JPH10304717A - 移植機の植付装置 - Google Patents

移植機の植付装置

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JPH10304717A
JPH10304717A JP11567397A JP11567397A JPH10304717A JP H10304717 A JPH10304717 A JP H10304717A JP 11567397 A JP11567397 A JP 11567397A JP 11567397 A JP11567397 A JP 11567397A JP H10304717 A JPH10304717 A JP H10304717A
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planting
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posture
trajectory
distance
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 極端に短い株間で苗を植え付けることができ
るように畝に突入する植付体の下部側の後方移動を小さ
くする。 【課題手段】 苗を植付ける植付体35に上下に長いル
ープ状軌跡を描かせて、該植付体が下降から上昇に移行
する前記軌跡の下部側で走行機体に対して後方移動させ
る運動機構を備え、この運動機構53は、植付体35が
下降から上昇に移行する後方移動の過程で該植付体35
の下部側が上部側に対して前方に移動するように姿勢変
更する姿勢変更手段を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、野菜の苗を畝に植
え付ける移植機の植付装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、移植機として、左右両側に備えた
車輪によって走行可能に支持された走行機体の後部に苗
を畝に植え付ける移植装置を備え、この移植装置を走行
機体のエンジンの動力によって駆動し、畝を跨いで畝長
手方向に走行しながら所定間隔をおいて苗を植え付ける
ようにしたものがある。
【0003】この種の移植機の移植装置には、特開平9
−56220号公報に開示されているように、畝に苗を
植え付けるべく上下に昇降する植付体を有する植付装置
と、該植付装置に苗を供給する苗供給装置とを備えたも
のがあり、植付体は上下に長い略楕円の軌跡で運動する
ように揺動リンク機構(運動機構)を介して支持され、
植付体の下部には、前後に開閉自在な一対のオープナを
備え、植付体は、その軌跡の前部側では下降して畝に突
入し、後部側では上昇して畝から離脱し、下降から上昇
に移行する軌跡下部側では走行機体に対して進行方向と
逆方向(後方)に移動するようになっている。
【0004】そして、図9に示すように、植付体は、オ
ープナ91を閉じた状態で下降して畝Rに突入し、突入
後オープナ91を開き、これによって、畝Rに植付穴H
が形成されると共に該植付穴Hに植付体内部に収納して
いた苗が落下放出され、走行しながら苗が畝Rに植え付
けられるように構成されている。上記植付体は、走行機
体に対してC1で示す略楕円軌跡を描いて運動するた
め、植付時に、走行機体の進行方向Aの変移が加わる
と、植付体は符号C2で示す対地軌跡を描くように運動
し、畝Rに対する離脱位置が突入位置に近づき、畝Rに
対して略垂直(離脱位置が突入位置と略同一位置)に出
入りするようになる。したがって、植付体を畝Rに突入
したまま引きずって植付穴Hを拡げるようなこともな
く、苗を適正な姿勢で植付けることができるようになっ
ている。
【0005】なお、前記軌跡C1,C2は開孔器91が
閉じた状態の開孔器91先端部の軌跡を示す。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、苗の移植に
おいては、植付ける苗の種類等によって前後の株間を調
整する場合がある。この調整は、前記対地軌跡C1を変
えないで、植付体を上昇位置で所定時間停止させ、この
停止している間の走行機体を進行距離によって調整され
る。すなわち、株間を長くとるには植付体の停止時間を
