JPH10262522A - 魚釣用リール - Google Patents

魚釣用リール

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JPH10262522A
JPH10262522A JP7839297A JP7839297A JPH10262522A JP H10262522 A JPH10262522 A JP H10262522A JP 7839297 A JP7839297 A JP 7839297A JP 7839297 A JP7839297 A JP 7839297A JP H10262522 A JPH10262522 A JP H10262522A
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braking
rotation
conductor
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Nobuyuki Yamaguchi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】キャスティング全体を通じスプール回転速度の
過剰な抑制をなくして仕掛けの飛距離を増大出来、釣糸
バックラッシュ現象の発生も防止出来る、魚釣用リール
を提供することである。 【解決手段】回転自由状態のスプールの回転速度を制御
する制御手段26が;スプール10及びリール本体12
の両者に設けられ相対位置を変化させて制動力を変化さ
せる制動手段14,16と;スプールの制動手段14と
スプール周方向及びスプール回転中心線に沿い移動自在
な移動部材28と;移動部材を上記回転中心線に沿った
一方に付勢する付勢手段32と;スプールと移動部材の
回転差で移動部材を上記回転中心線に沿った他方に上記
付勢力に抗し移動させ、上記両者の制動手段の相対位置
を変化させて制動手段がスプールの回転に対し作用する
制動力を変化させスプール回転速度を制御する、変換手
段30と;を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、スプールが自由
回転する時の回転速度を制御するスプール回転速度制御
手段を備えた魚釣用リールに関係している。
【0002】
【従来の技術】魚釣用リールにおいては、キャスティン
グをする時にはスプールが自由回転状態にされる。そし
てキャスティングが行われ仕掛けが所望の方向に飛んで
いくと、キャスティング開始直後の初期には仕掛けとと
もに釣糸がスプールから高速で引き出されることにより
スプールもまた高速で回転される。その後、仕掛けがス
プールから遠ざかるにつれて仕掛けや釣糸に作用する空
気抵抗や風等の圧力の影響により仕掛けや仕掛け近傍の
釣糸の飛行速度はスプールの周速(即ち、スプールから
放出された直後の釣糸の飛行速度)に比べて遅くなり、
さらに仕掛けが着水すると仕掛けの運動エネルギによる
釣糸の引きもなくなり、仕掛けと魚釣用リールの間の釣
糸に、いわゆるバックラッシュと呼ばれる大きな弛みが
生じる。釣糸のバックラッシュは釣糸自身の絡み合いや
釣竿や魚釣用リールや他の物体に対する釣糸の絡みを生
じさせる原因となり、また仕掛けに所望の動きをさせる
為の障害となる。
【0003】従来、キャスティングにおいてバックラッ
シュを防止する為にはスプールに対し指を接触させて摩
擦制動力を発生させることによりスプールの慣性による
過剰回転を防止することが行われていた。しかしながら
キャスティングによる仕掛けの飛翔距離を延ばしながら
バックラッシュを防止させる為に指により摩擦制動力を
調整することは、キャスティングのベテランでなくては
困難であった。
【0004】この為、近年ではキャスティングのベテラ
ンでなくてもスプールが自由回転する時の回転速度を容
易に適度に制御することが出来るスプール回転速度制御
手段が開発されており、このスプール回転速度制御手段
には大別して2つの種類がある。その一方は例えば実開
平3−79665号公報や特開平5−68455号公報
に開示されている如き自由回転するスプールに対し遠心
力を利用して摩擦力を作用させるものであり、他方は例
えば実公平6−8695号公報や実公平6−16511
号公報に開示されている如き自由回転するスプールに対
して磁力を作用させるものである。
【0005】実開平3−79665号公報に開示されて
いる如き遠心力を利用してスプールに対し摩擦力を作用
させるスプール回転速度制御手段では、スプール軸の一
端部にスプール軸の半径方向に移動自在に半径方向移動
部材が設けられていて、リール本体にはスプール軸の一
端部を覆うように裁頭円錐台形状の凹所が設けられてい
る。スプール軸の一端部の半径方向移動部材は、スプー
ルの回転により半径方向移動部材に発生する遠心力によ
りスプール軸の半径方向の外方に移動されてリール本体
の裁頭円錐台形状の凹所の内周面に摺接し摩擦力を発生
させることにより、スプールの回転速度を制御する。
【0006】特開平5−68455号公報に開示された
スプール回転速度制御手段では、遠心力による摩擦力が
2段階に利用されており、スプール軸の一端部にスプー
ル軸の半径方向に移動自在に第1の半径方向移動部材が
設けられていて、リール本体にはスプール軸の一端部を
スプール軸に対して同心的に覆うように円筒部材が回転
自在に設けられている。円筒部材の外周面にも円筒部材
の半径方向に移動自在に第2の半径方向移動部材が設け
られていて、リール本体に円筒部材の外周面を円筒部材
に対して同心的に覆うように円形状の凹所が設けられて
いる。
【0007】スプール軸の一端部の第1の半径方向移動
部材は、スプールの比較的低い回転速度により第1の半
径方向移動部材に発生する比較的小さな遠心力によりス
プール軸の半径方向の外方に移動されてリール本体の回
転自在な円筒部材の内周面に摺接し摩擦力を発生させる
ことにより、スプールの比較的低い回転速度を制御す
る。スプールの回転速度が比較的高くなり第1の半径方
向移動部材と円筒部材の内周面との間に生じる摩擦力が
大きくなると、円筒部材もスプールとともに回転を開始
し、円筒部材の第2の半径方向移動部材は、スプールの
比較的高い回転速度により第2の半径方向移動部材に発
生する比較的大きな遠心力によりスプール軸の半径方向
の外方に移動されてリール本体の円形状の凹所に摺接し
摩擦力を発生させることにより、スプールの比較的高い
回転速度を制御する。
【0008】実公平6−8695号公報に開示されてい
る磁力を利用したスプール回転速度制御手段では、スプ
ールが一端面からスプールと同心的に突出する導電体製
の円筒突起を備えていて、リール本体には相互に同心的
に配置されて相互間にスプールの円筒突起を同心的に受
け入れる2重の環状部材が設けられている。リール本体
の2重の環状部材の夫々には周方向に所定の間隔で複数
の磁石が配置されていて、スプールとともに導電体製の
円筒突起がリール本体の2重の環状部材の間で2重の環
状部材の夫々の磁石に対して相対的に回転すると渦電流
が発生し、これにより導電体製の円筒突起を伴ったスプ
ールの回転を制動する電磁力が発生される。そして、リ
ール本体の2重の環状部材の中の外側の環状部材は内側
の環状部材に対して周方向に所定の範囲で相対的に移動
自在であり、外側の環状部材をリール本体に設けられた
調整摘みにより周方向に所定の範囲で移動させると、内
側の環状部材の複数の磁石に対する外側の環状部材の複
数の磁石の相対的な位置を周方向に所定の範囲で移動さ
せることが出来、これにより内側の環状部材の複数の磁
石と外側の環状部材の複数の磁石との間に作用する磁力
の大きさを変化させ、ひいてはスプールとともに導電体
製の円筒突起がリール本体の2重の環状部材の夫々の磁
石に対して相対的に回転することにより発生させる渦電
流の大きさを変化させ、これにより導電体製の円筒突起
を伴ったスプールの回転を制動する電磁力の大きさを変
化させてスプールの回転速度を制御する。
【0009】実公平6−16511号公報に開示されて
いる磁力を利用したスプール回転速度制御手段では、ス
プールが導電体により形成されているとともに、リール
本体においてスプールの一端面に対応する部分に磁石が
配置されている。上記磁石はリール本体に設けられた調
整摘みによりスプールの回転中心線に沿った方向に所定
の範囲で移動自在であり、スプールの一端面に対する距
離を所定の範囲で変更可能である。これによりスプール
の一端面に対して作用する上記磁石の磁力の大きさを変
化させ、ひいてはスプールがリール本体の上記磁石に対
して相対的に回転することにより発生させる渦電流の大
きさを変化させ、これによりスプールの回転を制動する
電磁力の大きさを変化させてスプールの回転速度を制御
する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前述した実開平3−7
9665号公報に開示されている遠心力により発生する
摩擦力を利用したスプール回転速度制御手段では、スプ
ール軸の一端部の半径方向移動部材に作用する遠心力、
即ちスプールの回転速度、が所定の大きさ以上で半径方
向移動部材がリール本体の略裁頭円錐台形状凹所の内周
面に比較的強い押圧力を伴い摺接した時と、スプール軸
の一端部の半径方向移動部材に作用する遠心力、即ちス
プールの回転速度、が所定の大きさ以下で半径方向移動
部材がリール本体の略裁頭円錐台形状凹所の内周面に比
較的弱い押圧力を伴い摺接した時と、では、リール本体
の略裁頭円錐台形状凹所の内周面に対してスプール軸の
一端部の半径方向移動部材が発生させる摩擦制動力がス
プールの回転速度に対し2次的に変化する(遠心力によ
り発生する摩擦力はスプールの回転速度の2乗に比例す
る)ので、スプール回転速度制御手段がスプールに対し
て作用する摩擦制動力が急激に大きく変化する。この
為、キャスティングの終期にスプールの回転速度が低下
して来た時に、仕掛けの飛行速度または移動速度の低下
量と比較してスプールの回転速度の低下量が逆に急激に
少なくなって釣糸の前述したバックラッシュ現象が生じ
易くなる。従来はこのようなキャスティングの終期にお
けるバックラッシュ現象の発生は、釣竿を握った釣人の
手の指でスプールまたはスプールに巻回された釣糸の巻
回面を押さえスプールの回転速度を微妙に制御するとい
ういわゆるサミング操作により回避していたが、適切な
サミング操作の習得には熟練を要している。
【0011】遠心力により発生する摩擦力を利用したス
プール回転速度制御手段ではさらに、キャスティングが
開始されてスプールの回転速度が所定の大きさ以上にな
ると急激に摩擦制動力が大きくなり、スプールの回転速
度が急激に低下し、仕掛けの飛行速度が急激に低下す
る。即ち、仕掛けの飛行距離の低下が生じる。
【0012】即ち、遠心力により発生する摩擦力を利用
したスプール回転速度制御手段では、キャスティングに
よる飛行距離が低下し、またスプール回転速度制御手段
を有していない場合に比べると少なくなっているとはい
えバックラッシュ現象が依然として生じる。
【0013】また、前述した特開平5−68455号公
報により既に知られている2段階に摩擦力を利用したス
プール回転速度制御手段でも、スプールの所定の回転数
における摩擦制動力の変動を緩和しスプールの回転速度
の変動を緩和することは出来るが、複数の制動ユニット
を結合して順次作用させる構造なので構造が複雑であ
り、このようなスプール回転速度制御手段を備えた魚釣
り用リールの外形寸法を大きくしてしまうばかりでな
く、製造コストも上昇させてしまう。
【0014】また、前述した実公平6−8695号公報
や実公平6−16511号公報に開示されている如き磁
力を利用したスプール回転速度制御手段では、スプール
の回転速度に略比例して制動力が発生され、前述した遠
心力により発生する摩擦力を利用したスプール回転速度
制御手段の如くスプールの所定の回転速度を境に発生さ
れる制動力が大きく変化することはないので、キャステ
イングにおいてバックラッシュ現象の発生を確実に防止
することが可能となり、初心者でも安心してキャステイ
ングを行うことが出来る。
【0015】しかしながら、スプールが回転している間
は常にスプールの回転速度に応じた制動力が発生される
ので、キャステイングの終期においてスプールの回転速
度が低下して来た時に釣人が思った程の仕掛けの飛距離
の伸びが得られない。また、短い距離のキャステイング
(いわゆるショートキャスティング)を行う時にもスプ
ールは自由に回転せずにスプールの回転速度の上昇が遅
いので釣人が狙いをつける位置に仕掛けを落とすことが
難しい。
【0016】この発明は上述した種々の事情の下でなさ
れ、この発明の目的は、キャスティングの初期における
スプールの回転速度の不必要な抑制をなくしてスプール
の最高回転数を高く最高回転数到達時間も早くすること
が出来て仕掛けの飛距離を増大させることが出来、キャ
スティングの中期には適度な制動力を発生させることに
より適度なスプールの回転速度の抑制を生じさせて釣糸
のバックラッシュ現象の発生を防止することが出来るば
かりでなく仕掛けの飛距離を増大させることが出来、ま
たキャスティングの終期にはスプールの回転速度の過剰
な抑制をなくすとともにスプールの回転の減速度の急激
な緩和を生じさせないことにより仕掛けの飛距離を増大
させることが出来るばかりでなく釣糸のバックラッシュ
現象の発生を防止することが出来るスプール回転速度制
御手段を備えた、魚釣用リールを提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】上述したこの発明の目的
を達成する為に、この発明に従った魚釣用リールは:釣
糸が解放自在に巻き付けられるスプールと;スプールを
回転自在に保持しており、スプールの自由な回転を許容
しスプールからの釣糸の放出を許容するスプール自由回
転状態とスプールに回転力を伝達しスプールに釣糸を巻
き取らせるスプール駆動状態とを選択的に設定する回転
力伝達手段を有したリール本体と;スプール自由状態に
おけるスプールの回転速度を制御するスプール回転速度
制御手段と;を備えている。
【0018】そしてスプール回転速度制御手段が:スプ
ール及びリール本体の両者に設けられ、選択的に協働し
てスプールの回転を制動し、相互間の相対位置を変化さ
せることにより制動力を変化させる制動手段と;スプー
ルの回転速度の増減に応じて、スプール及びリール本体
の両者に設けられている制動手段の相互間の相対位置を
変化させることによりスプールに対する制動力を変化さ
せる位置変化手段と;を含んでいる。
【0019】さらに位置変化手段が:スプールに設けら
れている制動手段を支持し、スプールに設けられている
制動手段とともにスプールの周方向に所定の範囲で移動
自在であるとともにスプールの回転中心線に沿った方向
及びスプールの回転中心線と交差する方向の少なくとも
いずれか1つの方向に沿い移動自在である移動部材と;
移動部材を上記少なくともいずれか1つの方向に沿った
一方に付勢する付勢手段と;スプールの回転と移動部材
の回転との回転差により移動部材を上記少なくともいず
れか1つの方向に沿った他方に上記付勢手段の付勢力に
