JPH10301287A - 平版印刷版及びその処理方法 - Google Patents

平版印刷版及びその処理方法

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JPH10301287A
JPH10301287A JP10484197A JP10484197A JPH10301287A JP H10301287 A JPH10301287 A JP H10301287A JP 10484197 A JP10484197 A JP 10484197A JP 10484197 A JP10484197 A JP 10484197A JP H10301287 A JPH10301287 A JP H10301287A
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phenyl
silver halide
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JP10484197A
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Hiroyuki Ishikura
弘之 石倉
Etsuji Tanaka
悦二 田中
Toshiro Kondo
敏郎 近藤
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】平版印刷版の銀画像を印刷物に忠実に再現で
き、ランニング性の優れたアルミニウム板を支持体とす
る銀錯塩拡散転写法を利用した走査型露光用平版印刷版
及びその処理方法を提供する。 【解決手段】アルミニウム支持体とハロゲン化銀乳剤層
の間に物理現像核層を有する走査型露光用平版印刷版に
おいて、該構成層中に1−フェニル−3−ピラゾリジノ
ンまたはその誘導体をハロゲン化銀(硝酸銀換算)1g
当り、30mg以上含有することを特徴とする平版印刷
版及び該平版印刷版を1−フェニル−3−ピラゾリジノ
ンまたはその誘導体を含有するアルカリ現像液で現像処
理することを特徴とする平版印刷版の処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム板を
支持体とする銀錯塩拡散転写法を利用した走査型露光用
平版印刷版とその処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】銀錯塩拡散転写法(DTR法)を用いた
平版印刷版については、フォーカル・プレス、ロンドン
ニューヨーク(1972年)発行、アンドレ ロット
及びエディス ワイデ著、「フォトグラフィック・シル
バー・ハライド・ディヒュージョン・プロセシズ」、第
101頁〜第130頁に幾つかの例が記載されている。
【0003】その中で述べられているように、DTR法
を用いた平版印刷版には、転写材料と受像材料を別々に
したツーシートタイプ、あるいはそれらを一枚の支持体
上に設けたモノシートタイプの二方式が知られている。
ツーシートタイプの平版印刷版については、特開昭57
−158844号公報に詳しく記載されている。又、モ
ノシートタイプについては、特公昭48−30562
号、同51−15765号、特開昭51−111103
号、同52−150105号などの各公報に詳しく記載
されている。
【0004】DTR法を用いた平版印刷版では、露光に
よって感光核を生じたハロゲン化銀結晶は化学現像によ
って黒化銀となり、一方未感光のハロゲン化銀結晶は現
像液中の銀塩錯化剤により銀塩錯体となって物理現像核
まで拡散し、核の存在下で物理現像を生起して銀画像部
を形成する。
【0005】本発明が対象とする、アルミニウム板を支
持体とした銀錯塩拡散転写法を利用したモノシートタイ
プの平版印刷版(以降、アルミニウム平版印刷版と称
す)は、特開昭57−118244号、同57−158
844号、同63−260491号、特開平3−116
151号、同4−282295号、米国特許第4,56
7,131号、同第5,427,889号等の公報に詳
しく記載されている。
