JP3402558B2 - 平版印刷版の作成方法 - Google Patents

平版印刷版の作成方法

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JP3402558B2
JP3402558B2 JP11855096A JP11855096A JP3402558B2 JP 3402558 B2 JP3402558 B2 JP 3402558B2 JP 11855096 A JP11855096 A JP 11855096A JP 11855096 A JP11855096 A JP 11855096A JP 3402558 B2 JP3402558 B2 JP 3402558B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、写真的に形成されたハ
ロゲン化銀像を親油性、インキ受容性として応用する印
刷版の作成方法に於いて、高耐刷の印刷版を得る方法に
関する。 【0002】 【従来の技術】平版印刷版は、油脂性のインキを受理す
る親油性の画線部分と、インキを受け付けない撥油性の
非画線部分とからなり、一般に該非画線部分は、水を受
け付ける親水性部分から構成されている。 【0003】従って通常の平版印刷では、水とインキの
両方を版面に供給し、画線部は着色性のインキを非画線
部は水を選択的に受け入れ、該画線上のインキを例えば
紙などの基質に転写させることによってなされている。
従って、良い印刷物を得るためには画線部と背景非画線
部の表面の親油性及び親水性の差が充分大きくて、水及
びインキを適用したときに、画線部は十分量のインキを
受け付け、非画線部はインキを全く受け付けないことが
必要である。 【0004】高い感度を有し、かつスペクトル増感でき
るハロゲン化銀乳剤からなる写真材料は印刷版の自動製
造に好適で、既に幾つかの方法が知られている。写真ゼ
ラチン・ハロゲン化銀乳剤を利用して平版印刷版を作成
する方法を大別すると、次のような方法が知られてい
る。 【0005】(1)タンニング現像を利用する方法で、
親水性ゼラチンハロゲン化銀乳剤をタンニング現像して
現像部のゼラチンを硬化させ親油性、インキ受理性にす
る方法(米国特許第3,146,104号)。 【0006】(2)銀拡散転写法を応用し、形成された
表面金属銀模様を親油化し、インキ受理性として利用す
る印刷版(米国特許第3,721,559、同第3,490,905、特公
昭48-30562、J.Phot.Sci,8,26〜32(1960) A Rott & L.
DeHaes) 【0007】(3)エッチングブリーチを応用し、現像
された銀像部若しくは転写現像によって形成された銀像
部を漂白液で処理し、同時に銀画像部分のゼラチンを破
壊して親油性の表面を露出させることにより平版印刷版
を作成する方法。(米国特許第3,385,701、同第3,814,6
03号、特公昭44-27242号) 【0008】(4)ハロゲン化銀乳剤層の未現像のハロ
ゲン化銀像部を選択的に親油化しインキ受容化する方法
(米国特許第3,454,398号、同3,764,323号、同3,099,20
9号、特公昭57-3939号、特開平4-12353号等)。 【0009】本発明の平版印刷版は上記分類の(4)に
属する。 【0010】従って、上記(4)の原理による平版印刷版
の処理工程としては、画像露光後、ハロゲン化銀写真感
光材料用の現像液で現像処理(拡散転写現像を含まな
い)を行い、その後、現像されていないハロゲン化銀
(未現像のハロゲン化銀)をインキ受容性を持たせるた
め、ハロゲン化銀溶剤及び銀イオンと反応して難溶性化
合物を形成する有機化合物を含む処理液(以後感脂化処
理液とする)で処理を行い、必要に応じて安定化処理を
行い、水洗、乾燥工程となる。 【0011】従来、上記(4)の方法によってつくられる
平版印刷版は、耐刷力が悪いという問題があった。すな
わち、インキ受容性の部分、特に細線や微小な網点が、
大量に印刷した場合に徐々に細ってしまい、印刷物が印
刷枚数によって変わってしまうという問題がある。この
問題のためにこの方式の平版印刷版は実用化に至ってい
ない。 【0012】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
(4)の方法によって作成される平版印刷版の処理に於
