JPH10309770A - 透明導電性シート - Google Patents

透明導電性シート

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JPH10309770A
JPH10309770A JP9124133A JP12413397A JPH10309770A JP H10309770 A JPH10309770 A JP H10309770A JP 9124133 A JP9124133 A JP 9124133A JP 12413397 A JP12413397 A JP 12413397A JP H10309770 A JPH10309770 A JP H10309770A
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transparent conductive
film
conductive sheet
gas barrier
oxide
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昭彦 坂井
Tetsuya Kubota
哲哉 久保田
Chiharu Okawara
千春 大川原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 剛性、ガスバリア性、耐薬品性等に優れ、液
晶ディスプレイ等の表示素子や太陽電池変換素子等のシ
ート部品としての使用が期待できる透明導電性シートを
提供する。 【解決手段】 硬化性樹脂シートに、無機酸化物から成
るガスバリア膜と導電膜とを積層してなる透明導電性シ
ート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶ディスプレイ
等の表示素子や太陽電池変換素子等に使用される透明導
電シートに関する。
【0002】
【従来の技術】エレクトロニクス技術の急速な進歩に伴
い、特に液晶表示板、太陽電池変換素子等、光エレクト
ロニクス分野は拡大している。一般的に、光エレクトロ
ニク素子は、素子を、透明導電層を有するガラス基板上
に形成することにより各種用途に供されている。しか
し、ガラスは重量が大きく、可搬型装置に組み込んだ場
合は、ガラスの大きな比重のため機器の重量が大きくな
るという問題がある。そのため、軽量化が強く望まれて
おり、ガラス基板に代え、プラスチックシートが使用さ
れつつある。
【0003】しかしながら、光エレクトロニクス素子を
形成させるプロセスで必要とされる温度は、近年の技術
開発により低下してきているものの150℃程度の耐熱
性が必要となる。そのため、耐熱性高分子として知られ
ているポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリカ
ーボネート等のフィルムが基板として採用されてきてい
る。しかしながら現状のこれらフィルム基板は、厚さが
0.1mm程度であるので、従来のガラス基板に比べて剛
性に欠け、従来のガラス基板を使用した液晶ディスプレ
イのプロセスでは製造できないという問題がある。
【0004】そこで、剛性を付与するため、フィルムの
膜厚化が考えられるが、溶媒キャスト法では、発泡、平
面性の低下、残留溶媒の問題のため現実的には厚さ20
0μm程度の製造が限界であり、また、液晶素子への応
用のためにはシート基板の複屈折率が20nm以下、好
ましくは、10nm以下であることが必要であるが、プ
ラスチック成形の際、分子配向を受けやすく低複屈折の
成形体を製造するのは困難であり、一般的な押出シート
では、現実的には100μm程度が製造限界となってい
るのが現状である。
【0005】特開平7ー36023号公報には、複屈折
率の小さいシートを2層積層した光学プラスチックシー
トが提案されている。これらは熱可塑性樹脂のため、剛
性が小さく、また耐薬品性についても大きく劣ってしま
うという欠点があった。また、このような光学プラスチ
ックシート上に導電性を付与したものは光エレクトロニ
クス素子とする段階で、導電性薄膜のエッチング工程、
保護コートのための溶剤塗布工程、洗浄工程等が必要と
なるが、シート自体耐薬品性が劣るため、表面に耐薬品
性のある薄膜を付与して導電膜を形成するという必要が
ある。
【0006】一方、特開平6ー116406号公報に
は、光学用フィルムとして基材フィルムの表面層に硬化
性樹脂をコートしたものが提案されている。しかしなが
ら、かかるフィルムも基板洗浄時にシート側面から溶剤
により膨潤、溶解されるため結果として、耐薬品性に劣
り、また、基板の剛性も十分なものではないという問題
がある。
【0007】更に、以上のようなガラス基板に代わるプ
ラスチックシートを、液晶表示素子、太陽電池、電磁波
シールド、EL用基板、カラーフィルター等で使用する
場合、特に高度なガスバリア性が要求されることが多
い。しかしながら、かかるガスバリア性についての検討
は十分ではなく、新たにガスバリア層を設けても必要以
上に層が厚くなる傾向があり、その結果として、該層の
クラック発生、密着性低下、透明性、外観の低下、シー
トのカール等の問題が生じたり、また、コスト高にもな
り、実用性の面でなお十分でない。また、ガスバリア層
の厚さを厚くしても、酸素ガスバリア性及び水蒸気バリ
ア性の向上には限度があり、同じ厚みでも更に高度なガ
スバリア性を有するシートが望まれる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑み液晶素子、太陽電池基板の製造プロセスなどにおい
