JPH11158497A

JPH11158497A - 粒状消泡剤組成物および粒状洗剤組成物

Info

Publication number: JPH11158497A
Application number: JP32926297A
Authority: JP
Inventors: Akitomo Morita; 章友森田; Satoyuki Ishikawa; 聡之石川; Shinichi Fukutome; 信一福留; Seiji Abe; 誠治阿部
Original assignee: Lion Corp
Current assignee: Lion Corp
Priority date: 1997-11-28
Filing date: 1997-11-28
Publication date: 1999-06-15

Abstract

(57)【要約】【課題】粒状消泡性組成物および粒状洗剤組成物に
おいて、粉体特性（流動性）や水中への分散性を向上さ
せる。さらに、保存安定性を高める。【解決手段】ワックス消泡剤と、平均粒径が２０〜２
００μｍである硫酸ナトリウムと、融点４０℃以上の有
機バインダー物質を含有することを特徴とする粒状消泡
剤組成物を提供し、さらにこの粒状消泡剤組成物を配合
した粒状洗剤組成物を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は衣料用粒状洗剤組成
物に特に適した粒状消泡剤組成物および粒状洗剤組成物
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、日本では衣料用洗剤は洗濯時に適
度に泡立つことが要求されてきた。これは適度に泡立つ
方が洗剤の洗浄力があるとの洗濯習慣上の認識があった
ためである。しかし、近年全自動洗濯機の普及に伴い、
洗剤と衣料を洗濯機に投入した後は洗濯完了時まで何も
操作を要求されない。このことが洗濯上の意識を変化さ
せ、むしろプログラム時間内で確実にすすぎが完了する
ような低泡性でかつすすぎ性の良い洗剤が望まれるよう
になった。

【０００３】また、消費者の生活の高級化、多様化など
から洗濯から乾燥まで自動化された全自動洗濯乾燥機も
徐々に普及しつつある。このタイプにはドラム型洗濯機
があり、現在ヨーロッパ各国では主に用いられているも
のである。ドラム型洗濯機は従来のパルセーター型洗濯
機と異なり、叩き洗いによって洗浄を行うため、洗浄時
に泡立つと洗浄効率が落ち、洗浄性能が低下してしま
う。さらに泡立ちがひどくなると洗濯機から泡があふれ
出てくるといった問題もあった。また、ドラム型洗濯機
はパルセーター型洗濯機と比べてすすぎ時の泡切れが非
常に悪いことから、泡を抑制した洗剤が要望されてきて
いる。

【０００４】洗浄時およびすすぎ時（以下これらをあわ
せて洗濯時という）の泡を抑制する消泡剤としてはワッ
クス消泡剤がよく知られている。しかし、ワックス消泡
剤をそのまま粒状にしたものを、粒状洗剤組成物に直接
添加、混合して用いると（以下粒状とは粉末状のものも
含むものとする）、特に保存後に洗剤が固まって粉体流
動性が損なわれるなどの不都合が生じる。このためワッ
クス消泡剤を用いる場合には、一般的にワックス消泡剤
をバインダーなどとともに造粒したり、あるいは担体物
質にワックス消泡剤を担持させた粒状消泡剤組成物等が
提案されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、ワックス消
泡剤を粒状や粉末状の担体物質に担持させる場合、通常
ワックス消泡剤をその融点以上の温度に加熱して溶融状
態とし、この液状のワックス消泡剤を前記担体物質の表
面に担持させて保持させる。ところが、従来の粉末状あ
るいは粒状の担体物質は、一般にワックス消泡剤との親
和性が低い。このため、必要量のワックス消泡剤を配合
するには、必然的に前記担体物質の配合量が多くなる。
このように担体物質の配合量が多量となると、粒状消泡
剤組成物の造粒時の操作性が低下したり、造粒状態の安
定性が得られず、粉体特性（流動性）や、水中での分散
性が低下する場合がある。そして、このような粒状消泡
剤組成物を配合した粒状洗剤組成物においても、同様に
粉体特性や分散性が低下し、その消泡効果と洗浄効果が
ともに不十分なものとなることがある。

