JPH10306294A - 粒状消泡剤組成物および粒状洗剤組成物 - Google Patents

粒状消泡剤組成物および粒状洗剤組成物

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JPH10306294A
JPH10306294A JP11488997A JP11488997A JPH10306294A JP H10306294 A JPH10306294 A JP H10306294A JP 11488997 A JP11488997 A JP 11488997A JP 11488997 A JP11488997 A JP 11488997A JP H10306294 A JPH10306294 A JP H10306294A
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granular
silicone
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antifoaming
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JP11488997A
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Takeshi Kawabe
健 川辺
Akitomo Morita
章友 森田
Seiji Abe
誠治 阿部
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Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水道水の水温程度の比較的低温条件下におい
て洗濯を行っても十分な消泡効果を示し、流動性が良好
で、高温条件下、高湿条件下の保存環境においても長期
保存安定性が良好な粒状消泡剤組成物と粒状洗剤組成物
を提供する。 【解決手段】 シリコーン消泡剤と、天然澱粉および/
または冷水不溶性化工澱粉と、硫酸ナトリウムと、融点
40℃以上の熱可塑性有機バインダー物質を含有する粒
状消泡剤組成物とし、これを含む粒状洗剤組成物とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は衣料用粒状洗剤組成
物に特に適した粒状消泡剤組成物および粒状洗剤組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、日本では衣料用洗剤は洗濯時に適
度に泡立つことが要求されてきた。これは適度に泡立つ
方が洗剤の洗浄力があるとの洗濯習慣上の認識があった
ためである。しかし、近年全自動洗濯機の普及に伴い、
洗剤と衣料を洗濯機に投入した後は洗濯完了時まで何も
操作を要求されない。このことが洗濯上の意識を変化さ
せ、むしろプログラム時間内で確実にすすぎが完了する
ような低泡性でかつすすぎ性の良い洗剤が望まれるよう
になった。
【0003】また、消費者の生活の高級化、多様化など
から洗濯から乾燥まで自動化された全自動洗濯乾燥機も
徐々に普及しつつある。このタイプにはドラム型洗濯機
があり、現在ヨーロッパ各国では主に用いられているも
のである。ドラム型洗濯機は従来のパルセーター型洗濯
機と異なり、叩き洗いによって洗浄を行うため、洗浄時
に泡立つと洗浄効率が落ち、洗浄性能が低下してしま
う。さらに泡立ちがひどくなると洗濯機から泡があふれ
出てくるといった問題もあった。また、ドラム型洗濯機
はパルセーター型洗濯機と比べてすすぎ時の泡切れが非
常に悪いことから、泡を抑制した洗剤が要望されてきて
いる。
【0004】洗浄時およびすすぎ時(以下これらをあわ
せて洗濯時という)の泡を抑制する消泡剤としてはシリ
コーン消泡剤がよく知られている。しかし、シリコーン
消泡剤をそのまま粒状(以下粒状とは粉末状のものも含
むものとする)の他の洗剤成分に添加、混合した場合、
添加直後の消泡効果は非常に良いが、長期間にわたって
貯蔵すると、変性して消泡性能が低下してしまうという
