JP2809702B2 - プロピレン重合体組成物及びその水接触用途用成形体 - Google Patents

プロピレン重合体組成物及びその水接触用途用成形体

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JP2809702B2 JP13235489A JP13235489A JP2809702B2 JP 2809702 B2 JP2809702 B2 JP 2809702B2 JP 13235489 A JP13235489 A JP 13235489A JP 13235489 A JP13235489 A JP 13235489A JP 2809702 B2 JP2809702 B2 JP 2809702B2
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【発明の詳細な説明】 〔発明の背景〕 <産業上の利用分野> 本発明は抗菌性並びに防カビ性が良好であることに加
えて色相さらには力学特性の優れたプロピレン重合体組
成物及びその水接触用途用成形体に関するものである。
<従来の技術> 従来より結晶性プロピレン重合体は、その秀れた力学
特性及び成形加工特性等を活かして広く使用されている
が、用途によっては高い抗菌性、及び防カビ性が要求さ
れる場合がある。例えば、食品の容器、包装材料、家庭
用品、電化製品等では、高い抗菌性及び防カビ性が望ま
れる傾向が強くなってきている。
<発明が解決しようとする課題> このため、ハロゲン系、イミダゾール系、芳香族エス
テル系等の抗菌剤の適用等いくつかの方法が採られてい
るが、安全性、食品への移行、ブリード性の問題等、未
だ問題がある。
ところで、殺菌作用を有する金属イオンを保持してい
るゼオライトを使用する方法は、安全であり、且つ効果
的な手段として注目されている(特開昭59−133235号、
特開昭62−241949号各公報他)。
しかしながら、このゼオライトをプロピレン重合体に
配合した場合には、色相の悪化、特に経時的な悪化、に
加えて水接触時の悪化が著しいことから実用上大きな問
題点となっていた。
〔発明の概要〕
<発明の要旨> 本発明は、前記の様な問題点を解決することを主目的
とするものであって、プロピレン重合体に特定の添加剤
を配合することによって、色相の著しい改善が図れると
ともに力学特性の向上も図れることが本発明者らに見出
されてなされたものである。
即ち、本発明によるプロピレン重合体組成物は、下記
の成分(A)〜(D)を含んでなること、を特徴とする
ものである。
成分(A):重合用触媒残渣として塩素が50ppm以下の
結晶性プロピレン重合体 100重量部 成分(B):銀、銅、亜鉛及び錫の金属群より選ばれた
一種又は二種以上の金属をイオン状態で保持したゼオラ
イト 0.1〜10重量部 成分(C):ヒンダードフェノール系酸化防止剤0.01〜
2重量部 成分(D):高級脂肪酸及び/又はアルキル乳酸の第II
族金属塩 0.005〜5重量部 また、本発明による水接触用途用成形体は、下記の成
分(A)〜(D)を含んでなるプロピレン重合体組成物
を常法により成形したものであること、を特徴とするも
のである。
成分(A):重合用触媒残渣として塩素が50ppm以下の
結晶性プロピレン重合体 100重量部 成分(B):銀、銅、亜鉛及び錫の金属群より選ばれた
一種又は二種以上の金属をイオン状態で保持したゼオラ
イト 0.1〜10重量部 成分(C):下記の(I)〜(II)からなる化合物群よ
り選ばれたヒンダードフェノール系酸化防止剤0.01〜2
重量部 (Ra)2CHCH2CHRaCH3 (I) (但し、式中のRaは、 である。) (但し、式中のRbは、 である。
ここでRcは炭素数1〜8のアルキル基を、Xはエーテ
ル又はエステル結合を内在しても良い炭素数1〜8のア
ルキレン基を表わす。) 成分(D):高級脂肪酸及び/又はアルキル乳酸の第II
族金属塩 0.005〜5重量部 <発明の効果> 本発明によるプロピレン重合体組成物は、優れた抗菌
性及び防カビ性を有するものである。従って、本発明に
よるプロピレン重合体組成物を常法により成形して得ら
れた成形体は、菌又はカビ等が発生し易い雰囲気下、例
えば水と接触する雰囲気下或いは高湿度雰囲気下、で使
用される用途、即ち水接触用途な適したものである。
本発明によって得られるプロピレン重合体組成物にお
いて色相の悪化が、特に水接触時において抑制されるこ
とは意外なことである。
一般にヒンダードフェノール系酸化防止剤は、遷移金
属イオンの配位等により発色する場合が多いのである
が、本発明のプロピレン重合体組成物においてはその様
な事は認められず、組成物の色相が良好である。特にヒ
ンダードフェノール系酸化防止剤が特定のものであると
きには、水或いはスチームと接触する条件下において特
異的に色相が良好である。また、参考例で示されるとお
り、ハロゲンの吸着剤として良く知られているハイドロ
タルサイト配合系その他の制酸剤では、色相改良効果が
