JP3710263B2 - 平版印刷版の現像処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウム板を支持体とする銀錯塩拡散転写法を利用した平版印刷版の現像処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
銀錯塩拡散転写法(DTR法)を用いた平版印刷版については、フォーカル・プレス、ロンドン ニューヨーク(1972年)発行、アンドレ ロット及びエディス ワイデ著、「フォトグラフィック・シルバー・ハライド・ディヒュージョン・プロセシズ」、第101頁〜第130頁に幾つかの例が記載されている。
【0003】
その中で述べられているように、DTR法を用いた平版印刷版には、転写材料と受像材料を別々にしたツーシートタイプ、あるいはそれらを一枚の支持体上に設けたモノシートタイプの二方式が知られている。ツーシートタイプの平版印刷版については、特開昭57−158844号公報に詳しく記載されている。又、モノシートタイプについては、特公昭48−30562号、同51−15765号、特開昭51−111103号、同52−150105号などの各公報に詳しく記載されている。
【0004】
本発明が対象とする、アルミニウム板を支持体とする銀錯塩拡散転写法を利用したモノシートタイプの平版印刷版(以降、アルミニウム平版印刷版と称す)は、特開昭57−118244号、同57−158844号、同63−260491号、特開平3−116151号、同4−282295号、米国特許第4,567,131号、同第5,427,889号等の公報に詳しく記載されている。
【0005】
前記アルミニウム平版印刷版は、粗面化され陽極酸化されたアルミニウム支持体上に物理現像核を担持し、更にその上にハロゲン化銀乳剤層を設けた構成に成っている。この平版印刷版の一般的な製版方法は、露光後、現像処理、水洗処理(ハロゲン化銀乳剤層の除去)、仕上げ処理の工程から成っている。
【0006】
詳細には、現像処理によって物理現像核上に金属銀画像部が形成され、次の水洗処理によってハロゲン化銀乳剤層が除去されてアルミニウム支持体上に金属銀画像部(以降、銀画像部と称す)が露出する。同時に陽極酸化されたアルミニウム表面自身が非画像部として露出する。
【0007】
DTR法を用いた平版印刷版では、露光によって感光核を生じたハロゲン化銀結晶は化学現像によって黒化銀となり、一方未感光のハロゲン化銀結晶は現像液中の銀塩錯化剤により銀塩錯体となって物理現像核まで拡散し、核の存在下で物理現像を生起して銀画像部を形成する。
【0008】
本発明が対象とするアルミニウム平版印刷版は、従来から一般的に用いられている、ハロゲン化銀乳剤層の上に物理現像核を有する平版印刷版とは構成が異なり、ハロゲン化銀乳剤層の下に物理現像核を有する構成になっている。この両者の構成の違いは、製版処理によって形成された銀画像の性質に影響を及ぼすことが分かってきた。
【0009】
即ち、乳剤層中の銀塩錯体が上(現像液側)に拡散するか、または下(支持体側)に拡散するかによって、転写効率等が異なり転写銀の出来方に影響することが考えられる。つまり、本発明が対象とするアルミニウム平版印刷版は、転写効率が劣り、転写銀量の少ない銀画像ができやすく、この転写銀量の少ない銀画像部、例えば細線や網点はインキ乗り性が悪いという、アルミニウム平版印刷版特有の問題をかかえていた。この問題は、平版印刷版の銀画像が印刷物に忠実に再現できないという印刷再現性低下の原因になっていた。
【0010】
印刷再現性とは、印刷時、平版印刷版の銀画像にインキが確実に乗り、銀画像と同じ画像が印刷物に再現できることを云う。印刷再現性が良い場合、印刷する前に、平版印刷版の銀画像を見て、印刷物の画質が分かるという利点があり、これは平版印刷版を製版する際に重要である。印刷再現性が悪い場合、所望の印刷物が得られるかどうかは印刷しないと分からないという問題があり、製版、印刷の作業効率を低下させていた。
【0011】
通常、銀画像のインキ乗り性は、銀画像を親油性にする化合物(親油化剤)、例えば特公昭48−29723号及び特開昭58−127928号等に記載されているメルカプト基またはチオン基を有する化合物を作用させることによって、銀画像が感脂化されてインキ乗り性を発現する。同様に本発明が対象とするアルミニウム平版印刷版についても銀画像部を感脂化させてインキ乗り性を向上させる。しかしながら、前記したような低い転写効率によって形成された銀画像は感脂化されにくく、前記したような印刷再現性の問題を生じさせていた。
【0012】
また、特開平7−72630号公報には高コントラストを有し、印刷領域での良好なインキ受容性を得るために、カルボキシ基等の置換基を有する1−フェニル−5−メルカプト−テトラゾールの存在下で現像すること、特開平7−319165号ではベンゾトリアゾール化合物の存在下で処理することが開示されているが、所望する性能には至っていなかった。