抗して移動させ、スプール及びリール本体の両者に設け
られている制動手段の相互間の相対位置を変化させて制
動手段がスプールの回転に対して作用する制動力を変化
させてスプールの回転速度を制御する、変換手段と;を
備えている。
【0020】ここにおいては、キャスティング開始直後
の初期においてスプールの回転速度が比較的大きくなる
までの間は、スプール回転速度制御手段の位置変化手段
の変換手段は、スプールの回転と移動部材の回転との回
転差により移動部材を、付勢手段の付勢力に抗して、ス
プールに設けられている制動手段とともにスプールの回
転中心線に沿った方向及びスプールの回転中心線と交差
する方向の少なくともいずれか1つの方向に沿い移動さ
せることが出来ない。従って、スプール回転速度制御手
段は、スプール及びリール本体の両者に設けられている
制動手段の相互間の相対位置を変化させることが出来
ず、制動手段がスプールの回転に対して作用する制動力
を変化させてスプールの回転速度を制御することが出来
ない。この為に、スプールに対する制動力を小さくしス
プールに対する不必要な制動力の負荷をなくすことが出
来るので、スプールからの釣糸の放出速度を高めること
が出来て仕掛けの飛距離を向上させることが出来る。
【0021】またキャスティング開始直後の初期におけ
るスプールの回転速度の急上昇期を過ぎてスプールの回
転速度が最も大きくなる中間期になると、スプール回転
速度制御手段の位置変化手段の変換手段は、スプールの
回転と移動部材の回転との回転差により移動部材を、付
勢手段の付勢力に抗して、スプールに設けられている制
動手段とともにスプールの回転中心線に沿った方向及び
スプールの回転中心線と交差する方向の少なくともいず
れか1つの方向に沿い移動させることが出来る。従っ
て、スプール回転速度制御手段はスプール及びリール本
体の両者に設けられている制動手段の相互間の相対位置
を変化させることが出来、制動手段がスプールの回転に
対して作用する制動力を変化させてスプールの回転速度
を制御することが出来る。この為に、スプールに対する
制動力を適度に増加させて風圧や重力等の影響による仕
掛けや釣糸の飛行速度の低下に対応してスプールの回転
速度を適度に抑制させてバックラッシュ現象の発生を防
止することが出来る。しかしながら、バックラッシュ現
象の発生を防止するという目的を達成するのに必要な以
上の不必要な制動力の負荷はなくすことが出来るので、
スプールからの釣糸の放出速度が不必要に抑制されず仕
掛けの飛距離を向上させることが出来る。
【0022】さらにキャスティングの終期においてスプ
ールの回転速度が比較的小さくなってくると、スプール
回転速度制御手段の位置変化手段の変換手段は、スプー
ルの回転と移動部材の回転との回転差により移動部材
を、付勢手段の付勢力に抗して、スプールに設けられて
いる制動手段とともにスプールの回転中心線に沿った方
向及びスプールの回転中心線と交差する方向の少なくと
もいずれか1つの方向に沿い移動させることが出来なく
なる。従って、スプール回転速度制御手段の移動部材は
付勢手段の付勢力によりキャスティングの初期の時の相
対位置に序々に復帰させられ、スプール及びリール本体
の両者に設けられている制動手段の相互間の相対位置を
キャスティングの初期の時の相対位置に序々に復帰さ
せ、制動手段がスプールの回転に対して作用する制動力
を変化させてスプールの回転速度を制御することが出来
る。これによりスプールに対して制動部材が作用する制
動力は序々に低下し、スプールからの釣糸の放出速度の
過剰な低下を抑制することが出来る。
【0023】このように本願発明の魚釣用リールにおい
ては、キャスティング開始直後の初期及び終期において
釣糸の放出に伴うスプールの回転速度が前述した従来の
磁力のみを利用したスプール回転速度制御手段を利用し
た魚釣用リールの場合よりも大きい。またキャスティン
グ開始直後の初期におけるスプールの回転速度の急上昇
期を過ぎてスプールの回転速度が最も大きくなる中間期
(スプール高速回転状態時期)までの最高回転数到達時
間が早く、またスプールの最高回転数は、従来の遠心力
により発生する摩擦力のみを利用したスプール回転速度
制御手段を利用した魚釣用リールの場合よりも当然大き
く、従来の磁力のみを利用したスプール回転速度制御手
段を利用した魚釣用リールの場合と比べてもキャスティ
ングの開始直後の初期におけるスプールの回転速度が大
きいのでさらに大きくなる。
【0024】従って、キャスティング開始直後の初期か
ら終期までのキャスティングの全体を通した仕掛けの飛
翔距離を、従来の遠心力を利用して発生される摩擦力の
みを利用したスプール回転速度制御手段を利用した魚釣
用リール及び従来の磁力のみを利用したスプール回転速
度制御手段を利用した魚釣用リールの夫々の場合に比
べ、増加させることが出来る。
【0025】しかも、本願発明の魚釣用リールでのキャ
スティングの終期におけるスプールに対して作用する制
動力は、従来の遠心力を利用して発生される摩擦力のみ
を利用したスプール回転速度制御手段を利用した魚釣用
リールとは異なり、急激な減少が抑制されて緩やかに減
少するので、キャスティングの終期において釣糸のバッ
クラッシュをもたらす釣糸の放出速度に対するスプール
の過回転現象を防止出来、キャスティングの終期におけ
る釣糸のバックラッシュの防止の為のスプールの回転速
度の指による微妙な制御が不要となる。
【0026】なお仕掛けが着水して仕掛けが引っ張る釣
糸の引っ張り速度が急激に減少した後は上記引っ張り速
度に対するスプールの過回転現象が生じて釣糸のバック
ラッシュが生じる可能性があるが、仕掛けが着水して釣
糸の引っ張り速度が急激に減少した後はスプールの回転
が仕掛けの飛距離の増減とは無関係になるのでスプール
の回転を単に停止させて釣糸のバックラッシュを防止す
れば良く、釣糸のバックラッシュの防止の為のスプール
の回転速度の指による制御が熟練者でなくとも容易であ
る。
【0027】上述した如く構成されたことを特徴とする
この発明に従った魚釣用リールにおいては、スプール及
びリール本体の両者に設けられた制動手段が磁石と導電
体を含んでおり、磁石と導電体との相互間の相対位置が
変化されることにより磁石が導電体に対して作用する磁
力を変化させ、上記相互間に生じる制動力を変化させ
る、ことが出来る。
【0028】上述した如く構成されたことを特徴とする
この発明に従った魚釣用リールにおいてはまた、スプー
ルに設けられた制動手段が移動部材に支持されてスプー
ルの半径方向に移動自在な半径方向移動制動片を有して
おり、リール本体に設けられた制動手段が移動部材の移
動の範囲で上記半径方向の外方から半径方向移動制動片
を取り囲みスプールの回転により生じる遠心力で半径方
向移動制動片が摺接して制動摩擦力を発揮し移動部材の
移動の方向において摩擦係数を変化させている環状制動
部材と、を含んでいる、ことが出来る。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、この発明の種々の実施の形
態及びこれらの変形例に従った魚釣用リールを添付の図
面を参照しながら詳細に説明する。
【0030】[第1の実施の形態]まず最初に添付の図
1乃至図5を参照しながら、この発明の第1の実施の形
態に従った魚釣用リールについて詳細に説明する。
【0031】図1はこの発明の第1の実施の形態に従っ
た魚釣用リールの概略的な水平断面図であり;図2は図
1のII−II線に沿った概略的な横断面図であり;図3は
図1のIII −III 線に沿った概略的な横断面図であり;
図4の(A)は図1の魚釣用リールの要部においてスプ
ールが回転していない時とスプールの回転速度がある程
度の大きさに到達するまでの間とスプールの回転速度が
ある程度の大きさから減少した時の状態を示す概略的な
縦断面図であり;図4の(B)は図4の(A)のIV−IV
線に沿った概略的な横断面図であり;図5は図1の魚釣
用リールの要部においてスプールがある程度の回転速度
以上で高速回転している状態を示す概略的な縦断面図で
ある。
【0032】なおこれらの断面図においては、図を明解
にする為に断面の輪郭線のみを示し断面よりも遠くの断
面でない輪郭線は適宜省略している。
【0033】図1に示す如く、この発明の第1の実施の
形態に従った魚釣用リールは、図示しない釣糸が解放自
在に巻き付けられるスプール10と、スプール10のス
プール軸10aの両端部を軸受13a,13bを介して
回転自在に支持しスプール10を回転自在に保持したリ
ール本体12と、を備えている。
【0034】スプール軸10aの一端部には、スプール
10の一端面とスプール10の一端面から突出したスプ
ール軸10aの一端部(図1では右端部)を回転自在に
支持した軸受13aとの間に例えばアルミニウムや銅等
の導電体14が設けられていて、リール本体12におい
てスプール軸10aの一端部を回転自在に支持した軸受
13aが設置されている一方の側壁12aにはスプール
軸10aの一端部の導電体14に対応して複数の磁石1
6が設置されている。
【0035】スプール10の他端面から突出したスプー
ル軸10aの他端部(図1では左端部)を回転自在に支
持した軸受13bが設置されている他方の側壁12bに
は,ハンドル18が回転自在に設けられているととも
に、ハンドル18から入力された回転力をスプール軸1
0aの他端部に選択的に伝達するクラッチ付き回転力伝
達手段20も設けられている。クラッチ付き回転力伝達
手段20は、図示しない操作釦を介してクラッチを操作
することにより、スプール軸10aの自由な回転を許容
しスプール10からの上述した図示しない釣糸の放出
(図1に矢印Sで釣糸放出方向を示す)を許容するスプ
ール自由回転状態と、ハンドル18から入力された回転
力をスプール軸10aの他端部を介してスプール10に
伝達しスプール10に上述した図示しない釣糸を図1に
矢印Sで示された釣糸放出方向とは正反対の方向に巻き
取らせるスプール駆動状態と、を選択的に設定可能であ
る。そしてこのようなクラッチ付き回転力伝達手段20
の構成は公知なので、その構成についての説明は省略す
る。
【0036】図1及び図2に示す如く、リール本体12
の一方の側壁12aの複数の磁石16は所定の位置に配
置された導電体14に対して磁石16から作用する磁力
の大きさを調整する為の磁力調整手段21を介して一方
の側壁12aに取り付けられている。この実施の形態で
は、磁力調整手段21はスプール軸10aに対して同心
的に配置された2重の円環22a,22bを含んでい
て、複数の磁石16は2重の円環22a,22b上に配
置されて2重の円環22a,22bにおいて夫々の周方
向に所定の間隔で相互に離間している。なお内方の円環
22aの複数の磁石16は内方の円環22aの半径方向
の外方を向いた磁極が隣り合う磁石において相互に異な
るよう配置されており、外方の円環22bの複数の磁石
16もまた外方の円環22bの半径方向の内方を向いた
磁極が隣り合う磁石において相互に異なるよう配置され
ている。
【0037】内方の円環22aは一方の側壁12aに固
定されているが、外方の円環22bは一方の側壁12a
に設置されている磁力調整摘み24を一方あるいは他方
に回動させることにより内方の円環22aの磁極に対向
する外方の円環22bの磁極を変えて導電体14に作用
する磁力の強弱を調整する。即ち、内方の円環22aの
複数の磁石16の半径方向外端の磁極に対して外方の円
環22bの複数の磁石16の中で内方の円環22aの複
数の磁石16の半径方向外端の磁極とは異なる磁極の半
径方向内端を対向させて内方の円環22aの複数の磁石
16の半径方向外端の磁極と外方の円環22bの半径方
向内端の磁極とが相互に最大の吸引磁力発生させる吸引
磁力相互作用最大状態と、内方の円環22aの複数の磁
石16の半径方向外端の磁極に対して外方の円環22b
の複数の磁石16の中で内方の円環22aの複数の磁石
16の半径方向外端の磁極と同じ磁極の半径方向内端を
対向させて内方の円環22aの複数の磁石16の半径方
向外端の磁極と外方の円環22bの半径方向内端の磁極
とが相互に最大の反発磁力発生させる反発磁力相互作用
最大状態と、の間で内方の円環22aの複数の磁石16
に対して外方の円環22bの複数の磁石16の相対的な
位置を変えることにより、導電体14に作用する磁力の
強弱を調整し、公知のようにスプール10に対する制動
力を調整することが出来る。
【0038】図1に示す如く、導電体14は、スプール
10の回転速度の増減に応じてリール本体12の一方の
側壁12aの複数の磁石16が導電体14に作用する磁
力を増減させて導電体14が設けられているスプール1
0の回転速度を制御するスプール回転速度制御手段26
を介してスプール軸10aの一端部に設けられている。
【0039】スプール回転速度制御手段26は、図4の
(A)に特に良く示す如く、スプール軸10aの一端部
上にスプール軸10aの回転中心線に沿った方向(即
ち、長手方向)に移動自在であるとともにスプール軸1
0aの周方向にもスプール軸10aに対して相対的に回
転するよう設置された移動部材28を備えている。導電
体14は円筒形状をしており、導電体14の磁石16と
は反対側の端部が移動部材28にスプール軸10aに対
して同心的に固定されている。
【0040】なおこの実施の形態では、導電体14と移
動部材28とは導電体14の材料で相互に一体に形成さ
れているが、これらは相互に別体に形成された後に相互
に固定されて形成することも出来る。
【0041】導電体14の自由端部は、図2及び図4の
(A)に示す如く、リール本体12の一方の側壁12a
の同心的な2重の円環22a,22bの間の環状隙間に
対向している。
【0042】図4の(A)に示す如く移動部材28には
スプール軸10aの回転中心線に沿った方向に延出する
につれてスプール軸10aの周方向に向きを変える弧状
のカム溝30aが形成されており、このカム溝30aに
は図3と図4の(A)及び(B)とに示す如くスプール
軸10aの一端部に固定されたカム突起30bが挿入さ
れて変換手段30を構成している。この実施の形態にお
いてカム溝30aは、リール本体12の一方の側壁12
aの側からスプール10の一端面に向かい上記回転中心
線に沿って進行するにつれて時計回り方向に弧状に延出
している。
【0043】図4の(A)に示す如く、導電体14が設
けられた移動部材28は付勢手段32によりスプール軸
10aの一端部上でスプール10の前述した一端面に対
向したリール本体12の一方の側壁12aの部分の複数
の磁石16から遠ざかるよう付勢されている。この実施
の形態において付勢手段32は、スプール軸10aの一
端部上で移動部材28とスプール10の一端面との間に
巻装された引張コイルばねにより構成されている。
【0044】付勢手段34により付勢された移動部材2
8は、図4の(A)に示す如く、カム溝30aにおいて
リール本体12の一方の側壁12aの側の端にスプール
軸10a上のカム突起30bが当接することによりスプ
ール軸10aの一端部上でスプール10の前述した一端
面に隣接して配置され、移動部材28上の導電体14の
自由端部はリール本体12の一方の側壁12aの同心的
な2重の円環22a,22bの間の環状隙間から離脱し
ている。