無いどころが悪化させるのに対し本発明のプロピレン重
合体組成物が特に良好なのは予想し難いことである。
〔発明の具体的説明〕
[I]構成成分 (1) 成分(A) 本発明で用いる成分(A)は、結晶性プロピレン重合
体である。成分(A)として使用するプロピレン重合体
は、プロピレンの単独重合体の外に、プロピレンに炭素
数2〜10程度の他のα−オレフィン、例えば、エチレ
ン、1−ブテン、4−メチルペンテン−1、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン等、を共重合させたものであってもよ
い。中でも好ましいものは、プロピレンとエチレンとの
ブロック又はランダム共重合体である。また、これらの
重合体は、5モル%以下の不飽和カルボン酸又はその誘
導体、芳香族不飽和単量体、ビニルエステル、ビニルシ
ラン等が共重合されていてもよい。これらプロピレン重
合体は、メルトフローレート(MFR:JIS−K7210、230
℃、2.16kg荷重)が、0.1〜100g/10分、特に0.3〜80g/1
0分、のものが好ましい。
この結晶性プロピレン重合体は、通常、チーグラー・
ナッタ触媒により重合されるのが一般的であるが、この
場合触媒には塩化マグネシウム等の担体に触媒成分を担
持させたものも用いられることが多い。この様な担体系
の触媒は、触媒当りのプロピレン重合体の収率を従来の
触媒に比べて大巾に向上させることが出来るものなの
で、結果として、プロピレン重合体中の塩素含有量を減
少させることが出来ることから好ましい。
プロピレン重合体は、重合用触媒残渣としての塩素含
量が、50ppm以下、好ましくは30ppm以下、最も好ましく
は10ppm以下、のものである。
この様な結晶性プロピレン重合体を得るための重合法
としては、ヘプタン等の溶剤中においてスラリー状にて
製造されるほか、無溶媒で液相状態又は気相状態で重合
させるものが代表的である。近年の触媒技術の進歩によ
り、脱触媒工程が不要、又は簡略化された重合体製造プ
ロセスも稼動しているが、これらのプロセスで製造され
たプロピレン重合体も本発明では使用可能であり、か
つ、好適である。
(2) 成分(B) 本発明で用いる成分(B)である抗菌・防カビ剤は、
ポリマーへの分散性を考慮して比較的小粒径でイオン交
換量が大きい比表面積の大きな多孔質の合成若しくは天
然のゼオライトに銀、銅、亜鉛及び錫の金属群より選ば
れた一種又は二種以上の金属をイオン状態で保持させて
から(例えば、これらの金属の水溶性塩の水溶液とH型
又はアルカリ金属型のゼオライトとを接触させてイオン
交換を行なわせる)、加熱活性化し、その後乾燥させた
ものが好ましい。
ここで、イオン交換量が大きく多孔質のものとして
は、合成品としてA型、X型、又はY型ゼオライト、合
成モルデナイト、ハイシリカゼオライト等が、一方天然
品としてはモルデナイト、クリノプチロライト、チャバ
サイト等が、好ましく、粒子径は平均粒径で10μm以下
が好ましい。ゼオライト中の殺菌性金属の総量はゼオラ
イトを無水基準として0.01重量%以上飽和量以下のもの
が望ましい。
また、この特定のゼオライトの配合量は、プロピレン
重合体100重量部に対してゼオライトは無水基準として
0.1〜10重量部、好ましくは0.3〜8重量部、特に好まし
くは0.5〜5重量%である。配合量が上記範囲未満では
抗菌並びに防カビ性能が劣り、一方、配合量が多過ぎる
と製品のコスト高になり、且つ色も悪くなるので好まし
くない。銀等の殺菌性金属の含量は、プロピレン重合体
の重量に対して0.01重量%以上であることが好ましい。
(3) 成分(C) 本発明の上記成分(C)であるヒンダードフェノール
系酸化防止剤の例としては、例えば、次のようなものが
ある。
(1)3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−トルエ
ン (2)n−オクタデシル−β−(4′−ヒドロキシ−
3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート (3)テトラキス〔メチレン−3−(3′,5′−ジ−t
−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕メタン (4)1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン (5)カルシウム(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシ−ベンジル−モノエチル−フォスフェート) (6)トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−
ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート〕 (7)3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{β−3−t−
ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピ
オニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピ
ロ〔5.5〕ウンデカン (8)ビス〔3,3−ビス(4′−ヒドロキシ−3′−t
−ブチルフェニル)−酪酸〕グリコールエスエル (9)トコフェロール (10)2,2′−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフ
ェノール) (11)N,N′−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラジン (12)2,2′−オキサミドビス〔エチル3−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート これらの具体例の中で好ましくは分子量500以上のも
のであり、最も好ましいものは、(2)、(3)、
(4)、(7)及び(12)の化合物である。
また、本発明において好ましいヒンダードフェノール
系酸化防止剤の他の一群は、下記の式(I)又は(II)
からなる化合物群から選ばれたものである。
このようなヒンダードフェノール系酸化防止剤を含ん
でなるプロピレン重合体組成物は、特に水或いはスチー
ムと接触する条件下において、特異的に色相が良好であ
り、そしてそのような重合体組成物による成形体は、水
接触用途用に好適である。
(Ra)2CHCH2CHRaCH3 (I) (但し、式中のRaは、 である。) (但し、式中のRbは、 である。
ここでRcは炭素数1〜8、好ましくは1〜4、のアル
キル基を、Xはエーテル又はエステル結合を内在しても
よい炭素数1〜8、好ましくは1〜6、のアルキレン基
を表わす。
この様なものの具体例としては例えば (1)1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−
5−t−ブチルフェニル)ブタン (2)1,3,5−トリス(3′,5′−ジ−t−ブチル−
4′−ヒドロキシベンジル)−S−トリアジン−2,4,6
(1H,3H,5H)−トリオン (3)1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキ
シ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート (4)3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシ
ンナミックアシドトリエステルウイズ1,3,5−トリス
(2−ヒドロキシエチル)−S−トリアジン−2,4,6(1
H,3H,5H)−トリオン等がある。
これらの中で好ましいものは、(1)、(2)、最も
好ましいものは(2)である。
これら成分(C)の量は、プロピレン重合体100重量
部に対して0.01〜2重量部、好ましくは0.01〜1重量
部、特に好ましくは0.02〜0.5重量部、である。この範
囲未満では、プロピレン重合体の造粒加工時、使用時の
充分な熱酸化安定性が得られないのと同時に、色相も不
良となり、一方、この範囲を越えると高価であるばかり
でなく、ブリード、色相も不良となる。
(4) 成分(D) 本発明で用いられる上記成分(D)は、高級脂肪酸及
び/又はアルキル乳酸の第II族金属塩であるが、高級脂
肪酸金属塩の方がより好ましい。
具体的には、炭素数8〜35程度の飽和又は不飽和の脂
肪酸、例えばラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、
リシノール酸、エルシン酸等のマグネシウム、カルシウ
ム、亜鉛、バリウム等の塩ないしはステアリル乳酸カル
シウム等を挙げることができる。
この成分(D)の添加量は、プロピレン重合体100重
量部に対して0.005〜5重量部、好ましくは0.02〜2重
量部である。
添加量が0.005重量部未満では、色相改良効果が弱
く、一方、5重量部超過では高価であるのみならず、ブ
リード等の問題を生ずる。
[II] 組成物 本発明によるプロピレン重合体組成物は、上記の成分
(A)〜(D)を含んでなるものであるが、この様なプ
ロピレン重合体組成物には本発明の効果を大きく損なわ
ない限り、更に他の付加的成分を配合することが出来
る。
その様な付加的成分としては、例えば、アミド、シリ
コンオイル等の滑剤、脂肪酸のグリセリンエスエル、ジ
エタノールアミン系等の帯電防止剤、無機充填剤、過酸
化物等の分子量減成剤、造核剤、発泡剤、難燃剤、有機
或いは無機系の顔料、螢光増白剤、ヒンダードアミン系
等の光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤及び有機、無
機の抗菌剤、その他を挙げることができる。
特に、アミド等の滑剤の併用は色相向上の面から好ま
しい。好ましい滑剤としては、ステアリン酸アミド、オ
