JPH10310900A - 帯板に金属層を電着する装置 - Google Patents
帯板に金属層を電着する装置Info
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Abstract
同時にエッジマスクを用いる装置の難点を排除し、特
に、帯板の表面の不均一性に無関係な一様な金属付着を
保証し、付着させない側の陽極の距離が余計であり、陽
極の領域の可動部品を必要としない帯板に金属層を電着
する装置を提供する。 【解決手段】 金属を電解液から帯板の表面に付着さ
せ、帯板に平行に配置されている少なくとも一つの不溶
性の陽極を用い、金属を添加した酸性の電解液の中を通
過する帯板に金属層を電着する装置にあって、陽極の各
々を帯板の移動方向に平行に陽極ストライプ5a,5b に
して分割し、陽極ストライプ5a,5b を互いに絶縁し、
陽極ストライプ5a,5b の各々に個別に電流を供給す
る。
Description
ら帯板の表面に付着させ、帯板に平行に配置されている
少なくとも一つの不溶性の陽極を用い、金属を添加した
酸性の電解液の中を通過する帯板に金属層を電着する装
置に関する。
は、腐食を防止するため、もしくは少なくとも腐食を大
幅に遅らせるため、保護膜を付ける必要がある。保護膜
のタイプは使用目的や経済的に支援できる経費に合わせ
ている。特に亜鉛メッキは従来の技術に属する。亜鉛メ
ッキを施す場合には、防食保護は電気分解で付ける金属
被覆層により達成できる。
種の亜鉛層を片側あるいは両側に付ける装置は従来の技
術により周知である。陽極はできる限り狭い 5〜 30 mm
の間隔にして帯板に平行に配置される。各陽極と帯板の
間の空間は金属(亜鉛)を添加した酸性の電解液で満た
されている。成膜中には電流がこれ等の陽極から陰極と
して働く帯板に向けて流れ、この帯板の表面に亜鉛が付
着する。
る場合にも、両側に層を付ける場合にも問題がある。電
流密度は帯板のエッジに向けて増加する。このため、帯
板のエッジで電流密度が異常に高くなり、亜鉛の付着が
増大する。それ故、帯板のエッジ領域の亜鉛層は中央の
亜鉛層より約 2〜3 倍厚い。金属やエネルギの消費を別
にして、上記のことは帯板を巻き取る場合や、後に続く
処理過程に問題を与える。そのため、これ等の帯板を巻
き取る前に、エッジのところを非常に広くトリミングす
る必要があり、これが材料を著しく消費する外に、更に
作業経費を伴う。
すると、他の問題が生じる。付着させない帯板の側の陽
極を除去するか、あるいはダミー陽極(例えば合成樹脂
材料の板)に置き換えれば、付着させるべき側のエッジ
に亜鉛メッキされるだけでなく、電流が回り込むため、
付着したくない側のエッジにも亜鉛メッキされる。付着
させたくない側の陽極のみに通電しないなら、更に付着
させたくない帯板の側にも金属が付着することになる。
その原因は、帯板に比べて幅の広い帯板の領域の外の陽
極から電流が電解液を通して休止していた陽極に移行す
るので、この陽極を帯板に対して電圧下に置く点にあ
る。
マスクが既に知られていて、これ等のエッジマスクは電
気絶縁板あるいはフォイルの形で帯板の傍の二つの陽極
の間の電流の流れを阻止する。これ等の帯板エッジには
電気絶縁板の端面に配置されているU字型の輪郭外形が
ある。エッジ亜鉛メッキの程度はU字型の輪郭外形の帯
板エッジの浸漬深さに依存する。それ故、U字型の輪郭
外形を帯板の動きに常時正確に追従させることが必要で
ある。これは、帯板エッジの位置測定、および複雑な測
定制御技術を伴う経費のかかるエッジマスクの駆動部を
必要とする。
い点にある。例えば滑らかでない帯板のエッジあるいは
突然生じる帯板の幅の変動がエッジマスクを傷付ける。
この結果は経費の嵩む休止状態や保守となる。結局、エ
ッジマスクは、十分安定に形成するため、陽極の間に最
小間隔を必要とする。
の厚さが帯板の横輪郭外形を直接表すという問題を解決
しない。帯板に、例えば横円弧、あるいは他の不平坦
さ、あるいは陽極の間の傾斜姿勢があれば、これにより
不均一な層の厚さとなる。この望ましくない効果を避け
るため、従来技術の付着処理に経費の嵩む延長設備を前
置する。
記の従来技術を前提として、付着する金属のエッジ成長
を確実に防止し、同時にエッジマスクを用いる装置の難
点を排除した、冒頭に述べた類の金属を電着する装置を
提供することにある。特に、帯板の表面の不均一性に無
関係な一様な金属付着を保証し、付着させない側の陽極
の距離が余計であり、陽極の領域の可動部品を必要とし
ないであるべきである。
により、金属を電解液から帯板の表面に付着させ、帯板
に平行に配置されている少なくとも一つの不溶性の陽極
を用い、金属を添加した酸性の電解液の中を通過する帯
板に金属層を電着する装置にあって、陽極の各々を帯板