【０００６】本発明は前記事情に艦がみてなされたもの
で以下のような課題を解決することを目的とする。すな
わち、粒状消泡剤組成物において、その粉体特性（流動
性）や水中への分散性などを向上させる。さらに保存安
定性を高め、保存後もその粉体特性に優れたものにす
る。そして、粒状洗剤組成物において、造粒後および保
存後の粉体特性に優れたものにする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明における第１の発
明は、ワックス消泡剤と、平均粒径が２０〜２００μｍ
である硫酸ナトリウムと、融点４０℃以上の熱可塑性有
機バインダー物質を含むことを特徴とする粒状消泡剤組
成物である。第２の発明は、前記第１の発明の粒状消泡
剤組成物を含有することを特徴とする粒状洗剤組成物で
ある。

【０００８】

【発明の実施の形態】本発明においては、担体物質とし
て硫酸ナトリウムを選択し、その粒径を２０〜２００μ
ｍの範囲とすることによって、この硫酸ナトリウムにワ
ックス消泡剤を多量に担持させることができることを見
いだし、この粒径の硫酸ナトリウムにワックス消泡剤を
担持させることによって、粒状消泡剤組成物の粉体特性
を良好なものとした。また、融点４０℃以上の有機バイ
ンダーを配合することによって、粒状消泡剤組成物を適
度な造粒状態としその形状を安定に保てるようにした。

【０００９】本発明に使用されるワックス消泡剤として
は、水に不要で、かつ融点が２５〜１３５℃であり、消
泡効果を有するものであれば特に限定されることはな
い。例えば、炭化水素を主成分とするもの、高級脂肪酸
と高級アルコールとのエステルあるいは脂肪酸アミドを
主成分とするものなどが挙げられる。

【００１０】炭化水素を主成分とするワックス消泡剤と
しては、石油の潤滑油成分から抽出されたパラフィンワ
ックス（Ｃ20〜Ｃ40の直鎖炭化水素を主成分とす
る。）、石油の重質潤滑油留分から抽出されたマイクロ
クリスタリンワックス（Ｃ30〜Ｃ60の非直鎖炭化水素を
主成分とする。）などの石油ワックス、あるいは、フィ
ッシャー・トロプッシュワックス（Ｃ17〜Ｃ78の炭化水
素を主成分とする）、ポリエチレンワックス（低重合度
のポリエチレンを主成分とする）などの合成系ワック
ス、オゾケライトやセレシンなどの鉱物系ワックスなど
が挙げられる。

【００１１】高級脂肪酸と高級アルコールとのエステル
あるいは脂肪酸アミドを主成分とするものは、動物系ワ
ックス、植物系ワックス、鉱物系ワックス、合成系ワッ
クスなどのいずれでもよく、一般にその炭素数がＣ16〜
Ｃ32のものを主成分とする。本発明においては、炭化水
素を主成分とするものが好ましく、さらに石油系ワック
スが好適であり、なかでもパラフィンワックスが好まし
い。

【００１２】また、ワックス消泡剤は、粒状あるいはフ
レーク状などに形成されたものを用いると、他の構成成
分と均一に混合され易く、またこの混合時の操作性が向
上するため好ましい。ワックス消泡剤が板状などの場
合、その融点以上の温度で加熱溶解した後、噴霧ノズル
から噴射し、この融点未満の空気と接触させて冷却する
などして急冷固化し、平均粒子径約２０〜２０００μｍ
程度の粒子に調整したり、同様にして溶解したワックス
消泡剤を冷却したロール上に薄く塗布し、固化した後に
剥離し、細かいフレーク状にして用いると好ましい。

【００１３】ワックス消泡剤の粒状消泡剤組成物全量に
対する配合量は０．５〜４０重量％、好ましくは１〜３
５重量％とされる。０．５重量％未満であるとワックス
消泡剤の消泡効果が得られず、４０重量％を越えると造
粒物の流動性が低下して不都合となる。

【００１４】ワックス消泡剤は、消泡剤として優れ、ア
ルカリ性下におかれてもその消泡効果が減衰することが
ないため、洗浄効果に寄与しない有機物質を多量に洗剤
組成物中に添加する必要がなく、しかも安価であるため
本発明の粒状消泡組成物に好適に用いられる。

