JPH10302675A - カラー受像管装置 - Google Patents

カラー受像管装置

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JPH10302675A
JPH10302675A JP9109460A JP10946097A JPH10302675A JP H10302675 A JPH10302675 A JP H10302675A JP 9109460 A JP9109460 A JP 9109460A JP 10946097 A JP10946097 A JP 10946097A JP H10302675 A JPH10302675 A JP H10302675A
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一宏 杉本
Katsuyo Iwasaki
勝世 岩崎
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    • H01J29/702Convergence correction arrangements therefor
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2229/00Details of cathode ray tubes or electron beam tubes
    • H01J2229/56Correction of beam optics
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    • H01J2229/5681Correction of beam optics using supplementary correction devices magnetic
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  • Vessels, Lead-In Wires, Accessory Apparatuses For Cathode-Ray Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ミスコンバーゼンスを調整するYH補正コイ
ルの感度を最大限に引き出すことができるとともに、補
正回路における大幅な抵抗値減少を可能にするカラー受
像管装置を提供すること。 【解決手段】 本発明のカラー受像管装置は、垂直偏向
コイルに直列に接続され、4極磁界を発生させるYH補
正コイルを有したYH補正回路が、少なくとも一つの抵
抗器と並列に接続されたダイオードブリッジ回路を有
し、かつタイオードブリッジ回路の出力端子間に、二つ
の抵抗体を直列に接続した直列体と可変抵抗器とを並列
に接続した並列体を接続し、二つの抵抗体間の接続点と
可変抵抗器の可変端子との間にYH補正コイルを接続さ
せてダブルブリッジ回路が構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テレビジョンやコ
ンピュータディスプレイとして用いられるカラー受像管
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インライン型電子銃をネック部に有する
カラー受像管において、3本の電子ビームをスクリーン
画面上に集中させるためにセルフコンバーゼンス方式の
偏向ヨークが設けられている。しかし、現実にはセルフ
コンバーゼンス方式によっても、カラー受像管の画面上
の全ての部分で、完全なコンバーゼンスを得られるもの
ではなく、偏向磁界の設計や、組立部品間のばらつき等
によって、ミスコンバーゼンスが生じることがある。従
来のカラー受像管における偏向ヨークには、このような
ミスコンバーゼンスを補正するために、ミスコンバーゼ
ンスを補正するための磁界を発生させる補正コイルと、
この補正コイルに流れる電流をコントロールする補正回
路とが接続されていた。図9と図10はカラー受像管に
おけるミスコンバーゼンスの状態を示す説明図である。
図9はカラー受像管の画面中央における縦線の上下端で
の縦線ミスコンバーゼンス(以下、「YHミスコン」と
略称する)を示しており、図10はカラー受像管の画面
中央の上下端における横線ミスコンバーゼンス(以下、
「YVミスコン」と略称する)を示している。図9に示
したようなYHミスコンを補正する手段としては、偏向
ヨークの電子銃側で、4極のYH補正磁界を発生するよ
うに電子銃の上下に一対のYHミスコン補正コイルを設
け、YHミスコン補正コイルに流れる電流をYH補正回
