JP2010195892A - 洗剤添加用粒子、洗剤組成物及び洗剤添加用粒子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】硫酸ナトリウムと水溶性無機カリウム塩とポリカルボン酸塩と水とを造粒して得られる造粒粒子の表面を水不溶性無機粉体で被覆し、前記硫酸ナトリウムの含有量を60質量%以上とする。硫酸ナトリウムと水溶性無機カリウム塩とポリカルボン酸塩と水とを造粒し造粒粒子を得る工程と、前記造粒粒子の表面を水不溶性無機粉体で被覆する工程とを設ける。
【選択図】なし
Description
加えて、無機塩を配合した洗剤組成物は、保管中に固化しやすいという問題がある。この問題に対して、炭酸塩と硫酸塩とを特定の比率で配合したビルダー粒子の添加により、溶解性に優れ、かつ、保管中の固化防止が図れる洗剤組成物が提案されている(例えば、特許文献2)。
そこで、本発明は、無機塩の配合量が多くても、溶解性に優れ、保管中の固化を防止できる、洗剤添加用粒子、洗剤組成物及び洗剤添加用粒子の製造方法を目的とする。
本発明の洗剤添加用粒子は、硫酸ナトリウムと水溶性無機カリウム塩とポリカルボン酸塩と水との造粒粒子の表面が水不溶性無機粉体で被覆されたものである。
ここで「被覆」とは、造粒粒子の表面全体が水不溶性無機粉体で覆われた状態(被覆率100%)のみならず、造粒粒子の表面積の50%以上が覆われた状態を含むものである。前記被覆率は、該洗剤添加用粒子を電子顕微鏡等で観察した際、前記造粒粒子の表面積に対する前記水不溶性無機粉体が付着している面積の割合である。
なお、本稿において、平均粒子径は目開き1680μm、1410μm、1190μm、1000μm、710μm、500μm、350μm、250μm、149μmの9段の篩と受け皿を用いた分級により求まる値である。分級操作は、受け皿に目開きの小さな篩から目開きの大きな篩の順に積み重ね、最上部の1680μmの篩の上から100g/回の測定サンプルを入れ、蓋をしてロータップ型篩振盪機(株式会社飯田製作所製、タッピング:156回/分、ローリング:290回/分)に取り付け、10分間振動させた後、それぞれの篩及び受け皿の上に残留したサンプルを篩毎に回収して、サンプルの質量を測定する。
受け皿と各篩との質量頻度を積算していくと、積算の質量頻度が、50%以上となる最初の篩の目開きをaμmとし、aμmよりも一段大きい篩の目開きをbμmとし、受け皿からaμmの篩までの質量頻度の積算をc%、またaμmの篩上の質量頻度をd%として、下記(1)式により平均粒子径(質量50%)を求めることができる。
造粒粒子は、硫酸ナトリウム((a)成分)と、水溶性無機カリウム塩((b)成分)と、ポリカルボン酸塩((c)成分)と、水((d)成分)とを造粒したものである。
(a)成分である硫酸ナトリウムは公知のものを用いることができ、例えば、無水物であってもよいし水和物であってもよい。なお、市販品で入手可能な硫酸ナトリウムには様々なグレードがあるが、該グレードは本発明の利用を制限するものでなく、例えばその市販品の製造の際に混入する不純物や、品質安定化のために添加される保存安定剤や酸化防止剤を含んでいてもよい。
(b)成分である水溶性無機カリウム塩としては、例えば、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、硫酸カリウム、亜硫酸カリウム、珪酸カリウム、塩化カリウム、オルソリン酸カリウム、ピロリン酸カリウム、トリポリリン酸カリウム、メタリン酸カリウム、ヘキサメタリン酸カリウム、フィチン酸カリウム等が挙げられる。中でも、硫酸カリウム、炭酸カリウムが好ましく、硫酸カリウムがより好ましい。
(b)成分の(a)成分に対する比率は、(b)成分の配合量/(a)の配合量(質量比)が0.02〜0.4であることが好ましく、0.04〜0.35であることが好ましい。上記範囲内であれば、溶解性と固化防止性の向上が図れると共に、高い製造効率が得られるためである。