【0006】前記アルミニウム平版印刷版は、粗面化さ
れ陽極酸化されたアルミニウム支持体上に物理現像核を
担持し、更にその上にハロゲン化銀乳剤層を設けた構成
に成っている。この平版印刷版の一般的な製版方法は、
露光後、現像処理、水洗処理(ハロゲン化銀乳剤層の除
去)、仕上げ処理の工程から成っている。
【0007】詳細には、現像処理によって物理現像核上
に金属銀画像部が形成され、次の水洗処理によってハロ
ゲン化銀乳剤層が除去されてアルミニウム支持体上に金
属銀画像部(以降、銀画像部と称す)が露出する。同時
に陽極酸化されたアルミニウム表面自身が非画像部とし
て露出する。
【0008】一方、従来から一般的に用いられているD
TR法を利用した平版印刷版は、紙の両面にポリエチレ
ン樹脂を被覆したラミネート紙やポリチレンテレフタレ
ートフィルムを支持体として用い、その上にハレーショ
ン防止層を兼ねた下塗層、ハロゲン化銀乳剤層及び物理
現像核層を、この順に塗設したものである。
【0009】この平版印刷版の製版方法は露光後、現像
処理及び中和処理を施すだけの簡単なものであり、製版
後下塗層及びハロゲン化銀乳剤層のようなゼラチン層上
に銀画像が形成され、そしてゼラチン表面自体が非画像
部となる。印刷に際しては銀画像部がインキを、非画像
部が水を選択的に受付けるこによって印刷がなされる。
【0010】従来の一般的な平版印刷版と本発明が対象
とするアルミニウム印刷版は、DTR法を用いて銀画像
を形成する点では同じであるが、非画像部の親水性(従
来タイプのゼラチン表面に対して、本発明の粗面化及び
陽極酸化されたアルミニウム表面は親水性が極めて高
い)、層構成、製版方法及び印刷性能の面で大きく異な
る。
【0011】特に層構成の相異は、DTR現像に大きく
影響する。即ち、ハロゲン化銀乳剤層の上に物理現像核
層を有する従来タイプに比べ、ハロゲン化銀乳剤層の下
に物理現像核層を有する本発明のアルミニウム平版印刷
版は、DTR現像において銀錯塩の転写効率が劣り、軟
調化(特に特性曲線上の足部の切れが悪い)する傾向に
ある。
【0012】この軟調化の問題は、特にレーザー光(ヘ
リウム・ネオンレーザー、アルゴンレーザー、半導体レ
ーザー、発光ダイオード等)を用いてダイレクト製版す
る走査型露光用平版印刷版に大きな影響を及ぼしてい
た。
【0013】即ち、カメラ露光に比べ走査型露光は、シ
ャープネス、解像力が優れているという利点を有する
が、軟調化によってその利点を生かすことが難しくな
る。
【0014】一方、近年走査型露光に用いられる出力機
(イメージセッター)は、光源の低コスト化、及びメン
テナンス性を重視した光学系精度の低下の方向に移行し
つつあり、加えて出力速度の高速化が指向されている。
このような出力機は太いビーム径及び光学精度の低下に
よって、ビームの絞りが甘く、従って、この出力機で高
解像力の刷版を得るためには、より硬調な平版印刷版が
要求されていた。
【0015】しかしながら、前記したようにアルミニウ
ム平版印刷版は軟調化傾向にあり、これらの出力機への
対応が遅れる原因となっていた。
【0016】加えて、アルミニウム平版印刷版の特徴は
親水性の高い非画像部を有することにある。版面上の非
画像部と銀画像部の水とインキの応答のバランスによっ
て印刷がなされる平版印刷版において、親水性が高く水
を受理しやすい非画像部に対して、銀画像部はより高い
インキ受理性が要求される。
【0017】しかしながら、前記したように転写効率の
劣るアルミニウム平版印刷版は転写銀量の少ない銀画像
ができやすく、この銀画像はインキ受理性が劣るという
相反する特性を持っていた。この現象は、例えば細線や
網点等の転写銀量の少ない銀画像が印刷に供されたとき
に、印刷物に忠実に再現できないという印刷再現性の低
下の原因となっていた。
【0018】印刷再現性とは、印刷時、平版印刷版の銀
画像にインキが確実に乗り、銀画像と同じ画像が印刷物
に再現できることを云う。印刷再現性が良い場合、印刷
する前に、平版印刷版の銀画像を見て、印刷物の画像が
分かるという利点があり、これは平版印刷版を製版する
際に重要である。印刷再現性が悪い場合、所望の印刷物
