JP3501617B2 - 魚釣用リール - Google Patents

魚釣用リール

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JP3501617B2 JP07369797A JP7369797A JP3501617B2 JP 3501617 B2 JP3501617 B2 JP 3501617B2 JP 07369797 A JP07369797 A JP 07369797A JP 7369797 A JP7369797 A JP 7369797A JP 3501617 B2 JP3501617 B2 JP 3501617B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、スプールが自由
回転する時の回転速度を制御するスプール回転速度制御
手段を備えた魚釣用リールに関係しており、特にスプー
ルが自由回転する時の回転速度を磁力を利用して制御す
るスプール回転速度制御手段を備えた魚釣用リールに関
係している。
【0002】
【従来の技術】魚釣用リールにおいては、キャスティン
グをする時にはスプールが自由回転状態にされる。そし
てキャスティングが行われ仕掛けが所望の方向に飛んで
いくと、キャスティング開始直後の初期には仕掛けとと
もに釣糸がスプールから高速で引き出されることにより
スプールもまた高速で回転される。その後、仕掛けがス
プールから遠ざかるにつれて仕掛けや釣糸に作用する空
気抵抗や風等の圧力の影響により仕掛けや仕掛け近傍の
釣糸の飛行速度はスプールの周速(即ち、スプールから
放出された直後の釣糸の飛行速度)に比べて遅くなり、
さらに仕掛けが着水すると仕掛けの運動エネルギによる
釣糸の引きもなくなり、仕掛けと魚釣用リールの間の釣
糸に、いわゆるバックラッシュと呼ばれる大きな弛みが
生じる。釣糸のバックラッシュは釣糸自身の絡み合いや
釣竿や魚釣用リールや他の物体に対する釣糸の絡みを生
じさせる原因となり、また仕掛けに所望の動きをさせる
為の障害となる。
【0003】従来、キャスティングにおいてバックラッ
シュを防止する為にはスプールに対し指を接触させて摩
擦制動力を発生させることによりスプールの慣性による
過剰回転を防止することが行われていた。しかしながら
キャスティングによる仕掛けの飛翔距離を延ばしながら
バックラッシュを防止させる為に指により摩擦制動力を
調整することは、キャスティングのベテランでなくては
困難であった。
【0004】この為、近年ではキャスティングのベテラ
ンでなくてもスプールが自由回転する時の回転速度を容
易に適度に制御することが出来るスプール回転速度制御
手段が開発されており、このスプール回転速度制御手段
には大別して2つの種類がある。その一方は例えば実開
平3−79665号公報に開示されている如き自由回転
するスプールに対し遠心力を利用して摩擦力を作用させ
るものであり、他方は例えば実公平6−8695号公報
や実公平6−16511号公報や実公昭63−3452
8号公報に開示されている如き自由回転するスプールに
対して磁力を作用させるものである。
【0005】実開平3−79665号公報に開示されて
いる如き遠心力を利用してスプールに対し摩擦力を作用
させるスプール回転速度制御手段では、スプール軸の一
端部にスプール軸の半径方向に移動自在に半径方向移動
部材が設けられていて、リール本体にはスプール軸の一
端部を覆うように裁頭円錐台形状の凹所が設けられてい
る。スプール軸の一端部の半径方向移動部材は、スプー
ルの回転により半径方向移動部材に発生する遠心力によ
りスプール軸の半径方向の外方に移動されてリール本体
の裁頭円錐台形状の凹所の内周面に摺接し摩擦力を発生
させることにより、スプールの回転速度を制御する。
【0006】実公平6−8695号公報に開示されてい
る磁力を利用したスプール回転速度制御手段では、スプ
ールが一端面からスプールと同心的に突出する導電体製
の円筒突起を備えていて、リール本体には相互に同心的
に配置されて相互間にスプールの円筒突起を同心的に受
け入れる2重の環状部材が設けられている。リール本体
の2重の環状部材の夫々には周方向に所定の間隔で複数
の磁石が配置されていて、スプールとともに導電体製の
円筒突起がリール本体の2重の環状部材の間で2重の環
状部材の夫々の磁石に対して相対的に回転すると渦電流
が発生し、これにより導電体製の円筒突起を伴ったスプ
ールの回転を制動する電磁力が発生される。そして、リ
ール本体の2重の環状部材の中の外側の環状部材は内側
の環状部材に対して周方向に所定の範囲で相対的に移動
自在であり、外側の環状部材をリール本体に設けられた
調整摘みにより周方向に所定の範囲で移動させると、内
側の環状部材の複数の磁石に対する外側の環状部材の複
数の磁石の相対的な位置を周方向に所定の範囲で移動さ
せることが出来、これにより内側の環状部材の複数の磁
石と外側の環状部材の複数の磁石との間に作用する磁力
の大きさを変化させ、ひいてはスプールとともに導電体
製の円筒突起がリール本体の2重の環状部材の夫々の磁
石に対して相対的に回転することにより発生させる渦電
流の大きさを変化させ、これにより導電体製の円筒突起
を伴ったスプールの回転を制動する電磁力の大きさを変
化させてスプールの回転速度を制御する。
【0007】実公平6−16511号公報に開示されて
いる磁力を利用したスプール回転速度制御手段では、ス
プールが導電体により形成されているとともに、リール
本体においてスプールの一端面に対応する部分に磁石が
配置されている。上記磁石はリール本体に設けられた調
整摘みによりスプールの回転中心線に沿った方向に所定
の範囲で移動自在であり、スプールの一端面に対する距
離を所定の範囲で変更可能である。これによりスプール
の一端面に対して作用する上記磁石の磁力の大きさを変
化させ、ひいてはスプールがリール本体の上記磁石に対
して相対的に回転することにより発生させる渦電流の大
きさを変化させ、これによりスプールの回転を制動する
電磁力の大きさを変化させてスプールの回転速度を制御
する。
【0008】実公昭63−34528号公報に開示され
ている磁力を利用したスプール回転速度制御手段では、
スプールが一端面からスプールと同心的に突出する導電
体製の円筒突起を備えていて、リール本体には相互に同
心的に配置されて相互間にスプールの円筒突起を同心的
に受け入れる2重の環状部材が設けられている。リール
本体の2重の環状部材の夫々には周方向に所定の間隔で
複数の磁石が配置されていて、スプールとともに導電体
製の円筒突起がリール本体の2重の環状部材の間で2重
の環状部材の夫々の磁石に対して相対的に回転すると渦
電流が発生し、これにより導電体製の円筒突起を伴った
スプールの回転を制動する電磁力が発生される。実公昭
63−34528号公報に開示されているスプール回転
速度制御手段は、リール本体に設けられた調整摘みによ
りリール本体の外側の環状部材とスプールの円筒突起と
の間でスプールの回転中心線に沿った方向にこれらに対
して所定の範囲で同心的に出没する環状の磁力遮蔽部材
を備えている。そして、磁力遮蔽部材を調整摘みにより
リール本体の外側の環状部材とスプールの円筒突起との
間で出没させると、これにより内側の環状部材の複数の
磁石と外側の環状部材の複数の磁石との間に作用する磁
力の大きさが変化され、ひいてはスプールとともに導電
体製の円筒突起がリール本体の2重の環状部材の夫々の
磁石に対して相対的に回転することにより発生させる渦
電流の大きさが変化され、これにより導電体製の円筒突
起を伴ったスプールの回転を制動する電磁力の大きさが
変化されてスプールの回転速度が制御される。
【0009】遠心力により発生される摩擦力と磁力の両
者を利用したスプール回転速度制御手段が、例えば実公
昭62−35329号公報により既に知られている。実
公昭62−35329号公報に開示されたスプール回転
速度制御手段では、スプール軸の一端部にスプール軸の
半径方向に移動自在に半径方向移動部材が設けられてい
て、リール本体にはスプール軸の一端部を覆うように円
筒形状の凹所が設けられている。スプール軸の一端部の
半径方向移動部材は、スプールの回転により半径方向移
動部材に発生する遠心力によりスプール軸の半径方向の
外方に移動されてリール本体の円筒形状の凹所の内周面
に摺接し摩擦力を発生させることにより、スプールの回
転速度を制御する。
【0010】実公昭62−35329号公報に開示され
たスプール回転速度制御手段はさらに、スプールの他端
面からスプールと同心的に突出する導電体製の円筒突起
を備えていて、リール本体には相互に同心的に配置され
て相互間にスプールの円筒突起を同心的に受け入れる2
重の環状部材が設けられている。リール本体の2重の環
状部材の夫々には周方向に所定の間隔で複数の磁石が配
置されていて、スプールとともに導電体製の円筒突起が
リール本体の2重の環状部材の間で2重の環状部材の夫
々の磁石に対して相対的に回転すると渦電流が発生し、
これにより導電体製の円筒突起を伴ったスプールの回転
を制動する電磁力が発生される。そして、リール本体の
2重の環状部材の中の外側の環状部材は内側の環状部材
に対して周方向に所定の範囲で相対的に移動自在であ
り、外側の環状部材をリール本体に設けられた調整摘み
により周方向に所定の範囲で移動させると、内側の環状
部材の複数の磁石に対する外側の環状部材の複数の磁石
の相対的な位置を周方向に所定の範囲で移動させること
が出来、これにより内側の環状部材の複数の磁石と外側
の環状部材の複数の磁石との間に作用する磁力の大きさ
を変化させ、ひいてはスプールとともに導電体製の円筒
突起がリール本体の2重の環状部材の夫々の磁石に対し
て相対的に回転することにより発生させる渦電流の大き
さを変化させ、これにより導電体製の円筒突起を伴った
スプールの回転を制動する電磁力の大きさを変化させて
スプールの回転速度を制御する。
【0011】遠心力による摩擦力を2段階に利用したス
プール回転速度制御手段が、例えば特開平5−6845
5号公報により既に知られている。特開平5−6845