路で制御する方法があった。図10に示したようなYV
ミスコンを補正する手段としては、YV補正コイルを電
子ビームの上下方向から挟むように配置し、かつ、YV
補正コイルに電流が流れたときにコイル端の磁極発生部
分が同極で向き合うようにYV補正コイルは巻回されて
いた。このようなYVミスコン補正コイルに流れる電流
をYV補正回路において制御し、YVミスコンは補正さ
れていた。
【0003】以下、本発明に関連する2つの従来技術に
ついて説明する。図11は、特開平7−288829号
公報に開示された偏向ヨークにおけるミスコンバーゼン
スを調整するYH補正回路を示す図である。以下、図1
1に示すYH補正回路を第1の従来技術として説明す
る。図11に示すように、第1の従来技術のカラー受像
管に装着される偏向ヨークには、ミスコンバーゼンスを
調整するためのYH補正回路100内に4つのダイオー
ドD1、D2、D3、D4を有するダイオードブリッジ
回路が設けられていた。このダイオードブリッジ回路の
入力端子d、e間には固定抵抗R1、R2が接続されて
いる。コマ収差補正コイルL1、L2は、YH補正回路
100と垂直偏向コイル101との間に直列に接続され
ている。また、可変抵抗VR1の可動端子Cと固定抵抗
R1、R2の接続点との間にYH補正コイルL3、L4
が接続されている。可変抵抗VR1の可動端子Cが固定
端子AB間の電気的中心にあるとき、可動端子Cと抵抗
R1、R2の接続点との間には電流が流れないように構
成されている。上記のように構成された第1の従来技術
により、垂直偏向磁界による正負のミスコンバーゼンス
を調整し、カラー受像管の品質の向上を図っていた。
【0004】次に、第2の従来技術について説明する。
第2の従来技術としては、前記第1の従来技術における
偏向ヨークにYH補正回路とYV補正回路とを直列に接
続したものである。図12の従来の補正回路における回
路構成の一例を示すブロック図に示すように、従来の偏
向ヨークにおいてYH補正回路16とYV補正回路17
はそれぞれが独立した回路として直列に接続されてい
た。このように、偏向ヨークにおいては、各補正回路が
直列に接続されているため、回路損失を抑えようとする
ためには、各補正回路内における抵抗値を小さくした
り、垂直偏向コイル本体の抵抗値を下げることが重要で
あった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記第1の従来技術に
おいては、ダイオードブリッジ回路内の可動端子Cと固
定抵抗R1、R2の接続点との間をYH補正コイルL
3、L4で接続しているため、YH補正コイルL3、L
4に流れる電流は、常に一方の固定抵抗R1又はR2を
通り、感度が悪くなるという問題があった。また、第2
の従来技術においては、補正回路や補正コイルにおける
抵抗値の削減には限界があり、大幅な抵抗値の減少を図
ることは困難であった。さらに、垂直偏向コイル等のメ
インコイルにおける回路抵抗値の削減には、温度特性、
性能特性の点からおのずと限界があり、大幅に抵抗値を
削減することは困難であった。本発明は、前記第1の従
来技術及び第2の従来技術における問題点を解決するも
のであり、補正回路の感度を最大限に引き出すことので
きるカラー受像管装置を提供するとともに、大幅な抵抗
値減少を可能にするカラー受像管装置を提供するもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、本発明のカラー受像管装置は、インライン型電子銃
をネック部に備えたカラー受像管、及び前記カラー受像
管とともに用いられ、ピンクッション状に歪んだ水平偏
向磁界を発生する水平偏向コイルとバレル状に歪んだ垂
直偏向磁界を発生する垂直偏向コイルとを有する偏向ヨ
ーク、を具備するカラー受像管装置において、前記偏向
ヨークが前記垂直偏向コイルと直列に接続されたYH補
正回路を有し、当該YH補正回路が前記偏向ヨークの電
子銃側に備えられた4極磁界を発生させる1組のYH補
正コイルを持ち、前記YH補正回路が、少なくとも一つ
の抵抗器と並列に接続されたダイオードブリッジ回路を
有し、かつ二つの抵抗体を直列に接続した直列体と可変
抵抗器とを並列に接続し、その並列体を前記ダイオード
ブリッジ回路の出力端子間に接続して、前記二つの抵抗
体間の接続点と前記可変抵抗器の可動端子との間に前記
YH補正コイルを接続させてブリッジ回路を形成してダ
ブルブリッジ回路を構成し、前記YH補正コイルを前記
偏向ヨークの水平軸と垂直軸に対して対称に配置してい
る。
【0007】上記構成により、本発明のカラー受像管装
置は、ダイオードブリッジ回路と並列に配置された抵抗