が得られるかどうかは印刷しないと分からないという問
題があり、製版、印刷の作業効率を低下させていた。
【0019】上記した軟調化及び印刷再現性の問題はア
ルミニウム平版印刷版に特有の問題であり、従来タイプ
の平版印刷版の知見を持ってしても容易に解決できるも
のではなく、当該研究者は苦労を強いられていた。
【0020】例えば、銀画像のインキ乗り性の問題は、
従来から用いられている銀画像を親油性にする化合物
(親油化剤)、例えば特公昭48−29723号及び特
開昭58−127928号等に記載されているメルカプ
ト基またはチオン基を有する化合物を作用させることに
よって解決する性質のものではなく、また、従来タイプ
の平版印刷版は、現像主薬を平版印刷材料中に含有さ
せ、現像液には現像主薬を実質的に含有しないアルカリ
性活性化液(アクチベータータイプ)で処理することが
行われているが、これは現像液中における現像主薬の酸
化を防止するためのものであり、本発明の上記問題を解
決することを教えるものではなかった。
【0021】アルミニウム平版印刷版については、特開
平7−72630号公報には高コントラストを有し、印
刷領域での良好なインキ受容性を得るために、カルボキ
シ基等の置換基を有する1−フェニル−5−メルカプト
−テトラゾールの存在下で現像すること、特開平7−3
19165号ではベンゾトリアゾ−ル化合物の存在下で
処理することが開示されているが、所望する性能には至
っていなかった。
【0022】また、特開平9−6006号公報には、ア
ルミニウム平版印刷版において、1−フェニル−3−ピ
ラゾリジノンをハロゲン化銀(硝酸銀換算)1g当り、
0.2〜15mg程度の少ない添加量で感度の保存安定
性を向上させる技術が開示されている。しかしながら、
本発明の上記課題はこの程度の添加量で到底改善される
ものではなかった。
【0023】また一方、銀錯塩拡散転写法では、現像液
は高アルカリである必要がある。高アルカリ中では現像
主薬の劣化が起こり易く、経時や処理量に対して現像液
の現像性能が劣化しやすいという欠点を有している。現
像液が劣化した場合、銀の転写性を低下させるため、印
刷で十分にインキを受容しなくなる。さらにアルミニウ
ム板を支持体とする平版印刷版の場合、支持体のアルミ
ニウムが高アルカリ中で溶解し、水素を発生させ、現像
液のpHを低下させるため、さらに現像液の劣化が著し
い。銀錯塩拡散転写を用いたアルミニウム板を支持体と
する平版印刷版において、ランニング処理において疲労
した現像液で現像処理しても銀の転写性が変わらず、イ
ンキ受容性及び耐刷性の安定した平版印刷版の製版方法
が望まれていた。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、走査
型露光用アルミニウム平版印刷版において、走査型露光
用出力機の高速化及び低コスト化に対応でき、しかも高
解像力を有する平版印刷版を提供することにある。本発
明の他の目的は、平版印刷版の版面上の銀画像を印刷物
に忠実に再現することができる平版印刷版及びその処理
方法を提供することである。本発明の更に他の目的は、
上記平版印刷版の製版安定性(ランニング性)を向上さ
せることである。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、ア
ルミニウム支持体とハロゲン化銀乳剤層の間に物理現像
核層を有する走査型露光用平版印刷版において、該平版
印刷版の構成層中に1−フェニル−3−ピラゾリジノン
またはその誘導体を、硝酸銀の相当量として表したハロ
ゲン化銀1g当り30mg以上含有することを特徴とす
る走査型露光用平版印刷版によって達成された。
【0026】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。本
発明の平版印刷版の構成層中に含まれる1−フェニル−
3−ピラゾリジノンまたはその誘導体は、化1の一般式
で示されるものである。
【0027】
【化1】
【0028】式中、R1は置換(ハロゲン原子、ニトロ
基、カルボキシル基、アルコキシ基、炭素数1〜5のア
ルキル基など)または未置換フェニル基、R2、R3はそ
