JP2002161113A - 光学用プラスチック部材 - Google Patents

光学用プラスチック部材

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JP2002161113A
JP2002161113A JP2000362418A JP2000362418A JP2002161113A JP 2002161113 A JP2002161113 A JP 2002161113A JP 2000362418 A JP2000362418 A JP 2000362418A JP 2000362418 A JP2000362418 A JP 2000362418A JP 2002161113 A JP2002161113 A JP 2002161113A
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誠一郎 早川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量で機械的強度に優れ、吸水性が低く、低
複屈折かつ、高耐熱である光学用プラスチック材料を提
供すること。 【解決手段】 下記成分(A)を全体の75重量%以上
含んでいることを特徴とする重合性組成物。 成分(A):次式[I]で示される脂環骨格ビスメタクリ
レートより選ばれる少なくとも1種のビスメタクリレー
ト 【化1】 [A1およびA2はそれぞれ独立して、炭素数1〜4の分
岐または直鎖のアルキレン基を示し、mおよびnはそれ
ぞれ独立して0または1の整数を示す。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学用部材、その中
でも特にLCD基板、タッチパネルなどのディスプレイ
用基板、及び光ディスク基板、太陽電池基板などの光学
用基板に適した光学用プラスチック部材に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来使用されているディスプレイ用基板
はガラス板を基板とするものが主であるが、このような
基板ではガラスの低密度化と機械的強度の向上に関して
限界があるため現在要望されている軽量薄型化に対応で
きない。また生産性の向上に関しても成形性、加工性の
観点から問題点が指摘されており、光学用プラスチック
を用いたディスプレイ基板に注目が集まっている。しか
しながら、プラスチック基板には次の様な問題点が挙げ
られている。 耐熱性に劣る。 低複屈折性に劣り光学的等方性に欠ける。 吸水率が高い。
【0003】耐熱性に関しては、ガラス板が200℃以
上の光学用ディスプレイ製造工程に耐えるのに対し、プ
ラスチック基板では150℃程度の低温製造工程を採用
しても、耐熱性不足から反り等の変形が生じる問題が有
る。低複屈折性に関しては、ガラス板の複屈折Δn・d
が1nm以下であるのに対し、プラスチックでは数nm
以上あるのが現状である。また、ガラス板では問題にな
らない吸水率に関しても、プラスチック基板ではディス
プレイ製造工程中の水洗浄の際に寸法変形を引き起こし
たり、基板自体が吸湿変形し表示不能を引き起こすとい
う問題がある。
【0004】このようなディスプレイ用プラスチック基
板として例えば、特開平9−152510等にはトリシ
クロ[5.2.1.02,6]デカン骨格の3,8(又は3,9
又は4,8)位置換ビス(メタ)アクリレート化合物と
メルカプト化合物よりなる組成物を重合硬化させてなる
樹脂からなる光学用プラスチック部材が提案されている
が、この樹脂はガラス転移点温度が200℃以下であ
り、光学用ディスプレイ製造工程における耐熱性が不十
分であるという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の問題点
を解決し、軽量で機械的強度に優れ、吸水率が低く、低
複屈折である高耐熱光学用プラスチック部材を提供する
ことを目的としたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題点
を解決するため鋭意検討を行った結果、特定のビスメタ
クリレート化合物を特定量含有する重合性組成物を用い
ることにより上記課題が解決できることを見出し本発明
に到った。すなわち、本発明の要旨は、下記成分(A)
を全体の75重量%以上含んでいることを特徴とする重
合性組成物に存する。 成分(A):次式[I]で示される脂環骨格ビスメタクリ
レートより選ばれる少なくとも1種のビスメタクリレー
【0007】
【化5】
【0008】[式中、A1およびA2はそれぞれ独立し
て、炭素数1〜4の分岐または直鎖のアルキレン基を示
す。mおよびnはそれぞれ独立して0または1の整数を
示す。]
【0009】
【発明実施の形態】本発明の重合性組成物は、次式[I]
で示される脂環骨格ビスメタクリレートより選ばれる少
なくとも1種以上のビスメタクリレートである成分
(A)を全体の75重量%以上含んでいる。成分(A)
が75重量%未満であると耐熱性、機械的強度が低下す
ることがある。
【0010】
【化6】
【0011】式中、A1およびA2はそれぞれ独立して、
炭素数1〜4の分岐または直鎖のアルキレン基を示し、
mおよびnはそれぞれ独立して0または1の整数を示
す。式[I]で示される脂環骨格ビスメタクリレート化合
物の具体例としては、3,4−ビス(オキシ)トリシク
ロ[5.2.1.02,6]デカン=ジメタクリレート、3,4
−ビス(オキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デ
カン=ジメタクリレート、3,4−ビス(オキシエチ
ル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン=ジメタクリレ
ート、3,4−ビス(オキシプロピル)トリシクロ[5.