(c)成分であるポリカルボン酸塩としては、ポリアクリル酸塩、アクリル酸−アリルアルコール共重合体の塩、マレイン酸−アクリル酸共重合体の塩、ポリグリオキシル酸等のポリアセタールカルボン酸の塩;ヒドロキシアクリル酸重合体、多糖類−アクリル酸共重合体等のアクリル酸重合体又は共重合体の塩;マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、テトラメチレン1,2−ジカルボン酸、コハク酸、アスパラギン酸等の重合体又は共重合体の塩等が挙げられる。中でも、アクリル酸重合体又は共重合体の塩が好ましく、マレイン酸−アクリル酸共重合体の塩がより好ましい。このような(c)成分を配合することで、洗剤添加用粒子の溶解性、固化防止性の向上が図れるためである。
加えて、(a)成分と(b)成分の合計量に対する(c)成分の比率は、(c)成分の配合量/[(a)成分の配合量+(b)成分の配合量](質量比)が0.001〜0.05であることが好ましく、0.005〜0.03であることがより好ましい。上記範囲内であれば、溶解性と固化防止性の向上が図れると共に、製造効率の向上が図れるためである。
(d)成分である水は洗剤添加用粒子の性能を劣化させる成分が含まれていなければ特に限定されず、純水、脱イオン水、水道水等が挙げられる。
洗剤添加用粒子中の(d)成分の配合量は、(a)〜(c)成分の配合量に応じて決定することができ、例えば1〜10質量%が好ましく、2〜7質量%がより好ましい。上記下限値未満であると溶解性が低下し、上記上限値を超えると保管中に固化しやすくなるためである。
水不溶性無機粉体としては、例えば、結晶性もしくは非結晶性アルミノ珪酸塩、炭酸カルシウム等が挙げられ、中でも結晶性アミノ珪酸塩が好ましい。結晶性アルミノ珪酸塩としては、A型、X型、Y型、P型ゼオライト等が挙げられ、中でもA型ゼオライトが好ましい。
水不溶性無機粉体の平均粒子径は、(a)成分及び(b)成分の平均粒子径を勘案して決定することができ、例えば、1〜20μmが好ましく、2〜5μmがより好ましい。上記範囲内であれば、造粒粒子の表面を均一に被覆することができるためである。
洗剤添加用粒子には、必要に応じ洗剤添加用粒子の機能を損なわない範囲で、無機ビルダー、有機ビルダー、蛍光剤、ポリマー類、ケーキング防止剤、還元剤、金属捕捉剤、pH調整剤等、洗剤の構成成分として公知の成分を配合することができる。
本発明の洗剤組成物には、洗剤添加用粒子に加え、界面活性剤等の洗剤成分を含有する粒子を界面活性剤含有粒子として配合することができる。界面活性剤含有粒子を配合することで、洗剤組成物の洗浄効果の向上を図ることができる。
界面活性剤の配合量は特に限定されないが、洗剤組成物中の配合量が5〜80質量%であることが好ましく、10〜60質量%がより好ましい。かかる範囲であれば、十分な洗浄力を発揮できると共に、界面活性剤含有粒子の造粒が容易なためである。
アニオン界面活性剤としては、例えば、以下のものを挙げることができる。
(1)炭素数8〜20の飽和又は不飽和α−スルホ脂肪酸のメチル、エチルもしくはプロピルエステル塩。
(2)脂肪酸の平均炭素数が10〜20の高級脂肪酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩。
(3)炭素数8〜18のアルキル基を有する直鎖又は分岐鎖のアルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS又はABS)。
(4)炭素数10〜20のアルカンスルホン酸塩。
(5)炭素数10〜20のα−オレフィンスルホン酸塩(AOS)。
(6)炭素数10〜20のアルキル硫酸塩又はアルケニル硫酸塩(AS)。