【0013】
一方、DTR法を利用した平版印刷版には、製版カメラで数秒〜数十秒間の露光を与えて製版するカメラタイプと、レーザー光(ヘリウム・ネオンレーザー、アルゴンレーザー、半導体レーザー、発光ダイオード等)を用いてダイレクト製版する走査型露光用平版印刷版が知られている。走査型露光はカメラ露光に比べてシャープネス、解像力が優れているという利点がある。
【0014】
しかしながら、走査型露光によって解像力の高い平版印刷版が得られても、前記したように銀画像のインキ乗り性が悪く、版面上の細線や網点が印刷物に忠実に再現できなければ、走査型露光用平版印刷版の利点を生かすことができないという重大な問題があった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記問題を解決し、平版印刷版の版面上の銀画像を印刷物に忠実に再現することができる平版印刷版の現像処理方法を提供することである。特に走査型露光用平版印刷版の高解像力を生かす上で好適な平版印刷版の現像処理方法を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、アルミニウム支持体とハロゲン化銀乳剤層の間に物理現像核層を有する平版印刷版の現像処理方法において、該平版印刷版がその構成層中に1−フェニル−3−ピラゾリジノンもしくはその誘導体を含有し、1−フェニル−3−ピラゾリジノンもしくはその誘導体を含有する現像液を用い、かつ下記化29で表されるメルカプト基を有さないアゾール化合物の存在下で現像処理することによって達成される。
【化29】
Figure 0003710263
(式中、R 1 は各々水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アミノ基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基、アルコキシカルボニル基、アシルアミド基、スルホンアミド基、アシル基、アルキルスルホニル基を表す。nは0〜4の整数を表し、nが2以上の場合は、R 1 は同じでも異なっていてもよい。Zはアゾール環を形成するのに必要な原子群を表す。)
【0017】
【発明の実施の態様】
以下本発明を詳細に説明する。本発明の平版印刷版の構成層中に含まれる1−フェニル−3−ピラゾリジノンもしくはその誘導体は、化1の一般式で示されるものである。
【0018】
【化1】
Figure 0003710263
【0019】
式中、R1は置換(ハロゲン原子、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、炭素数1〜5のアルキル基など)または未置換フェニル基、R2、R3、R4はそれぞれ水素原子、置換もしくは未置換アルキル基(例えば、炭素数1〜5のアルキル基または、該アルキル基の適当な位置に例えばハロゲン原子、カルボキシル基、水酸基などの置換基を有していてもよい)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5のアルコキシ基)、または置換(例えばフェニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、カルボキシル基、炭素数1〜5のアルキル基など)もしくは未置換アリール基(例えばフェニル基など)を表す。
【0020】
また、上記1−フェニル−3−ピラゾリジノンもしくはその誘導体は、化2または化3の一般式で表されるプレカーサーも含まれる。
【0021】
【化2】
Figure 0003710263
【0022】
式中、R5は化1のR1と同義、R6、R7は化1のR2、R3と同義である。R8は水素原子、置換もしくは未置換アルキル基(例えば、炭素数1〜5のアルキル基または、該アルキル基の適当な位置に例えばハロゲン原子、カルボキシル基、水酸基などの置換基を有していてもよい)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5のアルコキシ基)、置換(例えばフェニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、カルボキシル基、炭素数1〜5のアルキル基など)もしくは未置換アリール基(例えばフェニル基など)、置換もしくは未置換アルケニル基(例えば、炭素数1〜5のアルケニル基、炭素数1〜5のカルボキシアルケニル基等)、またはアリールオキシ基(例えば炭素数1〜5のフェノキシ基、カルボキシフェノキシ基等)を表す。
【0023】
【化3】
Figure 0003710263
【0024】
式中、R9は化1のR1と同義、R10、R11は化1のR2、R3と同義である。R12は化2のR8と同義である。
【0025】
