JPH10309158A - 魚釣用リール - Google Patents

魚釣用リール

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JPH10309158A
JPH10309158A JP21440897A JP21440897A JPH10309158A JP H10309158 A JPH10309158 A JP H10309158A JP 21440897 A JP21440897 A JP 21440897A JP 21440897 A JP21440897 A JP 21440897A JP H10309158 A JPH10309158 A JP H10309158A
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幹春 小林
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信之 山口
Shuichi Matsuzawa
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Abstract

(57)【要約】 【課題】キャスティング時の騒音やスプール回転速度の
急激な変動を防止出来、釣糸のバックラッシュをベテラ
ンでなくとも容易に制御出来、さらに仕掛けの飛翔距離
を低下させることがない魚釣用リールを提供することで
ある。 【解決手段】魚釣用リールが:スプール10を回転自在
に保持し、スプールの自由回転を許容しスプールからの
釣糸の放出を許容するスプール自由回転状態とスプール
に回転力を伝達しスプールに釣糸を巻き取らせるスプー
ル駆動状態とを選択的に設定する回転力伝達装置20を
有したリール本体12と;スプールに設けられた導電体
14と;リール本体12に設けられ導電体に磁力を作用
させてスプールの回転を制動する磁石16と;スプール
の回転速度の増減に応じ磁石が導電体に作用する磁力を
増減させ、スプールの回転速度を制御するスプール回転
速度制御装置26と;を備えたことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、スプールが自由
回転する時の回転速度を制御するスプール回転速度制御
手段を備えた魚釣用リールに関係しており、特にスプー
ルが自由回転する時の回転速度を磁力を利用して制御す
るスプール回転速度制御手段を備えた魚釣用リールに関
係している。
【0002】
【従来の技術】魚釣用リールにおいては、キャスティン
グをする時にはスプールが自由回転状態にされる。そし
てキャスティングが行われ仕掛けが所望の方向に飛んで
いくと、キャスティング開始直後の初期には仕掛けとと
もに釣糸がスプールから高速で引き出されることにより
スプールもまた高速で回転される。その後、仕掛けがス
プールから遠ざかるにつれて仕掛けや釣糸に作用する空
気抵抗や風等の圧力の影響により仕掛けや仕掛け近傍の
釣糸の飛行速度はスプールの周速(即ち、スプールから
放出された直後の釣糸の飛行速度)に比べて遅くなり、
さらに仕掛けが着水すると仕掛けの運動エネルギによる
釣糸の引きもなくなり、仕掛けと魚釣用リールの間の釣
糸に、いわゆるバックラッシュと呼ばれる大きな弛みが
生じる。釣糸のバックラッシュは釣糸自身の絡み合いや
釣竿や魚釣用リールや他の物体に対する釣糸の絡みを生
じさせる原因となり、また仕掛けに所望の動きをさせる
為の障害となる。
【0003】従来、キャスティングにおいてバックラッ
シュを防止する為にはスプールに対し指を接触させて摩
擦制動力を発生させることによりスプールの慣性による
過剰回転を防止することが行われていた。しかしながら
キャスティングによる仕掛けの飛翔距離を延ばしながら
バックラッシュを防止させる為に指により摩擦制動力を
調整することは、キャスティングのベテランでなくては
困難であった。
【0004】この為、近年ではキャスティングのベテラ
ンでなくてもスプールが自由回転する時の回転速度を容
易に適度に制御することが出来るスプール回転速度制御
手段が開発されており、このスプール回転速度制御手段
には大別して2つの種類がある。その一方は例えば実開
平3−79665号公報に開示されている如き自由回転
するスプールに対し遠心力を利用して摩擦力を作用させ
るものであり、他方は例えば実公平6−8695号公報
や実公平6−16511号公報や実公昭63−3452
8号公報に開示されている如き自由回転するスプールに
対して磁力を作用させるものである。
【0005】実開平3−79665号公報に開示されて
いる如き遠心力を利用してスプールに対し摩擦力を作用
させるスプール回転速度制御手段では、スプール軸の一
端部にスプール軸の半径方向に移動自在に半径方向移動
部材が設けられていて、リール本体にはスプール軸の一
端部を覆うように裁頭円錐台形状の凹所が設けられてい
る。スプール軸の一端部の半径方向移動部材は、スプー
ルの回転により半径方向移動部材に発生する遠心力によ
りスプール軸の半径方向の外方に移動されてリール本体
の裁頭円錐台形状の凹所の内周面に摺接し摩擦力を発生
させることにより、スプールの回転速度を制御する。
【0006】実公平6−8695号公報に開示されてい
る磁力を利用したスプール回転速度制御手段では、スプ
ールが一端面からスプールと同心的に突出する導電体製
の円筒突起を備えていて、リール本体には相互に同心的
に配置されて相互間にスプールの円筒突起を同心的に受
け入れる2重の環状部材が設けられている。リール本体
の2重の環状部材の夫々には周方向に所定の間隔で複数
の磁石が配置されていて、スプールとともに導電体製の
円筒突起がリール本体の2重の環状部材の間で2重の環
状部材の夫々の磁石に対して相対的に回転すると渦電流
が発生し、これにより導電体製の円筒突起を伴ったスプ
ールの回転を制動する電磁力が発生される。そして、リ
ール本体の2重の環状部材の中の外側の環状部材は内側
の環状部材に対して周方向に所定の範囲で相対的に移動
自在であり、外側の環状部材をリール本体に設けられた
調整摘みにより周方向に所定の範囲で移動させると、内
側の環状部材の複数の磁石に対する外側の環状部材の複
数の磁石の相対的な位置を周方向に所定の範囲で移動さ
せることが出来、これにより内側の環状部材の複数の磁
石と外側の環状部材の複数の磁石との間に作用する磁力
の大きさを変化させ、ひいてはスプールとともに導電体
製の円筒突起がリール本体の2重の環状部材の夫々の磁
石に対して相対的に回転することにより発生させる渦電
流の大きさを変化させ、これにより導電体製の円筒突起
を伴ったスプールの回転を制動する電磁力の大きさを変
化させてスプールの回転速度を制御する。
【0007】実公平6−16511号公報に開示されて
いる磁力を利用したスプール回転速度制御手段では、ス
プールが導電体により形成されているとともに、リール
本体においてスプールの一端面に対応する部分に磁石が
配置されている。上記磁石はリール本体に設けられた調
整摘みによりスプールの回転中心線に沿った方向に所定
の範囲で移動自在であり、スプールの一端面に対する距
離を所定の範囲で変更可能である。これによりスプール
の一端面に対して作用する上記磁石の磁力の大きさを変
化させ、ひいてはスプールがリール本体の上記磁石に対
して相対的に回転することにより発生させる渦電流の大
きさを変化させ、これによりスプールの回転を制動する
電磁力の大きさを変化させてスプールの回転速度を制御
する。
【0008】実公昭63−34528号公報に開示され
ている磁力を利用したスプール回転速度制御手段では、
スプールが一端面からスプールと同心的に突出する導電
体製の円筒突起を備えていて、リール本体には相互に同
心的に配置されて相互間にスプールの円筒突起を同心的
に受け入れる2重の環状部材が設けられている。リール
本体の2重の環状部材の夫々には周方向に所定の間隔で
複数の磁石が配置されていて、スプールとともに導電体
製の円筒突起がリール本体の2重の環状部材の間で2重
の環状部材の夫々の磁石に対して相対的に回転すると渦
電流が発生し、これにより導電体製の円筒突起を伴った
スプールの回転を制動する電磁力が発生される。実公昭
63−34528号公報に開示されているスプール回転
速度制御手段は、リール本体に設けられた調整摘みによ
りリール本体の外側の環状部材とスプールの円筒突起と
の間でスプールの回転中心線に沿った方向にこれらに対
して所定の範囲で同心的に出没する環状の磁力遮蔽部材
を備えている。そして、磁力遮蔽部材を調整摘みにより
リール本体の外側の環状部材とスプールの円筒突起との
間で出没させると、これにより内側の環状部材の複数の
磁石と外側の環状部材の複数の磁石との間に作用する磁
力の大きさが変化され、ひいてはスプールとともに導電
体製の円筒突起がリール本体の2重の環状部材の夫々の
磁石に対して相対的に回転することにより発生させる渦
電流の大きさが変化され、これにより導電体製の円筒突
起を伴ったスプールの回転を制動する電磁力の大きさが
変化されてスプールの回転速度が制御される。
【0009】遠心力により発生される摩擦力と磁力の両
者を利用したスプール回転速度制御手段が、例えば実公
昭62−35329号公報により既に知られている。
【0010】実公昭62−35329号公報に開示され
たスプール回転速度制御手段では、スプール軸の一端部
にスプール軸の半径方向に移動自在に半径方向移動部材
が設けられていて、リール本体にはスプール軸の一端部
を覆うように円筒形状の凹所が設けられている。スプー
ル軸の一端部の半径方向移動部材は、スプールの回転に
より半径方向移動部材に発生する遠心力によりスプール
軸の半径方向の外方に移動されてリール本体の円筒形状
の凹所の内周面に摺接し摩擦力を発生させることによ
り、スプールの回転速度を制御する。
【0011】実公昭62−35329号公報に開示され
たスプール回転速度制御手段はさらに、スプールの他端
面からスプールと同心的に突出する導電体製の円筒突起
を備えていて、リール本体には相互に同心的に配置され
て相互間にスプールの円筒突起を同心的に受け入れる2
重の環状部材が設けられている。リール本体の2重の環
状部材の夫々には周方向に所定の間隔で複数の磁石が配
置されていて、スプールとともに導電体製の円筒突起が
リール本体の2重の環状部材の間で2重の環状部材の夫
々の磁石に対して相対的に回転すると渦電流が発生し、
これにより導電体製の円筒突起を伴ったスプールの回転
を制動する電磁力が発生される。そして、リール本体の
2重の環状部材の中の外側の環状部材は内側の環状部材
に対して周方向に所定の範囲で相対的に移動自在であ
り、外側の環状部材をリール本体に設けられた調整摘み
により周方向に所定の範囲で移動させると、内側の環状
部材の複数の磁石に対する外側の環状部材の複数の磁石
の相対的な位置を周方向に所定の範囲で移動させること
が出来、これにより内側の環状部材の複数の磁石と外側
の環状部材の複数の磁石との間に作用する磁力の大きさ
を変化させ、ひいてはスプールとともに導電体製の円筒
突起がリール本体の2重の環状部材の夫々の磁石に対し
て相対的に回転することにより発生させる渦電流の大き
さを変化させ、これにより導電体製の円筒突起を伴った
スプールの回転を制動する電磁力の大きさを変化させて
スプールの回転速度を制御する。
【0012】遠心力による摩擦力を2段階に利用したス
プール回転速度制御手段が、例えば特開平5−6845
5号公報により既に知られている。
【0013】特開平5−68455号公報に開示された
スプール回転速度制御手段では、スプール軸の一端部に
スプール軸の半径方向に移動自在に第1の半径方向移動
部材が設けられていて、リール本体にはスプール軸の一
端部をスプール軸に対して同心的に覆うように円筒部材
が回転自在に設けられている。円筒部材の外周面にも円
筒部材の半径方向に移動自在に第2の半径方向移動部材
が設けられていて、リール本体に円筒部材の外周面を円
筒部材に対して同心的に覆うように円形状の凹所が設け
られている。
【0014】スプール軸の一端部の第1の半径方向移動
部材は、スプールの比較的低い回転速度により第1の半
径方向移動部材に発生する比較的小さな遠心力によりス
プール軸の半径方向の外方に移動されてリール本体の回
転自在な円筒部材の内周面に摺接し摩擦力を発生させる
ことにより、スプールの比較的低い回転速度を制御す
る。スプールの回転速度が比較的高くなり第1の半径方
向移動部材と円筒部材の内周面との間に生じる摩擦力が
大きくなると、円筒部材もスプールとともに回転を開始
し、円筒部材の第2の半径方向移動部材は、スプールの
比較的高い回転速度により第2の半径方向移動部材に発
生する比較的大きな遠心力によりスプール軸の半径方向
の外方に移動されてリール本体の円形状の凹所に摺接し
摩擦力を発生させることにより、スプールの比較的高い
回転速度を制御する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】前述した実開平3−7
9665号公報に開示されている遠心力により発生する
摩擦力を利用したスプール回転速度制御手段では、スプ
ール軸の一端部の半径方向移動部材とリール本体の略裁
頭円錐台形状凹所の内周面との間の摩擦面の状態が例え
ば水分の付着や塵や埃の付着や摩耗により変化するとス
プールの所定の回転数においてスプール回転速度制御手
段が発生させる摩擦制動力が変化して安定しないという
欠点を有しており、また摩擦力を利用する為に騒音が大
きいという欠点も有している。
【0016】また、スプール軸の一端部の半径方向移動
部材に作用する遠心力、即ちスプールの回転速度、が所
定の大きさ以上で半径方向移動部材がリール本体の略裁
頭円錐台形状凹所の内周面に比較的強い押圧力を伴い摺
接した時と、スプール軸の一端部の半径方向移動部材に
作用する遠心力、即ちスプールの回転速度、が所定の大
きさ以下で半径方向移動部材がリール本体の略裁頭円錐
台形状凹所の内周面に比較的弱い押圧力を伴い摺接した
時と、では、リール本体の略裁頭円錐台形状凹所の内周
面に対してスプール軸の一端部の半径方向移動部材が発
生させる摩擦制動力がスプールの回転速度に対し2次的
に変化する(遠心力により発生する摩擦力はスプールの
回転速度の2乗に比例する)ので、スプール回転速度制
御手段がスプールに対して作用する摩擦制動力が急激に
大きく変化する。この為、キャスティングの終期にスプ
ールの回転速度が低下して来た時に、仕掛けの飛行速度
または移動速度の低下量と比較してスプールの回転速度
の低下量が逆に急激に少なくなって釣糸の前述したバッ
クラッシュ現象が生じ易くなる。従来はこのようなキャ
スティングの終期におけるバックラッシュ現象の発生
は、釣竿を握った釣人の手の指でスプールまたはスプー
ルに巻回された釣糸の巻回面を押さえスプールの回転速
度を微妙に制御するといういわゆるサミング操作により
回避していたが、適切なサミング操作の習得には熟練を
要している。
【0017】遠心力により発生する摩擦力を利用したス
プール回転速度制御手段ではさらに、キャスティングが
開始されてスプールの回転速度が所定の大きさ以上にな
ると急激に摩擦制動力が大きくなり、スプールの回転速
度が急激に低下し、仕掛けの飛行速度が急激に低下す
る。即ち、仕掛けの飛行距離の低下が生じる。
【0018】即ち、遠心力により発生する摩擦力を利用
したスプール回転速度制御手段では、キャスティングに
よる飛行距離が低下し、またスプール回転速度制御手段
を有していない場合に比べると少なくなっているとはい
えバックラッシュ現象が依然として生じる。
【0019】また、前述した実公平6−8695号公報
や実公平6−16511号公報や実公昭63−3452
8号公報に開示されている磁力を利用したスプール回転
速度制御手段では、スプールの回転速度に略比例して制
動力が発生され、前述した遠心力により発生する摩擦力
を利用したスプール回転速度制御手段の如くスプールの
所定の回転速度を境に発生される制動力が大きく変化す
ることはないので、キャステイングにおいてバックラッ
シュ現象の発生を確実に防止することが可能となり、初
心者でも安心してキャステイングを行うことが出来る。
【0020】しかしながら、スプールが回転している間
は常にスプールの回転速度に応じた制動力が発生される
ので、キャステイングの終期においてスプールの回転速
度が低下して来た時に釣人が思った程の仕掛けの飛距離
の伸びが得られない。また、短い距離のキャステイング
(いわゆるショートキャスティング)を行う時にもスプ
ールは自由に回転せずにスプールの回転速度の上昇が遅
いので釣人が狙いをつける位置に仕掛けを落とすことが
難しい。
【0021】さらに前述した実公昭62−35329号
公報に開示されている遠心力により発生する摩擦力と磁
力の両者を利用したスプール回転速度制御手段では、ス
プールの回転速度が比較的小さな範囲では磁力による制
動力が主としてスプールに作用し、スプールの回転速度
が比較的大きくなると磁力による制動力に加えて遠心力
により発生する摩擦力による制動力もスプールに作用す
るようになる。ここにおいては、磁力を利用することに
より前述した遠心力により発生する摩擦力のみを利用し
たスプール回転速度制御手段においてキャスティングの
末期におけるスプールの比較的小さな回転速度の範囲で
バックラッシュが発生するという欠点を無くすことが出
来るが、前述した遠心力により発生する摩擦力のみを利
用したスプール回転速度制御手段における騒音の発生や
摩擦制動力の変動によるスプールの所定の回転数におけ
るスプールの回転速度の大きな変動といった欠点は軽減
させることが出来るが無くすことは出来ず、しかもスプ
ールの回転速度の全域に渡り磁力による制動力あるいは
磁力と遠心力により発生する摩擦力の両者による制動力
が作用するので、磁力を利用したスプール回転速度制御
手段や遠心力により発生する摩擦力を利用したスプール
回転速度制御手段よりも仕掛けの飛翔距離がさらに小さ
くなるという欠点を有している。
【0022】また、前述した特開平5−68455号公
報により既に知られている2段階に摩擦力を利用したス
プール回転速度制御手段では、騒音の発生や摩擦制動力
の変動によるスプールの所定の回転数におけるスプール
の回転速度の変動といった欠点を無くすことが出来ず、
また複数の制動ユニットを結合して順次作用させる構造
なので構造が複雑であり、このようなスプール回転速度
制御手段を備えた魚釣り用リールの外形寸法を大きくし
てしまうばかりでなく、製造コストも上昇させてしま
う。
【0023】この発明は上述した種々の事情の下でなさ
れ、この発明の目的は、キャスティングの初期や終期に
おけるスプールの回転速度の抑制をなくしてスプールの
最高回転数が高く、最高回転数到達時間も早く、さらに
スプールの回転速度の急低下の抑制を生じさせ、またキ
ャスティングの中期には磁力を利用した適度な制動力を
発生させることにより急激でない適度なスプールの回転
速度の抑制を生じさせて、仕掛けの飛距離を増大させる
ことが出来るばかりでなくバックラッシュ現象の発生を
防止することが出来る、スプール回転速度制御手段を備
えた魚釣用リールを提供することである。
【0024】
【課題を解決するための手段】上述したこの発明の目的
を達成する為に、この発明に従った魚釣用リールは:釣
糸が解放自在に巻き付けられるスプールと;スプールを
回転自在に保持しており、スプールの自由な回転を許容
しスプールからの釣糸の放出を許容するスプール自由回
転状態とスプールに回転力を伝達しスプールに釣糸を巻
き取らせるスプール駆動状態とを選択的に設定する回転
力伝達手段を有したリール本体と;スプール及びリール
本体のいずれか一方に設けられた導電体と;スプール及
びリール本体のいずれか他方に設けられ、導電体に磁力
を作用させることによりスプールの回転を制動する磁石
と;スプールの回転速度の増減に応じて磁石が導電体に
作用する磁力を増減させ、スプールの回転速度を制御す
るスプール回転速度制御手段と;を備えたことを特徴と
している。
【0025】ここにおいては摩擦を利用してスプールの
回転速度を制御していないので、キャスティング時に従
来の遠心力により発生される摩擦力のみを利用したスプ
ール回転速度制御手段とは異なり騒音を発生させたり摩
擦面の状況が変化してスプールの回転速度を不安定に変
動させるといったことがない。
【0026】しかもスプールの回転速度の増減に応じて
導電体に作用する磁力を増減させてスプールの回転速度
を制御することにより、キャスティング開始直後の初期
においてスプールの回転速度が比較的大きくなるまでの
間は導電体に作用する磁力を減少させてスプールに対す
る制動力を小さくしスプールに対する不必要な制動力の
負荷をなくすことが出来るので、スプールからの釣糸の
放出速度を高めることが出来て仕掛けの飛距離を向上さ
せることが出来る。
【0027】またキャスティング開始直後の初期におけ
るスプールの回転速度の急上昇期を過ぎてスプールの回
転速度が最も大きくなる中間期になると、導電体に作用
する磁力が増加されてスプールに対する制動力が適度に
増加されて風圧や重力等の影響による仕掛けや釣糸の飛
行速度の低下に対応してスプールの回転速度を適度に抑
制させてバックラッシ現象の発生を防止する。しかしな
がら、上記制動力の適度な上昇は磁力によりもたらされ
るので、従来の磁力のみを利用したスプール回転速度制
御手段の場合のように、従来の遠心力を利用して発生さ
れる摩擦力のみを利用したスプール回転速度制御手段の
場合とは異なり、スプールの回転、即ちスプールからの
釣糸の放出速度、をバックラッシ現象の発生防止に必要
な以上に大きく低下させることがない。即ち、従来の遠
心力を利用して発生される摩擦力のみを利用したスプー
ル回転速度制御手段の場合とは異なり、仕掛けの飛距離
が不必要に大きく抑制されることがない。
【0028】さらにキャスティングの終期においてスプ
ールの回転速度が比較的小さくなってくると導電体に作
用する磁力を減少させて従来の磁力のみを利用したスプ
ール回転速度制御手段とは異なり従来の遠心力を利用し
て発生される摩擦力のみを利用したスプール回転速度制
御手段の如くスプールに対する制動力を小さくしてスプ
ールからの釣糸の放出速度の低下を抑制することが出来
る。
