JPH10309058A - 回転駆動機構 - Google Patents

回転駆動機構

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JPH10309058A
JPH10309058A JP11242697A JP11242697A JPH10309058A JP H10309058 A JPH10309058 A JP H10309058A JP 11242697 A JP11242697 A JP 11242697A JP 11242697 A JP11242697 A JP 11242697A JP H10309058 A JPH10309058 A JP H10309058A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 重量的にアンバランスな合成回転体を回転さ
せたときに生じる振動を抑制すると共に、振動を抑制し
た状態での使用回転数域を拡大する。 【解決手段】 バランス球をスピンドルモータの回転に
伴いケース体に対して相対的に移動させて、合成回転体
39の合成重心を回転軸上に位置させることにより調芯
する自動調芯機構7を備え、回転加速時において、離脱
回転数(4500rpm)になるまでバランス球をケー
ス体の中心部に保持するバランス部材保持手段17とし
てのマグネット44と、離脱回転数以上になって外周部
に移動されたバランス球を、その回転減速時においては
離脱回転数よりも低い戻り回転数(1500rpm)に
なるまでケース体中央部のマグネットに吸着されないよ
うにするバランス部材戻り抑制手段としてのヨーク4
5、45を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転駆動機構の技
術分野に属し、詳しくは、重量的にアンバランスな合成
回転体を回転させたときに生じる振動を抑制すると共
に、振動を抑制した状態での使用回転数域を拡大する技
術に関する。
【0002】
【従来の技術】産業用機械、家庭用電化製品或いはコン
ピュータ等には、モータ等によって回転される回転部材
を備えるものが多く見うけられる。例えば、コンピュー
タに使用されるディスクドライブ装置(回転駆動装置)
は、信号記録媒体である光ディスクや光磁気ディスク等
をディスク回転駆動機構によって回転させながら光学ピ
ックアップ装置や磁気ヘッド装置により情報信号の再生
及び/又は記録を行う。かかるディスクドライブ装置に
あっては、ディスク回転駆動機構によって回転される光
ディスクも合成回転体の一部に含まれる。
【0003】ディスクドライブ装置は、上記ディスク回
転駆動機構により回転される光ディスクにレーザ光を照
射する光学ピックアップ装置を備えている。そして、上
記ディスク回転駆動機構は、光ディスクが装着されるデ
ィスクテーブルとこのディスクテーブルを回転させるた
めのスピンドルモータとを備えている。
【0004】上記光学ピックアップ装置は、光ディスク
にレーザ光を照射するための光源と、光ディスクの信号
記録面上で反射されたレーザ光の反射光を受光する光検
出器とを備えている。そして、光学ピックアップ装置と
ディスク回転駆動機構とは、例えば、サブシャーシに搭
載されている。サブシャーシは、これに固定支持したデ
ィスク回転駆動機構に対して接離する方向に移動可能に
光学ピックアップ装置を支持している。
【0005】このように構成されるディスクドライブ装
置は、スピンドルモータにより回転される光ディスクに
光学ピックアップ装置から出射されるレーザ光を照射し
て、情報信号の記録及び/又は再生を行う。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、光ディスク
の如き記録ディスクは、製造時等に重量的なアンバラン
スが生じることがある。そして、重量的なアンバランス
がある記録ディスクを回転させると、回転中心と重心と
が一致していないため、この記録ディスクは、ディスク
テーブルと共に振動する。このような振動が生じると、
光学ピックアップ装置による記録ディスクの信号記録面
に対するフォーカシング及びトラッキングや、磁気ヘッ
ド装置による記録ディスクへの追従が良好に行われなく
なる。
【0007】また、通常、記録ディスクに生じるアンバ
ランスの量は記録ディスクによって差がある。即ち、記
録ディスクの基板厚さが不均一であったり或いは密度が
不均一であったりして、記録ディスクの中心に該記録デ
ィスクの重心が位置せず、記録ディスクそれぞれについ
て、重量的なアンバランスが生ずる。
【0008】さらに、近時、記録ディスクへのデータの
記録又は再生を高速回転で行うことが可能になってお
り、回転速度の増加と共に記録ディスクの振動は大きく
なってしまうという問題もある。
【0009】従って、記録ディスクごとにこれらの重量
的なアンバランスの量或いは回転速度に応じて随時対応
可能な振動抑制手段がなければ、記録ディスクの振動を
抑えることができない。
【0010】そこで、本発明回転駆動機構は、上記した
問題点を克服し、回転駆動手段によって行われる回転が
回転中心の偏心を生じない状態で為されるようにするこ
とを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明回転駆動機構は、
上記した課題を解決するために、回転駆動手段により支
軸を介して回転され、軸方向に直交する方向の断面形状
が円環状を為す移動空間を有するケース体と、該ケース
体の移動空間内に移動可能に配設されたバランス部材と
を有し、該バランス部材を回転駆動手段の回転に伴い合
成回転体の他の部分に対して相対的に移動させて、合成
回転体の合成重心を回転軸上に位置させることにより調
芯する自動調芯機構を備え、回転加速時において、所定
の回転数になるまでバランス部材をケース体の中心部に
保持するバランス部材保持手段と、上記所定回転数以上
になって外周部に移動されたバランス部材を、その回転
減速時においては上記所定回転数よりも低い回転数にな
