JP3227364B2 - 移植機の苗取出方法及び装置 - Google Patents

移植機の苗取出方法及び装置

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JP3227364B2
JP3227364B2 JP32919195A JP32919195A JP3227364B2 JP 3227364 B2 JP3227364 B2 JP 3227364B2 JP 32919195 A JP32919195 A JP 32919195A JP 32919195 A JP32919195 A JP 32919195A JP 3227364 B2 JP3227364 B2 JP 3227364B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移植機の苗取出方
法及び装置に係り、キャベツ、レタス等の野菜移植に利
用される。
【0002】
【従来の技術】縦横格子状の配列でポット部を有する苗
トレイに苗を育苗させておき、前記ポット部から苗土
(土付苗)を取出して移植する野菜移植機は公知であ
り、農作業の機械化を図っている。この種の野菜移植機
は、特開平4−330211号公報に開示されているよ
うに、主要構成が、苗トレイにおけるポット部の苗土に
突入可能な一対の苗取出爪と、この一対の苗取出爪を互
いに離して先端に設けた爪支持体と、一対の苗取出爪の
進退を案内する一対の爪ガイドと、前記爪支持体及び爪
ガイドをそれぞれ往復動自在に支持する保持体と、爪支
持体及び爪ガイドを往復動させる爪動作機構とを有して
いる。
【0003】そして、ポット部の開口側から苗取出爪を
苗土に突入しかつ退出することでポット部の開口から苗
土を取出し、この取出した苗土を植付装置の上方まで移
送し、爪支持体及び爪ガイドを植付筒に対応した略下向
きの姿勢にした後、爪ガイドを苗取出爪先端側へ移動し
て、苗取出爪で取出した苗土を苗取出爪から離脱して植
付装置に落下供給するようになっている。
【0004】前記移植機の苗取出装置では、爪ガイドは
苗取出爪に嵌合支持されたパイプであり、一対の苗取出
爪及び爪ガイドは先端側で近づくように傾斜配置されて
いて、爪支持体は一対の苗取出爪を備えたまま苗ポット
に対して直線移動するのに対して、爪ガイドは苗取出爪
に沿って直線移動し、また、一対の苗取出爪及び爪ガイ
ドは爪支持体に対して枢支されていて、先端側が遠近移
動(開閉)するようになっており、更に側面視におい
て、苗取出爪は苗取出時に苗土の中心線上を突き進む。
【0005】従って、爪支持体を直線移動して苗取出爪
を苗土に突き刺し、突き刺した苗取出爪を閉鎖して苗土
を狭待し、爪支持体の後退移動で苗土を取出し、爪支持
体及び爪ガイドを略下向きの姿勢にした後、苗取出爪の
先端を開き、そして爪ガイドを苗取出爪先端側へ移動し
て、苗土を苗取出爪から離脱する。その後に、爪支持体
を苗土取出し位置へ移動しながら爪ガイドを後退させ
る。
【0006】また、前記移植機の苗取出装置における苗
取出爪は、断面円形状の丸棒によって構成されていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記従来語術では、苗
土取出し時に爪支持体を直線移動して苗取出爪を苗土に
突き刺しかつ苗取出爪を閉鎖して苗土を狭待するため、
苗土の搬送中の落下は防止できるが、狭待によって苗取
出爪で苗土を破損する可能性があり、動作が2段階にな
るので苗土の取出しを迅速にするのが困難になる。
【0008】また、爪ガイドで苗土を苗取出爪から離脱
できるが、苗取出爪の開放と爪ガイドの進出という2段
階動作が必要になり、苗土の離脱を迅速にするのが困難
になると共に、爪ガイドが各苗取出爪に嵌合したパイプ
であるため、苗土に突き刺さるようになって充分な押動
が困難である。しかも、苗取出爪離脱位置で爪支持体及
び爪ガイドが後退しないので、往行程と復行程の軌跡を
代えて各行程で最適な軌跡を通らせることが困難であ
る。即ち、復行程時に苗取出爪をポット部の苗土に突入
させるとき、苗葉を突き刺したり破ったりしないような
軌跡にすることが困難になる。
【0009】また、前記従来技術の苗取出爪では、断面
円形の丸棒であることから、苗土に苗取出爪を突き刺し
た状態で植付装置における植付筒に向かって分送すると
き、苗土の保持力が弱く分送中の苗土が苗取出爪より不
測に抜け落ちるおそれがあり、これが欠株の要因のひと
つとなっていた。一方、苗土の保持力を高めるため、断
面矩形、すなわち、平板状の苗取出爪にすると、ポット
部の苗土に突き刺す抵抗が大となって、苗土の形崩れを
招き易く、ポット部からの苗土離脱が実質的に不可能に
なるおそれがあった。
【0010】本発明は、このような従来技術の問題点を
解決して、苗土を損傷することなく迅速かつ正確にポッ
ト部から取出し、苗取出爪から迅速かつ正確に離脱し、
植付装置側へ安定姿勢で受渡しできるようにした移植機
の苗取出方法及び装置を提供することを目的としたもの
である。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、苗トレイ2に
おけるポット部3に対して、互いに離れて位置する棒状
体よりなる一対の苗取出爪4を突入しかつ退出すること
で、ポット部3から苗土5を取出す方法において、前述
の目的を達成するために、次の技術的手段を講じてい
る。
【0012】すなわち、請求項1に係る方法は、前記一
対の苗取出爪4をポット部3内の苗土5に対して棒長手
方向に直進させながら爪ガイド6で爪先端間距離を狭め
ていき、直進終了において爪先端をすきまのない状態で
突合せし、その後、該突合せ状態のままで退出すること
を特徴とするものである。また、本発明は、苗トレイ2
におけるポット部3の苗土4に突入可能な棒状体よりな
る一対の苗取出爪4と、この一対の苗取出爪4を互いに
離して先端に設けた爪支持体8と、一対の苗取出爪4を