5号公報に開示されたスプール回転速度制御手段では、
スプール軸の一端部にスプール軸の半径方向に移動自在
に第1の半径方向移動部材が設けられていて、リール本
体にはスプール軸の一端部をスプール軸に対して同心的
に覆うように円筒部材が回転自在に設けられている。円
筒部材の外周面にも円筒部材の半径方向に移動自在に第
2の半径方向移動部材が設けられていて、リール本体に
円筒部材の外周面を円筒部材に対して同心的に覆うよう
に円形状の凹所が設けられている。
【0012】スプール軸の一端部の第1の半径方向移動
部材は、スプールの比較的低い回転速度により第1の半
径方向移動部材に発生する比較的小さな遠心力によりス
プール軸の半径方向の外方に移動されてリール本体の回
転自在な円筒部材の内周面に摺接し摩擦力を発生させる
ことにより、スプールの比較的低い回転速度を制御す
る。スプールの回転速度が比較的高くなり第1の半径方
向移動部材と円筒部材の内周面との間に生じる摩擦力が
大きくなると、円筒部材もスプールとともに回転を開始
し、円筒部材の第2の半径方向移動部材は、スプールの
比較的高い回転速度により第2の半径方向移動部材に発
生する比較的大きな遠心力によりスプール軸の半径方向
の外方に移動されてリール本体の円形状の凹所に摺接し
摩擦力を発生させることにより、スプールの比較的高い
回転速度を制御する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】前述した実開平3−7
9665号公報に開示されている遠心力により発生する
摩擦力を利用したスプール回転速度制御手段では、スプ
ール軸の一端部の半径方向移動部材とリール本体の略裁
頭円錐台形状凹所の内周面との間の摩擦面の状態が例え
ば水分の付着や塵や埃の付着や摩耗により変化するとス
プールの所定の回転数においてスプール回転速度制御手
段が発生させる摩擦制動力が変化して安定しないという
欠点を有しており、また摩擦力を利用する為に騒音が大
きいという欠点も有している。
【0014】 また、スプール軸の一端部の半径方向移
動部材に作用する遠心力、即ちスプールの回転速度、が
所定の大きさ以上で半径方向移動部材がリール本体の略
裁頭円錐台形状凹所の内周面に比較的強い押圧力を伴い
摺接した時と、スプール軸の一端部の半径方向移動部材
に作用する遠心力、即ちスプールの回転速度、が所定の
大きさ以下で半径方向移動部材がリール本体の略裁頭円
錐台形状凹所の内周面に比較的弱い押圧力を伴い摺接し
た時と、では、リール本体の略裁頭円錐台形状凹所の内
周面に対してスプール軸の一端部の半径方向移動部材が
発生させる摩擦制動力がスプールの回転速度に対し2次
的に変化する(遠心力により発生する摩擦力はスプール
の回転速度の2乗に比例する)ので、スプール回転速
度制御手段がスプールに対して作用する摩擦制動力が急
激に大きく変化する。この為、キャスティングの終期に
スプールの回転速度が低下して来た時に、仕掛けの飛行
速度または移動速度の低下量と比較してスプールの回転
速度の低下量が逆に急激に少なくなって釣糸の前述した
バックラッシュ現象が生じ易くなる。従来はこのような
キャスティングの終期におけるバックラッシュ現象の発
生は、釣竿を握った釣人の手の指でスプールまたはスプ
ールに巻回された釣糸の巻回面を押さえスプールの回転
速度を微妙に制御するといういわゆるサミング操作によ
り回避していたが、適切なサミング操作の習得には熟練
を要している。
【0015】遠心力により発生する摩擦力を利用したス
プール回転速度制御手段ではさらに、キャスティングが
開始されてスプールの回転速度が所定の大きさ以上にな
ると急激に摩擦制動力が大きくなり、スプールの回転速
度が急激に低下し、仕掛けの飛行速度が急激に低下す
る。即ち、仕掛けの飛行距離の低下が生じる。
【0016】即ち、遠心力により発生する摩擦力を利用
したスプール回転速度制御手段では、キャスティングに
よる飛行距離が低下し、またスプール回転速度制御手段
を有していない場合に比べると少なくなっているとはい
えバックラッシュ現象が依然として生じる。
【0017】また、前述した実公平6−8695号公報
や実公平6−16511号公報や実公昭63−3452
8号公報に開示されている磁力を利用したスプール回転
速度制御手段では、スプールの回転速度に略比例して制
動力が発生され、前述した遠心力により発生する摩擦力
を利用したスプール回転速度制御手段の如くスプールの
所定の回転速度を境に発生される制動力が大きく変化す
ることはないので、キャステイングにおいてバックラッ
シュ現象の発生を確実に防止することが可能となり、初
心者でも安心してキャステイングを行うことが出来る。
【0018】しかしながら、スプールが回転している間
は常にスプールの回転速度に応じた制動力が発生される
ので、キャステイングの終期においてスプールの回転速
度が低下して来た時に釣人が思った程の仕掛けの飛距離
の伸びが得られない。また、短い距離のキャステイング
(いわゆるショートキャスティング)を行う時にもスプ
ールは自由に回転せずにスプールの回転速度の上昇が遅
いので釣人が狙いをつける位置に仕掛けを落とすことが
難しい。
【0019】さらに前述した実公昭62−35329号
公報に開示されている遠心力により発生する摩擦力と磁
力の両者を利用したスプール回転速度制御手段では、ス
プールの回転速度が比較的小さな範囲では磁力による制
動力が主としてスプールに作用し、スプールの回転速度
が比較的大きくなると磁力による制動力に加えて遠心力
により発生する摩擦力による制動力もスプールに作用す
るようになる。ここにおいては、磁力を利用することに
より前述した遠心力により発生する摩擦力のみを利用し
たスプール回転速度制御手段においてキャスティングの
末期におけるスプールの比較的小さな回転速度の範囲で
バックラッシュが発生するという欠点を無くすことが出
来るが、前述した遠心力により発生する摩擦力のみを利
用したスプール回転速度制御手段における騒音の発生や
摩擦制動力の変動によるスプールの所定の回転数におけ
るスプールの回転速度の大きな変動といった欠点は軽減
させることが出来るが無くすことは出来ず、しかもスプ
ールの回転速度の全域に渡り磁力による制動力あるいは
磁力と遠心力により発生する摩擦力の両者による制動力
が作用するので、磁力を利用したスプール回転速度制御
手段や遠心力により発生する摩擦力を利用したスプール
回転速度制御手段よりも仕掛けの飛翔距離がさらに小さ
くなるという欠点を有している。
【0020】また、前述した特開平5−68455号公
報により既に知られている2段階に摩擦力を利用したス
プール回転速度制御手段では、騒音の発生や摩擦制動力
の変動によるスプールの所定の回転数におけるスプール
の回転速度の変動といった欠点を無くすことが出来ず、
また複数の制動ユニットを結合して順次作用させる構造
なので構造が複雑であり、このようなスプール回転速度
制御手段を備えた魚釣り用リールの外形寸法を大きくし
てしまうばかりでなく、製造コストも上昇させてしま
う。
【0021】この発明は上述した種々の事情の下でなさ
れ、この発明の目的は、キャスティングの初期や終期に
おけるスプールの回転速度の抑制をなくしてスプールの
最高回転数が高く、最高回転数到達時間も早く、さらに
スプールの回転速度の急低下の抑制を生じさせ、またキ
ャスティングの中期には磁力を利用した適度な制動力を
発生させることにより急激でない適度なスプールの回転
速度の抑制を生じさせて、仕掛けの飛距離を増大させる
ことが出来るばかりでなくバックラッシュ現象の発生を
防止することが出来る、スプール回転速度制御手段を備
えた魚釣用リールを提供することである。
【0022】
【課題を解決するための手段】上述したこの発明の目的
を達成する為に、この発明に従った魚釣用リールは:釣
糸が解放自在に巻き付けられるスプールと;スプールを
回転自在に支持しており、スプールの自由な回転を許容
しスプールからの釣糸の放出を許容するスプール自由回
転状態とスプールに回転力を伝達しスプールに釣糸を
巻き取らせるスプール駆動状態とを選択的に設定する
ラッチ付き回転力伝達手段を有したリール本体と;スプ
ール及びリール本体のいずれか一方に設けられた導電体
と;スプール及びリール本体のいずれか他方に設けら
れ、導電体に磁力を作用させることにより発生する制動
力でスプールの回転を制動する磁石と;スプールの回転
速度の増減に応じて生じる遠心力を利用して、スプルー
ル側に設けられた導電体または磁石のいずれか一方をス
プールの半径方向に移動させることにより導電体に作用
する前記制動力を増減させスプールの回転速度を制御
するスプール回転速度制御手段と;を備え、前記スプー
ル回転速度制御手段は、スプールの回転速度に略比例し
て前記制動力を調整することを特徴としている。この発
明に従った魚釣用リールはまた:釣糸が解放自在に巻き
付けられるスプールと;スプールを回転自在に支持して
おり、スプールの自由な回転を許容しスプールからの釣
糸の放出を許容するスプール自由回転状態と、スプール
に回転力を伝達しスプールに釣糸を巻き取らせるスプー
ル駆動状態とを選択的に設定するクラッチ付き回転力伝
達手段を有したリール本体と;スプール及びリール本体
のいずれか一方に設けられた導電体と;スプール及びリ
ール本体のいずれか他方に設けられ、導電体に磁力を作
用させることにより発生する制動力でスプールの回転を
制動する磁石と;スプールの回転速度の増減に応じて生
じる遠心力を利用して、スプール側に設けられた導電体
または磁石のいずれか一方をスプールの半径方向のみな
らず長手方向においても移動させることにより、導電体
に作用する前記製動力を増減させてスプールの回転速度
を制御するスプール回転速度制御手段と;を備え、前記
スプール回転速度制御手段は、スプールの回転速度に略
比例して前記制動力を調整することを特徴としている。
【0023】ここにおいては摩擦を利用してスプールの
回転速度を制御していないので、キャスティング時に従
来の遠心力により発生される摩擦力のみを利用したスプ
ール回転速度制御手段とは異なり騒音を発生させたり摩