【0029】このように本願発明の魚釣用リールにおい
ては、キャスティング開始直後の初期及び終期において
釣糸の放出に伴うスプールの回転速度が従来の磁力のみ
を利用したスプール回転速度制御手段を利用した魚釣用
リールの場合よりも大きい。またキャスティング開始直
後の初期におけるスプールの回転速度の急上昇期を過ぎ
てスプールの回転速度が最も大きくなる中間期(スプー
ル高速回転状態時期)までの最高回転数到達時間が早
く、またスプールの最高回転数は、従来の遠心力により
発生する摩擦力のみを利用したスプール回転速度制御手
段を利用した魚釣用リールの場合よりも当然大きく、従
来の磁力のみを利用したスプール回転速度制御手段を利
用した魚釣用リールの場合と比べてもキャスティングの
開始直後の初期におけるスプールの回転速度が大きいの
でさらに大きくなる。
【0030】従って、キャスティング開始直後の初期か
ら終期までのキャスティングの全体を通した仕掛けの飛
翔距離を、従来の遠心力を利用して発生される摩擦力の
みを利用したスプール回転速度制御手段を利用した魚釣
用リール及び従来の磁力のみを利用したスプール回転速
度制御手段を利用した魚釣用リールの夫々の場合に比
べ、増加させることが出来る。
【0031】しかも、本願発明の魚釣用リールでのキャ
スティングの終期におけるスプールに対して作用する制
動力は、従来の遠心力を利用して発生される摩擦力のみ
を利用したスプール回転速度制御手段を利用した魚釣用
リールとは異なり、急激な減少が抑制されて緩やかに減
少するので、キャスティングの終期において釣糸のバッ
クラッシュをもたらす釣糸の放出速度に対するスプール
の過回転現象を防止出来、キャスティングの終期におけ
る釣糸のバックラッシュの防止の為のスプールの回転速
度の指による制御が不要である。
【0032】なお仕掛けが着水して仕掛けが引っ張る釣
糸の引っ張り速度が急激に減少した後は上記引っ張り速
度に対するスプールの過回転現象が生じて釣糸のバック
ラッシュが生じる可能性があるが、仕掛けが着水して釣
糸の引っ張り速度が急激に減少した後はスプールの回転
が仕掛けの飛距離の増減とは無関係になるのでスプール
の回転を単に停止させて釣糸のバックラッシュを防止す
れば良く、釣糸のバックラッシュの防止の為のスプール
の回転速度の指による制御が熟練者でなくとも容易であ
る。
【0033】上述した如く構成されたことを特徴とする
この発明に従った魚釣用リールにおいては、前記スプー
ル回転速度制御手段が、スプールの回転速度に応じて変
化する遠心力を利用して磁石が導電体に作用する磁力を
変化させ、スプールの回転速度を制御する、ことが好ま
しい。
【0034】遠心力を利用して磁石が導電体に作用する
磁力を変化させるスプール回転速度制御手段によって
も、キャスティングの開始直後から終期までスプールの
回転速度を適度に制御することが出来て、仕掛けの飛翔
距離の増大と釣糸のバックラッシュの防止とを達成させ
ることが出来る。しかも遠心力を利用して磁石が導電体
に作用する磁力を変化させるスプール回転速度制御手段
は簡易に構成することが出来、故障が少ない。
【0035】前述した如く構成されたことを特徴とする
この発明に従った魚釣用リールにおいては、前記スプー
ル回転速度制御手段が、スプールの回転速度に応じて導
電体及び磁石のいずれか一方を他方に対して相対的に移
動させることにより、スプールの回転速度に応じて磁石
が導電体に作用する磁力を変化させ、スプールの回転速
度を制御する、ことを特徴とするよう構成することが出
来る。
【0036】このような構成では、磁石と導電体との相
対的な位置が変位されることにより導電体に作用する磁
石の磁束の密度や導電体において磁石の磁束が作用する
面積が変化して磁石が導電体に作用する磁力を変化させ
る。
【0037】上述した如く前記スプール回転速度制御手
段が、スプールの回転速度に応じて導電体及び磁石のい
ずれか一方を他方に対して相対的に移動させる場合に
は、前記スプール回転速度制御手段は:スプールの一端
部に設けられスプールの一端部に対向するリール本体の
部位に大径開口を向けたテーパ形状内周面と;スプール
軸の一端部に設けられスプール軸の回転中心線に沿った
方向に移動自在な長手方向移動部材と;長手方向移動部
材においてスプール軸の半径方向に移動自在に支持さ
れ、上記半径方向においてスプールの一端部のテーパ形
状内周面に対向している半径方向移動部材と;長手方向
移動部材をスプールの一端部に対向するリール本体の部
位から遠ざけるよう付勢する付勢手段と;を備えてお
り、磁石及び導電体のいずれか一方が長手方向移動部材
に設けられ長手方向移動部材とともに移動し、磁石及び
導電体のいずれか他方がスプールの一端部に対向するリ
ール本体の部位に設けられている、ことを特徴とするこ
とが出来る。
【0038】上述した如く前記スプール回転速度制御手
段が、スプールの回転速度に応じて導電体及び磁石のい
ずれか一方を他方に対して相対的に移動させ磁石が発生
する磁束を横切る導電体の面積を変化させる場合には、
前記スプール回転速度制御手段がまた:スプール軸の一
端部に設けられスプール軸の回転中心線に沿った方向に
移動自在な長手方向移動部材と;長手方向移動部材に設
けられ、スプール軸の一端部が突出されたスプールの一
端面に大径開口を向けたテーパ形状内周面と;スプール
軸の一端部においてスプール軸の半径方向に移動自在に
支持され、上記半径方向において長手方向移動部材のテ
ーパ形状内周面と対向している半径方向移動部材と;長
手方向移動部材をスプールの一端部に対向するリール本
体の部位から遠ざけるよう付勢する付勢手段と;長手方
向移動部材に設けられ長手方向移動部材とともに移動す
る磁石及び導電体のいずれか一方と;スプールの一端部
に対向するリール本体の部位に設けられた磁石及び導電
体のいずれか他方と;を備えたことを特徴とすることが
出来る。
【0039】ここにおいては、スプールの回転に伴い半
径方向移動部材に発生する遠心力により半径方向移動部
材が上記半径方向の外方に向かい移動して長手方向移動
部材のテーパ形状内周面に当接することにより長手方向
移動部材をスプール軸の回転中心線に沿った方向に付勢
手段の付勢力に抗して作用させるが、半径方向移動部材
は長手方向移動部材またはスプールと一体に回転する部
材に設けられた案内部によって上記半径方向に移動自在
に支持されていることが出来る。なお、上記スプールと
一体に回転する部材の一例はスプール軸の上記一端部で
ある。
【0040】案内部は孔や溝や棒等の形状であることが
出来る。また、半径方向移動部材は案内部の孔や溝や棒
等に移動自在に係合した案内溝や案内孔を有するカラー
部材として構成することが出来るし、案内部の孔や溝や
棒等に移動自在に支持された単なる球により構成するこ
とも出来る。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、この発明の種々の実施の形
態及びこれらの変形例に従った魚釣用リールを添付の図
面を参照しながら詳細に説明する。
【0042】[第1の実施の形態]まず最初に添付の図
1乃至図7を参照しながら、この発明の第1の実施の形
態に従った魚釣用リールについて詳細に説明する。
【0043】図1はこの発明の第1の実施の形態に従っ
た魚釣用リールの概略的な水平断面図であり;図2の
(A)は図1のA−A線に沿った概略的な横断面図であ
り;図2の(B)は図1のB−B線に沿った概略的な横
断面図であり;図3は図2の(B)の円筒形状導電体と
半径方向移動部材とに組み合わされた長手方向移動部材
をIII −III 線に沿って一部切り欠いた概略的な水平断
面を伴って示す平面図であり;図4は図1の魚釣用リー
ルの要部においてスプールが回転していない時とスプー
ルの回転速度がある程度の大きさに到達するまでの間と
スプールの回転速度がある程度の大きさから減少した時
の状態を示す概略的な縦断面図であり;図5は図4のV
−V線に沿った概略的な横断面図であり;図6は図1の
魚釣用リールの要部においてスプールがある程度の回転
速度以上で高速回転している状態を示す概略的な縦断面
図であり;そして、図7は図6のVII−VII線に沿った
概略的な横断面図である。
【0044】なおこれらの断面図においては、図を明解
にする為に断面の輪郭線のみを示し断面よりも遠くの断
面でない輪郭線は適宜省略している。
【0045】図1に示す如く、この発明の第1の実施の
形態に従った魚釣用リールは、図示しない釣糸が解放自
在に巻き付けられるスプール10と、スプール10のス
プール軸10aの両端部を軸受13a,13bを介して
回転自在に支持しスプール10を回転自在に保持したリ
ール本体12と、を備えている。
【0046】スプール軸10aの一端部には、スプール
10の一端面とスプール10の一端面から突出したスプ
ール軸10aの一端部(図1では右端部)を回転自在に
支持した軸受13aとの間に例えばアルミニウムや銅等
の導電体14が設けられていて、リール本体12におい
てスプール軸10aの一端部を回転自在に支持した軸受
13aが設置されている一方の側壁12aにはスプール
軸10aの一端部の導電体14に対応して複数の磁石1
6が設置されている。
【0047】スプール10の他端面から突出したスプー
ル軸10aの他端部(図1では左端部)を回転自在に支
持した軸受13bが設置されている他方の側壁12bに
は,ハンドル18が回転自在に設けられているととも
に、ハンドル18から入力された回転力をスプール軸1
0aの他端部に選択的に伝達するクラッチ付き回転力伝
達手段20も設けられている。クラッチ付き回転力伝達
手段20は、図示しない操作釦を介してクラッチを操作
することにより、スプール軸10aの自由な回転を許容
しスプール10からの上述した図示しない釣糸の放出
(図1に矢印Sで釣糸放出方向を示す)を許容するスプ
ール自由回転状態と、ハンドル18から入力された回転
力をスプール軸10aの他端部を介してスプール10に
伝達しスプール10に上述した図示しない釣糸を図1に
矢印Sで示された釣糸放出方向とは正反対の方向に巻き
取らせるスプール駆動状態と、を選択的に設定可能であ
る。そしてこのようなクラッチ付き回転力伝達手段20
の構成は公知なので、その構成についての説明は省略す
る。
【0048】図1及び図2の(A)に示す如く、リール
本体12の一方の側壁12aの複数の磁石16は静止し
ている導電体14に対して磁石16から作用する磁力の
大きさを調整する為の磁力調整手段21を介して一方の
側壁12aに取り付けられている。この実施の形態で
は、磁力調整手段21はスプール軸10aに対して同心
的に配置された2重の円環22a,22bを含んでい
て、複数の磁石16は2重の円環22a,22b上に配
置されて2重の円環22a,22bにおいて夫々の周方
向に所定の間隔で相互に離間している。なお内方の円環
22aの複数の磁石16は内方の円環22aの半径方向
の外方を向いた磁極が隣り合う磁石において相互に異な
るよう配置されており、外方の円環22bの複数の磁石
16もまた外方の円環22bの半径方向の内方を向いた
磁極が隣り合う磁石において相互に異なるよう配置され
ている。
【0049】内方の円環22aは一方の側壁12aに固
定されているが、外方の円環22bは一方の側壁12a
に設置されている磁力調整摘み24を一方あるいは他方
に回動させることにより内方の円環22aの磁極に対向
する外方の円環22bの磁極を変えて導電体14に作用
する磁力の強弱を調整する。即ち、内方の円環22aの
複数の磁石16の半径方向外端の磁極に対して外方の円
環22bの複数の磁石16の中で内方の円環22aの複
数の磁石16の半径方向外端の磁極とは異なる磁極の半
径方向内端を対向させて内方の円環22aの複数の磁石
16の半径方向外端の磁極と外方の円環22bの半径方
向内端の磁極とが相互に最大の吸引磁力発生させる吸引
磁力相互作用最大状態と、内方の円環22aの複数の磁
石16の半径方向外端の磁極に対して外方の円環22b
の複数の磁石16の中で内方の円環22aの複数の磁石
16の半径方向外端の磁極と同じ磁極の半径方向内端を
対向させて内方の円環22aの複数の磁石16の半径方
向外端の磁極と外方の円環22bの半径方向内端の磁極
とが相互に最大の反発磁力発生させる反発磁力相互作用
最大状態と、の間で内方の円環22aの複数の磁石16
に対して外方の円環22bの複数の磁石16の相対的な
位置を変えることにより、導電体14に作用する磁力の
強弱を調整し、公知のようにスプール10に対する制動
力を調整することが出来る。
【0050】図1に示す如く、導電体14は、スプール
10の回転速度の増減に応じてリール本体12の一方の
側壁12aの複数の磁石16が導電体14に作用する磁
力を増減させて導電体14が設けられているスプール1
0の回転速度を制御するスプール回転速度制御手段26
を介してスプール軸10aの一端部に設けられている。
【0051】回転速度制御手段26は、図4及び図2の
(B)に特に良く示す如く、スプール軸10aの一端部
上にスプール軸10aの回転中心線に沿った方向(即
ち、長手方向)に移動自在であるとともにスプール軸1
0aの周方向にはスプール軸10aとともに回転するよ
う設置された長手方向移動部材28を備えている。導電
体14は円筒形状をしており、導電体14の磁石16と
は反対側の端部が長手方向移動部材28にスプール軸1
0aに対して同心的に固定されている。
【0052】なおこの実施の形態では、導電体14と長
手方向移動部材28とは相互に別体に形成された後に上
述した如く相互に固定されているが、導電体14と長手
方向移動部材28とを導電体14の材料で相互に一体に
形成することも出来る。
【0053】長手方向移動部材28に固定された導電体
14の自由端部は、リール本体12の一方の側壁12a
の同心的な2重の円環22a,22bの間の環状隙間に
対向している。
【0054】長手方向移動部材28においてスプール軸
10aの周方向に所定間隔に相互に離間された複数(こ
の第1の実施の形態では2つ)の位置には、スプール軸
10aの半径方向に移動自在に半径方向移動部材30が
設けられている。
【0055】半径方向移動部材30をスプール軸10a
の半径方向に移動自在に支持する為に長手方向移動部材
28は、図3及び図5に示す如く、外周面の周方向に所
定間隔に相互に離間された複数(この第1の実施の形態
では2つ)の位置において上記半径方向に延出した案内
孔28aを含んでいる。半径方向移動部材30は、図3
に示す如く、略H形状の横断面を有していて、中央の橋
状部が案内孔28aに嵌め合わされることにより案内孔
28aに沿い移動する。即ち、案内孔28aは、そこに
嵌め合わされた半径方向移動部材30をスプール軸10
aの半径方向に移動自在に案内する案内部として機能す
る。複数の半径方向移動部材30は対応する案内孔28
aに沿い導電体14の外周面を越えてさらに外方まで移
動可能である。
【0056】スプール10の一端部にある前述した一端
面には、図4及び図5に示す如く、スプール軸10aの
複数の半径方向移動部材30を取り囲んでスプール軸1
0aの半径方向において複数の半径方向移動部材30と
対向したテーパ形状内周面32が大径開口をスプール1
0の前述した一端面に対向したリール本体12の一方の
側壁12aの部分の複数の磁石16に向けた状態でスプ
ール軸10aの回転中心線に対して同心的に設けられて
おり、テーパ形状内周面32は摩擦係数が小さな滑らか
な表面に仕上げられている。なおこの実施の形態におい
てテーパ形状内周面32は、スプール10とは別体に形
成された後にスプール10の一端部にある前述した一端
面に固定されたテーパ形状部材32aの内周面を摩擦係
数が小さな滑らかな表面とすることにより形成されてい
るが、スプール10の一端部にある前述した一端面の内
周面を摩擦係数が小さな滑らかな表面とすることにより
形成されていても良い。
【0057】図4に示す如く、導電体14が設けられた
長手方向移動部材28は付勢手段34によりスプール軸
10aの一端部上でスプール10の前述した一端面に対
向したリール本体12の一方の側壁12aの部分の複数
の磁石16から遠ざかるよう付勢されている。この実施
の形態において付勢手段34は、スプール軸10aの一
端部上で長手方向移動部材28とスプール軸10aの一
端部を回転自在に支持している軸受13aに隣接して配
置されている止め輪やワッシャ等の係止部材10bとの
間に巻装された圧縮コイルばねにより構成されている。
【0058】付勢手段34により付勢された長手方向移
動部材28は、図4に示す如く、スプール軸10aの一
端部上でスプール10の前述した一端面に隣接して配置
され、長手方向移動部材28上の半径方向移動部材30
はスプール10の前述した一端面のテーパ形状内周面3
2と最小開口に隣接して対向している。
【0059】次には、上述した如く構成されているこの
発明の第1の実施の形態に従った魚釣用リールの動作に
ついて説明する。
【0060】この発明の第1の実施の形態に従った魚釣
用リールが取り付けられた釣竿をキャスティングの為に
振ると、水面上の目的地点に向かい飛翔する図示しない
仕掛けにより図示しない釣糸が引っ張られることにより
スプール10が所定の方向に回転を開始する。
【0061】キャスティング開始直後の初期においてス
プール10の回転速度がある程度の大きさに到達するま
ではスプール軸10aとともに回転する半径方向移動部
材30に生じる遠心力は弱く、半径方向移動部材30が
遠心力によりテーパ形状内周面32に押し付けられるこ
とにより発生し付勢手段34の付勢力とは反対方向に向
かう力が付勢手段34の付勢力よりも弱い。この為に、
長手方向移動部材28はリール本体12の一側壁12a
の複数の磁石16に向かい接近することが出来ず、長手
方向移動部材28に固定された円筒形状の導電体14の
自由端部は、リール本体12の一方の側壁12aの複数
の磁石16が配置された2重の円環22a,22bの相
互間の円環状の隙間に突入しない。よって、複数の磁石
16の磁力の作用により導電体14に渦電流は生ぜず導
電体14を伴って回転するスプール10に制動力は生じ
ない。また複数の磁石16の相互からの漏れ磁束により
導電体14にわずかに渦電流が生じたとしても、上記わ
ずかな渦電流により生じる制動力は非常に小さい。
【0062】この為に、キャスティング開始直後の初期
においてスプール10の回転速度がある程度の大きさに
到達するまでは実質的に制動力が作用しないので、スプ
ール10の初期回転速度を上昇させることが出来、キャ
スティング開始直後の初期における仕掛けの飛距離、ひ
いてはキャスティング開始直後から終了までの全体にお
ける仕掛けの飛距離、を向上させることが出来る。この
間に上昇されるスプール10の回転速度は、遠心力によ
り発生される制動力を利用したスプール回転速度制御手
段を備えた従来の魚釣用リールの場合よりも高くなるの
は当然であり、しかも磁力のみを利用したスプール回転
速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場合よりも
高くなる。なぜならば、磁力のみを利用したスプール回
転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場合に
は、スプール10の回転が開始された時点からスプール
10の回転速度の上昇に略比例して磁力が発生させる制
動力も大きくなるからである。そしてキャスティング開
始直後の初期においてスプール10の回転速度がある程
度の大きさに到達するまでの図示しない仕掛けの飛距離
が、遠心力により発生する摩擦力のみを利用したスプー
ル回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場合
よりも伸びるのはいうまでもなく、磁力のみを利用した
スプール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リール
の場合よりも伸びる。
【0063】スプール10の回転速度がある程度の大き
さに到達したキャスティングの中期になると、スプール
軸10aとともに回転する半径方向移動部材30が遠心
力によってテーパ形状内周面32に押し付けられること
により発生させるスプール軸10aに沿った軸方向にお
いて付勢手段34の付勢力とは反対方向に向かう力が付
勢手段34の付勢力よりも強くなる。この為に、スプー
ル10の回転速度がある程度の大きさを越えて大きくな
るに従い半径方向移動部材30はテーパ形状内周面32
に沿い図7に示す如く半径方向の外方に移動するととも
に図6に示す如く長手方向移動部材28を付勢手段34
の付勢力に打ち勝ちリール本体12の一側壁12aの複
数の磁石16に向かい序々に接近させて行く。これによ
り長手方向移動部材28に固定された円筒形状の導電体
14の自由端部は、リール本体12の一方の側壁12a
の複数の磁石16が配置された2重の円環22a,22
bの相互間の円環状の隙間に序々に突入して2重の円環
22a,22bの複数の磁石16との重複量が多くな
り、複数の磁石16が発生する磁束を横切る導電体14
の面積が序々に増加する。
【0064】よって、複数の磁石16の磁力の作用によ
り導電体14に発生する渦電流の大きさは複数の磁石1
6が発生する磁束を横切る導電体14の面積とスプール
10の回転速度とに比例して大きくなり、上記渦電流に
より生じる制動力も複数の磁石16が発生する磁束を横
切る導電体14の面積とスプール10の回転速度とに比
例して大きくなる。
【0065】この際に生じる制動力は、磁力のみを利用
したスプール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リ
ールの場合と同様に、遠心力により発生する摩擦力を利
用したスプール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用
リールの場合よりも少ない。従って、上述した如く上記
キャスティングの初期におけるスプールの回転速度が磁
力のみを利用したスプール回転速度制御手段を備えた従
来の魚釣用リールの場合よりも高くなるので、上記キャ
スティングの初期から中期にかけてのスプールの回転速
度も磁力のみを利用したスプール回転速度制御手段を備
えた従来の魚釣用リールの場合よりも高くなり、当然の