器が、少なくともダイオードの2つ分のダイオードオン
電圧を確保して、一定の抵抗値を有しなければならな
い。そのため、ダイオードがオン状態のとき、YH補正
回路に流れているほとんどの電流がダイオードブリッジ
回路側に流れるため、可変抵抗器を適宜調整することに
より、YH補正コイルに高感度電流が流れ、最大限のY
H補正磁界を生み出すことができる。したがって、本発
明によれば、高感度なYH補正コイルを有するカラー受
像管装置を得ることができる。
【0008】また、本発明のカラー受像管装置は、イン
ライン型電子銃をネック部に備えたカラー受像管、及び
前記カラー受像管とともに用いられ、ピンクッション状
に歪んだ水平偏向磁界を発生する水平偏向コイルとバレ
ル状に歪んだ垂直偏向磁界を発生する垂直偏向コイルと
を有する偏向ヨーク、を具備するカラー受像管装置にお
いて、前記偏向ヨークが並列に接続されたYH補正回路
とYV補正回路との並列体を有し、前記並列体が前記垂
直偏向コイルに直列に接続されている。従来装置におい
てYH補正回路又はYV補正回路における回路内の分流
比を抵抗器を用いて制御していたが、本発明のカラー受
像管装置においては、抵抗器の変わりに、並列体におけ
る他方となるYV補正回路あるいはYH補正回路を使用
している。このため、本発明のカラー受像管装置によれ
ば、従来の装置における抵抗器を削減することができ、
大幅な抵抗値減少を実現することができる。
【0009】また、本発明のカラー受像管装置は、YH
補正回路とYV補正回路が、それぞれダイオードを用い
て構成されている。このため、本発明のカラー受像管装
置は、YH補正回路とYV補正回路における互いのダイ
オード特性や個数の対称性を確保さえすれば、YH補正
回路あるいはYV補正回路内のダイオードが、温度特性
等により抵抗値が変わったとしても、もう一方のYV補
正回路あるいはYH補正回路内のダイオードも全く同じ
ようにその温度特性が変化するため、温度特性によるお
互いの補正回路間の分流比変化が発生することがない。
したがって、本発明によれば、それぞれの補正回路によ
る補正及び調整された残留ミスコンバーゼンスの温度に
よる変位をなくすことが可能となる。
【0010】また、本発明のカラー受像管装置は、YH
補正回路とYV補正回路が、それぞれの内部にブリッジ
回路を用いて構成されている。このため、仮に一方の補
正回路内において可変抵抗器等によりブリッジ回路内で
分流比が崩れたとしても、他方の補正回路がブリッジ回
路で構成されている場合には、その分流変化が他方の補
正回路自体に及ぼす影響は、他方の補正回路が普通の制
御回路により構成された場合に比べて、著しく少ない。
これは、可変抵抗器や補正コイル等の実質的な能動素子
が、ブリッジ回路内の出力端子間に接続されているため
である。つまり、互いのブリッジ回路の出力端子間内に
変化が起こったとしても、その影響は他方のブリッジ回
路の出力端子間内にまで伝わり難いという作用があるた
めである。したがって、本発明のカラー受像管装置は、
補正回路内でYH補正回路とYV補正回路における相互
干渉を低減することができる。
【0011】また、本発明のカラー受像管装置は、YH
補正回路が、少なくとも一つの抵抗器と並列に接続され
たダイオードブリッジ回路を有し、かつ二つの抵抗体を
直列に接続した直列体と可変抵抗器とを並列に接続し、
その並列体を前記ダイオードブリッジ回路の出力端子間
に接続して、前記二つの抵抗体間の接続点と前記可変抵
抗器の可動端子との間に偏向ヨークの電子銃側に備えら
れた4極磁界を発生させるYH補正コイルを接続させて
ブリッジ回路を形成してダブルブリッジ回路を構成して
いる。このため、本発明によれば、YH補正回路側に流
れる分流回路電流を、有効かつ最大限に使用することが
でき、結果としてYH補正コイルの感度を高めることが
可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
《第1の実施の形態》以下、本発明の第1の実施の形態
について添付の図を用いて説明する。図1は第1の実施
の形態のカラー受像管装置を示す概略側面図であり、図
2は第1の実施の形態のカラー受像管における偏向ヨー
クのYH補正回路を示す図である。図1に示すように、
インライン型電子銃1をネック部に内蔵するカラー受像
管2には、セルフコンバーゼンス方式の偏向ヨーク3が
装着されている。
【0013】図2に示すように、第1の実施の形態の偏
向ヨーク3におけるYH補正回路11は、垂直偏向コイ
ル50に直列に接続されている。このYH補正回路11
には、4つのダイオード12、13、14、15からな
るダイオードブリッジ回路6が設けられている。このダ