問題点がある。この保存中の性能低下は、保存環境が高
温であったり、高湿度である程著しくなる。このためシ
リコーン消泡剤を用いる場合には、一般的にシリコーン
消泡剤をバインダーなどとともに造粒したり、あるいは
シリコーン消泡剤をカプセル内に収めるなどの被覆処理
を行って粒状物とした後、他の洗剤成分と混合すること
が行われている。しかし、このような処理を行っても、
他の洗剤成分中に前記粒状物を長期間保存した場合、シ
リコーン消泡剤がしみだして消泡性能が低下することが
ある。特にシリコーン消泡剤がしみだして他の洗剤成分
中に含まれるアルカリ剤と接触すると消泡性能は著しく
低下する。
【0005】この解決策として、有機物質にシリコーン
消泡剤を担持させるなどして、シリコーン消泡剤を前記
有機物質によって包接し、その保存性を向上させた粒状
消泡剤組成物が提案されている。具体的には、特開昭6
2−27496号公報では水不溶の脂肪酸または脂肪ア
ルコールを含む粒状消泡剤組成物、特開昭62−274
97号公報では脂肪酸とグリセロールのモノエステルを
含む粒状消泡剤組成物、特開昭63−56600号公報
では脂肪酸と石鹸を含む粒状消泡剤組成物などが提案さ
れている。
【0006】しかしながら、上述の粒状消泡剤組成物に
おいては、比較的低温条件下で洗濯を行うと、シリコー
ン消泡剤が水中に放出されにくく、消泡効果が不十分で
ある場合がある。すなわち、洗濯時の水温が高温である
ヨーロッパなどではシリコーン消泡剤が水中に放出さ
れ、消泡効果を示すが、日本のような通常の水道水(例
えば5〜30℃程度)の水温での洗濯条件下では有機物
質に取り込まれたままシリコーン消泡剤が水中に放出さ
れず、消泡効果が得られなかったり、放出されるまでに
長時間を要し、速やかな消泡効果が得られないことがあ
る。プログラムされた洗浄、すすぎ時間内に消泡効果が
得られない場合、必然的に洗濯時間を長く設定する必要
が生じ、洗濯効率と経済性が低下する。また、粒状消泡
剤組成物の粒子の流動性(粉体特性)や水中での分散性
が十分ではなく、他の洗剤成分に配合(粉体混合)する
際の操作性が低下したり、洗浄時に水中に均一分散させ
ることが困難であるという問題がある。
【0007】さらに最近では、保存性向上の他にも粒状
消泡剤組成物の流動性や、洗浄時における水中でのシリ
コーン消泡剤の放出性、あるいは粒状消泡剤組成物の均
一な分散性などを向上させる目的で、以下のような提案
がなされている。特開平8−173789号公報におい
ては、シリコーン消泡剤と微粉末シリカを含む液状の消
泡剤組成物が開示されている。また、特表平6−508
173号公報、特開平4−298202号公報において
は、ゼオライト、硫酸ナトリウム、軽ソーダ灰などの水
溶性の担持物質にシリコーン消泡剤を担持させた粒状消
泡剤組成物が開示されている。また、高温条件下におけ
る保存安定性を向上させる目的で、特開平4−3118
00号公報においては、シリコーン消泡剤、天然澱粉、
水に不溶の脂肪酸または脂肪アルコールまたは脂肪酸と
グリセロールのモノエステルを含む粒状消泡剤組成物が
開示されている。
【0008】このように種々の提案がなされているが、
日本のような通常の水道水の温度における比較的低温の
洗濯条件下において消泡効果を発揮し、かつ消泡効果の
長期保存安定性を満足するものが求められている。この
長期保存安定性は、高温条件下、高湿条件下の保存環境
においても良好であるものが好ましく、特に一般家庭な
どにおいては洗剤の保存環境が、洗濯機のそばなどの高
湿条件下であることが多いので、高湿条件下での長期保
存安定性が良好であることは重要である。さらに好まし
くは、これらの求められている特性を満足すると同時
に、流動性(粉体特性)、水中における分散性が良好
で、長期保存後にもこの特性が低下しにくいものが望ま
れている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記事情に艦
がみてなされたもので以下のような課題を解決すること
を目的とする。すなわち、日本のように水道水の水温程
度の比較的低温条件下において洗濯を行っても十分な消
