JPH11343374A - 塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂組成物

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JPH11343374A
JPH11343374A JP10149397A JP14939798A JPH11343374A JP H11343374 A JPH11343374 A JP H11343374A JP 10149397 A JP10149397 A JP 10149397A JP 14939798 A JP14939798 A JP 14939798A JP H11343374 A JPH11343374 A JP H11343374A
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JP
Japan
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vinyl chloride
chloride resin
polymer
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heat stability
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JP10149397A
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English (en)
Inventor
Kenichi Iokura
賢一 五百蔵
Koichi Matsui
耕一 松井
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Original Assignee
NOF Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗菌性と熱安定性、耐候性にすぐれ、かつ高
温多湿環境下で変色などの特性劣化をきたさない、湿熱
安定性にすぐれ、またロ―ル加工などの加工性や加工後
の印刷性にすぐれる塩化ビニル系樹脂組成物を提供す
る。 【解決手段】 塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、
a)無機銀系抗菌剤0.01〜10重量部、b)重合度
が1〜100の水添ビスフエノ―ノルA・ペンタエリス
リト―ルホスフアイトポリマ―0.01〜5重量部、あ
るいは上記のa成分とb成分のほかに、さらに、c)グ
リシジル(メタ)アクリレ―トを1モル%以上含む単量
体の重量平均分子量2,000〜300,000の重合
体0.1〜10重量部を含むことを特徴とする塩化ビニ
ル系樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗菌性と熱安定性
および耐候性にともにすぐれる塩化ビニル系樹脂組成物
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル系樹脂は、すぐれた機械的性
質、成形加工の容易さ、経済的利点から、幅広く使用さ
れている。とくに可塑剤を配合することにより、自由に
柔軟性を調整できることから、床材、壁紙、テ―ブルク
ロス、農業用ビニル、防水シ―ト、ホ―ス、チユ―ブ、
食品包装材などに幅広く使用されている。しかし、これ
らの塩化ビニル系樹脂は、しばしば多湿環境において使
用されるため、種々の菌類、黴類が樹脂の表面上または
内部に発生し、衛生上有害になるほか、外観を害するこ
とが指摘されている。
【0003】この問題に対して、様々な抗菌剤が開発さ
れている。具体的には、特開昭62−241932号公
報、特開昭63−270756号公報、特開平1−31
1008号公報には、ゼオライト、とくに銀系ゼオライ
トがすぐれた抗菌性を示すことが報告されている。ゼオ
ライト以外では、特開平5−156103号公報にビニ
