JPH10306184A - 塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂組成物

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JPH10306184A
JPH10306184A JP9117342A JP11734297A JPH10306184A JP H10306184 A JPH10306184 A JP H10306184A JP 9117342 A JP9117342 A JP 9117342A JP 11734297 A JP11734297 A JP 11734297A JP H10306184 A JPH10306184 A JP H10306184A
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JP
Japan
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vinyl chloride
chloride resin
parts
thermal stability
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JP9117342A
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English (en)
Inventor
Kenichi Iokura
賢一 五百蔵
Koichi Matsui
耕一 松井
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Original Assignee
NOF Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗菌性と熱安定性にともにすぐれ、そのうえ
ロ―ル加工時などの加工性や加工後の印刷性にもすぐれ
る塩化ビニル系樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、
a)無機銀系抗菌剤0.01〜10重量部、b)トリア
ルキルホスフアイト、ジアルキルペンタエリスリト―ル
ジホスフアイト、ジ(アルキルフエニル)ペンタエリス
リト―ルジホスフアイト、テトラ(アルキル)−4,4
´−イソプロピリデンジフエニルジホスフアイトの中か
ら選ばれた少なくとも1種のホスフアイト化合物0.0
1〜5重量部、c)グリシジル(メタ)アクリレ―トを
1重量%以上含有する単量体の数平均分子量2,000
〜300,000の重合体0.01〜10重量部、また
は/および、エポキシ化脂肪酸エステル0.01〜5重
量部を含有することを特徴とする塩化ビニル系樹脂組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗菌性と熱安定性
にすぐれる塩化ビニル系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル系樹脂は、すぐれた機械的性
質、成形加工の容易さ、経済的利点から、幅広く使用さ
れている。とくに可塑剤を配合することにより、自由に
柔軟性を調整できることから、床材、壁紙、テ―ブルク
ロス、農業用ビニル、アコ―デオンカ―テン、防水シ―
ト、ホ―ス、チユ―ブ、食品包装材などに幅広く使用さ
れている。しかし、これらの塩化ビニル系樹脂は、しば
しば多湿環境において使用されるため、種々の菌類、黴
類が樹脂の表面上または内部に発生し、衛生上有害にな
るほか、外観を害することが指摘されている。
【0003】この問題に対して、様々な抗菌剤が開発さ
れている。具体的には、特開昭62−241932号公
報、特開昭63−270756号公報、特開平1−31
1008号公報には、ゼオライト、とくに銀系ゼオライ
トがすぐれた抗菌性を示すことが報告されている。ゼオ
ライト以外では、特開平5−156103号公報にビニ
ルベンジルホスホニウム塩をモノマ―成分として少なく
とも含むポリマ―が、特開平6−65142号公報に1
個以上のカルボキシル基を持つ多環式化合物カルボン酸
の金属石鹸が、特開平6−192428号公報にビグア
ニジル基を有するオルガノポリシロキサン化合物が、特
開平8−53538号公報に軟化点が30〜120℃、