【0045】次には、上述した如く構成されているこの
発明の第1の実施の形態に従った魚釣用リールの動作に
ついて説明する。
【0046】この発明の第1の実施の形態に従った魚釣
用リールが取り付けられた釣竿をキャスティングの為に
振ると、水面上の目的地点に向かい飛翔する図示しない
仕掛けにより図示しない釣糸が引っ張られることにより
スプール10が所定の方向(この第1の実施の形態では
図4の(A)に矢印Xで示す方向)に回転を開始する。
また移動部材28はカム溝30aとカム突起30bとの
係合によりスプール軸10aの回転に追従し、カム溝3
0aとカム突起30bとの作用により付勢手段32の付
勢力に抗して図4の(A)に示すスプール10の一端面
の近傍の初期位置からリール本体12の一方の側壁12
aに向かいスプール軸10aの回転中心線に沿い移動し
ようとする。
【0047】キャスティング開始直後の初期においてス
プール10の回転速度がある程度の大きさに到達するま
では、スプール10の回転エネルギが小さく移動部材2
8はカム溝30aとカム突起30bとの作用では付勢手
段32の付勢力に抗して図4の(A)に示す如きスプー
ル10の一端面の近傍の初期位置からリール本体12の
一方の側壁12aに向かいスプール軸10aの回転中心
線に沿い移動することが出来ない。この為に、移動部材
28はリール本体12の一側壁12aの複数の磁石16
に向かい接近することが出来ず、移動部材28に固定さ
れた円筒形状の導電体14の自由端部は、リール本体1
2の一方の側壁12aの複数の磁石16が配置された2
重の円環22a,22bの相互間の円環状の隙間に突入
しない。よって、複数の磁石16の磁力の作用により導
電体14に渦電流は生ぜず導電体14を伴って回転する
スプール10に制動力は生じない。また複数の磁石16
の相互からの漏れ磁束により導電体14にわずかに渦電
流が生じたとしても、上記わずかな渦電流により生じる
制動力は非常に小さい。
【0048】この為に、キャスティング開始直後の初期
においてスプール10の回転速度がある程度の大きさに
到達するまでは実質的に制動力が作用しないので、スプ
ール10の初期回転速度を上昇させることが出来、キャ
スティング開始直後の初期における仕掛けの飛距離、ひ
いてはキャスティング開始直後から終了までの全体にお
ける仕掛けの飛距離、を向上させることが出来る。この
間に上昇されるスプール10の回転速度は、遠心力によ
り発生される制動力を利用したスプール回転速度制御手
段を備えた従来の魚釣用リールの場合よりも高くなるの
は当然であり、しかも磁力のみを利用したスプール回転
速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場合よりも
高くなる。なぜならば、磁力のみを利用したスプール回
転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場合に
は、スプール10の回転が開始された時点からスプール
10の回転速度の上昇に略比例して磁力が発生させる制
動力も大きくなるからである。そしてキャスティング開
始直後の初期においてスプール10の回転速度がある程
度の大きさに到達するまでの図示しない仕掛けの飛距離
が、遠心力により発生する摩擦力のみを利用したスプー
ル回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場合
よりも伸びるのはいうまでもなく、磁力のみを利用した
スプール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リール
の場合よりも伸びる。
【0049】スプール10の回転速度がある程度の大き
さに到達したキャスティングの中期になると、スプール
10の回転エネルギはカム溝30aとカム突起30bと
の作用により付勢手段32の付勢力に抗して図4の
(A)に示す如きスプール10の一端面の近傍の初期位
置からリール本体12の一方の側壁12aに向かいスプ
ール軸10aの回転中心線に沿い移動部材28を移動さ
せるほど大きくなる。この為に、移動部材28はリール
本体12の一側壁12aの複数の磁石16に向かい序々
に接近し、移動部材28に固定された円筒形状の導電体
14の自由端部は、図5に示す如くスプール本体12の
一方の側壁12aの複数の磁石16が配置された2重の
円環22a,22bの相互間の円環状の隙間に序々に突
入して、2重の円環22a,22bの複数の磁石16と
の重複量が多くなり、複数の磁石16が発生する磁束を
横切る導電体14の面積が序々に増加する。よって、複
数の磁石16の磁力の作用により導電体14に発生する
渦電流が増加し導電体14を伴って回転するスプール1
0に作用する制動力が増加する。
【0050】なおリール本体12の一側壁12aの複数
の磁石16に向かう移動部材28の上述した移動は、図
5に示す如く、カム突起30bがカム溝30aにおいて
スプール10の一端面の近傍に位置する端に当接するこ
とにより規制される。
【0051】よって、複数の磁石16の磁力の作用によ
り導電体14に発生する渦電流の大きさは複数の磁石1
6が発生する磁束を横切る導電体14の面積とスプール
10の回転速度とに比例して大きくなり、上記渦電流に
より生じる制動力も複数の磁石16が発生する磁束を横
切る導電体14の面積とスプール10の回転速度とに比
例して大きくなる。
【0052】この際に生じる制動力は、磁力のみを利用
したスプール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リ
ールの場合と同様に、遠心力により発生する摩擦力を利
用したスプール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用
リールの場合よりも少ない。従って、上述した如く上記
キャスティングの初期におけるスプールの回転速度が磁
力のみを利用したスプール回転速度制御手段を備えた従
来の魚釣用リールの場合よりも高くなるので、上記キャ
スティングの初期から中期にかけてのスプールの回転速
度も磁力のみを利用したスプール回転速度制御手段を備
えた従来の魚釣用リールの場合よりも高くなり、当然の
ことながら遠心力により発生する摩擦力を利用したスプ
ール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場
合よりも格別に高くなる。
【0053】即ち、上述したキャスティングの初期から
スプール10の回転速度がある程度の大きさに到達した
後の中期までの図示しない仕掛けの飛距離が、磁力のみ
を利用したスプール回転速度制御手段を備えた従来の魚
釣用リールの場合や遠心力により発生される摩擦力のみ
を利用したスプール回転速度制御手段を備えた従来の魚
釣用リールの場合よりも伸びる。
【0054】しかも、後で大きな釣糸のバックラッシュ
を生じさせる原因となるスプール10の過大な回転速度
は、スプール10の導電体14とリール本体12の一方
の側壁12aの複数の磁石16との組み合わせにより上
述した如く生じる適度な制動作用で充分に抑制される。
【0055】キャスティングの終期においてスプール1
0の回転速度が減少し、スプール10の回転エネルギが
低下してくると、移動部材28はカム溝30aとカム突
起30bとの作用では付勢手段32の付勢力に打ち勝つ
ことが出来ず、付勢手段32の付勢力により図5に示す
如くリール本体12の一方の側壁12aの複数の磁石1
6に接近した位置から図4の(A)に示す如くスプール
10の一端面の近傍の初期位置に向かいスプール軸10
aの回転中心線に沿い序々に引き寄せられる。この為
に、移動部材28はリール本体12の一側壁12aの複
数の磁石16から序々に遠ざかり、移動部材28に固定
された円筒形状の導電体14の自由端部はリール本体1
2の一方の側壁12aの複数の磁石16が配置された2
重の円環22a,22bの相互間の円環状の隙間から序
々に抜け出し、複数の磁石16が発生する磁束を横切る
導電体14の面積が序々に減少させる。
【0056】よって、複数の磁石16の磁力の作用によ
り導電体14に発生する渦電流の大きさは複数の磁石1
6が発生する磁束を横切る導電体14の面積とスプール
10の回転速度とに比例して小さくなり、上記渦電流に
より生じる制動力も複数の磁石16が発生する磁束を横
切る導電体14の面積とスプール10の回転速度とに比
例して小さくなる。
【0057】この際に生じる制動力は磁力のみを利用し
たスプール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リー
ルの場合よりは少なく、また遠心力により発生する摩擦
力を利用したスプール回転速度制御手段を備えた従来の
魚釣用リールの場合の如き急激な制動力の減少が生じな
い。従って、上記キャスティングの終期においてスプー
ルに生じる回転速度は、磁力のみを利用したスプール回
転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場合より
も高く、しかも遠心力により発生する摩擦力を利用した
スプール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リール
の場合のように回転速度の減少率が急激に低下すること
がない。
【0058】即ち、上述したキャスティングの終期にお
いてスプール10の回転速度が序々に減少してきた時の
図示しない仕掛けの飛距離が、磁力のみを利用したスプ
ール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場
合や遠心力により発生する摩擦力のみを利用したスプー
ル回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場合
よりも伸びる。
【0059】しかも、仕掛けの飛行速度に対して後で大
きな釣糸のバックラッシュを生じさせる原因となるスプ
ール10の過大な回転速度は上述した如くキャスティン
グの中期において適度に抑制されており、またキャステ
ィングの終期においてスプール10の回転速度の減少率
が遠心力により発生される摩擦力を利用したスプール回
転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場合のよ
うに急激に低下しないので、図示しない仕掛けが着水し
た後に、図示しない仕掛けの着水により生じる図示しな
い釣糸の引っ張り速度の急激な低下とスプール10の回
転の慣性により図示しない釣糸にバックラッシュ現象が
生じそうになった場合でも、ベテランでなくとも例えば
指をスプールまたはスプールに巻き付けられた釣糸の巻
回面に軽く押しつけるだけの比較的簡単な操作で容易に
図示しない釣糸のバックラッシュ現象を防止することが
出来、キャスティングにおける釣糸の放出操作が容易と
なる。
【0060】なお図1乃至図5を参照しながら上述した
第1の実施の形態では、スプール10に設けられた導電
体14とリール本体12の一方の側壁12aに設けられ
た複数の磁石16とが、選択的に協働してスプール10
の回転を制動しスプール軸10aの回転中心線に沿った
方向における相互間の相対位置を変化させることにより
制動力を変化させる制動手段を構成している。
【0061】また、スプール10に設けられている制動
手段としての導電体14を支持し、スプール10に設け
られている制動手段としての導電体14とともにスプー
ル10の周方向に所定の範囲で移動自在であるとともに
スプール10の回転中心線に沿った方向に沿い移動自在
である移動部材28と;移動部材28をスプール10の
回転中心線に沿った方向に沿った一方に付勢する付勢手
段32と;スプール10の回転と移動部材28の回転と
の回転差により移動部材28をスプール10の回転中心
線に沿った他方に付勢手段32の付勢力に抗して移動さ
せ、スプール10及びリール本体12の両者に設けられ
ている制動手段としての導電体14及び複数の磁石16
の相互間の相対位置を変化させて制動手段としての導電
体14及び複数の磁石16がスプール10の回転に対し
て作用する制動力を変化させてスプール10の回転速度
を制御する、変換手段30としてのカム溝30a及びカ
ム突起30bと;が、スプール10の回転速度の増減に
応じてスプール10及びリール本体12の両者に設けら
れている制動手段としての導電体14と複数の磁石16
との相互間の相対位置をスプール10の回転中心線に沿
った方向に沿い変化させることによりスプール10に対
する制動力を変化させる位置変化手段を構成している。
【0062】[第1の実施の形態の変形例]次は、添付
の図6を参照しながら、この発明の第1の実施の形態の
変形例に従った魚釣用リールについて詳細に説明する。
【0063】図6はこの発明の第1の実施の形態の変形
例に従った魚釣用リールの要部においてスプールが回転
していない時、又はスプールが比較的低速度で回転して
いる状態を実線で示し、スプールの回転速度がある程度
の大きさ以上で高速回転している状態を示す2点鎖線で
示す概略的な縦断面図である。
【0064】なおこの断面図においては、図を明解にす
る為に断面の輪郭線のみを示し断面よりも遠くの断面で
ない輪郭線は適宜省略している。
【0065】また、この発明の第1の実施の形態の変形
例に従った魚釣用リールの構成の大部分は図1乃至図5
を参照しながら前述したこの発明の第1の実施の形態に
従った魚釣用リールの構成の大部分と共通である。従っ
て、前述したこの発明の第1の実施の形態に従った魚釣
用リールの構成部材と同じ構成部材にはこの発明の第1
の実施の形態に従った魚釣用リールにおいて対応する構
成部材を指摘していた参照符号と同じ参照符号を付し
て、これらの同じ構成部材についての詳細な説明は省略
する。
【0066】この変形例において前述した第1の実施の
形態と異なっているのは、付勢手段32´がスプール軸
10aの一端部上でリール本体12の一方の側壁12a
の近傍に固定された係止リング34と移動部材28との
間に巻装されていることである。付勢手段32´は移動
部材28をスプール10の一端面に向かい付勢してお
り、この実施の形態では圧縮コイルばねにより構成され
ている。
【0067】この第1の実施の形態の変形例の動作は前
述した第1の実施の形態の動作と基本的に同じであり、
この第1の実施の形態の変形例に従った魚釣用リールは
前述の第1の実施の形態に従った魚釣用リールと同じ効
果を発揮することが出来る。即ち、第1の実施の形態の
変形例の動作は前述した第1の実施の形態の動作と以下
の点でのみ異なる。
【0068】図1乃至図5を参照しながら前述した第1
の実施の形態では引っ張りコイルばねにより構成された
付勢手段32が、スプール10の回転が上昇し変換手段
30の作用により移動部材28が導電体14とともに付
勢手段32の付勢力に抗して図4の(A)に示す初期位
置から図5に示す如くリール本体12の一方の側壁12
aの近傍に向かい移動する間に引き伸ばされ、スプール
10の回転が下降し移動部材28が導電体14とともに
付勢手段32の付勢力により図5に示すリール本体12
の一方の側壁12aの近傍の作動位置から図4の(A)
に示す初期位置に向かい引き戻され移動する間に収縮す