泡効果を示し、長期保存しても消泡効果が安定な粒状消
泡剤組成物と粒状洗剤組成物を提供する。さらに、高温
条件下、高湿条件下の保存環境においても長期保存安定
性が良好な粒状消泡剤組成物と粒状洗剤組成物を提供す
る。特に高湿条件下の長期保存安定性に優れた粒状消泡
剤組成物と粒状洗剤組成物を提供する。さらに、流動性
(粉体特性)、水中における分散性が良好で、この特性
が長期保存後、特に高温条件下、高湿条件下の保存環境
においても低下しにくい粒状消泡剤組成物と、粒状洗剤
組成物を提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明における第1の発
明は、シリコーン消泡剤と、天然澱粉および/または冷
水不溶性化工澱粉と、硫酸ナトリウムと、融点40℃以
上の熱可塑性有機バインダー物質(以下有機バインダー
物質と略記する)を含有することを特徴とする粒状消泡
剤組成物である。この粒状消泡剤組成物において、好ま
しくはシリコーン消泡剤の含有量を3〜35重量%とす
る。また、好ましくはシリコーン消泡剤/(天然澱粉お
よび/または冷水不溶性化工澱粉)の重量比率を0.3
〜2、さらに好ましくは0.35〜1.5とする。第2
の発明は、前記第1の発明の粒状消泡剤組成物を含有す
ることを特徴とする粒状洗剤組成物である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に使用されるシリコーン消
泡剤に含まれるシリコーンは特に限定されることはない
が、典型的なものとしては以下の一般式Iで表されるポ
リオルガノシロキサンが用いられる。
【0012】
【化1】
【0013】シリコーン消泡剤としてシリコーンを単独
で用いることもできるが、シリコーンの他に疎水性のシ
リカ、アルミナ、TiO2などのフィラー粒子を含んだ
コンパウンドタイプや 乳化剤を含むエマルジョンタイ
プ、あるいはポリオルガノシロキサンをポリアルキレン
グリコールアミン、油脂などで変性した自己乳化タイプ
などのシリコーン消泡剤を用いることもできる。このよ
うにシリコーン以外の成分を含む場合には、通常、少な
くともシリコーン消泡剤中のシリコーンの割合は10重
量%以上、実質的には12〜99重量%とされる。
【0014】本発明においてはポリオルガノシロキサン
とフィラー粒子を含んだコンパウンドタイプのシリコー
ン消泡剤が粒状消泡剤組成物の製造における操作性がよ
く、粒状消泡剤組成物中に均等に分散させることが容易
であり、消泡効果も高く、好適である。シリコーン消泡
剤の粒状消泡剤組成物全量に対する配合量は3〜35重
量%、好ましくは5〜30重量%とされる。3重量%未
満であるとシリコーン消泡剤の効果が得られず、35重
量%をこえるとシリコーンのしみだしがおこり、保存安
定性が低下することがある。
【0015】本発明において用いる天然澱粉は、馬鈴
薯、とうもろこし、小麦、米などを原料とするもので、
例えば25℃以下、実質的には5〜25℃程度の冷水に
は不溶で、冷水中に分散させたものを例えば約50℃以
上に加熱すると溶解(糊化)する特性を有するものとす
る。このとき不溶であるとは、例えば25℃の水に対す
る溶解度が1重量%以下であることを示すものとする。
また化工澱粉とは、天然澱粉の一部に、酸化、アセチル
化、架橋などの処理を施した澱粉であり、天然澱粉と同
様に、例えば25℃以下、実質的には5〜25℃程度の
冷水には不溶で、冷水中に分散させたものを例えば約5
0℃以上に加熱すると溶解(糊化)する特性を有するも
のとする。天然澱粉と化工澱粉は単独でもよいし、これ
らの混合物として用いてもよい。
【0016】天然澱粉および/または冷水不溶性化工澱
粉の配合量は2〜60重量%、好ましくは5〜50重量
%とされる。また、天然澱粉および/または化工澱粉
は、粒状消泡剤組成物中において主な担体物質として働
き、これにシリコーン消泡剤が担持され、保持された状
態となっている。このため天然澱粉および/または化工
澱粉の配合量は、前記配合量の数値範囲と以下のシリコ
ーン消泡剤との重量比率の範囲によって決定される。す