2.1.02,6]デカン=ジメタクリレート及びこれらの混
合物がある。
【0012】式[I]で示される脂環骨格ビスメタクリ
レート化合物は、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン骨
格の3,4位置換ビスメタクリレート化合物であり、例
えば、特開平9−152510号公報等に示されている
トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン骨格の3,8(又は
3,9又は4,8)位置換ビス(メタ)アクリレート化
合物と比べて重合物の架橋点間距離が大幅に短い。おそ
らくそのことにより、本発明におけるビスメタクリレー
ト化合物の硬化樹脂が本来持っているガラス転移点は、
特開平9−152510号公報等に記載されたビス(メ
タ)アクリレート化合物の硬化樹脂が本来持っているガ
ラス転移点よりも高くなる。従って、メルカプタン化合
物を配合してもなお、本発明の重合性組成物のガラス転
移点温度は200℃以上であり、高耐熱性を示すものと
推察される。
【0013】これらの脂環骨格ビスメタクリレート化合
物を製造する方法については、特に限定されるものでは
なく、原料であるジオール体から、例えば、丸善刊、新
実験化学講座、14、有機化合物の合成と反応(II)p.
1002-1008、p.1017-1021 等に記載の一般的なエステル
製造方法に準拠して行うことができる。ジオールとメタ
クリル酸とのエステル化反応は、ジオール1モルに対し
て、通常2.0〜2.6モルのメタクリル酸を用い、触
媒として、例えば、硫酸、塩酸、リン酸、フッ化硼素、
P−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、カチオ
ン型イオン交換樹脂等を用い、通常トルエン、ベンゼ
ン、ヘプタン、ヘキサン等の溶媒の存在下、反応により
生成する水を留去しながら行うことができる。又、ジオ
ールとメタクリル酸エステルとのエステル交換反応は、
ジオール1モルに対して、一般的にはメタクリル酸メチ
ルを通常2.0〜10.0モル用い、触媒として、例え
ば、硫酸、P−トルエンスルホン酸、テトラブチルチタ
ネート、テトライソプロピルチタネート、カリウムブト
キシド等を用い、通常トルエン、ベンゼン、ヘプタン、
ヘキサン等の溶媒の存在下、反応により生成するメタノ
ールを留去しながら行うことができる。この反応は、重
合禁止剤として、例えば、ハイドロキノン、ハイドロキ
ノンモノメチルエーテル、フェノチアジン、銅塩等を用
いることができる。
【0014】本発明の重合性組成物は、分子内に2個以
上のチオール基を有するメルカプト化合物[成分
(B)]を配合することが好ましい。メルカプト化合物
としては下記の式[II]、式[III]、式[IV]から選
ばれる少なくとも1種が特に好ましく用いられる。メル
カプト化合物はチオール基の持つ連鎖移動剤としての作
用が大きく、ビスメタクリレート化合物により形成され
る3次元網目構造に入り込むので、メルカプト化合物を
配合することにより硬化物に適度な靱性を付与すること
ができる。分子内に2個以上のチオール基を有する多官
能のメルカプト化合物、特に前記式[II]、式[II
I]、式[IV]はから選ばれる化合物は、得られる硬化
物の耐熱性を大きく損なうことなく、機械強度等を向上
することができるので好ましく用いられる。
【0015】
【化7】
【0016】[R1は−CH2−又は、―CH2CH2―を
示し、R2はエーテル酸素を含んでいてもよい炭素数2
〜15の炭化水素残基を示し、aは2〜6の整数を示
す。]式[II]で示されるメルカプト化合物は、2〜6価
のチオグリコール酸エステル又はチオプロピオン酸エス
テルである。式[II]の化合物の具体例としては、例えば
ペンタエリスリトールテトラキス(β−チオプロピオネ
ート)、ペンタエリスリトールテトラキス(β−チオグ
リコレート)、トリメチロールプロパントリス(β−チ
オプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス
(β−チオグリコレート)、ジエチレングリコールビス
(β−チオプロピオネート)、ジエチレングリコールビ
ス(β−チオグリコレート、ジペンタエリスリトールヘ
キサキス(β−チオプロピオネート)、ジペンタエリス
リトールヘキサキス(β−チオグリコレート)などが挙
げられる。
【0017】
【化8】
【0018】[XはHS−(CH2b−(CO)−(O
CH2CH2d−(CH2c−を示し、bおよびcはそ
れぞれ独立に1〜8の整数を示し、dは0〜2の整数を
示す。]式[III]で示されるメルカプト化合物は、ω−S
H基含有トリイソシアヌレートである。式[III]の化合