て、必要となる耐薬品性、ガスバリア性に優れ、また、
ガラス基板と同等な剛性を有しており、従来のガラス基
板を使用した液晶ディスプレイのプロセスと共用又は互
換性を持つことができ、TN液晶表示パネルはもとよ
り、特に微細な表面の均一さが要求されるSTN液晶表
示パネルに使用できるような透明導電性シートを提供す
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本願発明は、硬化性樹脂シートに、無機酸化物から成
るガスバリア膜と導電膜とを積層してなる透明導電性シ
ートに存する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の透明導電性シートの主要構成層である硬化性樹
脂シートを形成する硬化性樹脂とは、熱や紫外線等の照
射によって硬化する樹脂である。熱硬化性樹脂として
は、マレイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、
フェノキシエーテル樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹
脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂等が例示される。ま
た、光硬化性樹脂としては、(メタ)アクリレート系化
合物のラジカル重合物、ポリエン−ポリチオール系化合
物の付加重合物、エポキシ系、ビニルエーテル系あるい
は環状エーテル系化合物のカチオン重合物などが例示さ
れるが、好ましくは(メタ)アクリレート系化合物のラ
ジカル重合物である。
【0011】(メタ)アクリレート系化合物のラジカル
重合物としては、ラジカル反応性不飽和化合物を有する
アクリレート化合物よりなる樹脂組成物、このアクリレ
ート化合物とチオール基を有するメルカプト化合物より
なる樹脂組成物、エポキシアクリレート、ウレタンアク
リレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルア
クリレート等のオリゴマーを多官能アクリレートモノマ
ーに溶融せしめた樹脂組成物等が挙げられるがこれらに
限定されるものではない。このうち、式(1)で示され
る含イオウビス(メタ)アクリレート及び式(2)で示
される脂環骨格ビス(メタ)アクリレートより選ばれる
少なくとも1種のビス(メタ)アクリレートよりなる組
成物が耐薬品性、剛性等の面で好ましい。なお「(メ
タ)アクリレート」は、アクリレートないしメタクリレ
ートを総称するものである。
【0012】
【化3】 [式(1)中、R1 及びR2 は、互に異っていてもよ
く、水素原子又はメチル基を示す。R3 は炭素鎖中に酸
素原子及び/又は硫黄原子を有していてもよい炭素数1
〜6の炭化水素基、好ましくは炭素数2〜4のアルキレ
ン基を示す。R4 は炭素鎖中に酸素原子及び/又は硫黄
原子を有していてもよい炭素数1〜6の炭化水素基、好
ましくは炭素数1〜3のアルキレン基を示す。Xはハロ
ゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6
のアルコキシ基を示し、aは0〜4の整数を示す。但し
aが2以上の整数の場合には、複数のXは互に異ってい
てもよい。]
【0013】式(1)で示される化合物のいくつかを例
示すれば、次の通りである。p−ビス(β−メタクリロ
イルオキシエチルチオメチル)ベンゼン、p−ビス(β
−アクリロイルオキシエチルチオメチル)ベンゼン、m
−ビス(β−メタクリロイルオキシエチルチオメチル)
ベンゼン、m−ビス(β−アクリロイルオキシエチルチ
オメチル)ベンゼン、p−ビス(β−メタクリロイルオ
キシエチルオキシエチルチオメチル)ベンゼン、p−ビ
ス(β−メタクリロイルオキシエチルチオエチルチオメ
チル)ベンゼン、p−ビス(β−メタクリロイルオキシ
エチルチオメチル)テトラブロムベンゼン、m−ビス
(β−メタクリロイルオキシエチルチオメチル)テトラ
クロロベンゼン。これらの化合物は、例えば、特開昭6
2−195357号公報に開示されている方法で合成す
ることができる。
【0014】
【化4】
【0015】[式(2)中、R5 及びR6 は、互に異っ
ていてもよく、水素原子又はメチル基を示す。bは1又
は2を示し、cは0又は1を示す。] 式(2)で示される化合物のいくつかを例示すれば、次
の通りである。ビス(オキシメチル)トリシクロ〔5.
2.1.02,6 〕デカン=ジアクリレート、ビス(オ
キシメチル)トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デカ
ン=ジメタクリレート、ビス(オキシメチル)トリシク
ロ〔5.2.1.02,6 〕デカン=アクリレートメタ
クリレート、ビス(オキシメチル)ペンタシクロ〔6.
5.1.13.6 .02,7 .09,13〕ペンタデカン=ジ
アクリレート、ビス(オキシメチル)ペンタシクロ
〔6.5.1.13,6 .02,7 .09,13〕ペンタデ
カン=ジメタクリレート、ビス(オキシメチル)ペンタ
シクロ〔6.5.1.13,6.02,7 .09,13〕ペン
タデカン=アクリレートメタクリレート。これらの化合
物は、例えば、特開昭62−225508号公報に開示
されている方法で合成することができる。
【0016】以上の式(1)及び式(2)で示される
(メタ)アクリレートは、単独もしくは2種以上を併用
して用いることができる。式(1)の化合物を単独で用
いる場合、得られる光硬化性樹脂シートの屈折率は、ナ
トリウムのD線(589.3mm)において室温で1.