本発明で用いられる1−フェニル−3−ピラゾリジノンもしくはその誘導体の具体例を以下に示す。
【0026】
【化4】
Figure 0003710263
【0027】
【化5】
Figure 0003710263
【0028】
【化6】
Figure 0003710263
【0029】
【化7】
Figure 0003710263
【0030】
【化8】
Figure 0003710263
【0031】
【化9】
Figure 0003710263
【0032】
【化10】
Figure 0003710263
【0033】
【化11】
Figure 0003710263
【0034】
【化12】
Figure 0003710263
【0035】
【化13】
Figure 0003710263
【0036】
【化14】
Figure 0003710263
【0037】
【化15】
Figure 0003710263
【0038】
【化16】
Figure 0003710263
【0039】
【化17】
Figure 0003710263
【0040】
【化18】
Figure 0003710263
【0041】
【化19】
Figure 0003710263
【0042】
【化20】
Figure 0003710263
【0043】
【化21】
Figure 0003710263
【0044】
【化22】
Figure 0003710263
【0045】
【化23】
Figure 0003710263
【0046】
【化24】
Figure 0003710263
【0047】
【化25】
Figure 0003710263
【0048】
【化26】
Figure 0003710263
【0049】
【化27】
Figure 0003710263
【0050】
【化28】
Figure 0003710263
【0051】
上記1−フェニル−3−ピラゾリジノンもしくはその誘導体の中でも、4位の位置に少なくとも一つの置換もしくは未置換のアルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル基等の未置換のアルキル基、またはハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基等を有する置換アルキル基)、またはアルコキシ基(例えば炭素数1〜5のアルコキシ基)を導入したものが特に好ましい。
【0052】
上記1−フェニル−3−ピラゾリジノンもしくはその誘導体は、適当な溶媒(例えば水、メタノール、エタノール、ジメチルホルムアミド等)に溶解し、塗布液の中に加えられるが、溶解出来ないものを用いる場合または有機溶剤を用いない場合には、固体分散した液のまま加えることもできる。
【0053】
1−フェニル−3−ピラゾリジノンもしくはその誘導体を含有させる構成層はは、例えばハロゲン化銀乳剤層、物理現像核を有する物理現像核層、安全光耐性、傷耐性等の目的でハロゲン化銀乳剤層の上または下に設けるタイミング層、静電気を防止する目的で設ける帯電防止層等である。好ましくは、ハロゲン化銀乳剤層に含有させることである。
【0054】
1−フェニル−3−ピラゾリジノンもしくはその誘導体の含有量は、ハロゲン化銀(硝酸銀換算)1g当り30〜500mgが適当であり、好ましく、60〜200mg程度である。また、この化1、化2または化3の一般式で表される化合物を2層以上の構成層に分けて含有させてもよい。更に1−フェニル−3−ピラゾリジノンもしくはその誘導体は現像液に含有させることが好ましい。現像液への添加量は0.1〜10g/リットル程度で、好ましくは1〜5g/リットルである。平版印刷版中と現像液中に含有させることによって、更に効果が顕著に発現する。
【0055】
本発明に用いられるメルカプト基を有さないアゾール化合物は、化29の一般式で示されるものである。
【0056】
【化29】
Figure 0003710263
【0057】
式中、R1は各々水素原子、ハロゲン原子、アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル基等)、アミノ基、アルケニル基(例えばアリル基等)、アラルキル基(例えばベンジル、フェネチル基等)、アリール基(例えばフェニル、o−トリル、m−トリル、p−トリル、m-クロロフェニル、p−ニトロフェニル基等)、アルコキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基、アルコキシカルボニル基、アシルアミド基、スルホンアミド基、アシル基、アルキルスルホニル基等を表す。nは0〜4の整数を表し、nが2以上の場合は同じでも異なっていてもよい。Zはアゾール環を形成するのに必要な原子群を表し、アゾール環としては、例えばピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、チアゾール、チアジアゾール等がある。これらの環はベンゼン環やナフタリン環と縮合したものであってもよい。本発明で用いられる前記化29の好ましい具体例を以下に示す。