長くし、株間を短くとるには植付体の停止時間を短くす
るようにしている。
【0007】しかし、菊,ネギ,玉ネギのような作物の
苗を移植する場合には、植付体の停止時間を短くするだ
けでは対応できないような更に狭い株間で苗を植付ける
必要があるため、短小株間専用の移植機を用いている。
この短小株間専用の移植機では、走行機体の走行速度を
遅くし、進行距離当たりの植付株数を多くして短い株間
を実現しているが、走行機体に対する植付体の移動軌跡
C1についても、該軌跡下部側における植付体の後方へ
の移動を小さくしている。
【0008】これは、走行機体の速度が遅い場合に植付
体の後方移動が大きいと、畝Rに対する植付体の離脱位
置が突入位置より後方に離れ、畝に形成した植付穴Hが
後方へ押し広げられて植え付けた苗の姿勢を崩してしま
うからである。そこで従来の短小株間専用の移植機で
は、植付体に略楕円軌跡を描かせるための揺動リンク機
構を作動するクランクアームの長さ等を変更する改良を
施すことで植付体の後方移動を小さくしていた。しか
し、このような改良だけでは植付体の後方移動を小さく
するのに限界があり、更に極端に短い株間に対応するの
が困難で、これを用いて極端に短い株間で苗を植付けよ
うとすると植付体の後方移動によって植付穴を押し広げ
る恐れが残っていた。また、極端に狭い株間に対応させ
るために植付体を運動させる機構そのものを他の機構に
変更しようとすると、多大なコストがかかってしまう。
【0009】また、植付体のオープナは、前後双方が開
くように構成されているので、このことも加わって植付
穴Hを後方へ大きく押し広げることとなり、苗の植付姿
勢を適正にするのが困難となっていた。本発明の第1の
目的は、植付体が下降から上昇に移行する過程で、植付
体の畝に対する姿勢を変えてやることで、運動機構によ
る植付体の上部側の後方移動は大きくても畝に突入する
植付体下部側の後方移動を小さくし、極端に短い株間で
の苗植付を可能とする移植機の植付装置を提供すること
にある。
【0010】本発明の第2の目的は、植付体の姿勢変更
を簡素な構造で行うことができるようにした移植機の植
付装置を提供することにある。本発明の第3の目的は、
植付体のオープナの開閉によって植付穴を拡げることが
ないようにした移植機の植付装置を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明における課題解決
のための第1の具体的手段は、走行機体12に、畝14
に突入して内部に収納した苗28を植付ける植付体35
と、該植付体35に上下に長いループ状軌跡を描かせ
て、該植付体35を前記軌跡の前部側で下降して畝に突
入し且つ前記軌跡の後部側で上昇して畝から離脱させる
とともに下降から上昇に移行する前記軌跡の下部側で植
付体35を走行機体12に対して後方に移動させる運動
機構53とを備えた移植機の植付装置において、前記運
動機構53は、植付体35が下降から上昇に移行する後
方移動の過程で該植付体35の下部側が上部側に対して
前方に移動するように、植付体35が下降するときの畝
14に対する姿勢と上昇するときの畝14に対する姿勢
とを変更する姿勢変更手段を備えていることを特徴とす
るものである。
【0012】これによれば、ループ状軌跡の下部側にお
いて植付体35を下降から上昇に移行させながら走行機
体12に対して後方移動し、このとき畝14に植付体3
5を突入させて内部に収納した苗28を放出したのち畝
14から離脱する。そして、植付体35が下降から上昇
に移行する間の後方移動の過程で、植付体35は、その
下部側が上部側に対して前方へ移動するように姿勢変更
されるため、植付体35の上部側が後方へ移動する距離
に比べ、畝14に突入する下部側の後方移動距離を小さ
くできる。従って、運動機構53による植付体35の上
部側の後方移動距離が大きいものであっても、畝14へ
の突入部位の後方移動を小さくすることが可能で、畝1
4の植付穴を押し広げるようなことも少なくなって極端
に短い株間で良好な苗植付ができるようになる。
【0013】本発明の第2の具体的手段は、上記第1の
具体的手段に加えて、前記運動機構53は、植付体35
を前後に揺動可能に支持するリンク装置61を有し、該
リンク装置61は、上端が走行機体12側に枢支され且
つ下端が植付体35側に枢支された前後一対のリンク部