イオードブリッジ回路6の入力端子h、j間には抵抗器
5が接続されている。また、ダイオードブリッジ回路6
の出力端子i、k間にはブリッジ回路10が接続されて
いる。ブリッジ回路10は、二つの抵抗体8、9の直列
体と可変抵抗器7が並列に接続され、可変抵抗器7の可
動端子と2つの抵抗体8、9との接続点が4極磁界を発
生させる1組のYH補正コイル4a、4bを介して接続
されている。上記のように、第1の実施の形態のYH補
正回路11は、ダイオードブリッジ回路6とブリッジ回
路10によりダブルブリッジ回路が構成されている。
【0014】図3は、第1の実施の形態における1組の
YH補正コイル4a、4bにおいて発生する磁界の説明
図である。図3に示すように、1組のYH補正コイル4
a、4bにより、4極の補正磁界を発生させて、両サイ
ドの電子ビームは内側に向けて補正される。また、第1
の実施の形態におけるYH補正コイル4a、4bは、上
記とは逆向きの4極の補正磁界を発生させて、両サイド
の電子ビームを外側に向けて補正することも可能であ
る。図3に示す4極磁界を発生させるYH補正コイル4
a、4bは、偏向ヨーク3の電子銃側に備えられてい
る。4極磁界を発生させるYH補正コイル4a、4b
は、偏向ヨーク3の水平軸と垂直軸に対して対称に配置
されており、N側とS側のそれぞれにおいて、YHミス
コンの補正を行うことができるよう構成されている。発
明者の実験によれば、YH補正コイル4を線径φ0.4
mmで、巻き数約40ターンのコイルを2組用いた場合、
Y軸(偏向ヨークの垂直軸)上のYHの最大ミスコンバ
ーゼンス0.30mmを補正するとき、従来100mA以
上必要であったものが、約半分の50mAの垂直偏向電
流で補正することができた。この実験結果から、第1の
実施の形態のカラー受像管装置におけるYH補正回路
は、従来のYH補正回路における必要電流量の約1/2
以下という、超高感度YH補正システムが形成されたこ
とが理解できる。
【0015】《第2の実施の形態》以下、本発明の第2
の実施の形態について添付の図を用いて説明する。図4
は第2の実施の形態のカラー受像管装置における偏向ヨ
ークの補正回路を示すブロック図である。図4に示すよ
うに、第2の実施の形態における偏向ヨーク3の垂直偏
向回路要部の電気回路は、YHミスコン及びYVミスコ
ンの2種類の異なるミスコンバーゼンスを同時に補正す
るために、2種類の補正回路、すなわち、YH補正回路
16とYV補正回路17とにより構成されている。図4
に示すように、第2の実施の形態の補正回路を構成する
YH補正回路16とYV補正回路17は、並列に接続さ
れており、この補正回路は垂直偏向コイル50と直列に
接続されている。図5は、第2の実施の形態における1
組のYH補正コイル4a、4b及び1組のYV補正コイ
ル17a、17bを示しており、1組のYV補正コイル
17a、17bにおいて発生する磁界の説明図である。
図5に示すように、磁界を発生させるYV補正コイル1
7a、17bは、偏向ヨーク3の電子銃側に備えられて
いる。YV補正コイル17a、17bは、偏向ヨーク3
の水平軸と垂直軸に対して対称に配置されており、YV
補正磁界を発生してミスコンバーゼンスの補正を行うこ
とができるよう構成されている。
【0016】図12に示した前述の従来の補正回路にお
いては、YH補正コイル16とYV補正コイル17が直
列に接続されており、この直列体の合計合成抵抗値は、
それぞれの抵抗値が1.7Ωと1.3Ωである場合には、
3.0Ωである。一方、本発明の第2の実施の形態にお
ける補正回路の合計合成抵抗値は、YH補正回路16が
1.7Ω、YV補正回路17が1.3Ωの場合には、補正
回路が並列回路であるため、0.74Ωとなる。したが
って、本発明の第2の実施の形態における補正回路は、
従来の補正回路に比べて大幅に抵抗値が低減され、回路
損失の大幅な抑制が実現される。
【0017】《第3の実施の形態》以下、本発明の第3
の実施の形態について添付の図を用いて説明する。図6
は第3の実施の形態のカラー受像管装置における偏向ヨ
ークの補正回路を示す図である。第3の実施の形態の補
正回路は、前述の第2の実施の形態におけるYH補正回
路16及びYV補正回路17をダイオードを含む回路に
より構成したものである。図6において、YH補正回路
18は、2つのダイオード20、21のそれぞれに接続
されたYH補正コイル4a、4bを有するダイオード回
路により構成されている。
【0018】一方、YV補正回路19は、4つのダイオ
ード22、23、24、25により構成されたダイオー
ドブリッジ回路とこのダイオードブリッジ回路に接続さ