棒長手方向に進退案内する爪ガイド6と、前記爪支持体
8及び爪ガイド6をそれぞれ苗トレイ2のポット部3に
対して往復動自在に支持する保持体9と、該保持体9を
往復動させる爪動作機構10と、を備えている移植機の
苗取出装置において、前述の目的を達成するために、次
の技術的手段を講じている。
【0013】すなわち、請求項2に係る装置は、前記一
対の苗取出爪4の先端が遠近移動すべく爪支持体8に対
して枢支間隔Xをおいて枢支し、前記爪ガイド6には前
記枢支部より先端側でかつ枢支間隔Xよりも短い間隔X
1で前記苗取出爪4を棒長手方向に直進案内するガイド
部11を形成しており、前記枢支間隔Xとガイド部11
の間隔X1は、前記ポット部3の苗土5に苗取出爪4が
突入終了したとき爪先端をすきまのない状態で突合せる
関係に設定してあることを特徴とするものである。
【0014】また、本発明では前記苗取出爪4は分送中
の苗土5支え側に棒長手方向に沿って平坦面204が形
成されていることを特徴とするものであり、更には、前
記苗取出爪4の先端は、先細り形状に形成されているこ
とを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図13において、野菜移植機21
は、走行車両(走行体)22の後部に操縦ハンドル20
を有する歩行型であって、畝7を跨いでその長手方向に
走行しつつ、土付き苗5をマルチフィルムで覆われた畝
7に所定間隔をおいて植付けるものである。
【0016】走行車両22は、装置フレーム23と、こ
の装置フレーム23の前端部に設けられた架台24等と
を備え、装置フレーム23の前部は下向きに曲がってい
て架台24の側部に固定されており、後部は上向きに曲
がっていて操縦ハンドル20が取着されている。架台2
4上にはエンジン25が搭載され、このエンジン25は
ボンネット26で覆われており、架台24の後部にはミ
ッションケース27が固定され、このミッションケース
27内の動力伝達機構にエンジン25の動力が伝動され
る。
【0017】ミッションケース27内に入力された動力
は、左右側方に突出する車輪伝動軸28に伝達されると
共に、この車輪伝動軸28よりも後方に設けられて左右
側方に突出する第1PTO軸29と、後上方に突出する
第2PTO軸30とから取出せるようになっている。車
輪伝動軸28の左右両端部にはその軸心回りに上下揺動
自在な伝動ケース31を介して左右の後輪32が支持さ
れ、この後輪32には車輪伝動軸28から伝動ケース3
1内の動力伝達機構を介してエンジン25の動力が伝達
される。また、走行車両22の前部には、左右一対の前
輪33、畝高さ検出ローラ36が備えられている。
【0018】走行車両22の後部には、移植作業部37
が設けられている。この移植作業部37は、苗供給装置
39と、この苗供給装置39から供給される土付き苗5
を植付筒43によって畝7に植付ける植付装置35と、
苗が植付けられる位置に予めマルチフィルムに移植用の
孔を穿けるマルチフィルム穿孔装置38等を有してい
る。なお、苗供給装置39は第2PTO軸30の回転動
力により駆動され、植付装置35及びマルチ穿孔装置3
8は第1PTO軸29の回転動力により駆動される。
【0019】前記植付装置35及びマルチフィルム穿孔
装置38は、ミッションケース27の第1PTO軸29
に上下揺動自在に支持された可動フレーム41上に備え
られている。この可動フレーム41の後端部は装置フレ
ーム23に上下方向位置調整可能に吊持されており、可
動フレーム41の後部には覆土・鎮圧ローラ42が設け
られている。
【0020】図1〜12において、苗供給装置39は、
装置フレーム23上に装着されており、土付き苗5が育
苗されたポット部3が縦横に多数配設された苗トレイ2
を横方向及び縦方向に移送する搬送装置34と、この搬
送装置34上の苗トレイ2から、所定の苗取出位置にて
苗取出爪4により土付き苗5を一つずつ取り出して、こ
の土付き苗5を植付装置35上方まで移送した後に植付
筒43内に落とし込む苗取出装置1とを有して構成され
ている。
【0021】なお、苗トレイ2は樹脂製で可撓性を有
し、縦横に多数配列したポット部3が前面に開口して背
面に突出して形成されており、各ポット部3に土付き苗
5が育苗されている。前記苗取出装置1は、互いに離れ
て位置する棒状体よりなる一対の苗取出爪4と、この一
対の苗取出爪4を互いに離して先端に設けた爪支持体8
と、一対の苗取出爪4を棒長手方向に進退案内する爪ガ
イド6と、前記爪支持体8及び爪ガイド6をそれぞれ苗
トレイ2のポット部に対して往復動自在に支持する保持
体9と、爪支持体8及び爪ガイド6を適正に往復動作さ
せる爪動作機構10とを有している。
【0022】前記爪動作機構10は、苗トレイ2と植付
筒43との間で苗取出爪4を姿勢変更しながら往復動作
させるものであり、装置フレーム23上に固定された支
持フレーム14を備え、この支持フレーム14には、第
2PTO軸30からの回転動力によって、図1〜5にお
いて反時計回りに回転駆動されるクランク体52が回動
軸51に設けられている。このクランク体52にはクラ
ンクピン53が側方に突設されていると共に、クランク
体52と同軸心として駆動カム62が備えられている。
【0023】また、支持フレーム14には、クランク体
52の下方で揺動アーム54の下部が揺動軸54Aによ
り枢結されていて、この揺動アーム54の中途部には上
下方向(アーム長手方向)に延びる溝カム55が形成さ
れ、この溝カム55にクランク体52のクランクピン5
3が挿通係合されている。前記溝カム55は中央の円弧
部の両端に、逆円弧部と直線部とを連続形成した形状で
あり、前記円弧部と逆円弧部とは角ばった境目がない円
滑な曲線で接続されており、クランクピン53は図6
(a)に示すように、溝カム55の内周面にA→B→C
→D→E→Fの順に当接していく。
【0024】前記A〜Fの各部に対応して苗取出爪4の
先端の移動行程が決定されており、F行程とA行程の境