れぞれ水素原子、置換もしくは未置換アルキル基(例え
ば、炭素数1〜5のアルキル基または、該アルキル基の
適当な位置に例えばハロゲン原子、カルボキシル基、水
酸基などの置換基を有していてもよい)、アルコキシ基
(例えば、炭素数1〜5のアルコキシ基)、または置換
(例えばフェニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、カルボ
キシル基、炭素数1〜5のアルキル基など)もしくは未
置換アリール基(例えば、フェニル基など)を表す。
【0029】また、上記1−フェニル−3−ピラゾリジ
ノンまたはその誘導体は、化2または化3の一般式で表
されるプレカーサーも含まれる。
【0030】
【化2】
【0031】式中、R5は化1のR1と同義、R6、R7
化1のR2、R3と同義である。R8は水素原子、置換も
しくは未置換アルキル基(例えば、炭素数1〜5のアル
キル基または、該アルキル基の適当な位置に置換基例え
ばハロゲン原子、カルボキシル基、水酸基などの置換基
を有していてもよい)、アルコキシ基(例えば、炭素数
1〜5のアルコキシ基)、置換(例えばフェニル基、ハ
ロゲン原子、ニトロ基、カルボキシル基、炭素数1〜5
のアルキル基など)もしくは未置換アリール基(例え
ば、フェニル基など)、置換もしくは未置換のアルケニ
ル基(例えば、炭素数1〜5のアルケニル基、炭素数1
〜5のカルボキシアルケニル基等)、またはアリールオ
キシ基(例えば、炭素数1〜5のフェノキシ基、カルボ
キシフェノキシ基等)を表す。
【0032】
【化3】
【0033】式中、R9は化1のR1と同義、R10、R11
は化1のR2、R3と同義である。R12は化2のR8はと
同義である。
【0034】本発明で用いられる1−フェニル−3−ピ
ラゾリジノンまたはその誘導体の具体例を以下に示す。
【0035】
【化4】
【0036】
【化5】
【0037】
【化6】
【0038】
【化7】
【0039】
【化8】
【0040】
【化9】
【0041】
【化10】
【0042】
【化11】
【0043】
【化12】
【0044】
【化13】
【0045】
【化14】
【0046】
【化15】
【0047】
【化16】
【0048】
【化17】
【0049】
【化18】
【0050】
【化19】
【0051】
【化20】
【0052】
【化21】
【0053】
【化22】
【0054】
【化23】
【0055】
【化24】
【0056】
【化25】
【0057】
【化26】
【0058】
【化27】
【0059】
【化28】
【0060】上記1−フェニル−3−ピラゾリジノンま
たはその誘導体の中でも、4位の位置に少なくとも1つ
の置換もしくは未置換のアルキル基(例えばメチル、エ
チル、プロピル基等の未置換のアルキル基、またはハロ
ゲン原子、水酸基、カルボキシル基等を有する置換アル
キル基)、またはアルコキシ基(例えば炭素数1〜5の
アルコキシ基)を導入したものが特に好ましく、飛躍的
に画像再現性を向上させる。
【0061】本発明の平版印刷版に含有させる1−フェ
ニル−3−ピラゾリジノンまたはその誘導体は、適当な
溶媒(例えば水、メタノール、エタノール、ジメチルホ
ルムアミド等)に溶解し、塗布液の中に加えられるが、
溶解出来ないものを用いる場合または有機溶剤を用いな
い場合には、固体分散した液のまま加えることもでき
る。
【0062】本発明の平版印刷版に含有させる1−フェ
ニル−3−ピラゾリジノンまたはその誘導体は、平版印
刷版の構成層、例えばハロゲン化銀結晶を含有するハロ
ゲン化銀乳剤層、物理現像核を有する物理現像核層、安
全光耐性、傷耐性等の目的でハロゲン化銀乳剤層の上に
設けるオーバー層、DTR現像のバランスを調整する目
的でハロゲン化銀乳剤層の上または下に設けるタイミン
グ層、静電気を防止する目的で設ける帯電防止層等に含
有させる。
【0063】本発明の平版印刷版に含有させる1−フェ
ニル−3−ピラゾリジノンまたはその誘導体は、いずれ
の構成層中にも含有させることができるが、好ましくは
ハロゲン化銀乳剤層に含有させる。添加量は、ハロゲン