54〜1.65となり、高屈折率を有する。また、式
(2)の化合物を単独で用いる場合は、得られるシート
の屈折率は1.47〜1.51となり比較的低い屈折率
となる。従って、式(1)及び式(2)で示される化合
物を2種以上併用することにより、1.47〜1.65
の間で所望の屈折率を有する低複屈折シートを得ること
ができる。
【0017】硬化性樹脂シートは、上記ビス(メタ)ア
クリレートを、単独で重合させて使用することができる
が、下記の式(3)、(4)及び(5)で示される分子
内に2個以上のチオール基を有するメルカプト化合物よ
り選ばれる少なくとも1種のメルカプト化合物をビス
(メタ)アクリレート80〜99.1重量部に対して、
通常0.1〜20重量部、好ましくは1〜15重量部、
特に好ましくは5〜10重量部配合することにより複屈
折の低減、適度の靱性を付与することができる。メルカ
プト化合物が20重量部を超えると硬化樹脂の耐熱性が
低くなるので好ましくない。
【0018】
【化5】 [式(3)中、複数のR7 は互に異っていてもよく、そ
れぞれメチレン基又はエチレン基を示す。R8 は炭素鎖
中に酸素原子及び/又は硫黄原子を含んでいてもよい炭
素数2〜15、好ましくは2〜6の炭化水素残基を示
す。dは2〜6の整数を示す。]
【0019】すなわち、式(3)で示される化合物は、
チオグリコール酸又はチオプロピオン酸とポリオールと
のジエステル〜ヘキサエステルである。そのいくつかを
例示すると、ペンタエリスリトールテトラキス(β−チ
オプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス
(チオグリコレート)、トリメチロールプロパントリス
(β−チオプロピオネート)、トリメチロールプロパン
トリス(チオグリコレート)、ジエチレングリコールビ
ス(β−チオプロピオネート)、ジエチレングリコール
ビス(チオグリコレート)、トリエチレングリコールビ
ス(β−チオプロピオネート)、トリエチレングリコー
ルビス(チオグリコレート)、ジペンタエリスリトール
ヘキサキス(β−チオプロピオネート)、ジペンタエリ
スリトールヘキサキス(チオグリコレート)などが挙げ
られる。
【0020】
【化6】
【0021】[式(4)中、Yは互に異っていてもよ
く、HS−(CH2 e −(CO)(OCH2 −C
2 f −(CH2 g −を示す。但しeは1〜4の整
数、fは1〜4の整数、gは0〜2の整数をそれぞれ示
す。] すなわち、式(4)の化合物はω−SH基含有トリイソ
シアヌレートである。そのいくつかを例示すると、トリ
ス〔2−(β−チオプロピオニルオキシ)エチル〕イソ
シアヌレート、トリス(2−チオグリコニルオキシエチ
ル)イソシアヌレート、トリス〔2−(β−チオプロピ
オニルオキシエトキシ)エチル〕イソシアヌレート、ト
リス(2−チオグリコニルオキシエトキシエチル)イソ
シアヌレート、トリス〔3−(β−チオプロピオニルオ
キシ)プロピル〕イソシアヌレート、トリス(3−チオ
グリコニルオキシプロピル)イソシアヌレートなどが挙
げられる。
【0022】
【化7】
【0023】[式(5)中、R9 及びR10は、互に異っ
ていてもよく、炭素数1〜3の炭化水素基を示す。m及
びnはそれぞれ0又は1を示す。pは1又は2を示
す。] すなわち、式(5)の化合物はα,ω−SH基含有化合
物である。そのいくつかを例示すると、ベンゼンジメル
カプタン、キシリレンジメルカプタン、4,4′−ジメ
ルカプトジフェニルスルフィドなどが挙げられる。
【0024】また、以上の光硬化性樹脂の重合の際に用
いる他の単量体としては、例えば、メチル(メタ)アク
リレート、フェニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、メタクリロイルオキ
シメチルテトラシクロドデカン、メタクリロイルオキシ
メチルテトラシクロドデセン、エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メ
タ)アクリレート、2,2−ビス[4−(β−メタクリ
ロイルオキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2′
−ビス[4−(β−メタクリロイルオキシエトキシ)シ
クロヘキシル]プロパン、1,4−ビス(メタクリロイ
ルオキシメチル)シクロヘキサン、トリメチロールプロ
パントリ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレー
ト化合物、スチレン、クロルスチレン、ジビニルベンゼ
ン、α−メチルスチレン等の核及び(又は)側鎖置換及
び非置換スチレンなどが挙げられる。これらの他の単量
体の中でもメタクリロイルオキシメチルシクロドデカ
ン、2,2−ビス[4−(β−メタクリロイルオキシエ
トキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(β
−メタクリロイルオキシエトキシ)シクロヘキシル]プ
ロパン、1,4−ビス(メタクリロイルオキシメチル)
シクロヘキサン、及びこれらの混合物が特に好ましい。
更に、これらには少量の酸化防止剤、紫外線吸収剤、染
顔料、充填剤等を含んでいてもよい。
【0025】以上のようなビス(メタ)アクリレート又
はビス(メタ)アクリレートとメルカプト化合物との混
合物は、紫外線等の活性エネルギー線によりラジカルを
発生する光重合開始剤を添加する公知のラジカル重合に
より硬化させる。その際に用いる光重合開始剤として
は、例えばベンゾフェノン、ベンゾインメチルエーテ
ル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ジエトキシアセ
トフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケ
トン、2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィ
ンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェ
ニルホスフィンオキシド等が挙げられる。好ましい光開
始剤としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフ
ェニルホスフィンオキシド、ベンゾフェノンである。こ
れら光重合開始剤は2種以上を併用してもよい。
【0026】光重合開始剤の添加量は、モノマー100
重量部に対し、通常0.01〜1重量部、好ましくは
0.02〜0.3重量部である。光重合開始剤の添加量
が多すぎると、重合が急激に進行し複屈折の増大をもた
らすだけでなく色相も悪化する。また少なすぎると組成
物を充分に硬化させることができなくなる。照射する活
性エネルギー線の量は、光重合開始剤がラジカルを発生
する範囲であれば任意であるが、極端に少ない場合は重
合が不完全なため硬化物の耐熱性、機械特性が十分に発
現されず、逆に極端に過剰な場合には硬化物の黄変等の
光による劣化を生じるので、モノマーの組成及び光重合
開始剤の種類、量に合わせて200〜400nmの紫外
線を好ましくは0.1〜200Jの範囲で照射する。使
用するランプの具体例としては、メタルハライドラン
プ、高圧水銀灯ランプ等を挙げることができる。
【0027】なお、硬化をすみやかに完了させる目的
で、熱重合を併用してもよい。すなわち光照射と同時に
組成物並びに型全体を通常30〜300℃の範囲で加熱
する。この場合は重合をよりよく完結するためにラジカ
ル重合開始剤を添加してもよいが、過剰な使用は複屈折
の増大と色相の悪化をもたらす。熱重合開始剤の具体例
としてはベンゾイルパーオキシド、ジイソプロピルパー
オキシカーボネート、t−ブチルパーオキシ(2−エチ
ルヘキサノエート)等が挙げられ、使用量はモノマー1
00重量部に対して1重量部以下が好ましい。更に、光
照射によるラジカル重合を行った後、硬化物を加熱する
ことにより重合反応の完結及び重合時に発生する内部歪
を低減することも可能である。加熱温度は、硬化物の組
成やガラス転移温度に合わせて適宜選択されるが、過剰
な加熱は硬化物の色相悪化をもたらすため、ガラス転移
温度付近かそれ以下の温度が好ましい。
【0028】光硬化性樹脂よりなる透明基板の成形方法
は、少なくとも一面が活性エネルギー線を透過可能な2
枚の相対する平板(以下「成形型」という。)を用いス
ペーサー等によりキャビティを形成させ周辺部をシール
してなる注入型に光硬化性樹脂を注入し、活性エネルギ
ー線を照射して光硬化性樹脂を硬化させる。成形型の材
質は、硬化後のシートの表面から、好ましくは研磨ガラ
スを用い、光硬化性樹脂を硬化させるに充分な活性エネ
ルギー線の透過性を持ち、熱等により容易にその形状を
変形させないものであればよい。また、研磨ガラスと同
等な表面性を得られるアクリル板等のプラスチック等が
挙げられる。
【0029】また、必要により成形型上に剥離剤等の塗
布、又は剥離層を設け硬化後の光硬化性樹脂シートを成
形型より除去し易くする処理を行うこともできる。用い
る剥離剤、剥離層、その塗布、については特に限定する
ものではないが、光硬化樹脂を硬化させるに充分な活性
エネルギー線の透過性を持つ物質であり、更に、光硬化
性樹脂を硬化させるための活性エネルギー線や、硬化時
に発生する熱等により容易にその形成状態を変形しない
物質であり、ガラス表面並の平面性が得られる物質であ
ればよい。
【0030】活性エネルギー線は光硬化性樹脂を硬化さ
せるものであり、例えば、紫外線等が挙げられる。活性
エネルギー線の照射量は用いる光硬化性樹脂を硬化させ
る量であればよい。キャビティを形成させるスペーサー
等については、特に限定しないが、所望のシート厚さが
得られるものであればよい。例えば、シリコンゴム等の
ゴム製、金属製の板もしくは棒状、テフロン等の樹脂製
の板もしくは棒状が挙げられる。
【0031】次に、本発明の透明導電性シートの第2の
必須構成層である導電膜を形成する導電物質としては、
酸化インジウム、酸化スズ、金、銀、銅、ニッケル等が
挙げられ、これらは単独又は2種以上を混合して使用す
ることができる。このうち、通常、酸化インジウムを9
9〜90%と酸化スズ1〜10%との混合物よりなるイ
ンジウムスズオキサイドが(以下「ITO」という。)
透明性と導電性のバランスの面から特に好ましい。透明
導電膜を形成する方法は、従来から公知の真空蒸着法、
スパッタリング法、イオンプレーティング法、化学蒸着
法等を用いて行うことができるが、このうち、スパッタ
リング法が密着性の点から特に好ましい。かかる導電膜
の厚さは通常50〜200nmの範囲が透明性及び導電
性のバランスから好ましい。
【0032】更に、本発明の透明導電性シートの第3の
必須構成層であるガスバリア膜を形成する無機酸化物
は、金属、非金属、亜金属の酸化物であり、具体例とし
ては、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化アンチモン、
酸化インジウム、酸化カルシウム、酸化カドミウム、酸
化銀、酸化金、酸化クロム、珪素酸化物、酸化コバル
ト、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化
鉄、酸化銅、酸化ニッケル、酸化白金、酸化パラジウ
ム、酸化ビスマス、酸化マグネシウム、酸化マンガン、
酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化バリウム等が挙
げられるが、珪素酸化物、酸化アルミニウムが、高度な
酸素ガスバリア性、水蒸気バリア性及び透明性とを兼ね
備え、かつ、工業的に安価であるので特に好ましい。か
かる珪素酸化物、酸化アルミニウムは各々単独で使用し
てもよいし、混合物として使用してもよい。なお、無機