いて、耐刷の改善を行うことである。 【0013】 【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、ハ
ロゲン化銀乳剤層を有する写真材料を露光し、現像(拡
散転写現像を含まない)後、未現像のハロゲン化銀像部
または現像された金属銀像部を選択的に親油化しインキ
受容性にする平版印刷版の作成方法において、該写真材
料をヒドラジン化合物の存在下で現像処理することを特
徴とする平版印刷版の作成方法によって達成された。 【0014】本発明者は鋭意検討を重ねた結果、ヒドラ
ジン化合物の存在下で現像することによって、印刷性、
特に耐刷力が著しく向上することを見出した。 【0015】ヒドラジン化合物は一般の写真感光材料、
特に製版用フィルムにおいて、硬調な特性が得られるこ
とが知られている。しかしながら、本発明が対象とする
平版印刷版に於いて、耐刷の良好な印刷版が得られるこ
とは新規な発見であり、全く予想されなかったことであ
る。 【0016】以下に、本発明に使用されるヒドラジン化
合物について更に詳細に説明する。 【0017】本発明で用いられるヒドラジン誘導体に
は、硫酸ヒドラジン、塩酸ヒドラジン等、また米国特許
第4,224,401号、同第4,243,734号、
同第4,272,614号、同第4,385,108
号、同第4,269,929号、同第4,323,64
3号、および特開昭59−106244号、同61−2
67759号、同61−230145号、同62−27
0953号、同62−178246号、同62−180
361号、同62−275247号、同63−2533
57号、同63−265239号、特開平2−2713
51号、同平2−277048号、特願平6−1432
63号等の明細書に記載されたヒドラジン誘導体などが
あり、本発明に使用することができる。以下にヒドラジ
ン誘導体の代表的な例を挙げるが本発明の範囲はこれら
に限定されるものではない。 【0018】 【化1】 【0019】 【化2】 【0020】 【化3】 【0021】 【化4】【0022】 【化5】 【0023】 【化6】 【0024】 【化7】 【0025】 【化8】 【0026】 【化9】 【0027】 【化10】 【0028】 【化11】 【0029】 【化12】 【0030】 【化13】 【0031】 【化14】 【0032】 【化15】 【0033】 【化16】 【0034】 【化17】 【0035】 【化18】 【0036】 【化19】 【0037】 【化20】 【0038】 【化21】 【0039】 【化22】 【0040】 【化23】 【0041】 【化24】 【0042】 【化25】 【0043】 【化26】 【0044】 【化27】 【0045】 【化28】 【0046】 【化29】 【0047】 【化30】 【0048】 【化31】 【0049】 【化32】 【0050】 【化33】 【0051】 【化34】 【0052】 【化35】 【0053】 【化36】 【0054】 【化37】 【0055】 【化38】 【0056】 【化39】 【0057】 【化40】 【0058】 【化41】 【0059】 【化42】 【0060】 【化43】 【0061】 【化44】 【0062】 【化45】 【0063】 【化46】 【0064】 【化47】 【0065】 【化48】 【0066】 【化49】 【0067】 【化50】 【0068】 【化51】 【0069】 【化52】 【0070】 【化53】 【0071】 【化54】 【0072】 【化55】 【0073】 【化56】【0074】 【化57】 【0075】 【化58】 【0076】 【化59】 【0077】本発明において、ヒト゛ラシ゛ン化合物を写真材
料中に含有させる場合は、ハロゲン化銀乳剤層に含有さ
せるのが好ましいが、ハロゲン化銀乳剤層に隣接する親
水性コロイド層に含有させてもよい。その様な層は下塗
層、中間層、フィルター層、保護層、アンチハレーショ
ン層など、ヒドラジン化合物が、ハロゲン化銀粒子へ拡
散していくのを妨げない限り、どんな機能をもつ層であ
ってもよい。層中でのヒドラジン化合物の含有量は、用
いられるハロゲン化銀乳剤の特性、化合物の化学構造及
び現像条件によって異なるので、適当な含有量は、広い
範囲にわたって変化しうるが、ハロゲン化銀乳剤中の銀
1モル当り約1×10-6〜1×10-2モルの範囲が実際