るまでケース体の中心部に戻って来ないようにするバラ
ンス部材戻り抑制手段を設けたものである。
【0012】従って、本発明回転駆動機構にあっては、
自動調芯機構を備えたので、合成回転体に偏重心があっ
たとしても、合成回転体を調芯した状態で回転させるこ
とができ、しかも、バランス部材保持手段を設けたの
で、回転加速時において、高速回転になってからバラン
ス部材を開放するため、バランス部材の回転とケース体
の回転との相対的な速度が「0」となるまでが早く、調
芯作用が迅速に為されるとともに、バランス部材戻り抑
制手段を設けたので、回転減速時において、上記調芯状
態を低速回転まで維持することができるため、回転駆動
機構の使用回転数域を拡大することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明回転駆動機構の詳
細を添付図面に示した実施の形態に従って説明する。
【0014】先ず、本発明回転駆動機構における自動調
芯機構の原理について説明する。
【0015】かかる自動調芯機構ついては、Thear
lの自動平衡装置により説明されている。Thearl
の自動平衡装置についての詳細は、理工学社出版「機械
力学」(昭和57年3月)P146、147を参照され
たい。
【0016】本明細書において、Thearlの自動平
衡装置1を簡単に、図1により説明する。Thearl
の自動平衡装置1とは、回転円板2と該回転円板2の溝
3の中に自在に動くことができるように配された2個の
鋼球(バランス部材)4、4と回転軸5とから構成され
ており、回転円板2の回転数が、回転軸5の固有円振動
数(危険速度)を超えたときに、Me=2mr・cos
α(M:回転円板2と回転軸5のロータ部質量、e:ロ
ータ部偏心量、m:鋼球4の質量、r:鋼球起動半径、
α:偏心方向と鋼球4のなす角度)を満足する位置に鋼
球4、4が自動的に位置され、回転円板2の偏心を無く
し、ロータ部の振動を軽減する装置である。
【0017】ここで、Thearlの自動平衝装置1
が、回転軸5の固有円振動数を超えたときに作動する理
由を簡単に述べれば、回転円板2の重心Gの運動と鋼球
4、4の運動が逆位相となり、偏心方向とは逆方向に鋼
球4、4が移動して位置されるためである。
【0018】そして、本発明回転駆動機構6はこのよう
なThearlの自動平衡装置1の原理に基づく自動調
芯機構7を有する。尚、上記Thearlの自動平衡装
置1において、バランス部材として2つの鋼球4、4を
用いて説明されているが、本発明の回転駆動機構6の自
動調芯機構7におけるバランス部材は、これに限らず、
本出願人が既に平成9年3月7日に出願した平成9年特
許願第53704号の明細書に記載したすべてのバラン
ス部材を含むものである。
【0019】回転駆動機構6は、回転駆動手段8と、該
回転駆動手段8の支軸9に固定された自動調芯機構7と
を備え、回転駆動機構6は装置本体に固定されたベース
シャーシ10に弾性部材11を介して支持されたサブシ
ャーシ12に固定されている(図2参照)。これによ
り、サブシャーシ12がベースシャーシ10に対してフ
ローティング支持されて、サブシャーシ12、これに搭
載されるもの(回転駆動機構6など)及び弾性部材11
により振動系13が構成される。尚、かかる振動系13
は後述するように、本発明回転駆動機構6の自動調芯機
構7において重要な役割をする。
【0020】自動調芯機構7は、円環状の移動空間14
を有したケース体15と、該ケース体15の移動空間1
4内に移動自在に配置された複数のバランス部材16、
16、・・・とを備える(図3参照)。このケース体1
5は上記Thearlの自動平衡装置1における回転円
板2に、また、バランス部材16、16、・・・はその
鋼球4、4にそれぞれ相当する。
【0021】尚、このような自動調芯機構7は、回転駆
動手段8の支軸9に固定されていれば良く、その位置は
例えば、回転駆動手段8の機構内部であっても良く、ま
た、後述する実施例で説明するディスクテーブルの内
部、或いは、チャッキング部材の内部に内蔵するように
してもよい。
【0022】上記ケース体15の中心部には、バランス
部材16、16、・・・を所定の回転数(以下、「離脱
回転数」という。)になるまでその中心部に保持してお
くバランス部材保持手段17が設けられ、バランス部材
16、16、・・・を、回転加速時において、回転駆動
手段8が離脱回転数になるまで、バランス部材保持手段
17とともに回転させる。これにより、離脱回転数を超
えて遠心力により外周部に移動されたバランス部材1
6、16、・・・は、早期にケース体15との相対的な
速度がほぼ「0」となる。
【0023】これは、若し、回転駆動手段8の回転開始
時からバランス部材16、16、・・・を移動空間14
内で移動自在にしておくと、その慣性により、ケース体
15が回転してもバランス部材16、16、・・・が停
止した状態又はケース体15の回転に対して遅延した状
態が生じてしまい、ケース体15とバランス部材16、
16、・・・との相対的な速度が「0」となるまで時間
がかかり、後述するように、調芯が遅延するからであ
る。従って、上記離脱回転数は、できるだけ高回転数で
かつ上記振動系13の共振周波数よりもやや低く設定す
ることが望ましい。
【0024】また、ケース体15には、該ケース体15
の外周部に移動されたバランス部材16、16、・・・
が、上記離脱回転数よりも低い回転数になるまでケース
体15の中心部に戻って来ないようにするバランス部材
戻り抑制手段18が設けられ、回転減速時において、上
記離脱回転数よりも低い回転数(以下、「戻り回転数」
という。)になるまで、バランス部材16、16、・・
・をケース体15の外周部に位置させる。これにより、
上記離脱回転数よりも低くなっても戻り回転数になるま
で調芯状態が維持される。戻り回転数とは、当該バラン
ス部材戻り抑制手段18を有しない場合において、例え
ば、後述する実施例において説明するバランス部材保持