擦面の状況が変化してスプールの回転速度を不安定に変
動させるといったことがない。
【0024】 しかもスプールの回転速度の増減に応じ
て生じる遠心力を利用して、スプール側に設けられた
電体または磁石のいずれか一方をスプールの半径方向に
移動させることにより、或いはスプールの半径方向のみ
ならず長手方向においても移動させることにより、前記
制動力を増減させてスプールの回転速度を制御すること
により、キャスティング開始直後の初期においてスプー
ルの回転速度が比較的大きくなるまでの間は導電体に作
用する磁力を減少させてスプールに対する制動力を小さ
くしスプールに対する不必要な制動力の負荷をなくすこ
とが出来るので、スプールからの釣糸の放出速度を高め
ることが出来て仕掛けの飛距離を向上させることが出来
る。
【0025】またキャスティング開始直後の初期におけ
るスプールの回転速度の急上昇期を過ぎてスプールの回
転速度が最も大きくなる中間期になると、導電体に作用
する磁力が増加されてスプールに対する制動力が適度に
増加されて風圧や重力等の影響による仕掛けや釣糸の飛
行速度の低下に対応してスプールの回転速度を適度に抑
制させてバックラッシ現象の発生を防止する。しかしな
がら、上記制動力の適度な上昇は磁力によりもたらされ
るので、従来の磁力のみを利用したスプール回転速度制
御手段の場合のように、従来の遠心力を利用して発生さ
れる摩擦力のみを利用したスプール回転速度制御手段の
場合とは異なり、スプールの回転、即ちスプールからの
釣糸の放出速度、をバックラッシ現象の発生防止に必要
な以上に大きく低下させることがない。即ち、従来の遠
心力を利用して発生される摩擦力のみを利用したスプー
ル回転速度制御手段の場合とは異なり、仕掛けの飛距離
が不必要に大きく抑制されることがない。
【0026】さらにキャスティングの終期においてスプ
ールの回転速度が比較的小さくなってくると導電体に作
用する磁力を減少させて従来の磁力のみを利用したスプ
ール回転速度制御手段とは異なり従来の遠心力を利用し
て発生される摩擦力のみを利用したスプール回転速度制
御手段の如くスプールに対する制動力を小さくしてスプ
ールからの釣糸の放出速度の低下を抑制することが出来
る。
【0027】このように本願発明の魚釣用リールにおい
ては、キャスティング開始直後の初期及び終期において
釣糸の放出に伴うスプールの回転速度が従来の磁力のみ
を利用したスプール回転速度制御手段を利用した魚釣用
リールの場合よりも大きい。またキャスティング開始直
後の初期におけるスプールの回転速度の急上昇期を過ぎ
てスプールの回転速度が最も大きくなる中間期(スプー
ル高速回転状態時期)までの最高回転数到達時間が早
く、またスプールの最高回転数は、従来の遠心力により
発生する摩擦力のみを利用したスプール回転速度制御手
段を利用した魚釣用リールの場合よりも当然大きく、従
来の磁力のみを利用したスプール回転速度制御手段を利
用した魚釣用リールの場合と比べてもキャスティングの
開始直後の初期におけるスプールの回転速度が大きいの
でさらに大きくなる。
【0028】従って、キャスティング開始直後の初期か
ら終期までのキャスティングの全体を通した仕掛けの飛
翔距離を、従来の遠心力を利用して発生される摩擦力の
みを利用したスプール回転速度制御手段を利用した魚釣
用リール及び従来の磁力のみを利用したスプール回転速
度制御手段を利用した魚釣用リールの夫々の場合に比
べ、増加させることが出来る。
【0029】しかも、本願発明の魚釣用リールでのキャ
スティングの終期におけるスプールに対して作用する制
動力は、従来の遠心力を利用して発生される摩擦力のみ
を利用したスプール回転速度制御手段を利用した魚釣用
リールとは異なり、急激な減少が抑制されて緩やかに減
少するので、キャスティングの終期において釣糸のバッ
クラッシュをもたらす釣糸の放出速度に対するスプール
の過回転現象を防止出来、キャスティングの終期におけ
る釣糸のバックラッシュの防止の為のスプールの回転速
度の指による制御が不要である。
【0030】なお仕掛けが着水して仕掛けが引っ張る釣
糸の引っ張り速度が急激に減少した後は上記引っ張り速
度に対するスプールの過回転現象が生じて釣糸のバック
ラッシュが生じる可能性があるが、仕掛けが着水して釣
糸の引っ張り速度が急激に減少した後はスプールの回転
が仕掛けの飛距離の増減とは無関係になるのでスプール
の回転を単に停止させて釣糸のバックラッシュを防止す
れば良く、釣糸のバックラッシュの防止の為のスプール
の回転速度の指による制御が熟練者でなくとも容易であ
る。
【0031】 上述した如く構成されたことを特徴とす
るこの発明に従った魚釣用リールにおいては、前記スプ
ール回転速度制御手段が、スプールの回転速度の増減に
応じて生じる遠心力を利用して、スプルール側に設けら
れた導電体または磁石のいずれか一方をスプールの半径
方向に移動させることにより、或いはスプールの半径方
向のみならず長手方向においても移動させることによ
り、前記制動力を増減させてスプールの回転速度を制御
、スプールの回転速度に略比例して前記制動力を調整
する。
【0032】 従って、キャスティングの開始直後から
終期までスプールの回転速度を適度に制御することが出
来て、仕掛けの飛翔距離の増大と釣糸のバックラッシュ
の防止とを達成させることが出来る。しかも遠心力を利
用して導電体または磁石をスプールの半径方向に移動さ
せることにより導電体に作用する磁石からの磁力を変化
させるスプール回転速度制御手段は簡易に構成すること
が出来、故障が少ない。
【0033】前述した如く構成されたことを特徴とする
この発明に従った魚釣用リールにおいては、前記スプー
ル回転速度制御手段が、前記スプールの回転中心線に沿
った横たわり位置と前記スプールの半径方向に立ち上が
った立ち上がり位置との間で回動自在に前記スプールに
設けられ前記スプールの回転速度の上昇に伴い発生する
遠心力により上記横たわり位置から上記立ち上がり位置
へと回動する揺動部材と、上記揺動部材を横たわり位置
に向かい付勢する付勢手段と、を備えており、前記導電
体及び磁石のいずれか一方が上記揺動部材に設けられて
いて、前記導電体及び磁石のいずれか他方が上記立ち上
がり位置の上記揺動部材に対向して上記リール本体に設
けられている、ことを特徴とするよう構成することが出
来る。
【0034】このような構成では、前記スプールの半径
方向のみならず前記スプールの回転中心線に沿った方向
においても磁石と導電体との相互間の距離が変化される
ことにより導電体に作用する磁石の磁力が変化される。
【0035】前述した如く構成されたことを特徴とする
この発明に従った魚釣用リールにおいては、前記スプー
ル回転速度制御手段はまた、前記スプールの回転中心線
に接近した引っ込み位置と前記スプールの半径方向にお
いて前記スプールの回転中心線から遠ざかった突出位置
との間で移動自在に前記スプールに設けられ前記スプー
ルの回転速度の上昇に伴い発生する遠心力により上記引
っ込み位置から上記突出位置へと移動する半径方向移動
部材と、上記半径方向移動部材を引っ込み位置に向かい
付勢する付勢手段と、を備えており、前記導電体及び磁
石のいずれか一方が上記半径方向移動部材に設けられて
いて、前記導電体及び磁石のいずれか他方が上記延出位
置の上記半径方向移動部材に対向して上記リール本体に
設けられている、ことを特徴とするよう構成することが
出来る。
【0036】前述した如く構成されたことを特徴とする
この発明に従った魚釣用リールにおいては、前記スプー
ル回転速度制御手段はまたさらに、前記スプールの半径
方向において前記スプールの回転中心線に接近した接近
位置と前記スプールの回転中心線から遠ざかった離間位
置との間で回動自在に前記スプールに設けられ前記スプ
ールの回転速度の上昇に伴い発生する遠心力により上記
接近位置から上記離間位置へと回動する半径方向回動部
材と、上記半径方向回動部材を上記接近位置に向かい付
勢する付勢手段と、を備えており、前記導電体及び磁石
のいずれか一方が上記半径方向回動部材に設けられてい
て、前記導電体及び磁石のいずれか他方が上記離間位置
の上記半径方向回動部材に対向して上記リール本体に設
けられている、ことを特徴とするよう構成することが出
来る。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、この発明の種々の実施の形
態及びこれらの変形例に従った魚釣用リールを添付の図
面を参照しながら詳細に説明する。 [第1の実施の形態]まず最初に添付の図1乃至図4を
参照しながら、この発明の第1の実施の形態に従った魚
釣用リールについて詳細に説明する。
【0038】図1はこの発明の第1の実施の形態に従っ
た魚釣用リールの概略的な水平断面図であり;図2は図
1のII−II線に沿った概略的な横断面図であり;図3の
(A)は図1の魚釣用リールの要部においてスプールが
回転していない時とスプールの回転速度がある程度の大
きさに到達するまでの間とスプールの回転速度がある程
度の大きさから減少した時の状態を示す概略的な縦断面
図であり;図3の(B)は図3の(A)のIII −III 線
に沿った概略的な横断面図であり;図4の(A)は図1
の魚釣用リールの要部においてスプールがある程度の回
転速度以上で高速回転している状態を示す概略的な縦断
面図であり;そして、図4の(B)は図4の(A)のIV
−IV線に沿った概略的な横断面図である。
【0039】なおこれらの断面図においては、図を明解
にする為に断面の輪郭線のみを示し断面よりも遠くの断
面でない輪郭線は適宜省略している。図1に示す如く、
この発明の第1の実施の形態に従った魚釣用リールは、
図示しない釣糸が解放自在に巻き付けられるスプール1
0と、スプール10のスプール軸10aの両端部を軸受
13a,13bを介して回転自在に支持しスプール10
を回転自在に保持したリール本体12と、を備えてい
る。
【0040】スプール軸10aの一端部には、スプール
10の一端面とスプール10の一端面から突出したスプ
ール軸10aの一端部(図1では右端部)を回転自在に
支持した軸受13aとの間に例えばアルミニウムや銅等