ルベンジルホスホニウム塩をモノマ―成分として少なく
とも含むポリマ―が、特開平6−65142号公報に1
個以上のカルボキシル基を持つ多環式化合物カルボン酸
の金属石鹸が、特開平6−192428号公報にビグア
ニジル基を有するオルガノポリシロキサン化合物が、特
開平8−53538号公報に軟化点が30〜120℃、
分子量が500〜10,000のサリチル酸エステル樹
脂が、特開平8−113729号公報に硫酸亜鉛を吸着
担持したシリカ粒子が、抗菌作用にすぐれる抗菌剤とし
て報告されている。さらに、特開平8−81320号公
報には、銀を含有する非晶質含水酸化チタン微粒子によ
り耐強酸性、耐強アルカリ性の抗菌剤を得ることが報告
されている。
【0004】これらの中で、塩化ビニル系樹脂に対して
最もすぐれた抗菌性を示すものは、銀ゼオライトであ
る。ところが、この銀ゼオライトを含め、抗菌剤を塩化
ビニル系樹脂に添加すると、熱安定性が大きく低下する
という問題がある。この解決のため、特開平5−176
17号公報には酸化銀、リン酸銀などの熱変質温度が3
00℃以上の銀化合物を用いて熱安定性を向上させるこ
とが、また特開平8−59935号公報には竹類抽出物
を塩化ビニル系樹脂に加えて熱安定性と抗菌性を合わせ
持つ塩化ビニル系樹脂組成物を得ることが、報告されて
いる。しかるに、これらの手段では、抗菌性が不十分で
ある。
【0005】ところで、塩化ビニル系樹脂は成形加工温
度が分解温度に接近しているため、成形加工時に分解し
て熱安定性が低下するという問題を本質的に有してお
り、これの解決のため、通常、安定剤を配合するように
している。この種の安定剤は、塩化ビニル系樹脂から発
生する塩化水素ガスを捕捉したり、塩化ビニル系樹脂と
直接反応することによつて、熱安定性を向上させるもの
である。
【0006】これまで、可塑剤を含まない系では、樹脂
の熱安定性、加工性の良さから、鉛系の安定剤、たとえ
ば、ステアリン酸鉛、三塩基性硫酸鉛など、また透明性
の良さから、錫系安定剤、たとえば、ジブチル錫マレエ
―ト、ジブチル錫ラウレ―トなどが使用されてきた。ま
た、可塑剤を含む系では、カドミウム石鹸、バリウム石
鹸、カルシウム石鹸、マグネシウム石鹸、亜鉛石鹸を主
とする金属石鹸系安定剤が使用されてきた〔「ポリ塩化
ビニルの安定化の解明と安定化助剤の配合・効果の実
際」(昭和59年3月15日、ソフト技研出版部発
行)〕。しかるに、いずれの系でも、抗菌性を有する塩
化ビニル系樹脂成形品を得るため、無機銀系抗菌剤を添
加すると、熱安定性、耐候性が大きく低下する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
事情に照らし、抗菌性と熱安定性および耐候性にともに
すぐれ、そのうえ、高温多湿環境下で変色などの特性劣
化をきたすことのない、湿熱安定性にすぐれ、またロ―
ル加工などの加工性や加工後の印刷性にすぐれる塩化ビ
ニル系樹脂組成物を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するため、鋭意検討した結果、塩化ビニル系樹
脂に対し、無機銀系抗菌剤と、水添ビスフエノ―ルA・
ペンタエリスリト―ルホスフアイトポリマ―を配合した
ときに、またこのポリマ―とともにグリシジル(メタ)
アクリレ―ト系重合体を配合したときに、抗菌性、熱安
定性および耐候性にすぐれ、また湿熱安定性にもすぐれ
て高温多湿環境下で変色などの特性劣化をきたさず、し
かもロ―ル加工時にプレ―トアウトなどの支障をきたさ
ない良好な加工性を示し、さらに加工後の印刷性にもす
ぐれる塩化ビニル系樹脂組成物が得られることを見い出
し、本発明を完成するに至つた。
【0009】すなわち、本発明の第1は、塩化ビニル系
樹脂100重量部に対し、a)無機銀系抗菌剤0.01
〜10重量部、b)つぎの式(1); H−(O−A−O−B)n −O−A−OH …(1) (式中、Aは下記の式; で示される水添ビスフエノ―ルAの二価の残基、Bは下