レイン酸アミド、エルシン酸アミド、エチレンビスステ
アロアミド等を挙げることができる。滑剤の添加量は、
0.02〜0.2重量部が好ましい。
本発明のプロピレン重合体組成物は、紫外線吸収剤を
併用することにより更に色相の改良を図ることもできる
場合がある。その様な場合の好ましい紫外線吸収剤の具
体例としては、例えばトリアゾール系、ベンゾフェノン
系、ベンゾエート系、ホルムアミジン系等の紫外線吸収
剤等を挙げることができる。本発明で特に好ましい紫外
線吸収剤としては、トリアゾール系、ベンゾフェノン
系、最も好ましくはトリアゾール系、のものである。
紫外線吸収剤を使用する場合、その好ましい添加量
は、プロピレン重合体100重量部に対して0.01〜1重量
部、特に0.03〜0.4重量部である。添加量が0.01重量部
未満では添加による更なる色相改良効果が小さく、ま
た、1重量部過剰ではブリードしたり、かえって色相悪
化を起こす懸念がある。
チオエーテル系及びリン系酸化防止剤は、色相に与え
る影響が大きいので、これらの酸化防止剤を添加する場
合には、その添加量は少量であることが好ましい。これ
らチオエーテル系及びリン系の酸化防止剤の中で最も影
響の小さいものは、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェ
ニル)フォスファイトである。
なお、これらの滑剤、充填剤、紫外線吸収剤等の付加
的成分は、必要に応じて用いられる任意成分である。こ
れらの添加並びにその添加量は、本発明の趣旨に沿って
定められるものであるがこれらの具体的な添加量は上記
したところ並びに適当な実験等に定めることができる。
本発明のプロピレン重合体組成物は、通常の方法にて
製造することができる。例えば、プロピレン重合体のパ
ウダーに上記の成分(B)、成分(C)、成分(D)及
び必要に応じて他の成分を添加し、ヘンシェルミキサー
にて撹拌混合すればよい。そのようにして得られたプロ
ピレン重合体組成物は、押出機にて溶融混練して押出
し、ペレットとし、その後にこのペレットを成形して目
的とする成形品に加工するのが一般的であるが、添加成
分を高濃度に濃縮したマスターバッチを作り、これを成
形加工時に添加する方法でもよい。
[III] 成形体 このようなプロピレン重合体組成物は、常法、すなわ
ち従来から熱可塑性樹脂、特にプロピレン重合体、の成
形法として提案されてきた各種の成形法、例えば射出成
形、圧縮成形、シート成形、フィルム成形、ブロー成
形、真空成形等、にしたがって、従来公知の装置により
成形体とすることができる。
本発明のプロピレン重合体組成物の有効性が発揮され
る製品の具体例としては、食器;野菜、果物、肉、魚、
菓子、香辛料等の食品容器;かご;包装材;冷蔵庫の内
装部材、組板;テーブル;ゴミ容器;水切り用生ゴミ受
等の台所用品;更には医療用器具;輸送用機械;台所、
浴室、病院等の内装材や壁材等或いは防藻性の要求され
る網、綱、浮き等が挙げられるが、好ましい製品として
は、このような食品等の容器、カゴ、包装材;冷蔵庫内
のタナ板;野菜収納箱等である。
特に、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が上述した
化学式(I)〜(II)からなるものである場合、水接触
用途用として好ましい成形体を得ることができる。その
ような水接触用途用成形体の製品の具体例としては、含
水食品の食器;野菜、肉、魚等の容器;包装材;冷蔵庫
の内装部材;テーブル;ゴミ容器;水切り用生ゴミ受等
の台所用品;更には医療用器具;洗面、浴室用の洗面
器、石ケン入れ、湯オケ;洗濯機部品或いは野菜、キノ
コ等の栽培用或いは苗床容器ないし部品;防藻性の要求
される網、綱、浮き等が挙げられるが、好ましい製品と
しては、このような食品等の容器、台所用品、洗面所・
浴室用品、洗濯機部品、栽培用或いは苗床容器ないし部
品である。
〔実験例〕
実施例1〜12、参考例1〜6 エチレン含量5重量パーセント、MFR=10g/10分のプ
ロピレン−エチレンブロックコポリマー(三塩化チタン
−ジエチルアルミニウムクロライド触媒系、残存塩素量
=9ppm)100重量部に、A型ゼオライトに無水基準で銀
2.5重量%及び亜鉛を12重量%になるようにイオン状態
で保持させてから約200℃で加熱乾燥して得た粉体1重
量%及び下記添加剤を、第1表に示すように配合し、ヘ
ンシェル型ミキサーで混合し、スクリュー径30mmφの単
軸押出機(200℃)で溶融混練しペレットを得た。
このペレットを射出成形機(240℃)にかけて120×80
×2mmの試験片及び力学特性試験用試験片を作製した。
得られた各試験片について下記の試験を行ない、その
結果を第1表に示す。
(抗菌テスト) ASTM−G21の試験法に準拠して、このシートを浸した
培地にAspergillus niger等のカビ菌を接種して相対湿
度90%で約40日間培養して、菌の発育状況を下記の基準
に従って表示して、防カビ性の尺度とした。