の移動方向に平行に陽極ストライプ5a,5b にして分割
し、陽極ストライプ5a,5b を互いに絶縁し、陽極スト
ライプ5a,5b の各々に個別に電流を供給する、ことに
よって解決されている。
求の範囲の従属請求項に記載されている。
させるべき帯板のその時の幅に応じて、その帯板に対向
している陽極ストライプにのみ電流を供給することがで
きる。これには、何れにせよ存在する帯板層の測定シス
テムを用いて実際の帯板層を検知できることにある。
間隔の平均値より近にある個々の陽極ストライプの電流
供給を止めて、特に平坦でない帯板にも有利に付着させ
ることができる。隣の陽極ストライプの散乱作用のため
に帯板は更に付着されるが、その量は少ない。このこと
は次の次のストラプにも弱く当てはまる。このため、個
々の陽極ストライプへの通電を止めると付着層が均一化
する。
材料がこれ等の陽極ストライプを互いに絶縁し、これ等
の絶縁材料が帯板に対向する各陽極の表面を越えて電解
液の中に突出すれば、電流の供給されている陽極ストラ
イプから供給されていない陽極ストライプへ電流を移行
することが効果的に抑制される。これは、特に帯板のエ
ッジ領域で有利に作用する。何故なら、電流の流れが帯
板表面の直ぐ上で偏向され、従来の技術で普通の高い電
流密度の集中が抑制される。
の上カバーまたは下カバーを選択して通電されている陽
極ストライプを用いて層の厚さも、例えば帯板のエッジ
に向けて低下、一様に、あるいは上昇するように制御で
きる。各陽極の表面の上に突出する絶縁ストライプは、
陽極ストライプが十分狭い場合、極度に平坦さのない帯
板に対して帯板が当接することに対して陽極を保護する
か、あるいは帯板の引張応力を緩和する原因となる。通
常の装置で電流を印加している状態で大きな短絡電流に
導き、陽極表面に大きな損傷を与える帯板の接触は、そ
れ故、この発明の上記構成の場合、確実に回避される。
絶縁ストライプを耐磨耗性で割れのない材料から作製す
ると有利である。各陽極の表面上に突出する絶縁ストラ
イプの他の中心的な利点は、電解液が帯板の移動方向に
あるいはその逆に平行に案内される点にある。帯板の幅
に対して調整された均一な流れ速度は周知の装置の場合
よりも金属付着を均一にし、その場合、特に流入する電
解液の陽極領域への導入および/または排出が入念に行
われないなら、横方向の流れが生じる。
る多くの陽極が帯板の進行方向に順次接続されている。
連続接続されているこれ等の陽極を個別に制御できるた
め、個々の陽極を用いて個別に制御できる層の輪郭外形
を加算して絶えず一様な層厚を保証できる。電流調整器
を用いて陽極ストライプに通電することにより、層の輪
郭外形を制御すると特に有効である。この電流調整器は
各陽極ストライプに望ましい電流強度を一定に保持す
る。クーロンの法則により電着する金属量は電流の和に
直接比例するので、層の厚さを正確に制御できる(例え
ば1グラムの亜鉛の付着には 1.22 Ahが必要である)。
その長さに対して多重分割し、各陽極ストライプに好ま
しくは一つのスイッチで個別に通電することにより、層
の厚さを調整できる。陽極ストライプが、例えば4重に
分割されているなら、陽極ストライプにそれぞれ 0%,
25%,50%,75%および 100%の電流強度が印加され
る。
当な層構造は陽極ストライプの上記の割合の範囲で作製
される。
グラフに基づきこの発明をより詳しく説明する。図1は
電解液1内を通過する帯板2に電着を施す装置を示す。
帯板2の表面2a,2b に平行に狭い間隔で上陽極3a と
下陽極3b が配置されている。上陽極3a と下陽極3b
の幅は最も広く付着させる帯板に合わせてある。例えば
帯板の幅が 1,850 mm の場合、陽極の幅は 2,050 mm に
なる。
a,3b から陰極として接続されている帯板2に流れる。
電解液1の亜鉛が表面2a,2b の上に付着する。帯板2
のエッジ2c,2d に亜鉛が成長するのを防止するため、
従来の技術では図2に示すような所謂エッジマスク4の
配置が提唱されている。この配置は絶縁板4a,4b と帯
板のエッジ2c,2d を囲むU字型の輪郭外形4c,4d と
で構成されている。
量に依存する。図2に示していないエッジマスク4用の
駆動部はU字型の輪郭外形4c,4d を帯板のエッジ2c,
2dの形状に正確に追従させている。従って、測定経費
や制御経費が高くなる。図1の配置や図2の配置にも、
帯板の幅に対する層の厚さが帯板2の横輪郭外形を直接
表しているという難点がある。
帯板2の円弧状の横断面の例に関して上記の関係を示
す。図4に示すこの発明による配置は、個別の陽極スト
ライプ5a,5b で構成され、これ等の陽極ストライプ
は、図示する実施例の場合、帯板2の上にも下にも配置
されている。個別の陽極ストライプ5a,5b は絶縁スト