材66a,66bを有し、前記姿勢変更手段は、前後リ
ンク部材66a,66bの上端における前後の枢支点間
距離L1を下端における前後の枢支点間距離L2よりも
広く設定することで構成されていることを特徴とするも
のである。
【0014】これによれば、前後リンク部材66a,6
6bにおける前後の枢支点間距離を上下で異なるものと
するだけで、植付体35が前側に揺動した状態から後側
に揺動する間に、植付体35の上部側が大きく後方に移
動し、下部側が上部側に対して前方に移動しながら上部
側よりも小さく後方に移動し、植付体35の姿勢が容易
に変更される。
【0015】本発明の第3の具体的手段は、上記第1又
は第2の具体的手段に加えて、前記植付体35は、下部
に前後方向に開閉する前後一対のオープナ56F,56
Rを有し、該オープナ56F,56Rは、前側のオープ
ナ56Fのみを前後移動させることで開閉自在に備えて
いることを特徴とするものである。これによれば、前側
のオープナ56Fのみが移動して開くことで後側のオー
プナ56Rが植付穴を押し広げるようなこともなくな
り、苗の植付姿勢を崩すことが少なくなる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基いて説明する。図7において、野菜移植機11は、
走行機体12の後部に操縦ハンドル13を有する歩行型
であって、畝14を跨いでその長手方向に走行しつつ、
土付苗28をマルチフィルムMで覆われた畝14に所定
間隔で植付ける。
【0017】走行機体12は、前部に架台16を有し、
この架台16上にはエンジン17が搭載され、このエン
ジン17はボンネット18で覆われており、架台16の
後部にはエンジン17から動力が伝達されるミッション
ケース19が固定され、このミッションケース19の後
部に角パイプ等で形成された主フレーム15の前部が固
定され、この主フレーム15の後部は上向きに曲がって
いて操縦ハンドル13を形成している。
【0018】ミッションケース19内からの動力は、左
右側方に突出する車輪伝動軸20と、この車輪伝動軸2
0よりも後方に設けられて左右側方に突出する第1PT
O軸21と、後上方に突出する第2PTO軸22の3系
統で取り出すようになっている。前記車輪伝動軸20の
左右端には軸心回りに上下揺動する伝動ケース23を介
して左右の駆動輪(後輪)24を支持して、伝動ケース
23内の巻掛伝動体25により駆動輪24を駆動可能に
している。この駆動輪24は畝14間の溝内を転動す
る。また、走行機体12の前部には、左右一対の前輪2
6、畝高さ検出ローラ27が備えられている。
【0019】走行機体12の後部には、移植作業部29
が設けられている。この移植作業部29は、苗供給装置
30と、この苗供給装置30から供給される土付苗28
を植付筒(植付体)35によって畝14に植え付ける植
付装置31と、苗28が植付けられる位置に予めマルチ
フィルムMに植付孔を穿けるマルチフィルム穿孔装置3
2等を有している。苗供給装置30は第2PTO軸22
の回転動力により駆動され、植付装置31及びマルチ穿
孔装置32は第1PTO軸21の回転動力により駆動さ
れる。
【0020】苗供給装置30は、主フレーム15上に装
着されており、土付苗28が育苗されたポット部33a
が縦横に多数配設された苗トレイ33を横方向及び縦方
向に移送しつつ、この苗トレイ33から、植付装置31
に対して所定の苗取出位置にて苗取出爪34により土付
苗28を一つずつ取り出して、この土付苗28を植付装
置31上方まで移送した後に植付筒35内に落とし込ん
で装入するようになっている。前記苗トレイ33は樹脂
製で可撓性を有し、縦横に多数配列したポット部33a
が後面に突出して備えられており、各ポット部33aに
土付苗28が育苗されている。
【0021】この苗供給装置30の動力受入軸36に
は、第2PTO軸22に連結された伝動軸37がユニバ
ーサルジョイントを介して連結されて、この伝動軸37
からの動力により上記した動作が繰り返される。前記植
付装置31及びマルチフィルム穿孔装置32は、図5,
図6にも示すように、ミッションケース19の第1PT
O軸21に上下揺動自在に支持された装置フレーム38
上に備えられている。この装置フレーム38は四角枠形
状に形成され、前後中途の上部に固定の左右のベアリン