【0058】
【化30】
Figure 0003710263
【0059】
【化31】
Figure 0003710263
【0060】
【化32】
Figure 0003710263
【0061】
【化33】
Figure 0003710263
【0062】
【化34】
Figure 0003710263
【0063】
【化35】
Figure 0003710263
【0064】
【化36】
Figure 0003710263
【0065】
【化37】
Figure 0003710263
【0066】
【化38】
Figure 0003710263
【0067】
【化39】
Figure 0003710263
【0068】
【化40】
Figure 0003710263
【0069】
【化41】
Figure 0003710263
【0070】
【化42】
Figure 0003710263
【0071】
【化43】
Figure 0003710263
【0072】
【化44】
Figure 0003710263
【0073】
【化45】
Figure 0003710263
【0074】
【化46】
Figure 0003710263
【0075】
【化47】
Figure 0003710263
【0076】
【化48】
Figure 0003710263
【0077】
【化49】
Figure 0003710263
【0078】
【化50】
Figure 0003710263
【0079】
【化51】
Figure 0003710263
【0080】
【化52】
Figure 0003710263
【0081】
【化53】
Figure 0003710263
【0082】
【化54】
Figure 0003710263
【0083】
【化55】
Figure 0003710263
【0084】
【化56】
Figure 0003710263
【0085】
【化57】
Figure 0003710263
【0086】
【化58】
Figure 0003710263
【0087】
上記化合物の中でも、特にイミダゾール、トリアゾールもしくはそれらの置換誘導体が好ましく、特に置換基としてフェニル基を有するイミダゾール及びアミノ基を有するトリアゾールが好ましい。イミダゾールもしくはその置換誘導体は現像液中に含有させることによって、より効果を発現する。
【0088】
本発明で用いられる前記化合物は、平版印刷版及び/または現像液に含有させる。平版印刷版に含有させる場合は、そのいずれの構成層中にも含有させることができるが、好ましくはハロゲン化銀乳剤層に含有させる。平版印刷版に含有させる場合の添加量は0.1〜500mg/m2、好ましくは0.1〜100mg/m2程度である。現像液に含有させる場合は0.1〜10g/リットル程度が好ましい。前記アゾール化合物は2種類以上を併用してもよい。
【0089】
本発明において、平版印刷版が1−フェニル−3−ピラゾリジノンもしくはその誘導体を含有し、かつメルカプト基を有さないアゾール環化合物の存在下で現像処理することによって、DTR現像の物理現像と化学現像のバランスを最適にするものと考えられる。
【0090】
本発明が対象とする平版印刷版は、アルミニウム支持体上に物理現像核及びハロゲン化銀乳剤層を有する。ハロゲン化銀乳剤は、一般に用いられる塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀、塩臭化銀、塩ヨウ臭化銀、ヨウ臭化銀等から選択されるが、塩化銀主体(塩化銀50モル%以上のものを意味する)が好ましい。
【0091】
また乳剤のタイプとしてはネガ型、ポジ型のいずれでもよい。これらのハロゲン化銀乳剤は必要に応じて化学増感あるいはスペクトル増感することができる。
【0092】
本発明において、走査型露光用平版印刷版に好適に用いられる増感色素は、アルゴンレーザー対応として、特願平7−283280号、同平8−27723号に記載の増感色素、赤色及び赤外レーザー対応として、特開平2−251853号、同平3−274055号、同平4−9853号、特願平8−45874号に記載の増感色素が挙げられる。
【0093】
ハロゲン化銀乳剤層の親水性コロイドとしてはゼラチンを用いることがハロゲン化銀粒子を作成する際に好ましい。ゼラチンには酸処理ゼラチン、アルカリ処理ゼラチン等各種ゼラチンを用いることができる。また、それらの修飾ゼラチン(例えばフタル化ゼラチン、アミド化ゼラチンなど)も用いることができる。また、更にポリビニルピロリドン、各種でんぷん、アルブミン、ポリビニルアルコール、アラビアゴム、ヒドロキシエチルセルロース等の親水性高分子化合物を含有させることができる。用いられる親水性コロイドとしては、現像後の剥離性を容易にするために実質的に硬膜剤を含まないことが望ましい。ハロゲン化銀乳剤層中のゼラチン量は1〜10g/m2程度で、好ましくは2〜5g/m2である。
