JPH11158499A - 粒状消泡剤組成物および粒状洗剤組成物 - Google Patents

粒状消泡剤組成物および粒状洗剤組成物

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JPH11158499A
JPH11158499A JP33070797A JP33070797A JPH11158499A JP H11158499 A JPH11158499 A JP H11158499A JP 33070797 A JP33070797 A JP 33070797A JP 33070797 A JP33070797 A JP 33070797A JP H11158499 A JPH11158499 A JP H11158499A
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water
granular
composition
wax
waxes
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JP33070797A
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English (en)
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Akitomo Morita
章友 森田
Satoyuki Ishikawa
聡之 石川
Shinichi Fukutome
信一 福留
Seiji Abe
誠治 阿部
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Lion Corp
Original Assignee
Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 日本のように軟水で、水道水の水温程度の比
較的低温条件下において洗濯を行っても十分な消泡効果
を示す粒状消泡剤組成物と粒状洗剤組成物を提供する。 【解決手段】 消泡機能を有するワックス類を均一に含
むマトリックス中に、水溶性多糖類および/またはその
誘導体の粒子が分散されている粒状消泡剤組成物を構成
し、この粒状消泡剤組成物と他の洗剤成分を粉体混合し
て粒状洗剤組成物とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は衣料用粒状洗剤組成
物に特に適した粒状消泡剤組成物および粒状洗剤組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、日本では衣料用洗剤は洗濯時に適
度に泡立つことが要求されてきた。これは適度に泡立つ
方が洗剤の洗浄力があるとの洗濯習慣上の認識があった
ためである。しかし、近年全自動洗濯機の普及に伴い、
洗剤と衣料を洗濯機に投入した後は洗濯完了時まで何も
操作を要求されない。このことが洗濯上の意識を変化さ
せ、むしろプログラム時間内で確実にすすぎが完了する
ような低泡性でかつすすぎ性の良い洗剤が望まれるよう
になった。
【0003】また、消費者の生活の高級化、多様化など
から洗濯から乾燥まで自動化された全自動洗濯乾燥機も
徐々に普及しつつある。このタイプにはドラム型洗濯機
があり、現在ヨーロッパ各国では主に用いられているも
のである。ドラム型洗濯機は従来のパルセーター型洗濯
機と異なり、叩き洗いによって洗浄を行うため、洗浄時
に泡立つと洗浄効率が落ち、洗浄性能が低下してしま
う。さらに泡立ちがひどくなると洗濯機から泡があふれ
出てくるといった問題もあった。また、ドラム型洗濯機
はパルセーター型洗濯機と比べてすすぎ時の泡切れが非
常に悪いことから、泡を抑制した洗剤が要望されてい
る。
【0004】洗浄時およびすすぎ時(以下これらをあわ
せて洗濯時という)の泡を抑制する消泡剤としては、比
較的安価な消泡機能を有するワックス類などがよく知ら
れている。しかしワックス類を粒状にしたものを、粒状