記の式; で示されるペンタエリスリト―ルホスフアイトの二価の
残基である。nは1〜100である。)で表される水添
ビスフエノ―ノルA・ペンタエリスリト―ルホスフアイ
トポリマ―0.01〜5重量部を含むことを特徴とする
塩化ビニル系樹脂組成物(請求項1)に係るものであ
る。
【0010】また、本発明の第2は、塩化ビニル系樹脂
100重量部に対し、上記のa成分およびb成分のほか
に、さらに、c)グリシジル(メタ)アクリレ―トを1
モル%以上含む単量体の重量平均分子量2,000〜3
00,000の重合体0.1〜10重量部を含むことを
特徴とする上記構成の塩化ビニル系樹脂組成物(請求項
2)に係るものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明における塩化ビニル系樹脂
は、塩化ビニルの単独重合体のほか、塩化ビニルと他の
単量体、たとえば酢酸ビニル、ビニルアルコ―ルなどど
の共重合体が用いられ、とくに重合度が500〜4,0
00のものが好ましい。
【0012】本発明におけるa成分の無機銀系抗菌剤に
は、銀ゼオライト、銀セラミツクス、銀リン酸カルシウ
ム、銀シリカゲル、銀チタニア、銀・ガラス・ケイ酸
銀、銀リン酸チタン・酸化亜鉛などがある。これらの中
でも、とくに好ましいのは銀ゼオライト、銀シリカゲル
である。これらの無機銀系抗菌剤の使用量は、塩化ビニ
ル系樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量
部、好ましくは0.1〜5重量部である。0.01重量
部より少ないと、抗菌性の効果が得られず、10重量部
を超えると、熱安定性、耐候性および湿熱安定性などが
低下する。
【0013】本発明におけるb成分のポリマ―は、前記
の式(1)で表される水添ビスフエノ―ノルAとペンタ
エリスリト―ルホスフアイトとの重合体であつて、式
(1)中、重合度を示すnは1〜100、好ましくは2
〜50、さらに好ましくは3〜30である。重合度が1
に満たないもの(つまり、水添ビスフエノ―ノルA)で
は、湿熱安定性が悪くなり、また100を超えるもので
は、滑性の低下などが起こり加工性が悪くなる。このb
成分の使用量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し
て、0.01〜5重量部、好ましくは0.1〜3重量部
である。0.01重量部より少ないと、熱安定性(初期
着色、長期熱安定性)、耐候性の効果が不十分となり、
5重量部を超えると、湿熱安定性や印刷性の低下が起こ
る。
【0014】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、塩化
ビニル系樹脂に対し、上記a成分の無機銀系抗菌剤と上
記b成分の水添ビスフエノ―ノルA・ペンタエリスリト
―ルホスフアイトポリマ―とを上記割合で配合してなる
ものであり、この構成により抗菌性、熱安定性、耐候
性、湿熱安定性、加工性および印刷性にいずれも好まし
い結果を得ることができるが、上記a,b成分のほか
に、さらにc成分のグリシジル(メタ)アクリレ―ト系
重合体を配合することにより、長期熱安定性がより一段
と改善された塩化ビニル系樹脂組成物を得ることができ
る。
【0015】このc成分のグリシジル(メタ)アクリレ
―ト系重合体とは、グリシジル(メタ)アクリレ―トを
1モル%以上、好ましくは25〜95モル%含有する単
量体の重合体であり、グリシジル(メタ)アクリレ―ト
が1モル%未満となると、長期熱安定性の向上効果が不
十分となり、また耐候性にも好結果が得られにくい。こ
の重合体の重量平均分子量としては、2,000〜30
0,000、好ましくは4,000〜100,000で
ある。重量平均分子量が2,000未満となると、長期
熱安定性の向上効果が不十分となり、また耐候性や湿熱
安定性にも好結果が得られにくく、300,000を超
えると、長期熱安定性の向上効果が不十分となつたり、
耐候性にも好結果が得られにくい。
【0016】このような重合体としては、グリシジル