ことながら遠心力により発生する摩擦力を利用したスプ
ール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場
合よりも格別に高くなる。
【0066】即ち、上述したキャスティングの初期から
スプール10の回転速度がある程度の大きさに到達した
後の中期までの図示しない仕掛けの飛距離が、磁力のみ
を利用したスプール回転速度制御手段を備えた従来の魚
釣用リールの場合や遠心力により発生される摩擦力のみ
を利用したスプール回転速度制御手段を備えた従来の魚
釣用リールの場合よりも伸びる。
【0067】しかも、後で大きな釣糸のバックラッシュ
を生じさせる原因となるスプール10の過大な回転速度
は、スプール10の導電体14とリール本体12の一方
の側壁12aの複数の磁石16との組み合わせにより上
述した如く生じる適度な制動作用で充分に抑制される。
【0068】キャスティングの終期においてスプール1
0の回転速度が減少し、スプール軸10aとともに回転
する半径方向移動部材30に生じる遠心力が弱くなる
と、半径方向移動部材30が遠心力によりテーパ形状内
周面32に押し付けられることにより発生し付勢手段3
4の付勢力とは反対方向に向かう力が付勢手段34の付
勢力よりも弱くなり、長手方向移動部材28は付勢手段
34の付勢力によりリール本体12の一側壁12aの複
数の磁石16から遠ざかる方向に押され、長手方向移動
部材28に固定された円筒形状の導電体14の自由端部
は、リール本体12の一方の側壁12aの複数の磁石1
6が配置された2重の円環22a,22bの相互間の円
環状の隙間から序々に抜け出し、複数の磁石16が発生
する磁束を横切る導電体14の面積を序々に減少させ
る。
【0069】よって、複数の磁石16の磁力の作用によ
り導電体14に発生する渦電流の大きさは複数の磁石1
6が発生する磁束を横切る導電体14の面積とスプール
10の回転速度とに比例して小さくなり、上記渦電流に
より生じる制動力も複数の磁石16が発生する磁束を横
切る導電体14の面積とスプール10の回転速度とに比
例して小さくなる。
【0070】この際に生じる制動力は磁力のみを利用し
たスプール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リー
ルの場合よりは少なく、また遠心力により発生する摩擦
力を利用したスプール回転速度制御手段を備えた従来の
魚釣用リールの場合の如き急激な制動力の減少が生じな
い。従って、上記キャスティングの終期においてスプー
ルに生じる回転速度は、磁力のみを利用したスプール回
転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場合より
も高く、しかも遠心力により発生する摩擦力を利用した
スプール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リール
の場合のように回転速度の減少率が急激に低下すること
がない。
【0071】即ち、上述したキャスティングの終期にお
いてスプール10の回転速度が序々に減少してきた時の
図示しない仕掛けの飛距離が、磁力のみを利用したスプ
ール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場
合や遠心力により発生する摩擦力のみを利用したスプー
ル回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場合
よりも伸びる。
【0072】しかも、仕掛けの飛行速度に対して後で大
きな釣糸のバックラッシュを生じさせる原因となるスプ
ール10の過大な回転速度は上述した如くキャスティン
グの中期において適度に抑制されており、またキャステ
ィングの終期においてスプール10の回転速度の減少率
が遠心力により発生される摩擦力を利用したスプール回
転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場合のよ
うに急激に低下しないので、図示しない仕掛けが着水し
た後に、図示しない仕掛けの着水により生じる図示しな
い釣糸の引っ張り速度の急激な低下とスプール10の回
転の慣性により図示しない釣糸にバックラッシュ現象が
生じそうになった場合でも、ベテランでなくとも例えば
指をスプールまたはスプールに巻き付けられた釣糸の巻
回面に軽く押しつけるだけの比較的簡単な操作で容易に
図示しない釣糸のバックラッシュ現象を防止することが
出来、キャスティングにおける釣糸の放出操作が容易と
なる。
【0073】[第1の実施の形態の変形例]次は、添付
の図8の(A)及び(B)を参照しながら、この発明の
第1の実施の形態の変形例に従った魚釣用リールについ
て詳細に説明する。
【0074】図8の(A)はこの発明の第1の実施の形
態の変形例に従った魚釣用リールの要部においてスプー
ルが回転していない時、又はスプールが比較的低速度で
回転している状態を示す概略的な縦断面図であり;そし
て、図8の(B)は図8の(A)の魚釣用リールの要部
においてスプールの回転速度がある程度の大きさ以上で
高速回転している状態を示す概略的な縦断面図である。
【0075】なおこれらの断面図においては、図を明解
にする為に断面の輪郭線のみを示し断面よりも遠くの断
面でない輪郭線は適宜省略している。
【0076】また、この発明の第1の実施の形態の変形
例に従った魚釣用リールの構成の大部分は図1乃至図7
を参照しながら前述したこの発明の第1の実施の形態に
従った魚釣用リールの構成の大部分と共通である。従っ
て、前述したこの発明の第1の実施の形態に従った魚釣
用リールの構成部材と同じ構成部材にはこの発明の第1
の実施の形態に従った魚釣用リールにおいて対応する構
成部材を指摘していた参照符号と同じ参照符号を付し
て、これらの同じ構成部材についての詳細な説明は省略
する。
【0077】この変形例において前述した第1の実施の
形態と異なっているのは、リール本体12の一側壁12
aの2重の円環22a,22bの複数の磁石16の夫々
においてスプール10の前述した一端面を向いた部分が
例えば磁性材料から成り磁気回路を構成する環状の継鉄
36により覆われていることである。
【0078】このような構成であれば、スプール10の
前述した一端面に向いた方向において複数の磁石16か
ら導電体14に作用する磁力線の漏れを遮断することが
出来る。従って図8の(A)に示す如く、スプール10
の導電体14の自由端がリール本体12の一側壁12a
の2重の円環22a,22bの相互間の円環状の隙間に
突入する以前(即ち、キャスティングの初期においてス
プール10の回転速度がある程度の大きさに到達するま
で)に、複数の磁石16の相互からの漏れ磁束により導
電体14にわずかに渦電流が生じることを防止すること
が出来、上記わずかな渦電流により非常に小さいながら
制動力が生じることを防止することが出来る。従って、
キャスティングの初期においてスプール10の回転速度
がある程度の大きさに到達するまでのスプール10の回
転の自由度がさらに向上される。
【0079】また、図8の(A)に示す如くスプール1
0の導電体14の自由端がリール本体12の一側壁12
aの2重の円環22a,22bの相互間の円環状の隙間
に突入する以前(即ち、キャスティングの開始直後の初
期においてスプール10の回転速度がある程度の大きさ
に到達するまで)から図8の(B)に示す如くスプール
10の導電体14の自由端がリール本体12の一側壁1
2aの2重の円環22a,22bの相互間の円環状の隙
間に最も深く突入するまで(即ち、キャスティングの初
期から中期においてスプール10の回転速度がある程度
の大きさ以上になった時まで)の間と、図8の(B)に
示す如くスプール10の導電体14の自由端がリール本
体12の一側壁12aの2重の円環22a,22bの相
互間の円環状の隙間に最も深く突入した時(即ち、キャ
スティングの中期においてスプール10の回転速度があ
る程度の大きさ以上になった時)から図8の(A)に示
す如くスプール10の導電体14の自由端がリール本体
12の一側壁12aの2重の円環22a,22bの相互
間の円環状の隙間から離脱するまで(即ち、キャスティ
ングの終期においてスプール10の回転速度がある程度
の大きさ以下に到達するまで)の間において、スプール
10の回転速度に応じて発生する遠心力の大きさに応じ
て導電体14がスプール軸10aの軸方向に沿い移動し
てリール本体12の一側壁12aの2重の円環22a,
22bの磁石16の発生する磁束が導電体14に作用す
る面積(磁束作用面積)が変化して導電体14に発生す
る渦電流が増減され、スプール10に適度な制動力が負
荷される。
【0080】[第2の実施の形態]次は、添付の図9の
(A)及び(B)を参照しながら、この発明の第2の実
施の形態に従った魚釣用リールについて詳細に説明す
る。
【0081】図9の(A)はこの発明の第2の実施の形
態に従った魚釣用リールの要部においてスプールが回転
していない時、又はスプールが比較的低速度で回転して
いる状態を示す概略的な縦断面図であり;そして、図9
の(B)は図9の(A)の魚釣用リールの要部において
スプールの回転速度がある程度の大きさ以上で高速回転
している状態を示す概略的な縦断面図である。
【0082】なおこれらの断面図においては、図を明解
にする為に断面の輪郭線のみを示し断面よりも遠くの断
面でない輪郭線は適宜省略している。
【0083】また、この発明の第2の実施の形態に従っ
た魚釣用リールの構成の大部分は図1乃至図7を参照し
ながら前述したこの発明の第1の実施の形態に従った魚
釣用リールの構成の大部分と共通なので、前述したこの
発明の第1の実施の形態に従った魚釣用リールの構成部
材と同じ構成部材にはこの発明の第1の実施の形態に従
った魚釣用リールにおいて対応する構成部材を指摘して
いた参照符号と同じ参照符号を付して、これらの同じ構
成部材についての詳細な説明は省略する。
【0084】この第2の実施の形態において前述した第
1の実施の形態と異なっているのは、回転速度制御手段
26の長手方向移動部材28´と導電体14とが導電体
14の材料で相互に一体に形成されていることであり、
また半径方向移動部材30´が球により構成されている
ことであり、さらには長手方向移動部材28´において
半径方向移動部材30´の移動を半径方向のみに限定す
る為の案内部が前述した第1の実施の形態の案内孔28
aに代わり長手方向移動部材28´の外周面からスプー
ル軸10aの半径方向の外方に向かい延出し球形状の半
径方向移動部材30´を上記半径方向に移動自在に保持
した筒状案内部材38により構成されていることであ
る。
【0085】この第2の実施の形態の球形状の半径方向
移動部材30´と筒状案内部材38との組み合わせの動
作は、前述した第1の実施の形態の半径方向移動部材3
0と案内孔28aとの組み合わせの動作と同じである。
【0086】またこの第2の実施の形態に従った魚釣用
リールは前述の第1の実施の形態に従った魚釣用リール
と同じ効果を発揮することが出来る。
【0087】なお第2の実施の形態の長手方向移動部材
28´と導電体14とは、前述した第1の実施の形態の
場合と同様に長手方向移動部材28´を導電体14とは
別の材料で別体に形成した後に相互に固定しても良い
し、テーパ形状内周面32は、スプール10とは別体に
形成された後にスプール10の一端部にある前述した一
端面に固定されたテーパ形状部材32aの内周面として
形成されているが、スプール10の一端部にある前述し
た一端面の内周面として形成されていても良い。
【0088】[第3の実施の形態]次は、添付の図10
の(A)及び(B)を参照しながら、この発明の第3の
実施の形態に従った魚釣用リールについて詳細に説明す
る。
【0089】図10の(A)はこの発明の第3の実施の
形態に従った魚釣用リールの要部においてスプールが回
転していない時、又はスプールが比較的低速で回転して
いる状態を示す概略的な縦断面図であり;そして、図1
0の(B)は図10の(A)の魚釣用リールの要部にお
いてスプールの回転速度がある程度の大きさ以上で高速
回転している状態を示す概略的な縦断面図である。
【0090】なおこれらの断面図においては、図を明解
にする為に断面の輪郭線のみを示し断面よりも遠くの断
面でない輪郭線は適宜省略している。
【0091】また、この発明の第3の実施の形態に従っ
た魚釣用リールの構成の大部分は図1乃至図7を参照し
ながら前述したこの発明の第1の実施の形態に従った魚
釣用リールの構成や図9の(A)及び(B)を参照しな
がら前述したこの発明の第2の実施の形態に従った魚釣
用リールの構成の大部分と共通なので、前述したこの発
明の第1の実施の形態に従った魚釣用リールの構成部材
や前述したこの発明の第2の実施の形態に従った魚釣用
リールの構成部材と同じ構成部材には前述したこの発明
の第1の実施の形態に従った魚釣用リールの対応する構
成部材や前述したこの発明の第2の実施の形態に従った
魚釣用リールの対応する構成部材を指摘していた参照符
号と同じ参照符号を付して、これらの同じ構成部材につ
いての詳細な説明は省略する。
【0092】この第3の実施の形態において前述した第
1の実施の形態と異なっており前述した第2の実施の形
態と同様なのは、回転速度制御手段26の長手方向移動
部材28´と導電体14´とが導電体14´の材料で相
互に一体に形成されていることであり、また半径方向移
動部材30´が球により構成されていることであり、さ
らには長手方向移動部材28´において半径方向移動部
材30´の移動を半径方向のみに限定する為の案内部が
前述した第1の実施の形態の案内孔28aに代わり長手
方向移動部材28´の外周面からスプール軸10aの半
径方向の外方に向かい延出し球形状の半径方向移動部材
30´を上記半径方向に移動自在に保持した筒状案内部
材38により構成されていることである。
【0093】そしてこの第3の実施の形態において前述
した第1の実施の形態及び前述した第2の実施の形態の
両者と異なっているのは、導電体14´がスプール軸1
0aの回転中心線に対して略直交する円板形状をしてい
ることであり、リール本体12の一方の側壁12aの複
数の磁石16が一方の側壁12aにおいて円板形状の導
電体14´に対向した部分にスプール軸10aの回転中
心線に対し同心的に配置された1つの円環部材40で等
間隔に同心円状に配置されて円板形状の導電体14´に
対向されており、1つの円環部材40がスプール軸10
aの回転中心線に沿った方向(スプール軸10aの長手
方向)に所定の範囲で移動自在であることにより磁力調
整手段21を構成していることである。
【0094】1つの円環部材40とともに複数の磁石1
6を上記回転中心線に沿った方向に所定の範囲で移動さ
せることにより、上記回転中心線に沿った方向における
移動を停止している長手方向移動部材28´の導電体1
4´と1つの円環部材40の複数の磁石16との間の距
離を上記所定の範囲で変更することが出来、上記回転中
心線に沿った方向における移動を停止している長手方向
移動部材28´の導電体14´に対して作用する1つの
円環部材40の複数の磁石16からの磁力を増減させる
ことが出来る。
【0095】この第3の実施の形態の球形状の半径方向
移動部材30´と筒状案内部材38との組み合わせの動
作は、前述した第2の実施の形態の半径方向移動部材3
0と案内孔28aとの組み合わせの動作と同じである。
【0096】またこの第3の実施の形態に従った魚釣用
リールは前述の第2の実施の形態に従った魚釣用リール
と同じ効果を発揮することが出来る。
【0097】なお第3の実施の形態の長手方向移動部材
28´と導電体14´とは、前述した第1の実施の形態
の場合と同様に長手方向移動部材28´を導電体14´
とは別の材料で別体に形成した後に相互に固定しても良
いし、テーパ形状内周面32は、スプール10とは別体
に形成された後にスプール10の一端部にある前述した
一端面に固定されたテーパ形状部材32aの内周面とし
て形成されているが、スプール10の一端部にある前述
した一端面の内周面として形成されていても良い。
【0098】[第4の実施の形態]次は、添付の図11
の(A)及び(B)を参照しながら、この発明の第4の
実施の形態に従った魚釣用リールについて詳細に説明す
る。
【0099】図11の(A)はこの発明の第4の実施の
形態に従った魚釣用リールの要部においてスプールが回
転していない時、又はスプールが比較的低速度で回転し
ている状態を示す概略的な縦断面図であり;そして、図
11の(B)は図11の(A)の魚釣用リールの要部に
おいてスプールの回転速度がある程度の大きさ以上で高
速回転している状態を示す概略的な縦断面図である。
【0100】なおこれらの断面図においては、図を明解
にする為に断面の輪郭線のみを示し断面よりも遠くの断
面でない輪郭線は適宜省略している。
【0101】また、この発明の第4の実施の形態に従っ
た魚釣用リールの構成の大部分は図1乃至図7を参照し
ながら前述したこの発明の第1の実施の形態に従った魚
釣用リールの構成の大部分と共通なので、前述したこの
発明の第1の実施の形態に従った魚釣用リールの構成部
材と同じ構成部材には前述したこの発明の第1の実施の
形態に従った魚釣用リールの対応する構成部材を指摘し
ていた参照符号と同じ参照符号を付して、これらの同じ
構成部材についての詳細な説明は省略する。
【0102】この第4の実施の形態において前述した第
1の実施の形態と異なっているのは、回転速度制御手段
26の長手方向移動部材28´´と半径方向移動部材3
0´´と半径方向移動部材30´´の為の案内部の構成
である。
【0103】この実施の形態では、長手方向移動部材2
8´´と導電体14とが導電体14の材料で相互に一体
に形成されており、半径方向移動部材30´´が中心孔
を有した略裁頭円錐台形状をしており、半径方向移動部
材30´´の為の案内部はスプール軸10aの外周面に
一体的に固定され上記外周面からスプール軸10aの半
径方向の外方に向かい延出して半径方向移動部材30´
´の中心孔に挿入された案内棒42により構成されてい
る。また、長手方向移動部材28´´においてスプール
10のスプール軸10aが突出されている前述した一端
面に対向した部分に、上記一端面に大径開口を向けた状
態のテーパ形状内周面44が半径方向移動部材30´´
を取り囲んで形成されている。
【0104】この第4の実施の形態の半径方向移動部材
30´´と案内棒42との組み合わせの動作は、前述し
た第1の実施の形態の半径方向移動部材30と案内孔2
8aとの組み合わせの動作と同じである。
【0105】またこの第4の実施の形態に従った魚釣用
リールは前述の第1の実施の形態に従った魚釣用リール
と同じ効果を発揮することが出来る。
【0106】なお第4の実施の形態の長手方向移動部材
28´´と導電体14とは、前述した第1の実施の形態
の場合と同様に長手方向移動部材28´´を導電体14
とは別の材料で別体に形成した後に相互に固定しても良
いし、テーパ形状内周面44を長手方向移動部材28´
´とは別体に形成された部材に形成し、この部材を長手
方向移動部材28´´においてスプール10のスプール
軸10aが突出されている前述した一端面に対向した部
分に固定しテーパ形状内周面44を上記一端面に大径開
口を向けた状態でスプール軸10aの中心線に対して同
心的に配置し半径方向移動部材30´´を取り囲ませる
ようにしても良い。
【0107】[第5の実施の形態]次には、添付の図1
2の(A)及び(B)を参照しながら、この発明の第5
の実施の形態に従った魚釣用リールについて詳細に説明
する。
【0108】図12の(A)はこの発明の第5の実施の
形態に従った魚釣用リールの要部においてスプールが回
転していない時、またはスプールが比較的低速度で回転
している状態を示す概略的な縦断面図であり;そして、
図12の(B)は図12の(A)の魚釣用リールの要部
においてスプールの回転速度がある程度の大きさ以上で
高速回転している状態を示す概略的な縦断面図である。
【0109】なおこれらの断面図においては、図を明解
にする為に断面の輪郭線のみを示し断面よりも遠くの断
面でない輪郭線は適宜省略している。
【0110】また、この発明の第5の実施の形態に従っ
た魚釣用リールの構成の大部分は図1乃至図7を参照し
ながら前述したこの発明の第1の実施の形態に従った魚
釣用リールの構成や図10の(A)及び(B)を参照し
ながら前述したこの発明の第3の実施の形態に従った魚
釣用リールの構成の大部分と共通なので、前述したこの
発明の第1の実施の形態に従った魚釣用リールの構成部
材や前述したこの発明の第3の実施の形態に従った魚釣
用リールの構成部材と同じ構成部材には前述したこの発
明の第1の実施の形態に従った魚釣用リールの対応する
構成部材や前述したこの発明の第3の実施の形態に従っ
た魚釣用リールの対応する構成部材を指摘していた参照
符号と同じ参照符号を付して、これらの同じ構成部材に
ついての詳細な説明は省略する。
【0111】この第5の実施の形態において前述した第
1の実施の形態や前述した第3の実施の形態と大きく異
なっているのは、複数の磁石16及び導電体14´´の
配置である。より詳細には、前述した第1の実施の形態
と同じ長手方向移動部材28においてリール本体12の
一方の側壁12aを向いた部分に前述した第3の実施の
形態とは異なり複数の磁石16がスプール軸10aの回
転中心線に対して同心的な円環上に相互に等間隔で配置
されており、リール本体12の一方の側壁12aにおい
て長手方向移動部材28の複数の磁石16に対向した部
分に円環形状の導電体14´´が配置されている。円環
形状の導電体14´´は、スプール軸10aの回転中心
線に沿った方向に所定の範囲で移動自在であることによ
り磁力調整手段21を構成している。
【0112】円環形状の導電体14´´を上記回転中心
線に沿った方向に所定の範囲で移動させることにより、
上記回転中心線に沿った方向における移動を停止してい
る長手方向移動部材28´の複数の磁石16と円環形状
の導電体14´´との間の距離を上記所定の範囲で変更
することが出来、上記回転中心線に沿った方向における
移動を停止している長手方向移動部材28´の複数の磁
石16が円環形状の導電体14´´に対して作用させる