目をポイントP1、A行程とB行程の境目をポイントP
2、C行程とD行程の境目をポイントP3、D行程とE
行程の境目をポイントP4と符号を付けている。溝カム
55は搬送装置34へ土付き苗5を取るために揺動アー
ム54を揺動するE〜F行程の距離が短く、一方、植付
装置35へ土付き苗5を供給するために揺動アーム54
を揺動するC〜D行程の距離が長く設定されており、早
戻り機構が構成されている。
【0025】すなわち、往復速度を比較すると、苗取出
爪4によってポット部3から土付き苗5を取出すための
復行程Yのときはその移動を早くし、ポット部3から土
付き苗5を取出して植付筒43に受渡す往行程Xのとき
は遅速移動するようにして、土付き苗5の移送途中の落
下を防止しながら早戻りさせて、苗取出・供給の効率化
を図っている。
【0026】揺動アーム54の上部には保持体9がピン
54Bを介して枢結されている。この保持体9はピン5
4Bを設けた部位が筒形状に形成されており、この筒状
部には、軸方向移動自在にパイプ製の爪支持体8が挿通
案内されて、この爪支持体8は搬送装置34の苗トレイ
2に向かって出退可能とされている。この爪支持体8の
先端部に、ポット部3内の土付き苗5に斜め方向から突
き刺される一対の苗取出爪4が取付けられている。
【0027】この苗取出爪4は、図1(A)(B)
(C)で示すように、金属棒材(望ましくは表面にフッ
素樹脂をコーティングしたもの)、硬質樹脂棒材等の棒
状体104よりなっていて、その先端が側面視で上向テ
ーパー304とされるとともに平面視において先細りテ
ーパー404,504とされることで先細状とされて苗
土の突入抵抗を少なくしているとともに、苗土を分送中
の支え側となる部分が棒長手方向の平坦面204とさ
れ、これにより、分送中の苗土が不測に抜け落ちるのを
防止している。
【0028】また、保持体9にはブラケット56を介し
て遊転自在にローラ57が取付けられ、このローラ57
は、支持フレーム14の上部にピン58を介して揺動自
在に取付けられたガイド板59に形成されたカム溝60
に係合されている。前記ガイド板59は突出腕の先端に
転動ローラ61を有し、この転動ローラ61は駆動カム
62上に当接されていて、駆動カム62の反時計方向の
回転によりガイド板59をピン58を中心として揺動可
能にしている。
【0029】ピン58を中心とするガイド板59の揺動
は、苗取出爪4がポット部3に向って進出するときは、
突入開始点(図2参照)の手前から、土付き苗5の葉を
下側からすくい込むように、苗取出爪4の先端をピン5
4Bの廻りで首振りするようにしていると共に、揺動ア
ーム54の揺動角度に応じた保持体9の姿勢(特に、揺
動アーム54に対する保持体9の相対角度)を規制して
いる。
【0030】また、ポット部3から取出された土付き苗
5を植付筒43の上方に移送させるとき(図3に示す状
態から図4に示す状態まで)には、苗取出爪4を大きく
後下方へ移動させると共に略下向き姿勢に変更し、土付
き苗5を略鉛直姿勢にする。そのために、カム溝60の
後部側(図3左側)は、ローラ57を揺動アーム54の
揺動軸54Aから離れる方向に移動させる形状とされて
いる。
【0031】爪支持体8の外周には、図8〜11に示す
ように、その基端部に設けた基体65と保持体9の筒状
部との間に、爪支持体8を後退する方向に付勢するコイ
ルスプリング66が介装されており、爪支持体8の前端
部には爪取り付け具67が嵌合固定されている。この爪
取り付け具67に一対の苗取出爪4の基部がそれぞれ軸
4aを介して又は苗取出爪4の基部を直角に折曲して軸
として枢支されており、一対の苗取出爪4は爪取り付け
具67に対して先端が遠近移動するように揺動可能にな
っている。
【0032】前記保持体9の下端部には、押出リンク6
8がピン69を介して回動自在に枢結されている。この
押出リンク68の先端部には長溝(又は長孔)70が形
成され、爪取り付け具67の突出腕に設けたピン71と
係合されている。この押出リンク68には略円弧状のカ
ム板73が設けられ、このカム板73はクランク体52
のクランクピン53と当接可能である。クランクピン5
3がF行程の後期に対応して、揺動アーム54が搬送装
置34側の揺動端に達するときに(図2参照)、回動し
てくるクランクピン53によってカム板73を介して押
出リンク68が揺動され、保持体9に対して爪取り付け
具67及び爪支持体8を搬送装置34側へ向けて押動
し、コイルスプリング66を圧縮する。これにより、苗
取出爪4は突出し、かつ爪支持体8が後退するための復
元力が保有されることになる。
【0033】6は前記爪支持体8、基体65及び爪取り
付け具67に長手方向摺動自在に挿入された爪ガイドで
あり、丸棒等で形成されていて、その前端にガイド部1
1を形成する部材が両苗取出爪4に跨がって装着され、
後端に側面視L字板状の作動部材76が装着され、中途
部に止め具77が固着され、この止め具77と基体65
との間にスプリング78が嵌装されている。
【0034】図9〜11に示すように、爪ガイド6は2
本の苗取出爪4に対して三角配置されており、ガイド部
11には2つの爪挿通孔11aが形成され、この左右爪
挿通孔11aの間隔は、左右苗取出爪4の枢支部間隔K
(枢支部である軸4aの間隔)より狭く設定されてい
る。すなわち、図1および図11で示しているように、
前記一対の苗取出爪4の先端が遠近移動すべく爪支持体
8に対して爪取り付け具67を介して枢支間隔Xをおい
て本実施例では棒状体104の基端(中途であっても良
い)を枢支し、前記爪ガイド6には、前記枢支部よりも
先端側でかつ枢支間隔Xよりも短い間隔X1で苗取出爪
4を棒長手方向に垂直案内するガイド部11を形成して
おり、前記両枢支間隔X,X1は、ポット部3の苗土5
に苗取出爪4が突入終了したとき爪先端をすきまのない
状態で突合せる関係に設定してある。
【0035】従って、苗取出爪4と爪ガイド6とが相対
移動すると苗取出爪4の爪先端間距離Lが変化する。即