(7)炭素数2〜4のアルキレンオキサイドのいずれか、又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイド(モル比EO/PO=0.1/9.9〜9.9/0.1)を、平均0.5〜10モル付加した炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル(又はアルケニル)基を有するアルキル(又はアルケニル)エーテル硫酸塩(AES)。
(8)炭素数2〜4のアルキレンオキサイドのいずれか、又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイド(モル比EO/PO=0.1/9.9〜9.9/0.1)を、平均3〜30モル付加した炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル(又はアルケニル)基を有するアルキル(又はアルケニル)フェニルエーテル硫酸塩。
(9)炭素数2〜4のアルキレンオキサイドのいずれか、又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイド(モル比EO/PO=0.1/9.9〜9.9/0.1)を、平均0.5〜10モル付加した炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル(又はアルケニル)基を有するアルキル(又はアルケニル)エーテルカルボン酸塩。
(10)炭素数10〜20のアルキルグリセリルエーテルスルホン酸のようなアルキル多価アルコールエーテル硫酸塩。
(11)長鎖モノアルキル、ジアルキル又はセスキアルキルリン酸塩。
(12)ポリオキシエチレンモノアルキル、ジアルキル又はセスキアルキルリン酸塩。
これらのアニオン界面活性剤は、ナトリウム、カリウムといったアルカリ金属塩や、アミン塩、アンモニウム塩等として用いることができる。また、これらのアニオン界面活性剤は混合物として使用してもよい。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、以下のものを挙げることができる。
(1)炭素数6〜22、好ましくは8〜18の脂肪族アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを平均3〜30モル、好ましくは5〜20モル、より好ましくは10〜18モル付加したポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテル。中でも、ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル(又はアルケニル)エーテルが好適である。ここで使用される脂肪族アルコールとしては、第1級アルコール、第2級アルコールが挙げられる。また、そのアルキル基は、分岐鎖を有していてもよい。脂肪族アルコールとしては、第1級アルコールが好ましい。
(2)ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)フェニルエーテル。
(3)長鎖脂肪酸アルキルエステルのエステル結合間にアルキレンオキサイドが付加した、例えば下記一般式(I)で表される脂肪酸アルキルエステルアルコキシレート。
(5)ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル
(6)ポリオキシエチレン脂肪酸エステル
(7)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
(8)グリセリン脂肪酸エステル
カチオン界面活性剤としては、例えば、以下のものを挙げることができる。
(1)ジ長鎖アルキルジ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩。
(2)モノ長鎖アルキルトリ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩。
(3)トリ長鎖アルキルモノ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩。