(メタ)アクリレ―トの単独重合体、グリシジル(メ
タ)アクリレ―トと、メチル(メタ)アクリレ―ト、エ
チル(メタ)アクリレ―ト、ブチル(メタ)アクリレ―
ト、t−ブチル(メタ)アクリレ―ト、2−エチルヘキ
シル(メタ)アクリレ―ト、ラウリル(メタ)アクリレ
―ト、ミリスチル(メタ)アクリレ―ト、パルミチル
(メタ)アクリレ―ト、ステアリル(メタ)アクリレ―
ト、ベヘニル(メタ)アクリレ―ト、シクロヘキシル
(メタ)アクリレ―ト、1,2−ジヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレ―トなどの(メタ)アクリレ―ト類、
スチレン、α−メチルスチレン、o−クロロスチレン、
ビニルナフタレンなどの芳香族ビニル化合物、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリルなどのシアノ基含有ビニ
ル化合物、マレイン酸、酢酸ビニル、エチレンなどの他
のモノマ―との共重合体が挙げられる。
【0017】このようなグリシジル(メタ)アクリレ―
ト系重合体の使用量は、塩化ビニル系樹脂100重量部
に対して、0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜5
重量部である。0.1重量部より少なくなると、長期熱
安定性の向上効果が不十分となり、10重量部を超える
と、初期着色の問題がある。
【0018】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物には、上
記の各成分のほかに、必要により、本発明の効果を損な
わない程度に、他のホスフアイト化合物、たとえば、ビ
スフエノ―ルAジホスフアイト、トリアルキルホスフア
イトなどを配合してもよい。また、ステアリン酸などの
高級脂肪酸、ステアリルアルコ―ルなどの高級アルコ―
ル類、パラフインワツクス、ポリエチレンワツクス、ポ
リプロピレンワツクス、モンタン酸ワツクスなどのワツ
クス類、ステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン
酸アミド類などの滑剤、ステアリン酸カルシウム、ステ
アリン酸亜鉛などの金属石鹸類、珪酸カルシウム、炭酸
カルシウム、タルク、ハイドロタルサイト、酸化チタン
などの充填剤、ペンタエリスリト―ル、ジペンタエリス
リト―ルなどのポリオ―ル類、ジベンゾイルメタン、ス
テアロイルベンゾイルメタンなどのβジケトン類、ジオ
クチルフタレ―ト、ジオクチルアジペ―トなどの可塑
剤、さらに顔料、難燃剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤を
配合することができる。
【0019】
【実施例】以下に、本発明の実施例を記載して、より具
体的に説明する。なお、以下において、部とあるのは重
量部を意味するものとする。
【0020】実施例1〜11 塩化ビニル系樹脂として、日本ゼオン(株)製の塩化ビ
ニル樹脂(重合度1,050)を使用した。この塩化ビ
ニル樹脂100部に対して、ジオクチルフタレ―ト20
部、ジオクチルアジペ―ト20部およびステアリン酸亜
鉛0.2部を加えたものを基本組成とした。また、上
記の塩化ビニル樹脂100部に対して、ジオクチルフタ
レ―ト40部、ステアリン酸亜鉛0.2部およびステア
リン酸カルシウム0.4部を加えたものを基本組成と
した。これらの基本組成,に対して、さらに、表1
〜表3に示す配合成分を加えて、9インチロ―ルによ
り、190℃で3分間混練して、厚さが0.5mmのシ―
トとした。
【0021】比較例1〜18 実施例1〜11における基本組成,に対して、表4
〜表9に示す配合成分を加えて、9インチロ―ルによ
り、190℃で3分間混練して、厚さが0.5mmのシ―
トを作製した。
【0022】なお、以下の表1〜表9において、a成分
としての「銀ゼオライトA」は品川燃料(株)製の「ゼ
オミツクスAV10D」、同「銀ゼオライトB」はカネ