手段17がマグネットである場合、該マグネットのバラ
ンス部材16、16、・・・に対する吸引力がバランス
部材16、16、・・・にかかる遠心力よりも大きくな
る回転数よりも低い回転数を意味する。
【0025】従って、バランス部材16、16、・・・
は、回転加速時においては、高速回転(上記離脱回転
数)にならなければ外周部へ移動せず、かつ、回転減速
時においては、低速回転(戻り回転数)にならなければ
中心部に戻って来ないようになり、広い回転数域におい
てバランス部材16、16、・・・を外周部に位置さ
せ、調芯状態を維持することができる。
【0026】弾性部材11の弾性係数は弾性部材11と
サブシャーシ12の質量(サブシャーシ12に搭載する
ものの質量も含める。)とにより決定され、これらによ
り構成される振動系13の共振周波数を回転駆動機構6
の使用回転数よりも低く設定する。尚、弾性部材11に
は、あらゆる弾性部材を用いることができ、天然ゴム、
合成ゴム、軟質合成樹脂のほかバネ等でも良い。
【0027】回転駆動手段8には、スピンドルモータ等
の駆動源の他、モータドライバー等の制御系等、回転制
御に係る一切の構成物が含まれる。
【0028】合成回転体19には、回転駆動手段8によ
り回転されるすべての部材、例えば、後述する実施例に
おいて説明するディスクドライブ装置におけるディスク
テーブル、チャッキング部材や自動調芯機構7のほか、
回転駆動手段8に含まれる回転する部材であるロータ2
0及び支軸9やディスクテーブルに装着される記録ディ
スクが含まれる。
【0029】上記振動系13は、本発明回転駆動機構6
の自動調芯機構7において以下のような機能を有する。
【0030】即ち、自動調芯機構7においては、本来、
回転駆動手段8の回転数がいわゆる危険速度(軸ブレが
増大する速度)を超えたときに、バランス部材16、1
6、・・・が合成回転体19の有する重量的アンバラン
スを打ち消すような位置に移動する(以下、「引込み現
象」という。)ため、調芯作用が為されるが、このよう
な回転駆動手段8において軸ブレが生ずる回転数(危険
速度)とは、数10Hzぐらいであり、通常の使用回転
数(約1000〜6000rpm)では、上記危険速度
には遙かに及ばない。そのため、上記振動系13を構成
することにより、本来の危険速度に達しなくても、振動
系13の共振により、バランス部材16、16、・・・
の引込み現象を生じさせることができる。
【0031】
【実施例】以下に、本発明回転駆動機構の各実施例を添
付図面に従って説明する。尚、以下に示した各実施例
は、本発明を光ディスクや光磁気ディスクの如き記録デ
ィスクに対する再生や記録を行う12倍速のディスクド
ライブ装置の回転駆動機構に適用したものである。
【0032】図4乃至図9は第1の実施例に係る回転駆
動機構を用いたディスクドライブ装置21を示す。
【0033】記録ディスク22は、例えば、ポリカーボ
ネートの如き合成樹脂材料によって直径120mmの円
盤状に形成された透明基板に信号記録面が形成されて構
成されている。そして、記録ディスク22には、その中
心部に円形開口部(チャッキング孔)22aが設けられ
ている。記録ディスク22は円形開口部22aに後述す
るディスクテーブルの位置決め突起が嵌合されることに
より位置決めされる。
【0034】ディスクドライブ装置21は回転駆動手段
となるスピンドルモータ23及び光学ピックアップ装置
24が載置されるメカシャーシ25と、ベースシャーシ
26に対してメカシャーシ25をフローティング支持す
る複数のダンパ27、27、・・・とを備えて構成され
ている(図4参照)。尚、メカシャーシ25は上記サブ
シャーシ12に相当し、また、ダンパ27は上記弾性部
材11に相当する。
【0035】光学ピックアップ装置24は上記メカシャ
ーシ25にガイドシャフト28、28を介してディスク
テーブルに装着された記録ディスク22の半径方向に移
動自在に支持されている。そして、光学ピックアップ装
置24は、レーザダイオードの如き図示しない光源及び
光検出器を有し、光源より発せられるレーザ光を対物レ
ンズ29を介して記録ディスク22に照射し、また、レ
ーザ光の記録ディスク22よりの反射光を光検出器によ
って検出するように構成されている。
【0036】回転駆動機構30は、上記スピンドルモー
タ23と該スピンドルモータ23によって回転される支
軸(スピンドル軸)31の上端寄りの位置に固定された
ケース体32と同じくスピンドル軸31の上端部に固定
されたディスクテーブル(ターンテーブル)33とを備
えている(図5参照)。
【0037】スピンドル軸31はメカシャーシ25上に
固定されたモータ基板34に対して、回転軸受け35、
35を介して軸回りに回転可能に支持されている。スピ
ンドル軸31にはスピンドルモータ23を構成するモー
タロータ36が取り付けられ、該モータロータ36は略
円筒状に形成され内面部に駆動マグネット37が固定さ
れている。即ち、スピンドル軸31はスピンドルモータ
23の支軸(駆動軸)となっている。また、駆動マグネ
ット37は、モータ基板34上に固定されたステータコ
イル38に対向している(図5参照)。
【0038】ディスクテーブル33は略円板状に形成さ
れ、中央部に形成された支軸圧入孔にスピンドル軸31
の先端部が圧入されることにより、該スピンドル軸31
に固定されている。そして、ディスクテーブル33はそ
の中央部に記録ディスク22の位置決めを行うための位
置決め突起33aが設けられている。位置決め突起33
aは略円錐台形状に突出して設けられ、記録ディスク2
2の円形開口部22aに嵌合して記録ディスク22を位
置決めする。
【0039】また、位置決め突起33a内には磁石が内
蔵されており、磁性材料を有する図示しないチャッキン
グ部材(クランパ)が吸着されるようになっている。即
ち、記録ディスク22は位置決め突起33aがチャッキ
ング部材を吸着することでディスクテーブル33とチャ
ッキング部材との間に挟まれて確実に保持される。そし
て、スピンドルモータ23のステータコイル38に駆動