物の具体例としては、例えば、トリス[2−(β−チオ
プロピオニルオキシ)エチル]トリイソシアヌレート、
トリス[2−(β−チオグリコニルオキシ)エチル]トリ
イソシアヌレート、トリス[2−(β−チオプロピオニ
ルオキシエトキシ)エチル]トリイソシアヌレート、ト
リス[2−(β−チオグリコニルオキシエトキシ)エチ
ル]トリイソシアヌレート、トリス[2−(β−チオプロ
ピオニルオキシ)プロピル]トリイソシアヌレート、ト
リス[2−(β−チオグリコニルオキシ)プロピル]トリ
イソシアヌレート等が挙げられる。
【0019】
【化9】
【0020】[R3およびR4はそれぞれ独立に炭素数1
〜3のアルキレン基を示し、eおよびfはそれぞれ独立
に0又は1の整数を示し、gは1又は2の整数を示
す。]式[IV]で示されるメルカプト化合物は、α,ω−
SH基含有化合物である。式[IV]の化合物の具体例とし
ては、例えばベンゼンジメルカプタン、キシリレンジメ
ルカプタン、4、4’−ジメルカプトジフェニルスルフ
ィドなどが挙げられる。
【0021】本発明において、成分(B)を使用する場
合の成分(A)と成分(B)の配合割合は、成分(A)
と成分(B)の合計を100重量部とした場合、成分
(A)が通常75〜99.9重量部、好ましくは80〜
99重量部、特に好ましくは85〜95重量部、成分
(B)が通常0.1〜25重量部、好ましくは1〜20
重量部、特に好ましくは5〜15重量部の範囲である。
成分(B)メルカプト化合物の割合が多すぎると硬化樹
脂の耐熱性が低下するおそれがある。
【0022】本発明の重合性組成物は、本発明の要旨を
損なわない範囲で、成分(A)、成分(B)以外の補助
成分を含んでもよい。補助成分としては、ラジカル重合
可能な成分(A)以外の単量体、酸化防止剤、紫外線防
止剤、染顔料、充填剤などが挙げられる。ラジカル重合
可能な成分(A)以外の単量体としては、例えばメチル
メタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレー
ト、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレン
グリコールジメタクリレート、1,6―ヘキサンジオー
ルジメタクリレート、2,2−ビス[4−(β−メタク
リロイルオキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2
−ビス[4−(β−メタクリロイルオキシエトキシ)シ
クロヘキシル]プロパン、1,4−ビス(メタクリロイ
ルオキシメチル)シクロヘキサン、トリメチロールプロ
パントリメタクリレートなどのメタクリレート化合物、
スチレン、クロルスチレン、ジビニルベンゼン、α−メ
チルスチレンなどのスチレン類化合物などが挙げられ
る。これらの中でも2,2−ビス[4−(β−メタクリ
ロイルオキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−
ビス[4−(β−メタクリロイルオキシエトキシ)シク
ロヘキシル]プロパン、1,4−ビス(メタクリロイル
オキシメチル)シクロヘキサン、トリメチロールプロパ
ントリメタクリレート、およびこれらの混合物が特に好
ましい。ラジカル重合可能な他の単量体は、(A)成分
と(B)成分の合計100重量部に対して、通常30重
量部以下の割合で配合される。
【0023】本発明の重合性組成物は、賦型された後、
重合される。重合は、公知の方法で行うことができる。
例えば、予め重合性組成物に加熱によりラジカルを発生
する熱重合開始剤を添加しておき、加熱して重合させる
方法(以下「熱重合」という場合がある。)、予め重合
性組成物に紫外線等の活性エネルギー線によりラジカル
を発生する光重合開始剤を添加しておき、活性エネルギ
ー線を照射して重合させる方法(以下「光重合」という
場合がある。)などが挙げられるが、複屈折を低減させ
るためには光重合が好ましい。
【0024】熱重合開始剤の具体例としては、ベンゾイ
ルパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシカーボネー
ト、t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエー
ト)等が挙げられる。光重合開始剤の具体例としては、
ベンゾフェノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイ
ンプロピルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、1−
ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,6−ジ
メチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,
4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホシフィンオ
キシド等が挙げられる。好ましくは、2,4,6−トリ
メチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ベン
ゾフェノンである。
【0025】これらの重合開始剤は単独で用いても、2
種以上を併用してもよい。光重合開始剤の添加量は、モ
ノマー100重量部に対して、通常0.01〜1重量
部、好ましくは0.02〜0.3重量部である。光重合
開始剤の添加量が多すぎると、重合が急激に進行し複屈
折の増大をもたらすだけでなく色相も悪化するおそれが
ある。一方、少なすぎると組成物が充分に重合しないお
それがある。
【0026】照射する活性エネルギー線の量は、光重合
開始剤がラジカルを発生する範囲であれば任意である
が、極端に少ない場合は重合が不完全なため硬化物の耐
熱性、機械特性が充分に発現されず、逆に極端に過剰な
場合には硬化物の黄変等の光による劣化を生じるので、
モノマーの組成および光開始剤の種類、量に合わせて、
通常200〜400nmの紫外線を、好ましくは0.1
〜200Jの範囲で照射する。使用するランプの具体例
としては、メタルハライドランプ、高圧水銀灯ランプ等
を挙げることができる。
【0027】重合による硬化をすみやかに完了させる目
的で、光重合と熱重合を同時に行ってもよい。具体的に
は、活性エネルギー線照射と同時に重合性組成物並びに
型全体を30〜300℃の範囲で加熱して硬化を行う。
この場合、重合性組成物には、重合を完結させるために
熱重合開始剤を添加しておいてもよいが、大量に添加す
ると硬化物の複屈折の増大と色相の悪化をもたらすの
で、熱重合開始剤の添加量は、モノマー100重量部に
対して0.1〜2重量部、好ましくは0.3〜1重量部
が用いられる。
【0028】また、光重合後に、得られた硬化物を加熱
してもよい。これにより重合反応の完結及び重合時に発
生する内部歪みを低減することが可能である。加熱温度
は、硬化物の組成やガラス転移温度に合わせて適宜選択
されるが、通常、ガラス転移温度付近かそれ以下の温度
が好ましい。加熱温度が高すぎると硬化物の色相悪化を
もたらすおそれがある。
【0029】本発明の硬化性組成物を硬化することによ
り得られた硬化物を、光学用途として、すなわち、光学
用プラスチック部材として用いる場合、通常厚さ0.1
〜4mm、好ましくは0.2〜2mmの厚さのフィルム
状、シート状あるいは板状に成形される。フィルム状、
シート状あるいは板状に成形された光学用プラスチック
部材の少なくともその片面にガスバリアー層、硬化被膜
層および導電膜からなる群から選ばれる1以上の層を必
要に応じて設けることにより、各種基板、タッチパネル
等のそれぞれの用途に適した光学用プラスチック部材と
することができる。
【0030】本発明の硬化性組成物を硬化することによ
り得られた硬化物および光学用プラスチック部材は、透
明性を示す指標である可視光領域の光透過率が通常80
〜95%であり透明性に優れ、耐熱性を示す指標である
ガラス転位点が通常200℃以上、好ましくは200〜
250℃であり高耐熱性を示し、複屈折が通常0.1〜
2nmであり低複屈折性を示し、JIS K5400に
よる吸水率が1%以下、好ましくは0.5%以下であり
低吸水率性を示す。本発明の硬化物はこれらの特徴を併
せ持つので、LCD基板、タッチパネル、光ディスク基
板、太陽電池基板などの多くの光学用途、例えば光学用
プラスチック部材に好適に用いることができる。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、軽量で機械的強度に優
れ、吸水率が低く、低複屈折かつ、高耐熱である光学用
プラスチック部材を得ることができる。
【0032】
【実施例】以下に本発明の内容及び効果を実施例により
更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限
り、以下の例に限定されるものではない。以下におい
て、「部」とあるのは「重量部」を表す。実施例及び比
較例で得られた板とプラスチック積層体は以下の方法で
評価した。 (1)成形性:目視による。 (2)外観:目視による。 (3)耐熱性:4mm×4mm×1mm厚の試験片を用
いて、ガラス転移点Tgを圧縮法TMAにて圧子断面積
0.5mmΦ、荷重100g、昇温速度10℃/分で測
定した。 (4)複屈折:1mm厚の試験片を用いて、複屈折測定
装置(オーク社製)で測定した。 (5)硬度:JIS K5400に準拠して、硬化皮膜
の鉛筆硬度を測定した。 (6)吸水率:JIS K7209に準じ、100mm