分子量が500〜10,000のサリチル酸エステル樹
脂が、特開平8−113729号公報に硫酸亜鉛を吸着
保持したシリカ粒子が、抗菌作用にすぐれる抗菌剤とし
て報告されている。さらに、特開平8−81320号公
報には、銀を含有する非晶質含水酸化チタン微粒子によ
り耐強酸性、耐強アルカリ性の抗菌剤を得ることが報告
されている。
【0004】これらの抗菌剤の中でも、塩化ビニル系樹
脂に対して最もすぐれた抗菌性を示すものは、銀ゼオラ
イトである。ところが、この銀ゼオライトを含め、抗菌
剤を塩化ビニル系樹脂に添加すると、熱安定性が大きく
低下するという問題がある。この解決のため、特開平5
−17617号公報には酸化銀、リン酸銀などの熱変質
温度が300℃以上の銀化合物を用いて熱安定性を向上
させることが、また特開平8−59935号公報には竹
類抽出物を塩化ビニル系樹脂に加えて熱安定性と抗菌性
を合わせ持つ塩化ビニル系樹脂組成物を得ることが、報
告されている。しかるに、これらの手段では、抗菌性が
不十分である。
【0005】ところで、塩化ビニル系樹脂は成形加工温
度が分解温度に接近しているため、成形加工時に分解し
て熱安定性が低下するという問題を本質的に有してお
り、これの解決のため、通常、安定剤を配合するように
している。この種の安定剤は、塩化ビニル系樹脂から発
生する塩化水素ガスを捕捉したり、塩化ビニル系樹脂と
直接反応することによつて、熱安定性を向上させるもの
である。
【0006】これまで、可塑剤を含まない系では、樹脂
の熱安定性、加工性の良さから、鉛系の安定剤、たとえ
ば、ステアリン酸鉛、三塩基性硫酸鉛など、また透明性
の良さから、錫系安定剤、たとえば、ジブチル錫マレエ
―ト、ジブチル錫ラウレ―トなどが使用されてきた。ま
た、可塑剤を含む系では、カドミウム石鹸、バリウム石
鹸、カルシウム石鹸、マグネシウム石鹸、亜鉛石鹸を主
とする金属石鹸系安定剤が使用されてきた〔「ポリ塩化
ビニルの安定化の解明と安定化助剤の配合・効果の実
際」(昭和59年3月15日、ソフト技研出版部発
行)〕。しかるに、いずれの系でも、抗菌性を有する塩
化ビニル系樹脂成形品を得るため、無機銀系抗菌剤を添
加すると、熱安定性が大きく低下する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
事情に照らし、抗菌性および熱安定性にともにすぐれ、
そのうえロ―ル加工などの加工性や加工後の印刷性にも
すぐれる塩化ビニル系樹脂組成物を提供することを目的
としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するため、鋭意検討した結果、塩化ビニル系樹
脂に対して、無機銀系抗菌剤および特定のホスフアイト
化合物とともに、特定のエポキシ化合物を配合したとき
に、抗菌性と熱安定性にともにすぐれ、しかもロ―ル加
工時にプレ―トアウトなどの支障をきたさない良好な加
工性が得られ、また加工後の印刷性にもすぐれた塩化ビ
ニル系樹脂組成物が得られることを見い出し、本発明を
完成するに至つたものである。
【0009】すなわち、本発明は、塩化ビニル系樹脂1
00重量部に対し、a)無機銀系抗菌剤0.01〜10
重量部、b)トリアルキルホスフアイト、ジアルキルペ
ンタエリスリト―ルジホスフアイト、ジ(アルキルフエ
ニル)ペンタエリスリト―ルジホスフアイト、テトラ
(アルキル)−4,4´−イソプロピリデンジフエニル
ジホスフアイトの中から選ばれた少なくとも1種のホス
フアイト化合物0.01〜5重量部、c)グリシジル
(メタ)アクリレ―トを1重量%以上含有する単量体の
数平均分子量2,000〜300,000の重合体0.
01〜10重量部、または/および、エポキシ化脂肪酸
エステル0.01〜5重量部を含有することを特徴とす
る塩化ビニル系樹脂組成物に係るものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明における塩化ビニル系樹脂
は、塩化ビニルの単独重合体のほか、塩化ビニルと他の
単量体、たとえば酢酸ビニル、ビニルアルコ―ルなどと
の共重合体が用いられ、とくに重合度が500〜4,0
00のものが好ましい。
【0011】本発明におけるa成分の無機銀系抗菌剤と
しては、銀ゼオライト、銀セラミツクス、銀リン酸カル
シウム、銀シリカゲル、銀チタニア、銀・ガラス・ケイ