【0094】
本発明に用いられる粗面化され陽極酸化されたアルミニウム板は、例えば米国特許第5,427,889号公報に記載されているものが挙げられる。
【0095】
本発明で用いられる物理現像核層の物理現像核としては、公知の銀錯塩拡散転写法に用いられるものでよく、例えば金、銀等のコロイド、パラジウム、亜鉛等の水溶性塩と硫化物を混合した金属硫化物などが使用できる。保護コロイドとして各種親水性コロイドを用いることもできる。これらの詳細及び製法については、例えば、フォーカル・プレス、ロンドン ニューヨーク(1972年)発行、アンドレ ロット及びエディス ワイデ著、「フォトグラフィック・シルバー・ハライド・ディヒュージョン・プロセシズ」を参照し得る。
【0096】
本発明において、物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層の間に、特開平3−116151号公報記載の水膨潤性中間層を設けてもよい。
【0097】
本発明に用いられる現像液には、現像主薬、例えばポリヒドロキシベンゼン類、3−ピラゾリジノン類、アルカリ性物質、例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、第3燐酸ナトリウム、あるいはアミン化合物、保恒剤、例えば亜硫酸ナトリウム、粘稠剤、例えばカルボキシメチルセルロース、カブリ防止剤、例えば臭化カリウム、現像変成剤、例えばポリオキシアルキレン化合物、ハロゲン化銀溶剤、例えばチオ硫酸塩、チオシアン酸塩、環状イミド、チオサリチル酸等の添加剤を含ませることができる。
【0098】
現像液のpHとして通常約10〜14、好ましくは約12〜14であるが、使用する平版印刷版のアルミニウム支持体の前処理(例えば陽極酸化)条件、写真要素、所望の像、現像液中の各種化合物の種類及び量、現像条件等によって異なる。
【0099】
【実施例】
以下に本発明を実施例により説明する。
【0100】
実施例1
電解粗面化処理と陽極酸化によって、平均直径約5μmのプラトー上に直径0.03〜0.30μmのピットを100μm2当たり約5,600個有し、かつこれらのピットの平均直径が0.08μmである厚さ0.30mmのアルミニウム板を得た。このアルミ板は粗面化処理後に陽極酸化したものであり、平均粗さ(Ra)は0.5〜0.6μmであった。
【0101】
物理現像核として、特開昭63−208843号公報に記載の核液(A)の調整方法に準じて作成した後、pHを6.8に調整した。この物理現像核液を前記アルミニウム支持体上に塗布した。
【0102】
ハロゲン化銀乳剤を次のようにして調整した。不活性ゼラチンの水溶液を60℃に保ち、強く撹拌しながら、硝酸銀水溶液と塩化ナトリウム水溶液を同時に4ml/minの添加速度で加えることにより塩化銀乳剤を調整した。これらの乳剤粒子は平均サイズが0.3μであり、晶癖は立方体であり、全粒子の90重量%以上が平均粒子サイズの±30%以内に含まれていた。こうして得られた乳剤を通常の方法で沈殿、水洗処理を行なった後再溶解し、さらにチオ硫酸ナトリウム、塩化金酸を加え化学増感し、更にオルソ増感した。
【0103】
作成したハロゲン化銀乳剤に界面活性剤を加え塗布液を作成した(pHは4.0)。この塗布液に、1-フェニル-3-ピラゾリジノン誘導体をハロゲン化銀(硝酸銀換算)1g当り100mg、及びアゾール化合物び下記比較化合物を10mg/m2になるように添加した。詳細は表1に示す。このハロゲン化銀乳剤を銀量が2g/m2(ゼラチン量は3g/m2)になるように物理現像核を塗布したアルミ支持体に塗布した。
【0104】
【化59】
Figure 0003710263
【0105】
【化60】
Figure 0003710263
【0106】
【化61】
Figure 0003710263
【0107】
このようにして得られた平版印刷版に、解像力チャートを用いて50μmの細線が得られるようにカメラ露光し、次に製版用プロセッサー(デュポン社製SLT−8N自動現像機)で処理して平版印刷版を作成した。製版用プロセッサーは、現像処理工程(22℃、15秒間浸漬)、水洗処理工程(33℃の水洗液を10秒間シャワー噴射しながらスクラブローラで乳剤層を剥離する)、仕上げ処理工程(21℃、5秒間シャワー)及び乾燥工程から構成されている。
現像液、水洗液及び仕上げ液は下記に示す。
【0108】
Figure 0003710263
水を加えて全量を1000ccにする。
pHは12.8に調製する。
【0109】
<水洗液>
タンパク質分解酵素 2g