ち、ガイド部11が苗取出爪4の先端側に位置すると
き、爪先端間距離Lは最も広く、この状態からガイド部
11を不動にしておいて苗取出爪4を棒長手方向に直進
していくと、苗取出爪4の基部側はガイド部11に近づ
き、爪先端間距離Lは次第に狭くなり、突入終了すると
図1(B)で示すように爪先端がすきまのない状態で突
合させるのである。
【0036】そのため、土付き苗5をポット部3から取
出すため、前進させていくと、左右の苗取出爪4の先端
は突き進みながら互いに近づき、土付き苗5の左右の中
心線Sに対して傾斜した略直線状の軌道上を移動するこ
とになる。苗取出爪4の先端を突合せた状態のままでポ
ット部3から爪4を退出することで苗土5が抜かれ、図
1に示す往動軌跡Xに沿って苗土5を植付筒43に向か
って移動することにより、苗土5が分送されるが、この
分送中において図1(C)および図11(B)(C)で
示すように平坦面204を形成しておくことにより、苗
土5を支えてその不測の落下を防止するのである。
【0037】このとき、平坦面204に棒長手方向のス
リット604を1本又は複数本形成しておくことによ
り、苗土5の不測の落下をより確実に防止でき、また、
ガイド部11における挿通孔11aに平坦面204と対
応する平坦なスクレープ部11b又はスリット604に
適合する突条のスクレープ部11cを形成しておくこと
により、棒状体104に付着した土等を確実にスクレー
プすることができて有利となる。
【0038】また、前記苗取出爪4で土付き苗5を取出
した状態で、爪ガイド6のガイド部11を苗取出爪4の
基部側に位置する状態から先端側へ移動すると、爪先端
間距離Lは狭い状態から広くなり、これと平行にガイド
部11が土付き苗5と当接して苗取出爪4から押し出す
作用をする。このとき、土付き苗5に対して苗取出爪4
の先端は、突入した軌道と略同一軌道で抜けることにな
り、突入時も離脱時も土付き苗5の損傷を最小限に抑え
る。
【0039】前記苗取出爪4は図8等に示す正面視にお
いて、ポット部3内の土付き苗5の中心線Sに対して、
表面側(ポット部3の開口縁側)で遠くかつ底面側で近
づくように突入すべく傾斜配置されており、従って、土
付き苗5は略截頭四角錐形状であるので、その表面下2
隅から底面中央へ2本の苗取出爪4を突き刺すようにな
り、土付き苗5の葉及び根を突き刺すことがなく、また
それに加えて左右苗取出爪4の先端が狭くなるので、ポ
ット部3の底近傍に衝突しないようになっている。
【0040】図8〜11において、前記保持体9には作
動片81が軸82を介して枢支され、スプリングによっ
て図8時計方向に付勢されており、この作動片81は1
本の足と左右両腕とを有する略T字形状であり、左腕に
はロック部81Aが、右腕には解除部81Bが、足には
押動部81Cが形成されている。前記爪ガイド6に固着
の作動部材76は爪ガイド6と平行な部分76Aを有
し、この部分76Aは保持体9によって回り止め状態で
摺動が案内されており、その摺動面に突出した前記作動
片81のロック部81Aと係合して、爪ガイド6の突出
方向の移動が規制されている。
【0041】前記爪支持体8の後端の基体65にはロッ
クアーム83が枢支されており、このロックアーム83
はスプリングによって時計方向に付勢されており、前部
側に保持体9の係合部9aと係合可能な被係合部83a
と、傾斜面83bと、前方に突出した突起83cとが形
成されている。爪支持体8は突出した状態でロックアー
ム83の被係合部83aが保持体9の係合部9aと係合
することによりその状態が保持され、作動片81が回動
することによりロック部81Aによる作動部材76の部
分76Aに対するロックが解除され、爪ガイド6が突出
して部分76Aが傾斜面83bと当接することにより、
被係合部83aが係合部9aから離脱され、この離脱が
不完全であっても、作動片81が更に回動することによ
り解除部81Bが突起83cを突き上げて、被係合部8
3aを係合部9aから強制離脱させる。
【0042】前記作動片81の押動部81Cは、ガイド
板59に位置調整自在に設けたロック解除部材84と当
接することにより回動されるようになっており、保持体
9が苗取出爪4を略下向き姿勢にする図4の状態に移動
してきたときにロック解除部材84と当接して、爪ガイ
ド6を突出させ、その後に爪ガイド6を伴って爪支持体
8を後退させる。なお、ロック解除部材84はボルト又
はピン等で形成されている。
【0043】前記保持体9、クランク体52、駆動カム
62、揺動アーム54、ガイド板59及び押出リンク6
8等から爪ガイド6及び爪支持体8等を支持し、苗トレ
イ2のポット部3に向く苗取出し姿勢から植付筒43に
向く略下向きの苗離脱姿勢まで姿勢変更しながら移動
し、苗取出し姿勢で土付き苗5を取出し、苗離脱姿勢で
土付き苗5を落下する動作を行わせる爪動作機構10が
構成されている。
【0044】また、ロック部81Aを有する作動片8
1、作動部材76及びロックアーム83等で、爪ガイド
6を爪先端側へ移動したときに爪支持体8と爪ガイド6
とを同時に後退させる戻し連動手段12が構成され、解
除部81Bを有する作動片81及びロックアーム83等
で、戻し連動手段12作動後に爪支持体8の戻り動作を
保障する戻し保障手段13が構成されている。
【0045】搬送装置34は、装置フレーム23に固定
されたサポートフレームにガイドレール等を介して左右
方向移動支持された可動枠(図示せず)を備えている。
この可動枠は前下向き傾斜状に配置され、前記苗トレイ
2は、ポット部3の開口が前上方を向くように可動枠の
上部側から可動枠後面に沿って装填され、可動枠の横移
動で左右方向に横送りされると共に、可動枠内で下方に
縦送りされるように構成されている。
【0046】可動枠には、図7に示すように、苗トレイ
2の底部(すなわちポット部3の底部)を横一列のポッ
ト部3に亘って支持案内する支持板93が取付けられて
いる。この支持板93は、苗取出爪4によって土付き苗