酸銀、銀リン酸チタン・酸化亜鉛などを挙げることがで
きる。これらの中でも、とくに好ましいのは銀ゼオライ
ト、銀シリカゲルである。これら無機銀系抗菌剤の使用
量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、0.0
1〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部である。
0.01重量部より少ないと、抗菌性の効果が得られに
くく、10重量部を超えると、熱安定性の低下が起こ
る。
【0012】本発明におけるb成分のホスフアイト化合
物としては、トリアルキルホスフアイト、ジアルキルペ
ンタエリスリト―ルジホスフアイト、ジ(アルキルフエ
ニル)ペンタエリスリト―ルジホスフアイト、テトラ
(アルキル)−4,4´−イソプロピリデンジフエニル
ジホスフアイトの中から選ばれた少なくとも1種が用い
られる。これ以外のホスフアイト化合物、たとえば、ジ
フエニルモノデシルホスフアイト、トリス(ノニルフエ
ニル)ホスフアイトなどを配合したのでは、ネツ安定性
が悪くなり、本発明には使用できない。
【0013】上記のトリアルキルホスフアイトとして
は、炭素数8〜22のアルキル基を持つもの、たとえ
ば、トリブチルホスフアイト、トリイソオクチルホスフ
アイト、トリデシルホスフアイト、トリス(トリデシ
ル)ホスフアイト、トリス(オクタデシル)ホスフアイ
トなどが挙げられる。また、上記のジアルキルペンタエ
リスリト―ルジホスフアイトとしては、炭素数4〜22
のアルキル基を持つもの、たとえば、ジイソデシルペン
タエリスリト―ルジホスフアイト、ビス(トリデシル)
ペンタエリスリト―ルジホスフアイト、ジオクタデシル
ペンタエリスリト―ルジホスフアイトなどを挙げること
ができる。
【0014】さらに、上記のジ(アルキルフエニル)ペ
ンタエリスリト―ルジホスフアイトとしては、炭素数4
〜22のアルキル基を持つもの、たとえば、ビス(ノニ
ルフエニル)ペンタエリスリト―ルジホスフアイトなど
がある。また、上記のテトラ(アルキル)−4,4´−
イソプロピリデンジフエニルジホスフアイトには、炭素
数4〜22のアルキル基を持つもの、たとえば、テトラ
(トリデシル)−4,4´−イソプロピリデンジフエニ
ルジホスフアイトなどがある。
【0015】これらのホスフアイト化合物の中でも、と
くに好ましいのは炭素数4〜20のアルキル基を持つジ
アルキルペンタエリスリト―ルジホスフアイト、ジ(ア
ルキルフエニル)ペンタエリスリト―ルジホスフアイト
であり、最も好ましくはジアルキルペンタエリスリト―
ルジホスフアイトである。これらb成分の使用量は、塩
化ビニル系樹脂100重量部に対して、0.01〜5重
量部、好ましくは0.1〜3重量部である。0.01重
量部より少ないと、熱安定性(初期着色、長期熱安定
性)の効果が得られにくい。また、5重量部を超える
と、ロ―ル加工時のプレ―トアウトの発生や、滑性過剰
による成形不良などの加工性の低下の問題が生じやす
く、また加工後の印刷性の低下の問題も起こりやすい。
【0016】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、塩化
ビニル系樹脂に対して、上記a成分の無機銀系抗菌剤お
よび上記b成分のホスフアイト化合物を、上記割合で配
合するとともに、これにさらにc成分のエポキシ化合物
として、グリシジル(メタ)アクリレ―ト系重合体また
はエポキシ化脂肪酸エステルのいずれかを配合してなる
ものであり、必要により、上記のグリシジル(メタ)ア
クリレ―ト系重合体とエポキシ化脂肪酸エステルとの両
者を配合してもよい。ここで、上記以外のエポキシ化合
物を配合したのでは、熱安定性の改善効果が得られにく
い。
【0017】前者の重合体は、グリシジル(メタ)アク
リレ―トを1重量%以上、好ましくは10重量%以上、
さらに好ましくは30重量%以上含有する単量体の重合
体であり、グリシジル(メタ)アクリレ―トが1重量%
未満では、長期熱安定性が低下する。また、この重合体
の数平均分子量は、2,000〜300,000、好ま
しくは4,000〜100,000、さらに好ましくは
5,000〜50,000である。数平均分子量が上記
の範囲外となると、熱安定性(初期着色、長期熱安定
性)が低下し、また数平均分子量が2,000未満のも