なわち、シリコーン消泡剤/(天然澱粉および/または
冷水不溶性化工澱粉)の重量比率は0.3〜2、好まし
くは0.35〜1.5とされる。この重量比率が0.3
未満であると、水中に投入した粒状消泡剤組成物からシ
リコーン消泡剤が放出されにくくなり、消泡性能が低下
することがある。この重量比率が2をこえるとシリコー
ン消泡剤のしみだしがおこり、保存安定性が低下するこ
とがある。
【0017】硫酸ナトリウムは、天然澱粉および/また
は化工澱粉とともに、粒状消泡剤組成物中において担体
物質として働くものである。また、硫酸ナトリウムを配
合することによって、粒状消泡剤組成物の製造時のハン
ドリング、粒状消泡剤組成物の流動性(粉体特性)、さ
らに水中における粒状消泡剤組成物の分散性を向上させ
ることができる。本発明において用いられる硫酸ナトリ
ウムについては特に限定されず、一般的に入手可能なも
のが使用できる。また無水塩であっても結晶水塩であっ
てもよい。 硫酸ナトリウムは粒状消泡剤組成物全量に
対して5〜80重量%、好ましくは10〜75重量%配
合される。5重量%未満であると粒状消泡剤組成物の製
造時に造粒する際の操作性が低下したり、低温の水に対
する溶解性が低下することがある。80重量%をこえる
と保存安定性が低下することがある。
【0018】有機バインダー物質は、常温で固体である
ことが必須であり、好ましくは40〜100℃、より好
ましくは45〜80℃の融点を持った水溶性のものが好
ましい。このような要件を満たす限り種々のものを使用
することができる。有機バインダー物質の融点が40℃
未満であると、粒状消泡剤組成物の保存安定性が低下す
ることがある。有機バインダー物質の融点が100℃を
こえると、他の材料と均一に混合する操作に時間がかか
ったり、操作温度が高温になるため生産性が低下する場
合がある。また、水道水程度の比較的低い温度下におけ
る洗濯条件下において、粒状消泡剤組成物からシリコー
ン消泡剤が放出されにくくなり、消泡効果が低下するこ
とがある。
【0019】これらのうち特に平均分子量が4000〜
30000のポリエチレングリコールが好ましく、より
好ましくは4000〜20000、最も好ましくは60
00〜20000のポリエチレングリコールである。有
機バインダー物質は粒状消泡剤組成物中に10〜80重
量%、好ましくは15〜70重量%配合される。配合量
が10重量%以下であると微粉が多くなることがり、8
0重量%をこえると粒状消泡剤組成物の粉体物性と保存
安定性が低下することがある。
【0020】この粒状消泡剤組成物は、陰イオン界面活
性剤などの他の洗剤成分と混合され、粒状洗剤組成物と
されて用いられることが多いが、粒状消泡剤組成物自体
に他の洗剤成分などの任意成分を、シリコーン消泡剤の
消泡効果を低下させない範囲で配合することもできる。
ただし、アルカリ剤のようにシリコーン消泡剤と直接接
触するとその消泡効果を低下させるようなものは配合し
ないようにすることが好ましい。例えばアルキルベンゼ
ンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−ス
ルホ脂肪酸エステル塩などの陰イオン界面活性剤やポリ
エチレングリコール付加型非イオン界面活性剤、あるい
はカルボキシメチルセルロース塩などの水溶性高分子な
どを配合することができる。さらに香料や色素なども配
合できる。
【0021】粒状消泡剤組成物の造粒方法としては、特
に限定することはなく一般的に知られている造粒方法、
例えば撹拌造粒法、捏和・押出造粒法、流動層造粒法な
ど、いずれも使用できる。好ましくは、シリコーン消泡
剤、天然澱粉および/または冷水不溶性化工澱粉、硫酸
ナトリウム、有機バインダー物質を粉体混合した混合粉
体を、有機バインダー物質の融点以上の温度条件下で混
練し、押出成形、破砕などの工程を経て造粒する方法
や、前記混合粉体を撹拌混合機(高速ミキサー)を用い
て前記有機バインダー物質の融点以上の温度条件下で撹
拌造粒する方法を用いることができる。粒状消泡剤組成
物の平均粒径は100〜2000μm、好ましくは15