(以下粒状とは粉末状のものも含むものとする)の他の
洗剤成分に直接添加、混合すると、特に保存後に洗剤が
固まって粉体特性が損なわれるなどの不都合を生じる。
このためワックス類を担体物質に担持させた粒状消泡剤
組成物が提案されているが、従来の粒状消泡剤組成物で
は日本のように軟水で、かつ比較的低温条件下で洗濯を
行うと消泡効果が不十分である場合がある。特開昭60
−156514号公報、特開平1−58307号公報、
特表平9−501703号公報などには、ワックス類を
疎水性化ケイ酸、シリカなどの担体物質に担持させた粒
状消泡剤組成物が提案されている。
【0005】すなわちヨーロッパなどでは、水道水が硬
水なので界面活性剤の泡立ちがそれ程激しくなく、かつ
洗濯時の水温が高温なので、ワックス類が水中に速やか
に放出され、十分な消泡効果を示す。しかし日本では、
水道水が軟水なので界面活性剤の泡立ちが激しく、かつ
通常の水道水(例えば5〜30℃程度)の水温での洗濯
条件下では担体物質に取り込まれたままワックス類が水
中に放出されず、消泡効果が得られなかったり、放出さ
れるまでに長時間を要し、速やかな消泡効果が得られな
いことがある。プログラムされた洗浄、すすぎ時間内に
消泡効果が得られない場合、必然的に洗濯時間を長く設
定する必要が生じ、洗濯効率と経済性が低下する。ま
た、粒状消泡剤組成物の粒子の流動性(粉体特性)や水
中での分散性が十分ではなく、他の洗剤成分に配合(粉
体混合)する際の操作性が低下したり、洗浄時に水中に
均一分散させることが困難であるという問題もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記事情に艦
がみてなされたもので以下のような課題を解決すること
を目的とする。すなわち日本のように軟水で、水道水の
水温程度の比較的低温条件下において洗濯を行っても十
分な消泡効果を示す粒状消泡剤組成物と粒状洗剤組成物
を提供する。さらに流動性(粉体特性)、水中における
分散性が良好な粒状消泡剤組成物と粒状洗剤組成物を提
供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明における第1の発
明は、消泡機能を有するワックス類を均一に含むマトリ
ックス中に、水溶性多糖類および/またはその誘導体の
粒子が分散されていることを特徴とする粒状消泡剤組成
物である。第2の発明は、前記第1の発明の粒状消泡剤
組成物を含有することを特徴とする粒状洗剤組成物であ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の粒状消泡剤組成物は、ワ
ックス類と水溶性多糖類および/またはその誘導体を必
須構成とするもので、このワックス類を均一に含むマト
リックス中に、前記水溶性多糖類および/またはその誘
導体の粒子が、好ましくはほぼ均一に分散されているも
のである。前記マトリックスはワックス類単独からなる
ものであってもよいし、他の配合物とワックス類との均
一な混合物であってもよい。マトリックスを形成する他
の配合物とは、後述する有機バインダー物質などのよう
に、常温で液状であったり、製造過程において加熱によ
り液状になるもので、加熱されて液状となったワックス
類と混合され、均一な混合層(連続層)としてマトリッ
クスを形成できるものである。
【0009】本発明に使用されるワックス類は、水に不
溶で、融点が25〜135℃で、消泡機能を有するもの
であれば特に限定することはない。例えば炭化水素を主
成分とするもの;高級脂肪酸と高級アルコールとのエス
テルあるいは脂肪酸アミドを主成分とするものなどがあ
げられる。炭化水素を主成分とするものとしては、石油
の潤滑油留分から抽出されたパラフィンワックス(炭素
数の分布はC16〜C40であって、C20〜C40の直鎖炭化
水素を主成分とする。)、石油の重質潤滑油留分から抽
出されたマイクロクリスタリンワックス(C30〜C60の
非直鎖炭化水素を主成分とする。)などの石油ワック