上有用である。 【0078】また、本発明に於いては、上記ヒドラジン
化合物を現像液中に入れても良い。この場合、現像液中
に、1×10-6〜1×10-3モル/lが好ましく1×10-5〜5×10-4
モル/lがより好ましい。 【0079】又、特開昭61−267759号、特開昭
60−179734号、米国特許5,104,769
号、同4,798,780号、特開平1−179939
号、同1−179940号で、米国特許4,998,6
04号、同4,994,365号、特開平6−3139
37号、同平7−36139等に記載のアミノ化合物、
ホスホニウム化合物を写真材料または現像液中に含有さ
せてもよい。 【0080】本発明に用いる現像液の現像主薬としては
ハイドロキノン、クロロハイドロキノン、ブロムハイド
ロキノン、イソプロピルハイドロキノン、メチルハイド
ロキノン、2,3−ジクロロハイドロキノン、2,5−
ジクロロハイドロキノン、2,3−ジブロモハイドロキ
ノン、2,5−ジメチルハイドロキノン、ハイドロキノ
ンモノスルホネートなどがある。 【0081】本発明には上記現像主薬に加えて1−フェ
ニル−3−ピラゾリドン又はその誘導体又は、p−アミ
ノフェノール系等の現像主薬を加えることができる。具
体例としては1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−フ
ェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−フ
ェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラ
ゾリドン、1−フェニル−5−メチル−3−ピラゾリド
ン、1−p−アミノフェニル−4,4−ジメチル−3−
ピラゾリドン、1−p−トリル−4,4−ジメチル−3
−ピラゾリドンなどがある。本発明に用いるp−アミノ
フェノール系現像主薬としてはN−メチル−p−アミノ
フェノール、N−(β−ヒドロキシエチル)−p−アミ
ノフェノール、N−(4−ヒドロキシフェニル)グリシ
ン、2−メチル−p−アミノフェノール、p−ベンジル
アミノフェノール等があるが、なかでもN−メチル−p
−アミノフェノールが好ましい。 【0082】現像主薬は通常0.03モル/L〜0.8
モル/Lの量で用いられるのが好ましい。またジヒドロ
キシベンゼン類と1−フェニル−3−ピラゾリドン類又
はp−アミノフェノール類との組合せを用いる場合には
前者を0.1モル/L〜0.5モル/L、後者を0.0
1〜0.1モル/L以下の量で用いるのが好ましい。 【0083】本発明に用いる亜硫酸塩の保恒剤として
は、例えば亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、重亜硫
酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム、ホルムアルデヒ
ド重亜硫酸ナトリウムなどがある。使用量は特に制限さ
れないが好ましくは0.05モル/L〜1.0モル/L
の範囲で用いられる。 【0084】現像液には、緩衝剤、アルカリ剤、溶解助
剤、pH調整剤、現像促進剤、界面活性剤、硬膜剤など
を含有させることができる。 【0085】現像液には更にカブリ防止剤、キレート化
剤を含有させることができる。 【0086】上記成分以外に用いられる添加剤として
は、臭化ナトリウム、ヨウ化カリウムのような現像抑制
剤、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、ジメチルホルムアミド、メチルセ
ロソルブ、ヘキシレングリコール、エタノール、メタノ
ールのような有機溶剤を含んでもよく、更に必要に応じ
て色調剤、消泡剤、硬水軟化剤などを含んでもよい。 【0087】この様にして調整された現像液のpH値は
所望の濃度とコントラストをあたえるに充分な程度に選
択されるが、約8〜12の範囲にあることが望ましい。 【0088】本発明の処理において用いることの出来る
自動現像機としては、大日本スクリーン製造(株)製L
D281Q、LD360、LD381、LD480Q、
富士写真フィルム(株)製FG680A、FG950
A、FG710A等があるが自動現像機の種類は限定さ
れない。また、銀錯塩拡散転写法を利用した平版印刷版
の処理に用いられる自動現像機についても処理に用いる