のでは、樹脂表面のべとつきで加工後の印刷性が低下す
るなどの問題もある。
【0018】このような重合体としては、グリシジル
(メタ)アクリレ―トの単独重合体、グリシジル(メ
タ)アクリレ―トと、メチル(メタ)アクリレ―ト、エ
チル(メタ)アクリレ―ト、ブチル(メタ)アクリレ―
ト、t−ブチル(メタ)アクリレ―ト、2−エチルヘキ
シル(メタ)アクリレ―ト、ラウリル(メタ)アクリレ
―ト、ミリスチル(メタ)アクリレ―ト、パルミチル
(メタ)アクリレ―ト、ステアリル(メタ)アクリレ―
ト、ベヘニル(メタ)アクリレ―ト、シクロヘキシル
(メタ)アクリレ―ト、1,2−ジヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレ―トなどの(メタ)アクリレ―ト類、
スチレン、α−メチルスチレン、o−クロロスチレン、
ビニルナフタレンなどの芳香族ビニル化合物、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリルなどのシアノ基含有ビニ
ル化合物、マレイン酸、酢酸ビニル、エチレンなどの他
のモノマ―との共重合体が挙げられる。
【0019】このグリシジル(メタ)アクリレ―ト系重
合体の使用量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し
て、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量
部である。0.01重量部より少ないと、長期熱安定性
が低下する。また、10重量部を超えると、初期着色の
低下が起こりやすい。
【0020】後者のエポキシ化脂肪酸エステルとして
は、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、エポキシ
ブチルステアレ―トなどがある。使用量は、塩化ビニル
系樹脂100重量部に対して、0.01〜5重量部、好
ましくは0.1〜3重量部である。0.01重量部より
少ないと、長期熱安定性が低下する。また、5重量部を
超えると、印刷性やべとつき性が低下する。
【0021】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物には、必
要により、ステアリン酸などの高級脂肪酸類、ステアリ
ルアルコ―ルなどの高級アルコ―ル類、パラフインワツ
クス、ポリエチレンワツクス、ポリプロピレンワツク
ス、モンタン酸ワツクスなどのワツクス類、ステアリン
酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミドなどの滑
剤、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛などの
金属石鹸類、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、タル
ク、ハイドロタルサイト、酸化チタンなどの充填剤、ペ
ンタエリスリト―ル、ジペンタエリスリト―ルなどのポ
リオ―ル類、ジベンゾイルメタン、ステアロイルベンゾ
イルメタンなどのβジケトン類、ジオクチルフタレ―
ト、ジオクチルアジペ―トなどの可塑剤、さらに顔料、
難燃剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤などを配合すること
ができる。
【0022】
【実施例】以下に、本発明の実施例を記載して、より具
体的に説明する。
【0023】実施例1〜8 塩化ビニル系樹脂として、日本ゼオン(株)製の塩化ビ
ニル樹脂(重合度1,050)を使用し、表1〜表3に
示す配合組成にて、9インチロ―ルにより、190℃で
3分間混練りして、厚さが0.5mmのシ―トにした。
【0024】比較例1〜18 配合組成を表4〜表9のように変更した以外は、実施例
1〜8と同様にして、厚さが0.5mmのシ―トを作製し
た。
【0025】なお、以下の表1〜表9において、a成分
としての「銀シリカゲル」は(株)ペイントハウス製の
商品名「ペンタノン」、同「銀ゼオライト」はカネボウ
化成(株)製の商品名「バクテキラ―」である。
【0026】また、c成分としての「GMA含有ポリマ
―1」はグリシジルメタクリレ―ト単独重合体(数平均
分子量6,000)、同「GMA含有ポリマ―2」はメ