化銀(硝酸銀換算)1g当り、30mg以上必要であ
る。これより少ないと効果を奏しない。好ましくは50
mg〜500mgであり、さらに好ましくはは60mg
〜200mgである。また、この化1、化2または化3
の一般式で表される化合物を2層以上の構成層に分けて
含有させてもよく、化1、化2または化3の一般式で表
される化合物を2種類以上を併用してもよい。
【0064】本発明において、1−フェニル−3−ピラ
ゾリジノンまたはその誘導体を平版印刷版中に含有させ
ることによって、DTR現像の物理現像と化学現像のバ
ランスを最適にするものと考えられる。
【0065】本発明が対象とする平版印刷版は、アルミ
ニウム支持体上に物理現像核及びハロゲン化銀乳剤層を
有する。ハロゲン化銀乳剤は、一般に用いられる塩化
銀、臭化銀、ヨウ化銀、塩臭化銀、塩ヨウ臭化銀、ヨウ
臭化銀等から選択されるが、塩化銀主体(塩化銀50モ
ル%以上のものを意味する)が好ましい。
【0066】また乳剤のタイプとしてはネガ型、ポジ型
のいずれでもよい。これらのハロゲン化銀乳剤は必要に
応じて化学増感あるいはスペクトル増感することができ
る。
【0067】本発明の走査型露光用平版印刷版に好適に
用いられる増感色素は、アルゴンレーザー対応として、
特願平7−283280号、同平8−27723号に記
載の増感色素、赤色及び赤外レーザー対応として、特開
平2−251853号、同平3−274055号、同平
4−9853号、特願平8−45874号に記載の増感
色素が挙げられる。
【0068】ハロゲン化銀乳剤層の親水性コロイドとし
てはゼラチンを用いることがハロゲン化銀粒子を作成す
る際に好ましい。ゼラチンには酸処理ゼラチン、アルカ
リ処理ゼラチン等各種ゼラチンを用いることができる。
また、それらの修飾ゼラチン(例えばフタル化ゼラチ
ン、アミド化ゼラチンなど)も用いることができる。ま
た、更にポリビニルピロリドン、各種でんぷん、アルブ
ミン、ポリビニルアルコール、アラビアゴム、ヒドロキ
シエチルセルロース等の親水性高分子化合物を含有させ
ることができる。用いられる親水性コロイドとしては、
現像後の剥離性を容易にするために実質的に硬膜剤を含
まないことが望ましい。ハロゲン化銀乳剤層中のゼラチ
ン量は1〜10g/m2程度で、好ましくは2〜5g/
2である。
【0069】本発明に用いられる粗面化され陽極酸化さ
れたアルミニウム板は、例えば米国特許第5,427,
889号公報に記載されているものが挙げられ、好まし
く用いられる。それによると粗面化状態は、走査型電子
顕微鏡を用い50,000倍位の拡大倍率の写真によ
り、容易に確認することができる。ピットは0.03〜
0.30μmの直径を有するものが100μm2 当た
り500個、以上存在することが好ましい。上限は約1
5,000個までが好ましい。0.03〜0.30μm
の直径を有するピットの平均直径は0.05〜0.20
μm、特に0.05〜0.15μmであることが好まし
い結果を与える。ピットの直径は、円形以外の形状のも
のについてはその直径は円形と見做したときの寸法であ
る。このピットの中心深さは、ピットの直径に対して1
/3(0.01〜0.10μm)以上、好ましくは1/
2(0.015〜0.15μm)〜3(0.03〜0.
90μm)くらいが望ましい。
【0070】特開昭56−28893号公報には機械的
粗面化と化学的エッチングおよび電解粗面化を併用する
ことによりアルミニウム表面にプラトー(第1次構造)
とピット(プラトーの表面に出来る第2次構造)からな
る複合構造の砂目が記載されている。本発明の微小ピッ
トは、平均直径3〜15μmの大きなピット(プラト
ー)の上に存在する複合構造を有するものが好ましい。
微小ピットの投影面積は5〜40%程度が好ましく、前
記の大きなピット(プラトー)の投影面積は50〜95
%程度が好ましい。中心線平均粗さ(Ra)は0.3〜
1.0μmの範囲が好ましい。このような本発明の表面
形状を有するアルミ板は、機械的粗面化処理、化学的粗
面化処理、電解粗面化処理の条件、陽極酸化の条件、ア
ルミニウム板の合金組成など多くの条件の組み合わせに
よって決まるが、例えば酸の種類、酸の濃度、電解温