酸化物には、微量の金属、非金属、亜金属単体やそれら
の水酸化物、また、可撓性を向上させるために適宜炭素
又はフッ素が含まれていてもよい。
【0033】以上のガスバリア膜の厚さは特に制限はな
く、無機酸化物の種類等によっても異なるが、酸素ガス
バリア性及び水蒸気バリア性、更には経済性を考慮する
と、膜の厚さは5〜50nmが好ましい。更に高度な酸
素ガスバリア性や水蒸気バリア性を得るためには膜の厚
さを厚くすればよいが、膜の厚さが5nm未満では膜が
島状になって膜が形成されない箇所が生ずる可能性があ
り均一な膜が得られない傾向があるので余り好ましくな
い。
【0034】また、以上のガスバリア膜を構成する無機
酸化物の粒子の平均粒子径は20nm以下であることが
好ましい。粒径が20nm以下になると酸素ガスバリア
性及び水蒸気バリア性が向上するが、その理由として、
膜中で粒子が高密度で充填し、基材フィルムの表面凹凸
を隙間なく効率的に被覆できるようになるためと推定さ
れる。また、ここでの膜の粒子の粒径とは、膜を形成す
る平均的粒子の粒子径を意味するものであり、その下限
は特に限定はないが、平均粒径は小さいほど望ましく、
好ましくは15nm以下、特に好ましくは10nm以下
である。なお、ここでの膜を構成する粒子の平均粒径と
は、基材のシート上に形成された膜を構成する無機酸化
物の各粒子の平均粒径を意味し、蒸着前の無機粒子の平
均粒径を意味するものではない。
【0035】また、ガスバリア膜のガスバリア性に影響
を与える因子として偏平率がある。かかる偏平率とは粒
子の偏平化の度合いが大きいを示す指標であって、ガス
バリア膜を構成する無機酸化物の粒子の平均偏平率が通
常0.15以下、好ましくは0.10以下であることが
望ましい。かかる平均偏平率が小さいと、膜中の粒子が
より隙間なく緻密に充填され易いため、より高度な酸素
ガスバリア性及び水蒸気バリア性を発現するものと推定
される。
【0036】以上のガスバリア膜を構成する粒子の平均
粒子径と平均偏平率は、原子間力顕微鏡(以下「AF
M」という。)により測定したAFM凹凸像を解析する
ことにより求めることができる。なお、かかる測定は、
ガスバリア膜表面、あるいは、ガスバリア膜表面上に更
に導電膜などの他の層を積層して最終の透明導電性シー
トとする場合は他の層を積層する前のガスバリア膜表面
について行う。AFMとしては、Digital In
struments社、セイコー電子工業社、Topo
metrix社等から市販されている装置をそのまま使
用することができる。この場合、Q.Zong,D.I
nnis,K.Kjoller andV.B.Eli
ngs、 Surf.Sci.Letter,(199
3) Vol.290,p688〜692に説明のある
共振モードに相当する測定モードが採用される。例え
ば、Digital Instruments社製の装
置NanoScope(c)を使用した場合にはタッピン
グモードで、また、セイコー電子工業社製SPI370
0を使用した場合にはダイナミックフォースモードで測
定を実施するとよい。
【0037】膜表面の粒子の偏平率は、例えば、セイコ
ー電子工業製SPI3700を使用した場合は、それに
より測定したAFM凹凸像について、基材のプラスチッ
クフィルムに由来する大きな凹凸やうねりを平滑化する
処理として、該AFM装置に付属のソフトウエアで3次
の傾斜自動補正処理を行い、次いで、任意に選択した1
〜数個の粒子について、装置付属のソフトウエアでライ
ン解析を行い、粒子の断面データから、粒子の底面半径
rと粒子の高さzを求め、z/rを計算する。ここで
は、同様にして解析した粒子100個分のz/rの平均
値を持って、特にガスバリア膜を構成する粒子の平均偏
平率と定義した。また、上記で解析した粒子100個分
の粒子の底面半径rの平均値を持って、薄膜を構成する
粒子の平均粒径と定義した。
【0038】上記のライン解析において、任意の粒子を
選択するときは、異常に大きく又は小さく見える粒子は
省き、且つ、選択する粒子の直径を通すように、即ちそ
れら粒子の頂点と粒子の端を含むようにして解析する線
分を設定する。以下図面を用いて説明するに、図1にラ
イン解析する際のx−y画面の粒子の拡大模式図を、図
2にライン解析の線分の断面図を示す。測定点は、それ
ぞれ(xi,yi,zi)値を持っており、図1において
粒子の頂点をB(x2,y2,z2)と粒子の端の点をA
(x1,y1,z1)及びC(x3,y3,z3)とすると、
解析する粒子の線分は、下記の式[1]、[2]を満た
す断面像を与えるものでなければならない。但し、選択
する線分のベースにうねりが存在する場合は、うねりの
カットオフ値(λc)以下のデータを落とした表示を用
いてもよい。
【0039】
【数1】 |z1−z3|≦0.05z2 ・・・[1]
【0040】
【数2】 0.9r2≦r1≦1.1r2 ・・・[2]
【0041】ここで、膜表面の粒子の底面半径rと粒子
の高さzは、点Aと点B、または点Cと点Bの2点間の
どちらかを選択し、解析する。ここでは点Aと点Bを用
いて説明するに、膜表面の粒子の底面半径rは、点Aと
点Bの距離であり、下記式[3]で表される値(nm)
である。また、膜表面の粒子の高さzは、点Aと点B、
または点Cと点Bの2点間の高低差であり、下記式
[4]で表される値(nm)である。
【0042】
【数3】 r=[(x1−x22+(y1−y221/2 ・・・[3]
【0043】
【数4】 z=|z1−z2| ・・・[4]
【0044】更に、ガスバリア膜のガスバリア性に影響
を与える因子としては、膜表面はできるだけ平坦である
方がガスバリア性の向上という点で好ましい。ガスバリ
ア膜表面、あるいは、導電膜などの他の層を積層して最
終の透明導電性シートとする場合は他の層を積層する前
のガスバリア膜表面で測定される粗さRmsが3.5n
m以下、特に2.0nm以下であることが望ましい。