磁力を増減させることが出来る。
【0113】この第5の実施の形態の球形状の半径方向
移動部材30´と筒状案内部材38との組み合わせの動
作は、前述した第1の実施の形態の半径方向移動部材3
0と案内孔28aとの組み合わせの動作と同じである。
【0114】またこの第5の実施の形態に従った魚釣用
リールは前述の第1の実施の形態に従った魚釣用リール
と同じ効果を発揮することが出来る。
【0115】なお第5の実施の形態のテーパ形状内周面
32は、スプール10とは別体に形成された後にスプー
ル10の一端部にある前述した一端面に固定されたテー
パ形状部材32aの内周面として形成されているが、ス
プール10の一端部にある前述した一端面の内周面とし
て形成されていても良い。
【0116】[第6の実施の形態]次は、添付の図13
の(A)及び(B)を参照しながら、この発明の第6の
実施の形態に従った魚釣用リールについて詳細に説明す
る。
【0117】図13の(A)はこの発明の第6の実施の
形態に従った魚釣用リールの要部においてスプールが回
転していない時、又はスプールが比較的低速度で回転し
ている状態を示す概略的な縦断面図であり;そして、図
13の(B)は図13の(A)の魚釣用リールの要部に
おいてスプールの回転速度がある程度の大きさ以上で高
速回転している状態を示す概略的な縦断面図である。
【0118】なおこれらの断面図においては、図を明解
にする為に断面の輪郭線のみを示し断面よりも遠くの断
面でない輪郭線は適宜省略している。
【0119】また、この発明の第6の実施の形態に従っ
た魚釣用リールの構成の大部分は図1乃至図7を参照し
ながら前述したこの発明の第1の実施の形態に従った魚
釣用リールの構成の大部分と共通なので、前述したこの
発明の第1の実施の形態に従った魚釣用リールの構成部
材と同じ構成部材には前述したこの発明の第1の実施の
形態に従った魚釣用リールの対応する構成部材を指摘し
ていた参照符号と同じ参照符号を付して、これらの同じ
構成部材についての詳細な説明は省略する。
【0120】第6の実施の形態において複数の磁石16
は、リール本体12の一方の側壁12aにおいてスプー
ル10のスプール軸10aの一端部が突出している前述
の一端面に対向した部分に、スプール軸10aの回転中
心線に対して同心的な円環上に相互に等間隔で配置され
ており、スプール軸10aの半径方向における外方に向
けられている。
【0121】導電体14は円筒形状をしていて、導電体
14の一端部がスプール10のスプール軸10aの一端
部が突出している前述の一端面にスプール軸10aの回
転中心線に対して同心的に固定されている。円筒形状の
導電体14の他端部はリール本体12の一方の側壁12
aの複数の磁石16を取り囲み上記半径方向において複
数の磁石16と対向している。
【0122】半径方向移動部材30´´´には、スプー
ル軸10aの一端部の外周面において係止部材10bの
近傍で軸受13aとは反対側に固定されスプール軸10
aの半径方向の外方に向かい延出した案内片46が挿入
されていて、案内片46は半径方向移動部材30´´´
の移動を上記半径方向に案内する案内部として機能す
る。
【0123】スプール軸10aの一端部の外周面におい
てスプール10のスプール軸10aの一端部が突出した
一端面と半径方向移動部材30´´´との間には、長手
方向移動部材28´´´が配置されていて、長手方向移
動部材28´´´は上記外周面上をスプール軸10aの
回転中心線に沿い移動自在である。長手方向移動部材2
8´´´は付勢手段34´により磁石16に接近するよ
う付勢されていて、この実施例において付勢手段34´
はスプール軸10aの一端部においてスプール10の上
記一端面と長手方向移動部材28´´´との間に巻装さ
れた圧縮コイルばねにより構成されている。
【0124】長手方向移動部材28´´´は半径方向移
動部材30´´´に隣接した端面に、磁石16に大径開
口を向けた状態でスプール軸10aの回転中心線に対し
て同心的に配置されたテーパ形状内周面48を有してお
り、テーパ形状内周面48は半径方向移動部材30´´
´を取り囲み、内端部で半径方向移動部材30´´´と
スプール軸10aの半径方向において当接している。
【0125】長手方向移動部材28´´´の半径方向移
動部材30´´´に隣接した端面にはさらに、上記端面
の外端からリール本体12の一方の側壁12aの複数の
磁石16とスプール10の導電体14の自由端部との間
の円環状の隙間に向かい突入した円環形状の例えば磁性
材料の磁力遮蔽体50の基端部がスプール軸10aの回
転中心線に対して同心的に固定されている。長手方向移
動部材28´´´と磁力遮蔽体50とは相互に別体に形
成された後に上述した如く相互に同心的に固定されるこ
とが出来るが、この実施の形態では長手方向移動部材2
8´´´を磁力遮蔽体50と同じ材料で磁力遮蔽体50
と一体的に形成している。
【0126】次には図13の(A)及び(B)を参照し
ながら説明したこの発明の第6の実施の形態に従った魚
釣用リールの動作を説明する。
【0127】この発明の第6の実施の形態に従った魚釣
用リールが取り付けられた釣竿をキャスティングの為に
振ると、水面上の目的地点に向かい飛翔する図示しない
仕掛けにより図示しない釣糸が引っ張られることにより
スプール10が所定の方向に回転を開始する。
【0128】キャスティングの初期においてスプール1
0の回転速度がある程度の大きさに到達するまではスプ
ール軸10aとともに回転する半径方向移動部材30´
´´に生じる遠心力は弱く、半径方向移動部材30´´
´が遠心力によりテーパ形状内周面48に押し付けられ
ることにより発生し付勢手段34´の付勢力とは反対方
向に向かう力が付勢手段34´の付勢力よりも弱い。こ
の為に、長手方向移動部材28´´´はリール本体12
の一側壁12aの複数の磁石16から遠ざかることが出
来ず、長手方向移動部材28´´´と一体の磁力遮蔽体
50の自由端部はリール本体12の一方の側壁12aの
複数の磁石16とスプール10の導電体14の自由端部
との間の円環状の隙間から抜け出さない。
【0129】よって、複数の磁石16の磁力は磁力遮蔽
体50の自由端部により遮蔽されて導電体14に作用せ
ず、スプール10とともに回転する導電体14に渦電流
は生ぜず導電体14を伴って回転するスプール10に制
動力は生じない。または回転する導電体14に複数の磁
石16からの漏れ磁束によりわずかに渦電流が生じたと
しても、上記わずかな渦電流により生じる制動力は非常
に小さい。
【0130】この為に、キャスティングの初期において
スプール10の回転速度がある程度の大きさに到達する
までは、遠心力により発生する摩擦力のみを利用したス
プール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールは
もちろんのこと磁力を利用したスプール回転速度制御手
段を備えた従来の魚釣用リールに比べると、スプール1
0の回転速度を遥かに大きく上昇させることが出来る。
なぜならば、磁力のみを利用したスプール回転速度制御
手段を備えた従来の魚釣用リールの場合には、スプール
10の回転が開始された時点からスプール10の回転速
度の上昇に略比例して磁力が発生させる制動力も大きく
なるからである。そしてキャスティング開始直後の初期
においてスプール10の回転速度がある程度の大きさに
到達するまでの図示しない仕掛けの飛距離が、遠心力に
より発生する摩擦力のみを利用したスプール回転速度制
御手段を備えた従来の魚釣用リールの場合や磁力のみを
利用したスプール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣
用リールの場合よりも伸びる。
【0131】スプール10の回転速度が上述した初期か
らある程度の大きさに到達したキャスティングの中期に
なるとスプール軸10aとともに回転する半径方向移動
部材30´´´に生じる遠心力は、半径方向移動部材3
0´´´が遠心力によりテーパ形状内周面48に押し付
けられることにより発生し付勢手段34´の付勢力とは
反対方向に向かう力を付勢手段34´の付勢力よりも強
くする。この為に、スプール10の回転速度が上述した
ある程度の大きさを越えて大きくなるに従い半径方向移
動部材30´´´はテーパ形状内周面48に沿い図13
の(B)に示す如く半径方向の外方に移動するとともに
長手方向移動部材28´´´を付勢手段34´の付勢力
に打ち勝ちリール本体12の一側壁12aの複数の磁石
16から序々に遠ざけて行く。これにより長手方向移動
部材28´´´に伴われた円筒形状の磁力遮蔽体50の
自由端部は、リール本体12の一方の側壁12aの複数
の磁石16とスプール10の導電体14の自由端部との
間の円環状の隙間から序々に離脱して行き、複数の磁石
16が発生する磁束を横切る導電体14の面積を序々に
増加させる。
【0132】よって、複数の磁石16の磁力の作用によ
り導電体14に発生する渦電流の大きさは複数の磁石1
6が発生する磁束を横切る導電体14の面積とスプール
10の回転速度とに比例して大きくなり、上記渦電流に
より生じる制動力も複数の磁石16が発生する磁束を横
切る導電体14の面積とスプール10の回転速度とに比
例して大きくなる。
【0133】この際に生じる制動力は、磁力のみを利用
したスプール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リ
ールの場合と同様に、遠心力により発生する摩擦力を利
用したスプール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用
リールの場合よりも少ない。しかも上述した如くキャス
ティングの初期におけるスプールの回転速度が、遠心力
により発生される摩擦力のみを利用したスプール回転速
度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場合よりも高
いのは当然のことながら磁力を利用したスプール回転速
度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場合よりも高
いので、上記キャスティングの中期においてスプールに
生じる回転速度は、遠心力により発生する摩擦力を利用
したスプール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リ
ールの場合よりも高いのは当然であり、ひいては磁力の
みを利用したスプール回転速度制御手段を備えた従来の
魚釣用リールの場合よりも高くなる。
【0134】即ち、上述したキャスティングの初期から
中期においてスプール10の回転速度がある程度の大き
さに到達するまでの図示しない仕掛けの飛距離が、遠心
力により発生する摩擦力のみを利用したスプール回転速
度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場合よりも伸
びるのは当然のことながら磁力のみを利用したスプール
回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場合よ
りも伸びる。
【0135】しかも、後で大きな釣糸のバックラッシュ
を生じさせる原因となるスプール10の過大な回転速度
は、スプール10の導電体14とリール台12の一方の
側壁12aの複数の磁石16との組み合わせにより上述
した如く生じる適度な制動力の作用で充分に抑制され
る。
【0136】キャスティングの終期においてスプール1
0の回転速度が減少し、スプール軸10aとともに回転
する半径方向移動部材30´´´に生じる遠心力が弱く
なると、半径方向移動部材30´´´が遠心力によりテ
ーパ形状内周面48に押し付けられることにより発生し
付勢手段34´の付勢力とは反対方向に向かう力が付勢
手段34´の付勢力よりも弱くなり、長手方向移動部材
28´´´は付勢手段34´の付勢力によりリール本体
12の一側壁12aの複数の磁石16に接近する方向に
押され、長手方向移動部材28´´´に固定された円筒
形状の磁力遮蔽体50の自由端部は、リール本体12の
一方の側壁12aの複数の磁石16とスプール10の導
電体14の自由端部との間の円環状の隙間に序々に突入
して行き、複数の磁石16が発生する磁束を横切る導電
体14の面積を序々に減少させる。
【0137】よって、複数の磁石16の磁力の作用によ
り導電体14に発生する渦電流の大きさは複数の磁石1
6が発生する磁束を横切る導電体14の面積及びスプー
ル10の回転速度と共に比例して小さくなり、上記渦電
流により生じる制動力も複数の磁石16が発生する磁束
を横切る導電体14の面積及びスプール10の回転速度
と共に比例して小さくなる。
【0138】この際に生じる制動力は磁力のみを利用し
たスプール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リー
ルの場合よりは少なく、また遠心力により発生される摩
擦力を利用したスプール回転速度制御手段を備えた従来
の魚釣用リールの場合の如き急激な制動力の減少が生じ
ない。従って、上記キャスティングの終期におけるスプ
ールの回転速度は、磁力のみを利用したスプール回転速
度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場合よりも高
く、しかも摩擦力を利用したスプール回転速度制御手段
を備えた従来の魚釣用リールの場合のように回転速度の
低下率が急激に低下することがない。
【0139】即ち、上述したキャスティングの終期にお
いてスプール10の回転速度が序々に減少してきた時の
図示しない仕掛けの飛距離が、磁力のみを利用したスプ
ール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場
合や遠心力により発生する摩擦力のみを利用したスプー
ル回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場合
よりも伸びる。
【0140】しかも、後で大きな釣糸のバックラッシュ
を生じさせる原因となるスプール10の過大な回転速度
は上述した如くキャスティングの中期において充分に抑
制されており、またキャスティングの終期においてスプ
ール10の回転速度が遠心力により発生される摩擦力を
利用したスプール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣
用リールの場合のように急激に低下率を減少させること
がないので、図示しない仕掛けが着水した後に、図示し
ない仕掛けの着水より生じる図示しない釣糸の引っ張り
速度の急激な低下とスプール10の回転の慣性により図
示しない釣糸にバックラッシュ現象が生じそうになった
場合でも、ベテランでなくとも例えば指をスプールまた
はスプールに巻き付けられた図示しない釣糸の巻回面に
軽く押しつけるだけの比較的簡単な操作で容易に図示し
ない釣糸のバックラッシュ現象を防止することが出来、
図示しない釣糸を放出する時の操作性を向上させること
が出来る。
【0141】[第7の実施の形態]次は、添付の図14
の(A),(B)及び(C)を参照しながら、この発明
の第7の実施の形態に従った魚釣用リールについて詳細
に説明する。
【0142】図14の(A)はこの発明の第7の実施の
形態に従った魚釣用リールの要部においてスプールが回
転していない時、またはスプールが比較的低速度で回転
している状態を示す概略的な縦断面図であり;図14の
(B)は図14の(A)のXIVa−XIVa線に沿った横断面
図であり;そして図14の(C)は図14の(A)のXI
Vb−XIVb線に沿った横断面図である。
【0143】なおこれらの断面図においては、図を明解
にする為に断面の輪郭線のみを示し断面よりも遠くの断
面でない輪郭線は適宜省略している。
【0144】また、この発明の第7の実施の形態に従っ
た魚釣用リールの構成の大部分は図1乃至図7を参照し
ながら前述したこの発明の第1の実施の形態に従った魚
釣用リールの構成と共通なので、前述したこの発明の第
1の実施の形態に従った魚釣用リールの構成部材と同じ
構成部材には前述したこの発明の第1の実施の形態に従
った魚釣用リールの対応する構成部材を指摘していた参
照符号と同じ参照符号を付して、これらの同じ構成部材
についての詳細な説明は省略する。
【0145】第7の実施の形態に従った魚釣用リール
は、テーパ形状内周面32がスプール10のスプール軸
10aの一端部が突出している前述した一端面に直接形
成されていることと、付勢手段34がスプール10の他
端面の側に配置されていることと、長手方向移動部材2
8に形成された案内孔28aの数が2つ以上の3つの例
であり、案内孔28aにより移動を案内される半径方向
移動部材30の数も2つ以上の3つの例であることが、
前述したこの発明の第1の実施の形態と異なる。
【0146】この実施の形態では、長手方向移動部材2
8からスプール10を貫通してスプール10の他端面の
側まで複数本のピストン部材51がスプール軸10aに
沿い延出されていて、複数本のピストン部材51の延出
端にはスプール10の他端面から突出したスプール軸1
0aの他端部が挿入された中心孔を有する付勢手段止め
リング52が固定されている。複数本のピストン部材5
1はスプール軸10aの回転中心線に沿った方向におけ
る長手方向移動部材28の移動に伴いスプール10に対
して上記回転中心線に沿った方向に自由に摺動自在であ
り、付勢手段止めリング52もまた複数本のピストン部
材51とともにスプール軸10aの他端部に対して上記
回転中心線に沿った方向に自由に摺動自在である。
【0147】この実施の形態において複数本のピストン
部材51は付勢手段止めリング52とともに長手方向移
動部材28から独立して形成された後に、例えば固定ね
じや溶接等の公知の固定手段により長手方向移動部材2
8に固定されている。
【0148】付勢手段34はスプール軸10aの他端部
において付勢手段止めリング52とスプール10の他端
面との間に巻装された圧縮コイルばねにより構成されて
いて、長手方向移動部材28を導電体14とともにリー
ル本体12の一方の側壁12aの複数の磁石16から遠
ざかる方向に付勢している。
【0149】第7の実施の形態に従った魚釣用リールの
付勢手段34の作用は前述した第1の実施の形態に従っ
た魚釣用リールの付勢手段34の作用と同じであり、ひ
いては第7の実施の形態に従った魚釣用リールの動作は
前述した第1の実施の形態に従った魚釣用リールの動作
と同じである。
【0150】なお図14の(A)及び(B)には、この
発明の第7の実施の形態に従った魚釣用リールの要部に
おいてスプール10の回転速度がある程度の大きさ以上
で高速回転した時の半径方向移動部材30及び導電体1
4の自由端部の位置が2点鎖線で示されている。
【0151】[第8の実施の形態]次は、添付の図15
の(A)及び(B)を参照しながら、この発明の第8の
実施の形態に従った魚釣用リールについて詳細に説明す
る。
【0152】図15の(A)はこの発明の第8の実施の
形態に従った魚釣用リールの要部においてスプールが回
転していない時、又はスプールが比較的低速度で回転し
ている状態を示す概略的な縦断面図であり;そして、図
15の(B)は図15の(A)のXV−XV線に沿った横断
面図である。
【0153】なおこれらの断面図においては、図を明解
にする為に断面の輪郭線のみを示し断面よりも遠くの断
面でない輪郭線は適宜省略している。
【0154】また、この発明の第8の実施の形態に従っ
た魚釣用リールの構成の大部分は図1乃至図7を参照し
ながら前述したこの発明の第1の実施の形態に従った魚
釣用リールの構成と共通なので、この発明の第1の実施
の形態に従った魚釣用リールの構成部材と同じ構成部材
には前述したこの発明の第1の実施の形態に従った魚釣
用リールの対応する構成部材を指摘していた参照符号と
同じ参照符号を付して、これらの同じ構成部材について
の詳細な説明は省略する。
【0155】第8の実施の形態に従った魚釣用リール
は、テーパ形状内周面32がスプール10のスプール軸
10aの一端部が突出している前述した一端面に直接形
成されていることと、付勢手段34がスプール10の他
端面の側に配置されていることと、長手方向移動部材2
8に形成された案内孔28aの数が2つ以上の3つの例
であり、案内孔28aにより移動を案内される半径方向
移動部材30の数も2つ以上の3つの例であることが、
前述したこの発明の第1の実施の形態と異なる。
【0156】この実施の形態では、長手方向移動部材2
8からスプール10を貫通してスプール10の他端面の
側まで複数本のピストン部材54がスプール軸10aに
沿い延出されていて、複数本のピストン部材54の延出
端には付勢手段止めリング56が固定されている。
【0157】複数本のピストン部材54はスプール軸1
0aの回転中心線に沿った方向における長手方向移動部
材28の移動に伴いスプール10に対して上記回転中心
線に沿った方向に自由に摺動自在であり、付勢手段止め
リング56もまた複数本のピストン部材52とともにス
プール10の他端面に対して上記回転中心線に沿った方
向に自由に移動自在である。
【0158】この実施の形態において複数本のピストン
部材54は長手方向移動部材28とともに一体的に形成
されているが、長手方向移動部材28から独立して形成
した後に長手方向移動部材28に例えば固定ねじや溶接
等の公知の固定手段により固定しても良い。
【0159】付勢手段34は、複数本のピストン部材5
4の夫々の周面において付勢手段止めリング56とスプ
ール10の他端面との間に巻装された圧縮コイルばねに
より構成されていて、長手方向移動部材28を導電体1
4とともにリール本体12の一方の側壁12aの複数の
磁石16から遠ざかる方向に付勢している。
【0160】第8の実施の形態に従った魚釣用リールの
付勢手段34の作用は前述した第1の実施の形態に従っ
た魚釣用リールの付勢手段34の作用と同じであり、ひ
いては第8の実施の形態に従った魚釣用リールの動作は
前述した第1の実施の形態に従った魚釣用リールの動作
と同じである。
【0161】なお図15の(A)及び(B)には、この
発明の第8の実施の形態に従った魚釣用リールの要部に
おいてスプールの回転速度がある程度の大きさ以上で高