ス;フィッシャー・トロプッシュワックス(C17〜C78
の炭化水素を主成分とする。)、ポリエチレンワックス
(低重合度のポリエチレンを主成分とする。)などの合
成系ワックス;オゾケライトやセレシンなどの鉱物系ワ
ックスなどがあげられる。
【0010】高級脂肪酸と高級アルコールとのエステル
あるいは脂肪酸アミドを主成分とするものは、動物系ワ
ックス;植物系ワックス;鉱物系ワックス;合成ワック
スなどのいずれでもよく、一般にその炭素数がC16〜C
32のものを主成分とする。本発明においては炭化水素を
主成分とするものが好ましく、さらに石油ワックスが好
適で、なかでもパラフィンワックスが、他のワックス類
と比較しても安価であり、入手しやすく、好ましい。消
泡機能を有するワックス類は、界面活性剤などの洗剤成
分中に配合して長期間保存しても消泡効果が低下しにく
いという利点を有している。
【0011】またワックス類は粒状あるいはフレーク状
などに成形されたものを用いると、他の構成成分と均一
に混合されやすく、またこの混合時の操作性が向上する
ため好ましい。ワックス類が板状などの場合、その融点
以上の温度で加熱溶解した後、噴霧ノズルから噴射し、
この融点未満の空気と接触させるなどして急冷固化し、
平均粒径約20〜2000μm程度の粒子に調整した
り、同様にして溶融したワックス類を、冷却したロール
上に薄く塗布し、固化した後に剥離し、細かいフレーク
状として用いると好ましい。
【0012】そしてワックス類の配合量は、粒状消泡剤
組成物中0.5〜40重量%、好ましくは1〜35重量
%とされる。0.5未満であると十分な消泡効果が得ら
れず、40重量%をこえると流動性(粉体特性)が低下
する場合がある。
【0013】本発明において用いる水溶性多糖類および
/またはその誘導体としては、例えば、澱粉、セルロー
ス、あるいはこれらの誘導体などのうち、水溶性のもの
が1種あるいは2種以上混合して用いられる。ここで水
溶性とは25℃以下、実質的には5〜25℃の水(冷
水)で、膨潤、あるいは 溶解するものとする。セルロ
ースあるいはその誘導体としては、水和セルロース、C
MC(カルボキシメチルセルロースまたはそのナトリウ
ム誘導体)、セルロースエーテルなどが例示できる。本
発明の水溶性多糖類および/またはその誘導体として
は、効果が高いため、水溶性化工澱粉が好ましく、具体
的にはα−化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、
澱粉分解物などを例示することができる。これらの中で
も好ましいのはα−化澱粉、澱粉分解物であり、澱粉分
解物としては、特にDE(Dextrose Equivalent)=7〜2
5のデキストリン、マルトデキストリンが好ましい。
【0014】また水溶性多糖類および/またはその誘導
体に含まれる水分は25重量%以下、実質的には0.0
01〜25重量%であると好ましい。水分が25重量%
をこえると粒状消泡剤組成物の造粒時の操作性が低下す
る。0.001重量%未満とするのは工業的には困難で
ある。また水溶性多糖類および/またはその誘導体の平
均粒径は1500μm以下で、実質的には1〜1000
μmとされる。この範囲外であると分散性が低下する場
合がある。
【0015】水溶性多糖類および/またはその誘導体の
粒状消泡剤組成物中の配合量は2〜60重量%、好まし
くは5〜50重量%とされる。そして粒状消泡剤組成物
において、水溶性多糖類および/またはその誘導体の粒
子は、ワックス類を均一に含むマトリックス中に好まし
くはほぼ均一に分散されて配合され、ワックス類を担
持、保持する担体物質となっている。
【0016】このため水溶性多糖類および/またはその
誘導体の配合量は、上述の配合量の数値範囲と、水溶性
多糖類および/またはその誘導体とワックス類との重量
比率によって決定される。すなわち、(水溶性多糖類お
よび/またはその誘導体)/(ワックス類)の重量比率
は0.1〜10、好ましくは0.2〜5とされる。0.