の導電体14が設けられていて、リール本体12におい
てスプール軸10aの一端部を回転自在に支持した軸受
13aが設置されている一方の側壁12aにはスプール
軸10aの一端部の導電体14に対応して複数の磁石1
6が設置されている。
【0041】スプール10の他端面から突出したスプー
ル軸10aの他端部(図1では左端部)を回転自在に支
持した軸受13bが設置されている他方の側壁12bに
は,ハンドル18が回転自在に設けられているととも
に、ハンドル18から入力された回転力をスプール軸1
0aの他端部に選択的に伝達するクラッチ付き回転力伝
達手段20も設けられている。クラッチ付き回転力伝達
手段20は、図示しない操作釦を介してクラッチを操作
することにより、スプール軸10aの自由な回転を許容
しスプール10からの上述した図示しない釣糸の放出
(図1に矢印Sで釣糸放出方向を示す)を許容するスプ
ール自由回転状態と、ハンドル18から入力された回転
力をスプール軸10aの他端部を介してスプール10に
伝達しスプール10に上述した図示しない釣糸を図1に
矢印Sで示された釣糸放出方向とは正反対の方向に巻き
取らせるスプール駆動状態と、を選択的に設定可能であ
る。そしてこのようなクラッチ付き回転力伝達手段20
の構成は公知なので、その構成についての説明は省略す
る。
【0042】図1に示す如く、リール本体12の一方の
側壁12aの複数の磁石16は導電体14に対して磁石
16から作用する磁力の大きさを調整する為の磁力調整
手段21を介して一方の側壁12aに取り付けられてい
る。この実施の形態では、磁力調整手段21はスプール
軸10aの一端部に対して同心的に一方の側壁12aの
内表面に配置された円環22を含んでいて、円環22に
おいてスプール10を向いた側面には複数の磁石16が
略等間隔で同心円状に配置されており、円環22はスプ
ール軸10aの回転中心線に沿った方向(長手方向)に
移動自在となるよう一方の側壁12aの内表面に螺合さ
れている。円環22は一方の側壁12aに設置されてい
る磁力調整摘み24を一方あるいは他方に回動させるこ
とによりスプール軸10aの回転中心線に沿った方向に
移動し導電体14に作用する磁力の強弱を調整し、ひい
ては導電体14とともに回転するスプール軸10aを有
したスプール10に対する制動力を調整することが出来
る。
【0043】図1に示す如く、導電体14は、スプール
10の回転速度の増減に応じて導電体14をスプール1
0の半径方向に移動させることにより導電体14に作用
する磁石16からの磁力を増減させて導電体14が設け
られているスプール10の回転速度を制御するスプール
回転速度制御手段26を介してスプール軸10aの一端
部に設けられている。
【0044】この実施の形態において回転速度制御手段
26は、図2,そして図3の(A)及び(B)に特に良
く示す如く、スプール軸10aの一端部においてスプー
ル軸10aの半径方向に一直線状に延出した1対の揺動
中心軸26aと、夫々が略半円形状を有しており夫々の
弦部分の両端部が1対の揺動中心軸26aに回動自在に
連結された1対の揺動部材と、1対の揺動部材をスプー
ル軸10aの回転中心線に向かい付勢する付勢手段26
bと、を備えている。より詳細に説明すると、上記1対
の揺動部材は導電体14により構成されており、付勢手
段26bは1対の揺動中心軸26aの夫々に巻装され両
端部が1対の揺動部材(導電体14)に掛けられた1対
のねじりコイルばね26bにより構成されている。
【0045】なお1対の揺動部材と導電体14とは相互
に異なる材料により相互に独立して形成した後に、相互
に合体させることも出来る。付勢手段26bにより付勢
された1対の揺動部材(導電体14)はスプール10が
回転をしておらず1対の揺動部材(導電体14)に遠心
力が作用していない時には、図2,そして図3の(A)
及び(B)に実線で示す如く、スプール軸10aの一端
部においてスプール軸10aの回転中心線に沿った位置
に配置されていて、1対の揺動部材(導電体14)のこ
の位置を1対の揺動部材(導電体14)の横たわり位置
とする。
【0046】次には、上述した如く構成されているこの
発明の第1の実施の形態に従った魚釣用リールの動作に
ついて説明する。この発明の第1の実施の形態に従った
魚釣用リールが取り付けられた釣竿をキャスティングの
為に振ると、水面上の目的地点に向かい飛翔する図示し
ない仕掛けにより図示しない釣糸が引っ張られることに
よりスプール10が所定の方向に回転を開始する。
【0047】キャスティング開始直後の初期においてス
プール10の回転速度がある程度の大きさに到達するま
ではスプール軸10aとともに回転する1対の揺動部材
(導電体14)に生じる遠心力は弱く、1対の揺動部材
(導電体14)は付勢手段26bの付勢力に抗してスプ
ール軸10aの半径方向の外方に向かい立ち上がること
が出来ない。この為に、1対の揺動部材(導電体14)
はリール本体12の一側壁12aの複数の磁石16に向
かいスプール軸10aの半径方向のみならずスプール軸
10aの回転中心線に沿った方向(長手方向)において
も接近することが出来ない。よって、複数の磁石16の
磁力の作用により1対の揺動部材(導電体14)に渦電
流は生ぜず1対の揺動部材(導電体14)を伴って回転
するスプール10に制動力は生じない。また複数の磁石
16からの磁束により横たわり位置の1対の揺動部材
(導電体14)にわずかに渦電流が生じたとしても、上
記わずかな渦電流により生じる制動力は非常に小さい。
【0048】この為に、キャスティング開始直後の初期
においてスプール10の回転速度がある程度の大きさに
到達するまでは実質的に制動力が作用しないので、スプ
ール10の初期回転速度を上昇させることが出来、キャ
スティング開始直後の初期における仕掛けの飛距離、ひ
いてはキャスティング開始直後から終了までの全体にお
ける仕掛けの飛距離、を向上させることが出来る。この
間に上昇されるスプール10の回転速度は、遠心力によ
り発生される制動力を利用したスプール回転速度制御手
段を備えた従来の魚釣用リールの場合よりも高くなるの
は当然であり、しかも磁力のみを利用したスプール回転
速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場合よりも
高くなる。なぜならば、磁力のみを利用したスプール回
転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場合に
は、スプール10の回転が開始された時点からスプール
10の回転速度の上昇に略比例して磁力が発生させる制
動力も大きくなるからである。そしてキャスティング開
始直後の初期においてスプール10の回転速度がある程
度の大きさに到達するまでの図示しない仕掛けの飛距離
が、遠心力により発生する摩擦力のみを利用したスプー
ル回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場合
よりも伸びるのはいうまでもなく、磁力のみを利用した
スプール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リール
の場合よりも伸びる。
【0049】 スプール10の回転速度がある程度の大
きさに到達したキャスティングの中期になると、スプー
ル軸10aとともに回転する1対の揺動部材(導電体1
4)に生じる遠心力が大きくなり、1対の揺動部材(導
電体14)は付勢手段26bの付勢力に抗して図4の
(A)及び(B)において2点鎖線で示す前述した横た
わり位置から図4の(A)及び(B)において実線で示
すスプール軸10aの半径方向の外方の立ち上がり位置
に向かい立ち上がることが出来るようになる。この為
に、1対の揺動部材(導電体14)はリール本体12の
一側壁12aの複数の磁石16に向かいスプール軸10
aの半径方向のみならずスプール軸10aの回転中心線
に沿った方向(長手方向)においても序々に接近する。
よって、複数の磁石16の磁力の作用により1対の揺動
部材(導電体14)に発生する渦電流の大きさは複数の
磁石16が発生する磁束を横切る1対の揺動部材(導電
体14)の面積とスプール10の回転速度とに比例し
て大きくなり、上記渦電流により生じる制動力も複数の
磁石16が発生する磁束を横切る1対の揺動部材(導電
体14)の面積とスプール10の回転速度とに比例し
て大きくなる。
【0050】この際に生じる制動力は、磁力のみを利用
したスプール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リ
ールの場合と同様に、遠心力により発生する摩擦力を利
用したスプール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用
リールの場合よりも少ない。従って、上述した如く上記
キャスティングの初期におけるスプールの回転速度が磁
力のみを利用したスプール回転速度制御手段を備えた従
来の魚釣用リールの場合よりも高くなるので、上記キャ
スティングの初期から中期にかけてのスプールの回転速
度も磁力のみを利用したスプール回転速度制御手段を備
えた従来の魚釣用リールの場合よりも高くなり、当然の
ことながら遠心力により発生する摩擦力を利用したスプ
ール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場
合よりも格別に高くなる。
【0051】即ち、上述したキャスティングの初期から
スプール10の回転速度がある程度の大きさに到達した
後の中期までの図示しない仕掛けの飛距離が、磁力のみ
を利用したスプール回転速度制御手段を備えた従来の魚
釣用リールの場合や遠心力により発生される摩擦力のみ
を利用したスプール回転速度制御手段を備えた従来の魚
釣用リールの場合よりも伸びる。
【0052】しかも、後で大きな釣糸のバックラッシュ
を生じさせる原因となるスプール10の過大な回転速度
は、スプール10の1対の揺動部材(導電体14)とリ
ール本体12の一方の側壁12aの複数の磁石16との