速回転した時の半径方向移動部材30及び導電体14の
自由端部の位置が2点鎖線で示されている。
【0162】[第9の実施の形態]次には、添付の図1
6の(A)及び(B)を参照しながら、この発明の第9
の実施の形態に従った魚釣用リールについて詳細に説明
する。
【0163】図16の(A)はこの発明の第9の実施の
形態に従った魚釣用リールの要部においてスプールが回
転していない時、又はスプールが比較的低速度で回転し
ている状態を示す概略的な縦断面図であり;そして、図
16の(B)は図16の(A)のXVI −XVI 線に沿った
横断面図である。
【0164】なおこれらの断面図においては、図を明解
にする為に断面の輪郭線のみを示し断面よりも遠くの断
面でない輪郭線は適宜省略している。
【0165】また、この発明の第9の実施の形態に従っ
た魚釣用リールの構成の大部分は図11の(A)及び
(B)を参照しながら前述したこの発明の第4の実施の
形態に従った魚釣用リールの構成と共通なので、前述し
たこの発明の第4の実施の形態に従った魚釣用リールの
構成部材と同じ構成部材には前述したこの発明の第4の
実施の形態に従った魚釣用リールの対応する構成部材を
指摘していた参照符号と同じ参照符号を付して、これら
の同じ構成部材についての詳細な説明は省略する。
【0166】第9の実施の形態に従った魚釣用リール
は、付勢手段34がスプール10の他端面の側に配置さ
れていることと、スプール軸10aに固定された案内棒
42の数が2つ以上の3つの例であり、案内棒42によ
り移動を案内される半径方向移動部材30´´の数も2
つ以上の3つの例であることが、前述したこの発明の第
4の実施の形態と異なる。
【0167】この実施の形態では、長手方向移動部材2
8からスプール10を貫通してスプール10の他端面の
側まで複数本のピストン部材58がスプール軸10aに
沿い延出されていて、複数本のピストン部材58の延出
端には付勢手段止めリング60が固定されている。
【0168】複数本のピストン部材58はスプール軸1
0aの回転中心線に沿った方向における長手方向移動部
材28´´の移動に伴いスプール10に対して上記回転
中心線に沿った方向に自由に摺動自在であり、付勢手段
止めリング60もまた複数本のピストン部材58ととも
にスプール10の他端面に対して上記回転中心線に沿っ
た方向に自由に移動自在である。
【0169】この実施の形態において複数本のピストン
部材58は長手方向移動部材28´´とともに一体的に
形成されているが、長手方向移動部材28´´から独立
して形成した後に長手方向移動部材28´´に例えば固
定ねじや溶接等の公知の固定手段により固定しても良
い。
【0170】付勢手段34は、複数本のピストン部材5
8の夫々の周面において付勢手段止めリング60とスプ
ール10の他端面との間に巻装された圧縮コイルばねに
より構成されていて、長手方向移動部材28´´を導電
体14とともにリール本体12の一方の側壁12aの複
数の磁石16から遠ざかる方向に付勢している。
【0171】第9の実施の形態に従った魚釣用リールの
付勢手段34の作用は前述した第4の実施の形態に従っ
た魚釣用リールの付勢手段34の作用と同じであり、ひ
いては第9の実施の形態に従った魚釣用リールの動作は
前述した第4の実施の形態に従った魚釣用リールの動作
と同じである。
【0172】なお図16の(A)及び(B)には、この
発明の第9の実施の形態に従った魚釣用リールの要部に
おいてスプール10の回転速度がある程度の大きさ以上
で高速回転した時の半径方向移動部材30´´及び導電
体14の自由端部の位置が2点鎖線で示されている。
【0173】[第10の実施の形態]次には、添付の図
17の(A)及び(B)を参照しながら、この発明の第
10の実施の形態に従った魚釣用リールについて詳細に
説明する。
【0174】図17の(A)はこの発明の第10の実施
の形態に従った魚釣用リールの要部においてスプールが
回転していない時、又はスプールが比較的低速度で回転
している状態を示す概略的な縦断面図であり;そして、
図17の(B)は図17の(A)のXVII−XVII線に沿っ
た横断面図である。
【0175】なおこれらの断面図においては、図を明解
にする為に断面の輪郭線のみを示し断面よりも遠くの断
面でない輪郭線は適宜省略している。
【0176】また、この発明の第10の実施の形態に従
った魚釣用リールの構成の大部分は図10の(A)及び
(B)を参照しながら前述したこの発明の第3の実施の
形態に従った魚釣用リールの構成と共通なので、前述し
たこの発明の第3の実施の形態に従った魚釣用リールの
構成部材と同じ構成部材には前述したこの発明の第3の
実施の形態に従った魚釣用リールの対応する構成部材を
指摘していた参照符号と同じ参照符号を付して、これら
の同じ構成部材についての詳細な説明は省略する。
【0177】第10の実施の形態に従った魚釣用リール
は、付勢手段34がスプール10の他端面の側に配置さ
れていることと、長手方向移動部材28´に形成されて
いる筒状案内部材38及び筒状案内部材38に収容され
ている半径方向移動部材30´の数が2つ以上の3つの
例であることが、前述したこの発明の第3の実施の形態
と異なる。
【0178】この実施の形態では、長手方向移動部材2
8´からスプール10を貫通してスプール10の他端面
の側まで複数本のピストン部材62がスプール軸10a
に沿い延出されていて、複数本のピストン部材62の延
出端には付勢手段止めリング64が固定されている。
【0179】複数本のピストン部材62はスプール軸1
0aの回転中心線に沿った方向における長手方向移動部
材28´の移動に伴いスプール10に対して上記回転中
心線に沿った方向に自由に摺動自在であり、付勢手段止
めリング64もまた複数本のピストン部材62とともに
スプール10の他端面に対して上記回転中心線に沿った
方向に自由に移動自在である。
【0180】この実施の形態において複数本のピストン
部材62は長手方向移動部材28´とともに一体的に形
成されているが、長手方向移動部材28´から独立して
形成した後に長手方向移動部材28´に例えば固定ねじ
や溶接等の公知の固定手段により固定しても良い。
【0181】付勢手段34は、複数本のピストン部材6
2の夫々の周面において付勢手段止めリング64とスプ
ール10の他端面との間に巻装された圧縮コイルばねに
より構成されていて、長手方向移動部材28´を導電体
14´とともにリール本体12の一方の側壁12aの複
数の磁石16から遠ざかる方向に付勢している。
【0182】第10の実施の形態に従った魚釣用リール
の付勢手段34の作用は前述した第3の実施の形態に従
った魚釣用リールの付勢手段34の作用と同じであり、
ひいては第10の実施の形態に従った魚釣用リールの動
作は前述した第3の実施の形態に従った魚釣用リールの
動作と同じである。
【0183】なお図17の(A)及び(B)には、この
発明の第10の実施の形態に従った魚釣用リールの要部
においてスプール10の回転速度がある程度の大きさ以
上で高速回転した時の半径方向移動部材30´及び導電
体14´の自由端部の位置が2点鎖線で示されている。
【0184】[第11の実施の形態]次には、添付の図
18乃至図25を参照しながら、この発明の第11の実
施の形態に従った魚釣用リールについて詳細に説明す
る。
【0185】なおここで、図18はこの発明の第11の
実施の形態に従った魚釣用リールを一部を切り欠いて示
す平面図であり;図19は図18のC−C線に沿った概
略的な横断面図であり;図20は図18のD−D線に沿
った概略的な横断面図であり;図21は図20において
円筒形状導電体及び半径方向移動部材と組み合わされて
いた長手方向移動部材をE−E線に沿い一部切り欠いた
概略的な水平断面を伴って示す平面図であり;図22は
図20において相互に組み合わされている長手方向移動
部材と円筒形状導電体と半径方向移動部材との一部を拡
大して示す側面図であり;図23の(A)は図18の魚
釣用リールの要部においてスプールが回転していない時
とスプールの回転速度がある程度の大きさに到達するま
での間とスプールの回転速度がある程度の大きさから減
少した時の状態を示す概略的な水平断面図であり;図2
3の(B)は図23の(A)のF−F線に沿った横断面
図であり;図24の(A)は図18の魚釣用リールの要
部においてスプールが回転していない時とスプールの回
転速度がある程度の大きさに到達するまでの間とスプー
ルの回転速度がある程度の大きさから減少した時の状態
を示す概略的な縦断面図であり;図24の(B)は図2
4の(A)のG−G線に沿った横断面図であり;図25
の(A)は図18の魚釣用リールの要部においてスプー
ルの回転速度がある程度の大きさに到達した後の状態を
示す概略的な水平断面図であり;そして、図25の
(B)は図18の魚釣用リールの要部においてスプール
の回転速度がある程度の大きさに到達した後の状態を示
す概略的な縦断面図である。
【0186】なおこれらの断面図においては、図を明解
にする為に断面の輪郭線のみを示し断面よりも遠くの断
面でない輪郭線は適宜省略している。
【0187】図18に示す如く、この発明の第1の実施
の形態に従った魚釣用リールは、図示しない釣糸が解放
自在に巻き付けられるスプール100と、スプール10
0のスプール軸100aの両端部を軸受113a,11
3bを介して回転自在に支持しスプール100を回転自
在に保持したリール本体112と、を備えている。
【0188】スプール軸100aの一端部には、スプー
ル100の一端面とスプール100の一端面から突出し
たスプール軸100aの一端部(図18では左端部)を
回転自在に支持した軸受113bとの間に例えばアルミ
ニウムや銅等の非磁性体による導電体114が設けられ
ていて、リール本体112においてスプール軸100a
の一端部を回転自在に支持した軸受113bが設置され
ている一方の側壁112bにはスプール軸100aの一
端部の導電体114に対応して複数の磁石116が設置
されている。
【0189】スプール100の他端面から突出したスプ
ール軸100aの他端部(図18では右端部)を回転自
在に支持した軸受113aが設置されている他方の側壁
112aには,ハンドル118が回転自在に設けられて
いるとともに、ハンドル118から入力された回転力を
スプール軸100aの他端部に選択的に伝達するクラッ
チ付き回転力伝達手段(図示しない)も設けられてい
る。クラッチ付き回転力伝達手段(図示しない)は、図
示しない操作釦を介してクラッチを操作することによ
り、スプール軸100aの自由な回転を許容しスプール
100からの上述した図示しない釣糸の放出(図18に
矢印Sで釣糸放出方向を示す)を許容するスプール自由
回転状態と、ハンドル118から入力された回転力をス
プール軸100aの他端部を介してスプール100に伝
達しスプール100に上述した図示しない釣糸を図18
に矢印Sで示された釣糸放出方向とは正反対の方向に巻
き取らせるスプール駆動状態と、を選択的に設定可能で
ある。そしてこのようなクラッチ付き回転力伝達手段
(図示しない)の構成は公知なので、その構成について
の説明は省略する。
【0190】図18及び図19の(A)に示す如く、リ
ール本体102の一方の側壁112bの複数の磁石11
6は静止している導電体114に対して磁石116から
作用する磁力の大きさを調整する為の磁力調整手段12
0を介して一方の側壁112bに取り付けられている。
この実施の形態では、磁力調整手段120はスプール軸
100aに対して同心的に配置された2重の円環120
a,120bを含んでいて、複数の磁石106は2重の
円環120a,120b上に配置されて2重の円環12
0a,120bにおいて夫々の周方向に所定の間隔で相
互に離間している。なお内方の円環120aの複数の磁
石116は内方の円環120aの半径方向の外方を向い
た磁極が隣り合う磁石において相互に異なるよう配置さ
れており、外方の円環120bの複数の磁石116もま
た外方の円環120bの半径方向の内方を向いた磁極が
隣り合う磁石116において相互に異なるよう配置され
ている。
【0191】内方の円環120aは一方の側壁112b
に固定されているが、外方の円環120bは一方の側壁
112bに設置されている磁力調整摘み124を一方あ
るいは他方に回動させることにより内方の円環120a
の磁極に対向する外方の円環120bの磁極を変えて導
電体114に作用する磁力の強弱を調整する。即ち、内
方の円環120aの複数の磁石116の半径方向外端の
磁極に対して外方の円環120bの複数の磁石116の
中で内方の円環120aの複数の磁石116の半径方向
外端の磁極とは異なる磁極の半径方向内端を対向させて
内方の円環120aの複数の磁石116の半径方向外端
の磁極と外方の円環120bの半径方向内端の磁極とが
相互に最大の吸引磁力発生させる吸引磁力相互作用最大
状態と、内方の円環120aの複数の磁石116の半径
方向外端の磁極に対して外方の円環120bの複数の磁
石116の中で内方の円環120aの複数の磁石116
の半径方向外端の磁極と同じ磁極の半径方向内端を対向
させて内方の円環120aの複数の磁石116の半径方
向外端の磁極と外方の円環120bの半径方向内端の磁
極とが相互に最大の反発磁力発生させる反発磁力相互作
用最大状態と、の間で内方の円環120aの複数の磁石
116に対して外方の円環120bの複数の磁石116
の相対的な位置を変えることにより、導電体114に作
用する磁力の強弱を調整し、公知のようにスプール10
0に対する制動力を調整することが出来る。
【0192】図18に示す如く、導電体114は、スプ
ール100の回転速度の増減に応じてリール本体112
の一方の側壁112bの複数の磁石116が導電体11
4に作用する磁力を増減させて導電体114が設けられ
ているスプール100の回転速度を制御するスプール回
転速度制御手段126を介してスプール軸100aの一
端部に設けられている。
【0193】回転速度制御手段126は、図23の
(A)及び図20に特に良く示す如く、スプール軸10
0aの一端部上にスプール軸100aの回転中心線に沿
った方向(即ち、長手方向)に移動自在であるとともに
スプール軸100aの周方向にはスプール軸100aと
ともに回転するよう設置された長手方向移動部材128
を備えている。
【0194】より詳細に説明すると、この実施の形態で
は、スプール軸100aの一端部の外周面において長手
方向移動部材128が載置されている領域からスプール
軸100aの半径方向の外方に向かい係合部材、例えば
係合ピン、127が突出されていて、スプール軸100
aの外周面上でスプール軸100aの回転中心線に沿っ
た方向(即ち、長手方向)に移動自在であるとともにス
プール軸100aの回転中心線の回りの周方向にも上記
外周面に対して相対的に回動自在に載置されている長手
方向移動部材128には、スプール軸100aの回転中
心線に沿った方向(即ち、長手方向)に延出した細長孔
129がスプール軸100aの一端部に対応したスプー
ル100の一端面に対向した端面からスプール100の
上記一端面から遠ざかる方向に向かい形成されている。
そして、スプール軸100aの一端部の外周面の係合部
材、例えば係合ピン、207が長手方向移動部材128
の細長孔129中に図23の(A)に示す如く挿入され
ることにより、長手方向移動部材128がスプール軸1
00aの一端部の外周面上でスプール軸100aの回転
中心線に沿った方向(即ち、長手方向)に移動自在であ
るとともにスプール軸100aの周方向にはスプール軸
100aとともに回転することが出来る。
【0195】スプール軸100aの一端部上にスプール
軸100aの回転中心線に沿った方向(即ち、長手方
向)に移動自在であるとともにスプール軸100aの周
方向にはスプール軸100aとともに回転するよう長手
方向移動部材128を連結する構造としては、スプール
軸100aの一端部の外周面にスプール軸100aの回
転中心線に沿った方向(即ち、長手方向)に延出する平
坦部を形成するとともに、スプール軸100aの一端部
の外周面に被せられる長手方向移動部材128の内周面
にスプール軸100aの回転中心線に沿った方向(即
ち、長手方向)に延出する平坦部を形成し、スプール軸
100aの一端部の外周面の平坦部と長手方向移動部材
128の内周面の平坦部とを合致させた状態でスプール
軸100aの一端部の外周面に長手方向移動部材128
の内周面を被せたいわゆる「すり割り」構造も存在す
る。
【0196】しかしながら、このようないわゆる「すり
割り」構造を、この実施の形態における上述した如きス
プール軸100aの一端部の外周面の係合部材、例えば
係合ピン、127と長手方向移動部材128の細長孔1
29との組み合わせ構造と比べると、「すり割り」構造
の方がスプール軸100aの一端部の外周面の平坦部の
幅と長手方向移動部材128の内周面の平坦部の幅とを
精密に合致させるよう加工する作業は比較的多くの時間
と手間がかかり、加工コストが高くなる。しかもこの精
密な合致が達成出来ないと、長手方向移動部材128の
周方向への回転時に、スプール軸100aの一端部の外
周面の平坦部と長手方向移動部材128の内周面の平坦
部との間の隙間を原因としてスプール軸100aの一端
部の外周面上における長手方向移動部材128の周方向
への回転にいわゆるガタつきが生じるばかりでなく、ス
プール軸100aの一端部の外周面上におけるスプール
軸100aの回転中心線に沿った方向(即ち、長手方
向)への長手方向移動部材128の移動においてもいわ
ゆるガタつきが生じてしまう。
【0197】このようないわゆる「すり割り」構造に比
べると、この実施の形態の如きスプール軸100aの一
端部の外周面の係合部材、例えば係合ピン、127と長
手方向移動部材128の細長孔129との組み合わせに
おいては、スプール軸100aの一端部の外周面や長手
方向移動部材128の内周面は横断面が円形の儘でよく
て寸法精度を精密にすることが容易であり、スプール軸
100aの一端部の外周面に係合部材、例えば係合ピ
ン、127を突出して固定するには、図24の(A)及
び(B)に特に良く示す如く、スプール軸100aの一
端部の外周面にスプール軸100aの直径方向に延出す
る貫通孔101を形成してこの貫通孔101に貫通させ
た係合部材、例えば係合ピン、127を接着剤や溶接や
その他の公知の固定手段で固定すれば良く、また長手方
向移動部材128への細長孔129の形成作業もまた長
手方向移動部材128の外部から容易にかつ精密に行う
ことが出来る。
【0198】導電体104は円筒形状をしており、導電
体114の磁石106とは反対側の端部が長手方向移動
部材128にスプール軸100aに対して同心的に固定
されている。
【0199】なおこの実施の形態では、導電体114と
長手方向移動部材128とは相互に別体に形成された後
に上述した如く相互に固定されている。
【0200】長手方向移動部材128に固定された導電
体114の自由端部は、リール本体102の一方の側壁
112bの同心的な2重の円環120a,120bの間
の環状隙間に対向している。
【0201】長手方向移動部材128においてスプール
軸100aの周方向に所定間隔に相互に離間された複数
(この第1の実施の形態では2つ)の位置には、スプー
ル軸100aの半径方向に移動自在に半径方向移動部材
130が設けられている。
【0202】半径方向移動部材130をスプール軸10
0aの半径方向に移動自在に支持する為に長手方向移動
部材128は、図21,図22及び図23の(B)に示
す如く、外周面の周方向に所定間隔に相互に離間された
複数(この第1の実施の形態では2つ)の位置において
上記半径方向に延出した案内孔128aを含んでいる。
半径方向移動部材130は、図21に示す如く、略H形
状の横断面を有していて、中央の橋状部が案内孔128
aに嵌め合わされることにより案内孔128aに沿い移
動する。即ち、案内孔128aは、そこに嵌め合わされ
た半径方向移動部材130をスプール軸100aの半径
方向に移動自在に案内する案内部として機能する。複数
の半径方向移動部材130は対応する案内孔128aに
沿い導電体114の外周面を越えてさらに外方まで移動
可能である。
【0203】この実施の形態の如く導電体114と長手
方向移動部材128とが相互に別体に形成されて、後で
相互に固定されている場合、導電体114は所望の寸法
で単なる円筒形状に形成すれば良く、導電体114の製
造が容易である。また、スプール軸100aの為の中心
孔や案内孔128aやスプール軸100aの係合部材、
例えば係合ピン、の為の細長孔129を備えて複雑な形
状をした長手方向移動部材128は、合成樹脂により一
体成形加工することが可能であり、長手方向移動部材1
28の製造も容易となる。そして、スプール軸100a
の係合部材、例えば係合ピン、の為の細長孔129は、
図23の(B)や図24の(A)及び(B)に特に良く
示す如く、長手方向移動部材128の外周面において細
長孔129に対応した位置からスプール軸100aの半
径方向の外方に突出して形成されて細長孔129の長手
方向に沿い延出している耳部128bで取り囲まれるこ
とにより、スプール軸100aの係合部材、例えば係合
ピン、127から細長孔129を介して長手方向移動部
材128に伝達される力の単位面積当たりの圧力を減少
させることが出来、長手方向移動部材128の強度及び
寿命を増加させ、しかもスプール軸100aの係合部
材、例えば係合ピン、127に対して長手方向移動部材
128をスプール軸100aの回転中心線に沿った方向
(長手方向)に滑らかに移動させることが出来、またス
プール軸100aの係合部材、例えば係合ピン、127
に対して長手方向移動部材128をスプール軸100a
の回転中心線の回りの周方向にはよりガタツキを少なく
して係合させることが出来る。
【0204】スプール100の一端部にある前述した一
端面には、図23の(A)及び(B)に示す如く、スプ
ール軸100aの複数の半径方向移動部材130を取り
囲んでスプール軸100aの半径方向において複数の半
径方向移動部材130と対向したテーパ形状内周面13
2が大径開口をスプール100の前述した一端面に対向
したリール本体112の一方の側壁112bの部分の複
数の磁石116に向けた状態でスプール軸100aの回