る。
【0069】これに図6に示されている第1の実施の形
態の変形例では圧縮コイルばねにより構成された付勢手
段32´が、スプール10の回転が上昇し変換手段30
の作用により移動部材28が導電体14とともに付勢手
段32´の付勢力に抗して図6に実線で示す初期位置か
ら図6に2点鎖線で示されたリール本体12の一方の側
壁12aの近傍の位置に向かい移動する間に圧縮され、
スプール10の回転が下降し移動部材28が導電体14
とともに付勢手段32´の付勢力により図6に2点鎖線
で示されたリール本体12の一方の側壁12aの近傍の
位置から図6に実線で示された初期位置に向かい押し戻
され移動する間に伸びる。
【0070】[第2の実施の形態]次は、添付の図7の
(A)及び(B)を参照しながら、この発明の第2の実
施の形態に従った魚釣用リールについて詳細に説明す
る。
【0071】図7の(A)はこの発明の第2の実施の形
態に従った魚釣用リールの要部においてスプールが回転
していない時、又はスプールが比較的低速度で回転して
いる状態を示す概略的な縦断面図であり;そして、図7
の(B)は図7の(A)の魚釣用リールの要部において
スプールの回転速度がある程度の大きさ以上で高速回転
している状態を示す概略的な縦断面図である。
【0072】なおこれらの断面図においては、図を明解
にする為に断面の輪郭線のみを示し断面よりも遠くの断
面でない輪郭線は適宜省略している。
【0073】また、この発明の第2の実施の形態に従っ
た魚釣用リールの構成の大部分は図1乃至図5を参照し
ながら前述したこの発明の第1の実施の形態に従った魚
釣用リールの構成の大部分と共通なので、前述したこの
発明の第1の実施の形態に従った魚釣用リールの構成部
材と同じ構成部材にはこの発明の第1の実施の形態に従
った魚釣用リールにおいて対応する構成部材を指摘して
いた参照符号と同じ参照符号を付して、これらの同じ構
成部材についての詳細な説明は省略する。
【0074】この第2の実施の形態において前述した第
1の実施の形態と異なっているのは:回転速度制御手段
26の移動部材28に固定されている導電体14´が、
スプール軸10aの半径方向の外方に向かいスプール軸
10aの回転中心線に対して同心的に張り出した円板形
状をしていることであり;リール本体12の一方の側壁
12aの内表面において複数の磁石16´がスプール軸
10aの回転中心線に対する同心円上にスプール軸10
aの周方向に略等間隔に配置されて上記回転中心線に沿
った方向において円板形状の導電体14´に対面してい
ることであり;さらには、磁力調整手段21が、リール
本体12の一方の側壁12aの内表面において複数の磁
石16´をスプール軸10aの回転中心線に対する同心
円上でスプール軸10aの周方向に略等間隔に支持して
いる円環22を有しており、円環22が上記内表面に螺
合されていて図1に示す如くリール本体12の一方の側
壁12aの外表面に配置されている磁力調整摘24を一
方向または他方向に回転させることにより上記回転中心
線の回りに一方向または他方向に回転させられて上記回
転中心線に沿った方向において一方または他方に移動さ
れ、この移動によりスプール軸10aの一端部上で静止
している移動部材28に支持されている円板形状の導電
体14´に対するリール本体12の一方の側壁12aに
設けられた円環22に支持されている複数の磁石16´
の相対位置を変化させることである。
【0075】このような磁力調整手段21においては、
スプール軸10aとともに所定の回転数で回転していて
上記回転中心線に沿った方向における位置が安定してい
る導電体14´に対して複数の磁石16´から作用する
磁力の大きさを調整することが出来る。
【0076】この第2の実施の形態の導電体14´と複
数の磁石16´との組み合わせの動作は、前述した第1
の実施の形態の導電体14と複数の磁石16との組み合
わせの動作と基本的に同じであり、この第2の実施の形
態に従った魚釣用リールは前述の第1の実施の形態に従
った魚釣用リールと同じ効果を発揮することが出来る。
【0077】即ち、この発明の第2の実施の形態に従っ
た魚釣用リールが取り付けられた釣竿をキャスティング
の為に振ると、キャスティングの初期においてスプール
10の回転速度がある程度の大きさに到達するまでは、
スプール10の回転エネルギが小さく移動部材28はカ
ム溝30aとカム突起30bとの作用により付勢手段3
2の付勢力に抗して図7の(A)に示すスプール10の
一端面の近傍の初期位置からリール本体12の一方の側
壁12aに向かいスプール軸10aの回転中心線に沿い
移動することが出来ない。この為に、移動部材28はリ
ール本体12の一方の側壁12aの複数の磁石16´に
向かい接近することが出来ない。よって、複数の磁石1
6´の磁力の作用により導電体14´に渦電流は生ぜず
導電体14´を伴って回転するスプール10に制動力は
生じない。また複数の磁石16´の相互からの漏れ磁束
により導電体14´にわずかに渦電流が生じたとして
も、上記わずかな渦電流により生じる制動力は非常に小
さい。
【0078】この為に、キャスティング開始直後の初期
においてスプール10の回転速度がある程度の大きさに
到達するまでは実質的に制動力が作用しないので、スプ
ール10の初期回転速度を上昇させることが出来、キャ
スティング開始直後の初期における仕掛けの飛距離、ひ
いてはキャスティング開始直後から終了までの全体にお
ける仕掛けの飛距離、を向上させることが出来る。この
間に上昇されるスプール10の回転速度は、遠心力によ
り発生される制動力を利用したスプール回転速度制御手
段を備えた従来の魚釣用リールの場合よりも高くなるの
は当然であり、しかも磁力のみを利用したスプール回転
速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場合よりも
高くなる。そしてキャスティング開始直後の初期におい
てスプール10の回転速度がある程度の大きさに到達す
るまでの図示しない仕掛けの飛距離が、遠心力により発
生する摩擦力のみを利用したスプール回転速度制御手段
を備えた従来の魚釣用リールの場合よりも伸びるのはい
うまでもなく、磁力のみを利用したスプール回転速度制
御手段を備えた従来の魚釣用リールの場合よりも伸び
る。
【0079】スプール10の回転速度がある程度の大き
さに到達したキャスティングの中期になると、スプール
10の回転エネルギはカム溝30aとカム突起30bと
の作用により付勢手段32の付勢力に抗して図7の
(A)に示すスプール10の一端面の近傍の初期位置か
らリール本体12の一方の側壁12aに向かいスプール
軸10aの回転中心線に沿い移動部材28を移動させる
ほど大きくなる。この為に、移動部材28はリール本体
12の一側壁12aの複数の磁石16´に向かい序々に
接近し、導電体14´に作用する複数の磁石16´が発
生する磁束の密度が序々に高くなる。よって、複数の磁
石16´の磁力の作用により導電体14´に生じる渦電
流が増加し導電体14´を伴って回転するスプール10
に作用する制動力が増加する。
【0080】なおこの実施の形態においてもリール本体
12の一側壁12aの複数の磁石16´に向かう移動部
材28の上述した移動は、図4の(B)に示す如く、カ
ム突起30bがカム溝30aにおいてスプール10の一
端面の近傍に位置する端に当接することにより規制され
る。
【0081】よって、複数の磁石16´の磁力の作用に
より導電体14´に発生する渦電流の大きさは導電体1
4´に作用する複数の磁石16´からの磁束の密度とス
プール10の回転速度とに比例して大きくなり、上記渦
電流により生じる制動力も導電体14´に作用する複数
の磁石16´からの磁束の密度とスプール10の回転速
度とに比例して大きくなる。
【0082】この際に生じる制動力は、磁力のみを利用
したスプール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リ
ールの場合と同様に、遠心力により発生する摩擦力を利
用したスプール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用
リールの場合よりも少ない。従って、上記キャスティン
グの初期から中期にかけてのスプールの回転速度も磁力
のみを利用したスプール回転速度制御手段を備えた従来
の魚釣用リールの場合よりも高くなり、当然のことなが
ら遠心力により発生する摩擦力を利用したスプール回転
速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場合よりも
格別に高くなる。
【0083】即ち、上述したキャスティングの初期から
スプール10の回転速度がある程度の大きさに到達した
後の中期までの図示しない仕掛けの飛距離が、磁力のみ
を利用したスプール回転速度制御手段を備えた従来の魚
釣用リールの場合や遠心力により発生される摩擦力のみ
を利用したスプール回転速度制御手段を備えた従来の魚
釣用リールの場合よりも伸びる。
【0084】しかも、後で大きな釣糸のバックラッシュ
を生じさせる原因となるスプール10の過大な回転速度
は、スプール10の導電体14´とリール本体12の一
方の側壁12aの複数の磁石16´との組み合わせによ
り上述した如く生じる適度な制動作用で充分に抑制され
る。
【0085】キャスティングの終期においてスプール1
0の回転速度が減少し、スプール10の回転エネルギが
低下してくると、移動部材28はカム溝30aとカム突
起30bとの作用では付勢手段32の付勢力に打ち勝つ
ことが出来ず、付勢手段32の付勢力により図7の
(B)に示す如くリール本体12の一方の側壁12aの
複数の磁石16´に接近した位置から図7の(A)に示
す如くスプール10の一端面の近傍の初期位置に向かい
スプール軸10aの回転中心線に沿い序々に引き寄せら
れる。この為に、移動部材28に固定された円板形状の
導電体14´はリール本体12の一側壁12aの複数の
磁石16´から序々に遠ざかり、導電体14´に作用す
る複数の磁石16´からの磁束の密度が序々に低下す
る。
【0086】よって、複数の磁石16´の磁力の作用に
より導電体14´に発生する渦電流の大きさは導電体1
4´に作用する複数の磁石16´からの磁束の密度とス
プール10の回転速度とに比例して小さくなり、上記渦
電流により生じる制動力も導電体14´に作用する複数
の磁石16´からの磁束の密度とスプール10の回転速
度とに比例して小さくなる。
【0087】この際に生じる制動力は磁力のみを利用し
たスプール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リー
ルの場合よりは少なく、また遠心力により発生する摩擦
力を利用したスプール回転速度制御手段を備えた従来の
魚釣用リールの場合の如き急激な制動力の減少が生じな
い。従って、上記キャスティングの終期においてスプー
ル10に生じる回転速度は、磁力のみを利用したスプー
ル回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場合
よりも高く、しかも遠心力により発生する摩擦力を利用
したスプール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リ
ールの場合のように回転速度の減少率が急激に低下する
ことがない。
【0088】即ち、上述したキャスティングの終期にお
いてスプール10の回転速度が序々に減少してきた時の
図示しない仕掛けの飛距離が、磁力のみを利用したスプ
ール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場
合や遠心力により発生する摩擦力のみを利用したスプー
ル回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場合
よりも伸びる。
【0089】しかも、仕掛けの飛行速度に対して後で大
きな釣糸のバックラッシュを生じさせる原因となるスプ
ール10の過大な回転速度は上述した如くキャスティン
グの中期において適度に抑制されており、またキャステ
ィングの終期においてスプール10の回転速度の減少率
が遠心力により発生される摩擦力を利用したスプール回
転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場合のよ
うに急激に低下しないので、図示しない仕掛けが着水し
た後に、図示しない仕掛けの着水により生じる図示しな
い釣糸の引っ張り速度の急激な低下とスプール10の回
転の慣性により図示しない釣糸にバックラッシュ現象が
生じそうになった場合でも、ベテランでなくとも例えば
指をスプールまたはスプールに巻き付けられた釣糸の巻
回面に軽く押しつけるだけの比較的簡単な操作で容易に
図示しない釣糸のバックラッシュ現象を防止することが
出来、キャスティングにおける釣糸の放出操作が容易と
なる。
【0090】[第3の実施の形態]次は、添付の図8の
(A)及び図8の(B)を参照しながら、この発明の第
3の実施の形態に従った魚釣用リールについて詳細に説
明する。
【0091】図8の(A)はこの発明の第3の実施の形
態に従った魚釣用リールの要部においてスプールが回転
していない時、又はスプールが比較的低速度で回転して
いる状態を示す概略的な縦断面図であり、図8の(B)
はスプールの回転速度がある程度の大きさ以上で高速回
転している状態を示す概略的な縦断面図である。
【0092】なおこの断面図においては、図を明解にす
る為に断面の輪郭線のみを示し断面よりも遠くの断面で
ない輪郭線は適宜省略している。
【0093】また、この発明の第3の実施の形態に従っ
た魚釣用リールの構成の大部分は図1乃至図5を参照し
ながら前述したこの発明の第1の実施の形態に従った魚
釣用リールの構成の大部分と共通である。従って、前述
したこの発明の第1の実施の形態に従った魚釣用リール
の構成部材と同じ構成部材にはこの発明の第1の実施の
形態に従った魚釣用リールにおいて対応する構成部材を
指摘していた参照符号と同じ参照符号を付して、これら
の同じ構成部材についての詳細な説明は省略する。
【0094】この第3の実施の形態において前述した第
1の実施の形態と異なっているのは:回転速度制御手段
26の移動部材28にスプール軸10aの半径方向の外
方に向かいスプール軸10aの回転中心線に対して同心
的に張り出した円板形状をしている支持台36が固定さ
れていて、この支持台36により複数の磁石16´´が
スプール軸10aの回転中心線に対する同心円上にスプ
ール軸10aの周方向に略等間隔に支持されていること
であり;リール本体12の一方の側壁12aの内表面に
円板形状の導電体14´´がスプール軸10aの回転中
心線に対する同心円状に配置されていて、上記回転中心
線に沿った方向においてスプール軸10a上の移動部材
28に支持台36を介して支持されている複数の磁石1
6´´に対面していることであり;さらには、磁力調整
手段21が、リール本体12の一方の側壁12aの内表
面において円板形状の導電体14´´をスプール軸10
aの回転中心線の回りに一方または他方に回転すること
により上記回転中心線に沿った方向において一方または