ボウ化成(株)製の「バクテキラ―」である。また、b
成分としての「ホスフアイトポリマ―1〜5」は、いず
れも、水添ビスフエノ―ルA・ペンタエリスリト―ルホ
スフアイトポリマ―を意味し、このうち、「ホスフアイ
トポリマ―1」は平均重合度3、「ホスフアイトポリマ
―2」は平均重合度5、「ホスフアイトポリマ―3」は
平均重合度8、「ホスフアイトポリマ―4」は平均重合
度15、「ホスフアイトポリマ―5」は平均重合度20
である。
【0023】さらに、c成分としての「GMA系ポリマ
―1」はグリシジルメタクリレ―ト単独重合体(重量平
均分子量6,000)、同「GMA系ポリマ―2」はグ
リシジルメタクリレ―ト/メチルメタクリレ―ト(モル
比50/50)共重合体(重量平均分子量20,00
0)、同「GMA系ポリマ―3」はグリシジルメタクリ
レ―ト/メチルメタクリレ―ト/アクリロニトリル(モ
ル比40/30/30)共重合体(重量平均分子量1
5,000)、同「GMA系ポリマ―4」はグリシジル
メタクリレ―ト/ステアリルメタクリレ―ト(モル比7
5/25)共重合体(重量平均分子量10,000)、
同「GMA系ポリマ―5」はグリシジルメタクリレ―ト
/ブチルメタクリレ―ト/ステアリルメタクリレ―ト
(モル比40/10/50)共重合体(重量平均分子量
30,000)である。
【0024】また、他成分としての「竹類抽出物」は、
孟宗竹の茎をボ―ルミルで粉砕し、エ―テル抽出後、抽
出液を減圧乾固して得られた褐色抽出物である。また、
「GMA系ポリマ―6」はグリシジルメタクリレ―ト/
メチルメタクリレ―ト(モル比0.5/99.5)共重
合体(重量平均分子量10,000)、同「GMA系ポ
リマ―7」はグリシジルメタクリレ―トの単独重合体
(重量平均分子量1,000)、同「GMA系ポリマ―
8」はグリシジルメタクリレ―ト/メチルメタクリレ―
ト(モル比50/50)共重合体(重量平均分子量1,
000,000)である。さらに、「ジオクチル錫メル
カプタイド」は大協化成工業(株)の「STX−8
0」、「ジオクチル錫マレエ―トポリマ―」は東京フア
インケミカル(株)の「OP−3」、「ホスフアイトポ
リマ―6」は平均重合度200の水添ビスフエノ―ルA
・ペンタエリスリト―ルホスフアイトポリマ―である。
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】以上の実施例1〜11および比較例1〜1
8で作製した各シ―トを裁断して、所定寸法の試験片を
得、この試験片を用いて、下記の方法により、抗菌性試
験、熱安定性試験、耐候性試験、湿熱安定性試験、加工
性試験(プレ―トアウトおよび滑性)、印刷性試験を行
つた。これらの結果は、表10(実施例1〜11)およ
び表11(比較例1〜18)に示されるとおりであつ
た。
【0035】<抗菌性試験>供試菌株は、大腸菌(Es
cherichia coli IFO3301)なら
びに黄色ブドウ球菌(Staphylococcus
aureus IFO14662)とした。菌液は、こ
れらの菌株をSCD寒天〔日本製薬(株)〕斜面倍地上
で37℃にて24時間培養して得られた培養物を滅菌P
BS〔日本製薬(株)〕中に懸濁することにより調製し
た。菌濃度は、計算盤を用いた測定により、菌液1ml
あたり5×107 個のレベルになるように調整した。
【0036】試験片(5cm×5cm)の表面に75容量%
のエタノ―ル水溶液を噴霧したのち乾燥させて、試験に
供した。抗菌力は密着法により測定した。すなわち、滅
菌シヤ―レに試験片を置き、その表面に上記の菌液20
0μlを載せ、さらに7cm角に切断したストマツカ用滅
菌ポリ袋〔栄研器材(株)〕を重ね、液を試験片の表面
全体に広げ、インキユベ―タに入れて37℃に6時間保
持後、試験片とラツプの表面を合計10mlのSCD液
体〔日本製薬(株)〕培地で洗い流し、洗液1mlをシ
ヤ―レに取り、そこへSCD寒天培地約20mlを注入
し、攪拌したのち、凝固させ、37℃で24時間培養