5が取出される位置のポット部3にまで延設されてお
り、この支持板93の先端部が、苗取出爪4を土付き苗
5に突き刺したときの苗トレイ2の撓みを阻止し、苗取
出爪4による安定した土付き苗5の取出しをするための
裏当て部材89となっている。
【0047】サポートフレームには、エンドレスの螺旋
溝を有する横送り軸102が回転自在に支持され、この
横送り軸102に苗取出装置1側からの動力が伝達可能
になっており、この横送り軸102と可動枠との間に可
動枠を横送りする横送り機構103が設けられており、
この横送り機構103で可動枠を、苗トレイ2の略全幅
だけ左右方向に往復横送り可能にしている。
【0048】また、可動枠下部には、横軸94が回動自
在に取付けられており、この横軸94には左右一対の縦
送りホイール95がワンウエイクラッチを介して設けら
れ、このホイール95には、可動枠の上部に設けられた
従動ホイールとにわたってチェーン97が掛装され、こ
のチェーン97に、縦方向のポット部3間の間隙に係合
する搬送ピン98が取付けられている。
【0049】前記横送り軸102と横軸94との間に
は、横送りされてきた可動枠がその左右移動終端に達し
たときに、苗トレイ2の1つのポット部間ピッチに相当
する距離だけ、縦送りホイール95を介してチェーン9
7を間欠移動する間欠送り手段99が設けられ、前記縦
送りホイール95、チェーン97、搬送ピン98及び間
欠送り手段99等によって、苗トレイ2を横送り後に1
ピッチだけ縦送りする間欠縦送り機構100が構成され
ている。
【0050】次に、前記爪動作機構10による苗取出爪
4の苗取出動作を説明する。なお、図1〜5には、土付
き苗5に苗取出爪4を突き刺したときから植付筒37の
上方で土付き苗5を落下させるときまでの苗取出過程
(往行程)の苗取出爪4の先端部の軌跡Xを1点鎖線
で、復行程の苗取出爪4の先端部の軌跡Yを2点鎖線で
示している。
【0051】苗取出動作は図1〜6に示すように、苗ト
レイ2におけるポット部3内の土付き苗5に対して、互
いに離れて位置する一対の苗取出爪4を葉の下側からす
くい上げながら土付き苗5の中心線Sに対して傾斜状態
で前進させて苗土(根鉢)に突入するA行程と;突き刺
した土付き苗5を苗取出爪4の後上方向後退移動でポッ
ト部3深さの中途まで取出すB行程と;苗取出爪4をポ
ット部3内から姿勢変更しかつ移動して苗トレイ2に対
向する姿勢から略下向き姿勢に移行するC行程と;この
C行程に続いて苗取出爪4を移動して植付筒43に対向
する略下向き姿勢に移行し、かつその最終位置で苗取出
爪4とそれを案内している爪ガイド6との相対移動で、
苗取出爪4から土付き苗5を離脱して植付筒43へ落下
供給するすると共に苗取出爪4を後退させるD行程と;
土付き苗5離脱後の苗取出爪4を復動させるE行程と;
このE行程に続いてA行程まで苗取出爪4を略下向き姿
勢から苗トレイ2に向く姿勢へ変更しながら復動させる
F行程と;を有する。
【0052】図1、2の状態で、保持体9は苗トレイ2
に略最接近した位置、即ち、ガイド部11の先端が土付
き苗5の葉を下側からすくい上げながら苗トレイ2に近
づいて最接近した位置(ポイントP1)であり、この状
態になるまで苗取出爪4を上昇させる揺動アーム54の
揺動は減速してきて、F行程の後期(ポイントP1の若
干手前)からクランクピン53がカム板73と当接を開
始している。
【0053】ポイントP1からクランクピン53が揺動
アーム54の溝カム55の中央円弧部内で回動する(A
行程)と、揺動アーム54は揺動しなく静止状態を維持
し、クランクピン53がカム板73を介して押動リンク
68をピン69を中心に揺動し、爪取り付け具67を介
して爪支持体8及び苗取出爪4をポット部3内の土付き
苗5に向けて前進させる。
【0054】このため苗取出爪4の上昇後期と前進移動
初期とはオーバラップしており、ポイントP1での軌跡
は円弧状となり、上昇した後に前進する場合と比して、
ポイントP1では苗取出爪4は土付き苗5の葉から若干
離れ、移動速度は余り低下することがなく、円滑な動き
となる。このとき、図8に示すように、爪ガイド6は作
動部材76が作動片81に当接していて不動であり、基
体65が前進することにより、スプリング66、78が
圧縮され、ロックアーム83の被係合部83aは保持体
9の係合部9aに係合して戻り動作が阻止される。
【0055】また、不動のガイド部11に対して苗取出
爪4が前進するため、左右一対の苗取出爪4は枢支部間
隔Kより狭いガイド部11の爪挿通孔11aに規制され
て、苗取出爪4の先端が前進しながらかつ爪先端間距離
Lを狭めながら土付き苗5に突き刺さり、突入終端にお
いて爪先端が突合される。側面視において、土付き苗5
の中心線Sに対して苗取出爪4の突き刺し方向は傾斜
し、苗の茎及び根に突き刺さることはない。
【0056】この突き刺さり状態では左右苗取出爪4
は、図11の2点鎖線状態から実線状態となって、広い
V字状から狭いV字状に変化する。この苗取出爪4のV
字状態は、平行状の場合よりも土付き苗5の抜けが少な
く、ポット部3から強力に取出すことができ、しかも変
化時に土付き苗5を挟み付けるようにしたものでないの
で、土付き苗5を破損することもない。
【0057】苗取出爪4による土付き苗5の突き刺し完
了後に、クランク体52が回転すると、クランクピン5
3を介して揺動アーム54が左方向に揺動し、苗取出爪
4及び爪ガイド6を共に後上方向に後退させて苗トレイ
2から引き離す(B行程)。これにより、苗取出爪4の
突き刺しと引き離し軌跡は略V字状軌跡となる。そして
図3の状態を経て、往動軌跡X上を移動する。溝カム5
5はこのB行程でA行程の円弧と逆向きになっているた
め、高速で揺動アーム54を揺動することになる。
【0058】往動軌跡X上の移動では、保持体9はそれ
に設けたローラ57がガイド板59のカム溝60に案内
され、これにより苗取出爪4及び爪ガイド6は、略水平