【００１５】本発明において用いられる硫酸ナトリウム
については、平均粒径が２０〜２００μｍ、好ましくは
２０〜１５０μｍ、さらに好ましくは２０〜１００μｍ
とされる。硫酸ナトリウムは、粒状消泡剤組成物中にお
いて担体物質として働くものである。この範囲の平均粒
子径を有する硫酸ナトリウムは、その表面積が十分に大
きいので、一般には親和性が低いとされているワックス
消泡剤を多量に担持させることができ、かつワックス消
泡剤の保持力が向上する。このため、硫酸ナトリウム
（担体物質）の配合量を比較的少なくすることができ、
粒状消泡剤組成物の粉体物性を向上させることができる
とともに、ワックス消泡剤の保持力の向上により粒状消
泡剤組成物の保存安定性を向上させることができる。さ
らに、この保存安定性は比較的高温多湿の条件下でも保
たれるものである。２０μｍ未満であると、硫酸ナトリ
ウム自体の取り扱いが困難となり、またコストも高くな
る。２００μｍを越えると、ワックス消泡剤との親和性
が低下し、粉体物性などの改良効果が低下する。

【００１６】硫酸ナトリウムは粒状消泡剤組成物全量に
対して３〜９０重量％、好ましくは１０〜８５重量％配
合される。３重量％未満であると、粒状消泡剤組成物の
製造時に造粒する際の操作性が低下したり、低温の水に
対する溶解性が低下することがある。９０重量％を越え
ると、粒状消泡剤組成物における粉体物性改良効果が低
下する。

【００１７】このように適度の粒径に調整された硫酸ナ
トリウムを適度な配合量で配合することによって、粒状
消泡剤組成物の製造時のハンドリング、粒状消泡剤組成
物の流動性（粉体特性）、さらに水中における粒状消泡
剤組成物の分散性を向上させることができる。また、硫
酸ナトリウムは安価であり、経済的にも好適である。そ
して、硫酸ナトリウムは粒状洗剤組成物の成分である中
性ビルダーとして用いられるものであり、これを配合す
ることにより粒状消泡剤組成物の低温溶解性が得られ、
水道水程度の低温条件下でも速やかな消泡効果が得られ
る。

【００１８】有機バインダー物質としては、融点が４０
℃以上であることが好ましい。融点が４０℃未満である
と、粒状消泡剤組成物の粉体物性、特に保存後の粉体物
性が低下する。実質的には、４０〜８０℃とされる。有
機バインダー物質を配合することによってワックス消泡
剤を適度な粒径の造粒物とすることができ、その形状を
安定に保つことができる。

【００１９】具体的には、ポリエチレングリコール、ポ
リエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール付加型
非イオン界面活性剤、ポリエチレングリコールアルキル
エーテル、ポリビニルアルコール、グリセリン、炭素数
８〜２０の脂肪酸、脂肪アルコール、脂肪酸塩、炭素数
８〜２０のアルコールにエチレンオキサイド（ＥＯ）を
平均４〜５０モル添加させた非イオン界面活性剤や、同
様にＥＯを平均４〜２５モル、プロピレンオキサイド
（ＰＯ）を平均３〜１５モル付加させたＥＯ−ＰＯ付加
非イオン界面活性剤などが挙げられる。この中でも、特
にポリエチレングリコールがワックス消泡剤を適度な粒
径の造粒物とすることができ、その形状を安定に保つこ
とができる効果が高く好適に用いられ、その中でも分子
量４０００〜３００００、特に４０００〜２００００の
ものが好ましい。

【００２０】有機バインダーの配合量としては、３〜７
０重量％、好ましくは５〜６０重量％とされる。３重量
％未満であると有機バインダーの添加効果が得られず、
７０重量％を越えると粒状消泡剤組成物の粉体特性が低
下してしまう。

【００２１】粒状消泡剤組成物は、粒状消泡剤組成物自
体に他の洗剤成分などの任意成分であり、好ましくは洗
浄に対して能動的な働きをする固体物質をワックス消泡
剤の消泡効果を低下させない範囲で配合することができ
る。