度、電流密度、印加電圧などを調整して電解粗面化処理
し、次いで陽極酸化処理する方法によって比較的容易に
見出だすことができる。
【0071】本発明に用いられる粗面化され陽極酸化さ
れたアルミ板の陽極酸化層の厚みは約0.3〜3.0μ
mの範囲が好ましい。尚、陽極酸化処理に先立ってデス
マット処理を施すことが好ましい。すなわち、粗面化処
理したアルミニウム基板を、10〜50%の熱硫酸(4
0〜60℃)や希薄なアルカリ(水酸化ナトリウム等)
で処理することにより表面に付着したスマットが除去さ
れる。
【0072】陽極酸化処理を行なった後、必要に応じて
後処理を行うことが出来る。例えば、英国特許第1,2
30,447号に開示されたポリビニルホスホン酸の水
溶液中に浸漬処理する方法が用いられる。また、必要に
応じて、親水性高分子の下塗層を設けることも可能であ
るが、その上に設ける感光層の性質により取捨選択され
る。
【0073】本発明で用いられる物理現像核層の物理現
像核としては、公知の銀錯塩拡散転写法に用いられるも
のでよく、例えば金、銀等のコロイド、パラジウム、亜
鉛等の水溶性塩と硫化物を混合した金属硫化物などが使
用できる。保護コロイドとして各種親水性コロイドを用
いることもできる。これらの詳細及び製法については、
例えば、フォーカル・プレス、ロンドン ニューヨーク
(1972年)発行、アンドレ ロット及びエディス
ワイデ著、「フォトグラフィック・シルバー・ハライド
・ディヒュージョン・プロセシズ」を参照し得る。
【0074】本発明において、物理現像核層とハロゲン
化銀乳剤層の間に、特開平3−116151号公報記載
の水膨潤性中間層を設けてもよい。
【0075】本発明において、好ましい実施形態は、1
−フェニル−3−ピラゾリジノンまたはその誘導体を平
版印刷版に含有させることであり、更に現像液にも1−
フェニル−3−ピラゾリジノンまたはその誘導体を含有
させることである。平版印刷版と現像液の両方に含有さ
せることによって、その効果は顕著に現れる。
【0076】本発明の好ましい実施形態に用いられる現
像液に含まれる1−フェニル−3−ピラゾリジノンまた
はその誘導体は、前記化1の一般式で表されるものが選
ばれるが、中でも4位の位置に少なくとも1つの置換も
しくは未置換のアルキル基(例えばメチル、エチル、プ
ロピル基等の未置換のアルキル基、またはハロゲン原
子、水酸基、カルボキシル基等を有する置換アルキル
基)、またはアルコキシ基(例えば炭素数1〜5のアル
コキシ基)を導入したものが好ましい。
【0077】本発明の好ましい実施形態で用いられる現
像液に含まれる1−フェニル−3−ピラゾリジノンまた
はその誘導体の添加量は0.1〜10g/リットル、好
ましくは1〜5gで、2種以上を併用することもでき
る。
【0078】また、現像液中には現像主薬、例えばポリ
ヒドロキシベンゼン類、アルカリ性物質、例えば水酸化
カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、第3燐
酸ナトリウム、あるいはアミン化合物、保恒剤、例えば
亜硫酸ナトリウム、粘稠剤、例えばカルボキシメチルセ
ルロース、カブリ防止剤、例えば臭化カリウム、現像変
成剤、例えばポリオキシアルキレン化合物、ハロゲン化
銀溶剤、例えばチオ硫酸塩、チオシアン酸塩、環状イミ
ド、チオサリチル酸等の添加剤を含ませることができ
る。
【0079】現像液のpHとして通常約10〜14、好
ましくは約12〜14であるが、使用する平版印刷版の
アルミニウム支持体の前処理(例えば陽極酸化)条件、
写真要素、所望の像、現像液中の各種化合物の種類及び
量、現像条件等によって異なる。
【0080】
【実施例】以下に本発明を実施例により説明する。
【0081】実施例1 電解粗面化処理と陽極酸化によって、平均直径約5μm
のプラトー上に直径0.03〜0.30μmのピットを
100μm2当たり約5,600個有し、かつこれらの
ピットの平均直径が0.08μmである厚さ0.30m
mのアルミニウム板を得た。このアルミ板は粗面化処理
後に陽極酸化したものであり、平均粗さ(Ra)は0.