組み合わせにより上述した如く生じる適度な制動作用で
充分に抑制される。
【0053】 キャスティングの終期においてスプール
10の回転速度が減少し、スプール軸10aとともに回
転する1対の揺動部材(導電体14)に生じる遠心力が
小さくなると、1対の揺動部材(導電体14)は付勢手
段26bの付勢力により図4の(A)及び(B)におい
て実線で示すスプール軸10aの半径方向の外方の立ち
上がり位置からスプール軸10aの半径方向の内方でス
プール軸10aの回転中心線に沿った2点鎖線で示す前
述した横たわり位置に向かいに向かい引っ張られる。こ
の為に、1対の揺動部材(導電体14)はリール本体1
2の一側壁12aの複数の磁石16からスプール軸10
aの半径方向のみならずスプール軸10aの回転中心線
に沿った方向(長手方向)においても序々に遠ざかる。
よって、複数の磁石16の磁力の作用により1対の揺動
部材(導電体14)に発生する渦電流の大きさは複数の
磁石16が発生する磁束を横切る1対の揺動部材(導電
体14)の面積とスプール10の回転速度とに比例し
て小さくなり、上記渦電流により生じる制動力も複数の
磁石16が発生する磁束を横切る1対の揺動部材(導電
体14)の面積とスプール10の回転速度とに比例し
て小さくなる。
【0054】この際に生じる制動力は磁力のみを利用し
たスプール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リー
ルの場合よりは少なく、また遠心力により発生する摩擦
力を利用したスプール回転速度制御手段を備えた従来の
魚釣用リールの場合の如き急激な制動力の減少が生じな
い。従って、上記キャスティングの終期においてスプー
ル10に生じる回転速度は、磁力のみを利用したスプー
ル回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場合
よりも高く、しかも遠心力により発生する摩擦力を利用
したスプール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リ
ールの場合のように回転速度の減少率が急激に低下する
ことがない。
【0055】即ち、上述したキャスティングの終期にお
いてスプール10の回転速度が序々に減少してきた時の
図示しない仕掛けの飛距離が、磁力のみを利用したスプ
ール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場
合や遠心力により発生する摩擦力のみを利用したスプー
ル回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場合
よりも伸びる。
【0056】しかも、仕掛けの飛行速度に対して後で大
きな釣糸のバックラッシュを生じさせる原因となるスプ
ール10の過大な回転速度は上述した如くキャスティン
グの中期において適度に抑制されており、またキャステ
ィングの終期においてスプール10の回転速度の減少率
が遠心力により発生される摩擦力を利用したスプール回
転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場合のよ
うに急激に低下しないので、図示しない仕掛けが着水し
た後に、図示しない仕掛けの着水により生じる図示しな
い釣糸の引っ張り速度の急激な低下とスプール10の回
転の慣性により図示しない釣糸にバックラッシュ現象が
生じそうになった場合でも、ベテランでなくとも例えば
指をスプールまたはスプールに巻き付けられた釣糸の巻
回面に軽く押しつけるだけの比較的簡単な操作で容易に
図示しない釣糸のバックラッシュ現象を防止することが
出来、キャスティングにおける釣糸の放出操作が容易と
なる。
【0057】なお上述した実施の形態においては、1対
の揺動部材(導電体14)の重量や形状や付勢手段26
bの発生する付勢力を調整することにより、スプール1
0の回転速度の増減に対応してスプール10に対しスプ
ール回転速度制御手段26が発生させる制動力を調整さ
せることが出来、スプール10の回転速度の制御を調整
させることが出来る。
【0058】[第1の実施の形態の変形例]次は、図5
の(A)及び(B)と図6の(A)及び(B)とを参照
しながら、この発明の第1の実施の形態の変形例に従っ
た魚釣用リールについて詳細に説明する。
【0059】図5の(A)はこの発明の第1の実施の形
態の変形例に従った魚釣用リールの要部においてスプー
ルが回転していない時とスプールの回転速度がある程度
の大きさに到達するまでの間とスプールの回転速度があ
る程度の大きさから減少した時の状態を示す概略的な縦
断面図であり;図5の(B)は図5の(A)のV −V線
に沿った概略的な横断面図であり;図6の(A)はこの
発明の第1の実施の形態の変形例に従った魚釣用リール
の要部においてスプールがある程度の回転速度以上で高
速回転している状態を示す概略的な縦断面図であり;そ
して、図6の(B)は図6の(A)のVI−VI線に沿った
概略的な横断面図である。
【0060】なおこれらの断面図においては、図を明解
にする為に断面の輪郭線のみを示し断面よりも遠くの断
面でない輪郭線は適宜省略しているまた、この発明の第
1の実施の形態の変形例に従った魚釣用リールの構成の
大部分は図1乃至図4の(A)及び(B)を参照しなが
ら前述したこの発明の第1の実施の形態に従った魚釣用
リールの構成の大部分と共通である。従って、前述した
この発明の第1の実施の形態に従った魚釣用リールの構
成部材と同じ構成部材にはこの発明の第1の実施の形態
に従った魚釣用リールにおいて対応する構成部材を指摘
していた参照符号と同じ参照符号を付して、これらの同
じ構成部材についての詳細な説明は省略する。
【0061】この発明の第1の実施の形態の変形例はこ
の発明の第1の実施の形態と以下の構成が異なってい
る。即ち、この変形例においては、図5の(A)及び
(B)に示す如く、1対の揺動部材28が導電体14´
とは別体に形成されていて、さらに前述した第1の実施
の形態と導電体14´と複数の磁石16´の位置が相互
に入れ替わっている。即ち、この変形例において導電体
14´はリール本体12の一方の側壁12aの内表面に
配置された円環22においてスプール10を向いた側面
に円環22に対して同心的に配置されており、複数の磁
石16´は1対の揺動部材28に等間隔で略同心円状に
固定されている。
【0062】そしてキャスティング開始直後の初期にお
いてスプール10の回転速度がある程度の大きさに到達
するまではスプール軸10aとともに回転する1対の揺
動部材28及び複数の磁石16´に生じる遠心力は弱
く、複数の磁石16´が固定されている1対の揺動部材
28は付勢手段26bの付勢力に抗してスプール軸10
aの半径方向の外方に向かい立ち上がることが出来な
い。この為に、1対の揺動部材28とともに複数の磁石
16´はリール本体12の一側壁12aの導電体14´
に向かいスプール軸10aの半径方向のみならずスプー
ル軸10aの回転中心線に沿った方向(長手方向)にお
いても接近することが出来ない。よって、複数の磁石1
6´の磁力の作用により導電体14´に渦電流は生ぜず
複数の磁石16´が固定された1対の揺動部材28を伴
って回転するスプール10に制動力は生じない。また複
数の磁石16´からの磁束により横たわり位置の導電体
14´にわずかに渦電流が生じたとしても、上記わずか
な渦電流により生じる制動力は非常に小さい。
【0063】 スプール10の回転速度がある程度の大
きさに到達したキャスティングの中期になると、スプー
ル軸10aとともに回転する1対の揺動部材28及び複
数の磁石16´に生じる遠心力が大きくなり、複数の磁
石16´が固定されている1対の揺動部材28は付勢手
段26bの付勢力に抗して図5の(A)及び(B)にお
いて実線で示されているとともに図6の(A)及び
(B)において2点鎖線で示されているスプール軸10
aの回転中心線に沿った横たわり位置から図6の(A)
及び(B)において実線で示すスプール軸10aの半径
方向の外方の立ち上がり位置に向かい立ち上がることが
出来るようになる。この為に、1対の揺動部材28上の
複数の磁石16´はリール本体12の一側壁12aの導
電体14´に向かいスプール軸10aの半径方向のみな
らずスプール軸10aの回転中心線に沿った方向(長手
方向)においても序々に接近する。よって、複数の磁石
16´の磁力の作用により導電体14´に発生する渦電
流の大きさは複数の磁石16´が発生する磁束を横切る
導電体14´の面積とスプール10の回転速度とに
例して大きくなり、上記渦電流により生じる制動力も複
数の磁石16´が発生する磁束を横切る導電体14´の
面積とスプール10の回転速度とに比例して大きくな
る。
【0064】 キャスティングの終期においてスプール
10の回転速度が減少し、スプール軸10aとともに回
転する1対の揺動部材28及び複数の磁石16´に生じ
る遠心力が小さくなると、1対の揺動部材28は付勢手
段26bの付勢力により図6の(A)及び(B)におい
て実線で示すスプール軸10aの半径方向の外方の立ち
上がり位置からスプール軸10aの半径方向の内方でス
プール軸10aの回転中心線に沿った図6の(A)及び
(B)において2点鎖線で示されているとともに図5の
(A)及び(B)において実線で示されている前述した
横たわり位置に向かい引っ張られる。この為に、1対の
揺動部材28は複数の磁石16´とともにリール本体1
2の一側壁12aの導電体14´からスプール軸10a
の半径方向のみならずスプール軸10aの回転中心線に
沿った方向(長手方向)においても序々に遠ざかる。よ
って、複数の磁石16´の磁力の作用により導電体14
´に発生する渦電流の大きさは複数の磁石16´が発生
する磁束を横切る導電体14´の面積とスプール10の
回転速度とに比例して小さくなり、上記渦電流により
生じる制動力も複数の磁石16´が発生する磁束を横切
る導電体14´の面積とスプール10の回転速度とに
比例して小さくなる。
【0065】キャスティング時におけるこの発明の第1
の実施の形態の変形例に従った魚釣用リールのこのよう