【0045】膜表面の粗さの測定では、膜表面を1μm
×1μmの面積を測定したAFM凹凸像についてフラッ
ト処理を行った後、粗さ解析を行ってRms粗さの値を
求める。ここに、フラット処理とは、2次元データにつ
き、基準面に対して1次、2次又は3次元の関数で傾き
の補正を処理することをいい、粗さ解析により求めた粗
さRmsは以下の式[5]により求めることができる。
式[5]において、Zi=f(x,y)で、x,yの座
標は0から511の512点ずつ、即ち、N=512x
512、約25万点での高さ(粗さ)の粗さRmsであ
る。
【0046】
【数5】 −−−[5]
【0047】以上のガスバリア膜を形成する方法として
は、膜を構成する粒子の平均粒子径、平均偏平率、更に
は膜表面の粗さRmsが好ましい範囲となるようにに公
知の蒸着方法の条件を最適化すればよい。具体的な蒸着
方法としては、抵抗加熱法、高周波誘導加熱法、電子ビ
ーム照射加熱法又はレーザー加熱法による真空蒸着法、
イオンプレーティング法、スパッタリング法、CVD法
等が採用できる。また、薄膜を形成する蒸着材料として
は、金属単体や無機酸化物又はそれらの混合物が使用で
き、金属単体の場合は、酸素ガスを導入することによ
り、形成された薄膜が無機酸化物となる。
【0048】以上のように説明してきた本発明の硬化性
樹脂シートに、無機酸化物から成るガスバリア膜と導電
膜とを積層してなる透明導電性シートの層構成について
は特に制限はなく、硬化性樹脂シートと導電膜との間に
ガスバリア膜を形成してなるシートや、ガスバリア膜と
導電膜との間に硬化性樹脂シートを形成してなるシート
が例示される。硬化性樹脂シートとガスバリア膜との
間、ガスバリア膜と導電膜との間、及び導電膜と硬化性
樹脂シートとの間の密着性を向上するために従来公知の
コート剤等を塗布して使用することもできる。
【0049】硬化性樹脂よりなるシートの背向する表面
上に、例えば傷防止のためのハードコート層としてアク
リル系樹脂等で膜付けしてもよい。また、コロナ放電処
理、火炎処理、プラズマ処理、グロー放電処理、粗面化
処理、薬品処理等の従来公知の方法による表面処理や、
薄膜とシートとの密着性を向上させるためにアンカーコ
ート処理などを行うことができる。かかる処理は、シー
トの製造途中又は製造された後の二次加工処理等により
行うことができる。
【0050】アンカーコート処理によれば、ガスバリア
膜あるいは導電膜とシートとの密着性を向上させること
ができるが、その結果として良好なガスバリア性あるい
は導電性が発現しやすくなるという傾向がある点でも望
ましいといえる。アンカーコート層の厚さは、シートの
表面凹凸に合わせ、0.005〜5μmの範囲とするの
が好ましい。0.005μm未満では、塗布むらが生じ
やすく、一方、5μmを越えると層間の密着性が悪くな
る傾向があるのであまり好ましくない。アンカーコート
剤としては、ポリエステル樹脂、イソシアネート樹脂、
ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エチレンビニルアルコー
ル樹脂、ビニル変性樹脂、エポキシ樹脂、変性スチレン
樹脂、変性シリコン樹脂及びアルキルチタネート等を単
独あるいいは2種以上を併せて使用することができる。
また、これらには従来公知の添加剤を加えることもでき
る。
【0051】本発明の透明導電性シートの物性は特に限
定されるものではないが、以下のような範囲の物性を有
するものが好ましい。まず、透明導電性シートの厚さ
は、0.1〜2.0mmが好ましい。透明導電性シート
は曲げ弾性率が比較的大きいが、0.1mm未満ではシ
ートが自重によりたわみ易く、従来のガラス製基板を使
用した液晶ディスプレイの製造プロセスが使用できない
傾向があり、2.0mmを超えると従来の1.5〜0.
7mmのガラス基板と同じ重量となり、軽量化の目的か
らはずれてしまうのであまり好ましくない。
【0052】透明導電性シートの透明性の基準として、
550nmの光の波長での光線透過率が75%以上、特
に80%以上であることが好ましい。光線透過率が75
%未満ではカラー表示等の用途においては、画面が暗く
なるため使用でき難くモノクロ表示素子のみの用途にし
か使用できない恐れがある。透明導電性シートの複屈折
率としては、20nm以下、特に10nm以下が好まし
い。20nmよりも大きいと表示パネルとした場合、表
示画面の色ムラが生じる恐れがある。。
【0053】透明導電性シートの導電膜表面粗度Ra
は、0.05μm以下、特に0.01μm以下であるこ
とが好ましい。0.05μmを超えるとTN液晶の表示
パネル用の使用には良好であるが、STN液晶表示パネ
ル用ではセルのギャップが均一にできず表示ムラが生じ
てしまう傾向がある。
【0054】
【実施例】以下、本発明の内容および効果を実施例によ
り更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えな
い限り以下の例に限定されるものではない。また、実施
例及び比較例で得られた透明導電性シートの評価は、以
下の方法により測定した。 <膜の厚さ>実施例及び比較例により得られたシートの
ガスバリア薄膜と導電膜についてはシートの断面を透過
型電子顕微鏡(日立製作所製、H−600型)で観察
し、薄膜の厚さを測定した。
【0055】<耐薬品性>実施例及び比較例により得ら
れた透明導電性シートを25℃のキシレン中に24時間
浸漬後、透明導電性シートの外観、ITO膜の剥離及び
ヒビの有無について肉眼にて観察し次のように評価し
た。外観変化のない場合を○、透明導電シートが膨潤、
溶解したもの又はITO膜の剥離及びヒビが生じた場合
を×とした。 <耐熱性>ビガット軟化試験において、測定条件が、圧
子断面積1.0mm、荷重5Kg、昇温速度50℃/h
r、120℃以下で圧子が0.3mm以上進入したもの
を×、0.1mm以下で殆ど進入しなかったものを○と