の取出し姿勢から図4に示す略下向きの離脱姿勢に変更
される(C行程)。このC行程の開始点Qは、苗取出爪
4がポット部3内にあり、土付き苗5をポット部3から
取出す途中、即ち、ポット部3の深さの中途であり、土
付き苗5がポット部3から完全に抜け出す前から、C行
程の苗取出爪4を略下向き姿勢への姿勢変更及び植付筒
43側への移行が開始される。
【0059】前記B行程からC行程への移行は滑らかで
あり、B行程が短縮されるので、動作時間は短くなり、
また、土付き苗5はポット部3内で姿勢が変更されるの
で、苗土の底部分がポット部3に衝突することが回避さ
れる。このC行程における苗取出爪4の姿勢変更は、カ
ム溝60が図3左側で尻上がり状になっていることによ
り達成されており、C行程の開始点Qはカム溝60の尻
上がり開始点を変更することにより調整できる。また、
苗取出爪4の姿勢変更は、駆動カム62でガイド板59
を上方へ揺動することでも達成でき、カム溝60の形状
と組み合わせることも可能である。
【0060】前記ローラ57がカム溝60の後端近傍ま
で移動してくると(図3)、作動片81の押動部81C
がロック解除部材84に当接し始める。C行程でも溝カ
ム55はA行程の円弧と逆向きになっており、C行程の
移行当初は高速で揺動アーム54を揺動するが、後半で
はその円弧の中心が回転軸51と同側になって、揺動ア
ーム54の揺動速度は時間をかけて低速まで減速され
る。
【0061】C行程とD行程との間のポイントP3は互
いに逆向きの円弧が段差なく連続しており、D行程の初
期までがC行程のようになっているので、揺動アーム5
4の揺動は加速されることはなく、クランク体52と揺
動アーム54とが略直角になる状態であるので、苗取出
爪4の先端は減速されて略停止状態になり、この状態の
ときに戻し連動手段12が作動することになる。
【0062】このD行程に入って減速されて略停止状態
になる時期が、苗取出爪4を苗トレイ対向姿勢から植付
筒対向姿勢までの移行の後半部分であり、十分低速にな
っており、苗取出爪4の慣性力も減衰されている。な
お、図6(b)は苗取出爪4の先端部の一定時間刻みの
軌跡を表示している。作動片81がロック解除部材84
に当接して回動を開始(戻し連動手段12の作動)する
と、ロック部81Aが作動部材76のロックを解除し、
爪ガイド6はそれまで圧縮されていたスプリング78に
よって弾発的に突出され、図4の2点鎖線及び図9に示
すように、不動の苗取出爪4に対して爪先端側へ前進
し、突き刺していた土付き苗5を押し出して離脱させ
る。
【0063】このとき、爪ガイド6のガイド部11は土
付き苗5を損傷することがない大きな面で苗土の肩部に
当接され、離脱された土付き苗5は植付装置35の植付
筒43に向けて落下し、受渡しが行われる。前記爪ガイ
ド6が突出されるとロックを解除された作動部材76は
一体的に移動し、図9に示すように、部分76Aがロッ
クアーム83の傾斜面83bに当接して被係合部83a
と係合部9aの係合を解除する。そのため突出状態に保
持されていた爪支持体8は、圧縮状態にあったスプリン
グ66によって弾発的に後退される(D行程の後半)。
【0064】このとき、爪ガイド6の後端の作動部材7
6は基体65の背面にクッション88を介して当接して
いるので、爪支持体8の後退に伴って爪ガイド6も後退
され、両者はスプリング66で素早く後退するので、落
下する土付き苗5の葉との爪ガイド6の接触が可及的に
回避される。また、爪ガイド6の移動抵抗が大き過ぎる
等の何らかの理由で、部分76Aがロックアーム83の
傾斜面83bを持ち上げられなかった場合は、ローラ5
7がカム溝60の後端に移動したとき、ロック解除部材
84によって作動片81が更に回動して、解除部81B
で突起83cを介してロックアーム83を回動(保障手
段13の作動)し、被係合部83aを係合部9aから強
制的に離脱させ、苗取出爪4の後退を保障する。これに
より、苗取出爪4上の土付き苗5を爪ガイド6で離脱で
きなくとも、苗取出爪4が後退することにより、土付き
苗5から爪ガイド6に当たりにいって離脱されることに
なる。
【0065】これで図5に示すように、苗取出爪4及び
爪ガイド6は共に後退位置に戻り、作動部材76はロッ
ク可能状態になる。この状態からのクランク体52の回
転は、揺動アーム54を右方向に揺動し(E〜F行
程)、図1の状態まで保持体9を姿勢変更しながら移動
して、苗取出爪4を復動軌跡Y上で早戻りさせる。この
復動軌跡Y上の移動では、苗取出爪4及び爪ガイド6が
苗トレイ2に近づく手前(復動後期)から、駆動カム6
2の突部がガイド板59のローラ61に作用し、下向き
姿勢から急激に略水平の姿勢に変更され、これにより土
付き苗5の葉をすくい上げるように、又は葉の下側にす
くい込むように突入開始位置に進出し、苗取出爪4の突
出軌道上に葉がないようにする。
【0066】なお、本発明は前記実施の形態に限定され
るものではなく、種々変形することができる。例えば、
移植機21の移植装置23は、自走式歩行型に構成して
いるが走行車輛に装着した乗用型にいたり、1条植えの
他2条以上の多条植えに構成したりすることができる。
また、揺動アーム54の溝カム55の形状を変更するこ
とによりD行程中に苗取出爪4の増速を生じることな
く、土付き苗5を離脱させるようにすることも可能であ
る。更に、苗取出爪4でポット部3内の土付き苗5を取
出す際、苗取出爪4を中心線Sに近い位置で突き刺しか
つ同一軌跡で抜き出す場合にも、C行程の開始を苗取出
爪4がポット部3内から抜け出る前から行うようにする
こともできる。
【0067】図14〜15において植付装置35の詳細
を示しており、植付装置35は、苗取出装置1から供給
される土付き苗5を畝7に所定間隔で植付けるべく畝7
に対して突き刺し運動される植付筒43と、この植付筒
43を上下昇降動かつ前後動させる揺動リンク機構11
0とから主構成されている。揺動リンク機構110は、