ことができる。 【0089】感光材料の現像処理温度及び時間は相互に
関係し、且つ全処理時間との関係において決定され、一
般に約20〜50℃で10秒〜3分であるが、高速迅速
処理の場合には約30〜50℃で10秒から40秒であ
る。 【0090】本発明に用いられる感脂化処理液は、特公
昭57−3939に詳述されるようにハロゲン化銀像部
の表面を親油化させる有機化合物及びハロゲン化銀溶剤
の組み合わせは広範囲に及ぶが、特に好ましいハロゲン
化銀溶剤としてはヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、
ヨウ化アンモニウム塩等のヨウ化物、チオ硫酸ナトリウ
ム、チオ硫酸カリウム、チオ硫酸アンモニウム等の、チ
オ硫酸塩、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸ナトリ
ウム、チオシアン酸アンモニウム等のチオシアン酸塩、
亜硫酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリ
ウム、亜硫酸水素カリウム等の亜硫酸塩が用いられる。 【0091】親油化させる有機化合物としては前記特公
昭57−3939に記載のものが挙げられる。好ましく
は次の化60、化61で挙げられるものである。 【0092】 【化60】 【0093】 【化61】 【0094】式中Rは水素、炭素数12以下のアルキル
機、アリール基、アラルキル基、Zは式中のN、Cとと
もに5ないし6員複素環を形成するのに必要な結合の残
りの原子団を表す。 【0095】5ないし6員環の具体的な例としてはイミ
ダゾール、イミダゾリン、チアゾール、チアゾリン、オ
キサゾリン、オキサゾール、ピラゾリン、トリアゾー
ル、チアジアゾール、オキサジアゾール、テトラゾー
ル、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、ト
リアジン等があり、又これらの環は2個以上の縮合生成
した環であってもよい。化60、化61で示される化合
物の代表的なものについて具体的に例示すると、2−メ
ルカプト−5−ヘプチル−1,3,4−オキサジアゾー
ル、2−メルカプト−5−フェニル1,3,4−オキサ
ジアゾール、2−メルカプト−4−フェニルイミダゾー
ル、2−メルカプト−1−ベンジルイミダゾール、2−
メルカプトベンツイミダゾール、2−メルカプト−1−
エチル−ベンツイミダゾール、2−メルカプト−1−ブ
チル−ベンツイミダゾール、1,3−ジエチル−ベンツ
イミダゾリン−2−チオン、2,2‘−ジメチルカプト
−1,1’−デカメチレン−ジイミダゾリン、2−メル
カプト−4−フェニルチアゾール、2−メルカプトナフ
トチアゾール等がある。 【0096】本発明の目的に有効なハロゲン化銀溶剤の
使用量はハロゲン化銀乳剤の組成に依存して一律ではな
いが、10-2モル/リットル〜1モル/リットルの範囲内である。該親
油化のための有機化合物の量は必ずしも各化合物につい
て一律ではないが、10-3モル/リットル〜10-1モル/リットルの濃
度で使用される。 【0097】親油化のための有機化合物及びハロゲン化
銀溶剤を含有する感脂化処理液は、該有機化合物の溶解
性を良くするために、メタノール、エタノール、プロパ
ノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール等
の水混和性有機溶媒を含有しうる。 【0098】また、本感脂化処理液はpH4〜8の間で緩
衝されていることが好ましい。pHの緩衝剤としては、酢
酸、クエン酸、リン酸等、pKa値が4〜8の酸と、それ
らの塩類の中から選択できる。また、該変換液は各種の
他の成分を含んでもよい。例えばヒドロキシエチルセル
ロースなどの水可溶性ポリマー類、コロイダルシリカな
どの表面親水化剤等を含むことができる。更に、感脂化
処理のムラを防ぐ目的で、特開平4−12353記載の
界面活性剤を用いることができる。 【0099】本発明に於いて、インキ受容性として利用
する部分は未現像のハロゲン化銀であり、または現像さ
れた金属銀像部である。未現像のハロゲン化銀をインキ
受容部に変換する場合は、前記したごとく、現像後感脂
化処理を施すことによって得られる。また現像された金
属銀像部をインキ受容部に変換する場合、現像後定着す
るか、または一浴現像定着処理後、残存する銀像を酸化