【００２２】例えば、天然殿粉、化工澱粉、ゼオライ
ト、粘土、タルク、硫酸金属塩、炭酸金属塩、カルボキ
シメチルセルロース塩、金属石鹸、酸化珪素などが挙げ
ることができる。これらは１種類または２種類以上混合
して用いることが可能である。

【００２３】また、このほか粒状組成物自体に、陰イオ
ン界面活性剤、非イオン界面活性剤などの界面活性剤を
配合することができる。陰イオン界面活性剤としては、
例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、αーオレフィ
ンスルホン酸塩、αースルホ脂肪酸エステル塩などの陰
イオン活性剤などが例示され、非イオン界面活性剤とし
ては、高級アルコール系非イオン界面活性剤などが挙げ
られる。

【００２４】また、抑泡効果をさらに向上させるため
に、粒状消泡剤組成物にシリコーン消泡剤などの他の消
泡剤を添加することができる。シリコーン消泡剤に含ま
れるシリコーンは特に限定されるものではないが、典型
的なものとしては、ポリオレガノシロキサン等が用いら
れる。シリコーン消泡剤としてシリコーンを単独で用い
ることもできるが、シリコーンのほかに疎水性のシリ
カ、アルミナ、ＴｉＯ₂などのフィラー粒子を含んだコ
ンパウンドタイプや乳化剤を含むエマルジョンタイプ、
あるいはポリオレガノシロキサンをポリアルキレングリ
コールアミン、油脂などで変性した自己乳化タイプなど
のシリコーン消泡剤を用いることもできる。

【００２５】このように、シリコーン以外の成分を含む
場合には、通常少なくともシリコーン消泡剤中のシリコ
ーンの割合は、１０重量％以上、実質的には１２〜９９
重量％とされる。中でも、ポリオレガノシロキサンとフ
ィラー粒子を含んだコンパウンドタイプのシリコーン消
泡剤が粒状消泡剤組成物の製造における操作性がよく、
粒状消泡剤組成物中に均等に分散させることが容易であ
り、消泡効果も高く好適である。さらに香料や色素など
も配合できる。

【００２６】粒状消泡剤組成物の造粒方法としては、特
に限定することはなく一般的に知られている造粒方法、
例えば撹拌造粒法、捏和・押出造粒法、流動層造粒法な
ど、いずれも使用できる。例えば、ワックス消泡剤、硫
酸ナトリウム、有機バインダー、必要に応じて他の配合
成分を、好ましくは粉体混合して混合粉体とし、これを
ワックス消泡剤の融点以上かつ有機バインダーの融点以
上の温度条件下で混練して押出成形、破砕などの工程を
経て造粒する方法や、前記混合粉体を、撹拌混合機（高
速ミキサー）を用いてワックス消泡剤の融点以上かつ有
機バインダーの融点以上の温度条件下で撹拌造粒する方
法を用いることができる。粒状消泡剤組成物の平均粒径
は１００〜４０００μｍ、好ましくは１５０〜２０００
μｍとされる。１００μｍ未満であると流動性が低下す
ることがあり、４０００μｍをこえると溶解性が低下す
ることがある。

【００２７】本発明の粒状消泡剤組成物は、ワックス消
泡剤と、平均粒径が２０〜２００μｍである硫酸ナトリ
ウムと、融点４０℃以上の有機バインダー物質とを必須
の構成成分としたので、一般には粒状の担体物質とは親
和性の低いワックス消泡剤を多量に担体物質（硫酸ナト
リウム）に担持させることができ、かつワックス消泡剤
の保持力を向上させ、造粒状態を維持することができ、
担体物質を多量に使用することもない。そして、粒状消
泡剤組成物の製造時のハンドリング、粒状消泡剤組成物
の流動性（粉体特性）、さらに水中における粒状消泡剤
組成物の分散性などの粉体特性を向上させることがで
き、また、その良好な流動性や、水中での分散性を維持
することができ、保存安定性にも優れたものとなる。