チルメタクリレ―ト/グリシジルメタクリレ―ト(50
/50)共重合体(数平均分子量20,000)、同
「GMA含有ポリマ―3」はメチルメタクリレ―ト/グ
リシジルメタクリレ―ト/アクリロニトリル(40/3
0/30)共重合体(数平均分子量15,000)であ
る。
【0027】さらに、他成分である「竹類抽出物」は、
孟宗竹の茎をボ―ルミルで粉砕し、エ―テル抽出後、抽
出液を減圧乾固して得られた褐色抽出物である。また、
「GMA含有ポリマ―4」はメチルメタクリレ―ト/グ
リシジルメタクリレ―ト(99.5/0.5)共重合体
(数平均分子量10,000)、「GMA含有ポリマ―
5」はグリシジルメタクリレ―ト単独重合体(数平均分
子量1,000)、「GMA含有ポリマ―6」はメチル
メタクリレ―ト/グリシジルメタクリレ―ト(50/5
0)共重合体(数平均分子量1,000,000)であ
る。
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】以上の実施例1〜8および比較例1〜18
で作製した各シ―トを裁断して、5cm×5cmの試験片を
得、この試験片を用いて、下記の方法により、熱安定
性、抗菌性および印刷性を、評価した。また、各シ―ト
をロ―ル加工により作製する際のプレ―トアウトおよび
滑性を、下記の方法により、評価した。結果は、後記の
表10および表11に示されるとおりであつた。
【0038】<熱安定性>試験片を190℃のオ―ブン
に入れ、15分後の色調と黒色、濃赤色または濃赤褐色
になるまでの時間を調べた。15分後の色調を初期着色
として評価し、黒色、濃赤色または濃赤褐色になるまで
の時間を長期熱安定性として評価した。
【0039】<抗菌性>供試菌株は、大腸菌(Esch
erichia coli IFO3301)ならびに
黄色ブドウ球菌(Staphylococcus au
reus IFO14462)とした。菌液は、これら
の菌株をSCD寒天〔日本製薬(株)〕斜面培地上で3
7℃にて24時間培養して得られた培養物を減菌PBS
〔日本製薬(株)〕中に懸濁することにより調整した。
菌濃度は、計算盤を用いた測定により、菌液1mlあた
り5×107 個のレベルになるように調整した。
【0040】試験片の表面に75容量%のエタノ―ル水
溶液を噴霧したのち乾燥させて、試験に供した。抗菌力
は密着法により測定した。すなわち、減菌シヤ―レに試
験片を置き、その表面に上記の菌液200μlを載せ、
さらに7cm角に切断したストマツカ用減菌ポリ袋〔栄研
器材(株)〕を重ね、液を試験片の表面全体に広げ、イ
ンキユベ―タに入れて37℃に6時間保持後、試験片と
ラツプの表面を合計10mlのSCD液体〔日本製薬
(株)〕培地で洗い流し、洗液1mlをシヤ―レに取
り、そこへSCD寒天培地約20mlを注入し、撹拌し
たのち、凝固させ、37℃で24時間培養後、生じた集
落の数を数えた。評価基準としては、「○」:培地上に
集落が観察されず、「△」:培地上に集落数が1〜10
0個未満、「×」:培地上の集落数が100個以上、と
した。
【0041】<印刷性>試験片を80℃,90%RHの
恒温槽に1週間入れたのち、塩ビ用インク〔東洋インキ
製造(株)の「VCH 3 赤」〕をバ―コ―タを用い
て塗布、乾燥したのち、セロハンテ―プを貼り、勢いよ
く剥がしたときのインクの剥がれ具合を、目視により観
察した。評価基準としては、「◎」:インクの剥がれが
ほとんどなし、「○」:インクの剥がれが2割未満、
「△」:インクの剥がれが2割以上5割未満、「×」:
インクの剥がれが5割以上、とした。
【0042】<プレ―トアウト>ロ―ル素練り中のロ―
ルへの付着物の有無を調べた。
【0043】<滑性>ロ―ル素練り中の滑性を調べた。
評価基準としては、「過剰」:滑性が強すぎてシ―ト成
形が不可能であるか、あるいは網目状シ―トとなる、
「並」:ロ―ルからの適度の剥離性があり、艶のあるシ
―トが得られる、「不足」:滑性が不足し、ロ―ルから
の剥離性に劣る、とした。
【0044】
【0045】
【0046】上記表10の結果から明らかなように、本
発明の実施例1〜8の各シ―トは、いずれも、初期着色
がなく、かつ長期熱安定性が70分以上であつて、すぐ
れた熱安定性を有しており、しかも抗菌性にもすぐれて
おり、そのうえ熱ロ―ル混練時のプレ―トアウトがな