して再ハロゲン化し、感脂化処理することによって得ら
れる。 【0100】未現像のハロゲン化銀をインキ受容部に変
換して印刷版を作成する場合、用いるハロゲン化銀材料
がネガタイプのときはポジタイプの印刷版、またポジタ
イプのハロゲン化銀感光材料のときはネガタイプの印刷
版が得られる。 【0101】本発明に用いられる印刷版のハロゲン化銀
は、塩化銀、塩臭化銀、臭化銀で、ヨウ化物を含んでい
てもよい。感光性材料の結合剤はゼラチンが好ましい。
しかしその一部又は全部を他のコロイド物質、例えば、
アルブミン、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルアルコール−無水マレイン酸エステル、ポリビニル
アルコール−スチレン無水マレイン酸エステル、アルギ
ン酸塩、セルロース誘導体などで置換してもよい。 【0102】ハロゲン化銀に対する結合剤、好ましくは
ゼラチンの重量比及び結合剤の絶対量は、本発明の印刷
版の製造において、その品質を決定する重要な要素であ
る。硝酸銀として表したハロゲン化銀の重量を1とした
時の結合剤の量は0.3〜3.0の間で好適である。結合剤の
比率が0.3以下では乳剤層としての皮膜強度が低下しや
すく、印刷特性として好ましくない結果を生じさせやす
い。一方、結合剤の比率が高くなると、インキ受容性が
低下することがある。ハロゲン化銀乳剤層は、硝酸銀量
に換算して0.6〜7g/m2、結合剤量に換算して0.5〜2.5g/
2で塗布されることが好ましい。 【0103】本発明の印刷版の製造において、他の重要
な要素は、感光性ハロゲン化銀乳剤層の硬膜にある。少
なくとも印刷前の段階で、十分に硬化されていなければ
ならない。硬化剤を通常の写真乳剤層の硬膜法と同様に
写真乳剤塗液中に添加してもよいし、また、現像、製版
処理の前もしくは後の段階で、例えば熱処理などの方法
で硬化されてもよい。安定した硬膜特性を得るためには
硬化剤を含むハロゲン化銀乳剤を塗布乾燥後、適度に加
温処理されることが好ましい。この加温処理は、良好な
硬化度を得るための処理であり、それは、例えば80〜15
0℃で数分もしくは数十分間、あるいは30〜50℃で数日
間(1〜20日間位)の処理であってもよい。 【0104】硬化剤としては、通常の写真乳剤層の硬化
剤として使用されている化合物が使用できる。例えばホ
ルマリン、グリオキザール、グルタールアルデヒド、ム
コクロム酸などのアルデヒド系硬化剤、更に、尿素−ホ
ルマリン縮合物、メラニン−ホルマリン縮合物も有効で
あり、また、エポキシ系、アジリジン系化合物、活性オ
レフィン類、イソシアネート系化合物などの有機硬化
剤、クロム、アルミニウム、ジルコニウムなどの無機多
価金属塩類など、写真乳剤の硬化剤として公知の化合物
を単独もしくはいくつかを併用して使用できる。 【0105】また、ハロゲン化銀写真乳剤層は、印刷中
のコロイドの磨耗を防ぐために、粒子の大きさで約2〜
10μの径を有する微粒子を含有させるのが良く、シリ
カ、クレー、タルク、シークライト、米でんぷんなどが
使用できるが、特にシリカが好ましい。 【0106】シリカは1m2当たり0.01〜1gとなるよう
にハロゲン化銀乳剤中に添加される。シリカ粒子濃度が
過度に高くなると印刷中にインキ濃度が上がりにくくな
ったりスカミング現象を起こしたりする。 【0107】写真鮮鋭度、最終的には印刷物の解像度お
よび鮮鋭度を改良する目的で、いわゆる反射防止染料又
は顔料を適用することが好ましい。これらはハロゲン化
銀乳剤層中、あるいは支持体とハロゲン化銀乳剤層との
間のいわゆる反射防止層中、あるいは支持体をはさんで
ハロゲン化銀乳剤層と反対側の層中に適用することによ
って目的は達成される。 【0108】又、光反射性の顔料、例えば酸化チタン、
硫酸バリウム、酸化マグネシウムなどの白色顔料もしく
は黄色の有機顔料と光吸収性の染料または顔料とを併用
して使用することによっても目的は達成される。 【0109】本発明の印刷版の製造法における写真感光
材料の最も好ましい態様は、支持体上、反射防止染料も
しくは顔料を有するコロイド下塗層を有し、この下塗り
層の上にハロゲン化銀乳剤層を有するものである。 【0110】この反射防止染料もしくは顔料を有するコ
ロイド下塗層は、好ましくはゼラチンよりなり、前述の
ような粒径2〜10μの微粒子を含有させる。好適な微
粒子はシリカである。結合剤のゼラチンは、m2当たり0.