1未満であるとワックス類が十分に担持されず、水溶性
多糖類および/またはその誘導体を配合した効果が得ら
れない場合がある。また10をこえると消泡性能が低下
する場合がある。
【0017】本発明の粒状消泡剤組成物に有機バインダ
ー物質を混合すると、造粒時の操作性が良好となり、ま
た粒状消泡剤組成物の保存安定性が向上するため好まし
い。例えばポリエチレングリコール;ポリエチレンオキ
サイド;ポリエチレングリコールアルキルエステル;ポ
リビニルアルコール;グリセリン;炭素数8〜20の脂
肪酸;高級アルコール;炭素数8〜20のアルコールに
エチレンオキサイド(EO)を平均4〜50モル付加さ
せた非イオン界面活性剤;炭素数8〜20のアルコール
にエチレンオキサイド(EO)を平均4〜25モル、プ
ロピレンオキサイド(PO)を3〜15モル付加させた
非イオン界面活性剤などがあげられる。
【0018】有機バインダー物質は、望ましくは常温で
固体であり、加熱することによって溶融する水溶性のも
のが好ましい。好ましくはその融点が25〜100℃、
より好ましくは40〜80℃のものが好適である。有機
バインダー物質の融点が100℃をこえると、他の材料
と均一に混合する操作に時間がかかったり、操作温度が
高温になるため生産性が低下する場合がある。また、水
道水程度の比較的低い温度下における洗濯条件下におい
て、粒状消泡剤組成物からワックス類が放出されにくく
なり、消泡効果が低下することがある。
【0019】これらのうち特に平均分子量が400〜3
0000のポリエチレングリコールが好ましく、より好
ましくは1000〜20000、最も好ましくは400
0〜20000のポリエチレングリコールである。また
ポリエチレングリコール付加型非イオン界面活性剤も好
適であり、具体的には炭素数8〜20、好ましくは10
〜18のアルコール1モルあたり、EOを3〜80モ
ル、好ましくは10〜50モル付加させたものが好まし
い。有機バインダー物質は粒状消泡剤組成物中に3〜7
0重量%、好ましくは5〜60重量%配合される。配合
量が3重量%未満の場合添加効果が得られず、70重量
%をこえると粒状消泡剤組成物の粉体特性が低下するこ
とがある。
【0020】この他本発明の粒状消泡剤組成物には、ワ
ックス類の消泡機能を阻害しない各種の無機粒子(無機
ビルダー)あるいは有機粒子(有機ビルダー)を配合す
ることができる。これらは吸油性を有し、ワックス類を
担持できるものであるとより好ましい。また、粒状消泡
剤組成物と混合する他の洗剤成分の洗浄効果を向上させ
るものであるとより好ましい。具体的には、冷水に不溶
な天然澱粉あるいは化工澱粉;アミノ酸塩;硫酸ナトリ
ウム、硫酸カリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウ
ムなどの硫酸金属塩;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの炭酸金属塩;
金属石鹸;ゼオライト;シリカ;粘土鉱物;酸化珪素な
どを例示することができる。
【0021】またこの粒状消泡剤組成物は、陰イオン界
面活性剤などの他の洗剤成分と混合され、粒状洗剤組成
物とされて用いられることが多いが、粒状消泡剤組成物
自体に他の洗剤成分などの任意成分を配合することもで
きる。例えばアルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレ
フィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩など
の陰イオン界面活性剤;ポリエチレングリコール付加型
非イオン界面活性剤などを配合することができる。さら
に香料や色素なども配合できる。