×100mm×1mm厚の試験片を用いて、50℃、2
4hr乾燥後の試験片の23℃、24hr水浸漬後の吸
水率を測定した。 (7)ガスバリアー性:1mm厚の試験片を用いて、オ
キシトラン社製酸素モコン測定器にて23℃湿度80%
の条件下で酸素透過率を測定した。 (8)表面抵抗値:三菱化学(株)製の4端子法抵抗測
定器(ロレスターMP)を用いて表面抵抗値を測定し
た。
【0033】[実施例1]3,4−ビス(オキシ)トリ
シクロ[5.2.1.02,6]デカン=ジメタクリレート10
0部、光重合開始剤として2,4,6ートリメチルベン
ゾイルジフェニルホスフィンオキシド(BASF社製
「ルシリンTPO」)0.1部、ベンゾフェノン0.0
5部を均一に攪拌混合した後、脱泡して組成物を得た。
この組成物をスペーサーとして厚さ1mmのシリコン板
を用いた光学研磨ガラスの型に注液し、ガラス面より4
0cmで上下にある出力80W/cmのメタルハライド
ランプの間にて、5分間紫外線を照射した。紫外線照射
後離型し、120℃で1時間加熱して硬化物を得た。硬
化物の諸物性は表1に示す通りであった。 (ガスバリア膜の成膜)得られた1mm厚の硬化物の片
面に、スパッタ装置(徳田製作所:形式CFS−4E
S)にてSiO2を200Å製膜した。得られたプラス
チック積層体の酸素透過率は1cc/m2・24hr・
atmであった。
【0034】(硬化皮膜の製膜)得られたガスバリア膜
付きのプラスチック積層体のSiOx面上に、ビス(ヒ
ドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ
ン=ジアクリレート20部と2,4,6−トリメチルベ
ンゾイルジフェニルホスフィンオキシド2部と溶剤とし
てプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
78部よりなる組成物をスピンコートした後、100℃
で10分加熱して溶剤を乾燥し、出力80W/cmのメ
タルハライドランプにて5分間紫外線を照射した。得ら
れた硬化皮膜の鉛筆硬度は4Hであった。
【0035】(導電膜の製膜)得られた1mm厚のプラ
スチック積層体のSiOx面上に、スパッタ装置(徳田
製作所:形式CFS−4ES)にてITOを1500Å
成膜した。得られた導電性シートの表面抵抗値は30Ω
/□であった。
【0036】[実施例2]3,4−ビス(オキシ)トリ
シクロ[5.2.1.02,6]デカン=ジメタクリレート10
0部の代わりに、3,4−ビス(オキシ)トリシクロ
[5.2.1.02,6]デカン=ジメタクリレート94部、ペ
ンタエリスリトールテトラキス(β−チオプロピオネー
ト)6部を用いた以外は実施例1と同様にして硬化物を
得た。得られた硬化物の諸物性は表1に示す通りであっ
た。
【0037】[実施例3]3,4−ビス(オキシ)トリ
シクロ[5.2.1.02,6]デカン=ジメタクリレート10
0部の代わりに、3,4−ビス(オキシ)トリシクロ
[5.2.1.02,6]デカン=ジメタクリレート90部、ペ
ンタエリスリトールテトラキス(β−チオプロピオネー
ト)10部を用いた以外は実施例1と同様にして硬化物
を得た。得られた硬化物の諸物性は表1に示す通りであ
った。
【0038】[実施例4]ペンタエリスリトールテトラ
キス(β−チオプロピオネート)6部に替えて、トリス
[2−(β−チオプロピオニルオキシ)エチル]トリイソ
シアヌレート6部を用いた以外は、実施例2と同様にし
て硬化物を得た。硬化物の諸特性は表1に示す通りであ
った。
【0039】[比較例1]3,4−ビス(オキシ)トリ
シクロ[5.2.1.02,6]デカン=ジメタクリレート10
0部の代わりに、3,4−ビス(オキシ)トリシクロ
[5.2.1.02,6]デカン=ジメタクリレート70部、ペ
ンタエリスリトールテトラキス(β−チオプロピオネー
ト)30部を用いる以外は、実施例1と同様にして硬化
物を得た。硬化物の諸特性は表1に示す通りであった。
【0040】[比較例2]3,4−ビス(オキシ)トリ
シクロ[5.2.1.02,6]デカン=ジメタクリレート10
0部の代わりに、3,8(又は3,9又は4,8)−ビ
ス(オキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン
=ジメタクリレート94部、ペンタエリスリトールテト
ラキス(β−チオプロピオネート)6部を用いる以外
は、実施例1と同様にして硬化物を得た。硬化物の諸物
性は表1に示す通りであった。