【００２８】また、上述の粒状消泡剤組成物を配合する
ことによって本発明の粒状洗剤組成物とすることができ
る。粒状消泡剤組成物の配合量は、粒状洗剤組成物全量
に対して０．１〜１５重量％、好ましくは０．２〜１０
重量％とされる。０．１重量％未満であると十分な消泡
効果が得られず、１５重量％をこえると他の成分の配合
量が少なくなり、また消泡効果が飽和する。

【００２９】この粒状洗剤組成物において、粒状消泡剤
組成物以外に含まれる他の洗剤成分としては、界面活性
剤、無機ビルダー、他の任意成分などがあげられる。界
面活性剤としては陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活
性剤、非イオン界面活性剤、両性イオン界面活性剤、あ
るいはこれらの混合物を用いることができる。これらの
中でも特に高起泡性の陰イオン界面活性剤に対して本発
明の粒状消泡剤組成物の消泡作用が効果的に発揮される
ので、陰イオン界面活性剤を用いることが好ましい。陰
イオン界面活性剤としては直鎖アルキルベンゼンスルホ
ン酸塩、アルキル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸
塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩などがあげられるが、
特に粒状消泡剤組成物による高い消泡効果が得られるα
−スルホ脂肪酸エステル塩が好適である。

【００３０】無機ビルダーとしては例えば、珪酸ナトリ
ウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリ
ウム、重炭酸カリウム、セスキ炭酸ナトリウム、亜硫酸
ナトリウムなどを用いることができる。また、Ａ型、Ｘ
型または無定形の合成ゼオライトなどを用いることもで
きる。他の任意成分として、マレイン酸−アクリル酸共
重合体などの有機ビルダーや酵素、柔軟剤、漂白剤、漂
白活性化剤、香料などを配合することもできる。粒状洗
剤組成物の平均粒径は３００〜３０００μm、好ましく
は３５０〜２０００μmとされる。３００μｍ未満であ
ると流動性、布付着などに問題が発生することがあり、
３０００μｍをこえると溶解性が低下することがある。

【００３１】粒状消泡剤組成物の配合方法は特に限定さ
れないが、通常他の洗剤成分の主なものを常法によって
乾燥粉体または高嵩密度粒子としたものと粉体混合する
方法を用いるのが好ましい。

【００３２】このように本発明の粒状消泡剤組成物を、
粒状洗浄剤組成物に配合することによって、その流動性
や、水中への分散性などの粉体特性に優れ、その消泡効
果と洗浄効果がともに優れたものとなる。また、本発明
の粒状洗剤組成物は、保存安定性に優れ、保存後の流動
性や水中への分散性が持続し、低下しにくいものであ
る。よって、洗浄とすすぎのプログラム時間内に十分な
消泡効果が得られるので、洗濯における洗濯効率と経済
性の両方を満足することができる。

【００３３】本発明の実施の態様をまとめると以下のよ
うになる。 (1) ワックス消泡剤としては、炭化水素を主成分とす
るもの、高級脂肪酸と高級アルコールとのエステルある
いは脂肪酸アミドを主成分とするものなどが挙げられ、
その中でも石油ワックス、特にパラフィンワックスが好
適に用いられる。 (2) ワックス消泡剤の粒状消泡剤組成物全量に対する
配合量は０．５〜４０重量％、好ましくは１〜３５重量
％とされる。 (3) 硫酸ナトリウムは、平均粒径が２０〜２００μｍ
である。好ましくは２０〜１５０μｍであると好まし
く、２０〜１００μｍであるとより好ましい。硫酸ナト
リウムは粒状消泡剤組成物全量に対して３〜９０重量
％、好ましくは１０〜８５重量％配合される。

【００３４】(4) 有機バインダー物質としては、融点
が４０℃以上であることが好ましい。具体的には、ポリ
エチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、ポリエ
チレングリコール付加型非イオン界面活性剤、ポリエチ
レングリコールアルキルエーテル、ポリビニルアルコー
ル、グリセリン、炭素数８〜２０の脂肪酸、脂肪アルコ
ール、脂肪酸塩、炭素数８〜２０のアルコールにエチレ
ンオキサイド（ＥＯ）を平均４〜５０モル添加させた非
イオン界面活性剤や、同様にＥＯを平均４〜２５モル、
プロピレンオキサイド（ＰＯ）を平均３〜１５モル付加
させたＥＯ−ＰＯ付加非イオン界面活性剤などが挙げら
れる。この中でも、特にポリエチレングリコールが好適
に用いられ、その中でも分子量１５００〜３００００、
特に４０００〜２００００のものが好ましい。有機バイ
ンダーの配合量としては、３〜７０重量％、好ましくは
５〜６０重量％とされる。