下端側が前後揺動自在となるように上端部が可動フレー
ム41に軸支された第1平行リンク111を備え、この
第1平行リンク111の下端部に揺動プレート112を
枢結し、この揺動プレート112に第2平行リンク11
3の前端部を枢結し、この第2平行リンク113の後端
部に植付筒43を枢結している。
【0068】また、第2平行リンク113の上側リンク
114に、可動フレーム41に設けた左右方向の駆動軸
116に設けたクランクアーム117の先端部を枢結し
ている。このクランクアーム117の先端部にはカム1
18が設けれられ、クランクアーム117と共に回動す
るようになっている。第1PTO軸29からの動力によ
り駆動軸116を介してクランクアーム117が回転す
ることで、第1、第2平行リンク111、113により
植付筒43が上下に昇降しながら前後にも移動し、略楕
円形の軌跡(図15に図示)を描くようになっており、
走行しながら植付筒43を畝7に突き刺す際において、
植付筒43が圃場に対して略前方移動のないようになっ
ている。
【0069】植付筒43は、その上部の上筒43Aが平
面視矩形状の開口を有する筒体であり、下部には、取付
ピン120を支点に前後方向で開閉自在となる前後対の
オープナ121を備えている。前記上側リンク114に
はベルクランク122が枢支され、このベルクランク1
22は一端に前記カム118と係合するコロ123が設
けられ、他端には前オープナ121と連動連結するリン
ク124が連結されており、カム118の回動で前後対
のオープナ121を開閉可能としている。
【0070】そして、オープナ121は植付筒43の軌
跡の下死点にて畝7に突入したときに植付孔を形成する
と共に、カム118が下側に回動してきたときに、ベル
クランク122の回動によって前後に開き、植付孔に土
付き苗5を植付け得るようになっている。前記ベルクラ
ンク122に対するカム118の位相を変更することに
より、又はカム118の形状を変更することにより、オ
ープナ121の開放時期を変更することができる。ま
た、カム118の突出形状を変更することにより、オー
プナ121の開き量を変更することができ、植え付ける
土付き苗5の大小に対応できる。なお、前後対のオープ
ナ121は、引張バネによって常に閉鎖方向に付勢され
ている。
【0071】前記植付筒43の上筒43Aにはガイド体
126が取付具を127を介して設けられている。ガイ
ド体126は取付具127に対して蝶番126Aにて支
持され、スクレーパ開口130に向かって延びており、
苗取出爪4から放出された土付き苗5をスクレーパ開口
130に引掛ることなくオープナ121内まで案内する
ものであり、ガイド体126は弾性ゴムタレでも樹脂板
であってもよい。
【0072】植付筒43の後方側にはスクレーパ手段1
31が設けられており、植付筒43が畝7に突入されて
土付き苗5を植え付けた後に揺動リンク機構110によ
って上昇移動される際に、外スクレーパ部132がオー
プナ121の外側面に付着した土をかき落とすと共に、
内スクレーパ部133がスクレーパ開口130からオー
プナ121の内部に入って内側面に付着した土をかき落
とすようになっている。
【0073】前記マルチフィルム穿孔装置38は、図1
4に示すように、植付筒43の前方に配置してマルチフ
ィルムMに植付用の孔を穿ける穿孔手段30と、該穿孔
手段301を上下昇降自在とする昇降リンク機構302
とからなっている。昇降リンク機構302は、駆動軸3
03に設けられた平面カム118により上下揺動される
平行リンク304を有しており、該平行リンク304は
その前端部が装置フレーム41に枢結され、後端部に穿
孔手段301を枢着している。そして、平行リンク30
4の上側リンク304Aには、カムローラ305が枢着
されている。該カムローラ305は平面カム118の外
周を転動するようになされており、穿孔手段301の自
重、又は引張バネ等の付勢手段により、カムローラ30
5をカム118の外周に押しつける方向に付勢してい
る。
【0074】平面カム118の周方向一部には凹陥部1
18Aが形成されており、この凹陥部118Aにカムロ
ーラ305が落ち込むことで、穿孔手段301が下動し
て、マルチフィルムMに植付用の孔を穿孔するようにな
っている。また、カム118は、マルチフィルムMを穿
孔した後即座に穿孔手段301を上昇させるように形成
されているとともに、凹陥部118Aを除く他の部分
は、穿孔手段301を上昇限の待機位置で保持するべく
駆動軸303軸心からの距離が略一定の外周形状に形成
されている。
【0075】前記穿孔手段301は、平行リンク304
の後端部に枢結した支持板306と、該支持板の下端部
に固着されて昇降リンク機構302により下降した際に
マルチフィルムMに植付用孔を穿孔する穿孔筒部307
とからなっている。該穿孔筒部307は円筒状に形成さ
れており、少なくともその下端部が電熱源又は火力熱源
等により熱せられて発熱する発熱体となっており、穿孔
筒部307の下端部がマルチフィルムMに接触すること
で該フィルムMを溶かして切断するようになされてい
る。
【0076】前記穿孔手段301の穿孔筒部307によ
りマルチフィルムMを溶断することにより穿孔筒部30
7内部に屑片Fが生じるが、マルチフィルム穿孔装置3
8は、畝上面より屑片Fを取り除く除去手段308と、
この除去手段308によって畝上面より取り除いた屑片
Fを除去手段308から放出させる放出手段309と、
該放出手段309により放出された屑片Fを所定箇所に
集める収集手段310とを備えている。
【0077】前記除去手段308は、穿孔手段301の
支持板306に上端部が固着され下端部がマルチフィル
ムMの屑片Fを突き刺し可能な針状に形成した突刺針3
11にて構成されており、昇降リンク機構302により
上下昇降する穿孔手段301とともに突刺針311が上
下昇降するとともに前後動するようになされている。そ
して、突刺針311は、穿孔筒部307の筒軸心位置を