ただし、上記の「長鎖アルキル」は炭素数12〜26、好ましくは14〜18のアルキル基を示す。「短鎖アルキル」は、フェニル基、ベンジル基、ヒドロキシ基、ヒドロキシアルキル基等の置換基を包含し、炭素間にエーテル結合を有していてもよい。中でも、炭素数1〜4、好ましくは1〜2のアルキル基;ベンジル基;炭素数2〜4、好ましくは2〜3のヒドロキシアルキル基;炭素数2〜4、好ましくは2〜3のポリオキシアルキレン基が好適なものとして挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばイミダゾリン系の両性界面活性、アミドベタイン系の両性界面活性剤等が挙げられる。具体的には、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタインが好適なものとして挙げられる。
洗剤添加用粒子は、例えば、以下の方法により製造することができる。
まず、(a)成分と(b)成分と(c)成分と(d)成分とを造粒して造粒粒子を得る(造粒工程)。得られた造粒粒子の表面を水不溶性無機粉体で被覆し(被覆工程)、洗剤添加用粒子を得ることができる。
造粒工程は、(a)成分と(b)成分と(c)成分と(d)成分とを造粒して造粒粒子を得る工程である。(a)〜(d)成分は、その全てを同時に混合し造粒してもよいし、(a)成分と(b)成分とを混合した後、(c)成分と(d)成分とを添加して造粒してもよい。(a)成分及び/又は(b)成分を核とし、この核に(c)成分を均一に付着させる観点からは、(a)成分と(b)成分とを混合した後、(c)成分と(d)成分とを添加して造粒することが好ましい。
なお、造粒工程では、ゼオライトを添加してもよい。水不溶性無機粉体の一部を添加することで、洗剤添加用粒子単独で保管した場合の固化防止性をさらに向上できる。加えて、該洗剤添加用粒子を配合した洗剤組成物に、より多くのゼオライトを配合することができる。
ポリカルボン酸塩水溶液として添加する場合、該水溶液には(d)成分の全量を用いてもよいし、一部を用いてもよい。ポリカルボン酸塩水溶液として添加する場合、該水溶液の粘度は、0.0001〜100Pa・sが好ましく、0.001〜50Pa・sがより好ましく、0.01〜5Pa・sがさらに好ましい。ポリカルボン酸水溶液の粘度が上記範囲内であれば、(a)成分と(b)成分との表面を(c)成分で効率的に被覆でき、かつ、容易に造粒できる。
該水溶液の粘度は、B8H形粘度計(株式会社東京計器製)を用い、ローターNo.4、回転数20rpmの条件で、回転開始から1分後の粘度を測定した値である。
[V:攪拌羽根の先端の周速(m/s)、R:攪拌羽根の回転半径(m)、g:重力加速度(m/s2)]
被覆工程は、造粒工程で得られた造粒粒子の表面を水不溶性無機粉体で被覆する工程である。被覆工程には、公知の方法を用いることができ、例えば、攪拌造粒機、転動造粒機、流動層造粒機を用いて、被覆する方法が挙げられる。中でも、造粒工程に用いた装置と同じ装置を用いると、製造装置間の移送等、煩雑な作業を省略でき、生産性向上が図れる。
ここで、(a)成分は、35℃程度で水和水が失われ、固結しやすくなる。このような性状により、洗剤組成物は、(a)成分を多量に配合した場合、保管中に固化しやすくなる。しかしながら、上述のように(a)成分の表面には、複塩が生成しているため(a)成分同士が固結せず、高い流動性を維持したまま製造でき、かつ、保管中における固化を防止できる。
加えて、洗剤添加用粒子及び洗剤組成物は、(a)成分同士が固結しにくいため、洗濯液中で凝集することなく、優れた溶解性を発揮すると考えられる。
実施例及び比較例に使用した原料は以下のとおりである。