0〜1500μmとされる。100μm未満であると流
動性が低下することがあり、2000μmをこえると溶
解性が低下することがある。
【0022】上述の粒状消泡剤組成物は、シリコーン消
泡剤と、天然澱粉および/または冷水不溶性化工澱粉
と、硫酸ナトリウムと、有機バインダー物質を含有する
ものであって、天然澱粉および/または化工澱粉と硫酸
ナトリウムとを組み合わせてシリコーン消泡剤の担体物
質として配合したものなので、水道水程度(例えば5〜
30℃程度)の低温の温度条件下において洗濯を行った
場合にも粒状消泡剤組成物から水中にシリコーン消泡剤
が速やかに放出され、十分な消泡効果が得られる。さら
に、例えば温度30℃以上の高温条件下に保存しても消
泡効果の長期保存安定性が維持されるため、夏期の保存
環境にも対応することができる。また、湿度85%以上
の高湿条件下に保存しても長期保存安定性が得られるた
め、洗濯機のそばなどの高湿度の環境に保存しても消泡
効果の低下がおこりにくい。特に前記シリコーン消泡剤
の含有量を3〜35重量%、シリコーン消泡剤/(天然
澱粉および/または冷水不溶性化工澱粉)の重量比率を
0.3〜2、より好ましくは0.35〜1.5に設定す
ると、上述の効果がさらに向上する。また、高温条件
下、高湿条件下で保存した後も流動性(粉体特性)や水
中における分散性が低下しにくいものである。
【0023】また、上述の粒状消泡剤組成物を配合した
粒状洗剤組成物とすることができる。粒状消泡剤組成物
の配合量は、粒状洗剤組成物全量に対して0.1〜15
重量%、好ましくは0.2〜10重量%とされる。0.
1重量%未満であると十分な消泡効果が得られず、15
重量%をこえると他の成分の配合量が少なくなり、また
消泡効果が飽和する。
【0024】この粒状洗剤組成物において、粒状消泡剤
組成物以外に含まれる他の洗剤成分としては、界面活性
剤、無機ビルダー、他の任意成分などがあげられる。界
面活性剤としては陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活
性剤、非イオン界面活性剤、両性イオン界面活性剤、あ
るいはこれらの混合物を用いることができる。これらの
中でも特に高起泡性の陰イオン界面活性剤に対して本発
明の粒状消泡剤組成物の消泡作用が効果的に発揮される
ので、陰イオン界面活性剤を用いることが好ましい。陰
イオン界面活性剤としては直鎖アルキルベンゼンスルホ
ン酸塩、アルキル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸
塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩などがあげられるが、
特に粒状消泡剤組成物による高い消泡効果が得られるα
−スルホ脂肪酸エステル塩が好適である。
【0025】無機ビルダーとしては例えば、珪酸ナトリ
ウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硫酸ナト
リウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、セスキ炭酸ナ
トリウム、亜硫酸ナトリウムなどを用いることができ
る。また、A型、X型または無定形の合成ゼオライトな
どを用いることもできる。他の任意成分として、マレイ
ン酸−アクリル酸共重合体などの有機ビルダーや酵素、
柔軟剤、漂白剤、漂白活性化剤、香料などを配合するこ
ともできる。粒状洗剤組成物の平均粒径は300〜30
00μm、好ましくは350〜2000μmとされる。3
00μm未満であると流動性、布付着などに問題が発生
することがあり、3000μmをこえると溶解性が低下
することがある。
【0026】粒状消泡剤組成物の配合方法は特に限定さ
れないが、通常他の洗剤成分の主なものを常法によって
乾燥粉体または高嵩密度粒子としたものと粉体混合する
方法を用いるが好ましい。
【0027】このように、シリコーン消泡剤、天然澱粉
および/または冷水不溶性化工澱粉、硫酸ナトリウム
と、融点40℃以上の有機バインダー物質を含む粒状消