した。
【0056】<複屈折率>複屈折測定装置(オーク製作
所製、ADR100)を使用し、632.8nmの波長
で面内の複屈折率を測定した。 <たわみ>透明導電性シートを20cm×5cmの試験
片とし、図3のたわみ量測定器具の押さえ金具から15
cm空中に離した時の水平面から先端のたわんだ距離を
たわみ量として測定した。
【0057】<表面抵抗値の測定>三菱化学(株)製の
4端子法抵抗測定器(ロレスターMP)を用いて、表面
抵抗値を測定した。 <光線透過率>(株)日立製作所の分光光度計を使用
し、波長550nmでの透過率を測定した。
【0058】<ITO膜表面の粗さ(Ra)>表面粗さ
測定器((株)東京精密製、サーフコーム575A)を
用い、ダイヤモンド針(1μmR、90゜円錐)、測定
長さ0.5mm、カットオフ値0.16mm、測定速度
0.06mm/sec及び直線補正の条件で測定した。
単位はμm。
【0059】<ガスバリア膜表面の粗さ(粗さRms)
>原子間力顕微鏡(AFM)として、Digital
Instruments社製のNano Scope
(c)を使用し、タッピングモードで、実施例及び比較
例で得られた薄膜ガスバリア性フィルムの薄膜面を1μ
m×1μmの面積を測定したAFM凹凸像についてフラ
ット処理を行った後、粗さ解析を行ってRms粗さを求
めた。この際、測定に用いるカンチレバーは、Nano
Probe製の磨耗や汚れのない状態のものを用い
た。また、測定する箇所は、フィルム中の滑剤やフィラ
ー等による高さ数10nmの突起及び深さ数10nmの
窪みのない箇所とした。
【0060】<ガスバリア膜を構成する粒子の偏平率>
原子間力顕微鏡(AFM)として、セイコー電子工業製
SPI3700を使用し、ダイナミックフォースモード
で、実施例及び比較例で得られた薄膜ガスバリア性フィ
ルムの薄膜面を1μm×1μmの面積をx、y方向とも
512分割で測定したAFM凹凸像について、3次の傾
斜自動補正処理を行った後、任意の粒子を選択し、ライ
ン解析を行って、薄膜表面の粒子の断面像から粒子の高
さzと粒子半径rを解析し、z/rを求めた。そして、
粒子100個分のz/rの平均値を、ガスバリア薄膜を
構成する粒子の偏平率の値とした。この際、測定に用い
るカンチレバーは、磨耗や汚れのない状態のものを用い
た。また、測定する箇所は、フィルム中の滑剤やフィラ
ー等による高さ数10nmの突起及び深さ数10nmの
窪みのない箇所とした。
【0061】<ガスバリア膜を構成する粒子の平均粒径
>上記の膜表面の粒子の偏平率のライン解析の際に測定
した粒子100個分のrの平均値として求めた。 <酸素透過率>ASTMD−3985に準拠して、酸素
透過率測定装置(モダンコントロール社製、OX−TR
AN100)を使用し、温度25℃、相対湿度95%の
条件下で測定した。
【0062】実施例1 ビスオキシメチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デ
カンジメタクリレート96重量部、ペンタエリスリトー
ルテトラキス(βーチオプロオピオネート)4重量部、
光開始剤として2,4,6ートリメチルベンゾイルジフ
ェニルフォスフィンオキシド(BASF社製「ルシリン
TPO」)0.05重量部、ベンゾフェノン0.05重
量部を均一に混合攪拌した後、脱泡して組成物を得た。
この組成物をスペーサーとして厚さ0.3mmのシリコ
ン板を用いた光学研磨ガラスの型に注入し、ガラス面上
にある出力80W/cmのメタルハライドランプにてガ
ラス型面に40J/cm2のエネルギーになるように約
20分間照射した。照射後ガラス型を離型し、厚さ約3
00μmの光硬化性樹脂シートを得た。
【0063】得られたシートに、高周波誘導加熱源(日
本真空技術(株)製、最大出力5.04kVA)を用
い、加熱出力55%、2×10ー5Torrの真空下でS
iO(住友シチックス製)を蒸発させ、厚さ35nmの
酸化珪素膜を形成させた。次に、酸化珪素膜を形成しな
い光硬化性樹脂シート面に、スパッタリング法により、
厚さ100nmのITO膜を形成し、透明導電性シート
を得た。評価結果を表−1と表−2に示す。
【0064】実施例2 pービス(βーメタクリロイルオキシエチルチオメチ
ル)ベンゼン100重量部、光開始剤として2,4,6
ートリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシ
ド(BASF社製「ルシリンTPO」)0.05重量
部、ベンゾフェノン0.05重量部を均一に混合攪拌し
た後、脱泡して組成物を得た。この組成物をスペーサー
として厚さ0.7mmのシリコン板を用いた光学研磨ガ
ラスの型に注入し、ガラス面上にある出力80W/cm
のメタルハライドランプにてガラス型面に40J/cm
2のエネルギーになるように約20分間照射した。照射
後ガラス型を離型し、厚さ約700μmの光硬化性樹脂
シートを得た。
【0065】得られたシートに、高周波誘導加熱源で加
熱出力80%、2×10ー5Torrの真空下でSiOを
蒸発させ、厚さ35nmの酸化珪素膜を形成させた。次
に、酸化珪素膜を形成しない光硬化性樹脂シート面に、
スパッタリング法により、厚さ80nmのITO膜を形
成し、透明導電性シートを得た。評価結果を表−1と表
−2に示す。
【0066】実施例3 ビスオキシメチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デ
カンジメタクリレート98重量部、ペンタエリスリトー
ルテトラキス(βーチオプロオピオネート)2重量部、
光開始剤として2,4,6ートリメチルベンゾイルジフ
ェニルフォスフィンオキシド(BASF社製「ルシリン
TPO」)0.05重量部、ベンゾフェノン0.05重
量部を均一に混合攪拌した後、脱泡して組成物を得た。
この組成物をスペーサーとして厚さ0.08mmのシリ
コン板を用いた光学研磨ガラスの型に注入し、ガラス面