2−メルカプト−5−nヘプチル−オキサジアゾール 0.5g
トリエタノールアミン 13g
第1燐酸カリウム 40g
水を加えて全量を1000ccに調整する。pHは6.0に調整した。
タンパク質分解酵素は、ビオプラーゼAL−15(細菌プロティナーゼ、長瀬産業(株)製)である。
【0110】
<仕上げ液>
アラビアゴム 10g
2−メルカプト−5−nヘプチル−オキサジアゾール 0.5g
トリエタノールアミン 26g
第1燐酸ナトリウム 10g
水を加えて全量を1000ccに調整する。pH6.0に調整した。
タンパク質分解酵素は、ビオプラーゼAL−15である。
【0111】
得られた印刷版を印刷機ハイデルベルグMO(Heidelberg社製オフセット印刷機の商標)にかけ印刷した。印刷を開始して100枚目の印刷物について、細線の再現性をマイクロデンシトメーターで測定した。表1には印刷版上の50μmの細線が印刷物に再現された線幅を示す。尚、印刷物細線の数値が50μmに近いほど優れていることを示す。
【0112】
【表1】
Figure 0003710263
【0113】
表1より本発明を用いると印刷版と印刷物の細線の差が減少し、ほぼ忠実に再現していることが分かる。
【0014】
実施例2
実施例1のハロゲン化銀乳剤層に添加した本発明のアゾール化合物及び比較化合物を、ハロゲン化銀乳剤層に添加する代わりに、各々現像液に2g/リットル添加して処理した。得られた印刷版について、実施例1と同様に試験した。その結果、実施例1と同様な結果が得られた。
【0115】
実施例3
保護コロイドとしてアルカリ処理ゼラチンを用い、コントロールダブルジェット法で平均粒径0.25μmの、ヘキサクロロイリジウム(IV)酸カリウムを銀1モル当たり0.006ミリモルドープさせた塩沃臭化銀乳剤(AgBr20モル%、AgI0.4モル%)を作成した。更に、この乳剤に硫黄金増感を施し、化68の増感色素を銀1g当たり3mg用いて分光増感した。
【0116】
【化62】
Figure 0003710263
【0117】
このようにして作成したハロゲン化銀乳剤に界面活性剤を加え塗布液を作成した。この塗布液に、1-フェニル-3-ピラゾリジノン誘導体をハロゲン化銀(硝酸銀換算)1g当り100mg、及びアゾール化合物び下記比較化合物を10mg/m2になるように添加した。詳細は表2に示す。このハロゲン化銀乳剤層を実施例1の物理現像核が塗布されたアルミ支持体上に銀量が2g/m2(ゼラチン量は3g/m2)になるように塗布、乾燥して走査型露光用平版印刷材料を得た。
【0118】
上記平版印刷材料を63nmの赤色LDレーザーを光源とする出力機で10%の網点画像が版面上に得られるように出力し、実施例1と同様に処理して印刷版を得た。得られた印刷版は実施例1と同様に印刷し、100枚印刷したときの印刷物の網点面積を測定した。その結果を表2に示す。印刷物の網点面積が10%に近いほど、版面画像が印刷物の画像に忠実に再現されていることを意味する。
【0119】
【表2】
Figure 0003710263
【0120】
レーザー光源に対応できる走査型露光用平版印刷版は高い解像力が得られるが、比較の印刷版は印刷物に対して画像の再現性が低い。これに対して本発明の印刷版は版面上の網点をほぼ忠実に再現している。
【0121】
【発明の効果】
本発明によれば、銀錯塩拡散転写法を利用したアルミニウム平版印刷版を用いた印刷において、平版印刷版の版面上の画像と印刷物の画像の差を実質的になくすことができる。特に、高い解像力が得られる走査型露光用平版印刷版においては、版面上の銀画像を印刷物に忠実に再現することによって、初めて走査型露光用平版印刷版の利点が生かされる。

Claims (1)

  1. アルミニウム支持体とハロゲン化銀乳剤層の間に物理現像核層を有する平版印刷版の現像処理方法において、該平版印刷版がその構成層中に1−フェニル−3−ピラゾリジノンもしくはその誘導体を含有し、1−フェニル−3−ピラゾリジノンもしくはその誘導体を含有する現像液を用い、かつ下記化29で表されるメルカプト基を有さないアゾール化合物の存在下で現像処理することを特徴とする平版印刷版の現像処理方法。
    Figure 0003710263
    (式中、R 1 は各々水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アミノ基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基、アルコキシカルボニル基、アシルアミド基、スルホンアミド基、アシル基、アルキルスルホニル基を表す。nは0〜4の整数を表し、nが2以上の場合は、R 1 は同じでも異なっていてもよい。Zはアゾール環を形成するのに必要な原子群を表す。)
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