泡剤組成物を粒状洗剤組成物に配合することによって、
水道水の温度程度の比較的低温の洗濯条件下においても
十分な消泡効果を発揮し、かつ高温条件下、高湿条件下
に保存した場合にも消泡効果の長期保存安定性を有する
粒状洗剤組成物を得ることができる。すなわち、洗浄と
すすぎのプログラム時間内に十分な消泡効果が得られる
ので、洗濯における洗濯効率と経済性の両方を満足する
ことができる。また、粒状消泡剤組成物は比較的流動性
が良好なので、他の洗剤成分との混合の際に粒状洗剤組
成物中に均等に分散され、さらに水中での比較的分散性
が良好なので、均一な消泡効果が得られる。そしてこれ
らの特性は高温条件下、高湿条件下に保存した後も低下
しにくいものである。特に本発明の粒状消泡剤組成物
は、比較的低温下における洗浄能力が高いにもかかわら
ず、泡立ちがよいためにドラム式洗濯機用の洗剤成分と
しては使用しにくい陰イオン界面活性剤に対しても消泡
効果を十分に発揮する。したがって、粒状洗剤組成物を
構成するにおいて、粒状消泡剤組成物を陰イオン界面活
性剤とともに用いれば、陰イオン界面活性剤の高い洗浄
能力を保持し、かつ泡立ちが少なく、長期保存安定性を
有する非常に優れた粒状洗剤組成物が得られる。
【0028】本発明の実施の態様をまとめると以下のよ
うになる。 (1) シリコーン消泡剤に含まれるシリコーンは、前記
一般式Iで表されるポリオルガノシロキサンが好適であ
り、シリコーン消泡剤としては、シリコーンの他に疎水
性のシリカ、アルミナ、TiO2などのフィラー粒子を
含むコンパウンドタイプが好適である。したがって、シ
リコーンとしてポリオルガノシロキサンを含むコンパウ
ンドタイプのシリコーン消泡剤がもっとも好ましい。 (2) シリコーン消泡剤の粒状消泡剤組成物全量に対す
る配合量は3〜35重量%、好ましくは5〜30重量%
とされる。
【0029】(3) 天然澱粉は、馬鈴薯、とうもろこ
し、小麦、米などを原料とするもので、化工澱粉とは、
天然澱粉の一部に、酸化、アセチル化、架橋などの処理
を施した澱粉である。前記天然澱粉と化工澱粉は、例え
ば25℃以下、実質的には5〜25℃程度の冷水には不
溶で、冷水中に分散させたものを例えば約50℃以上に
加熱すると溶解(糊化)する特性を有するものとする。
このとき不溶であるとは、例えば25℃の水に対する溶
解度が1重量%以下であることを示すものとする。天然
澱粉および/または化工澱粉の配合量は2〜60重量
%、好ましくは5〜50重量%とされる。シリコーン消
泡剤/(天然澱粉および/または冷水不溶性化工澱粉)
の重量比率は0.3〜2、好ましくは0.35〜1.5
とされる。
【0030】(4) 硫酸ナトリウムは粒状消泡剤組成物
全量に対し、5〜80重量%、好ましくは10〜75重
量%配合される。
【0031】(5) 有機バインダー物質は、常温で固体
であり、好ましくは40〜100℃、より好ましくは4
5〜80℃の融点を有する水溶性のものが好ましい。こ
れらのうち特に平均分子量が4000〜30000のポ
リエチレングリコールが好ましく、より好ましくは40
00〜20000、最も好ましくは6000〜2000
0のポリエチレングリコールである。有機バインダー物
質は消泡剤組成物中に10〜80重量%、好ましくは1
5〜70重量%配合される。
【0032】(6) 粒状消泡剤組成物を配合した粒状洗
剤組成物とする場合には、粒状消泡剤組成物の配合量
は、粒状洗剤組成物全量に対して0.1〜15重量%、
好ましくは0.2〜10重量%とされる。 (7) 粒状洗剤組成物に配合される界面活性剤として
は、粒状消泡剤組成物の作用が効果的に発揮されるの
で、陰イオン界面活性剤を用いることが好ましい。陰イ
オン界面活性剤としては特に粒状消泡剤組成物による高
い消泡効果が得られるα−スルホ脂肪酸エステル塩が好
適である。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例を示して詳しく説明す
る。 <<実験例>>以下のようにして粒状消泡剤組成物と粒
状洗剤組成物を製造し、その性能を評価した。