【0022】また必須とされるワックス類の他に、消泡
機能を有するものとしてシリコーン消泡剤などを配合す
ることもできる。シリコーン消泡剤を配合する場合、シ
リコーン消泡剤に含まれるシリコーンは特に限定される
ことはないが、典型的なものとしてはポリオルガノシロ
キサンが用いられる。シリコーン消泡剤としてシリコー
ンを単独で用いることもできるが、シリコーンの他に疎
水性のシリカ、アルミナ、TiO2などのフィラー粒子
を含んだコンパウンドタイプや 乳化剤を含むエマルジ
ョンタイプ、あるいはポリオルガノシロキサンをポリア
ルキレングリコールアミン、油脂などで変性した自己乳
化タイプなどのシリコーン消泡剤を用いることもでき
る。このようにシリコーン以外の成分を含む場合には、
通常、少なくともシリコーン消泡剤中のシリコーンの割
合は10重量%以上、実質的には12〜99重量%とさ
れる。
【0023】なかでもポリオルガノシロキサンとフィラ
ー粒子を含んだコンパウンドタイプのシリコーン消泡剤
が粒状消泡剤組成物の製造における操作性がよく、粒状
消泡剤組成物中に均等に分散させることが容易であり、
消泡効果も高く、好適である。
【0024】粒状消泡剤組成物の造粒方法としては、均
一なマトリックスを形成でき、かつこのマトリックス中
に水溶性多糖類および/またはその誘導体の粒子を分散
させた造粒物を製造することができれば特に限定するこ
とはなく、一般的に知られている造粒方法、例えば撹拌
造粒法、捏和・押出造粒法、流動層造粒法などのいずれ
でもよい。好ましくは粒状あるいはフレーク状のワック
ス類と、水溶性多糖類および/またはその誘導体などを
粉体混合した混合粉体を、ワックス類の融点以上の温度
条件下で混練し、ワックス類を含むマトリックス中に水
溶性多糖類および/またはその誘導体の粒子を分散さ
せ、押出成形、破砕などの工程を経て造粒する方法;前
記混合粉体を撹拌混合機(高速ミキサー)を用いて、ワ
ックス類の融点以上の温度条件下で撹拌造粒して、この
造粒物中に水溶性多糖類および/またはその誘導体の粒
子を分散させる方法などを適用することができる。これ
らの方法においてはいずれもワックス類を融点以上で加
熱し、均一なマトリックスを形成することが必要条件と
なっている。加熱温度がワックス類の融点温度未満の場
合、マトリックスが形成されず、水溶性多糖類および/
またはその誘導体がワックス類を十分に担持できなくな
るため不都合である。
【0025】常温で固体の有機バインダー物質を配合す
る場合、前記混合粉体調整時に有機バインダー物質を配
合し、この後の造粒時の温度を、ワックス類の融点以上
で、かつこの有機バインダー物質の融点以上とする。ま
た、常温で液状の有機バインダー物質の場合には、造粒
時に添加するなどして配合することができる。
【0026】粒状消泡剤組成物の平均粒径は100〜4
000μm、好ましくは150〜2000μmとされる。
100μm未満であると流動性が低下することがあり、
4000μmをこえると溶解性が低下することがある。
【0027】本発明の粒状消泡剤組成物は、消泡性能を
有するワックス類を均一に含むマトリックス中に水溶性
多糖類および/またはその誘導体の粒子を分散させたこ
とにより、水溶性多糖類および/またはその誘導体がワ
ックス類を担持する担体物質として働くもので、軟水
で、かつ水道水程度(例えば5〜30℃程度)の低温条
件においてもワックス類が速やかに放出され、消泡効果
が得られる。さらには流動性(粉体特性)や水中におけ
る分散性が比較的良好となる。
【0028】また、上述の粒状消泡剤組成物を配合した
粒状洗剤組成物とすることができる。 粒状消泡剤組成
物の配合量は、粒状洗剤組成物全量に対して0.1〜1
5重%、好ましくは0.2〜10重量%とされる。0.