グ40には、駆動軸41を回転自在に支持している。こ
の駆動軸41の左端部にはスプロケット42が設けら
れ、このスプロケット42と第1PTO軸21の左端部
に設けたスプロケット43とには伝動チェーン44が巻
回されて、エンジン17の回転動力を駆動軸41に伝動
するチェーン伝動手段を構成している。45はチェーン
ケースである。
【0022】また、装置フレーム38の後部には鎮圧・
覆土ローラ46が設けられており、装置フレーム38の
後端部は畝追従手段(図示せず)を介して主フレーム1
5に吊持されており、畝14の高さに追従して装置フレ
ーム38が上下揺動可能となされている。前記マルチフ
ィルム穿孔装置32は、電熱式又はガス火炎式の穿孔手
段47を備え、この穿孔手段47は平行リンク48を介
して上下動自在に装置フレーム38に連結されている。
この平行リンク48は、駆動軸41に設けた平面カム5
1の回転によって上下揺動し、穿孔手段47を下動して
その下端部をマルチフィルムMに押し当てることで植付
用の孔を穿孔するようにしている。
【0023】前記植付装置31は、苗供給装置30から
供給される土付苗28を畝14に所定間隔で植付けるべ
く畝14に対して突き刺し運動される植付筒(植付体)
35と、この植付筒35を上下昇降動かつ前後動させる
ことで上下に長いループ状軌跡を描いて移動させる揺動
リンク機構(運動機構)53とから主構成されている。
【0024】なお、前記植付装置31の植付筒35の後
方には、スクレーパ装置52が設けられており、植付筒
35が畝14に突入されて苗28を植付けたのち揺動リ
ンク機構53によって上昇移動される際に、植付筒35
下部のオープナー56F、56Rの後外側壁面及び内側
壁面に付着した土を掻き落とすようになっている。植付
筒35は、その上部が平面視方形状の開口を有する筒部
35aであり、筒部35aの下側には、取付ピン55を
支点に前後方向で開閉自在となる前後一対のオープナ5
6F、56Rを備えている。該オープナ56F,56R
は、下端が先尖り状のくちばし形状に形成されており、
上端が取付ピン55で筒部35aに支持される。
【0025】後側のオープナ56Rは、取付ピン55に
よって枢支されているが、ストッパ等によってその揺動
が規制されて筒部35aに対して略固定され、常に閉状
態となっており、前側のオープナ56Fが、前記取付ピ
ン55によって後側のオープナ56Rに対して前方に揺
動することで開閉自在としている。そして、オープナ5
6F、56Rは、植付筒35の軌跡K1の略下死点にて
閉状態で畝14に突入して畝14に植付穴を形成し、こ
れと略同時に前オープナ56Fと装置フレーム38とに
枢結された連動具57によって前オープナ56Fを開
き、形成した植付穴内に土付苗28を落下して植付け得
るようになっている。
【0026】前記前後オープナ56F、56Rは、連動
具57が作用していない際には常に閉鎖するように引張
バネ58によって付勢されており、また、前側のオープ
ナ56Fには、該オープナ56Fの開度を制限するスト
ッパボルト59を設けている。なお、上記前オープナ5
6Fの開閉動作は上記連動具57によるものに限らず、
例えば駆動軸41の回転に連動してカム、リンク等を介
して開閉させるものであってもよく、前後オープナ56
F、56Rの双方を開閉揺動させることもできるが、こ
の場合は、前オープナ56Fと後オープナ56Rとをリ
ンク等で連結して前オープナ56Fに連動して後オープ
ナ56Rも開くようにするとよい。
【0027】図1〜3に示すように、揺動リンク機構5
3は、下端部が前後揺動自在となるように上端部が装置
フレーム38に軸支された第1リンク装置61を備え、
この第1リンク装置61の下端部に揺動プレート62を
枢結し、この揺動プレート62に第2リンク装置63の
前端部を枢結し、この第2リンク装置63の後端部に植
付筒35の上部を枢結している。したがって、植付筒3
5は、第1リンク装置61によって前後揺動自在に支持
され、第2リンク装置63によって上下揺動自在に支持
されている。
【0028】前記第1リンク装置61は、前後一対のリ
ンク部材66a,66bを有し、この前後リンク部材6
6a,66b上端のベアリングに、装置フレーム38に
立設した支持ブラケット64の前後一対の上側枢支ピン