【0034】<粒状消泡剤組成物の調製> [試料番号1〜7]表1、2に示した各成分をKRCニ
ーダー(栗本鐵工所(株)製)に加え、65℃の温度条
件下で捏和し、その後押出し成形機(不二パウダル
(株)製)を用い、約10mmφ×20mmの円柱状ペレットと
した。次いでこの円柱状ペレットを目開き2mmのスクリ
ーンを取り付けたスピードミル(岡田精工(株)製)を
用いて破砕造粒し、さらに24〜60メッシュとなるよ
うにふるい、平均粒径550μmの粒状消泡剤組成物を
得た。
【0035】[試料番号8〜12]表1、2に示した各
成分を1.0mmφのダイスを付けたエクストルードオーミ
ックスEM−6型(ホソカワミクロン(株)製)に投入
し、ジャケット温度75℃にて混練、造粒を行い、1.0m
mφ径ヌードル状物とし、これを切断して平均長さ20
〜50mmの円柱状ペレットを得た。この円柱状ペレット
を目開き2mmのスクリーンを取り付けたスピードミル
(岡田精工(株)製)を用いて破砕造粒し、さらに24
〜60メッシュとなるようにふるい、平均粒径550μ
mの粒状消泡剤組成物を得た。
【0036】<他の洗剤成分からなる高嵩密度粒子の調
製>表3に示した組成の他の洗剤成分からなる高嵩密度
粒子を、以下の方法で調製した。まずα−スルホ脂肪酸
メチルエステルナトリウム、石鹸をはじめとしたアニオ
ン界面活性剤、ゼオライト、アルカリビルダー、蛍光剤
などを配合した水分約50%のスラリーを約70℃で調
製し、向流式噴霧乾燥塔を用いて熱風温度250℃で噴
霧乾燥した。得られた乾燥粉体に非イオン界面活性剤、
水を加えてニーダーで圧密捏和した後、フィッツミル
(ホソカワミクロン(株)製 DAK−3型)によって
破砕造粒を行って、平均粒径550μmの高嵩密度粒子
を得た。
【0037】<粒状洗剤組成物の調製>前記他の洗剤成
分からなる高嵩密度粒子100重量部に対し、表1,2
に示した試料番号1〜10の粒状消泡剤組成物1.5重
量部を、それぞれ粉体混合して粒状洗剤組成物とした
(粒状洗剤組成物全量に対して粒状消泡剤組成物は1.
48重量%)。また、前記他の洗剤成分からなる高嵩密
度粒子100重量部に対し、それぞれ、試料番号8の粒
状消泡剤組成物を0.1重量部、試料番号6の粒状消泡
剤組成物を17.5重量部粉体混合して粒状洗剤組成物
とした(試料番号13、14:粒状洗剤組成物全量に対
して粒状消泡剤組成物はそれぞれ0.1重量%、14.
9重量%)。
【0038】<すすぎ性の評価>調整した直後の粒状洗
剤組成物25gを15℃の水道水30Lを張った二槽式
洗濯機に加えて1分間撹拌した。ついで綿シャツ1Kg
を加えて10分間撹拌洗浄し、洗浄後綿シャツを1分間
脱水し、新たに30Lの水道水を張った洗濯槽中にいれ
て3分間ためすすぎした。再び綿シャツを1分間脱水し
て同条件でもう1度ためすすぎをした。すすぎ終了から
30秒後の泡の残留量を以下の基準で判断した。また、
攪拌洗浄後の泡の高さ(泡高)を測定して評価した。結
果を表1、2にあわせて示す。
【0039】(すすぎ評価基準) Aランク:液面はほぼ完全に透明で泡もほとんど残って
いない。 Bランク:液面は透明な部分が多いが、1mm程度の泡が
やや残っている。 Cランク:液面の6割以上が1mm程度の泡でおおわれて
いる。 Dランク:液面はほぼ全体に1mm程度の泡で覆われてい
るほか、数mmの大きな泡も残留している。
【0040】<保存安定性試験>粒状洗剤組成物を35
℃,80%RH(湿度)環境下で、40日間貯蔵したも
のについて上述のすすぎ性評価を行った。結果を表1、
2にあわせて示す。表1、2より、本発明に係る実施例
の試料番号においては、高温、高湿度環境下においても
保存安定性が良好であることが確認された。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
【発明の効果】以上説明したように本発明の粒状消泡剤
組成物は、シリコーン消泡剤と、天然澱粉および/また
は冷水不溶性化工澱粉と、硫酸ナトリウムと、融点40
℃以上の有機バインダー物質を含有するものなので、以
下のような効果が得られる。すなわち、天然澱粉および