転中心線に対して同心的に設けられており、テーパ形状
内周面132は摩擦係数が小さな滑らかな表面に仕上げ
られている。なおこの実施の形態においてテーパ形状内
周面132は、スプール100の一端部にある前述した
一端面の内周面を摩擦係数が小さな滑らかな表面とする
ことにより形成されているが、スプール100とは別体
に形成された後にスプール100の一端部にある前述し
た一端面に図示しないテーパ形状部材を固定し、このテ
ーパ形状部材の内周面を摩擦係数が小さな滑らかな表面
とすることにより形成することも出来る。
【0205】図23の(A)に示す如く、導電体114
が設けられた長手方向移動部材128は付勢手段134
によりスプール軸100aの一端部上でスプール100
の前述した一端面に対向したリール本体112の一方の
側壁112bの部分の複数の磁石116から遠ざかるよ
う付勢されている。この実施の形態において付勢手段1
34は、スプール軸100aの一端部上で長手方向移動
部材128とスプール軸100aの一端部を回転自在に
支持している軸受113bに隣接して配置されている止
め輪やワッシャ等の係止部材100bとの間に巻装され
た圧縮コイルばねにより構成されている。
【0206】付勢手段134により付勢された長手方向
移動部材128は、図23の(A)に示す如く、スプー
ル軸100aの一端部上でスプール100の前述した一
端面に隣接して配置され、長手方向移動部材128上の
半径方向移動部材130はスプール100の前述した一
端面のテーパ形状内周面132の最小開口部分に隣接し
て対向している。
【0207】この実施の形態においてスプール軸100
aの一端部上でスプール100の前述した一端面に隣接
した位置には油が含浸されたワッシャ139が配置され
ている。スプール100の前述した一端面に対する長手
方向移動部材128の端部の衝突による騒音の発生の防
止と油によるスプール軸100aの一端部上における長
手方向移動部材128の長手方向移動の際に生じる摩擦
抵抗の低減とを目的として、ワッシャ139は衝撃の緩
和作用と多量の油の保持作用とに優れるフェルト状の物
体により形成されている。
【0208】次には、上述した如く構成されているこの
発明の第11の実施の形態に従った魚釣用リールの動作
について説明する。
【0209】この発明の第11の実施の形態に従った魚
釣用リールが取り付けられた釣竿をキャスティングの為
に振ると、水面上の目的地点に向かい飛翔する図示しな
い仕掛けにより図示しない釣糸が引っ張られることによ
りスプール100が所定の方向に回転を開始する。
【0210】キャスティング開始直後の初期においてス
プール100の回転速度がある程度の大きさに到達する
まではスプール軸100aとともに回転する半径方向移
動部材130に生じる遠心力は弱く、半径方向移動部材
130が遠心力によりテーパ形状内周面132に押し付
けられることにより発生し付勢手段134の付勢力とは
反対方向に向かう力が付勢手段134の付勢力よりも弱
い。この為に、長手方向移動部材128はリール本体1
12の一側壁112bの複数の磁石116に向かい接近
することが出来ず、長手方向移動部材128に固定され
た円筒形状の導電体114の自由端部は、リール本体1
12の一方の側壁112aの複数の磁石116が配置さ
れた2重の円環122a,122bの相互間の円環状の
隙間に突入しない。よって、複数の磁石116の磁力の
作用により導電体114に渦電流は生ぜず導電体114
を伴って回転するスプール100に制動力は生じない。
また複数の磁石116の相互からの漏れ磁束により導電
体114にわずかに渦電流が生じたとしても、上記わず
かな渦電流により生じる制動力は非常に小さい。
【0211】この為に、キャスティング開始直後の初期
においてスプール100の回転速度がある程度の大きさ
に到達するまでは実質的に制動力が作用しないので、ス
プール100の初期回転速度を上昇させることが出来、
キャスティング開始直後の初期における仕掛けの飛距
離、ひいてはキャスティング開始直後から終了までの全
体における仕掛けの飛距離、を向上させることが出来
る。この間に上昇されるスプール100の回転速度は、
遠心力により発生される制動力を利用したスプール回転
速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場合よりも
高くなるのは当然であり、しかも磁力のみを利用したス
プール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの
場合よりも高くなる。なぜならば、磁力のみを利用した
スプール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リール
の場合には、スプール100の回転が開始された時点か
らスプール100の回転速度の上昇に略比例して磁力が
発生させる制動力も大きくなるからである。そしてキャ
スティング開始直後の初期においてスプール100の回
転速度がある程度の大きさに到達するまでの図示しない
仕掛けの飛距離が、遠心力により発生する摩擦力のみを
利用したスプール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣
用リールの場合よりも伸びるのはいうまでもなく、磁力
のみを利用したスプール回転速度制御手段を備えた従来
の魚釣用リールの場合よりも伸びる。
【0212】スプール100の回転速度がある程度の大
きさに到達したキャスティングの中期になると、スプー
ル軸100aとともに回転する半径方向移動部材130
が遠心力によってテーパ形状内周面132に押し付けら
れることにより発生させるスプール軸100aに沿った
軸方向において付勢手段134の付勢力とは反対方向に
向かう力が付勢手段134の付勢力よりも強くなる。こ
の為に、スプール100の回転速度がある程度の大きさ
を越えて大きくなるに従い半径方向移動部材130はテ
ーパ形状内周面132に沿い図25の(A)及び(B)
に示す如く半径方向の外方に移動するとともに図25の
(A)及び(B)に示す如く長手方向移動部材128を
付勢手段134の付勢力に打ち勝ちリール本体112の
一側壁112bの複数の磁石116に向かい序々に接近
させて行く。これにより長手方向移動部材128に固定
された円筒形状の導電体114の自由端部は、リール本
体112の一方の側壁112bの複数の磁石116が配
置された2重の円環122a,122bの相互間の円環
状の隙間に序々に突入して2重の円環122a,122
bの複数の磁石116との重複量が多くなり、複数の磁
石116が発生する磁束を横切る導電体114の面積が
序々に増加する。
【0213】よって、複数の磁石116の磁力の作用に
より導電体114に発生する渦電流の大きさは複数の磁
石116が発生する磁束を横切る導電体114の面積と
スプール100の回転速度とに比例して大きくなり、上
記渦電流により生じる制動力も複数の磁石116が発生
する磁束を横切る導電体114の面積とスプール100
の回転速度とに比例して大きくなる。
【0214】この際に生じる制動力は、磁力のみを利用
したスプール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リ
ールの場合と同様に、遠心力により発生する摩擦力を利
用したスプール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用
リールの場合よりも少ない。従って、上述した如く上記
キャスティングの初期におけるスプールの回転速度が磁
力のみを利用したスプール回転速度制御手段を備えた従
来の魚釣用リールの場合よりも高くなるので、上記キャ
スティングの初期から中期にかけてのスプールの回転速
度も磁力のみを利用したスプール回転速度制御手段を備
えた従来の魚釣用リールの場合よりも高くなり、当然の
ことながら遠心力により発生する摩擦力を利用したスプ
ール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場
合よりも格別に高くなる。
【0215】即ち、上述したキャスティングの初期から
スプール100の回転速度がある程度の大きさに到達し
た後の中期までの図示しない仕掛けの飛距離が、磁力の
みを利用したスプール回転速度制御手段を備えた従来の
魚釣用リールの場合や遠心力により発生される摩擦力の
みを利用したスプール回転速度制御手段を備えた従来の
魚釣用リールの場合よりも伸びる。
【0216】しかも、後で大きな釣糸のバックラッシュ
を生じさせる原因となるスプール100の過大な回転速
度は、スプール100の導電体114とリール本体11
2の一方の側壁112bの複数の磁石116との組み合
わせにより上述した如く生じる適度な制動作用で充分に
抑制される。
【0217】キャスティングの終期においてスプール1
00の回転速度が減少し、スプール軸100aとともに
回転する半径方向移動部材130に生じる遠心力が弱く
なると、半径方向移動部材130が遠心力によりテーパ
形状内周面132に押し付けられることにより発生し付
勢手段134の付勢力とは反対方向に向かう力が付勢手
段134の付勢力よりも弱くなり、長手方向移動部材1
28は付勢手段134の付勢力によりリール本体112
の一側壁112bの複数の磁石116から遠ざかる方向
に押され、長手方向移動部1材28に固定された円筒形
状の導電体114の自由端部は、リール本体112の一
方の側壁112bの複数の磁石116が配置された2重
の円環122a,122bの相互間の円環状の隙間から
序々に抜け出し、複数の磁石116が発生する磁束を横
切る導電体114の面積を序々に減少させる。
【0218】よって、複数の磁石116の磁力の作用に
より導電体114に発生する渦電流の大きさは複数の磁
石116が発生する磁束を横切る導電体114の面積と
スプール100の回転速度とに比例して小さくなり、上
記渦電流により生じる制動力も複数の磁石116が発生
する磁束を横切る導電体114の面積とスプール100
の回転速度とに比例して小さくなる。
【0219】この際に生じる制動力は磁力のみを利用し
たスプール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リー
ルの場合よりは少なく、また遠心力により発生する摩擦
力を利用したスプール回転速度制御手段を備えた従来の
魚釣用リールの場合の如き急激な制動力の減少が生じな
い。従って、上記キャスティングの終期においてスプー
ルに生じる回転速度は、磁力のみを利用したスプール回
転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場合より
も高く、しかも遠心力により発生する摩擦力を利用した
スプール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リール
の場合のように回転速度の減少率が急激に低下すること
がない。
【0220】即ち、上述したキャスティングの終期にお
いてスプール100の回転速度が序々に減少してきた時
の図示しない仕掛けの飛距離が、磁力のみを利用したス
プール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの
場合や遠心力により発生する摩擦力のみを利用したスプ
ール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場
合よりも伸びる。
【0221】しかも、仕掛けの飛行速度に対して後で大
きな釣糸のバックラッシュを生じさせる原因となるスプ
ール100の過大な回転速度は上述した如くキャスティ
ングの中期において適度に抑制されており、またキャス
ティングの終期においてスプール100の回転速度の減
少率が遠心力により発生される摩擦力を利用したスプー
ル回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場合
のように急激に低下しないので、図示しない仕掛けが着
水した後に、図示しない仕掛けの着水により生じる図示
しない釣糸の引っ張り速度の急激な低下とスプール10
0の回転の慣性により図示しない釣糸にバックラッシュ
現象が生じそうになった場合でも、ベテランでなくとも
例えば指をスプールまたはスプールに巻き付けられた釣
糸の巻回面に軽く押しつけるだけの比較的簡単な操作で
容易に図示しない釣糸のバックラッシュ現象を防止する
ことが出来、キャスティングにおける釣糸の放出操作が
容易となる。
【0222】[第12の実施の形態]次には、添付の図
26の(A)を参照しながら、この発明の第12の実施
の形態について詳細に説明する。
【0223】図26の(A)は、この発明の第12の実
施の形態に従った魚釣用リールの要部においてスプール
が回転していない時,スプールの回転速度がある程度の
大きさに到達するまでの間,そしてスプールの回転速度
がある程度の大きさから減少した時の状態を示す概略的
な縦断面図である。
【0224】この図においては、図を明解にする為に断
面の輪郭線のみを示し、断面よりも遠くの断面でない輪
郭線は適宜省略している。
【0225】またこの発明の第12の実施の形態に従っ
た魚釣用リールの構成の大部分は、図18乃至図25の
(A)及び(B)を参照しながら上述したこの発明の第
11の実施の形態に従った魚釣用リールの構成と共通な
ので、上述したこの発明の第11の実施の形態に従った
魚釣用リールの構成部材と同じ構成部材には上述したこ
の発明の第11の実施の形態に従った魚釣用リールの対
応する構成部材を指摘していた参照符号と同じ参照符号
を付して、これらの構成部材についても詳細な説明は省
略する。
【0226】第12の実施の形態に従った魚釣用リール
は、スプール軸100aの一端部の外周面上の導電体1
14に対してリール本体112の一方の側壁112bか
ら磁力を作用させる磁石の構成が、上述したこの発明の
第11の実施の形態に従った魚釣用リールの複数の磁石
116の構成と異なっているばかりでなく、スプール軸
100aの一端部の外周面上で静止している導電体11
4に対してリール本体112の一方の側壁112b上の
磁石から作用する磁力の大きさを調整する為の磁力調整
手段120´の構成が、上述したこの発明の第11の実
施の形態に従った魚釣用リールの磁力調整手段120の
構成と異なっている。
【0227】図26の(A)に示されたこの発明の第1
2の実施の形態に従った魚釣用リールの上記磁石は1対
の円環状の磁石116´a及び116´bを含んでい
る。1対の円環状の磁石116´a及び116´bの夫
々においては内周面及び外周面の夫々に夫々の周方向に
複数のN極とS極とが交互に着磁されており、1対の円
環状の磁石116´a及び116´bの夫々における周
方向の複数の磁極の数は相互に等しい。
【0228】なお1対の円環状の磁石116´a及び1
16´bの夫々は、同心的に配置された複数の磁石片を
独立した連結部材で相互に円環状に連結することによっ
ても構成することが出来る。この場合にも、内方の円環
140aの外周面上の円環状の磁石116´aの複数の
磁石片は内方の円環140aの半径方向の外方を向いた
複数の磁極が周方向において相互に異なるよう配置され
ており、外方の円環140bの内周面上の円環状の磁石
116´bの複数の磁石片もまた外方の円環140bの
半径方向の内方を向いた磁極が隣り合う磁石片において
相互に異なるよう配置されている。
【0229】図26の(A)に示されたこの発明の第1
2の実施の形態に従った魚釣用リールの磁力調整手段1
20´は、1対の円環状の磁石116´a及び116´
bを支持する為に、スプール軸100aの回転中心線に
対して同心的な2重の円環140a及び140bを備え
ているが、この実施の形態の磁力調整手段120´の1
対の円環状の磁石116´a及び116´bを支持する
為の2重の円環140a及び140bは、上述したこの
発明の第11の実施の形態に従った魚釣用リールの磁力
調整手段120において複数の磁石116を支持する為
の2重の円環120a及び120b中の内側の円環12
0aがリール本体112の一方の側壁112bと一体的
に形成されて固定されているとともに外側の円環120
bがリール本体112の一方の側壁112bにおいて内
側の円環120aに対してスプール軸100aの回転中
心線の回りの周方向に所定の範囲で回動可能に支持され
ていたことに対し、2重の円環140a及び140bの
両者がリール本体112の一方の側壁112bに対して
固定されている。
【0230】この実施の形態の磁力調整手段120´に
おいては、内方の円環140aの外周面上の円環状の磁
石116´aと外方の円環140bの内周面上の円環状
の磁石116´bとの少なくともいずれか一方がスプー
ル軸100aの回転中心線に沿った方向に選択的に移動
可能であるよう構成されることにより、内方の円環14
0aの外周面上の円環状の磁石116´aと外方の円環
140bの内周面上の円環状の磁石116´bとの間に
創出されてスプール軸100aの回転中心線に対して同
心的な円環状隙間に挿入されるスプール軸100a上の
導電体114に作用する磁力の強弱が調整出来、公知の
ようにスプール10に対する制動力を調整することが出
来る。
【0231】より詳細に説明すると、内方の円環140
aの外周面上の円環状の磁石116´aは、内方の円環
140aの外周面上で内方の円環140aの外周面の半
径方向には移動できず内方の円環140aの外周面上で
スプール軸100aの回転中心線に沿った方向及び周方
向には移動可能に支持されている。内方の円環140a
の外周面上に円環状の磁石116´aをこのように支持
する構造としては、公知のどのような直接的及び間接的
なこのような構造をも採用することが出来る。なおここ
で直接的な構造とは、内方の円環140aの外周面と円
環状の磁石116´aとがこれらの間に別の部材を介在
させることなく直接接続されることにより内方の円環1
40aの外周面上に円環状の磁石116´aがこのよう
に支持される構造であり、間接的な構造とは、内方の円
環140aの外周面と円環状の磁石116´aとがこれ
らの間に別の部材を介在させた状態で間接接続されるこ
とにより内方の円環140aの外周面上に円環状の磁石
116´aがこのように支持される構造である。
【0232】内方の円環140aの外周面上の円環状の
磁石116´aは、内方の円環140aの外周面上でリ
ール本体112の一方の側壁112bの内端面と円環状
の磁石116´aにおいて一方の側壁112bの内端面
に対向している外端面との間に介在された付勢手段14
2により一方の側壁112bの内端面から離間するよう
付勢されている。なおこの実施の形態において付勢手段
142は、内方の円環140aの外周面上でリール本体
112の一方の側壁112bの内端面と円環状の磁石1
16´aにおいて一方の側壁112bの内端面に対向し
ている外端面との間に巻装された圧縮コイルばねにより
構成されている。
【0233】付勢手段142により付勢されている円環
状の磁石116´aの内方の円環140aの外周面上か
らの飛び出しは、内方の円環140aの外周面の突出端
部に設けられている停止部材144に円環状の磁石11
6´aの内端面が図26の(A)に示す如く当接するこ
とにより阻止されている。内方の円環140aの外周面
においてスプール軸100aの回転中心線に沿った方向
における停止部材144の位置は選択的に移動可能であ
る。このことにより内方の円環140aの外周面におい
てスプール軸100aの回転中心線に沿った方向におけ
る円環状の磁石116´aの位置が選択的に移動可能で
ある。
【0234】なおこの実施の形態において停止部材14
4は、内方の円環140aの外周面の突出端部において
上記回転中心線に沿った方向の複数の箇所の夫々に形成
されている周方向延出円環溝146のいずれかに嵌合さ
れたリング部材により構成されている。しかしながら、
このような停止部材は、スプール軸100aが貫通出来
る大きな中心開口を有した円環状のリング部材を内方の
円環140aの外周面の突出端部に螺合させることによ
っても構成することが可能である。
【0235】外方の円環140bの内周面上の円環状の
磁石116´bもまた、内方の円環140aの円環状の
磁石116´aと同様に、外方の円環140bの内周面
上で、外方の円環140bの内周面の半径方向には移動
できず外方の円環140bの内周面上でスプール軸10
0aの回転中心線に沿った方向及び周方向には移動可能
に支持されている。外方の円環140bの内周面上に円
環状の磁石116´bをこのように支持する構造として
も、公知のどのような直接的及び間接的なこのような構
造を採用することが出来る。なおここで直接的な構造と
は、外方の円環140bの内周面と円環状の磁石116
´bとがこれらの間に別の部材を介在させることなく直
接接続されることにより外方の円環140bの内周面上
に円環状の磁石116´bがこのように支持される構造
であり、間接的な構造とは、外方の円環140bの内周
面と円環状の磁石116´bとがこれらの間に別の部材
を介在させた状態で間接接続されることにより外方の円
環140bの内周面上に円環状の磁石1167bがこの
ように支持される構造である。
【0236】そして外方の円環140bの内周面上の円
環状の磁石116´bは、内方の円環140aの外周面
上の円環状の磁石116´aがスプール軸100aの回
転中心線に沿った方向に選択的に移動されることによ
り、内方の円環140aの外周面上の円環状の磁石11
6´aの磁力に吸引されて、外方の円環140bの内周
面上においてスプール軸100aの回転中心線に沿った
方向に、内方の円環140aの外周面上の円環状の磁石
116´aとスプール軸100aの半径方向に対向する
位置へと自動的に移動する。
【0237】この際にはまた、内方の円環140aの外
周面上の円環状の磁石116´aにおいて内方の円環1
40aの半径方向の外方を向いている複数の磁極に対し
て、外方の円環140bの内周面上の円環状の磁石11
6´bにおいて外方の円環140bの半径方向の内方を
向いている複数の磁極の中の正反対の磁極が対向してい
なければ、内方の円環140aの外周面上の円環状の磁
石116´aにおいて内方の円環140aの半径方向の