後、生じた集落の数を数えた。結果の判定は、以下のと
おりとした。 「○」:培地上に集落が観察されない 「△」:培地上に集落数が1〜100個未満である 「×」:培地上に集落数が100個以上である
【0037】<熱安定性試験>試験片(5cm×5cm)を
190℃のオ―ブンに入れ、15分後の色調と、黒色、
濃赤色または濃赤褐色になるまでの時間を調べた。15
分後の色調を初期着色として評価した。また、黒色、濃
赤色または濃赤褐色になるまでの時間を長期熱安定性と
して評価した。
【0038】<耐候性試験>試験機として、アイス―パ
―UVテスタ―〔岩崎電気(株)の「SUV−Fl
型」〕を使用し、UV強度:100mW/cm2 、ブラツ
クパネル温度:60±3℃、水スプレ―:なし、照射距
離:240mm(光源と試料間)の条件で、試験片(5cm
×5cm)に対して、60時間の耐候性試験を行つた。試
験後の試験片の色調を調べ、耐候性の良否を評価した。
【0039】<湿熱安定性試験>試験片(5cm×10c
m)を50℃,90%RHの恒温槽に2週間入れたのち
の色変化を調べ、下記の判定基準で評価した。 「○」:淡黄色に変色 「△」:黄から黄褐色に変色 「×」:褐色に変色
【0040】<加工性試験>ロ―ル混練り中のロ―ルへ
の付着物の有無を調べて、プレ―トアウトを評価した。
また、ロ―ル混練り中の滑性を調べ、下記の基準で評価
した。 「過剰」:滑性が強すぎてシ―ト成形が不可能である
か、あるいは網目状シ―トとなる 「適正」:ロ―ルからの適度の剥離性があり、艶のある
シ―トが得られる 「不足」:滑性が不足し、ロ―ルからの剥離性に劣る
【0041】<印刷性試験>試験片(5cm×5cm)を8
0℃,90%RHの恒温槽に1週間入れたのち、塩ビ用
インク〔東洋インキ製造(株)の「VCH 3 赤」〕
をバ―コ―タを用いて塗布、乾燥したのち、セロハンテ
―プを貼り、勢いよく剥がしたときのインクの剥がれ具
合を、目視により観察した。結果の判定は、以下のとお
りとした。 「○」:インクの剥がれが2割未満である 「△」:インクの剥がれが2割以上5割未満である 「×」:インクの剥がれが5割以上である
【0042】
【0043】
【0044】上記の表10から、実施例1〜11の各シ
―トは、抗菌性にすぐれているとともに、初期着色がな
く、長期熱安定性が70分以上〔とくにグリシジル(メ
タ)アクリレ―ト系重合体を用いたものでは90分以
上〕で、すぐれた熱安定性を有しており、また耐候性に
すぐれ、さらに湿熱安定性にもすぐれており、しかも、
熱ロ―ル混練時のプレ―トアウトがなく、適度な滑性を
示して良好な加工性を備え、そのうえ、加工後の印刷性
にもすぐれていることがわかる。
【0045】これに対して、比較例1〜18の各シ―ト
は、上記の表11から明らかなように、上記特性のいず
れかに劣つている。すなわち、b,c成分を含まない比
較例1は、初期着色、長期熱安定性、耐候性、湿熱安定
性が悪く、a,c成分を含まない比較例2は、抗菌性、
長期熱安定性が悪く、a,b成分を含まない比較例3
は、抗菌性、初期着色、長期熱安定性、耐候性が悪く、
b成分を含まない比較例4は、初期着色、長期熱安定
性、耐候性、湿熱安定性が悪くなつている。また、塩化
ビニル樹脂100部に対して、a成分の使用量が10部
を超える比較例5は、初期着色、長期熱安定性、耐候
性、湿熱安定性、印刷性が悪く、b成分の使用量が5部
を超える比較例6は、湿熱安定性、印刷性が悪くなつて
いる。
【0046】さらに、a成分に代えて、竹類抽出物を使
用した比較例7は、抗菌性、長期熱安定性、耐候性、湿
熱安定性、印刷性が悪く、亜鉛ゼオライトを使用した比
較例8は、抗菌性、長期熱安定性、湿熱安定性、印刷性
が悪くなつている。また、b成分に代えて、ジフエニル
モノデシルホスフアイトを使用した比較例9は、初期着
色、長期熱安定性、耐候性、湿熱安定性が悪く、またビ
ス(ノニルフエニル)ペンタエリスリト―ルジホスフア
トを使用した比較例10は、湿熱安定性、印刷性が悪く
なつており、さらにトリステアリルホスフアイトを使用