ライプ6a,6b で互いに絶縁されていて、これ等の絶縁
ストライプは、陽極ストライプ5a,5b で形成される陽
極の表面の上に電解液1に向けて突出している。
下陽極および上陽極を形成し、これ等の陽極は、同時に
図4に示していない横接続端子と共に電解液1に対する
電流通路を形成する。電解液1の流れ通路の横端部の少
なくとも一つを脱着可能に形成して、全装置を横方向に
移動させて保守作業および/または監視作業に対して時
間をかけずに交換できる。このような構成では、特別な
付着セルが不要となる。
a,5b の各々はそれぞれ一つの固有なスイッチ8a,8b
を経由して中央の整流器7a,7b に接続し、この整流器
は前記陽極ストライプに電流を供給する。図4では、帯
板2の表面2a,2b の上に対向している陽極ストライプ
5a,5bに付属するスイッチ8a,8b のみが閉じている
ことが分かる。
陽極ストライプの各々に独立した整流器を付属させ、ス
イッチあるいは電流制御器を経由してこの整流器を陽極
ストライプに接続することも可能である。電解液1の中
に僅かに数ミリメートル突出する絶縁ストライプ6a,6
b は帯板2に当接することを防止している。
4つの陽極(図4)を帯板の移動方向に順次配置してい
ることを前提としている。この実施例では、帯板2の表
面2a の上への付着だけが行われる。下部の陽極の陽極
ストライプ5b には通電が全て止めてある。左半分に
は、個々の陽極ストライプ5a に通電されていることが
分かる。その右横の各グラフには、帯板2の幅にわたり
その表面2a 上に形成された亜鉛層の厚さが示してあ
る。
加算することによる均一化を明確に知ることができる。
最後に、図6は帯板2のエッジ領域で陽極ストライプ5
a,5b の通電を変えて、ただ2つの連続的に繋げた陽極
を通過した時のエッジ領域の亜鉛層の平坦さを示す。
装置により、付着する金属のエッジ成長を確実に防止
し、同時にエッジマスクを用いる装置の難点を排除でき
る。特に、帯板の表面の不均一性に無関係な一様な金属
付着を保証し、付着させない側の陽極の距離が余計であ
り、陽極の領域の可動部品を必要としない。
帯板を電着被覆する装置、
る帯板を電着被覆する装置、
合における層の厚さのグラフ、
施例、
を持つこの発明による装置で層の厚さを制御するグラ
フ、
ることを示すグラフである。
Claims (9)
- 【請求項1】 金属を電解液から帯板の表面に付着さ
せ、帯板に平行に配置されている少なくとも一つの不溶
性の陽極を用い、金属を添加した酸性の電解液の中を通
過する帯板に金属層を電着する装置において、 陽極の各々を帯板の移動方向に平行に陽極ストライプ
(5a,5b )にして分割し、 陽極ストライプ(5a,5b )を互いに絶縁し、 陽極ストライプ(5a,5b )の各々に個別に電流を供給
する、ことを特徴とする帯板に金属層を電着する装置。 - 【請求項2】前記陽極は装置内で付着させる帯板(2)
の各々より幅が広い、 ことを特徴とする請求項1に記載の帯板に金属層を電着
する装置。 - 【請求項3】前記陽極ストライプ(5a,5b )の間に配
置されている絶縁材料は陽極ストライプの各々を互いに
絶縁し、 この絶縁材料は少なくとも帯板に対向する各陽極の表面
を越えて電解液(1)に突出している、 ことを特徴とする請求項1または2に記載の帯板に金属
層を電着する装置。 - 【請求項4】ストライプ(6a,6b )の形の絶縁材料は
耐磨耗性で割れに強い、ことを特徴とする請求項1〜3
の何れか1項に記載の帯板に金属層を電着する装置。 - 【請求項5】陽極ストライプ(5a,5b )の幅は 5〜 4
0 mmの間の範囲にある、ことを特徴とする請求項1〜4
の何れか1項に記載の帯板に金属層を電着する装置。 - 【請求項6】多数の陽極が帯板(2)の移動方向に順次
接続されている、ことを特徴とする請求項1〜5の何れ
か1項に記載の帯板に金属層を電着する装置。 - 【請求項7】各陽極ストライプ(5a,5b )はスイッチ
(8a,8b )により個々に通電される、ことを特徴とす
る請求項1〜6の何れか1項に記載の帯板に金属層を電
着する装置。 - 【請求項8】各陽極ストライプ(5a,5b )は電流調整
器により個々に通電される、ことを特徴とする請求項1
〜6の何れか1項に記載の帯板に金属層を電着する装
置。 - 【請求項9】各陽極の陽極ストライプ(5a,5b )はそ
の全長にわたり複数に分割され、各陽極ストライプは好
ましくは一つのスイッチで個別に通電される、ことを特
徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の帯板に金属
層を電着する装置。
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