他方に移動するよう螺合し、このような導電体14´´
を図1に示す如くリール本体12の一方の側壁12aの
外表面に配置されている磁力調整摘24を一方向または
他方向に回転させることにより上記回転中心線の回りに
一方向または他方向に回転させるよう構成されているこ
とである。
【0095】このような磁力調整手段21においては、
図1に示す磁力調整摘24を一方向または他方向に回転
させることにより導電体14´´を一方向または他方向
に回転させ、これにより導電体14´´を上記回転中心
線に沿った方向において一方または他方に移動させ、こ
の移動によりスプール軸10aの一端部上で静止してい
る移動部材28に支持台36を介して支持されている複
数の磁石16´´に対するリール本体12の一方の側壁
12aに設けられた導電体14´´の相対位置を変化さ
せることが出来る。これにより、スプール軸10aとと
もに所定の回転数で回転していて上記回転中心線に沿っ
た方向における位置が安定している複数の磁石16´´
から導電体14´´に作用する磁力の大きさを調整する
ことが出来る。
【0096】この第3の実施の形態の導電体14´´と
複数の磁石16´´との組み合わせの動作は、前述した
第1の実施の形態の導電体14と複数の磁石16との組
み合わせの動作と基本的に同じであり、この第3の実施
の形態に従った魚釣用リールは前述の第1の実施の形態
に従った魚釣用リールと同じ効果を発揮することが出来
る。
【0097】即ち、この発明の第3の実施の形態に従っ
た魚釣用リールが取り付けられた釣竿をキャスティング
の為に振ると、キャスティングの初期においてスプール
10の回転速度がある程度の大きさに到達するまでは、
スプール10の回転エネルギが小さく移動部材28はカ
ム溝30aとカム突起30bとの作用では付勢手段32
の付勢力に抗して図8の(A)に示すスプール10の一
端面の近傍の初期位置からリール本体12の一方の側壁
12aに向かいスプール軸10aの回転中心線に沿い移
動することが出来ない。この為に、複数の磁石16´´
を支持台36を介して支持している移動部材28はリー
ル本体12の一方の側壁12aの導電体14´´に向か
い接近することが出来ない。よって、複数の磁石16´
´の磁力の作用により導電体14´´に渦電流は生ぜず
複数の磁石16´´を伴って回転するスプール10に制
動力は生じない。また複数の磁石16´´の相互からの
漏れ磁束により導電体14´´にわずかに渦電流が生じ
たとしても、上記わずかな渦電流により生じる制動力は
非常に小さい。
【0098】この為に、キャスティング開始直後の初期
においてスプール10の回転速度がある程度の大きさに
到達するまでは実質的に制動力が作用しないので、スプ
ール10の初期回転速度を上昇させることが出来、キャ
スティング開始直後の初期における仕掛けの飛距離、ひ
いてはキャスティング開始直後から終了までの全体にお
ける仕掛けの飛距離、を向上させることが出来る。この
間に上昇されるスプール10の回転速度は、遠心力によ
り発生される制動力を利用したスプール回転速度制御手
段を備えた従来の魚釣用リールの場合よりも高くなるの
は当然であり、しかも磁力のみを利用したスプール回転
速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場合よりも
高くなる。そしてキャスティング開始直後の初期におい
てスプール10の回転速度がある程度の大きさに到達す
るまでの図示しない仕掛けの飛距離が、遠心力により発
生する摩擦力のみを利用したスプール回転速度制御手段
を備えた従来の魚釣用リールの場合よりも伸びるのはい
うまでもなく、磁力のみを利用したスプール回転速度制
御手段を備えた従来の魚釣用リールの場合よりも伸び
る。
【0099】スプール10の回転速度がある程度の大き
さに到達したキャスティングの中期になると、スプール
10の回転エネルギはカム溝30aとカム突起30bと
の作用により付勢手段32の付勢力に抗して図8の
(A)に示すスプール10の一端面の近傍の初期位置か
らリール本体12の一方の側壁12aに向かいスプール
軸10aの回転中心線に沿い移動部材28を移動させる
ほど大きくなる。この為に、複数の磁石16´´を支持
台36を介して支持している移動部材28はリール本体
12の一側壁12aの導電体14´´に向かい序々に接
近し、導電体14´´に作用する複数の磁石16´´が
発生する磁束の密度が序々に高くなる。よって、複数の
磁石16´´の磁力の作用により導電体14´´に生じ
る渦電流が増加し複数の磁石16´´を伴って回転する
スプール10に作用する制動力が増加する。
【0100】なおこの実施の形態においてもリール本体
12の一側壁12aの導電体14´´に向かう移動部材
28の上述した移動は、図8の(B)に示す如く、カム
突起30bがカム溝30aにおいてスプール10の一端
面の近傍に位置する端に当接することにより規制され
る。
【0101】よって、複数の磁石16´´の磁力の作用
により導電体14´´に発生する渦電流の大きさは導電
体14´´に作用する複数の磁石16´´からの磁束の
密度とスプール10の回転速度とに比例して大きくな
り、上記渦電流により生じる制動力も導電体14´´に
作用する複数の磁石16´´からの磁束の密度とスプー
ル10の回転速度とに比例して大きくなる。
【0102】この際に生じる制動力は、磁力のみを利用
したスプール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リ
ールの場合と同様に、遠心力により発生する摩擦力を利
用したスプール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用
リールの場合よりも少ない。従って、上記キャスティン
グの初期から中期にかけてのスプールの回転速度も磁力
のみを利用したスプール回転速度制御手段を備えた従来
の魚釣用リールの場合よりも高くなり、当然のことなが
ら遠心力により発生する摩擦力を利用したスプール回転
速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場合よりも
格別に高くなる。
【0103】即ち、上述したキャスティングの初期から
スプール10の回転速度がある程度の大きさに到達した
後の中期までの図示しない仕掛けの飛距離が、磁力のみ
を利用したスプール回転速度制御手段を備えた従来の魚
釣用リールの場合や遠心力により発生される摩擦力のみ
を利用したスプール回転速度制御手段を備えた従来の魚
釣用リールの場合よりも伸びる。
【0104】しかも、後で大きな釣糸のバックラッシュ
を生じさせる原因となるスプール10の過大な回転速度
は、スプール10の複数の磁石16´´とリール本体1
2の一方の側壁12aの導電体14´´との組み合わせ
により上述した如く生じる適度な制動作用で充分に抑制
される。
【0105】キャスティングの終期においてスプール1
0の回転速度が減少し、スプール10の回転エネルギが
低下してくると、複数の磁石16´´を支持台36を介
して支持している移動部材28はカム溝30aとカム突
起30bとの作用では付勢手段32の付勢力に打ち勝つ
ことが出来ず、付勢手段32の付勢力により図8の
(B)に示す如くリール本体12の一方の側壁12aの
導電体14´´に接近した位置から図8の(A)に示す
如くスプール10の一端面の近傍の初期位置に向かいス
プール軸10aの回転中心線に沿い序々に引き寄せられ
る。この為に、移動部材28に支持台36を介して支持
されている複数の磁石16´´はリール本体12の一側
壁12aの導電体14´´から序々に遠ざかり、導電体
14´´に作用する複数の磁石16´´からの磁束の密
度が序々に低下する。
【0106】よって、複数の磁石16´´の磁力の作用
により導電体14´´に発生する渦電流の大きさは導電
体14´´に作用する複数の磁石16´´からの磁束の
密度とスプール10の回転速度とに比例して小さくな
り、上記渦電流により生じる制動力も導電体14´´に
作用する複数の磁石16´´からの磁束の密度とスプー
ル10の回転速度とに比例して小さくなる。
【0107】この際に生じる制動力は磁力のみを利用し
たスプール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リー
ルの場合よりは少なく、また遠心力により発生する摩擦
力を利用したスプール回転速度制御手段を備えた従来の
魚釣用リールの場合の如き急激な制動力の減少が生じな
い。従って、上記キャスティングの終期においてスプー
ル10に生じる回転速度は、磁力のみを利用したスプー
ル回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場合
よりも高く、しかも遠心力により発生する摩擦力を利用
したスプール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リ
ールの場合のように回転速度の減少率が急激に低下する
ことがない。
【0108】即ち、上述したキャスティングの終期にお
いてスプール10の回転速度が序々に減少してきた時の
図示しない仕掛けの飛距離が、磁力のみを利用したスプ
ール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場
合や遠心力により発生する摩擦力のみを利用したスプー
ル回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場合
よりも伸びる。
【0109】しかも、仕掛けの飛行速度に対して後で大
きな釣糸のバックラッシュを生じさせる原因となるスプ
ール10の過大な回転速度は上述した如くキャスティン
グの中期において適度に抑制されており、またキャステ
ィングの終期においてスプール10の回転速度の減少率
が遠心力により発生される摩擦力を利用したスプール回
転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場合のよ
うに急激に低下しないので、図示しない仕掛けが着水し
た後に、図示しない仕掛けの着水により生じる図示しな
い釣糸の引っ張り速度の急激な低下とスプール10の回
転の慣性により図示しない釣糸にバックラッシュ現象が
生じそうになった場合でも、ベテランでなくとも例えば
指をスプールまたはスプールに巻き付けられた釣糸の巻
回面に軽く押しつけるだけの比較的簡単な操作で容易に
図示しない釣糸のバックラッシュ現象を防止することが
出来、キャスティングにおける釣糸の放出操作が容易と
なる。
【0110】[第4の実施の形態]次は、添付の図9の
(A)及び図9の(B)を参照しながら、この発明の第
4の実施の形態に従った魚釣用リールについて詳細に説
明する。
【0111】図9の(A)は、この発明の第4の実施の
形態に従った魚釣用リールの要部においてスプールが回
転していない時、又はスプールが比較的低速度で回転し
ている状態を実線で示し、スプールの回転速度がある程
度の大きさ以上で高速回転している状態を示す2点鎖線
で示す概略的な縦断面図であり、図9の(B)は図9の
(A)のIX−IX線に沿った横断面図である。
【0112】なおこの断面図においては、図を明解にす
る為に断面の輪郭線のみを示し断面よりも遠くの断面で
ない輪郭線は適宜省略している。
【0113】また、この発明の第4の実施の形態に従っ
た魚釣用リールの構成の大部分は図1乃至図5を参照し
ながら前述したこの発明の第1の実施の形態に従った魚
釣用リールの構成の大部分と共通である。従って、前述
したこの発明の第1の実施の形態に従った魚釣用リール
の構成部材と同じ構成部材にはこの発明の第1の実施の
形態に従った魚釣用リールにおいて対応する構成部材を
指摘していた参照符号と同じ参照符号を付して、これら
の同じ構成部材についての詳細な説明は省略する。
【0114】この第4の実施の形態において前述した第
1の実施の形態と異なっているのは:スプール軸10a
の一端部上の移動部材28に固定されている導電体14
とリール本体12の一方の側壁12aに設置されている
複数の磁石16との相互間の相対的な位置をスプール軸
10aの回転エネルギにより移動させる為の位置変化手
段の一部を構成している変換手段30´のカム溝30a
´とカム突起30b´とが、スプール軸10aの一端部
上で移動部材28とリール本体12の一方の側壁12a
との間に形成された螺旋溝と移動部材28に形成されて
螺旋溝に螺合された螺合突起とで構成されていることで
あり;また、付勢手段32´が図6を参照しながら前述
した第1の実施の形態の変形例の如く、スプール軸10
aの一端部上でリール本体12の一方の側壁12aの近
傍に固定された係止リング34と移動部材28との間に
巻装されていることである。付勢手段32´は移動部材
28をスプール10の一端面に向かい付勢しており、こ
の実施の形態では圧縮コイルばねにより構成されてい
る。
【0115】この第4の実施の形態の導電体14と複数
の磁石16との組み合わせの動作は、前述した第1の実
施の形態の導電体14と複数の磁石16との組み合わせ
の動作と基本的に同じであり、この第4の実施の形態に
従った魚釣用リールは前述の第1の実施の形態に従った
魚釣用リールと同じ効果を発揮することが出来る。
【0116】即ち、この発明の第4の実施の形態に従っ
た魚釣用リールが取り付けられた釣竿をキャスティング
の為に振ると、キャスティング開始直後の初期において
スプール10の回転速度がある程度の大きさに到達する
までは、スプール10の回転エネルギが小さく移動部材
28´は変換手段30´のカム溝30a´とカム突起3
0b´との作用では付勢手段32´の付勢力に抗して図
9の(A)に実線で示す如きスプール10の一端面の近
傍の初期位置からリール本体12の一方の側壁12aに
向かいスプール軸10aの回転中心線に沿い移動するこ
とが出来ない。この為に、移動部材28´はリール本体
12の一側壁12aの複数の磁石16に向かい接近する
ことが出来ず、移動部材28´に固定された円筒形状の
導電体14の自由端部は、リール本体12の一方の側壁
12aの複数の磁石16が配置された2重の円環22
a,22bの相互間の円環状の隙間に突入しない。よっ
て、複数の磁石16の磁力の作用により導電体14に渦
電流は生ぜず導電体14を伴って回転するスプール10
に制動力は生じない。また複数の磁石16の相互からの
漏れ磁束により導電体14にわずかに渦電流が生じたと
しても、上記わずかな渦電流により生じる制動力は非常
に小さい。
【0117】この為に、キャスティング開始直後の初期
においてスプール10の回転速度がある程度の大きさに
到達するまでは実質的に制動力が作用しないので、スプ
ール10の初期回転速度を上昇させることが出来、キャ
スティング開始直後の初期における仕掛けの飛距離、ひ
いてはキャスティング開始直後から終了までの全体にお
ける仕掛けの飛距離、を向上させることが出来る。この
間に上昇されるスプール10の回転速度は、遠心力によ
り発生される制動力を利用したスプール回転速度制御手
段を備えた従来の魚釣用リールの場合よりも高くなるの
は当然であり、しかも磁力のみを利用したスプール回転