外方を向いている複数の磁極と外方の円環140bの内
周面上の円環状の磁石116´bにおいて外方の円環1
40bの半径方向の内方を向いている複数の磁極の中の
正反対の磁極との間に作用する吸引磁力により、内方の
円環140aの外周面上の円環状の磁石116´aにお
いて内方の円環140aの半径方向の外方を向いている
複数の磁極に対して、外方の円環140bの内周面上の
円環状の磁石116´bにおいて外方の円環140bの
半径方向の内方を向いている複数の磁極の中の正反対の
磁極が対向するよう外方の円環140bの内周面上の円
環状の磁石116´b及び内方の円環140aの外周面
上の円環状の磁石116´aの少なくともいずれか一方
が周方向に移動する。
【0238】なお、この実施の形態では、内方の円環1
40aの外周面上の円環状の磁石116´a及び外方の
円環140bの内周面上の円環状の磁石116´bの両
者が夫々が対応する外周面または内周面上で周方向に移
動自在であったが、内方の円環140aの外周面上の円
環状の磁石116´a及び外方の円環140bの内周面
上の円環状の磁石116´bのいずれか一方のみが対応
する外周面または内周面上で周方向に移動自在であって
も良いし、内方の円環140aの外周面上の円環状の磁
石116´a及び外方の円環140bの内周面上の円環
状の磁石116´bの両者が対応する外周面または内周
面上で周方向に移動不可能であっても良い。そして後者
の場合には、内方の円環140aの外周面上の円環状の
磁石116´aにおいて内方の円環140aの半径方向
の外方を向いている複数の磁極に対して、外方の円環1
40bの内周面上の円環状の磁石116´bにおいて外
方の円環140bの半径方向の内方を向いている複数の
磁極の中の正反対の磁極が対向していることが好まし
い。
【0239】なおこの実施の形態では、外方の円環14
0bの内周面上の円環状の磁石116´bが外方の円環
140bの内周面上でスプール軸100aの回転中心線
に沿った方向に移動自在に支持されていて、内方の円環
140aの外周面上の円環状の磁石116´aがスプー
ル軸100aの回転中心線に沿った方向に付勢手段14
2と停止部材144との組み合わせにより選択的に移動
出来るよう構成されていたが、これとは逆に、内方の円
環140aの外周面上の円環状の磁石116´aが内方
の円環140aの外周面上でスプール軸100aの回転
中心線に沿った方向に移動自在に支持されていて、外方
の円環140bの内周面上の円環状の磁石1167bが
スプール軸100aの回転中心線に沿った方向に付勢手
段142と停止部材144との組み合わせにより選択的
に移動出来るよう構成されていることも出来る。そして
この場合には、停止部材として、スプール軸100a及
び導電体114が貫通出来る大きな中心開口を有した円
環状のリング部材を外方の円環140bの外周面の突出
端部に螺合させることによっても構成することが可能で
ある。
【0240】この実施の形態の如く構成された磁力調整
手段120´では、リール本体112の一方の側壁11
2bはもちろんのこと他方の側壁112aの夫々の外表
面に、図18乃至図25の(A)及び(B)を参照しな
がら上述したこの発明の第11の実施の形態に従った魚
釣用リールの磁力調整手段120の如き磁力調節摘み1
24を必要とせず、構成が簡素であり、故障が生じる可
能性が減少するばかりでなく、磁力調整手段120´の
構成部品の数が減少し、魚釣用リールの軽量化や製造コ
ストの減少も生じさせる。
【0241】[第13の実施の形態]次には、添付の図
26の(B)を参照しながら、この発明の第13の実施
の形態について詳細に説明する。
【0242】図26の(B)は、この発明の第13の実
施の形態に従った魚釣用リールの要部においてスプール
が回転していない時,スプールの回転速度がある程度の
大きさに到達するまでの間,そしてスプールの回転速度
がある程度の大きさから減少した時の状態を示す概略的
な縦断面図である。
【0243】この図においては、図を明解にする為に断
面の輪郭線のみを示し、断面よりも遠くの断面でない輪
郭線は適宜省略している。
【0244】またこの発明の第13の実施の形態に従っ
た魚釣用リールの構成の大部分は、図18乃至図25の
(A)及び(B)を参照しながら上述したこの発明の第
11の実施の形態に従った魚釣用リールの構成及び図2
6の(A)を参照しながら上述したこの発明の第12の
実施の形態に従った魚釣用リールの構成と共通なので、
上述したこの発明の第11の実施の形態に従った魚釣用
リールの構成部材及び上述したこの発明の第12の実施
の形態に従った魚釣用リールの構成部材と同じ構成部材
には上述したこの発明の第11の実施の形態に従った魚
釣用リールの対応する構成部材及び上述したこの発明の
第12の実施の形態に従った魚釣用リールの対応する構
成部材を指摘していた参照符号と同じ参照符号を付し
て、これらの構成部材についても詳細な説明は省略す
る。
【0245】第13の実施の形態に従った魚釣用リール
は、スプール軸100aの一端部の外周面上で静止して
いる導電体114に対してリール本体112の一方の側
壁112b上の第12の実施の形態の場合と同じ同心的
な1対の円環状の磁石116´a及び116´bから作
用する磁力の大きさを調整する為の磁力調整手段120
´´の構成が、上述したこの発明の第11の実施の形態
に従った魚釣用リールの磁力調整手段120及び上述し
たこの発明の第12の実施の形態に従った魚釣用リール
の磁力調整手段120´の構成と異なっている。
【0246】図26の(B)に示されたこの発明の第1
3の実施の形態に従った魚釣用リールの磁力調整手段1
20´´もまた、同心的な1対の円環状の磁石116´
a及び116´bを支持する為に、スプール軸100a
の回転中心線に対して同心的な2重の円環240a及び
240bを備えている。そして、この実施の形態の磁力
調整手段120´´の2重の円環240a及び240b
は、前述したこの発明の第11の実施の形態に従った魚
釣用リールの磁力調整手段120において複数の磁石1
16を支持する為の2重の円環120a及び120b中
の内側の円環120aがリール本体112の一方の側壁
112bと一体的に形成されて固定されているとともに
外側の円環120bが内側の円環120aに対してスプ
ール軸100aの回転中心線の回りの周方向に所定の範
囲で回動可能にリール本体112の一方の側壁112b
に支持されていたのと同様に、磁力調整手段120´´
の2重の円環240a及び240b中の内側の円環24
0aがリール本体112の一方の側壁112bと一体的
に形成されて固定されているとともに外側の円環240
bが内側の円環240aに対してスプール軸100aの
回転中心線の回りの周方向に所定の範囲で回動可能にリ
ール本体112の一方の側壁112bに支持されてい
る。
【0247】この実施の形態の磁力調整手段120´´
においては、内方の円環240aの外周面上の円環状の
磁石116´aと外方の円環240bの内周面上の円環
状の磁石116´bとの少なくともいずれか一方がスプ
ール軸100aの回転中心線に沿った方向に選択的に移
動可能であるよう構成されることにより、内方の円環2
40aの外周面上の円環状の磁石116´aと外方の円
環240bの内周面上の円環状の磁石116´bとの間
に創出されているスプール軸100aの回転中心線に対
して同心的な円環状隙間に挿入されるスプール軸100
a上の静止した導電体114に作用する磁力の強弱が調
整出来、公知のようにスプール10に対する制動力を調
整することが出来る。
【0248】より詳細に説明する、内方の円環240a
の外周面上の円環状の磁石116´aは、内方の円環2
40aの外周面上で、内方の円環240aの外周面の半
径方向には移動できず内方の円環240aの外周面上で
スプール軸100aの周方向及び回転中心線に沿った方
向には移動可能に支持されている。内方の円環240a
の外周面上に円環状の磁石116´aをこのように支持
する構造としては、公知のどのような直接的及び間接的
なこのような構造をも採用することが出来る。なおここ
で直接的な構造とは、内方の円環240aの外周面と円
環状の磁石116´aとがこれらの間に別の部材を介在
させることなく直接接続されることにより内方の円環2
40aの外周面上に円環状の磁石116´aがこのよう
に支持される構造であり、間接的な構造とは、内方の円
環240aの外周面と円環状の磁石116´aとがこれ
らの間に別の部材を介在させた状態で間接接続されるこ
とにより内方の円環240aの外周面上に円環状の磁石
116´aがこのように支持される構造である。
【0249】外方の円環240bの内周面上の円環状の
磁石116´bは、外方の円環240bの内周面に固定
されていて、外方の円環140bは、磁力調整手段12
0´´の磁力調整摘み124(図18参照)を一方向及
び他方向に回転させることによりスプール軸100aの
回りをスプール軸100aに対して同心的に周方向に所
定の範囲で回動するとともにこの回動の間にスプール軸
100aの回転中心線に沿い所定の範囲で移動するよう
リール本体112の一方の側壁112bに支持されてい
る。
【0250】リール本体112の一方の側壁112bに
対する外方の円環240bのこのような支持構造は、例
えばリール本体112の一方の側壁112bに対して外
方の円環240bの外周面を螺合または回転−直進変更
カムにより連結させることにより構成される。
【0251】そして内方の円環240aの外周面上の円
環状の磁石116´aは、外方の円環240bの内周面
上の円環状の磁石116´bが磁力調整手段120´´
の磁力調整摘み124(図18参照)を一方向及び他方
向に回転させることによりスプール軸100aの回りを
スプール軸100aに対して同心的に周方向に所定の範
囲で回動するとともにこの回動の間にスプール軸100
aの回転中心線に沿い所定の範囲で移動することによ
り、外方の円環240bの外周面上の円環状の磁石11
6´bの磁力に吸引されて、内方の円環240aの内周
面上においてスプール軸100aの周方向及び回転中心
線に沿った方向に、外方の円環240bの外周面上の円
環状の磁石116´bとスプール軸100aの半径方向
に対向する位置へと自動的に移動する。
【0252】なおこの実施の形態では、内方の円環24
0aの外周面上の円環状の磁石116´aが内方の円環
240aの外周面上でスプール軸100aの周方向及び
回転中心線に沿った方向に移動自在に支持されていて、
外方の円環240bの内周面上の円環状の磁石116´
bが磁力調整手段120´´の磁力調整摘み124(図
18参照)を一方向及び他方向に回転させることにより
外方の円環240bとともにスプール軸100aの周方
向及び回転中心線に沿った方向に所定の範囲で選択的に
移動出来るよう構成されていたが、外方の円環240b
の内周面上の円環状の磁石116´bは外方の円環24
0bの内周面に対して周方向に移動自在であり少なくと
もスプール軸100aの回転中心線に沿った方向に外方
の円環240bとともに移動出来るようにされていれば
良い。また、外方の円環240bの内周面上の円環状の
磁石116´bが外方の円環240bの内周面上でスプ
ール軸100aの周方向及び回転中心線に沿った方向に
移動自在に支持されていて、内方の円環240aの外周
面上の円環状の磁石116´aが磁力調整手段120´
´の磁力調整摘み124(図18参照)を一方向及び他
方向に回転させることにより内方の円環240aととも
にスプール軸100aの回転中心線に沿った方向に所定
の範囲で選択的に移動出来るよう構成されていることも
出来る。
【0253】[第14の実施の形態及びその変形例]次
には、添付の図27乃至図29の(A)及び(B)を参
照しながら、この発明の第14の実施の形態及びその変
形例について詳細に説明する。
【0254】図27は、この発明の第14の実施の形態
に従った魚釣用リールを要部を切り欠いて示す平面図で
あり;図28の(A)は、図27の魚釣用リールの要部
のスプールの拡大された平面図であり;図28の(B)
は、図27の第14の実施の形態に従った魚釣用リール
の要部のスプールの第1の変形例の拡大された平面図で
あり;図29の(A)は、図27の第14の実施の形態
に従った魚釣用リールの要部のスプールの第2の変形例
の拡大された平面図であり;そして、図29の(B)
は、図27の第14の実施の形態に従った魚釣用リール
の要部のスプールの第3の変形例の拡大された平面図で
ある。
【0255】これらの図においては、図を明解にする為
に断面の輪郭線のみを示し、断面よりも遠くの断面でな
い輪郭線は適宜省略している。
【0256】またこの発明の第14の実施の形態に従っ
た魚釣用リールの構成の大部分は、図18乃至図25の
(A)及び(B)を参照しながら上述したこの発明の第
11の実施の形態に従った魚釣用リールの構成と共通な
ので、上述したこの発明の第11の実施の形態に従った
魚釣用リールの構成部材と同じ構成部材には上述したこ
の発明の第11の実施の形態に従った魚釣用リールの対
応する構成部材を指摘していた参照符号と同じ参照符号
を付して、これらの構成部材についても詳細な説明は省
略する。
【0257】図27及び図28の(A)に示す如く、第
14の実施の形態に従った魚釣用リールは、スプール1
00´の構成が上述したこの発明の第11の実施の形態
に従った魚釣用リールのスプール100の構成と異なっ
ている。
【0258】第14の実施の形態に従った魚釣用リール
のスプール100´においても、上述したこの発明の第
11の実施の形態に従った魚釣用リールのスプール10
0の場合と同様に、釣糸巻回面にスプール100´の軽
量化の為の複数の肉抜き孔300がスプール100´の
回転中心線の周方向に相互に所定距離離間して形成され
ている。しかしながら、この第14の実施の形態の複数
の肉抜き孔300の形状は平面形状が円形状ではなくス
プール100´の回転中心線に沿った方向の径RLがス
プール100´の回転中心線の周方向の径RSよりも大
きな長円形状をしていることを特徴としている。
【0259】このような構成であると、上述した如き長
円形状の複数の肉抜き孔300のピッチ、即ちスプール
100´の回転中心線の周方向における相互間の間隔、
を複数の円形状の肉抜き孔をスプール100´の釣糸巻
回面に形成した場合の複数の円形状の肉抜き孔のピッチ
と等しくしても、スプール100´の回転中心線に沿っ
た方向に長い分だけ開口面積を広く設定することが出来
てスプール100´のより軽量化を促進することが出
来、しかも上記周方向における相互間には複数の円形状
の肉抜き孔をスプール100´の釣糸巻回面に形成した
場合と同様の中実部分を残すことが出来るので強度の低
下を生じさせることがない。
【0260】また同じ開口面積の円形状の肉抜き孔をス
プール100´の釣糸巻回面に形成した場合と比べる
と、上述した如き長円形状の複数の肉抜き孔300をス
プール100´の釣糸巻回面に形成した場合の方が上記
周方向における相互間の中実部分の寸法が大きくなるの
で、スプール100´の釣糸巻回面の強度が向上する。
また複数の肉抜き孔300の夫々が、スプール100´
の釣糸巻回面のテーパ状部に形成されていても、複数の
肉抜き孔300の夫々の内端(スプール100´の回転
中心線に沿った方向における中心の側の端)300aと
上記釣糸巻回面のテーパ状部との間に生じる鋭角の縁が
釣糸巻回面のテーパ状部の周方向に広がる寸法が小さく
なり、この為に第14の実施の形態の魚釣用リールにお
いて同一の図示しない釣糸の巻き取りと巻き戻しとの繰
り返しの回数が増大しても、上記鋭角の縁との繰り返し
の接触により図示しない釣糸の接触部分の摩耗が増大し
て図示しない釣糸が切断されてしまう可能性が大幅に低
下される。
【0261】図28の(B)に示された、図27及び図
28の(A)に示された第14の実施の形態に従った魚
釣用リールのスプール100´の第1の変形例に従った
スプール100´´においては、釣糸巻回面にスプール
100´の軽量化の為に形成されている複数の肉抜き孔
300´の平面形状が第14の実施の形態に従った魚釣
用リールのスプール100´の肉抜き孔300の平面形
状と異なっている。即ち、第1の変形例に従ったスプー
ル100´´の平面形状はスプール100´´の回転中
心線に沿った方向における径RLが上記回転中心線の回
りの周方向における径RSよりも大きな長円形状である
ことまでは第14の実施の形態に従った魚釣用リールの
スプール100´の肉抜き孔300の場合と同じである
が、複数の肉抜き孔300´の夫々の内端(スプール1
00´´の回転中心線に沿った方向における中心の側の
端)300´aの半径が夫々の外端(スプール100´
´の回転中心線に沿った方向における外側の端)300
´bの半径よりも小さく設定されている。
【0262】このような構成であると、複数の肉抜き孔
300´の夫々が、スプール100´´の釣糸巻回面の
テーパ状部に形成されている場合に、複数の肉抜き孔3
00´の夫々の内端(スプール100´´の回転中心線
に沿った方向における中心の側の端)300´aと上記
釣糸巻回面のテーパ状部との間に生じる鋭角の縁が釣糸
巻回面のテーパ状部の周方向に広がる寸法が、上述した
第14の実施の形態の複数の肉抜き孔300の夫々の内
端(スプール100´の回転中心線に沿った方向におけ
る中心の側の端)300aと上記釣糸巻回面のテーパ状
部との間に生じる鋭角の縁が釣糸巻回面のテーパ状部の
周方向に広がる寸法よりもさらに小さくなる。この為
に、第1の変形例に従ったスプール100´´を備えた
魚釣用リールにおいて同一の図示しない釣糸の巻き取り
と巻き戻しとの繰り返しの回数が増大しても、上記鋭角
の縁との繰り返しの接触により図示しない釣糸の接触部
分の摩耗が増大して図示しない釣糸が切断されてしまう
可能性を第14の実施の形態の複数の肉抜き孔300の
場合と比べてさらに低下される。その他の利点は、第1
4の実施の形態の魚釣用リールの複数の肉抜き孔300
の場合と同様に得ることが出来る。
【0263】図29の(A)に示された、図27及び図
28の(A)に示された第14の実施の形態に従った魚
釣用リールのスプール100´の第2の変形例に従った
スプール100´´´においては、釣糸巻回面にスプー
ル100´´´の軽量化の為に形成されている複数の肉
抜き孔300´´の平面形状が第14の実施の形態に従
った魚釣用リールのスプール100´の肉抜き孔300
の平面形状と異なっている。即ち、第2の変形例に従っ
たスプール100´´の平面形状は略菱形をしていて、
両鋭角端がスプール100´´の回転中心線に沿った方
向に向けられているとともに両鈍角端がスプール100
´´の周方向に向けられている。そして複数の肉抜き孔
300´´の夫々の両鋭角端の半径が夫々の両鈍角端の
半径よりも小さい。
【0264】このような構成であっても、複数の肉抜き
孔300´´の夫々が、スプール100´´´の釣糸巻
回面のテーパ状部に形成されている場合に、複数の肉抜
き孔300´´の夫々の内端(スプール100´´´
(回転中心線に沿った方向における中心の側の端)30
0´´aと上記釣糸巻回面のテーパ状部との間に生じる
鋭角の縁が釣糸巻回面のテーパ状部の周方向に広がる寸
法が、上述した第14の実施の形態の複数の肉抜き孔3
00の夫々の内端(スプール100´の回転中心線に沿
った方向における中心の側の端)300aと上記釣糸巻
回面のテーパ状部との間に生じる鋭角の縁が釣糸巻回面
のテーパ状部の周方向に広がる寸法よりもさらに小さく
なる。この為に、第2の変形例に従ったプール100´
´´を備えた魚釣用リールにおいて同一の図示しない釣
糸の巻き取りと巻き戻しとの繰り返しの回数が増大して
も、上記鋭角の縁との繰り返しの接触により図示しない
釣糸の接触部分の摩耗が増大して図示しない釣糸が切断
されてしまう可能性を第14の実施の形態の複数の肉抜
き孔300の場合と比べてさらに低下される。その他の
利点は、第14の実施の形態の魚釣用リールの複数の肉
抜き孔300の場合と同様に得ることが出来る。
【0265】図29の(B)に示された、図27及び図
28の(A)に示された第14の実施の形態に従った魚
釣用リールのスプール100´の第3の変形例に従った
スプール100´´´´においては、釣糸巻回面にスプ
ール100´´´´の軽量化の為に形成されている複数
の肉抜き孔300´´´の夫々の平面形状が第14の実
施の形態に従った魚釣用リールのスプール100´の複
数の肉抜き孔300の夫々の平面形状と同じ長円形状で
あるが、第3の変形例の複数の肉抜き孔300´´´の
夫々のスプール100´´´´の回転中心線の周方向の
径RSに対するスプール100´´´´の回転中心線に
沿った方向の径RLの比率が遥かに大きく設定されてい
て、スプール100´´´´の釣糸巻回面において上記
回転中心線に沿った方向でテーパ状部から中心部の円筒
部まで延出されている。
【0266】このような構成であると、複数の肉抜き孔
300´´´の夫々が、スプール100´´´´の釣糸
巻回面のテーパ状部から円筒部まで延出されているの
で、複数の肉抜き孔300´´´の夫々の内端(スプー
ル100´´´´(回転中心線に沿った方向における中
心の側の端)300´´´aと上記釣糸巻回面の円筒部
との間に生じる縁の角度が略90度になり鋭角とはなら
ない。しかも複数の肉抜き孔300´´´の夫々の内端
300´´´aと上記釣糸巻回面の円筒部との間に生じ
る縁が釣糸巻回面のテーパ状部の周方向に広がる寸法
が、上述した第14の実施の形態の複数の肉抜き孔30
0の夫々の内端(スプール100´の回転中心線に沿っ
た方向における中心の側の端)300aと上記釣糸巻回
面のテーパ状部との間に生じる鋭角の縁が釣糸巻回面の
テーパ状部の周方向に広がる寸法よりも小さくなる。こ
の為に、第3の変形例のスプール100´´´´を備え
た魚釣用リールにおいて同一の図示しない釣糸の巻き取
りと巻き戻しとの繰り返しの回数が増大しても、上記鋭
角でない縁との繰り返しの接触により図示しない釣糸の
接触部分の摩耗が増大して図示しない釣糸が切断されて
しまう可能性を第14の実施の形態の複数の肉抜き孔3
00の場合と比べて遥かに低下される。その他の利点
は、第14の実施の形態の魚釣用リールの複数の肉抜き