【0041】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/24 526 G11B 7/24 526Q // C08L 33:08 C08L 33:08 Fターム(参考) 4F006 AA22 AB24 AB76 BA05 BA07 CA01 CA05 DA01 DA04 EA03 4J011 NA25 NB04 NB06 4J100 AB02Q AB03Q AB08Q AB16Q AL03Q AL09Q AL62Q AL63Q AL65P AL65Q BA02Q BC04Q BC12P BC43Q CA01 CA04 DA25 DA37 DA63 FA06 JA32 JA36 5D029 KA03 KA04

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記成分(A)を全体の75重量%以上
    含んでいることを特徴とする重合性組成物。 成分(A):次式[I]で示される脂環骨格ビスメタクリ
    レートより選ばれる少なくとも1種のビスメタクリレー
    ト 【化1】 [A1およびA2はそれぞれ独立して、炭素数1〜4の分
    岐または直鎖のアルキレン基を示し、mおよびnはそれ
    ぞれ独立して0または1の整数を示す。]
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の重合性組成物であっ
    て、さらに下記成分(B)を含み、かつ、成分(A)を
    75〜99.9重量部、成分(B)を0.1〜25重量
    部の割合でそれぞれ含有することを特徴とする重合性組
    成物。 成分(B):次式[II]、[III]及び[IV]より選ばれる少
    なくとも1種のメルカプト化合物 【化2】 [R1は−CH2−又は、―CH2CH2―を示し、R2
    エーテル酸素を含んでいてもよい炭素数2〜15の炭化
    水素残基を示し、aは2〜6の整数を示す。] 【化3】 [XはHS−(CH2b−(CO)−(OCH2CH2d
    −(CH2c−を示し、bおよびcはそれぞれ独立に1
    〜8の整数を示し、dは0〜2の整数を示す。] 【化4】 [R3およびR4はそれぞれ独立に炭素数1〜3のアルキ
    レン基を示し、eおよびfはそれぞれ独立に0又は1の
    整数を示し、gは1又は2の整数を示す。]
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の重合性組成物を
    重合させた樹脂からなることを特徴とする光学用プラス
    チック部材。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載の重合性組成物を
    賦形し、これをラジカル重合開始剤の存在下に活性エネ
    ルギー線を照射して光重合させてなる樹脂からなること
    を特徴とする光学用プラスチック部材。
  5. 【請求項5】 光学用プラスチック部材の少なくとも片
    面にガスバリアー層、硬化被膜層および導電膜層からな
    る群から選ばれる1以上の層を設けてなることを特徴と
    する請求項3又は4に記載の光学用プラスチック部材。
  6. 【請求項6】 光学用プラスチック部材のガラス転移点
    が温度200℃以上及び/又は光学用プラスチック部材
    のJIS K5400による吸水率が1%以下であるこ
    とを特徴とする請求項3ないし5のいずれかに記載の光
    学用プラスチック部材。
  7. 【請求項7】 光学用プラスチック部材の複屈折が10
    nm以下である請求項3ないし6のいずれかに記載の光
    学用プラスチック部材。
  8. 【請求項8】 光学用プラスチック部材が、ディスプレ
    イ用基板であることを特徴とする請求項3ないし7のい
    ずれかに記載の光学用プラスチック部材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016117797A (ja) * 2014-12-19 2016-06-30 東亞合成株式会社 樹脂シート製造用硬化型組成物
KR20160140681A (ko) 2014-04-02 2016-12-07 도아고세이가부시키가이샤 수지 필름 또는 시트 형성용 광 경화형 조성물
KR20190039100A (ko) 2016-08-10 2019-04-10 도아고세이가부시키가이샤 열경화형 조성물
EP4082784A4 (en) * 2019-12-27 2024-01-24 Hoya Lens Thailand Ltd. POLYMERIZABLE COMPOSITION FOR FORMING A PROTECTIVE LAYER ON A PHOTOCHROMIC ARTICLE, PHOTOCHROMIC ARTICLE AND GLASSES

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