・直鎖アルキルベンゼンスルホン酸カリウム(LAS−K):直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(LAS−H、ライオン株式会社製、ライポンLH−200、AV値(LAS−Hを1g中和するに要する水酸化カリウムのmg数)=180.0)を噴霧乾燥粒子調製用スラリー中で48質量%水酸化カリウム溶液で中和したもの。表中、LAS−Hはカリウム塩として算出し、LAS−HとLAS−Kの合計量をLAS−Kとして示した。
・α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩含有ペースト:α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩含有ペースト(組成・・・脂肪酸鎖長;炭素数16/18、含有比(質量比)8/2、有効成分63%、ノニオン界面活性剤16%、ジ塩及びメチル硫酸塩等の不純物8%、水分13%、ライオン株式会社製)
・ノニオン界面活性剤:ECOROL26(ECOGREEN社製炭素数12〜16のアルキル基を持つアルコール)の酸化エチレン平均15モル付加体(ライオン株式会社製、純分90%)・・・HLB;15.1〜15.6
・石鹸:炭素数12〜18の脂肪酸ナトリウム(ライオン株式会社製、純分:67%、タイター:40〜45℃、脂肪酸組成:C12=1質量%、C14=10質量%、C16=24質量%、C18F0(ステアリン酸)=10質量%、C18F1(オレイン酸)=54質量%、C18F2(リノール酸):1質量%)
・硫酸ナトリウム:中性無水芒硝A0(四国化成株式会社製、平均粒子径;160〜180μm)
・炭酸ナトリウム:粒灰(旭硝子株式会社製、平均粒子径;320μm)
・硫酸カリウム:粉末(上野製薬株式会社製、平均粒子径;10〜50μmに粉砕して使用)
・炭酸カリウム:粉末(旭硝子株式会社製、平均粒子径;490μm)
・アクリル酸/マレイン酸共重合体の塩(MA剤):アクアリックTL−400(株式会社日本触媒製、重量平均分子量;50000、純分;40質量%の水溶液)
・ポリアクリル酸ナトリウム(PA剤):アクアリックDL40(株式会社日本触媒製、重量平均分子量;3500、純分;40質量%の水溶液)
・A型ゼオライト:シルトンB(水澤化学工業株式会社製、平均粒子径:3μm、純分;80%)
・ラウリン酸:NAA−122(日本油脂株式会社、融点;43℃)
・酵素:プロテアーゼ(サビナーゼ12T)/アミラーゼ(ステインザイム12T)/リパーゼ(LIPEX100T)/セルラーゼ(セルクリーン4500T)(以上、ノボザイムズ・ジャパン株式会社製)=1/1/1/7(質量比)の混合物
・香料:特開2002−146399号公報[表11]〜[表18]に示す香料組成物A
・色素:群青(大日精化工業株式会社製、Ultramarine Blue)
<溶解性>
≪試験方法≫
100mLビーカーに洗剤添加用粒子10gを入れ、次いで水道水20gをゆっくり加え、氷上で10分間静置後、洗剤添加用粒子の凝集の度合いを、以下の基準に従い、硬さ、目視で評価した。
爪の跡が付かないもの:×
爪の跡が付く程度:△
指で押して崩せるもの:○
凝集しないもの:◎
洗剤組成物中で洗剤添加用粒子が偏在した際の溶け残りを考慮し、評価「○」以上を溶解性が良好と判断した。
≪試験方法≫
製造した直後の洗剤添加用粒子を直径5cmの円筒形の筒に、高さが5cmになるように入れた。30℃の恒温槽内で、粒子に対して2.45Paの荷重を24時間加えて洗剤添加用粒子の円柱状成形体を得た(成形処理)。FORCE GAUGE(本体部:MX‐500N、検知部:ZP−500N、株式会社イマダ製)において5.32mm/秒の条件で検知部を降下させ、前記円柱状成型体の底部全面に荷重を徐々に加え、前記円柱状成形体が崩壊するまでにかかった最大荷重(kg)を測定した。前記円柱状成形体が崩壊するまでにかかった最大荷重(kg)により、下記評価基準に基づいて評価した。
◎:成型処理で円柱状成形体が形成されないもの
○:円柱状成形体が崩壊するまでにかかった最大荷重が0.01kg以上0.5kg未満