1重量%未満であると十分な消泡効果が得られず、15
重量%をこえると他の成分の配合量が少なくなり、また
消泡効果が飽和する。
【0029】この粒状洗剤組成物において、粒状消泡剤
組成物以外に含まれる他の洗剤成分としては、界面活性
剤、無機ビルダー、他の任意成分などがあげられる。界
面活性剤としては陰イオン界面活性剤;陽イオン界面活
性剤;非イオン界面活性剤;両性イオン界面活性剤;あ
るいはこれらの混合物を用いることができる。 これら
の中でも特に高起泡性の陰イオン界面活性剤に対して本
発明の粒状消泡剤組成物の消泡作用が効果的に発揮され
るので、陰イオン界面活性剤を用いることが好ましい。
陰イオン界面活性剤としては直鎖アルキルベンゼンスル
ホン酸塩;アルキル硫酸塩;α−オレフィンスルホン酸
塩;α−スルホ脂肪酸エステル塩などがあげられるが、
特に粒状消泡剤組成物による高い消泡効果が得られるα
−スルホ脂肪酸エステル塩が好適である。
【0030】無機ビルダーとしては例えば、珪酸ナトリ
ウム;炭酸ナトリウム;炭酸水素ナトリウム;炭酸カリ
ウム;重炭酸カリウム;セスキ炭酸ナトリウム;亜硫酸
ナトリウムなどを用いることができる。また、A型、X
型または無定形の合成ゼオライトなどを用いることもで
きる。他の任意成分として、マレイン酸−アクリル酸共
重合体などの有機ビルダー;酵素;柔軟剤;漂白剤;漂
白活性化剤;香料などを配合することもできる。粒状洗
剤組成物の平均粒径は300〜3000μm、好ましく
は350〜2000μmとされる。300μm未満であ
ると流動性、布付着などに問題が発生す ることがあ
り、3000μmをこえると溶解性が低下することがあ
る。
【0031】粒状消泡剤組成物の配合方法は特に限定さ
れないが、通常他の洗剤成分の主なものを常法によって
乾燥粉体または高嵩密度粒子としたものと粉体混合する
方法を用いるが好ましい。
【0032】このように、本発明の粒状消泡剤組成物を
粒状洗剤組成物に配合することによって、軟水で、かつ
水道水の温度程度の比較的低温の洗濯条件下においても
十分な消泡効果を発揮する粒状洗剤組成物を得ることが
できる。すなわち、洗浄とすすぎのプログラム時間内に
十分な消泡効果が得られるので、洗濯における洗濯効率
と経済性の両方を満足することができる。また、粒状消
泡剤組成物は比較的流動性が良好なので、他の洗剤成分
との混合の際に粒状洗剤組成物中に均等に分散され、さ
らに水中での分散性が比較的良好なので、均一な消泡効
果が得られる。特に本発明の粒状消泡剤組成物は、比較
的低温下における洗浄能力が高いにもかかわらず、泡立
ちがよいためにドラム式洗濯機用の洗剤成分としては使
用しにくい陰イオン界面活性剤に対しても消泡効果を十
分に発揮する。したがって、粒状洗剤組成物を構成する
において、粒状消泡剤組成物を陰イオン界面活性剤とと
もに用いれば、陰イオン界面活性剤の高い洗浄能力を保
持し、かつ泡立ちが少ない非常に優れた粒状洗剤組成物
が得られる。
【0033】本発明の実施の態様をまとめると以下のよ
うになる。 (1) マトリックスは、ワックス類単独からなるもので
あってもよいし、他の配合物とワックス類との均一な混
合層(連続層)であってもよい。マトリックスを形成す
るワックス類以外の配合物とは有機バインダー物質など
である。
【0034】(2) ワックス類は水に不溶で、融点が2
5〜135℃で、消泡機能を有するものである。例えば
炭化水素を主成分とするもの;高級脂肪酸と高級アルコ
ールとのエステルあるいは脂肪酸アミドを主成分とする
ものなどがあげられる。本発明においては炭化水素を主
成分とするものが好ましく、さらに石油ワックスが好適
で、なかでもパラフィンワックスが好ましい。その形状
は粒状、フレーク状などが好ましい。 (3) ワックス類の配合量は、粒状消泡剤組成物中0.