67a,67bが嵌挿され、前後リンク部材66a,6
6b下端のベアリングに前記揺動プレート62の前部に
設けた前後一対の下側枢支ピン68a,68bが嵌挿さ
れている。
【0029】前記第2リンク装置56は、上下のリンク
部材70a,70bからなる平行リンクで、上下リンク
部材70a,70b前端のベアリングに、揺動プレート
62後部に設けた上下一対の前側枢支ピン71a,71
bが嵌挿され、上下リンク部材70a,70b後端のベ
アリングに植付筒35の筒部35aに固着された上下一
対の後側枢支ピン72a,72bが嵌挿され、上側リン
ク部材70aに、前記駆動軸41に設けたクランクアー
ム74の先端部を枢結している。
【0030】したがって、第1PTO軸21からの動力
により駆動軸41を介してクランクアーム74が回転す
ることで、第1、第2リンク装置61、63及び揺動プ
レート62を介して植付筒35が上下に昇降しながら前
後にも移動し、植付体35の下端部が閉ループの軌跡K
1を描き、その軌跡K1の上部側では走行機体12の進
行方向(前方)に植付筒35を移動させ、軌跡K1の前
部側では植付筒35を下降し、軌跡K1の下部側では走
行機体12の進行方向と逆方向(後方)に植付筒35を
移動し、軌跡K1の後部側では植付筒35を上昇させる
ようになっており、走行しながら植付筒35を畝14に
突き刺す際において、植付筒35が圃場に対して略前方
移動のないようになっている。
【0031】前記第1リンク装置61において、前後リ
ンク部材66a,66b上端の前後上側枢支ピン67
a,67bの間隔L1は、下端の前後下側枢支ピン68
a,68bの間隔L2よりも広くなるように設定されて
いる。したがって、第1リンク装置61は、前後リンク
部材66a,66b及び揺動プレート62、支持ブラケ
ット64によって略台形状のリンク構造となっている。
【0032】上記駆動軸41を回転させた場合、前記し
たように揺動リンク機構53を介して植付筒35はルー
プ状軌跡を描いて移動するが、植付筒35の姿勢は、下
降する際には畝14に対して前傾斜し、上昇する際には
畝14に対して後傾斜するようになっている。すなわ
ち、第1リンク装置61が前側に揺動する(植付筒35
が下降する)場合には、図1及び図4に示すように、前
リンク部材66a下端の前下側枢支ピン68aが後リン
ク部材66b下端の後下側枢支ピン68bよりも下方に
位置して揺動プレート62が後斜め上方に傾斜する。
【0033】これにより、第2リンク装置62において
は、上リンク部材70a前端の上前側枢支ピン71aよ
りも、下リンク部材70b前端の下前側枢支ピン71b
が後方に位置し、植付筒35側の上後側枢支ピン72a
よりも下後側枢支ピン72bが後方に位置し、植付筒3
5は、その上部側(筒部35a)が前側、下部側(オー
プナ56a,56b)が後側となるように前傾斜する。
【0034】反対に、第1リンク装置61を後側に揺動
する(植付筒35を上昇させる)場合は、前リンク部材
66a下端の前下側枢支ピン68aが、後リンク部材6
6b下端の後下側枢支ピン68bよりも上方に位置して
揺動プレート62が後斜め下方に傾斜し、第2リンク装
置62を介して植付筒35は、その上部側が後側、下部
側が前側となるように後傾斜する(図3参照)。
【0035】したがって、植付筒35は、下降から上昇
に移行する間の後方移動過程で、筒部35a側がオープ
ナ56F,56R側よりも後方へ大きく振れることで、
該オープナ56F,56R側が筒部35a側に対して前
方に移動し、植付筒35全体の姿勢を前傾姿勢から後傾
姿勢に変えるようになっている。図1〜図3に移動軌跡
K2で示すものは比較例であり、これは、図4に2点鎖
線で示すように、第1リンク装置61における前後リン
ク部材66a,66b上端の前後枢支点間距離を下端の
枢支点間距離L2に一致させることで、植付筒35を畝
14に対して常に略垂直姿勢とした場合の植付筒35の
下部の軌跡を示している。
【0036】この軌跡K2と前記軌跡K1とを比較する
と、植付筒35が下降する際においては、植付筒35が
前傾斜してその軌跡K1が略垂直姿勢の軌跡K2よりも
後方側へ位置し、植付筒35が上昇する際においては、
植付筒35が後傾斜してその軌跡K1が軌跡K2より前
方へ位置する。したがって、本発明の軌跡K1は、略垂
直姿勢の植付体35の軌跡K2よりも前後方向で内回り