電流が供給されてモータロータ36が回転すると、該モ
ータロータ36と共にスピンドル軸31、ケース体3
2、ディスクテーブル33、チャッキング部材及びディ
スクテーブル33に装着された記録ディスク22が一体
的に回転され、また、各バランス球43、43、・・・
も移動空間32a内でスピンドル軸31の回転軸回りに
回転される。即ち、スピンドルモータ23に含まれる回
転する部材(モータロータ36、スピンドル軸31)、
スピンドルモータ23により回転する回転部材(ディス
クテーブル33、チャッキング部材、記録ディスク2
2、自動調芯機構7)が合成回転体39を構成する(以
下、これらの各部材の全体の重心、即ち、合成回転体3
9の重心を「合成重心」という。)。
【0040】そして、上記ダンパ27、27、・・・及
びメカシャーシ25(スピンドルモータ23、光学ピッ
クアップ装置24などメカシャーシ25に搭載されるす
べてのもの(ディスクテーブル33とチャッキング部材
等)も含む。)により、振動系40が構成される。かか
る振動系40は上記実施の形態で説明した振動系13に
相当する。
【0041】かかる振動系40の共振周波数は、当該デ
ィスクドライブ装置21が12倍速のものである場合に
は、例えば、75Hz(4500rpm)になるように
上記ダンパ27、27、・・・の弾性係数が設定され
る。これは、12倍速ディスクドライブ装置21の使用
回転数域が約3000〜6000rpmであり、現在多
くあるディスクドライブ装置にあっては、回転駆動開始
直後、最内周側の情報信号を読みに行くのが一般的で、
その最内周の情報信号を読みに行った時が最大回転数
(6000rpm)となるため、この最大回転数になる
までに調芯作用が為されていれば良いことによる。
【0042】尚、上記振動系40の共振周波数をもっと
最大回転数6000rpmに近づけても良い。このよう
にすると、振動系40の共振周波数よりやや低い回転数
に設定する離脱回転数を高く設定することでき、ケース
体32とバランス球43、43、・・・との相対的な速
度が早期に「0」となり、その分、引込み現象を早期に
実現することが可能となる。
【0043】ケース体32は、例えば、合成樹脂材料に
より形成され、モータロータ36とディスクテーブル3
3との間にスピンドル軸31に固定された状態で位置さ
れている。そして、ケース体32は収容部41と該収容
部41を覆う天板部42とから成り、収容部41の中心
部分がスピンドル軸31に該スピンドル軸31と同軸状
に固定されている。
【0044】そして、ケース体32の内部空間(以下、
「移動空間」という。)32aは円環状になっており、
その移動空間32a内には、バランス部材となる、例え
ば、6個のバランス球43、43、・・・が収納されて
上記自動調芯機構7を構成している。
【0045】バランス球43、43、・・・は、鉄やニ
ッケルの如き磁性材料により球状に形成され、それぞれ
移動空間32a内において、その半径方向にも、周方向
にも移動自在になっている。
【0046】移動空間32a内の中央部には、磁界発生
手段となるマグネット(永久磁石)44が配設されてい
る。マグネット44は、円環状を為し、その厚さ方向
(回転軸方向と平行な方向)に2極着磁されていて、上
記収容部41の内周壁に外嵌状に設けられて、スピンド
ル軸31に対して同軸状に配設されている。そして、ス
ピンドルモータ23が回転していないとき又は低回転の
ときは、バランス球43、43、・・・はマグネット4
4に吸着されて、移動空間32a内の内周部側に位置さ
れている。これにより、マグネット44は、所定回転数
(離脱回転数)になるまでバランス球43、43、・・
・を吸着し、上記バランス部材保持手段17として機能
する。
【0047】また、上記バランス球43、43、・・・
はマグネット44に吸着された状態で、その隣り合うも
の同士が同じ方向に磁化され、互いに反発し合うため、
6つのバランス球43、43、・・・は周方向に等間隔
に位置されている。このため、バランス球43、43、
・・・があることによる偏重心はなく、回転開始から離
脱されるまでの間の回転にバランス球43、43、・・
・に起因するにブレが生ずるようなことはない。
【0048】マグネット44の上面及び下面には該マグ
ネット44よりもやや大きな直径の円環状をしたヨーク
45、45が吸着されており、これにより、マグネット
44の磁界は一方のヨーク45と他方のヨーク45との
それぞれの外周縁間に主に形成され、磁束が集中するた
め吸引力が増加するとともに、磁力がケース体32の外
周部まで及びにくくなっている。
【0049】これにより、ヨーク45、45は、上記マ
グネット44のバランス部材保持手段としての機能を増
強するとともに、ケース体32の外周部に移動されたバ
ランス球43、43、・・・にマグネット44の磁力を
あまり及ばせず、バランス球43、43・・・にかかる
遠心力が小さくなるまで、即ち、回転数が低く(戻り回
転数)なるまで、バランス球43、43・・・がマグネ
ット44の磁力により戻って来るのを抑制するバランス
部材戻り抑制手段として機能する。
【0050】尚、この実施例においてはヨーク45、4
5を円環状のマグネット44の上面及び下面に設けた
が、本発明はこれに限らず、上面のみ又は下面のみに設
けるようにしても良い。また、この実施例において、ヨ
ーク45、45はマグネット44よりもやや大きな直径
をしたものを用いたが、このようにすると、ヨーク45
と45とのそれぞれの外周縁間に磁束を集中させること
ができ、マグネット44の吸着力を高めるとともにケー
ス体32の外周部に及ぼす磁力の影響を少なくすること
ができる。また、ヨーク45、45の直径をマグネット
44と同一にするようにしても良く、かかる場合、マグ
ネット44のバランス球43、43、・・・に対する吸
着力が弱まりケース体32の外周部に及ぼす磁力を大き
くすることができる。
【0051】このように、ヨーク45、45の大きさを
適宜に選択することにより、マグネット44のバランス