孔300の場合と同様に得ることが出来る。
【0267】次は、図30及び図31を参照しながら、
この発明の上述した種々の実施の形態及び変形例に従っ
た本願の可変磁力利用スプール回転速度制御手段を有し
た魚釣用リールにおけるキャスティング時間の経過に伴
うブレーキ力及びそれにより制御されるスプール回転数
の変化を、遠心摩擦力のみを利用した従来のスプール回
転速度制御手段を有した魚釣用リール及び磁力のみを利
用した従来のスプール回転速度制御手段を有した魚釣用
リールの夫々におけるキャスティング時間の経過に伴う
ブレーキ力及びそれにより制御されるスプール回転数の
変化と比較しながら説明する。
【0268】図30から明らかなように、遠心力により
発生される摩擦力(即ち、遠心摩擦力)のみを利用した
従来のスプール回転速度制御手段を有した魚釣用リール
においては、キャスティングの初期から中期におけるブ
レーキ力の急激な増大から急激な減少への変換が釣糸の
バックラッシュを生じさせやすく、キャスティングの中
期から終期におけるブレーキ力の急激な減少の後のブレ
ーキ力が殆ど零に近づく緩やかな減少がキャスティング
の終期におけるスプールからの釣糸の放出の増大、即ち
仕掛けの飛翔距離の延び、を釣人に感じさせる。
【0269】磁力のみを利用した従来のスプール回転速
度制御手段を有した魚釣用リールにおけるキャスティン
グ時間の経過に伴うブレーキ力の変化は、キャスティン
グの初期から中期におけるスプール回転速度の増大に略
対応したブレーキ力の増大が釣糸にバックラッシュが発
生することを防止するが、キャスティングの中期から終
期におけるある程度のブレーキ力を残しながらのブレー
キ力の緩やかな減少がキャスティングの終期におけるス
プールからの釣糸の放出の抑制、即ち仕掛けの飛翔距離
の延びの頭打ち感、を釣人に感じさせる。
【0270】この発明の上述した種々の実施の形態及び
変形例に従った本願の可変磁力利用スプール回転速度制
御手段を有した魚釣用リールにおけるキャスティング時
間の経過に伴うブレーキ力の変化は:キャスティング開
始直後の初期においてスプールの回転速度がある程度大
きくなり遠心力もある程度大きくなるまでは長手方向移
動部材が付勢手段の付勢力に抗してスプールの回転中心
線に沿った長手方向に移動せず、複数の磁石が発生する
磁束を横切る導電体の面積が零であるか極めて小さいの
で導電体に渦電流が殆ど発生せず、ブレーキ力が略零で
あり;キャスティングの中期になりスプールの回転速度
がある程度の大きさを越えると回転速度の上昇にともな
う遠心力の増加により、長手方向移動部材が付勢手段の
付勢力に抗してスプールの回転中心線に沿った長手方向
に移動を開始し、複数の磁石に対する導電体の重複量の
増加または複数の磁石に対して導電体が対向する距離の
縮小がもたらされ、複数の磁石が発生する磁束を横切る
導電体の面積の増加と回転速度の上昇との相互作用によ
り導電体に発生する渦電流の増加がブレーキ力の上昇を
もたらし;スプールの回転速度がピークを越えて序々に
小さくなって遠心力も序々に減少し長手方向移動部材が
付勢手段の付勢力によりスプールの回転中心線に沿った
長手方向において元の位置に向かい戻り始めると、上記
回転速度の減少と複数の磁石が発生する磁束を横切る導
電体の面積の減少との相互作用で導電体に発生する渦電
流が減少し、ブレーキ力の減少がもたらされ;さらにキ
ャスティングの終期においてスプールの回転速度が減少
して遠心力もさらに減少すると複数の磁石が発生する磁
束を横切る導電体の面積が零になるか極めて小さくなる
ので導電体に渦電流が殆ど発生しなくなり、ブレーキ力
が略零になる;ことが分かる。
【0271】キャスティングの初期においては、ブレー
キ力が略零である間に、遠心力により発生される摩擦力
のみを利用した従来のスプール回転速度制御手段を有し
た魚釣用リールや磁力のみを利用した従来のスプール回
転速度制御手段を有した魚釣用リールに比べて、スプー
ルの回転速度が急激に増大し、最高回転数到達時間も早
く、キャスティングの中期においては磁力のみを利用し
た従来のスープル回転速度制御手段を有した魚釣用リー
ルの場合と同様なブレーキ力の緩やかな増減が釣糸にバ
ックラッシュが発生することを防止し、キャスティング
の終期においては磁力のみを利用した従来のスプール回
転速度制御手段を有した魚釣用リールの場合よりはブレ
ーキ力の低下率が大きく、キャスティングの終期におけ
るスプールからの釣糸の放出の増大、即ち仕掛けの飛翔
距離の延び、を釣人に感じさせる。
【0272】図31から明らかなように、遠心力を利用
した摩擦力のみを利用した従来のスプール回転速度制御
手段を有した魚釣用リールにおけるキャスティング時間
の経過に伴うスプール回転数の変化は:図18に示され
たブレーキ力の急激な増大及びその後の急激な減少と急
激な減少の後の緩やかな減少の結果として、キャスティ
ング開始直後の初期におけるスプールの回転の増大が抑
制されていて、この発明の上述した種々の実施の形態及
び変形例に従った本願の可変磁力利用スプール回転速度
制御手段を有した魚釣用リールや磁力のみを利用した従
来のスプール回転速度制御手段を有した魚釣用リールに
比べるとスプールの到達最高回転数が最も少ないととも
に最高回転数到達時間も遅く、キャスティングの終期に
おいてはスプールの回転数の低下率が穏やかになってい
ることを特徴としている。
【0273】磁力のみを利用した従来のスプール回転速
度制御手段を有した魚釣用リールにおけるキャスティン
グ時間の経過に伴うスプール回転数の変化は:キャステ
ィングの初期から中期にかけてのスプール回転数の増大
に略対応したブレーキ力の増大が、遠心力に発生される
摩擦力のみを利用した従来のスプール回転速度制御手段
を有した魚釣用リールの場合のようには急激でなく、ス
プールの到達最高回転数が高くなっており、またキャス
ティングの中期から終期におけるスプール回転数の減少
にもブレーキ力は略対応していてスプールの回転が停止
するまで磁力によるブレーキ力がスプールの回転に影響
を与えているので、スプールの回転の低下率が、遠心力
を利用した摩擦力のみを利用した従来のスプール回転速
度制御手段を有した魚釣用リールに比べて、大きくなっ
ている。
【0274】総じて、この発明の上述した種々の実施の
形態及び変形例に従った本願の可変磁力利用スプール回
転速度制御手段を有した魚釣用リールにおける1回のキ
ャスティングでは、遠心力により発生する摩擦力のみを
利用した従来のスプール回転速度制御手段を有した魚釣
用リールや磁力のみを利用した従来のスプール回転速度
制御手段を有した魚釣用リールに比べて、1回のキャス
ティングによる仕掛けの飛翔距離が延び、また釣糸のバ
ックラッシュ現象を効果的に抑制することが出来、さら
にはキャスティングの終期における仕掛けの飛翔距離の
延びを生じさせることが出来る。
【0275】この発明の発明者等の度重なる実験によれ
ば、スプール10の回転数を以下のようにスプール回転
速度制御手段26により制御すれば、初心者でも1回の
キャスティングによる仕掛けの飛翔距離が延び、また釣
糸のバックラッシュ現象を効果的に抑制することが出
来、さらにはキャスティングの終期における仕掛けの飛
翔距離の延びを生じさせることが出来ることが分かっ
た。
【0276】スプール10または100の回転数が上昇
する時にはスプール10または100の回転数が略45
00rpmに到達した時にスプール回転速度制御手段2
6または126がスプール10または100の回転の実
質的な制御を開始し(即ち、長手方向移動部材28また
は28´または28´´または28´´´または128
がスプール軸10aに沿い移動を開始して導電体14ま
たは14´または14´´または114と磁石16また
は116との間の距離の接近または投影面の重複を開始
させて導電体14または14´または14´´または1
14と磁石16または116とによるスプール10また
は100の回転に対する実質的なブレーキ力の発生を開
始させ)、スプール10または100の回転数が略55
00rpmに到達するとスプール10または100の回
転数に対応してスプール回転速度制御手段26または1
26が最大効率でスプール回転速度制御を発生させるこ
とが出来るようになり(即ち、導電体14または14´
または14´´または114と磁石16または116ま
たは116´a及び116´bとの間の距離が最も接近
または投影面の重複が最大になりスプール10または1
00の回転数に対応してスプール回転速度制御手段26
または126の導電体14または14´または14´´
または114と磁石16または116または116´a
及び116´bとが最大効率でブレーキ力を生じさせる
ようになる)。スプール10または100の回転数が下
降する時にはスプール10または100の回転数が略3
000rpmに到達した時にスプール回転速度制御手段
26または126がスプール10または100の回転に
対して発生させるスプール回転速度制御の発生効率が低
下し始め(即ち、導電体14または14´または14´
´または114と磁石16または116との間の距離が
離間し始めまたは投影面の重複が減少し始めて、スプー
ル10または100の回転数に対応してスプール回転速
度制御手段26または126の導電体14または14´
または14´´または114と磁石16または116ま
たは116´a及び116´bとが発生させるブレーキ
力の発生効率が低下し始める)。そして、スプール10
または100の回転が完全に停止する前には、スプール
回転速度制御手段26または126がスプール10また
は100の回転の実質的な制御を停止する(即ち、長手
方向移動部材28または28´または28´´または2
8´´´または128がスプール軸10aまたは100
aに沿いスプール10または100の回転前の位置に復
帰して導電体14または14´または14´´または1
14と磁石16または116または116´a及び11
6´bとの間の距離を大きくしまたは投影面の重複を解
消させて導電体14または14´または14´´または
114と磁石16または116または116´a及び1
16´bとによるスプール10または100の回転に対
する実質的なブレーキ力の発生を停止する)。このこと
により、スプール10または100は回転の最後の段階
でスプール回転速度制御手段26または126による回
転速度制御から自由になり、回転が自然に停止するまで
自由に回転を続ける。
【0277】なおスプール回転速度制御手段26または
126によるこのようなスプール回転速度制御は、前述
した種々の実施例において長手方向移動部材28または
28´または28´´または28´´´または128の
重量や半径方向移動部材30または30´または30´
´または30´´´または130の重量やテーパ形状内
周面42または44または48または132の傾斜角度
や付勢手段34または34´または134の付勢力等を
調整することにより可能である。
【0278】
【発明の効果】以上詳述した如く、この発明に従った魚
釣用リールでは、キャスティングの初期や終期における
スプールの回転速度の抑制をなくしてスプールの最高回
転数が高く、最高回転数到達時間も早く、さらにスプー
ルの回転速度の急低下の抑制を生じさせ、またキャステ
ィングの中期には磁力を利用した適度な制動力を発生さ
せることにより急激でない適度なスプールの回転速度の
抑制を生じさせて、仕掛けの飛距離を増大させることが
出来るばかりでなく釣糸のバックラッシュ現象の発生を
防止することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態に従った魚釣用リ
ールの概略的な水平断面図である。
【図2】(A)は図1のA−A線に沿った概略的な横断
面図であり、(B)は図1のB−B線に沿った概略的な
横断面図である。
【図3】図2の(B)の円筒形状導電体と半径方向移動
部材とに組み合わされた長手方向移動部材をIII −III
線に沿って一部切り欠いた概略的な水平断面を伴って示
す平面図である。
【図4】図1の魚釣用リールの要部においてスプールが
回転していない時とスプールの回転速度がある程度の大
きさに到達するまでの間とスプールの回転速度がある程
度の大きさから減少した時の状態を示す概略的な縦断面
図である。
【図5】図4のV−V線に沿った概略的な横断面図であ
る。
【図6】図1の魚釣用リールの要部においてスプールが
ある程度の回転速度以上で高速回転している状態を示す
概略的な縦断面図である。
【図7】図6のVII−VII線に沿った概略的な横断面図
である。
【図8】(A)はこの発明の第1の実施の形態の変形例
に従った魚釣用リールの要部においてスプールが回転し
ていない時、又はスプールが比較的低速度で回転してい
る状態を示す概略的な縦断面図であり、(B)は(A)
の魚釣用リールの要部においてスプールの回転速度があ
る程度の大きさ以上で高速回転している状態を示す概略
的な縦断面図である。
【図9】(A)はこの発明の第2の実施の形態に従った
魚釣用リールの要部においてスプールが回転していない
時、又はスプールが比較的低速度で回転している状態を
示す概略的な縦断面図であり、(B)は(A)の魚釣用
リールの要部においてスプールの回転速度がある程度の
大きさ以上で高速回転している状態を示す概略的な縦断
面図である。
【図10】(A)はこの発明の第3の実施の形態に従っ
た魚釣用リールの要部においてスプールが回転していな
い時、又はスプールが比較的低速度で回転している状態
を示す概略的な縦断面図であり、(B)は(A)の魚釣
用リールの要部においてスプールの回転速度がある程度
の大きさ以上で高速回転している状態を示す概略的な縦
断面図である。
【図11】(A)はこの発明の第4の実施の形態に従っ
た魚釣用リールの要部においてスプールが回転していな
い時、又はスプールが比較的低速度で回転している状態
を示す概略的な縦断面図であり、(B)は(A)の魚釣
用リールの要部においてスプールの回転速度がある程度
の大きさ以上で高速回転している状態を示す概略的な縦
断面図である。
【図12】(A)はこの発明の第5の実施の形態に従っ
た魚釣用リールの要部においてスプールが回転していな
い時、又はスプールが比較的低速度で回転している状態
を示す概略的な縦断面図であり、(B)は(A)の魚釣
用リールの要部においてスプールの回転速度がある程度
の大きさ以上で高速回転している状態を示す概略的な縦
断面図である。
【図13】(A)はこの発明の第6の実施の形態に従っ
た魚釣用リールの要部においてスプールが回転していな
い時、又はスプールが比較的低速度で回転している状態
を示す概略的な縦断面図であり、(B)は(A)の魚釣
用リールの要部においてスプールの回転速度がある程度
の大きさ以上で高速回転している状態を示す概略的な縦
断面図である。
【図14】(A)はこの発明の第7の実施の形態に従っ
た魚釣用リールの要部においてスプールが回転していな
い時、又はスプールが比較的低速度で回転している状態
を示す概略的な縦断面図であり、(B)は(A)のXIVa
−XIVa線に沿った横断面図であり、そして(C)は
(A)のXIVb−XIVb線に沿った横断面図である。
【図15】(A)はこの発明の第8の実施の形態に従っ
た魚釣用リールの要部においてスプールが回転していな
い時、又はスプールが比較的低速度で回転している状態
を示す概略的な縦断面図であり、(B)は(A)のXV−
XV線に沿った横断面図である。
【図16】(A)はこの発明の第9の実施の形態に従っ
た魚釣用リールの要部においてスプールが回転していな
い時、又はスプールが比較的低速度で回転している状態
を示す概略的な縦断面図であり、(B)は(A)のXVI
−XVI 線に沿った横断面図である。
【図17】(A)はこの発明の第10の実施の形態に従
った魚釣用リールの要部においてスプールが回転してい
ない時、又はスプールが比較的低速度で回転している状
態を示す概略的な縦断面図であり、(B)は(A)のXV
II−XVII線に沿った横断面図である。
【図18】この発明の第11の実施の形態に従った魚釣
用リールを一部を切り欠いて示す平面図である。
【図19】図18のC−C線に沿った概略的な横断面図
である。
【図20】図18のD−D線に沿った概略的な横断面図
である。
【図21】図20において円筒形状導電体及び半径方向
移動部材と組み合わされていた長手方向移動部材をE−
E線に沿い一部切り欠いた概略的な水平断面を伴って示
す平面図である。
【図22】図20において相互に組み合わされている長
手方向移動部材と円筒形状導電体と半径方向移動部材と
の一部を拡大して示す側面図である。
【図23】(A)は図18の魚釣用リールの要部におい
てスプールが回転していない時とスプールの回転速度が
ある程度の大きさに到達するまでの間とスプールの回転
速度がある程度の大きさから減少した時の状態を示す概
略的な水平断面図であり;(B)は(A)のF−F線に
沿った横断面図である。
【図24】(A)は図18の魚釣用リールの要部におい
てスプールが回転していない時とスプールの回転速度が
ある程度の大きさに到達するまでの間とスプールの回転
速度がある程度の大きさから減少した時の状態を示す概
略的な縦断面図であり;(B)は(A)のG−G線に沿
った横断面図である。
【図25】(A)は図18の魚釣用リールの要部におい
てスプールの回転速度がある程度の大きさに到達した後
の状態を示す概略的な水平断面図であり;(B)は図1
8の魚釣用リールの要部においてスプールの回転速度が
ある程度の大きさに到達した後の状態を示す概略的な縦
断面図である。
【図26】(A)は、この発明の第12の実施の形態に
従った魚釣用リールの要部においてスプールが回転して
いない時,スプールの回転速度がある程度の大きさに到
達するまでの間,そしてスプールの回転速度がある程度
の大きさから減少した時の状態を示す概略的な縦断面図
であり;(B)は、この発明の第13の実施の形態に従
った魚釣用リールの要部においてスプールが回転してい
ない時,スプールの回転速度がある程度の大きさに到達
するまでの間,そしてスプールの回転速度がある程度の
大きさから減少した時の状態を示す概略的な縦断面図で
ある。
【図27】この発明の第14の実施の形態に従った魚釣
用リールを要部を切り欠いて示す平面図である。
【図28】(A)は、図27の魚釣用リールの要部のス
プールの拡大された平面図であり;(B)は、図27の
第14の実施の形態に従った魚釣用リールの要部のスプ
ールの第1の変形例の拡大された平面図である。
【図29】(A)は、図27の第14の実施の形態に従
った魚釣用リールの要部のスプールの第2の変形例の拡
大された平面図であり;(B)は、図27の第14の実
施の形態に従った魚釣用リールの要部のスプールの第3
の変形例の拡大された平面図である。
【図30】この発明の上述した種々の実施の形態及び変
形例に従った本願の可変磁力利用スプール回転速度制御
手段を有した魚釣用リール,遠心摩擦力のみを利用した
従来のスプール回転速度制御手段を有した魚釣用リー
ル,及び磁力のみを利用した従来のスプール回転速度制
御手段を有した魚釣用リールの夫々におけるキャスティ
ング時間の経過に伴うブレーキ力の変化を示すグラフで
ある。
【図31】この発明の上述した種々の実施の形態及び変
形例に従った本願の可変磁力利用スープル回転速度制御
手段を有した魚釣用リール,遠心摩擦力のみを利用した
従来のスプール回転速度制御手段を有した魚釣用リー
ル,及び磁力のみを利用した従来のスプール回転速度制
御手段を有した魚釣用リールの夫々におけるキャスティ
ング時間の経過に伴うブレーキ力の変化がもたらすスプ
ール回転数の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
10,100,100´,100´´,100´´´,
100´´´´ スプール 10a,100a スプール軸 12,112 リール本体 14,14´,14´´,114 導電体 16,116,116´a,116´b 磁石 20 回転力伝達手段 26,126 スプール回転速度制御手段 28,28´,28´´,28´´´,128 長手方
向移動部材 28a,128a 案内孔(案内部) 30,30´,30´´,130 半径方向移動部材 32,132 テーパ形状内周面 34,34´,134 付勢手段 38 筒状案内部材(案内部) 42 案内棒(案内部) 44 テーパ形状内周面 46 案内片(案内部) 48 テーパ形状内周面 50 磁力遮蔽体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 釣糸が解放自在に巻き付けられるスプー
    ルと;スプールを回転自在に保持しており、スプールの
    自由な回転を許容しスプールからの釣糸の放出を許容す
    るスプール自由回転状態とスプールに回転力を伝達しス
    プールに釣糸を巻き取らせるスプール駆動状態とを選択
    的に設定する回転力伝達手段を有したリール本体と;ス
    プール及びリール本体のいずれか一方に設けられた導電
    体と;スプール及びリール本体のいずれか他方に設けら
    れ、導電体に磁力を作用させることによりスプールの回
    転を制動する磁石と;スプールの回転速度の増減に応じ
    て磁石が導電体に作用する磁力を増減させ、スプールの
    回転速度を制御するスプール回転速度制御手段と;を備
    えたことを特徴とする魚釣用リール。
  2. 【請求項2】 前記スプール回転速度制御手段は、スプ
    ールの回転速度の増減に応じて変化する遠心力を利用し
    て磁石が導電体に作用する磁力を増減させ、スプールの
    回転速度を制御する、ことを特徴とする請求項1に記載
    の魚釣用リール。
  3. 【請求項3】 前記スプール回転速度制御手段は、スプ
    ールの回転速度の増減に応じて導電体及び磁石のいずれ
    か一方を他方に対して相対的に移動させることにより、
    スプールの回転速度に応じて磁石が導電体に作用する磁
    力を増減させ、スプールの回転速度を制御する、ことを
    特徴とする請求項1または請求項2に記載の魚釣用リー
    ル。
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