速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場合よりも
高くなる。なぜならば、磁力のみを利用したスプール回
転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場合に
は、スプール10の回転が開始された時点からスプール
10の回転速度の上昇に略比例して磁力が発生させる制
動力も大きくなるからである。そしてキャスティング開
始直後の初期においてスプール10の回転速度がある程
度の大きさに到達するまでの図示しない仕掛けの飛距離
が、遠心力により発生する摩擦力のみを利用したスプー
ル回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場合
よりも伸びるのはいうまでもなく、磁力のみを利用した
スプール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リール
の場合よりも伸びる。
【0118】スプール10の回転速度がある程度の大き
さに到達したキャスティングの中期になると、スプール
10の回転エネルギはカム溝30a´とカム突起30b
´との作用により付勢手段32´の付勢力に抗して図9
の(A)に実線で示す如きスプール10の一端面の近傍
の初期位置からリール本体12の一方の側壁12aに向
かいスプール軸10aの回転中心線に沿い移動部材28
´を移動させるほど大きくなる。この為に、移動部材2
8´はリール本体12の一側壁12aの複数の磁石16
に向かい序々に接近し、移動部材28´に固定された円
筒形状の導電体14の自由端部は、図9の(A)に2点
鎖線で示す如くスプール本体12の一方の側壁12aの
複数の磁石16が配置された2重の円環22a,22b
の相互間の円環状の隙間に序々に突入して、2重の円環
22a,22bの複数の磁石16との重複量が多くな
り、複数の磁石16が発生する磁束を横切る導電体14
の面積が序々に増加する。よって、複数の磁石16の磁
力の作用により導電体14に発生する渦電流が増加し導
電体14を伴って回転するスプール10に作用する制動
力が増加する。
【0119】なおリール本体12の一側壁12aの複数
の磁石16に向かう移動部材28´の上述した移動は、
移動部材28´が係合円板34に当接することにより規
制される。
【0120】よって、複数の磁石16の磁力の作用によ
り導電体14に発生する渦電流の大きさは複数の磁石1
6が発生する磁束を横切る導電体14の面積とスプール
10の回転速度とに比例して大きくなり、上記渦電流に
より生じる制動力も複数の磁石16が発生する磁束を横
切る導電体14の面積とスプール10の回転速度とに比
例して大きくなる。
【0121】この際に生じる制動力は、磁力のみを利用
したスプール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リ
ールの場合と同様に、遠心力により発生する摩擦力を利
用したスプール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用
リールの場合よりも少ない。従って、上述した如く上記
キャスティングの初期におけるスプールの回転速度が磁
力のみを利用したスプール回転速度制御手段を備えた従
来の魚釣用リールの場合よりも高くなるので、上記キャ
スティングの初期から中期にかけてのスプールの回転速
度も磁力のみを利用したスプール回転速度制御手段を備
えた従来の魚釣用リールの場合よりも高くなり、当然の
ことながら遠心力により発生する摩擦力を利用したスプ
ール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場
合よりも格別に高くなる。
【0122】即ち、上述したキャスティングの初期から
スプール10の回転速度がある程度の大きさに到達した
後の中期までの図示しない仕掛けの飛距離が、磁力のみ
を利用したスプール回転速度制御手段を備えた従来の魚
釣用リールの場合や遠心力により発生される摩擦力のみ
を利用したスプール回転速度制御手段を備えた従来の魚
釣用リールの場合よりも伸びる。
【0123】しかも、後で大きな釣糸のバックラッシュ
を生じさせる原因となるスプール10の過大な回転速度
は、スプール10の導電体14とリール本体12の一方
の側壁12aの複数の磁石16との組み合わせにより上
述した如く生じる適度な制動作用で充分に抑制される。
【0124】キャスティングの終期においてスプール1
0の回転速度が減少し、スプール10の回転エネルギが
低下してくると、移動部材28´はカム溝30a´とカ
ム突起30b´との作用では付勢手段32の付勢力に抗
することが出来なくなり、付勢手段32の付勢力により
図9の(A)に2点鎖線で示す如くリール本体12の一
方の側壁12aの複数の磁石16に接近した位置から図
9の(A)に実線で示す如くスプール10の一端面の近
傍の初期位置に向かいスプール軸10aの回転中心線に
沿い序々に引き寄せられる。この為に、移動部材28´
はリール本体12の一側壁12aの複数の磁石16から
序々に遠ざかり、移動部材28´に固定された円筒形状
の導電体14の自由端部はリール本体12の一方の側壁
12aの複数の磁石16が配置された2重の円環22
a,22bの相互間の円環状の隙間から序々に抜け出
し、複数の磁石16が発生する磁束を横切る導電体14
の面積が序々に減少させる。
【0125】よって、複数の磁石16の磁力の作用によ
り導電体14に発生する渦電流の大きさは複数の磁石1
6が発生する磁束を横切る導電体14の面積とスプール
10の回転速度とに比例して小さくなり、上記渦電流に
より生じる制動力も複数の磁石16が発生する磁束を横
切る導電体14の面積とスプール10の回転速度とに比
例して小さくなる。
【0126】この際に生じる制動力は磁力のみを利用し
たスプール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リー
ルの場合よりは少なく、また遠心力により発生する摩擦
力を利用したスプール回転速度制御手段を備えた従来の
魚釣用リールの場合の如き急激な制動力の減少が生じな
い。従って、上記キャスティングの終期においてスプー
ルに生じる回転速度は、磁力のみを利用したスプール回
転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場合より
も高く、しかも遠心力により発生する摩擦力を利用した
スプール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リール
の場合のように回転速度の減少率が急激に低下すること
がない。
【0127】即ち、上述したキャスティングの終期にお
いてスプール10の回転速度が序々に減少してきた時の
図示しない仕掛けの飛距離が、磁力のみを利用したスプ
ール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場
合や遠心力により発生する摩擦力のみを利用したスプー
ル回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場合
よりも伸びる。
【0128】しかも、仕掛けの飛行速度に対して後で大
きな釣糸のバックラッシュを生じさせる原因となるスプ
ール10の過大な回転速度は上述した如くキャスティン
グの中期において適度に抑制されており、またキャステ
ィングの終期においてスプール10の回転速度の減少率
が遠心力により発生される摩擦力を利用したスプール回
転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場合のよ
うに急激に低下しないので、図示しない仕掛けが着水し
た後に、図示しない仕掛けの着水により生じる図示しな
い釣糸の引っ張り速度の急激な低下とスプール10の回
転の慣性により図示しない釣糸にバックラッシュ現象が
生じそうになった場合でも、ベテランでなくとも例えば
指をスプールまたはスプールに巻き付けられた釣糸の巻
回面に軽く押しつけるだけの比較的簡単な操作で容易に
図示しない釣糸のバックラッシュ現象を防止することが
出来、キャスティングにおける釣糸の放出操作が容易と
なる。
【0129】[第5の実施の形態]次は、添付の図10
の(A)及び(B),そして図11の(A)及び(B)
を参照しながら、この発明の第5の実施の形態に従った
魚釣用リールについて詳細に説明する。
【0130】図10の(A)は、この発明の第5の実施
の形態に従った魚釣用リールの要部においてスプールが
回転していない時、又はスプールが比較的低速度で回転
している状態を示した概略的な縦断面図であり;図10
の(B)は、図10の(A)のX −X 線に沿った横断面
図である。また、図11の(A)は、この発明の第5の
実施の形態に従った魚釣用リールの要部においてスプー
ルの回転速度がある程度の大きさ以上で高速回転してい
る状態を示す概略的な縦断面図であり;図11の(B)
は図11の(A)のXI−XI線に沿った横断面図である。
【0131】なおこの断面図においては、図を明解にす
る為に断面の輪郭線のみを示し断面よりも遠くの断面で
ない輪郭線は適宜省略している。
【0132】また、この発明の第5の実施の形態に従っ
た魚釣用リールの構成の一部は図1乃至図5を参照しな
がら前述したこの発明の第1の実施の形態に従った魚釣
用リールの構成の一部と共通である。従って、前述した
この発明の第1の実施の形態に従った魚釣用リールの構
成部材と同じ構成部材にはこの発明の第1の実施の形態
に従った魚釣用リールにおいて対応する構成部材を指摘
していた参照符号と同じ参照符号を付して、これらの同
じ構成部材についての詳細な説明は省略する。図10の
(A)及び(B)に示す如く、この発明の第5の実施の
形態に従った魚釣用リールにおいては、スプール軸10
aの一端部でスプール10の一端面とスプール10の一
端面から突出したスプール軸10aの一端部(図1では
右端部)を回転自在に支持した軸受13aとの間に例え
ばアルミニウムや銅等の導電体40が設けられていて、
リール本体12においてスプール軸10aの一端部を回
転自在に支持した軸受13aが設置されている一方の側
壁12aにはスプール軸10aの一端部の導電体40に
対応して複数の磁石42が設置されている。
【0133】図10の(A)及び(B)に示す如く、リ
ール本体12の一方の側壁12aの複数の磁石42は所
定の位置の導電体40に対して磁石42から作用する磁
力の大きさを調整する為の磁力調整手段21を介して一
方の側壁12aに取り付けられている。この実施の形態
では、磁力調整手段21はスプール軸10aに対して同
心的に配置された円環44を含んでいて、複数の磁石4
2は円環44上に配置されて円環44において周方向に
所定の間隔で相互に離間している。
【0134】円環44は図1の示されている如く一方の
側壁12aに設置されている磁力調整摘み24を一方あ
るいは他方に回動させることによりスプール軸10aの
周囲で一方あるいは他方に回動し、所定の位置の導電体
40に作用する複数の磁石42からの磁束密度を変化さ
せることにより所定の位置の導電体40に作用する磁力
の強弱を調整し、導電体40が所定の位置にある間のス
プール10に対する制動力を調整することが出来る。
【0135】導電体40は、スプール10の回転速度の
増減に応じてリール本体12の一方の側壁12aの複数
の磁石42が導電体40に作用する磁力を増減させて導
電体40が設けられているスプール10の回転速度を制
御するスプール回転速度制御手段46を介してスプール
軸10aの一端部に設けられている。
【0136】スプール回転速度制御手段46は、スプー
ル軸10aの一端部に形成されているカム溝48に挿入
されてスプール軸10aの回転中心線と交差する方向で
ある半径方向に移動自在であるとともにスプール軸10
aの周方向にもスプール軸10aに対して相対的に回転
するよう設置された1対の移動部材50を備えている。
この実施の形態において1対の移動部材50の夫々は棒
形状をしており、カム溝48中でカム溝48の底表面に
より構成されたカム表面48aを挟み上記半径方向で共
通の一直線上に延出し、カム溝48の底表面により構成
されたカム表面48aに従い上記半径方向における移動
を案内されるカム従動子として機能する。カム表面48
aは上記半径方向で共通の一直線上に延出した細長い形
状をしている。
【0137】導電体14は略円弧形状をしており、スプ
ール軸10aの外周面の両側においてスプール軸10a
を挟んで対称に配置され、円弧の中央に移動部材50の
半径方向外端部が固定されている。
【0138】1対の移動部材50の夫々は付勢手段52
によりカム表面48aに向かい付勢されていて、この実
施の形態において付勢手段52はカム溝48中で1対の
移動部材50の夫々に巻装された圧縮コイルばねにより
構成されていて、圧縮コイルばねの両端は1対の移動部
材50の夫々の内端部とカム溝48の開口を覆う溝カバ
ー部材54とに当接されている。溝カバー部材54には
スプール軸10aの回転中心線を挟んだ対称位置におい
てスプール軸10aの周方向に所定距離延出し1対の移
動部材50が挿通された1対の回動規制孔54aが形成
されていて、カム溝50中でのスプール軸10aの周方
向におけるスプール軸10aに対する1対の移動部材5
0の相対的な回転の範囲を規制している。
【0139】スプール10が回転していない時には、図
10の(A)に示す如く、1対の移動部材50は付勢手
段52の付勢力によりカム溝48中でカム表面48aの
最も深い部位に当接されていて、この時に1対の移動部
材50に支持されている導電体40はリール本体12の
一方の側壁12aの複数の磁石42よりもスプール軸1
0aの半径方向において内方に遠ざけられている。
【0140】次には、上述した如く構成されているこの
発明の第5の実施の形態に従った魚釣用リールの動作に
ついて説明する。
【0141】この発明の第5の実施の形態に従った魚釣
用リールが取り付けられた釣竿をキャスティングの為に
振ると、水面上の目的地点に向かい飛翔する図示しない
仕掛けにより図示しない釣糸が引っ張られることにより
スプール10が所定の方向(この第5の実施の形態では
図10の(A)及び(B)に矢印Xで示す方向)に回転
を開始する。またカム従動子としての移動部材50はカ
ム溝48のカム表面48aとの係合によりスプール軸1
0aの回転に追従し、カム溝48のカム表面48aとの
作用により付勢手段52の付勢力に抗して図10の
(A)や(B)に示す如くスプール軸10aの回転中心
線に接近して配置された初期位置からスプール軸10a
の半径方向の外方に向かい移動しようとする。
【0142】キャスティング開始直後の初期においてス
プール10の回転速度がある程度の大きさに到達するま
では、スプール10の回転エネルギが小さく移動部材5
0はカム溝48のカム表面48aの作用では付勢手段5
2の付勢力に抗して図10の(A)や(B)に示す如く
スプール軸10aの回転中心線に接近して配置された初
期位置からスプール軸10aの半径方向の外方に向かい
移動することが出来ない。この為に、導電体40を支持