球43、43・・・に対する吸着力を設定することがで
き、これにより、バランス球43、43、・・・をマグ
ネット44から離脱させる離脱回転数及び戻って来る戻
り回転数を適宜設計することができる。また、マグネッ
ト44の吸着力は、ヨーク45、45の形状(直径、厚
さなど)のほか、マグネット44そのものの磁力、バラ
ンス球43、43・・・の大きさ、材質などによって
も、適宜変更することができる。従って、マグネット4
4及び/又はヨーク45、45による吸着力を適宜選定
することにより、ディスクドライブ装置21において、
回転加速時におけるバランス球43、43、・・・の離
脱回転数、或いは、回転減速時におけるバランス球4
3、43、・・・の戻り回転数を適宜設計することがで
きる。
【0052】次に、上記ディスクドライブ装置21の回
転駆動機構30における自動調芯機構7のバランス球4
3、43、・・・の動きについて、図10及び図11に
従って説明する。図10及び図11は(偏重心)アンバ
ランス量が1g・cmの記録ディスク22をディスクド
ライブ装置21に装着したときのメカシャーシ25のラ
ジアル方向における加速度(G)とスピンドルモータ2
3の回転数(rpm)との関係を表わしたグラフ図であ
る。
【0053】尚、図12及び図13は、ヨーク45、4
5を有しない回転駆動機構におけるメカシャーシの加速
度とスピンドルモータの回転数との関係を表わしたグラ
フ図であり、本実施例と比較する意味で併せて説明す
る。
【0054】また、ヨーク45、45を備えたこの回転
駆動機構30は、その自動調芯機構7のバランス球4
3、43・・・の離脱回転数が4000rpmに、戻り
回転数が1500rpmに、振動系40の共振周波数が
75Hz(4500rpm)に、それぞれ設定されてい
る。尚、ヨークを有しない回転駆動機構は、ヨークを有
しない分、バランス球43、43、・・・の離脱回転数
が3000rpmと低く、また、ケース体の外周部まで
磁界が強く及ぶため、バランス球43、43、・・・の
戻り回転数が2000rpmとなっている。
【0055】しかして、回転駆動機構30のスピンドル
モータ23が回転し始めると(回転加速時)、約150
0rpmまではほとんど振動がなく、1500rpmを
超えると振動が徐々に増加する(図10参照)。
【0056】回転駆動機構30はそのスピンドルモータ
23が4000rpmになったときに、バランス球4
3、43、・・・がマグネット44から離脱する。この
離脱された瞬間ではバランス球43、43、・・・の回
転数はマグネット44とほゞ同じとなっているが、離脱
された瞬間にバランス球43、43、・・・の慣性によ
りその回転数はケース体32の回転数に対して遅延す
る。即ち、バランス球43、43、・・・はその離脱し
た瞬間では、ケース体32の加速度について行けず、一
瞬、相対的な速度が「負」になる。
【0057】その後、移動空間32a内でバランス球4
3、43、・・・はその半径方向及び周方向にも移動し
て暴れるが、ケース体32の内底面及び外周壁内面との
摩擦抵抗などにより、スピンドルモータ23の回転力が
バランス球43、43、・・・に伝達されるため、約4
500rpm直前で、ケース体32との間の相対的な速
度が「0」となる。この状態では、バランス球43、4
3・・・はケース体32の外周部に位置され、遠心力に
よりその外周壁内面に押し付けられた状態となる。
【0058】回転数が4500rpm付近においては振
動系40の共振が生じ、バランス球43、43、・・・
の引込み現象が生ずる。尚、4500rpm付近におい
て、図10にはその振動が特に大きくなったことが現れ
ていないが、これは、それまでの状態がバランス球4
3、43、・・・が暴れているため、共振がグラフ上現
われないものと考えられるが、ケース体32の運動とバ
ランス球43、43、・・・の運動とは逆位相となっ
て、バランス球43、43、・・・が合成回転体39の
アンバランスの方向とは逆方向に移動して引込み現象が
生じる(図7参照)。
【0059】そして、ほゞ4500rpmで引込み現象
が生ずると、調芯作用が為され、これにより、メカシャ
ーシ25の振動が減少し、その加速度はほゞ0.5Gぐ
らいとなる。
【0060】このように、各バランス球43、43、・
・・はアンバランスを有する記録ディスク22が回転さ
れた場合、いわゆる自動調芯作用により自己が適宜に移
動し、これにより、合成重心の位置が回転軸上に位置す
る。従って、合成回転体39は振動することなく回転
し、従って、アンバランスを有する記録ディスク22を
装着してもこれらの合成重心を回転軸上に位置させた状
態で回転させることができる。
【0061】その後、スピンドルモータ23の回転数が
増加しても、振動は若干増加するものの、大きく増加す
ることはなく、使用回転数域のうち最大使用回転数であ
る6000rpmでもその加速度は0.7〜0.8G以
内となっている。
【0062】尚、重量的なアンバランス(偏重心)がな
い記録ディスク22をディスクドライブ装置21に装着
した場合には、もともと振動系40の振動が小さいた
め、バランス球43、43、・・・の離脱回転数を超え
たところで、バランス球43、43、・・・が移動空間
32a内でやや暴れるが、もともとアンバランスがない
ため、早期に調芯作用が為され、バランス球43、4
3、・・・は移動空間32a内において、図8及び図9
に示すように、スピンドル軸31の回転軸回りにほゞ等
角度間隔となるように位置する。
【0063】これに対して、ヨーク45、45を有しな
い回転駆動機構にあっては、3000rpmまで、上記
回転駆動機構30とほゞ同じグラフ(図12)を描く
が、3000rpmでバランス球がマグネットから離脱
してケース体内でバランス球が暴れる。そして、回転数
が低い段階でバランス球が離脱されると、ケース体との
相対的な速度が「0」になるまで、やや時間を要す。こ
のグラフ図には現れていないが、実際には、回転の加速
度を小さく(グラフ図の傾きを緩やかにする。)しなけ
ればならない。