となり、前後の移動距離が小さくなったより細長いルー
プ状軌跡K1を描き、走行機体12の進行速度を遅くし
て極端に狭い株間で苗を植付ける場合であっても畝への
突入位置と離脱位置とを略一致させることができる。
【0037】このように植付筒35を前傾斜姿勢から後
傾斜姿勢に姿勢変更することで、植付筒35上部の支持
点72a,72bでは揺動リンク機構53によって前後
に大きく移動させるが、植付筒35下部においては前後
移動が小さくなり、極端に狭い株間での植付けを可能と
している。なお、図2に示すように、植付筒35を畝1
4に突入してオープナ56F、56Rを開く場合には、
前側のオープナ56Fのみが前揺動して開くため、後オ
ープナ56Rによって植付穴を後方へ押し広げることも
なくなり、苗28の植付姿勢を崩すことが殆どなく、ま
た、このときの植付筒35の姿勢は、畝14に対して略
垂直状態となり、苗を直立して植付けることができるよ
うになっている。
【0038】上記において、第1リンク装置61におけ
る前後リンク部材66a,66bの上端側の前後枢支点
間距離を下端側の前後枢支点間距離よりも広く設定する
ことで植付筒35の姿勢を変更する姿勢変更手段を構成
している。図8は、本発明の第2の実施形態を示してお
り、本実施形態では、植付筒35の下降時及び上昇時に
おける畝に対する姿勢をそれぞれ可変とすることで植付
筒35下部側の後方移動距離を変更できるようにしてい
るものである。
【0039】本実施形態の第1リンク装置61は、前後
リンク部材66a,66b上端の上側枢支ピン67a,
67bは、その前後間距離を変更可能としている。すな
わち、支持ブラケット64に対して前上側枢支ピン67
aは固着されているが、後上側枢支ピン67bは、前後
位置調整自在に支持ブラケット64に固定されている。
【0040】この後上側枢支ピン67bを位置調整自在
とする構造の一例として、図8のように、後上側枢支ピ
ン67bを固着した支持板69に、左右に貫通するボル
ト孔69aを形成し、支持ブラケット64に、左右方向
に貫通する前後に長い長孔64aを形成し、ボルト孔6
9aと長孔64aとにボルト75を通してナット76締
めすることで支持ブラケット64に対して後上側枢支ピ
ン67bを固定する。従って、調整の際には、ナット7
6を緩めて支持板69を前後に移動させ、再びナット7
6を締めつけることで前上側枢支ピン67aとの距離を
変更できるようになっている。
【0041】前上側枢支ピン67aと後上側枢支ピン6
7bとの間隔を最も小さくした場合には、その間隔が、
前後リンク部材66a,66b下端の前下側枢支ピン6
8aと後下側枢支ピン68bとの間隔L2に略一致する
ように設定されており(図4及び図5に2点鎖線で示
す)、この状態で第1リンク装置61は、前リンク部材
66aと後リンク部材66bとが略平行に配置される平
行リンクとなる。
【0042】このとき、駆動軸41を回転させて第1,
第2リンク装置61,63等を介して植付筒35を移動
させると、第1実施形態で比較例として示したものと同
様に、植付筒35は畝14に対して略垂直姿勢でその下
端部が図1〜3における略長円形軌跡K1を描き、比較
的広い株間で植付ける場合に適する。そして、株間を極
端に小さくする場合、すなわち、走行機体12の進行速
度を遅くして苗28を植付ける場合には、第1リンク装
置61における後リンク部材66bの後上側枢支ピン6
7bを、支持ブラケット64に形成した長孔64aの範
囲で後方に移動してボルト固定し、前上側枢支ピン67
aとの間隔を拡げ、上側枢支ピン67a,67bの前後
間隔L1を、下側枢支ピン68a,68bの前後間隔L
2よりも広くする。これにより、前記第1実施形態で示
す状態となって、植付筒35の姿勢を傾斜姿勢に変える
ことで上記軌跡K1よりも細長の軌跡K2で植付筒35
の下部を移動させるようにし、走行機体12を遅くした
場合にも対応できるようにしてなる。
【0043】なお、第2実施形態においては、前後リン
ク部材66a,66bの下端部側の前後枢支ピン68
a,68bの間隔を上端部側よりも狭くなるように位置
調整自在としてもよいし、前後リンク部材67a,67
bの上下端部においてその前後枢支ピン間隔を変更でき
るようにしてもよく、いずれの場合も図5に示すような