な動作はキャスティング時における前述したこの発明の
第1の実施の形態に従った魚釣用リールの動作と同じで
あり、この発明の第1の実施の形態の変形例は前述した
この発明の第1の実施の形態に従った魚釣用リールと同
様の効果を生じさせる。
【0066】なお上述した実施の形態においては、1対
の揺動部材28及び複数の磁石16の重量や形状や付勢
手段26bの発生する付勢力を調整することにより、ス
プール10の回転速度の増減に対応してスプール10に
対しスプール回転速度制御手段26が発生させる制動力
を調整させることが出来、スプール10の回転速度の制
御を調整させることが出来る。
【0067】[第2の実施の形態]次は、図7の(A)
及び(B)と図8の(A)及び(B)とを参照しなが
ら、この発明の第2の実施の形態に従った魚釣用リール
について詳細に説明する。
【0068】図7の(A)はこの発明の第2の実施の形
態に従った魚釣用リールの要部においてスプールが回転
していない時とスプールの回転速度がある程度の大きさ
に到達するまでの間とスプールの回転速度がある程度の
大きさから減少した時の状態を示す概略的な縦断面図で
あり;図7の(B)は図7の(A)のVII −VII 線に沿
った概略的な横断面図であり;図8の(A)はこの発明
の第2の実施の形態に従った魚釣用リールの要部におい
てスプールがある程度の回転速度以上で高速回転してい
る状態を示す概略的な縦断面図であり;そして、図8の
(B)は図8の(A)のVIII−VIII線に沿った概略的な
横断面図である。
【0069】なおこれらの断面図においては、図を明解
にする為に断面の輪郭線のみを示し断面よりも遠くの断
面でない輪郭線は適宜省略しているまた、この発明の第
2の実施の形態に従った魚釣用リールの構成の大部分は
図1乃至図4の(A)及び(B)を参照しながら前述し
たこの発明の第1の実施の形態に従った魚釣用リールの
構成の大部分と共通である。従って、前述したこの発明
の第1の実施の形態に従った魚釣用リールの構成部材と
同じ構成部材にはこの発明の第1の実施の形態に従った
魚釣用リールにおいて対応する構成部材を指摘していた
参照符号と同じ参照符号を付して、これらの同じ構成部
材についての詳細な説明は省略する。
【0070】この発明の第2の実施の形態は、スプール
10の回転速度の増減に応じて導電体14´´をスプー
ル10の半径方向に移動させることにより導電体14´
´に作用する磁石16からの磁力を増減させて導電体1
4´´が設けられているスプール10の回転速度を制御
するスプール回転速度制御手段30の構成が、前述した
この発明の第1の実施の形態に従った魚釣用リールのス
プール回転速度制御手段26の構成と異なっている。
【0071】この実施の形態において回転速度制御手段
30は、図7の(A)及び(B)に特に良く示す如く、
スプール軸10aの一端部において半径方向の外方に広
がった支持台座30aと、支持台座30aにおいてリー
ル本体12の一方の側壁12aの複数の磁石16を向い
た側面でスプール軸10aの周囲にスプール軸10aを
挟んで配置され夫々が略半円形状を有している1対の導
電体14´´を上記半径方向に所定の範囲で移動可能に
支持した半径方向移動可能支持手段と、上記半径方向に
おいて1対の導電体14´´をスプール軸10aに向か
い相互に接近するよう付勢する付勢手段30dと、を含
んでいる。半径方向移動可能支持手段は、支持台座30
aにおいて上記半径方向に所定の範囲に延出した複数の
案内孔30bと、複数の案内孔30b中に複数の案内孔
30bに沿い移動自在に挿入され1対の導電体14´´
に固定された移動案内突起30cと、を有している。付
勢手段30dは、スプール軸10aの両側で1対の導電
体14´´に両端部を連結された1対の引っ張りコイル
ばねにより構成されている。
【0072】そしてキャスティング開始直後の初期にお
いてスプール10の回転速度がある程度の大きさに到達
するまではスプール軸10aとともに回転する1対の導
電体14´´に生じる遠心力は弱く、1対の導電体14
´´は付勢手段30dの付勢力に抗してスプール軸10
aの半径方向の外方に向かい移動することが出来ず、図
7の(A)及び(B)に示されている如くスプール軸1
0aの回転中心線に接近した引っ込み位置に配置されて
いる。この為に、1対の導電体14´´はリール本体1
2の一側壁12aの複数の磁石16に向かいスプール軸
10aの半径方向において接近することが出来ない。よ
って、複数の磁石16の磁力の作用により1対の導電体
14´´に渦電流は生ぜず1対の導電体14´´を伴っ
て回転するスプール10に制動力は生じない。また複数
の磁石16からの磁束により引っ込み位置の1対の導電
体14´´にわずかに渦電流が生じたとしても、上記わ
ずかな渦電流により生じる制動力は非常に小さい。
【0073】 スプール10の回転速度がある程度の大
きさに到達したキャスティングの中期になると、スプー
ル軸10aとともに回転する1対の導電体14´´に生
じる遠心力が大きくなり、1対の導電体14´´は付勢
手段30dの付勢力に抗して図7の(A)及び(B)に
示されている如くスプール軸10aの回転中心線に接近
した引っ込み位置から図8の(A)及び(B)に示され
ている如くスプール軸10aの半径方向においてスプー
ル軸10aの回転中心線から遠ざかった突出位置に向か
い移動することが出来るようになる。この為に、1対の
導電体14´´はリール本体12の一側壁12aの複数
の磁石16に向かいスプール軸10aの半径方向におい
て序々に接近する。よって、複数の磁石16の磁力の作
用により1対の導電体14´´に発生する渦電流の大き
さは複数の磁石16が発生する磁束を横切る1対の導電
体14´´の面積とスプール10の回転速度とに比例
して大きくなり、上記渦電流により生じる制動力も複数
の磁石16が発生する磁束を横切る1対の導電体14´
´の面積とスプール10の回転速度とに比例して大き
くなる。
【0074】 キャスティングの終期においてスプール
10の回転速度が減少し、スプール軸10aとともに回
転する1対の導電体14´´に生じる遠心力が小さくな
ると、1対の導電体14´´は付勢手段30dの付勢力
により図8の(A)及び(B)において実線で示すスプ
ール軸10aの半径方向の外方の突出位置からスプール
軸10aの半径方向の内方でスプール軸10aの回転中
心線に接近した図7の (A)及び(B)に示されてい
る前述した引っ込み位置に向かい上記半径方向に引っ張
られる。この為に、1対の導電体14´´はリール本体
12の一側壁12aの複数の磁石16からスプール軸1
0aの半径方向において序々に遠ざかる。よって、複数
の磁石16の磁力の作用により1対の導電体14´´に
発生する渦電流の大きさは複数の磁石16が発生する磁
束を横切る1対の導電体14´´の面積とスプール10
の回転速度とに比例して小さくなり、上記渦電流によ
り生じる制動力も複数の磁石16が発生する磁束を横切
る1対の導電体14´´の面積とスプール10の回転速
度とに比例して小さくなる。
【0075】キャスティング時におけるこの発明の第2
の実施の形態に従った魚釣用リールのこのような動作が
もたらす効果は、キャスティング時における前述したこ
の発明の第1の実施の形態に従った魚釣用リールの動作
がもたらす前述した効果と同じである。
【0076】なお上述した実施の形態においては、1対
の導電体14´´の重量や形状や付勢手段30dの発生
する付勢力を調整することにより、スプール10の回転
速度の増減に対応してスプール10に対しスプール回転
速度制御手段30が発生させる制動力を調整させること
が出来、スプール10の回転速度の制御を調整させるこ
とが出来る。
【0077】また上述した実施の形態においては、導電
体14´´と磁石16の位置を交換しても同じ効果を得
ることが出来る。即ち、導電体14´´をリール本体1
2の一方の側壁12aの内表面に配置し、1対の半径方
向移動部材を半径方向移動可能支持手段の移動案内突起
30dにより支持台座30aの複数の案内孔30bに沿
い移動自在に支持し、1対の半径方向移動部材に複数の
磁石16を固定する。そして1対の半径方向移動部材を
複数の磁石16により直接構成することも可能である。
【0078】[第3の実施の形態]次は、図9の(A)
及び(B)を参照しながら、この発明の第3の実施の形
態に従った魚釣用リールについて詳細に説明する。
【0079】図9の(A)は、この発明の第3の実施の
形態に従った魚釣用リールの要部においてスプールが回
転していない時とスプールの回転速度がある程度の大き
さに到達するまでの間とスプールの回転速度がある程度
の大きさから減少した時の状態を実線で示し、スプール
がある程度の回転速度以上で高速回転している状態を2
点鎖線で示す概略的な縦断面図であり;そして、図9の
(B)は図9の(A)のIX−IX線に沿った概略的な横断
面図である。
【0080】なおこれらの断面図においては、図を明解
にする為に断面の輪郭線のみを示し断面よりも遠くの断
面でない輪郭線は適宜省略しているまた、この発明の第
3の実施の形態に従った魚釣用リールの構成の大部分は
図1乃至図4の(A)及び(B)を参照しながら前述し
たこの発明の第1の実施の形態に従った魚釣用リールの
構成の大部分と共通である。従って、前述したこの発明
の第1の実施の形態に従った魚釣用リールの構成部材と
同じ構成部材にはこの発明の第1の実施の形態に従った
魚釣用リールにおいて対応する構成部材を指摘していた
参照符号と同じ参照符号を付して、これらの同じ構成部
材についての詳細な説明は省略する。
【0081】この発明の第3の実施の形態は、スプール
10の回転速度の増減に応じて導電体14´´´をスプ
ール10の半径方向に移動させることにより導電体14
´´´に作用する磁石16からの磁力を増減させて導電
体14´´´が設けられているスプール10の回転速度
を制御するスプール回転速度制御手段40の構成が、前
述したこの発明の第1の実施の形態に従った魚釣用リー
ルのスプール回転速度制御手段26の構成と異なってい
る。
【0082】この実施の形態において回転速度制御手段