【0064】そして、かかる回転駆動機構においても4
500rpm直前でケース体とバランス球との相対的な
速度が「0」となり、4500rpm付近においては振
動系40の共振が生じ、バランス球43、43、・・・
の引込み現象を生じ、調芯が為される。また、6000
rpmは上記回転駆動機構30と同様に回転数の増加と
共に、やや振動が増加する。
【0065】次に、本実施例に係る回転駆動機構30に
おける回転減速時の作用について説明する。
【0066】6000rpmからスピンドルモータ23
の回転を減速して行くと、その振動は大きく変化するこ
となく、徐々に減少して、3000rpm付近でほゞ振
動がなくなる。この回転減速時に振動が少ないのは、一
旦、調芯作用が実行されると、バランス球43、43、
・・・がマグネット44に吸着されるまで、即ち、その
自動調芯機構7における戻り回転数になるまでその調芯
状態が維持されるためである(図11参照)。
【0067】そして、回転数が1500rpmになった
ときに、マグネット44のバランス球43、43、・・
・に対する吸引力が遠心力に優り、バランス球43、4
3、・・・はマグネット44に引き寄せられて吸着され
る。このような低回転域においては、多少の偏重心があ
ってもこれによる振動は小さく、仮りに、この範囲の回
転数域においても記録ディスク22の信号情報の読み書
きをする場合であっても影響はない。
【0068】このように、ヨーク45、45を設けた自
動調芯機構7を備えたディスクドライブ装置21にあっ
て、その使用回転数域(3000〜6000rpm)に
おいて、重量的なアンバランスを有する記録ディスク2
2を回転させても自動調芯作用により合成回転体39に
振動を生ずることがなく、このような記録ディスク22
であってもその信号記録面に対して良好に情報信号の書
き込み又は読み出しができる。
【0069】尚、上記した使用回転数域は12倍速のデ
ィスクドライブ装置21の通常の使用回転数域である
が、このように高速型のディスクドライブ装置にあって
は、高速モードと低速モードとを設定できるようになっ
ているものがある。例えば、12倍速の高速モードと、
4倍速の低速モードとを有するディスクドライブ装置が
あり、その使用回転数域は高速モードのときが3000
〜6000rpmで、低速モードのときが1000〜2
000rpmとなっている。更にこの種のディスクドラ
イブ装置は、1倍速でも使用できるようになっており、
この場合、その使用回転数域は約200〜500rpm
となっている。
【0070】そして、上記したディスクドライブ装置2
1にあっては、1500rpmまで調芯状態を維持する
ことができ、しかも、このように低速回転域においては
調芯状態を解消しても振動は少ないため、上記した4倍
速や1倍速における使用回転数域は勿論、すべての回転
数域0〜6000rpmにおいて、記録ディスクの読み
書きに障害をもたらす振動が発生することはない。
【0071】これに対して、ヨークを有しない上記回転
駆動機構にあっては、6000rpmから減速して行く
と、約2000rpmでバランス球がマグネットに引き
付けられてしまい、これにより、調芯状態が解消されて
合成回転体のアンバランスがそのまま振動系を振動させ
てしまうことになり、ほゞ2000rpmでメカシャー
シの加速度値がやや上昇しているのが解る(図13参
照)。
【0072】このように、ヨークを有しない回転駆動機
構にあっては、回転減速時において、調芯状態が早くに
解消されてしまい予期せぬ振動が発生する。
【0073】要するに、マグネットの磁力のみによりバ
ランス球の離脱及び戻りを行う場合、マグネットの磁力
を大きくすると、離脱回転数を高くすることができる
が、戻り回転数も高くなってしまい、また、マグネット
の磁力を小さくすると、戻り回転数を低くすることがで
きるが、離脱回転数も低くなってしまうことになる。
【0074】そこで、本発明の上記実施例のように、ヨ
ーク45、45を設けると、マグネット44の磁力の大
きさを大きくすることなく吸引力を増すことができ、同
じ磁力のマグネット44を使用した場合、離脱回転数を
高くすることができ、しかも、磁束が集中するため、周
囲への磁力の影響を小さくすることができ、戻り回転数
を低くすることができる。
【0075】尚、上記実施例において、離脱回転数を振
動系40の共振周波数4500rpmに比較的近い40
00rpmとしたので、上述のようにケース体32の回
転数とバランス球43、43、・・・との相対的な速度
を早く「0」にすることができる。
【0076】また、上記実施例においては、振動系40
の共振周波数をディスクドライブ装置21の使用回転数
域(3000〜6000rpm)内に設定することによ
り、この共振周波数より高次の共振周波数が使用回転数
域内に存在することなく、回転駆動機構30の回転数が
振動系40の高次の共振周波数と一致したならば生ずる
であろう振幅の大きな振動が生ぜず、更に安定した回転
を得ることができる。
【0077】このように、回転駆動機構の使用回転数域
内に振動系の高次の共振周波数を含めないようにするた
めには、最大使用回転数をRとし、振動系の1次共振周
波数をfrとすると、 R/2<fr<R の関係を有するようにすれば良い。
【0078】例えば、上記本実施例にかかる12倍速の
ディスクドライブ装置21の場合には、振動系40の1
次共振周波数を50Hz(3000rpm)乃至100
Hz(6000rpm)の範囲内に設定する。このよう
にすることにより、振動系40の2次共振周波数は10
0Hz乃至200Hzの範囲内となって、使用回転数域
に2次共振周波数が含まれず、使用回転数域内において
2次共振による振幅の大きな振動が生じることがない。
【0079】更に、上記実施例にかかる回転駆動機構3
0における振動系40の共振周波数を最大使用回転数よ
りも大きく設定し、一旦、上記共振周波数を超える回転
数まで、スピンドルいモータ23の回転を上げて、自動
調芯作用を生じさせた後、回転数を減じて使用回転数域