した比較例11は、耐候性が悪くなつている。
【0047】また、b成分に代えて、トリステアリルホ
スフアイトを使用した系において、このトリステアリル
ホスフアイトとともに、グリシジルメタクリレ―トが1
モル%未満であるグリシジルメタクリレ―ト系重合体を
併用した比較例12は、長期熱安定性、耐候性が悪く、
重量平均分子量が2,000未満であるグリシジルメタ
クリレ―ト系重合体を併用した比較例13は、耐候性、
湿熱安定性が悪く、重量平均分子量が300,000を
超えるグリシジルメタクリレ―ト系重合体を併用した比
較例14は、長期熱安定性、耐候性が悪くなつている。
【0048】さらに、銀ゼオライトとともに、汎用の錫
安定剤であるジオクチル錫メルカプタイドを使用した比
較例15は、初期着色、耐候性、湿熱安定性、印刷性が
悪く、同ジオクチル錫マレエ―トポリマ―を使用した比
較例16は、初期着色、耐候性、湿熱安定性、印刷性が
悪いうえに、滑性が不足している。また、b成分に代え
て、水添ビスフエノ―ルAを使用した比較例17は、湿
熱安定性、印刷性が悪く、重合度(n)が100を超え
る水添ビスフエノ―ノルA・ペンタエリスリト―ルホス
フアイトポリマ―を使用した比較例18は、若干のプレ
―トアウトがみられ、また滑性が不足している。
【0049】
【発明の効果】以上のように、本発明は、塩化ビニル系
樹脂に対し、無機銀系抗菌剤と、水添ビスフエノ―ルA
・ペンタエリスリト―ルホスフアイトポリマ―を配合す
ることにより、またこのポリマ―とともにグリシジル
(メタ)アクリレ―ト系重合体を配合することにより、
抗菌性、熱安定性および耐候性にすぐれ、また湿熱安定
性にもすぐれて高温多湿環境下で変色などの特性劣化を
きたさず、しかもロ―ル加工時にプレ―トアウトなどの
支障をきたさない良好な加工性を示し、さらに加工後の
印刷性にもすぐれる塩化ビニル系樹脂組成物を提供する
ことができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、
    a)無機銀系抗菌剤0.01〜10重量部、b)つぎの
    式(1); H−(O−A−O−B)n −O−A−OH …(1) (式中、Aは下記の式; で示される水添ビスフエノ―ルAの二価の残基、Bは下
    記の式; で示されるペンタエリスリト―ルホスフアイトの二価の
    残基である。nは1〜100である。)で表される水添
    ビスフエノ―ノルA・ペンタエリスリト―ルホスフアイ
    トポリマ―0.01〜5重量部を含むことを特徴とする
    塩化ビニル系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、
    a成分およびb成分のほかに、c)グリシジル(メタ)
    アクリレ―トを1モル%以上含む単量体の重量平均分子
    量2,000〜300,000の重合体0.1〜10重
    量部を含むことを特徴とする請求項1に記載の塩化ビニ
    ル系樹脂組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006001963A (ja) * 2004-06-15 2006-01-05 Asahi Denka Kogyo Kk 防水シート用塩化ビニル系樹脂組成物
JP2007516336A (ja) * 2003-12-23 2007-06-21 潭陽郡 機能性樹脂製品製造用樹脂組成物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007516336A (ja) * 2003-12-23 2007-06-21 潭陽郡 機能性樹脂製品製造用樹脂組成物
JP2006001963A (ja) * 2004-06-15 2006-01-05 Asahi Denka Kogyo Kk 防水シート用塩化ビニル系樹脂組成物

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