40は、図9の(A)及び(B)に示す如く、スプール
軸10aの一端部において半径方向の外方に広がった支
持台座40aと、支持台座40aにおいてリール本体1
2の一方の側壁12aの複数の磁石16を向いた側面で
スプール軸10aの周囲にスプール軸10aを挟んで上
記側面の周方向に等間隔に配置された複数(この実施の
形態では4つ)の導電体14´´´を上記半径方向に所
定の範囲で移動可能に支持した半径方向移動可能支持手
段と、上記半径方向において複数の導電体14´´´を
スプール軸10aに向かい相互に接近するよう付勢する
図示しない付勢手段と、を含んでいる。半径方向移動可
能支持手段は、支持台座40aにおいて上記半径方向に
所定の範囲に延出した複数(この実施の形態では4つ)
の弧状の案内孔40bと、複数の案内孔40b中に複数
の案内孔40bに沿い移動自在に挿入され複数の導電体
14´´´に固定された移動案内突起40cと、を有し
ている。上記図示しない付勢手段は、スプール軸10a
または支持台座40aの半径方向内端部と複数の導電体
14´´´の夫々とに両端部を連結された複数(この実
施の形態では4つ)の引っ張りコイルばねにより構成さ
れている。
【0083】そしてキャスティング開始直後の初期にお
いてスプール10の回転速度がある程度の大きさに到達
するまではスプール軸10aとともに回転する複数の導
電体14´´´に生じる遠心力は弱く、複数の導電体1
4´´´は上記図示しない付勢手段の付勢力に抗してス
プール軸10aの半径方向の外方に向かい移動すること
が出来ず、図9の(A)及び(B)に実線で示されてい
る如くスプール軸10aの回転中心線に接近した引っ込
み位置に配置されている。この為に、複数の導電体14
´´´はリール本体12の一側壁12aの複数の磁石1
6に向かいスプール軸10aの半径方向において接近す
ることが出来ない。よって、複数の磁石16の磁力の作
用により複数の導電体14´´´に渦電流は生ぜず複数
の導電体14´´´を伴って回転するスプール10に制
動力は生じない。また複数の磁石16からの磁束により
引っ込み位置の複数の導電体14´´´にわずかに渦電
流が生じたとしても、上記わずかな渦電流により生じる
制動力は非常に小さい。
【0084】 スプール10の回転速度がある程度の大
きさに到達したキャスティングの中期になると、スプー
ル軸10aとともに回転する複数の導電体14´´´に
生じる遠心力が大きくなり、複数の導電体14´´´は
上記図示しない付勢手段の付勢力に抗して図9の(A)
及び(B)に実線で示されている如くスプール軸10a
の回転中心線に接近した引っ込み位置から図9の(A)
及び(B)に2点鎖線で示されている如くスプール軸1
0aの半径方向においてスプール軸10aの回転中心線
から遠ざかった突出位置に向かい移動することが出来る
ようになる。この為に、複数の導電体14´´´はリー
ル本体12の一方の側壁12aの複数の磁石16に向か
いスプール軸10aの半径方向において序々に接近す
る。よって、複数の磁石16の磁力の作用により複数の
導電体14´´´に発生する渦電流の大きさは複数の磁
石16が発生する磁束を横切る複数の導電体14´´´
の面積とスプール10の回転速度とに比例して大きく
なり、上記渦電流により生じる制動力も複数の磁石16
が発生する磁束を横切る複数の導電体14´´´の面積
とスプール10の回転速度とに比例して大きくなる。
【0085】 キャスティングの終期においてスプール
10の回転速度が減少し、スプール軸10aとともに回
転する複数の導電体14´´´に生じる遠心力が小さく
なると、複数の導電体14´´´は上記図示しない付勢
手段の付勢力により図9の(A)及び(B)において2
点鎖線で示すスプール軸10aの半径方向の外方の突出
位置からスプール軸10aの半径方向の内方でスプール
軸10aの回転中心線に接近した図9の(A)及び
(B)に実線で示されている前述した引っ込み位置に向
かい上記半径方向に引っ張られる。この為に、複数の導
電体14´´´はリール本体12の一方の側壁12aの
複数の磁石16からスプール軸10aの半径方向におい
て序々に遠ざかる。よって、複数の磁石16の磁力の作
用により複数の導電体14´´´に発生する渦電流の大
きさは複数の磁石16が発生する磁束を横切る複数の導
電体14´´´の面積とスプール10の回転速度とに
比例して小さくなり、上記渦電流により生じる制動力も
複数の磁石16が発生する磁束を横切る複数の導電体1
4´´´の面積とスプール10の回転速度とに比例し
て小さくなる。
【0086】キャスティング時におけるこの発明の第3
の実施の形態に従った魚釣用リールのこのような動作が
もたらす効果は、キャスティング時における前述したこ
の発明の第1の実施の形態に従った魚釣用リールの動作
がもたらす前述した効果と同じである。
【0087】なお上述した実施の形態においては、複数
の導電体14´´´の重量や形状や上記図示しない付勢
手段の発生する付勢力を調整することにより、スプール
10の回転速度の増減に対応してスプール10に対しス
プール回転速度制御手段40が発生させる制動力を調整
させることが出来、スプール10の回転速度の制御を調
整させることが出来る。
【0088】また上述した実施の形態においては、導電
体14´´´と磁石16の位置を交換しても同じ効果を
得ることが出来る。即ち、導電体14´´´をリール本
体12の一方の側壁12aの内表面に配置し、複数の半
径方向移動部材を半径方向移動可能支持手段の移動案内
突起40cにより支持台座40aの複数の案内孔40b
に沿い移動自在に支持し、複数の半径方向移動部材に複
数の磁石16を固定する。そして複数の半径方向移動部
材を複数の磁石16により直接構成することも可能であ
る。
【0089】[第4の実施の形態]次は、図10の
(A)及び(B)を参照しながら、この発明の第4の実
施の形態に従った魚釣用リールについて詳細に説明す
る。
【0090】図10の(A)は、この発明の第4の実施
の形態に従った魚釣用リールの要部においてスプールが
回転していない時とスプールの回転速度がある程度の大
きさに到達するまでの間とスプールの回転速度がある程
度の大きさから減少した時の状態を実線で示し、スプー
ルがある程度の回転速度以上で高速回転している状態を
2点鎖線で示す概略的な縦断面図であり;そして、図1
0の(B)は図10の(A)のX −X 線に沿った概略的
な横断面図である。
【0091】なおこれらの断面図においては、図を明解
にする為に断面の輪郭線のみを示し断面よりも遠くの断
面でない輪郭線は適宜省略しているまた、この発明の第
4の実施の形態に従った魚釣用リールの構成の大部分は
図1乃至図4の(A)及び(B)を参照しながら前述し
たこの発明の第1の実施の形態に従った魚釣用リールの
構成の大部分と共通である。従って、前述したこの発明
の第1の実施の形態に従った魚釣用リールの構成部材と
同じ構成部材にはこの発明の第1の実施の形態に従った
魚釣用リールにおいて対応する構成部材を指摘していた
参照符号と同じ参照符号を付して、これらの同じ構成部
材についての詳細な説明は省略する。
【0092】この発明の第4の実施の形態は、スプール
10の回転速度の増減に応じて導電体15をスプール1
0の半径方向に回動させることにより導電体15に作用
する磁石16からの磁力を増減させて導電体15が設け
られているスプール10の回転速度を制御するスプール
回転速度制御手段50の構成が、前述したこの発明の第
1の実施の形態に従った魚釣用リールのスプール回転速
度制御手段26の構成と異なっている。
【0093】この実施の形態において回転速度制御手段
50は、図10の(A)及び(B)に示す如く、スプー
ル軸10aの一端部において半径方向の外方に広がった
支持台座50aと、支持台座50aにおいてリール本体
12の一方の側壁12aの複数の磁石16を向いた側面
でスプール軸10aの周囲にスプール軸10aを挟んで
配置された複数(この実施の形態では2つ)の半径方向
回動部材を上記半径方向に所定の範囲で回動可能に支持
した半径方向回動可能支持手段と、上記半径方向におい
て複数の半径方向回動部材をスプール軸10aに向かい
相互に接近するよう付勢する付勢手段50bと、を含ん
でいる。半径方向回動可能支持手段は、支持台座40a
の上記側面において複数(この実施の形態では2つ)の
導電体15の夫々の一端部を回動可能に連結した回動連
結ピン50cを有しており、半径方向回動部材は導電体
50により構成されている。付勢手段50bは、複数
(この実施の形態では2つ)の回動連結ピン50cに巻
装され両端部が支持台座50aと複数(この実施の形態
では2つ)の半径方向回動部材(導電体15)の夫々の
一端部とに連結されているねじりコイルばねにより構成
されている。
【0094】そしてキャスティング開始直後の初期にお
いてスプール10の回転速度がある程度の大きさに到達
するまではスプール軸10aとともに回転する複数の半
径方向回動部材(導電体15)に生じる遠心力は弱く、
複数の半径方向回動部材(導電体15)は付勢手段50
bの付勢力に抗してスプール軸10aの半径方向におい
て外方に向かい回動することが出来ず、図10の(A)
及び(B)に実線で示されている如くスプール軸10a
の回転中心線に接近した接近位置に配置されている。こ
の為に、複数の半径方向回動部材(導電体15)はリー
ル本体12の一側壁12aの複数の磁石16に向かいス
プール軸10aの半径方向において接近することが出来
ない。よって、複数の磁石16の磁力の作用により複数
の導電体15に渦電流は生ぜず複数の半径方向回動部材
(導電体15)を伴って回転するスプール10に制動力
は生じない。また複数の磁石16からの磁束により接近
位置の複数の半径方向回動部材(導電体15)にわずか
に渦電流が生じたとしても、上記わずかな渦電流により
生じる制動力は非常に小さい。
【0095】 スプール10の回転速度がある程度の大
きさに到達したキャスティングの中期になると、スプー
ル軸10aとともに回転する複数の半径方向回動部材
(導電体15)に生じる遠心力が大きくなり、複数の半
