手段に
    より時間遅れが検出された後の任意の時刻に中性子束検
    出手段により検出された中性子束の検出値と任意の時刻
    から時間遅れ分遅れた時刻に炉水温度変化率算出手段に
    より算出された炉水温度変化率の算出値および炉水温度
    変化率目標値入力手段の入力による炉水温度変化率目標
    値に従って中性子束目標値を算出する中性子束目標値算
    出手段と、中性子束目標値算出手段の算出した中性子束
    目標値に従って制御棒の位置を調整する制御棒制御手段
    とを備えている原子炉出力制御装置。
  12. 【請求項12】 中性子束目標値算出手段の算出した中
    性子束目標値を表示する表示手段を備えている請求項
    7、8、9、10または11記載の原子炉出力制御装
    置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007232504A (ja) * 2006-02-28 2007-09-13 Hitachi Ltd 原子炉システム及び原子炉制御方法
CN106385757A (zh) * 2016-09-18 2017-02-08 中国科学院上海应用物理研究所 一种中子产生靶
CN114594810A (zh) * 2022-03-03 2022-06-07 北京半导体专用设备研究所(中国电子科技集团公司第四十五研究所) 一种温度控制方法、装置及电子设备

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