5〜40重量%、好ましくは1〜35重量%とされる。
【0035】(4) 水溶性多糖類および/またはその誘
導体は、25℃以下、実質的には5〜25℃の水(冷
水)で、膨潤、あるいは溶解するものとする。なかでも
水溶性化工澱粉が好ましく、例えばα−化澱粉、エステ
ル化澱粉、エーテル化澱粉、澱粉分解物などを例示する
ことができる。これらの中でも好ましいのはα−化澱
粉、澱粉分解物であり、澱粉分解物としては、特にDE(D
extrose Equivalent)=7〜25のデキスト リン、マル
トデキストリンが好ましい。 (5) 水溶性多糖類および/またはその誘導体に含まれ
る水分は25重量%以下であると好ましい。また水溶性
多糖類および/またはその誘導体の配合量は粒状消泡剤
組成物中2〜60重量%、好ましくは5〜50重量%と
される。このとき(水溶性多糖類および/またはその誘
導体)/(ワックス類)の重量比率は0.1〜10、好
ましくは0.2〜5とされる。また水溶性多糖類および
/またはその誘導体の粒径は1500μm以下、実質的
には1〜1000μmとされる。
【0036】(6) 粒状消泡剤組成物を配合した粒状洗
剤組成物とする場合には、粒状消泡剤組成物の配合量
は、粒状洗剤組成物全量に対して0.1〜15重量%、
好ましくは0.2〜10重量%とされる。
【0037】
【実施例】以下、本発明を実施例を示して詳しく説明す
る。 <<実験例1>>以下のようにして粒状消泡剤組成物と
粒状洗剤組成物を製造し、その消泡性能を評価した。
【0038】<粒状消泡剤組成物の調製> [試料番号1〜10]まず表1に示した各成分を混合し
て混合粉体とした。ワックス類(ワックス(155F) 融点
約68.3℃;ワックス(135F) 融点約57.2℃)
は、いずれもパラフィンワックスを用いた。そしてこれ
らのワックス類は、板状のものをその融点以上の温度で
加熱溶解した後、噴霧冷却し、平均粒径約1000μm
の粒子に調整して用いた。
【0039】この混合粉体を、表1に示すジャケット温
度に調整したレーディゲミキサー((株)マツボー製
M−20型)に投入し、主軸回転数200rpm、チョ
ッパー回転数6000rpmの設定で攪拌造粒した。攪
拌造粒の時間は5〜10分間であり、得られた造粒物を
ジャイロシフター(タッピングボールのついたふるい;
徳寿工作所製)に投入し、目開き355μmのメッシュ
を用いて微粉を分級し、粒状消泡剤組成物を得た。
【0040】<他の洗剤成分からなる高嵩密度洗剤粒子
の調製>表2に示した組成の他の洗剤成分から成る高嵩
密度洗剤粒子を、以下の方法で調製した。まず、α−ス
ルホ脂肪酸メチルエステルナトリウム、石鹸をはじめと
したアニオン界面活性剤、ゼオライト、アルカリビルダ
ー、蛍光剤などを配合した水分約50%のスラリーを約
70℃で調製し、向流式噴霧乾燥塔を用いて熱風温度2
50℃で噴霧乾燥した。得られた乾燥粉体に非イオン界
面活性剤、水を加えてニーダーで圧密捏和した後、フィ
ッツミルDKA−3型(ホソカワミクロン(株)製)に
よって破砕造粒し、平均粒径550μmの高嵩密度洗剤
粒子を得た。
【0041】<粒状洗剤組成物の調製>前記他の洗剤成
分からなる高嵩密度洗剤粒子100重量部に対し、表1
に示した試料番号1、2、4〜8の粒状消泡剤組成物3
重量部、試料番号3の粒状消泡剤組成物12重量部を、
それぞれ粉体混合して粒状洗剤組成物とした(粒状洗剤
組成物全量に対して試料番号1、2、4〜8の粒状消泡
剤組成物は2.9重量%、試料番号3の粒状消泡剤組成
物は10.7重量%)。また前記他の洗剤成分からなる
高嵩密度洗剤粒子100重量部に対し、表1に示した試
料番号10の粒状消泡剤組成物を0.1重量部、試料番
号9の粒状消泡剤組成物を17.5重量部、それぞれ粉
体混合して粒状洗剤組成物とした(試料番号9、10;
粒状洗剤組成物全量に対して粒状消泡剤組成物はそれぞ
れ0.1重量%、14.9重量%)。
【0042】<洗浄時泡高評価>調製した直後の粒状洗
剤組成物20gを、硬度を4度(軟水)に調整した15
℃の水道水15Lを張ったドラム式洗濯機(シャープ社
製)に投入して1分間撹拌した。ついで綿シャツ1Kg
を加えて20分間洗浄し、洗浄終了後の泡高を、前記ド