径方向回動部材(導電体15)は付勢手段50bの付勢
力に抗して図10の(A)及び(B)に実線で示されて
いる如くスプール軸10aの回転中心線に接近した接近
位置から図10の(A)及び(B)に2点鎖線で示され
ている如くスプール軸10aの半径方向においてスプー
ル軸10aの回転中心線から遠ざかった離間位置に向か
い回動することが出来るようになる。この為に、複数の
半径方向回動部材(導電体15)はリール本体12の一
方の側壁12aの複数の磁石16に向かいスプール軸1
0aの半径方向において序々に接近する。よって、複数
の磁石16の磁力の作用により複数の半径方向回動部材
(導電体15)に発生する渦電流の大きさは複数の磁石
16が発生する磁束を横切る複数の半径方向回動部材
(導電体15)の面積とスプール10の回転速度とに
比例して大きくなり、上記渦電流により生じる制動力も
複数の磁石16が発生する磁束を横切る複数の半径方向
回動部材(導電体15)の面積とスプール10の回転速
度とに比例して大きくなる。
【0096】 キャスティングの終期においてスプール
10の回転速度が減少し、スプール軸10aとともに回
転する複数の半径方向回動部材(導電体15)に生じる
遠心力が小さくなると、複数の半径方向回動部材(導電
体15)は付勢手段50bの付勢力により図10の
(A)及び(B)において2点鎖線で示すスプール軸1
0aの半径方向の外方の離間位置からスプール軸10a
の半径方向の内方でスプール軸10aの回転中心線に接
近した図10の(A)及び(B)に実線で示されている
前述した接近位置に向かい上記半径方向に引っ張られ
る。この為に、複数の半径方向回動部材(導電体15)
はリール本体12の一方の側壁12aの複数の磁石16
からスプール軸10aの半径方向において序々に遠ざか
る。よって、複数の磁石16の磁力の作用により複数の
半径方向回動部材(導電体15)に発生する渦電流の大
きさは複数の磁石16が発生する磁束を横切る複数の半
径方向回動部材(導電体15)の面積とスプール10の
回転速度とに比例して小さくなり、上記渦電流により
生じる制動力も複数の磁石16が発生する磁束を横切る
複数の半径方向回動部材(導電体15)の面積とスプー
ル10の回転速度とに比例して小さくなる。
【0097】キャスティング時におけるこの発明の第4
の実施の形態に従った魚釣用リールのこのような動作が
もたらす効果は、キャスティング時における前述したこ
の発明の第1の実施の形態に従った魚釣用リールの動作
がもたらす前述した効果と同じである。
【0098】なお上述した実施の形態においては、複数
の半径方向回動部材(導電体15)の重量や形状や付勢
手段50bの発生する付勢力を調整することにより、ス
プール10の回転速度の増減に対応してスプール10に
対しスプール回転速度制御手段50が発生させる制動力
を調整させることが出来、スプール10の回転速度の制
御を調整させることが出来る。
【0099】また上述した実施の形態においては、導電
体15と磁石16の位置を交換しても同じ効果を得るこ
とが出来る。即ち、導電体15をリール本体12の一方
の側壁12aの内表面に配置し、複数の半径方向回動部
材を導電体15とは別に形成し複数の半径方向回動部材
に複数の磁石16を固定する。そして複数の半径方向回
動部材を複数の磁石16により直接構成することも可能
である。
【0100】
【発明の効果】以上詳述したことから明らかなように、
この発明の魚釣用リールによれば、キャスティングの初
期や終期におけるスプールの回転速度の抑制をなくして
スプールの最高回転数が高く、最高回転数到達時間も早
く、さらにスプールの回転速度の急低下の抑制を生じさ
せ、またキャスティングの中期には磁力を利用した適度
な制動力を発生させることにより急激でない適度なスプ
ールの回転速度の抑制を生じさせて、仕掛けの飛距離を
増大させることが出来るばかりでなくバックラッシュ現
象の発生を防止することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態に従った魚釣用リ
ールの概略的な水平断面図である。
【図2】図1のII−II線に沿った概略的な横断面図であ
る。
【図3】(A)は、図1の魚釣用リールの要部において
スプールが回転していない時とスプールの回転速度があ
る程度の大きさに到達するまでの間とスプールの回転速
度がある程度の大きさから減少した時の状態を示す概略
的な縦断面図であり;(B)は、(A)のIII −III 線
に沿った概略的な横断面図である。
【図4】(A)は、図1の魚釣用リールの要部において
スプールがある程度の回転速度以上で高速回転している
状態を示す概略的な縦断面図であり;(B)は、(A)
のIV−IV線に沿った概略的な横断面図である。
【図5】(A)は、この発明の第1の実施の形態の変形
例に従った魚釣用リールの要部においてスプールが回転
していない時とスプールの回転速度がある程度の大きさ
に到達するまでの間とスプールの回転速度がある程度の
大きさから減少した時の状態を示す概略的な縦断面図で
あり;(B)は、(A)のV −V 線に沿った概略的な横
断面図である。
【図6】(A)は、この発明の第1の実施の形態の変形
例に従った魚釣用リールの要部においてスプールがある
程度の回転速度以上で高速回転している状態を示す概略
的な縦断面図であり;(B)は、(A)のVI−VI線に沿
った概略的な横断面図である。
【図7】(A)は、この発明の第2の実施の形態に従っ
た魚釣用リールの要部においてスプールが回転していな
い時とスプールの回転速度がある程度の大きさに到達す
るまでの間とスプールの回転速度がある程度の大きさか
ら減少した時の状態を示す概略的な縦断面図であり;
(B)は、(A)のVII −VII 線に沿った概略的な横断
面図である。
【図8】(A)は、この発明の第2の実施の形態に従っ
た魚釣用リールの要部においてスプールがある程度の回
転速度以上で高速回転している状態を示す概略的な縦断
面図であり;(B)は、(A)のVIII−VIII線に沿った
概略的な横断面図である。
【図9】(A)は、この発明の第3の実施の形態に従っ
た魚釣用リールの要部においてスプールが回転していな
い時とスプールの回転速度がある程度の大きさに到達す
るまでの間とスプールの回転速度がある程度の大きさか
ら減少した時の状態を実線で示し、スプールがある程度
の回転速度以上で高速回転している状態を2点鎖線で示
す概略的な縦断面図であり;(B)は、(A)のIX−IX
線に沿った概略的な横断面図である。
【図10】(A)は、この発明の第4の実施の形態に従
った魚釣用リールの要部においてスプールが回転してい
ない時とスプールの回転速度がある程度の大きさに到達
するまでの間とスプールの回転速度がある程度の大きさ
から減少した時の状態を実線で示し、スプールがある程
度の回転速度以上で高速回転している状態を2点鎖線で
示す概略的な縦断面図であり;(B)は、(A)のX −
X 線に沿った概略的な横断面図である。
【符号の説明】
10 スプール 12 リール本体 14 導電体(揺動部材) 14´ 導電体 14´´ 導電体(半径方向移動部材) 14´´´ 導電体(半径方向移動部材) 15 導電体(半径方向回動部材) 16,16´ 磁石 20 回転力伝達手段 26 スプール回転速度制御手段 26b 付勢手段 28 揺動部材 30 スプール回転速度制御手段 30d 付勢手段 40 スプール回転速度制御手段 50 スプール回転速度制御手段 50b 付勢手段

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 釣糸が解放自在に巻き付けられるスプー
    ルと; スプールを回転自在に支持しており、スプールの自由な
    回転を許容しスプールからの釣糸の放出を許容するスプ
    ール自由回転状態とスプールに回転力を伝達しスプー
    ルに釣糸を巻き取らせるスプール駆動状態とを選択的に
    設定するクラッチ付き回転力伝達手段を有したリール本
    体と; スプール及びリール本体のいずれか一方に設けられた導
    電体と; スプール及びリール本体のいずれか他方に設けられ、導
    電体に磁力を作用させることにより発生する制動力で
    プールの回転を制動する磁石と; スプールの回転速度の増減に応じて生じる遠心力を利用
    して、スプルール側に設けられた導電体または磁石のい
    ずれか一方をスプールの半径方向に移動させることによ
    り導電体に作用する前記制動力を増減させスプールの
    回転速度を制御するスプール回転速度制御手段と; を備え、前記スプール回転速度制御手段は、スプールの
    回転速度に略比例して前記制動力を調整することを特徴
    とする魚釣用リール。
  2. 【請求項2】 釣糸が解放自在に巻き付けられるスプー
    ルと; スプールを回転自在に支持しており、スプールの自由な
    回転を許容しスプールからの釣糸の放出を許容するスプ
    ール自由回転状態と、スプールに回転力を伝達しスプー
    ルに釣糸を巻き取らせるスプール駆動状態とを選択的に
    設定するクラッチ付き回転力伝達手段を有したリール本
    体と; スプール及びリール本体のいずれか一方に設けられた導
    電体と; スプール及びリール本体のいずれか他方に設けられ、導
    電体に磁力を作用させることにより発生する制動力でス
    プールの回転を制動する磁石と; スプールの回転速度の増減に応じて生じる遠心力を利用
    して、スプール側に設けられた導電体または磁石のいず
    れか一方をスプールの半径方向のみならず長手方向にお
    いても移動させることにより、導電体に作用する前記製
    動力を増減させてスプールの回転速度を制御するスプー
    ル回転速度制御手段と; を備え、前記スプール回転速度制御手段は、スプールの
    回転速度に略比例して前記制動力を調整することを特徴
    とする魚釣用リール。
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