△:円柱状成形体が崩壊するまでにかかった最大荷重が0.5kg以上2kg未満
×:円柱状成形体が崩壊するまでにかかった最大荷重が2kg以上
洗剤添加用粒子を洗剤組成物に配合するまで貯槽に保存し、その後、排出する際の排出性を鑑み、評価「△」以上(最大荷重:2kg未満)を良好と判断した。
布付着性の評価は、洗剤添加用粒子20質量部と界面活性剤含有粒子80質量部とを粉体混合した洗剤組成物を用いて評価した。
二槽式洗濯機(三菱電機株式会社製、CW−C30A1−H)に、5℃の水道水30Lを張り、被洗物として綿肌シャツ6枚、ポリエステルシャツ2枚、アクリルシャツ2枚を投入し、浴比(被洗物の質量に対する洗浄液の質量)20倍に調整した。被洗物はそれぞれ折り畳んで水面に浮かべた。被洗物の中心に調製した洗剤組成物30gを乗せ、布と共に5分間浸漬後、弱水流で5分間撹拌した。排水後、布を1分間脱水し、布上及び洗濯機中にある溶け残りを拾い出し、目視にて溶け残り量を、下記評価基準に基づいて評価した。
◎:溶け残りがほとんどない
○:溶け残りがやや見られるが問題ないレベル
△:溶け残りが目立つ
×:溶け残りが著しく見られる
家庭における使用性を考慮し、洗剤混合物としては評価「○」以上を良好と判断した。
固化防止性の評価は、洗剤添加用粒子20質量部と界面活性剤含有粒子80質量部とを粉体混合した洗剤組成物を用いて評価した。
≪試験方法≫
固化防止性は、洗剤添加用粒子に代えて、洗剤組成物を用いた他は、上記の「<流動性>」と同様にして試験した。洗剤組成物の円柱状成型体が崩壊するまでにかかった最大荷重(kg)により、下記評価基準に基づいて評価した。
◎:成型処理で円柱状成形体が形成されないもの
○:円柱状成形体が崩壊するまでにかかった最大荷重が0.01kg以上0.5kg未満
△:円柱状成形体が崩壊するまでにかかった最大荷重が0.5kg以上2kg未満
×:円柱状成形体が崩壊するまでにかかった最大荷重が2kg以上
洗剤組成物を長期保管した後の使用感を鑑み、評価「○」以上(最大荷重:0.5kg未満)を良好と判断した。
表1に示す成分を、攪拌機、ジャケットを有する反応装置内に投入し、水に溶解分散させ(攪拌機のジャケット温度75℃)、固形分濃度60質量%の乾燥噴霧粒子調製用スラリーを調製した。
次いで、このスラリーを向流式乾燥塔を用いて以下の条件で噴霧乾燥し、噴霧乾燥塔の下部より噴霧乾燥粒子コート被覆剤としてA型ゼオライトの一部(2質量%)を導入して噴霧乾燥粒子を得た。
・噴霧乾燥装置:向流式、塔径2.0m、有効長5.0m
・微粒化方式:加圧ノズル方式
・噴霧圧力:30kg/cm2
・熱風入口温度:250℃
・熱風出口温度:100℃
得られた噴霧乾燥粒子の平均粒子径は300μm、嵩密度は0.3g/mL、水分含有量は5質量%であった。
水分含有量(質量%)の測定は、Kett水分計(商品名、株式会社ケツト科学研究所製;赤外線水分計)により測定した。測定条件は170℃、20分で行った。
・送風温度:15±3℃。
・送風量(気/固の比率):2.8±0.25m3/kg。
・スクリーン径:1段目6mm、2段目4mm、3段目2mm。
・粉砕機回転数:4700rpm(周速約60m/s)。
・処理速度:230kg/hr。
表2の組成に従い、(a)成分と(b)成分とを、鋤刃状ショベルを装備し、ショベル−壁面間クリアランスが5mmのレディゲミキサー(株式会社マツボー製、M20型)に投入し(充填率30容量%)、主軸200rpmの撹拌を開始した(チョッパーは停止) 。撹拌開始後30秒後に、(c)成分を(d)成分で希釈したもの(使用原料として記載のMA剤又はPA剤の水溶液を水で希釈したもの)を60秒間かけて添加しながら造粒し、造粒粒子を得た(造粒工程)。レディゲミキサーの撹拌を継続しつつ、水不溶性無機粉体であるA型ゼオライトを30秒間かけ、造粒粒子に添加し被覆した(被覆工程)。
こうして洗剤添加用粒子を得、得られた洗剤添加用粒子について、溶解性と流動性を評価した。