ラム式洗濯機の丸窓から測定し、以下の基準で評価し
た。 (洗浄時泡高評価基準) A:50mm以下 B:50〜120mm C:120〜170mm D:170mm以上 結果を表1にあわせて示す。表1より、本発明に係る実
施例の試料番号においては、低温の軟水中においても良
好な消泡効果が発揮されることが確認できた。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】<<実験例2>> [試料番号11〜13]パラフィンワックス(融点58
℃)1kgと、ポリエチレングリコール(平均分子量6
000、融点約62℃)2kg、硫酸ナトリウム3kg
と表3に示す水溶性化工澱粉(水溶性多糖類および/ま
たはその誘導体)4kgを粉体混合した混合粉体を、6
0〜80℃に加熱したエクスルード・オー・ミックス
(ホソカワミクロン(株)製)(回転数150rpm)
に投入し、中間オリフィス孔径6mmおよび4.5m
m、出口ダイス孔径1mmを通して混練し、ヌードル状
の造粒物を得た。このときの成形性の評価を表3にあわ
せて示す。水溶性化工澱粉(水溶性多糖類および/また
はその誘導体)が適度な水分を含む試料番号11、12
においては、押出成形における操作性が良好で、造粒物
を得ることができた。これに対し、水溶性化工澱粉(水
溶性多糖類および/またはその誘導体)中の水分量が多
い試料番号13においては、混練物が軟らかすぎ、押出
成形における操作性が低下し、造粒物を得ることができ
なかった。したがって、粒状消泡剤組成物造粒前に水溶
性多糖類および/またはその誘導体の水分量を適度に調
整することが重要であることが明らかである。
【0046】
【表3】
【0047】
【発明の効果】以上説明したように本発明の粒状消泡剤
組成物は、消泡性能を有するワックス類を均一に含むマ
トリックス中に水溶性多糖類および/またはその誘導体
の粒子を分散させたことにより、水溶性多糖類および/
またはその誘導体が担体物質として働き、軟水で、かつ
水道水程度(例えば5〜30℃程度)の低温条件におい
ても速やかにワックス類が放出され、消泡効果が得られ
る。また、さらには流動性(粉体特性)や水中における
分散性が良好である。また、本発明の粒状消泡剤組成物
を粒状洗剤組成物に配合することによって、軟水で、か
つ水道水の温度程度の比較的低温の洗濯条件下において
も十分な消泡効果を発揮する粒状洗剤組成物を得ること
ができる。すなわち、洗浄とすすぎのプログラム時間内
に十分な消泡効果が得られるので、洗濯における洗濯効
率と経済性の両方を満足することができる。また、粒状
消泡剤組成物は流動性が比較的良好なので、他の洗剤成
分との混合の際に粒状洗剤組成物中に均等に分散され、
さらに水中での分散性が比較的良好なので、均一な消泡
効果が得られる。特に本発明の粒状消泡剤組成物は、比
較的低温下における洗浄能力が高いにもかかわらず、泡
立ちがよいためにドラム式洗濯機用の洗剤成分としては
使用しにくい陰イオン界面活性剤に対しても消泡効果を
十分に発揮する。したがって、粒状洗剤組成物を構成す
るにおいて、粒状消泡剤組成物を陰イオン界面活性剤と
ともに用いれば、陰イオン界面活性剤の高い洗浄能力を
保持し、かつ泡立ちが少なく、非常に優れた粒状洗剤組
成物が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C11D 3/37 C11D 3/37 3/60 3/60 (72)発明者 阿部 誠治 東京都墨田区本所一丁目3番7号 ライオ ン株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 消泡機能を有するワックス類を均一に含
    むマトリックス中に、水溶性多糖類および/またはその
    誘導体の粒子が分散されていることを特徴とする粒状消
    泡剤組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の粒状消泡剤組成物を含有
    することを特徴とする粒状洗剤組成物。
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