れた1組のYV補助コイル17a、17bとを具備して
いる。以上のように、第3の実施の形態は、YH補正回
路18とYV補正回路19がダイオードを含む電気回路
の並列体により構成されている。このため、カラー受像
管装置の周囲温度の上昇により、一方の補正回路(例え
ばYH補正回路18)におけるダイオードの抵抗値が減
少したとしても、同様に他方の補正回路(例えばYV補
正回路19)におけるダイオードの抵抗値も同様に減少
する。この結果、YH補正回路18とYV補正回路19
の双方に流れている電流値の分流比は、理論的には周囲
温度の上昇による影響を受けることがない。
【0019】《第4の実施の形態》以下、本発明の第4
の実施の形態について添付の図を用いて説明する。図7
は第4の実施の形態のカラー受像管装置における偏向ヨ
ークの補正回路を示す図である。図7に示すように、第
4の実施の形態における補正回路は、並列接続されたY
H補正回路30及びYV補正回路19をそれぞれブリッ
ジ回路で構成したものであり、YH補正回路30は、4
つの補助回路33、34、35、36と1組のYH補正
コイル4a、4bによりブリッジ回路32が構成されて
いる。また、YV補正回路19は4つのダイオード2
2、23、24、25により構成されたダイオードブリ
ッジ回路とこのダイオードブリッジ回路に接続された1
組のYV補助コイル17a、17bとを具備している。
【0020】図7に示すように、第4の実施の形態のY
H補正回路30とYV補正回路19には、YH補助コイ
ル4a、4b又はYV補助コイル17a、17bが設け
られており、それぞれその内部に可変抵抗器37、2
6、27を具備している。第4の実施の形態における各
補正回路は上記のように構成されているため、もしYH
補正回路30における可変抵抗器37の抵抗値が変化し
て、補助回路33と35あるいは補助回路34と36に
よる分流比が変化したとしても、YH補正回路30とY
V補正回路19に流れ込む電流はほとんど変わることが
ない。これは、YH補正回路30とYV補正回路19が
それぞれブリッジ回路を構成しているので、各補正回路
(YH、YVとも)の内部での電流変化が各補正回路内
で相殺され、他方の補正回路に影響を与えないためであ
る。万一、YH補正回路30の可変抵抗器37の抵抗値
変化によりYV補正回路19に流れる込む電流が変わっ
たとしても、その電流はYV補正回路19においてダイ
オードによりさらに分流されるため、YV補助コイル1
7a、17bに及ぼす影響はほとんどない。従って、第
4の実施の形態におけるYH補助回路30とYV補正回
路19との間において、分流電流変化量が互いのブリッ
ジ回路の内部の回路に及ぼす影響、すなわち相互干渉は
ほとんどない。発明者の実験によれば、ブリッジ回路間
の相互干渉を調べるためにYH補正回路30のボリウム
を最大値から最小値へ変化させたときに、YVミスコン
量の変化は0.05mmであった。これに対し、YH補正
回路がブリッジ回路でない場合に、YH補正回路のボリ
ウムを最大値から最小値に変化させたとき、YVミスコ
ン量の変化は、0.20mmであった。したがって、コン
バーゼンス変位は約1/4と非常に小さくほとんど無視
できるレベルとなった。
【0021】《第5の実施の形態》以下、本発明の第5
の実施の形態について添付の図を用いて説明する。図8
は第5の実施の形態のカラー受像管装置における偏向ヨ
ークの補正回路を示す図である。第5の実施の形態の補
正回路は、前述の第2の実施の形態におけるYH補正回
路16及びYV補正回路17をダイオードを含む回路に
より構成したものである。図8において、YH補正回路
180は、前述の第1の実施の形態のYH補正回路11
と同様に、4つのダイオード120、130、140、
150により構成されたダイオードブリッジ回路60
と、可変抵抗器70、抵抗体80、90及び1組のYH
補正コイル4a、4bにより構成されたブリッジ回路1
00とを具備している。
【0022】一方、YV補正回路19は、前述の第3の
実施の形態及び第4の実施の形態のYV補助回路19と
同じ構成であり、4つのダイオード22、23、24、
25により構成されたダイオードブリッジ回路とこのダ
イオードブリッジ回路に接続された1組のYV補助コイ
ル17a、17bとにより構成されている。以上のよう
に、第5の実施の形態は、YH補正回路180とYV補
正回路19がダイオードを含む回路により並列体により
構成されている。このため、カラー受像管装置の周囲温
度の上昇により、一方の補正回路(例えばYH補正回路
180)におけるダイオード(120、130、14
0、150)の抵抗値が減少したとしても、同様に他方