している移動部材50はリール本体12の一側壁12a
の複数の磁石42に向かい上記半径方向において接近す
ることが出来ない。よって、複数の磁石42の磁力の作
用により導電体40に渦電流は生ぜず導電体40を伴っ
て回転するスプール10に制動力は生じない。また複数
の磁石42の相互からの漏れ磁束により導電体40にわ
ずかに渦電流が生じたとしても、上記わずかな渦電流に
より生じる制動力は非常に小さい。
【0143】この為に、キャスティング開始直後の初期
においてスプール10の回転速度がある程度の大きさに
到達するまでは実質的に制動力が作用しないので、スプ
ール10の初期回転速度を上昇させることが出来、キャ
スティング開始直後の初期における仕掛けの飛距離、ひ
いてはキャスティング開始直後から終了までの全体にお
ける仕掛けの飛距離、を向上させることが出来る。この
間に上昇されるスプール10の回転速度は、遠心力によ
り発生される制動力を利用したスプール回転速度制御手
段を備えた従来の魚釣用リールの場合よりも高くなるの
は当然であり、しかも磁力のみを利用したスプール回転
速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場合よりも
高くなる。なぜならば、磁力のみを利用したスプール回
転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場合に
は、スプール10の回転が開始された時点からスプール
10の回転速度の上昇に略比例して磁力が発生させる制
動力も大きくなるからである。そしてキャスティング開
始直後の初期においてスプール10の回転速度がある程
度の大きさに到達するまでの図示しない仕掛けの飛距離
が、遠心力により発生する摩擦力のみを利用したスプー
ル回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場合
よりも伸びるのはいうまでもなく、磁力のみを利用した
スプール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リール
の場合よりも伸びる。
【0144】スプール10の回転速度がある程度の大き
さに到達したキャスティングの中期になると、スプール
10の回転エネルギはカム溝48のカム表面48aの作
用により付勢手段52の付勢力に抗して図10の(A)
及び(B)に示す如きスプール軸10aの回転中心線に
接近した初期位置からスプール軸10aの半径方向の外
方に向かい移動部材50を移動させるほど大きくなる。
この為に、移動部材50はリール本体12の一側壁12
aの複数の磁石42に向かい序々に接近し、移動部材5
0に固定された略円弧形状の導電体40は上記半径方向
において複数の磁石42との重複量が多くなり、複数の
磁石42が発生する磁束を横切る導電体40の面積が序
々に増加する。よって、複数の磁石42の磁力の作用に
より導電体40に発生する渦電流が増加し導電体14を
伴って回転するスプール10に作用する制動力が増加す
る。
【0145】なおリール本体12の一側壁12aの複数
の磁石42に向かう移動部材50の上述した移動は、図
11の(A)及び(B)に示す如く、移動部材50の内
端部がカム溝48の為のカム溝カバー部材54の回動規
制孔54aの内周面に当接することにより規制され、ま
たスプール軸10aの回転との回転差によりスプール軸
10aの周方向に向かう移動部材50の移動は、移動部
材50がカム溝カバー部材54の回動規制孔54aの一
端に当接することにより規制される。
【0146】よって、複数の磁石42の磁力の作用によ
り導電体40に発生する渦電流の大きさは複数の磁石4
2が発生する磁束を横切る導電体40の面積とスプール
10の回転速度とに比例して大きくなり、上記渦電流に
より生じる制動力も複数の磁石42が発生する磁束を横
切る導電体40の面積とスプール10の回転速度とに比
例して大きくなる。
【0147】この際に生じる制動力は、磁力のみを利用
したスプール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リ
ールの場合と同様に、遠心力により発生する摩擦力を利
用したスプール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用
リールの場合よりも少ない。従って、上述した如く上記
キャスティングの初期におけるスプールの回転速度が磁
力のみを利用したスプール回転速度制御手段を備えた従
来の魚釣用リールの場合よりも高くなるので、上記キャ
スティングの初期から中期にかけてのスプールの回転速
度も磁力のみを利用したスプール回転速度制御手段を備
えた従来の魚釣用リールの場合よりも高くなり、当然の
ことながら遠心力により発生する摩擦力を利用したスプ
ール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場
合よりも格別に高くなる。
【0148】即ち、上述したキャスティングの初期から
スプール10の回転速度がある程度の大きさに到達した
後の中期までの図示しない仕掛けの飛距離が、磁力のみ
を利用したスプール回転速度制御手段を備えた従来の魚
釣用リールの場合や遠心力により発生される摩擦力のみ
を利用したスプール回転速度制御手段を備えた従来の魚
釣用リールの場合よりも伸びる。
【0149】しかも、後で大きな釣糸のバックラッシュ
を生じさせる原因となるスプール10の過大な回転速度
は、スプール10の導電体40とリール本体12の一方
の側壁12aの複数の磁石42との組み合わせにより上
述した如く生じる適度な制動作用で充分に抑制される。
【0150】キャスティングの終期においてスプール1
0の回転速度が減少し、スプール10の回転エネルギが
低下してくると、移動部材50はカム溝48のカム表面
48aの作用では付勢手段52の付勢力に打ち勝つこと
が出来ず、付勢手段52の付勢力により図11の(A)
及び(B)に示す如くリール本体12の一方の側壁12
aの複数の磁石42に接近した位置から図10の(A)
及び(B)に示す如くスプール軸10aの回転中心線に
接近した初期位置に向かいスプール軸10aの半径方向
に沿い序々に引き寄せられる。この為に、移動部材50
はリール本体12の一側壁12aの複数の磁石42から
序々に遠ざかり、複数の磁石42が発生する磁束を横切
る移動部材50に固定された略円弧形状の導電体40の
面積が序々に減少される。
【0151】よって、複数の磁石42の磁力の作用によ
り導電体40に発生する渦電流の大きさは複数の磁石4
2が発生する磁束を横切る導電体42の面積とスプール
10の回転速度とに比例して小さくなり、上記渦電流に
より生じる制動力も複数の磁石42が発生する磁束を横
切る導電体40の面積とスプール10の回転速度とに比
例して小さくなる。
【0152】この際に生じる制動力は磁力のみを利用し
たスプール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リー
ルの場合よりは少なく、また遠心力により発生する摩擦
力を利用したスプール回転速度制御手段を備えた従来の
魚釣用リールの場合の如き急激な制動力の減少が生じな
い。従って、上記キャスティングの終期においてスプー
ルに生じる回転速度は、磁力のみを利用したスプール回
転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場合より
も高く、しかも遠心力により発生する摩擦力を利用した
スプール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リール
の場合のように回転速度の減少率が急激に低下すること
がない。
【0153】即ち、上述したキャスティングの終期にお
いてスプール10の回転速度が序々に減少してきた時の
図示しない仕掛けの飛距離が、磁力のみを利用したスプ
ール回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場
合や遠心力により発生する摩擦力のみを利用したスプー
ル回転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場合
よりも伸びる。
【0154】しかも、仕掛けの飛行速度に対して後で大
きな釣糸のバックラッシュを生じさせる原因となるスプ
ール10の過大な回転速度は上述した如くキャスティン
グの中期において適度に抑制されており、またキャステ
ィングの終期においてスプール10の回転速度の減少率
が遠心力により発生される摩擦力を利用したスプール回
転速度制御手段を備えた従来の魚釣用リールの場合のよ
うに急激に低下しないので、図示しない仕掛けが着水し
た後に、図示しない仕掛けの着水により生じる図示しな
い釣糸の引っ張り速度の急激な低下とスプール10の回
転の慣性により図示しない釣糸にバックラッシュ現象が
生じそうになった場合でも、ベテランでなくとも例えば
指をスプールまたはスプールに巻き付けられた釣糸の巻
回面に軽く押しつけるだけの比較的簡単な操作で容易に
図示しない釣糸のバックラッシュ現象を防止することが
出来、キャスティングにおける釣糸の放出操作が容易と
なる。
【0155】なお図10の(A)及び(B)と、図11
の(A)及び(B)とを参照しながら上述した第5の実
施の形態では、スプール10に設けられている導電体4
0とリール本体12の一方の側壁12aに設けられてい
る複数の磁石42とが、相互間の相対位置をスプール軸
10aの半径方向において変化させることによりスプー
ル10の回転に対する制動力を変化させる制動手段を構
成している。
【0156】また、スプール10に設けられている制動
手段としての導電体40を支持し、スプール10に設け
られている制動手段としての導電体40とともにスプー
ル10の周方向に所定の範囲で移動自在であるとともに
スプール10の回転中心線と交差する方向であるスプー
ル10の半径方向に移動自在である移動部材50と;移
動部材50をスプール10の半径方向に沿った一方であ
る内方に付勢する付勢手段52と;スプール10の回転
と移動部材50の回転との回転差により移動部材50を
上記半径方向に沿った他方である外方に付勢手段52の
付勢力に抗して移動させ、スプール10及びリール本体
12の両者に設けられている制動手段としての導電体4
0及び複数の磁石42の相互間の相対位置を上記半径方
向に変化させて制動手段としての導電体40及び複数の
磁石42がスプール10の回転に対して作用する制動力
を変化させてスプール10の回転速度を制御する、変換
手段としてのカム溝48及びカム摺動子である移動部材
50と;が、スプール10の回転速度の増減に応じてス
プール10及びリール本体12の両者に設けられている
制動手段としての導電体40と複数の磁石42との相互
間の相対位置を変化させることによりスプール10に対
する制動力を変化させる位置変化手段を構成している。
【0157】[第6の実施の形態]次は、添付の図12
の(A)及び(B),そして図13の(A)及び(B)
を参照しながら、この発明の第6の実施の形態に従った
魚釣用リールについて詳細に説明する。
【0158】図12の(A)は、この発明の第6の実施
の形態に従った魚釣用リールの要部においてスプールが
回転していない時、又はスプールが比較的低速度で回転
している状態を示した概略的な縦断面図であり;図12
の(B)は、図12の(A)のXII −XII 線に沿った横
断面図である。また、図13の(A)は、この発明の第
6の実施の形態に従った魚釣用リールの要部においてス
プールの回転速度がある程度の大きさ以上で高速回転し
ている状態を示す概略的な縦断面図であり;図13の
(B)は図13の(A)のXIII−XIII線に沿った横断面
図である。
【0159】なおこれらの断面図においては、図を明解
にする為に断面の輪郭線のみを示し断面よりも遠くの断
面でない輪郭線は適宜省略している。
【0160】また、この発明の第6の実施の形態に従っ
た魚釣用リールの構成の一部は図1乃至図5を参照しな
がら前述したこの発明の第1の実施の形態に従った魚釣
用リールの構成の一部と共通である。従って、前述した
この発明の第1の実施の形態に従った魚釣用リールの構
成部材と同じ構成部材にはこの発明の第1の実施の形態
に従った魚釣用リールにおいて対応する構成部材を指摘
していた参照符号と同じ参照符号を付して、これらの同
じ構成部材についての詳細な説明は省略する。この実施
の形態の魚釣用リールの構成が、図1乃至図5を参照し
ながら前述したこの発明の第1の実施の形態に従った魚
釣用リールの構成と異なっているのは、スプール10の
自由回転状態におけるスプール10の回転速度を制御す
るスプール回転速度制御手段60の構成であり、スプー
ル回転速度制御手段60の構成の中でも特に、スプール
10及びリール本体12の両者に設けられ選択的に協働
してスプール10の回転を制動し相互間の相対位置を変
化させることによりスプール10の回転に対する制動力
を変化させる制動手段62の構成である。
【0161】図12の(A)及び(B)に示す如く、こ
の発明の第6の実施の形態に従った魚釣用リールにおい
ては、スプール回転速度制御手段60の制動手段62
が、スプール軸10aの一端部上の移動部材28の外周
面においてスプール軸10aの半径方向に移動自在に設
けられた複数の半径方向移動制動片64と、リール本体
12の一方の側壁12aの内表面にスプール軸10aの
回転中心線に対して同心的に設けられ上記回転中心線に
沿いスプール10の一端面に向かい延出してスプール軸
10aの一端部上に移動部材28を介して設けられてい
る複数の半径方向移動制動片64を上記半径方向の外方
から取り囲む環状制動部材66と、を備えている。
【0162】より詳細に説明すると、複数の半径方向移
動制動片64は移動部材28の外周面から半径方向の外
方に向かい延出した案内棒64aが貫通されることによ
り上記半径方向に移動自在に支持されており、環状制動
部材66の内周面66aはリール本体12の一方の側壁
12aの内表面からスプール10の一端面に向かい進む
につれて摩擦係数が少なくなるよう構成されている。こ
の実施の形態では環状制動部材66の内周面66aに上
述した如く摩擦係数が少なくなる環状摩擦制動部材を固
定しているが、内周面66aの表面加工を上述した如く
摩擦係数が少なくなるようにしても良い。なお一方の側
壁12aの内表面からスプール10の一端面に向かい進
むにつれて摩擦係数が少なくなる程度を種々に変えた環
状摩擦制動部材を複数準備し、この複数の環状摩擦制動
部材の中から選択した所望の環状摩擦制動部材を環状制
動部材66の内周面66aに着脱自在に固定するように
しても良い。
【0163】また、複数の半径方向移動制動片64の大
きさや重量や材質や個数を変化させることによっても、
スプール軸10aが同じ速度で回転した時に複数の半径
方向移動制動片64と環状制動部材66との間に生じる
摩擦制動力を調整することが出来る。
【0164】この発明の第6の実施の形態に従った魚釣
用リールが取り付けられた釣竿をキャスティングの為に
振ると、キャスティング開始直後の初期においてスプー
ル10の回転速度がある程度の大きさに到達するまで