5〜0.6μmであった。
【0082】物理現像核として、特開昭63−2088
43号公報に記載の核液(A)の調製方法に準じて作成
した後、pHを6.8に調製した。この物理現像核液を
前記アルミニウム支持体上に塗布した。
【0083】ハロゲン化銀乳剤を次のようにして調製し
た。ハロゲン化銀乳剤として、保護コロイドとして、ア
ルカリ処理ゼラチンを用い、コントロールダブルジェッ
ト法で平均粒径0.2μmの、ヘキサクロロイリジウム
(IV)酸カリウムを銀1モル当り0.006mmolド
ープさせた塩ヨウ臭化銀乳剤(AgBr20モル%、A
gI0.4モル%)を作成した。更に、この乳剤に硫黄
金増感を施し、化29の増感色素を銀1g当り3mg用
いて分光増感した。
【0084】
【化29】
【0085】このようにして作成したハロゲン化銀乳剤
に界面活性剤、更に本発明の1−フェニル−3−ピラゾ
リジノンまたはその誘導体を加え、前記物理現像核が塗
布されたアルミニウム支持体上に硝酸銀量で3g/m2
(ゼラチン量3g/m2)になるように塗布、乾燥して
赤色レーザー用の走査型露光用平版印刷材料を得た。化
1に示す1−フェニル−3−ピラゾリジノンの添加量は
表1に示す。
【0086】上記平版印刷材料を大日本スクリーン製造
(株)製の633nmの赤色LDレーザーを光源とする
出力機(FT−R3050)を用いて、解像度1200
DPI(ドット/インチ)、2400DPI、3600
DPIで、各々2ピクセルのネガ・ポジ細線の線幅が同
一になるように出力した。
【0087】次に製版用プロセッサー(デュポン社製S
LT−N自動現像機)で処理して平版印刷版を作成し
た。製版用プロセッサーは、現像処理工程(21℃、3
0秒間浸漬)、水洗処理工程(33℃の水洗液を10秒
間シャワー噴射しながらスクラブローラで乳剤層を剥離
する)、仕上げ処理工程(21℃、5秒間シャワー)及
び乾燥工程から構成されている。現像液、水洗液及び仕
上げ液は下記に示す。
【0088】 <現像液> 水酸化ナトリウム 20g ハイドロキノン 20g 1-フェニル-4-ヒドロキシメチル-4-メチル-3-ピラゾリジノン 2g 無水亜硫酸ナトリウム 80g モノメチルエタノールアミン 6g 無水チオ硫酸ナトリウム 6g エチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩 5g 2−メルカプト−5−nヘプチル−オキサジアゾール 0.5g 平均分子量50万のポリスチレンスルホン酸 10g 脱イオン水で1000ccとした。 pH(25℃)=12.8
【0089】 <水洗液> タンパク質分解酵素 2g 2−メルカプト−5−nヘプチル−オキサジアゾール 0.5g トリエタノールアミン 13g 第1燐酸カリウム 40g 水を加えて全量を1000ccに調整する。pHは6.
0に調整した。タンパク質分解酵素は、ビオプラーゼA
L−15(細菌プロティナーゼ、長瀬産業(株)製)で
ある。
【0090】 <仕上げ液> アラビアゴム 10g タンパク質分解酵素 2g 2−メルカプト−5−nヘプチル−オキサジアゾール 1g トリエタノールアミン 26g 第1燐酸ナトリウム 10g 水を加えて全量を1000ccに調整する。pH6.0
に調整した。タンパク質分解酵素は、ビオプラーゼAL
−15である。
【0091】上記方法で製版された印刷版を用いて、印
刷機ハイデルベルグTOK(Heidelberg社製オフセット
印刷機の商標)にて印刷した。印刷を開始して100枚
目の印刷物について、ポジ細線の再現性を100倍のス
コープを用いて目視にて観察し、以下の基準で評価し
た。その結果を表1に示す。
【0092】 ○:ポジ線が印刷物上にはっきり出ている。 △:ポジ細線が明確に一本の線を形成していない(途切
れている)。 ×:ポジ線が全く出ていない。
【0093】
【表1】
【0094】上記結果から分かるように、本発明の平版
印刷版は低解像度から高解像度までのレーザー出力にお
いて、ポジ細線の印刷物への再現性が画期的に向上す
る。
【0095】実施例2 実施例1に従って平版印刷版を作成した。但し、化1の
化合物の種類及び量は表2に示す。このようにして得ら