く、適度な滑性を示して良好な加工性を備えており、ま
た加工後の印刷性も良好であることがわかる。
【0047】これに対し、上記表11から明らかなよう
に、a成分だけを用いた比較例1は、熱安定性(初期着
色、長期熱安定性)が悪く、滑性も不足しており、b成
分だけを用いた比較例2は、熱安定性(初期着色、長期
熱安定性)が悪く、抗菌性にも劣つており、c成分だけ
を用いた比較例3は、熱安定性(初期着色、長期熱安定
性)が悪く、抗菌性にも劣り、さらに滑性も不足してい
る。また、a,b二成分だけを用いた比較例4は、長期
熱安定性が悪く、a,c二成分を用いた比較例5は、熱
安定性(初期着色、長期熱安定性)が悪く、滑性も不足
しており、b,c二成分を用いた比較例6は、抗菌性に
劣つている。
【0048】また、塩化ビニル樹脂100重量部に対
し、a成分の使用量が10重量部を超える比較例7は、
熱安定性(初期着色、長期熱安定性)が悪くなつてお
り、b成分の使用量が5重量部を超える比較例8は、滑
性過剰のために、加工が困難で、プレ―トアウトもあ
り、加工後の印刷性にも劣つており、c成分の使用量が
10重量部を超える比較例9は、初期着色が悪くなつて
いる。
【0049】また、a成分に代えて、竹類抽出物を使用
した比較例10、亜鉛ゼオライトを使用した比較例11
は、ともに、熱安定性(初期着色、長期熱安定性)が悪
く、また抗菌性が低下している。さらに、b成分以外の
ホスフアイト化合物として、ジフエニルモノデシルホス
フアイトを使用した比較例12、トリス(ノニルフエニ
ル)ホスフアイトを使用した比較例13、またc成分以
外のエポキシ化合物として、ビスフエノ―ルAジグリシ
ジルエ―テルを使用した比較例14、エチレングリコ―
ルジグリシジルエ―テルを使用した比較例15は、いず
れも、熱安定性(初期着色、長期熱安定性)が悪くなつ
ている。
【0050】さらに、c成分以外のエポキシ化合物とし
て、グリシジルメタクリレ―トの含有量が1重量%未満
のグリシジルメタクリレ―ト系重合体を使用した比較例
16は、長期熱安定性に劣つており、また数平均分子量
が2,000未満のグリシジルメタクリレ―ト系重合体
を使用した比較例17は、熱安定性(初期着色、長期熱
安定性)が悪く、また印刷性も低下しており、さらに数
平均分子量が300,000を超えるグリシジルメタク
リレ―ト系重合体を使用した比較例18は、熱安定性
(初期着色、長期熱安定性)が悪くなつている。
【0051】
【発明の効果】以上のように、本発明は、塩化ビニル系
樹脂に対して、無機銀系抗菌剤および特定のホスフアイ
ト化合物とともに、特定のエポキシ化合物を配合するよ
うにしたことにより、抗菌性および熱安定性にともにす
ぐれ、そのうえ、適度な滑性を有して、ロ―ル加工時に
プレ―トアウトなどの支障をきたすことのない良好な加
工性が得られ、また加工後の印刷性にもすぐれた塩化ビ
ニル系樹脂組成物を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI //(C08L 27/06 63:00)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、
    a)無機銀系抗菌剤0.01〜10重量部、b)トリア
    ルキルホスフアイト、ジアルキルペンタエリスリト―ル
    ジホスフアイト、ジ(アルキルフエニル)ペンタエリス
    リト―ルジホスフアイト、テトラ(アルキル)−4,4
    ´−イソプロピリデンジフエニルジホスフアイトの中か
    ら選ばれた少なくとも1種のホスフアイト化合物0.0
    1〜5重量部、c)グリシジル(メタ)アクリレ―トを
    1重量%以上含有する単量体の数平均分子量2,000
    〜300,000の重合体0.01〜10重量部、また
    は/および、エポキシ化脂肪酸エステル0.01〜5重
    量部を含有することを特徴とする塩化ビニル系樹脂組成
    物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019035023A (ja) * 2017-08-15 2019-03-07 住友ベークライト株式会社 塩化ビニル樹脂組成物およびシート材

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