で回転駆動機構30を使用することもできる。
【0080】即ち、上記回転駆動機構30において、振
動系40の共振周波数を116Hz(7000rpm)
に設定し、スピンドルモータ23の回転数を7000r
pm以上にして調芯作用を生じさせ、その後、回転を減
じて使用回転数域である3000〜6000rpmで使
用する。
【0081】このように一旦、自動調芯作用を生じさせ
た後に、減速することにより合成回転体39の回転を安
定させることができ、しかも、上記実施例にかかる回転
駆動機構30のようにバランス部材保持手段17及びバ
ランス部材戻り抑制手段18を備えたディスクドライブ
装置21にあっては、広い回転数域において調芯状態を
維持することができるため、更に、安定した合成回転体
39の回転を使用回転数域で実現することができる。
【0082】図14は本発明回転駆動機構の第2の実施
例を示すものである。
【0083】この第2の実施例が前記第1の実施例と比
較して相違する点は、バランス部材戻り抑制手段がヨー
クでなく、マグネットの着磁方法であるので、図面には
要部のみを示し、また、その説明は上記相違点について
のみ行い、他の部分については図面の各部に前記第1の
実施例に係る回転駆動機構における同様の部分に付した
符号と同じ符号を付することによりその説明を省略す
る。
【0084】図14は、第2の実施例にかかる回転駆動
機構30Aの自動調芯機構7Aの水平断面を示すもので
あり、ケース体32内の中心部には周方向に多極着磁さ
れたマグネット46が配置されている。
【0085】このように周方向に多極着磁されたマグネ
ット46は、周方向に12極に着磁されており、それぞ
れの各極間に発生する磁界は周方向に隣り合う極間にお
いて生ずる。このため、ここに発生する磁界は、マグネ
ットの厚さ方向に2極着磁されたものと比較して狭く、
これにより、ケース体32の外周部に及ぶ磁力が少なく
なる。
【0086】従って、マグネット46そのものが、バラ
ンス部材保持手段17及びバランス部材戻り抑制手段1
8として機能する。
【0087】また、マグネット46のケース体32の外
周部に及ぼす影響は、その多極着磁された各極の外周面
の周方向における長さによるため、マグネット46の周
方向の着磁数を多くして各極の外周面の周方向の長さを
短くすることにより、外周部への磁力の影響を少なくす
ることができ、従って、バランス部材戻り抑制手段18
としての機能を増大させることができる。
【0088】尚、上記した各実施例において、バランス
部材戻り制御手段として、ヨーク45、45を用いた
り、バランス部材保持手段としてのマグネットの着磁方
法を工夫したりしたものを示したが、本発明回転駆動機
構はこれに限らず、例えば、ケース体の外周部にリング
状のマグネットを設けても良い。かかる場合、バランス
部材制御手段としてのマグネットの磁力を弱くしておけ
ばよい。
【0089】また、上記した各実施例においては、アン
バランスを有する記録ディスク22をディスクテーブル
に装着したときに、合成回転体39に対して自動調芯作
用を実行させる例を示したが、合成回転体39のうちの
記録ディスク22以外の部材がアンバランスを有する場
合においても、回転駆動機構30によって自動調芯作用
を実行させて回転時の振動を抑制することができる。
【0090】更に、、上記した各実施例においては、本
発明に係る回転駆動機構をディスクドライブ装置21の
回転駆動機構30に適用したものを説明したが、本発明
に係る回転駆動機構は、産業用機械や他の電化製品に備
えられるものに適用することもできる。
【0091】
【発明の効果】以上に記載したところから明らかなよう
に、請求項1に係る発明によれば、自動調芯機構を備え
る回転駆動機構において、回転加速時において、所定の
回転数になるまでバランス部材をケース体の中心部に保
持するバランス部材保持手段と、上記所定回転数以上に
なって外周部に移動されたバランス部材を、その回転減
速時においては上記所定回転数よりも低い回転数になる
までケース体の中心部に戻って来ないようにするバラン
ス部材戻り抑制手段を設けたので、合成回転体に偏重心
があったとしても、合成回転体を調芯した状態で回転さ
せることができ、しかも、バランス部材保持手段を設け
たので、高速回転になってからバランス部材を開放する
ため、バランス部材の回転とケース体の回転との相対的
な速度が早期に「0」となり、調芯作用が迅速に為され
るとともに、バランス部材戻り抑制手段を設けたので、
上記調芯状態を低速回転まで維持することができ、回転
駆動機構の使用回転数域を拡大することができる。
【0092】請求項2に係る発明によれば、バランス部
材を磁性材料により形成し、ケース体の中心部には軸方
向に着磁された円環状のマグネットを配設して、バラン
ス部材保持手段を構成するとともに、該マグネットの軸
方向の少なくとも一方の端面に円環状のヨークを設け
て、外周部に移動されたバランス部材に上記バランス部
材保持手段の磁力が及びにくくし、低速回転になるまで
バランス部材が中心部に戻って来ないようにしてバラン
ス部材戻り抑制手段を構成したので、簡単な構造で、バ
ランス部材保持手段及びバランス部材戻り抑制手段を構
成することができ、しかも、バランス部材保持手段の機
能を増強することができる。
【0093】請求項3に係る発明によれば、バランス部
材を磁性材料により形成し、ケース体の中心部には周方
向に多極着磁された円環状のマグネットを配設して、バ
ランス部材保持手段を構成するとともに、上記バランス
部材保持手段としてのマグネットを周方向に多極着磁し
たことが、外周部に移動されたバランス部材に上記バラ
ンス部材保持手段の磁力を及びにくくして、低速回転時
においてもバランス部材が中心部に戻って来ないように
したバランス部材戻り抑制手段として機能するようにし
たので、簡単な構造で、バランス部材保持手段及びバラ
ンス部材戻り抑制手段を構成することができる。
【0094】尚、上記した各実施例において示した各部
の具体的な形状及び構造は、何れも本発明を実施するに