れた走査型露光用平版印刷版を実施例1の出力機を用い
て10〜50μmのネガ、ポジ細線を10μmずつ線幅
を変化させて出力した。レーザーパワーの調整は、版面
上で20μmのネガ、ポジ細線が同じ線幅に得られるレ
ーザーパワーを適性として出力した。次に、実施例1と
同じ方法で製版した。
【0096】得られた印刷版を印刷機ハイデルベルグT
OK(Heidelberg社製オフセット印刷機の商標)にかけ
印刷した。印刷を開始して100枚目の印刷物につい
て、細線の再現性を100倍のスコープを用いて目視に
て再現された線幅を確認した。表1には印刷版及び印刷
物に再現された線幅を示す。尚、印刷物に再現できた線
幅が細いほど優れていることを示す。
【0097】
【表2】
【0098】比較の印刷版は、印刷物の画像の再現性が
低いのに対し、1−フェニル−3−ピラゾリジノンまた
はその誘導体を含有させた本発明の印刷版は版面上の細
線を忠実に再現している。特にNo.4〜9の印刷版
(4位の位置に少なくとも1つのアルキル基を導入した
1−フェニル−3−ピラゾリジノンを含有させたもの)
は、印刷版の画像を印刷物が忠実に再現している。本発
明の実施形態は、銀錯塩拡散転写法を利用した走査型露
光用アルミニウム平版印刷版を用いた印刷において、平
版印刷版の版面上の画像と印刷物の画像の差を実質的に
なくすることができ、高い解像力が得られる走査型露光
の利点が生かされる。
【0099】実施例3 実施例2で作製した本発明の印刷版No.6を実施例2
と同様、633nmの赤色LDレーザーを光源とする出
力機を用いて10〜50μmのネガ、ポジ細線を10μ
mずつ線幅を変化させて出力した。レーザーパワーは実
施例2で調整したときと同じダイヤルで出力した。
【0100】このようにして出力した印刷版を1リット
ル当たり同印刷版を4m2現像処理した後の疲労した現
像液を用いて実施例1と同様に製版した。その後、印刷
し、ランニング処理における細線の再現性を確認した。
同様に比較印刷版No.10及び16を疲労した現像液
で現像処理後、印刷し、ランニング処理における細線の
再現性を確認した。
【0101】表3はこれら疲労した現像液で現像処理し
た印刷版の印刷版及び印刷物に再現された線幅を示す。
尚、印刷物に再現できた線幅が細いほど優れていること
を示すとともに、新しい現像液で現像処理した実施例2
の表2の結果を再現することがランニング性が良いこと
になる。
【0102】
【表3】
【0103】比較の印刷版は細線の再現性が低く、版面
上の細線を印刷物が再現できないのに対して、1−フェ
ニル−3−ピラゾリジノンを含有させた本発明の印刷版
は、細線の再現性が良く、版面上の細線を印刷物が忠実
に再現している。さらに表2の結果に対して、比較の印
刷版は細線再現性が変動するのに対して、本発明の印刷
版は変動がなく、非常に優れたランニング特性を有して
いる。
【0104】
【発明の効果】本発明によれば、銀錯塩拡散転写法を利
用した走査型露光用アルミニウム平版印刷版を用いた印
刷において、平版印刷版の版面上の画像と印刷物の画像
の差を実質的になくすことができ、高い解像力が得られ
る走査型露光の利点が生かされる。また、優れたランニ
ング特性を有し、安定した製版が可能となる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム支持体とハロゲン化銀乳剤
    層の間に物理現像核層を有する走査型露光用平版印刷版
    において、該平版印刷版の構成層中に1−フェニル−3
    −ピラゾリジノンまたはその誘導体を硝酸銀の相当量と
    して表したハロゲン化銀1g当り30mg以上含有する
    ことを特徴とする走査型露光用平版印刷版。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の走査型露光用平版印刷
    版を1−フェニル−3−ピラゾリジノンまたはその誘導
    体を含有する現像液で処理することを特徴とする走査型
    露光用平版印刷版の処理方法。
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