の補正回路(例えばYV補正回路19)におけるダイオ
ード(22、23、24、25)の抵抗値も同様に減少
する。この結果、YH補正回路180とYV補正回路1
9の双方に流れている電流値の分流比は、理論的には周
囲温度の上昇による影響を受けることがない。すなわ
ち、各補正回路間に流れる電流の分流比は、それぞれの
補正回路に用いられているダイオードが互いに同様な個
数、特性を有している限り、温度変化により変化するこ
とは防止されている。第5の実施の形態のカラー受像管
装置における補正回路は、ダイオードにより構成されて
おり、またYH補正回路がダブルブリッジ回路により構
成されているため、第5の実施の形態のカラー受像管装
置は超高感度YH補正システムを有する装置となる。
【0023】発明者の実験によれば、図8に示すよう
に、並列に接続されたYH補正回路180とYV補正回
路19のそれぞれにダイオード4個ずつ、計8個を設け
た回路において、偏向動作のスイッチオン後20分経過
時から2時間経過までにコンバーゼンスの変位を示す温
度ドリフト量を計測すると、YHのずれが0.13mmか
ら0.05mmとなっており、YVのずれが0.20mmから
0.05mmとなった。なお、温度ドリフト量とは、スイ
ッチオン後の所定時間経過後からさらに所定の時間が経
過するまでの間にコンバーゼンスの変位を画面上の最も
多くずれた部分で表すものである。この実験結果から明
らかなように、第5の実施の形態の補正回路によれば、
温度ドリフト量を直列体の補正回路に比べて大幅に削減
することができた。なお、本発明の上記第2から第5の
実施の形態について、YV補正コイルをYH補正コイル
と同じ「E字」状コアに巻回した例を図5に示して説明
したが、本発明はこれに限定されるものではなく、YH
補正コイルとYV補正コイルとの双方を有するカラー受
像管装置の全てに用いることができ、上記各実施の形態
と同様の効果を得ることができるものであることは、明
らかである。この場合、YV補正コイルの巻回方法とし
ては、YH補正コイルとは全く独立の別のコアに巻回す
る方法や、YH補正コイルの[U字」状コアの両方の脚
部に跨るように巻回する方法などがある。
【0024】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、4極磁
界を発生させるYH補正コイルを有したYH補正回路を
ダブルブリッジ回路により構成することにより、高感度
のYH補正システムが実現でき、良好なコンバーゼンス
を有するカラー受像管装置を得ることができる。
【0025】また、本発明のカラー受像管装置は、垂直
偏向コイルに接続されるYH補正回路とYV補正回路を
並列に接続する回路構成をとっているため、大幅な抵抗
値の減少を実現することができ、偏向ヨーク回路の消費
電力を低減することができる。また、本発明のカラー受
像管装置は、並列な回路構成を有するYH補正回路とY
V補正回路がそれぞれダイオードを用いて構成されてい
るため、YH補正回路とYV補正回路のそれぞれの回路
においてなされた調整されたコンバーゼンスの温度補償
が実現でき、周囲温度変化による色ずれを防止すること
ができる。
【0026】また、本発明のカラー受像管装置は、並列
な回路構成をとるYH補正回路とYV補正回路のそれぞ
れがブリッジ回路により構成されているため、YH補正
回路とYV補正回路における相互干渉を低減することが
でき、可変抵抗器の調整を何度もやり直すといったよう
な、不要なITC作業(カラー受像管のコンバーゼンス
及びランディング等の調整を行う作業)を削減すること
ができる。さらに、本発明のカラー受像管装置は、YH
補正回路とYV補正回路を並列に接続した回路構成にお
いて、YH補正回路がダイオードブリッジ回路の中にさ
らに抵抗器を用いたブリッジ回路を有するダブルブリッ
ジ回路により構成されているため、大幅な偏向ヨーク回
路の消費電力の低減が実現でき、かつ少ない電流量によ
り、ピンクッション状に歪んだ水平偏向磁界と、バレル
状に歪んだ垂直偏向磁界を自在にコントロールすること
ができ、良好なコンバーゼンスを得ることができるもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるカラー受像
管装置を示す概略側面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるYH補正回
路を示す回路図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態において用いられる