/または化工澱粉と硫酸ナトリウムとを組み合わせてシ
リコーン消泡剤の担体物質として配合したので、水道水
程度の低温の温度条件下において洗濯を行った場合にも
粒状消泡剤組成物から水中にシリコーン消泡剤が速やか
に放出され、十分な消泡効果が得られる。さらに、例え
ば温度30℃以上の高温条件下、湿度85%以上の高湿
条件下に保存しても消泡効果の長期保存安定性が維持さ
れる。特に高湿条件下での長期保存安定性に優れるた
め、洗濯機のそばなどの一般家庭における洗剤の保存環
境においてもシリコーン消泡剤の消泡効果が低下しにく
いものである。また、シリコーン消泡剤の含有量を3〜
35重量%、シリコーン消泡剤/(天然澱粉および/ま
たは冷水不溶性化工澱粉)の重量比率を0.3〜2、よ
り好ましくは0.35〜1.5に設定すると、上述の効
果がさらに向上する。また、高温条件下、高湿条件下で
保存した後も流動性(粉体特性)や水中における分散性
が低下しにくいものである。この粒状消泡剤組成物を粒
状洗剤組成物に配合することによって、水道水の温度程
度の比較的低温の洗濯条件下においても十分な消泡効果
を発揮し、高温条件下、高湿条件下に保存した場合にも
消泡効果の長期保存安定性を有する粒状洗剤組成物を得
ることができる。すなわち、洗浄とすすぎのプログラム
時間内に十分な消泡効果が得られるので、洗濯における
洗濯効率と経済性の両方を満足することができる。ま
た、粒状消泡剤組成物は流動性が比較的良好なので、他
の洗剤成分との混合の際に粒状洗剤組成物中に均等に分
散され、さらに水中での分散性が比較的良好なので、均
一な消泡効果が得られる。そしてこれらの特性は高温条
件下、高湿条件下に保存した後も低下しにくいものであ
る。特に本発明の粒状消泡剤組成物は、比較的低温下に
おける洗浄能力が高いにもかかわらず、泡立ちがよいた
めにドラム式洗濯機用の洗剤成分としては使用しにくい
陰イオン界面活性剤に対しても消泡効果を十分に発揮す
る。したがって、粒状洗剤組成物を構成するにおいて、
粒状消泡剤組成物を陰イオン界面活性剤とともに用いれ
ば、陰イオン界面活性剤の高い洗浄能力を保持し、かつ
泡立ちが少なく、高温条件下、高湿条件下における長期
保存後にもその特性が維持される、非常に優れた粒状洗
剤組成物が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C11D 3:382 3:04)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコーン消泡剤と、天然澱粉および/
    または冷水不溶性化工澱粉と、硫酸ナトリウムと、融点
    40℃以上の熱可塑性有機バインダー物質を含むことを
    特徴とする粒状消泡剤組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の粒状消泡剤組成物を含有
    することを特徴とする粒状洗剤組成物。
JP11488997A 1997-05-02 1997-05-02 粒状消泡剤組成物および粒状洗剤組成物 Withdrawn JPH10306294A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010195892A (ja) * 2009-02-24 2010-09-09 Lion Corp 洗剤添加用粒子、洗剤組成物及び洗剤添加用粒子の製造方法
WO2012076186A3 (en) * 2010-12-10 2012-08-16 Dow Corning Corporation Granulated organopolysiloxane products
US9040474B2 (en) 2010-12-10 2015-05-26 Dow Corning Corporation Granulated foam control composition comprising a polyol ester and cationic polymer

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