激しく発育するもの :×× ある程度発育するもの : × すこしだけ発育するもの : ○ 発育が見られなかったもの: ◎ (力学特性) 力学特性については、JIS−K7203による曲げ弾性率
を、また、JIS−K7110によるアイゾット衝撃強度(ノッ
チ付き)をそれぞれ射出成形試験片をつくり23℃で評価
した。これらの結果は第1表の通りである。
(変色テスト−1) 2mmtの射出試験片を屋外(四日市、9〜10月)に南面
に向けて角度45゜でおいて、色相の変化を目視判定し
た。
× :黒〜灰色褐色、黄土色に強く着色 △ :かなり着色 ○ :淡く着色 ○+:わずかに着色 ◎ :ほとんど無変色 実施例13〜15、参考例7〜9 エチレン含量5重量パーセント、MFR=9g/10分のプロ
ピレン−エチレンブロックコポリマー(塩化マグネシウ
ム担体上に、四塩化チタンを担持させた触媒(トリエチ
ルアルミニウム助触媒系)残存塩素量=5ppm)を用いた
以外は実施例1と同様にして試験片を作成した。得られ
た各試験片について実施例1と同様なテストを行なっ
た。得られた結果を第2表に示す。
実施例16、参考例10〜11 MFR=11g/10分のプロピレンホモポリマー(三塩化チ
タン−ジエチルアルミニウムクロライド触媒系、残存塩
素量=25ppmを用いた以外は実施例1と同様にして試験
片を作成した。得られた各試験片について実施例1と同
様なテストを行なった。得られた結果を第2表に示す。
第1表及び第2表中において配合成分は、下記の略記
号で示してある。
成分(C) ・I1010:テトラキス〔メチレン−3−〔3′,5′−ジ−
t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕メタン ・A080 :3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{β−(3−
t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プ
ロピオニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサ
スピロ〔5.5〕ウンデカン ・A020 :1,3,5−トリス(3′,5′−ジ−t−ブチル−
4′−ヒドロキシベンジル)−S−トリアジン−2,4,6
(1H,3H,5H)−トリオン ・C1790:1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロ
キシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート ・XL1 :2,2′−オキサミドビス〔エチル3−(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト 成分(D) ・CAST :ステアリン酸カルシウム ・ZNST :ステアリン酸亜鉛 ・HCAST:リシノール酸カルシウム ・STCA :ステアリン乳酸カルシウム 紫外線吸収剤 ・TN326:2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−
5′−メチルフェニル−5−クロロベンゾトリアゾール ・BP :2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフ
ェノン リン系酸化防止剤 ・I168 :トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォ
スファイト 制酸物質 ・DHT4A:ハイドロタルサイト(協和化学製) ・STNA :ステアリン酸ナトリウム 実施例17〜25、参考例12〜20 エチレン含量5重量%、MFR=10g/10分のプロピレン
−エチレンブロックコポリマー(三塩化チタン−ジエチ
ルアルミニウムクロライド触媒系、残存塩素量=9ppm)
100重量部に、A型ゼオライトに無水基準で銀2.5重量%
及び亜鉛を12重量%になるようにイオン状態で保持させ
てから約200℃で加熱乾燥して得た粉体1重量部及び下
記添加剤を、第3表に示すように配合し、ヘンシェル型
ミキサーで混合し、スクリュー径30mmφの単軸押出機
(200℃)で溶融混練しペレットを得た。
このペレットを射出成形機(240℃)にかけて120×80
×2mmの試験片及び力学特性用試験片を作製した。
得られた各試験片について下記の試験を行ない、その
結果を第3表に示す。
(抗菌テスト) 前記と同様にして行なった。
(力学特性) 前記と同様にして行なった。
(変色テスト−2) 2mmtの射出シートを50℃/90%RHの恒温恒湿器に入
れ、10日処理した。この試験を目視判定した。
× :黒〜灰褐色、黄土色に強く着色 △ :かなり着色 ○ :淡く着色 ○+:わずかに着色 ◎ :ほとんど無色 第3表中における配合成分は、下記の通りである。
(C)成分 (1):1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−