YH補正コイルを示す概略図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態におけるYH補正回
路とYV補正回路を示すブロック図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態において用いられる
YH補正コイルとYV補正コイルを示す概略図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態におけるYH補正回
路とYV補正回路を示す回路図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態におけるYH補正回
路とYV補正回路を示す回路図である。
【図8】本発明の第5の実施の形態におけるYH補正回
路とYV補正回路を示す回路図である。
【図9】カラー受像管におけるYHミスコンバーゼンス
の状態を示す説明図である。
【図10】カラー受像管におけるYVミスコンバーゼン
スの状態を示す説明図である。
【図11】従来のYH補正回路を示す回路図である。
【図12】従来のYH補正回路とYV補正回路を示すブ
ロック図である。
【符号の説明】
1 インライン型電子銃 2 カラー受像管 3 偏向ヨーク 4a YH補正コイル 4b YH補正コイル 5 抵抗器 6 ダイオードブリッジ回路 7 可変抵抗器 8 抵抗体 9 抵抗体 10 ブリッジ回路 11 YH補正回路 12 ダイオード 13 ダイオード 14 ダイオード 15 ダイオード 50 垂直偏向コイル

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インライン型電子銃をネック部に備えた
    カラー受像管、及び前記カラー受像管とともに用いら
    れ、ピンクッション状に歪んだ水平偏向磁界を発生する
    水平偏向コイルとバレル状に歪んだ垂直偏向磁界を発生
    する垂直偏向コイルとを有する偏向ヨーク、を具備する
    カラー受像管装置において、 前記偏向ヨークが前記垂直偏向コイルと直列に接続され
    たYH補正回路を有し、当該YH補正回路が前記偏向ヨ
    ークの電子銃側に備えられた4極磁界を発生させる1組
    のYH補正コイルを持ち、 前記YH補正回路が、少なくとも一つの抵抗器と並列に
    接続されたダイオードブリッジ回路を有し、かつ二つの
    抵抗体を直列に接続した直列体と可変抵抗器とを並列に
    接続し、その並列体を前記ダイオードブリッジ回路の出
    力端子間に接続して、前記二つの抵抗体間の接続点と前
    記可変抵抗器の可動端子との間に前記YH補正コイルを
    接続させてブリッジ回路を形成してダブルブリッジ回路
    を構成し、前記YH補正コイルを前記偏向ヨークの水平
    軸と垂直軸に対して対称に配置したことを特徴とするカ
    ラー受像管装置。
  2. 【請求項2】 インライン型電子銃をネック部に備えた
    カラー受像管、及び前記カラー受像管とともに用いら
    れ、ピンクッション状に歪んだ水平偏向磁界を発生する
    水平偏向コイルとバレル状に歪んだ垂直偏向磁界を発生
    する垂直偏向コイルとを有する偏向ヨーク、を具備する
    カラー受像管装置において、 前記偏向ヨークが並列に接続されたYH補正回路とYV
    補正回路との並列体を有し、前記並列体が前記垂直偏向
    コイルに直列に接続されていることを特徴とするカラー
    受像管装置。
  3. 【請求項3】 前記YH補正回路とYV補正回路が、そ
    れぞれダイオードを用いて構成されていることを特徴と
    する請求項2記載のカラー受像管装置。
  4. 【請求項4】 前記YH補正回路とYV補正回路が、そ
    れぞれの内部にブリッジ回路を用いて構成されているこ
    とを特徴とする請求項2又は3記載のカラー受像管装
    置。
  5. 【請求項5】 前記YH補正回路が、少なくとも一つの
    抵抗器と並列に接続されたダイオードブリッジ回路を有
    し、かつ二つの抵抗体を直列に接続した直列体と可変抵
    抗器とを並列に接続し、その並列体を前記ダイオードブ
    リッジ回路の出力端子間に接続して、前記二つの抵抗体
    間の接続点と前記可変抵抗器の可動端子との間に偏向ヨ
    ークの電子銃側に備えられた4極磁界を発生させるYH
    補正コイルを接続させてブリッジ回路を形成したダブル
    ブリッジ回路により構成されていることを特徴とする請
    求項2、3又は4記載のカラー受像管装置。
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