【００３５】(5) 粒状消泡剤組成物には、硫酸ナトリ
ウム以外の他の固体物質を配合することが好ましい。例
えば、天然澱粉、化工澱粉、ゼオライト、粘土、タル
ク、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウ
ム、硫酸カルシウム、カルボキシメチルセルロース塩、
炭酸塩、金属石鹸、酸化珪素などを例示することができ
る。これらは１種類または２種類以上混合して用いるこ
とも可能である。 (6) 粒状消泡剤組成物に、必須とする構成成分に加え
て、シリコーン消泡剤などの消泡剤を配合することがで
きる。 (7) 粒状消泡剤組成物の平均粒径は１００〜４０００
μｍ、好ましくは１５０〜２０００μｍとされる。

【００３６】(8) 粒状消泡剤組成物を配合した粒状洗
剤組成物とする場合には、粒状消泡剤組成物の配合量
は、粒状洗剤組成物全量に対して０．１〜１５重量％、
好ましくは０．２〜１０重量％とされる。 (9) 粒状洗剤組成物に配合される界面活性剤として
は、粒状消泡剤組成物の作用が効果的に発揮されるの
で、陰イオン界面活性剤を用いることが好ましい。陰イ
オン界面活性剤としては特に粒状消泡剤組成物による高
い消泡効果が得られるα−スルホ脂肪酸エステル塩が好
適である。

【００３７】

【実施例】以下、本発明を実施例を示して詳しく説明す
る。＜＜実験例１＞＞以下のようにして粒状消泡剤組成物と
粒状洗剤組成物を製造し、その性能を評価した。

【００３８】＜粒状消泡剤組成物の調製＞［試料番号１〜７］表１に示した各成分を１．０mmφの
ダイスを付けたエクストルードオーミックスＥＭ−６型
（ホソカワミクロン（株）製）に投入し、ジャケット温
度７５℃にて混練、造粒を行い、１．０mmφ径、平均長
さ２０〜１００mmのヌードル状物を得た。このヌードル
状物を、目開き２mmのスクリーンを取り付けたフィッツ
ミルＤＫＡー３型（ホソカワミクロン（株）製）を用い
て破砕造粒し、得られた破砕造粒物をタッピングボール
の付いた篩であるジャイロシフター（（株）徳寿工作所
製）に投入し、目開き３５５μmのメッシュを用いて微
粉を分級した。このようにして、粒状消泡剤組成物を得
た。

【００３９】〈保存安定性試験〉調製した粒状消泡剤組
成物と、この粒状消泡剤組成物を、温度３５℃、湿度８
５％ＲＨの環境下で２０日間貯蔵したものとについて、
以下の流動性試験を行った。

【００４０】＜流動性試験＞保存前の各粒状消泡剤組成
物と、保存後の粒状消泡剤組成物について、安息角を測
定した。＜流動性評価＞Ａ：４０゜以下Ｂ：４１〜５０゜Ｃ：５１〜６０゜Ｄ：６１゜以上安息角が小さいほど流動性が優れるといえ、この評価が
Ａ〜Ｄの順で流動性が高く好ましいとされる。

【００４１】

【表１】

【００４２】表１の結果から本発明の粒状消泡剤組成物
においては、保存前と保存後ともに流動性が良好である
ということがわかる。

【００４３】＜＜実験例２＞＞＜他の洗剤成分からなる高嵩密度洗剤粒子の調製＞表２
に示した組成の他の洗剤成分から成る高嵩密度洗剤粒子
を、以下の方法で調製した。まず、α−スルホ脂肪酸メ
チルエステルナトリウム、石鹸をはじめとした陰イオン
界面活性剤、ゼオライト、アルカリビルダー、蛍光剤な
どを配合した水分約５０％のスラリーを約７０℃で調製
し、向流式噴霧乾燥塔を用いて熱風温度２５０℃で噴霧
乾燥した。得られた乾燥粉体に非イオン界面活性剤、水
を加えてニーダーで圧密捏和した後、フィッツミルＤＫ
Ａ−３型（ホソカワミクロン（株）製）によって破砕造
粒を行って平均粒径５５０μmの高嵩密度洗剤粒子を得
た。