挿通するように配置されており、突刺針311の下端部
は穿孔筒部307の下端部よりも下方に突出するように
設けられている。
【0078】前記放出手段309は、装置フレーム41
上に立設した略L字形状の支持ブラケット312と、該
支持ブラケット312の上端にピン313を介して揺動
自在に枢支された揺動部材314と、揺動部材314の
下端に固着され且つ前記突刺針311が若干の間隙をも
って挿通し、穿孔筒部307よりも小径の円筒状に形成
した放出部材315とからなっている。
【0079】放出部材315は、穿孔筒部307及び突
刺針311が上下昇降することで該突刺針311に相対
して上下に案内され移動するようになされており、ま
た、穿孔筒部307の筒内を挿通可能で該筒部307に
対しても相対移動する。そして、穿孔筒部307及び突
刺針311が下降した状態では、放出部材315は穿孔
筒部307よりも上方に配置され、上昇した状態では、
穿孔筒部307の下端及び突刺針311の下端よりも放
出部材315の下端が下方に配置されるようになってい
る。
【0080】前記収集手段310は、装置フレーム41
等の適宜箇所に載置された受カゴであり、放出された屑
片Fを受け入れるようになっている。
【0081】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、根
張りが強い苗土はポット部から確実に取出し得るし、根
張りが弱い苗土においては、形崩れしたり途中で落下さ
せることなく分送することができて、移植における欠株
を招くことは少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】苗取出装置の苗取出直前を示し、(A)は断面
正面図、(B)は苗取出爪の平面図、(C)は同じく斜
視図である。
【図2】本発明の実施の形態を示す苗取出直前の正面図
である。
【図3】同苗取出直後の断面正面図である。
【図4】同苗離脱直前の断面正面図である。
【図5】同苗離脱直後の断面正面図である。
【図6】(a)は本発明の実施の形態の揺動アームの正
面図、(b)はその揺動アームを使用した苗取出爪の先
端部の一定時間刻みの軌跡を示す説明図である。
【図7】苗取出装置と搬送装置との関係を示す正面図で
ある。
【図8】苗取出装置の要部の苗突き刺し時の断面正面図
である。
【図9】苗取出装置の要部の苗離脱時の断面正面図であ
る。
【図10】苗取出装置の要部の苗突き刺し前の断面正面
図である。
【図11】苗取出装置の要部の苗突き刺し時を示し、
(A)は断面平面図、(B)(C)はY−Y矢視図であ
る。
【図12】苗取出装置の要部の背面図である。
【図13】移植機の全体正面図である。
【図14】植付装置の正面図である。
【図15】植付装置の変形例を示す正面図である。
【図16】マルチ穿孔装置の側面図である。
【符号の説明】
1 苗取出装置 2 苗トレイ 3 ポット部 4 苗取出爪 5 土付き苗 6 爪ガイド 8 爪支持体 9 保持体 10 爪動作機構 21 移植機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−330211(JP,A) 特開 平6−261605(JP,A) 実開 平4−100315(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01C 11/00 - 11/02 303 A01C 11/02 365

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 苗トレイ(2)におけるポット部(3)
    に対して、互いに離れて位置する棒状体よりなる一対の
    苗取出爪(4)を突入しかつ退出することで、ポット部
    (3)から苗土(5)を取出す方法において、 前記一対の苗取出爪(4)をポット部(3)内の苗土
    (5)に対して棒長手方向に直進させながら爪ガイド
    (6)で爪先端間距離を狭めていき、直進終了において
    爪先端をすきまのない状態で突合せし、その後、該突合
    せ状態のままで退出することを特徴とする移植機の苗取
    出方法。
  2. 【請求項2】 苗トレイ(2)におけるポット部(3)
    の苗土(4)に突入可能な棒状体よりなる一対の苗取出
    爪(4)と、この一対の苗取出爪(4)を互いに離して
    先端に設けた爪支持体(8)と、一対の苗取出爪(4)
    を棒長手方向に進退案内する爪ガイド(6)と、前記爪
    支持体(8)及び爪ガイド(6)をそれぞれ苗トレイ
    (2)のポット部(3)に対して往復動自在に支持する
    保持体(9)と、該保持体(9)を往復動させる爪動作
    機構(10)と、を備えている移植機の苗取出装置にお
    いて、 前記一対の苗取出爪(4)の先端が遠近移動すべく爪支
    持体(8)に対して枢支間隔(X)をおいて枢支し、前
    記爪ガイド(6)には前記枢支部より先端側でかつ枢支
    間隔(X)よりも短い間隔(X1)で前記苗取出爪
    (4)を棒長手方向に直進案内するガイド部(11)を
    形成しており、前記枢支間隔(X)とガイド部(11)
    の間隔(X1)は、前記ポット部(3)の苗土(5)に
    苗取出爪(4)が突入終了したとき爪先端をすきまのな
    い状態で突合せる関係に設定してあることを特徴とする
    移植機の苗取出装置。
  3. 【請求項3】 前記苗取出爪(4)は分送中の苗土
    (5)支え側に棒長手方向に沿って平坦面(204)が
    形成されていることを特徴とする請求項2記載の移植機
    の苗取出装置。
  4. 【請求項4】 前記苗取出爪(4)の先端は、先細り形
    状に形成されていることを特徴とする請求項2又は3に
    記載の移植機の苗取出装置。
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