際しての具体化のほんの一例を示したものにすぎず、こ
れらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈される
ことがあってはならないものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る回転駆動機構に用いられる自動調
芯機構の原理を説明するための概念図である。
【図2】図3と共に、本発明に係る回転駆動機構の基本
構成を概念的に示すもので、本図は全体の概略側面図で
ある。
【図3】自動調芯機構の基本構成を概念的に示す概略縦
断面図である。
【図4】図5乃至図9と共に、本発明回転駆動機構の第
1の実施例を示すものであり、本図は本発明に係る回転
駆動機構を使用したディスクドライブ装置を概略的に示
す斜視図である。
【図5】合成回転体を示す拡大縦断面図である。
【図6】バランス球がマグネットに吸着されている状態
を示す拡大水平断面図である。
【図7】自動調芯作用が実行された状態を示すケース体
の拡大水平断面図である。
【図8】バランス球がケース体の外周部に移動された状
態を示す拡大水平断面図である。
【図9】ケース体が回転された状態を示す拡大縦断面図
である。
【図10】図11と共に、本発明回転駆動機構における
メカシャーシの加速度と回転数との関係を表わすもの
で、本図は回転加速時のグラフ図である。
【図11】回転減速時のグラフ図である。
【図12】図13と共に、ヨークがない場合の回転駆動
機構におけるメカシャーシの加速度と回転数との関係を
表わすもので、本図は回転加速時のグラフ図である。
【図13】回転減速時のグラフ図である。
【図14】本発明回転駆動機構の第2の実施例を示す要
部の拡大水平断面図である。
【符号の説明】
6…回転駆動機構、7…自動調芯機構、8…回転駆動手
段、9…支軸、14…移動空間、15…ケース体、16
…バランス部材、17…バランス部材保持手段、18…
バランス部材戻り抑制手段、19…合成回転体、23…
スピンドルモータ、30…回転駆動機構、31…スピン
ドル軸、32…ケース体、32a…移動空間、39…合
成回転体、43…バランス球、44…マグネット、45
…ヨーク、7A…自動調芯機構、30A…回転駆動機
構、46…マグネット

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転駆動手段により回転される回転部材
    及び回転駆動手段に含まれる回転する部材(以下、これ
    らの回転する部材を総称して「合成回転体」という。)
    の重心(以下、「合成重心」という。)を回転中に自動
    的に回転軸上に位置させる自動調芯機構を備えた回転駆
    動機構であって、 自動調芯機構は、回転駆動手段により支軸を介して回転
    され、軸方向に直交する方向の断面形状が円環状を為す
    移動空間を有するケース体と、該ケース体の移動空間内
    に移動可能に配設されたバランス部材とを有し、該バラ
    ンス部材を回転駆動手段の回転に伴い合成回転体の他の
    部分に対して相対的に移動させて、合成回転体の合成重
    心を回転軸上に位置させるものであるとともに、 回転加速時において、所定の回転数になるまでバランス
    部材をケース体の中心部に保持するバランス部材保持手
    段と、上記所定回転数以上になって外周部に移動された
    バランス部材を、回転減速時において上記所定回転数よ
    りも低い回転数になるまでケース体の中心部に戻って来
    ないようにするバランス部材戻り抑制手段とを設けたこ
    とを特徴とする回転駆動機構。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した回転駆動機構におい
    て、 バランス部材を磁性材料により形成し、 ケース体の中心部には軸方向に着磁された円環状のマグ
    ネットを配設して、バランス部材保持手段を構成すると
    ともに、 該マグネットの軸方向の少なくとも一方の端面に円環状
    のヨークを設けて、外周部に移動されたバランス部材に
    上記バランス部材保持手段の磁力が及びにくいように
    し、低速回転時になるまでバランス部材が中心部に戻っ
    て来ないようにしてバランス部材戻り抑制手段を構成す
    るようにしたことを特徴とする回転駆動機構。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載した回転駆動機構におい
    て、 バランス部材を磁性材料により形成し、 ケース体の中心部には周方向に多極着磁された円環状の
    マグネットを配設して、バランス部材保持手段を構成す
    るとともに、 上記バランス部材保持手段としてのマグネットを周方向
    に多極着磁したことが、外周部に移動されたバランス部
    材に上記バランス部材保持手段の磁力が及ばないように
    して低速回転時においてもバランス部材が中心部に戻っ
    て来ないようにしたバランス部材戻り抑制手段として機
    能するようにしたことを特徴とする回転駆動機構。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108282053A (zh) * 2018-01-02 2018-07-13 美的集团股份有限公司 平衡组件、电机组件和破壁料理机
CN112379117A (zh) * 2020-11-16 2021-02-19 北京理工大学 磁电式旋转角速度和角加速度一体化传感器
CN112379118A (zh) * 2020-11-16 2021-02-19 北京理工大学 一种旋转角速度和旋转角加速度一体化测量装置
CN113437816A (zh) * 2021-07-20 2021-09-24 珠海格力电器股份有限公司 转子组件以及具有其的电机

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