5−t−ブチルフェニル)ブタン (2):1,3,5−トリス(3′,5′−ジ−t−ブチル−
4′−ヒドロキシベンジル)−S−トリアジン−2,4,6
(1H,3H,5H)−トリオン (3):1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキ
シ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート (D)成分 (4):ステアリン酸カルシウム (5):ステアリン酸亜鉛 滑 剤 (6):オレイン酸アミド 他の成分 (7):トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォ
スファイト (8):テトラキス〔メチレン−3−(3′,5′−ジ−
t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕メタン (9):2,2′−ビス〔4−(2−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシヒドロシンナモイロキシ))エトキ
シフェニル〕プロパン (10):2,2′−オキサミドビス〔エチル3−(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト (11):2,2′−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチル
フェノール) (12):ビス〔3,3−ビス(4′−ヒドロキシ−3′−
t−ブチルフェニル)−ブチリックアシド〕グリコール
エステル (13):1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン (14):n−オクタデシル−β−(4′−ヒドロキシ−
3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート
フロントページの続き (72)発明者 藤原 一洋 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化 株式会社樹脂研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−265958(JP,A) 特開 昭63−265809(JP,A) 特開 昭62−241939(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 23/00 - 23/36

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の成分(A)〜(D)を含んでなるこ
    とを特徴とする、プロピレン重合体組成物。 成分(A):重合用触媒残渣として塩素が50ppm以下の
    結晶性プロピレン重合体 100重量部 成分(B):銀、銅、亜鉛及び錫の金属群より選ばれた
    一種又は二種以上の金属をイオン状態で保持したゼオラ
    イト 0.1〜10重量部 成分(C):ヒンダードフェノール系酸化防止剤0.01〜
    2重量部 成分(D):高級脂肪酸及び/又はアルキル乳酸の第II
    族金属塩 0.005〜5重量部
  2. 【請求項2】成分(C)としてのヒンダードフェノール
    系酸化防止剤が下記の(I)〜(II)からなる化合物群
    から選ばれたものである、請求項1に記載のプロピレン
    重合体組成物。 (Ra)2CHCH2CHRaCH3 (I) (但し、式中のRaは、 である。) (但し、式中のRbは、 である。 ここでRcは炭素数1〜8のアルキル基を、Xはエーテル
    又はエステル結合を内在しても良い炭素数1〜8のアル
    キレン基を表わす。)
  3. 【請求項3】下記の成分(A)〜(D)を含んでなるプ
    ロピレン重合体組成物を常法により成形したものである
    ことを特徴とする、水接触用途用成形体。 成分(A):重合用触媒残渣として塩素が50ppm以下の
    結晶性プロピレン重合体 100重量部 成分(B):銀、銅、亜鉛及び錫の金属群より選ばれた
    一種又は二種以上の金属をイオン状態で保持したゼオラ
    イト 0.1〜10重量部 成分(C):下記の(I)〜(II)からなる化合物群よ
    り選ばれたヒンダードフェノール系酸化防止剤0.01〜2
    重量部 (Ra)2CHCH2CHRaCH3 (I) (但し、式中のRaは、 である。 (但し、式中のRbは、 である。 ここでRcは炭素数1〜8のアルキル基を、Xはエーテル
    又はエステル結合を内在しても良い炭素数1〜8のアル
    キレン基を表わす。) 成分(D):高級脂肪酸及び/又はアルキル乳酸の第II
    族金属塩 0.005〜5重量部
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