は、スプール10の回転エネルギが小さく移動部材28
はカム溝30aとカム突起30bとの作用では付勢手段
32の付勢力に抗して図12の(A)に示す如く移動部
材28をスプール10の一端面の近傍の初期位置からリ
ール本体12の一方の側壁12aに向かいスプール軸1
0aの回転中心線に沿い移動することが出来ない。
【0165】この為に、移動部材28上の複数の半径方
向移動制動片64はリール本体12の一方の側壁12a
の環状制動部材66の内周面66aにおいて摩擦係数が
少ない延出端近傍部位と図12の(B)に示す如くスプ
ール軸10aの半径方向に対向しているか、上記延出端
近傍部位と軽く接触する。よって複数の半径方向移動制
動片64と環状制動部材66の内周面66aの延出端近
傍部位との間には摩擦制動力が生じないか、生じたとし
ても非常に小さい。
【0166】この為に、キャスティング開始直後の初期
においてスプール10の回転速度がある程度の大きさに
到達するまでは実質的に制動力が作用しないので、スプ
ール10の初期回転速度を上昇させることが出来、キャ
スティング開始直後の初期における仕掛けの飛距離、ひ
いてはキャスティング開始直後から終了までの全体にお
ける仕掛けの飛距離、を向上させることが出来る。この
間に上昇されるスプール10の回転速度は、従来の遠心
力により発生される摩擦力のみを利用したスプール回転
速度制御手段を備えた魚釣用リールの場合よりも高くな
る。そしてキャスティング開始直後の初期においてスプ
ール10の回転速度がある程度の大きさに到達するまで
の図示しない仕掛けの飛距離が、従来の遠心力により発
生する摩擦力のみを利用したスプール回転速度制御手段
を備えた魚釣用リールの場合よりも伸びる。
【0167】スプール10の回転速度がある程度の大き
さに到達したキャスティングの中期になると、スプール
10の回転エネルギはカム溝30aとカム突起30bと
の作用により付勢手段32の付勢力に抗して図12の
(A)に示す如きスプール10の一端面の近傍の初期位
置からリール本体12の一方の側壁12aに向かいスプ
ール軸10aの回転中心線に沿い移動部材28を移動さ
せるほど大きくなる。この為に、移動部材28はリール
本体12の一側壁12aに向かい序々に接近し、移動部
材28に設置された複数の半径方向移動制動片64は環
状制動部材66の内周面66aに当接しながら内周面6
6a上で摩擦係数の大きな基端近傍部位に向かいスプー
ル軸10aの回転中心線に沿い移動するのでリール本体
12の一側壁12aの環状制動部材66の内周面66a
とスプール軸10a上の複数の半径方向移動制動片64
との間に生じる摩擦制動力が序々に増加する。
【0168】なおリール本体12の一側壁12aに向か
う移動部材28の上述した移動は、図13の(A)に示
す如く、カム突起30bがカム溝30aにおいてスプー
ル10の一端面の近傍に位置する端に当接することによ
り規制される。
【0169】この際に生じる摩擦制動力は、従来の遠心
力により発生する摩擦力のみを利用したスプール回転速
度制御手段を備えた魚釣用リールの場合よりも少なくす
ることが出来る。従って、上述した如く上記キャスティ
ングの初期におけるスプールの回転速度が従来の遠心力
により発生する摩擦力を利用したスプール回転速度制御
手段を備えた従来の魚釣用リールの場合よりも格別に高
くすることが出来る。即ち、上述したキャスティングの
初期からスプール10の回転速度がある程度の大きさに
到達した後の中期までの図示しない仕掛けの飛距離を、
従来の遠心力により発生される摩擦力のみを利用したス
プール回転速度制御手段を備えた魚釣用リールの場合よ
りも伸ばすことが出来る。
【0170】しかも、後で大きな釣糸のバックラッシュ
を生じさせる原因となるスプール10の過大な回転速度
は、スプール10の複数の半径方向移動制動片64とリ
ール本体12の一方の側壁12aの環状制動部材66の
内周面66aとの組み合わせにより上述した如く生じる
適度な摩擦制動作用で充分に抑制される。
【0171】キャスティングの終期においてスプール1
0の回転速度が減少し、スプール10の回転エネルギが
低下してくると、移動部材28はカム溝30aとカム突
起30bとの作用では付勢手段32の付勢力に打ち勝つ
ことが出来ず、付勢手段32の付勢力により図13の
(A)に示す如くリール本体12の一方の側壁12aに
接近した位置から図12の(A)に示す如くスプール1
0の一端面の近傍の初期位置に向かいスプール軸10a
の回転中心線に沿い序々に引き寄せられる。この為に、
移動部材28に設置された複数の半径方向移動制動片6
4は環状制動部材66の内周面66aに当接しながら内
周面66a上で摩擦係数の小さな延出端近傍部位に向か
いスプール軸10aの回転中心線に沿い移動するのでリ
ール本体12の一側壁12aの環状制動部材66の内周
面66aとスプール軸10a上の複数の半径方向移動制
動片64との間に生じる摩擦制動力が序々に減少する。
【0172】この際に生じる制動力は従来の遠心力によ
り発生する摩擦力のみを利用したスプール回転速度制御
手段を備えた魚釣用リールの場合の如き急激な制動力の
減少が生じない。従って、上記キャスティングの終期に
おいてスプール10に生じる回転速度は、従来の遠心力
により発生する摩擦力のみを利用したスプール回転速度
制御手段を備えた魚釣用リールの場合のように回転速度
の減少率が急激に低下することがない。
【0173】即ち、上述したキャスティングの終期にお
いてスプール10の回転速度が序々に減少してきた時の
図示しない仕掛けの飛距離が、従来の遠心力により発生
する摩擦力のみを利用したスプール回転速度制御手段を
備えた魚釣用リールの場合よりも伸ばすことが出来る。
【0174】しかも、仕掛けの飛行速度に対して後で大
きな釣糸のバックラッシュを生じさせる原因となるスプ
ール10の過大な回転速度は上述した如くキャスティン
グの中期において適度に抑制されており、またキャステ
ィングの終期においてスプール10の回転速度の減少率
が従来の遠心力により発生される摩擦力のみを利用した
スプール回転速度制御手段を備えた魚釣用リールの場合
のように急激に低下しないので、図示しない仕掛けが着
水した後に、図示しない仕掛けの着水により生じる図示
しない釣糸の引っ張り速度の急激な低下とスプール10
の回転の慣性により図示しない釣糸にバックラッシュ現
象が生じそうになった場合でも、ベテランでなくとも例
えば指をスプールまたはスプールに巻き付けられた釣糸
の巻回面に軽く押しつけるだけの比較的簡単な操作で容
易に図示しない釣糸のバックラッシュ現象を防止するこ
とが出来、キャスティングにおける釣糸の放出操作が容
易となる。
【0175】
【発明の効果】以上詳述した如くこの発明に従った魚釣
用リールによれば、キャスティングの初期におけるスプ
ールの回転速度の不必要な抑制をなくしてスプールの最
高回転数を高く最高回転数到達時間も早くすることが出
来て仕掛けの飛距離を増大させることが出来、キャステ
ィングの中期には適度な制動力を発生させることにより
適度なスプールの回転速度の抑制を生じさせて釣糸のバ
ックラッシュ現象の発生を防止することが出来るばかり
でなく仕掛けの飛距離を増大させることが出来、またキ
ャスティングの終期にはスプールの回転速度の過剰な抑
制をなくすとともにスプールの回転の減速度の急激な緩
和を生じさせないことにより仕掛けの飛距離を増大させ
ることが出来るばかりでなく釣糸のバックラッシュ現象
の発生を防止することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態に従った魚釣用リ
ールの概略的な水平断面図である。
【図2】図1のII−II線に沿った概略的な横断面図であ
る。
【図3】図1のIII −III 線に沿った概略的な横断面図
である。
【図4】(A)は、図1の魚釣用リールの要部において
スプールが回転していない時とスプールの回転速度があ
る程度の大きさに到達するまでの間とスプールの回転速
度がある程度の大きさから減少した時の状態を示す概略
的な縦断面図であり;(B)は、(A)のIV−IV線に沿
った概略的な横断面図である。
【図5】図1の魚釣用リールの要部においてスプールが
ある程度の回転速度以上で高速回転している状態を示す
概略的な縦断面図である。
【図6】この発明の第1の実施の形態の変形例に従った
魚釣用リールの要部においてスプールが回転していない
時、又はスプールが比較的低速度で回転している状態を
実線で示し、スプールの回転速度がある程度の大きさ以
上で高速回転している状態を示す2点鎖線で示す概略的
な縦断面図である。
【図7】(A)は、この発明の第2の実施の形態に従っ
た魚釣用リールの要部においてスプールが回転していな
い時、又はスプールが比較的低速度で回転している状態
を示す概略的な縦断面図であり;(B)は、(A)の魚
釣用リールの要部においてスプールの回転速度がある程
度の大きさ以上で高速回転している状態を示す概略的な
縦断面図である。
【図8】(A)は、この発明の第3の実施の形態に従っ
た魚釣用リールの要部においてスプールが回転していな
い時、又はスプールが比較的低速度で回転している状態
を示す概略的な縦断面図であり;(B)は、スプールの
回転速度がある程度の大きさ以上で高速回転している状
態を示す概略的な縦断面図である。
【図9】(A)は、この発明の第4の実施の形態に従っ
た魚釣用リールの要部においてスプールが回転していな
い時、又はスプールが比較的低速度で回転している状態
を実線で示し、スプールの回転速度がある程度の大きさ
以上で高速回転している状態を示す2点鎖線で示す概略
的な縦断面図であり;(B)は(A)のIX−IX線に沿っ
た横断面図である。
【図10】(A)は、この発明の第5の実施の形態に従
った魚釣用リールの要部においてスプールが回転してい
ない時、又はスプールが比較的低速度で回転している状
態を示した概略的な縦断面図であり;(B)は、(A)
のX −X 線に沿った横断面図である。
【図11】(A)は、この発明の第5の実施の形態に従
った魚釣用リールの要部においてスプールの回転速度が
ある程度の大きさ以上で高速回転している状態を示す概
略的な縦断面図であり;(B)は(A)のXI−XI線に沿
った横断面図である。
【図12】(A)は、この発明の第6の実施の形態に従
った魚釣用リールの要部においてスプールが回転してい
ない時、又はスプールが比較的低速度で回転している状
態を示した概略的な縦断面図であり;(B)は、(A)
のXII −XII 線に沿った横断面図である。
【図13】(A)は、この発明の第6の実施の形態に従
った魚釣用リールの要部においてスプールの回転速度が
ある程度の大きさ以上で高速回転している状態を示す概
略的な縦断面図であり;(B)は(A)のXIII−XIII線
に沿った横断面図である。
【符号の説明】
10 スプール 10a スプール軸 12 リール本体 14,14´,14´´,40 導電体(制動手段) 16,16´,16´´,42 磁石(制動手段) 20 回転力伝達手段 26,46,60 スプール回転速度制御手段 28,28´ 移動部材(位置変化手段) 30,30´ カム手段(位置変化手段) 30a カム溝 30b カム突起 32,32´,52 付勢手段(位置変化手段) 48a カム表面(変換手段;位置変化手段) 50 移動部材(変換手段;位置変化手段) 64 半径方向移動制動片(制動手段) 66 環状制動部材(制動手段)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 釣糸が解放自在に巻き付けられるスプー
    ルと;スプールを回転自在に保持しており、スプールの
    自由な回転を許容しスプールからの釣糸の放出を許容す
    るスプール自由回転状態とスプールに回転力を伝達しス
    プールに釣糸を巻き取らせるスプール駆動状態とを選択
    的に設定する回転力伝達手段を有したリール本体と;ス
    プール自由状態におけるスプールの回転速度を制御する
    スプール回転速度制御手段と;を備えており、 スプール回転速度制御手段が、 スプール及びリール本体の両者に設けられ、選択的に協
    働してスプールの回転を制動し、相互間の相対位置を変
    化させることにより制動力を変化させる制動手段と;ス
    プールの回転速度の増減に応じて、スプール及びリール
    本体の両者に設けられている制動手段の相互間の相対位
    置を変化させることによりスプールに対する制動力を変
    化させる位置変化手段と;を含んでおり、 位置変化手段が、 スプールに設けられている制動手段を支持し、スプール
    に設けられている制動手段とともにスプールの周方向に
    所定の範囲で移動自在であるとともにスプールの回転中
    心線に沿った方向及びスプールの回転中心線と交差する
    方向の少なくともいずれか1つの方向に沿い移動自在で
    ある移動部材と;移動部材を上記少なくともいずれか1
    つの方向に沿った一方に付勢する付勢手段と;スプール
    の回転と移動部材の回転との回転差により移動部材を上
    記少なくともいずれか1つの方向に沿った他方に上記付
    勢手段の付勢力に抗して移動させ、スプール及びリール
    本体の両者に設けられている制動手段の相互間の相対位
    置を変化させて制動手段がスプールの回転に対して作用
    する制動力を変化させてスプールの回転速度を制御す
    る、変換手段と;を備えたことを特徴とする魚釣用リー
    ル。
  2. 【請求項2】 スプール及びリール本体の両者に設けら
    れた制動手段が磁石と導電体を含んでおり、磁石と導電
    体との相互間の相対位置が変化されることにより磁石が
    導電体に対して作用する磁力を変化させ、上記相互間に
    生じる制動力を変化させる、ことを特徴とする請求項1
    に記載の魚釣用リール。
  3. 【請求項3】 スプールに設けられた制動手段が移動部
    材に支持されてスプールの半径方向に移動自在な半径方
    向移動制動片を有しており、リール本体に設けられた制
    動手段が移動部材の移動の範囲で上記半径方向の外方か
    ら半径方向移動制動片を取り囲みスプールの回転により
    生じる遠心力で半径方向移動制動片が摺接して制動摩擦
    力を発揮し移動部材の移動の方向において摩擦係数を変
    化させている環状制動部材と、を含んでいる、ことを特
    徴とする請求項1に記載の魚釣用リール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013158295A (ja) * 2012-02-06 2013-08-19 Globeride Inc 両軸受型リール

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JP2008245563A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Daiwa Seiko Inc 魚釣用リール
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