上にある出力80W/cmのメタルハライドランプにて
ガラス型面に40J/cm2のエネルギーになるように
約20分間照射した。照射後ガラス型を離型し、厚さ約
700μmの光硬化性樹脂シートを得た。
【0067】得られたシートに、高周波誘導加熱源で加
熱出力55%、1×10ー4Torrの真空下でSiO
を蒸発させ、厚さ35nmの酸化珪素膜を形成させた。
次に、酸化珪素膜を形成しない光硬化性樹脂シート面
に、スパッタリング法により、厚さ100nmのITO
膜を形成し、透明導電性シートを得た。評価結果を表−
1と表−2に示す。
【0068】実施例4 厚さ35nmの酸化珪素膜を形成させる条件として、加
熱出力55%、7×10ー4Torrの真空下でSiO
を蒸発させた以外は、実施例1と同様の方法により透明
導電性シートを得た。評価結果を表−2に示す。 比較例1 ポリカーボネートの500μmのユーピロンシートNF
2000(三菱エンジニアリングプラスチック社製)に
スパッタリング法により、100nmのITOの膜を形
成した。得られたシートの評価結果を表−1に示す。 比較例2 酸化珪素膜を積層しない以外は実施例1と同様の方法で
透明導電性シートを得た。評価結果を表−1と表−2に
示す。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】 注)上記表−1において、酸素透過率の単位は(cc/m2・24hr ・atm)である。
【0071】
【発明の効果】本発明の透明導電性シートは、剛性、ガ
スバリア性、耐薬品性等に優れており、液晶ディスプレ
イ等の表示素子や太陽電池変換素子等のシート部品とし
ての使用が期待される。また、ガラス基板を使用したも
のより軽量で耐衝撃性にも優れているという特別に有利
な効果を奏し、産業上の利用価値は極めて大である。に
関する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 薄膜ガスバリア性フィルムの薄膜を構成する
粒子をライン解析する際のx−y画面の粒子の拡大模式
図を示す。
【図2】 薄膜ガスバリア性フィルムの薄膜を構成する
粒子をライン解析する際の線分の断面図を示す。
【図3】 実施例におけるたわみ量測定器具の側面図で
ある。
【符号の説明】
1 試験片 2 押さえ金具 3 支持架台 4 基板 S たわみ量
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08F 20/20 C08F 20/20 20/38 20/38 290/06 290/06 299/02 299/02 G02F 1/1343 G02F 1/1343 H01B 5/14 H01B 5/14 A // G02F 1/135 G02F 1/135

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬化性樹脂シートに、無機酸化物から成
    るガスバリア膜と導電膜とを積層してなる透明導電性シ
    ート。
  2. 【請求項2】 硬化性樹脂シートと導電膜との間にガス
    バリア膜を形成してなる請求項1の透明導電性シート。
  3. 【請求項3】 ガスバリア膜と導電膜との間に硬化性樹
    脂シートを形成してなる請求項1の透明導電性シート。
  4. 【請求項4】 アンカーコート処理したプラスチックフ
    ィルム面に、無機酸化物から成るガスバリア膜を形成し
    てなる請求項1ないし3のいずれかの透明導電性シー
    ト。
  5. 【請求項5】 ガスバリア膜を構成する粒子の平均粒子
    径が20nm以下である請求項1ないし4のいずれかの
    透明導電性シート。
  6. 【請求項6】 ガスバリア膜を構成する粒子の平均偏平
    率が0.15以下である請求項1ないし5のいずれかの
    透明導電性シート。
  7. 【請求項7】 透明導電性シートの厚さが0.1〜2.
    0mmである請求項1ないし6のいずれかの透明導電性
    シート。
  8. 【請求項8】 550nmでの光線透過率が75%以上
    である請求項1ないし7のいずれかの透明導電性シー
    ト。
  9. 【請求項9】 ガスバリア膜の厚さが5〜50nmであ
    る請求項1ないし8のいずれかの透明導電性シート。
  10. 【請求項10】 導電膜がインジウムスズオキサイドで
    ある請求項1ないし9のいずれかの透明導電性シート。
  11. 【請求項11】 ガスバリア膜の無機酸化物が酸化珪素
    及び/又は酸化酸化アルミニウムである請求項1ないし
    10のいずれかの透明導電性シート。
  12. 【請求項12】 硬化性樹脂シートが下式(1)及び
    (2)より選ばれた少なくとも1種のビス(メタ)アク
    リレートを含んでなる組成物を活性エネルギー線により
    硬化させて成形したシートである請求項1ないし11の
    いずれかの透明導電性シート。 【化1】 [式(1)中、R1 及びR2 は、互に異っていてもよ
    く、水素原子又はメチル基を示す。R3 及びR4 は、互
    に異っていてもよく、炭素鎖中に酸素原子及び/又は硫
    黄原子を有していてもよい炭素数1〜6の炭化水素基を
    示す。Xはハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基及
    び炭素数1〜6のアルコキシ基から選ばれた置換基を示
    し、aは0〜4の整数を示す。但しaが2以上の整数の
    場合には、複数のXは互に異っていてもよい。] 【化2】 [式(2)中、R5 及びR6 は、互に異っていてもよ
    く、水素原子又はメチル基を示す。bは1又は2を示
    し、cは0又は1を示す。]
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