構造を採用できるが、この構造に限定されるものではな
い。
【0044】尚、本発明は前記実施の形態に限定される
ものではなく、種々変形することができる。例えば、移
植機11は歩行型を示したが、乗用型又はトラクタ牽引
型でもよい。
【0045】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の請求項1に
よれば、植付体が下降から上昇に移行する間の後方移動
の過程で、該植付体はその下部側が上部側に対して前方
移動するように姿勢変更されるため、植付体の上部側が
後方へ移動する距離に比べ、畝に突入する下部側の後方
移動距離を小さくできる。従って、運動機構による植付
体の上部側の後方移動距離が大きくても、畝へ突入する
下部側の後方移動を小さくすることが可能で、畝の植付
穴を押し広げるようなことも少なくなって極端に短い株
間で良好な苗植付ができるようになる。
【0046】請求項2によれば、植付体の姿勢変更を簡
素な構造で容易に行うことができる。請求項3によれ
ば、畝に植付体を突入した際に、植付体の前側のオープ
ナのみを開くことによって植付穴を拡げることが少なく
なり、苗の植付姿勢を適正に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る植付体下降時の側面
図である。
【図2】同植付体が移動軌跡下部側にあるときの側面図
である。
【図3】同植付体上昇時の側面図である。
【図4】第1リンク装置の側面図である。
【図5】移植機の要部を示す側面図である。
【図6】同移植機の要部を示す平面図である。
【図7】移植機の全体を示す概略側面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る第1リンク装置
の平面図である。
【図9】従来例に係る植付体の移動状態を示す側面図で
ある。
【符号の説明】
11 移植機 12 走行機体 28 土付苗 35 植付筒 53 揺動リンク機構(運動機構) 56F 前側オープナ 56R 後側オープナ 61 (第1)リンク装置 66a 前リンク部材 66b 後リンク部材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行機体(12)に、畝(14)に突入
    して内部に収納した苗(28)を植付ける植付体(3
    5)と、該植付体(35)に上下に長いループ状軌跡を
    描かせて、該植付体(35)を前記軌跡の前部側で下降
    して畝に突入し且つ前記軌跡の後部側で上昇して畝から
    離脱させるとともに下降から上昇に移行する前記軌跡の
    下部側で植付体(35)を走行機体(12)に対して後
    方に移動させる運動機構(53)とを備えた移植機の植
    付装置において、 前記運動機構(53)は、植付体(35)が下降から上
    昇に移行する後方移動の過程で該植付体(35)の下部
    側が上部側に対して前方に移動するように、植付体(3
    5)が下降するときの畝(14)に対する姿勢と上昇す
    るときの畝(14)に対する姿勢とを変更する姿勢変更
    手段を備えていることを特徴とする移植機の植付装置。
  2. 【請求項2】 前記運動機構(53)は、植付体(3
    5)を前後に揺動可能に支持するリンク装置(61)を
    有し、該リンク装置(61)は、上端が走行機体(1
    2)側に枢支され且つ下端が植付体(35)側に枢支さ
    れた前後一対のリンク部材(66a,66b)を有し、
    前記姿勢変更手段は、前後リンク部材(66a,66
    b)の上端における前後の枢支点間距離(L1)を下端
    における前後の枢支点間距離(L2)よりも広く設定す
    ることで構成されていることを特徴とする請求項1に記
    載の移植機の植付装置。
  3. 【請求項3】 前記植付体(35)は、下部に前後方向
    に開閉する前後一対のオープナ(56F,56R)を有
    し、該オープナ(56F,56R)は、前側のオープナ
    (56F)のみを前後移動させることで開閉自在に備え
    ていることを特徴とする請求項1又は2に記載の移植機
    の植付装置。
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