造粒工程で、A型ゼオライト10質量部を(a)成分及び(b)成分と混合した以外は実施例1と同様にして洗剤添加用粒子と洗剤組成物を得た。得られた洗剤添加用粒子について、溶解性と流動性を評価し、洗剤組成物について布付着性及び固化防止性を評価した。
表3の組成に従い、A型ゼオライトで造粒粒子を被覆しなかった以外は、実施例1と同様にして洗剤添加用粒子と洗剤組成物を得た。得られた洗剤添加用粒子について、溶解性と流動性を評価し、洗剤組成物について布付着性及び固化防止性を評価した。
表3の組成に従い、造粒工程で(c)成分を添加せず、A型ゼオライトで造粒粒子を被覆しなかった以外は、実施例1と同様にして洗剤添加用粒子と洗剤組成物を得た。得られた洗剤添加用粒子について、溶解性と流動性を評価し、洗剤組成物について布付着性及び固化防止性を評価した。
表3の組成に従い、造粒工程で(b)成分及び(c)成分を添加せず、A型ゼオライトで造粒粒子を被覆しなかった以外は、実施例1と同様にして洗剤添加用粒子と洗剤組成物を得た。得られた洗剤添加用粒子について、溶解性と流動性を評価し、洗剤組成物について布付着性及び固化防止性を評価した。
表3の組成に従い、(a)成分単独で洗剤添加用粒子とした以外は、実施例1と同様にして洗剤組成物を得た。得られた洗剤添加用粒子について、溶解性と流動性を評価し、洗剤組成物について布付着性及び固化防止性を評価した。
表3の組成に従い、(a)成分の一部を(a)’成分に置き換え、造粒工程で(b)成分を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして洗剤添加用粒子と洗剤組成物を得た。得られた洗剤添加用粒子について、溶解性と流動性を評価し、洗剤組成物について布付着性及び固化防止性を評価した。
表3の組成に従い、(a)成分を(a)’成分とし、造粒工程で(b)成分を添加せず、(c)成分を(d)成分で希釈したものを添加した後、ラウリン酸を添加した以外は、実施例1と同様にして洗剤添加用粒子と洗剤組成物を得た。得られた洗剤添加用粒子について、溶解性と流動性を評価し、洗剤組成物について布付着性及び固化防止性を評価した。
表3の組成に従い、造粒工程で(c)成分を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして洗剤添加用粒子と洗剤組成物を得た。得られた洗剤添加用粒子について、溶解性と流動性を評価し、洗剤組成物について布付着性及び固化防止性を評価した。
表3の組成に従い、造粒工程で(b)成分を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして洗剤添加用粒子と洗剤組成物を得た。得られた洗剤添加用粒子について、溶解性と流動性を評価し、洗剤組成物について布付着性及び固化防止性を評価した。
一方、比較例1〜6の洗剤添加用粒子を配合した洗剤組成物は、いずれも固化防止性が実施例1〜5に比べて劣っていた。加えて、比較例2〜6は、布付着性においても、実施例1〜5に比べて劣っていた。
さらに、比較例8、9の洗剤添加用粒子は、溶解性が実施例1〜5に比べて劣っていた。比較例8、9の洗剤粒子を配合した洗剤組成物は、布付着性が実施例1〜5に比べて劣っていた。
Claims (3)
- 硫酸ナトリウムと水溶性無機カリウム塩とポリカルボン酸塩と水との造粒粒子の表面が水不溶性無機粉体で被覆され、前記硫酸ナトリウムの含有量が60質量%以上であることを特徴とする洗剤添加用粒子。
- 硫酸ナトリウムと水溶性無機カリウム塩とポリカルボン酸塩と水とを造粒し造粒粒子を得る工程と、
前記造粒粒子の表面を水不溶性無機粉体で被覆する工程とを有することを特徴とする、請求項1に記載の洗剤添加用粒子の製造方法。 - 請求項1に記載の洗剤添加用粒子を含有することを特徴とする、洗剤組成物。
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