【００４４】＜粒状洗剤組成物の調製＞［試料番号８〜１６］前記他の洗剤成分からなる高嵩密
度粒子１００重量部に対し、表１に示した試料番号１〜
７の粒状消泡剤組成物３重量部を、それぞれ粉体混合し
て粒状洗剤組成物とした（粒状洗剤組成物全量に対して
粒状消泡剤組成物は２．９１重量％となる）。また、前
記他の洗剤成分からなる高嵩密度粒子１００重量部に対
し、それぞれ、試料番号６の粒状消泡剤組成物を０．１
重量部、試料番号６の粒状消泡剤組成物を１７．５重量
部粉体混合して粒状洗剤組成物とした（試料番号１５、
１６：粒状洗剤組成物全量に対して粒状消泡剤組成物は
それぞれ０．１重量％、１４．９重量％）。

【００４５】〈消泡性試験〉調整した直後の粒状洗浄剤
組成物２０ｇを、硬度４度（軟水）に調整した１５℃の
水道水１５Ｌを張ったドラム式洗濯機（シャープ製）に
投入して１分間撹拌した。ついで上記ドラム式洗濯機に
綿シャツ１Ｋｇを加えて２０分間洗浄し、洗浄終了後の
泡高を、上記ドラム式洗濯機の丸窓（直径２００ｍｍ）
の下部より測定し、以下の基準で評価した。結果を表３
に示す。

【００４６】（洗浄時泡高評価基準）Ａ：５０ｍｍ未満Ｂ：５０〜１２０ｍｍＣ：１２０〜１７０ｍｍＤ：１７０ｍｍ以上結果を表３に示す。泡高が低いほど泡が少ないとされ、
この評価がＡ〜Ｄの順でその粒状消泡剤組成物の消泡性
が高いと判断でき、好ましいとされる。

【００４７】

【表２】

【００４８】

【表３】

【００４９】表３に示す結果から、本発明の粒状消泡体
組成物を配合する粒状洗剤組成物においては、消泡効果
が優れていることがわかる。

【００５０】

【発明の効果】以上説明したように本発明の粒状消泡剤
組成物は、ワックス消泡剤と、平均粒径が２０〜２００
μｍである硫酸ナトリウムと、融点４０℃以上の有機バ
インダー物質を必須の構成成分としたので、硫酸ナトリ
ウムに多量のワックス消泡剤を保持させることができる
とともに、ワックス消泡剤の保持力が向上する。さら
に、有機バインダーによって造粒形状が安定したものと
なるので、粒状消泡剤組成物の粉体特性（流動性）や分
散性が良好なものとなる。そして、保存安定性にも優
れ、その粉体特性を良好に保つことができるものであ
る。

【００５１】また、本発明の粒状消泡剤組成物を粒状洗
剤組成物に配合することによって、流動性や水中での分
散性が良好で、粉体特性に優れた粒状洗剤組成物を得る
ことができ、また、良好な消泡効果が得られ、その粉体
特性の保存性を有する粒状洗剤組成物を得ることができ
る。すなわち、洗浄とすすぎのプログラム時間内に十分
な消泡効果が得られるので、洗濯における洗濯効率と経
済性の両方を満足することができる。

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号ＦＩＣ１１Ｄ 7:10 7:24 7:22） (Ｃ１１Ｄ 3/60 3:18 3:02 3:16） (72)発明者阿部誠治東京都墨田区本所一丁目３番７号ライオン株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ワックス消泡剤と、平均粒径が２０〜２
００μｍである硫酸ナトリウムと、融点４０℃以上の有
機バインダー物質を含むことを特徴とする粒状消泡剤組
成物。
【請求項２】請求項１記載の粒状消泡剤組成物を含有
することを特徴とする粒状洗剤組成物。