5g〜2.5gで、ハロゲン化銀乳剤層と同様良好に硬化され
るべきである。又、シリカはm2当たり0.1g〜20gの間で
付与される。 【0111】本構成におけるような、微粒子を含有する
下塗層は、印刷時におけるコロイドの磨耗性を改良し、
耐刷性を改良する効果をもつ。この場合においては乳剤
層中、微粒子シリカは必ずしも必要ではない。 【0112】ハロゲン化銀乳剤用の支持体は、当技術分
野で普通に使用されている任意の支持体を用いることが
できる。例えば、両側をポリエチレンで被覆した紙、樹
脂フィルム、金属シート等を用いることができる。 【0113】その他、塗布性を改良するために界面活性
剤や、写真感光特性を維持するための安定剤、カブリ防
止剤、増感色素、現像剤や、現像促進剤および写真乳剤
層を着色させる目的で染料、顔料等を、任意に含有でき
る。 【0114】本発明に用いられる印刷版にはインキ受容
性を付与する有機チオール化合物もしくはチオン化合
物、あるいはその他の有機複素環化合物の一部もしくは
全部を、あらかじめハロゲン化銀乳剤層を有する材料中
に、添加することもできる。それは、感光性ハロゲン化
銀乳剤層以外の層であっても良い。又、これらの有機化
合物は、油剤に溶解させ、微小油滴状に分散させてから
加えられても良い。 【0115】 【実施例】以下に実施例を掲げ本発明を詳細に説明する
が、これだけに限定されるわけではない。 【0116】実施例1 (1)平版印刷版の製造 コロナ状放電加工したポリエチレン被覆紙上にシリカ粒
子(平均粒径5μ)とカーボンブラックを含むゼラチン
下塗り液を塗布した。又、コロイド層硬化剤としてホル
マリンとジメチロール尿素を加えた。ゼラチンおよびシ
リカの付着量はm2当たりそれぞれ、1.2g、0.7gであっ
た。また、この層は、反射濃度で0.9を示した。続い
て、この下塗り層上にオルソ増感され、コロイド層硬化
剤としてホルマリンとジメチロール尿素を含むハロゲン
化銀乳剤を塗布した。 【0117】この乳剤層は下記の構成を有している。 ハロゲン化銀組成 クロロブロマイド(臭化銀25モル%) ハロゲン化銀の平均粒子サイズ 0.25μ 硝酸銀で表したハロゲン化銀塗布量 3.0g/m2 ゼラチン塗布量 1.5g/m2 シリカ(平均粒径5μ)塗布量 0.1g/m2 【0118】この感光性ハロゲン化銀乳剤含有写真材料
を40℃で3日間加温後、下記処方の水溶性合成高分子
物質を含有する水溶液(上塗り液とする)を15ml/m2
なるよう塗布し加熱乾燥して平版印刷版を作成した。こ
れを印刷版Aとする。 【0119】一方、上記乳剤粒子中にロジウム塩をハロ
ゲン化銀1モルに対して1×10−6モル添加した乳剤
を用いて、同様の工程で平版印刷版を作成した。これを
印刷版Bとする。 【0120】 上塗り液 水 800ml ポリアクリル酸ソーダ(1%水溶液) 200ml 1%H3PO4 200ml 10%サポニン 15ml 10%グリオキザール 20ml 水を加えて1500mlに合わせる。 【0121】(2)処理方法 平版印刷版A、Bを製版用カメラで像露光を行い下記処
方の現像液及び感脂化液をそれぞれ自動現像機LD22
1(大日本スクリーン製)の第1槽及び第2槽に入れ、
35℃30秒の現像処理、および30℃30秒の感脂化
処理を行った。これを比較例1、比較例2とする。 【0122】 現像液A EDTA・2Na 1g 水酸化ナトリウム 48g 亜硫酸カリウム 108g ハイドロキノン 55g N-メチル-p-アミノフェノール1/2硫酸塩 0.8g ハイドロキノンモノスルホン酸カリウム 40g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.2g 臭化カリウム 4g ジエチレングリコール 25g N-n-ブチルジエタノールアミン 12g KOHを用いてpHを11.80に合わせ、水を加えて1リットルにした。 【0123】 感脂化処理液 水 600ml ジエチレングリコール 50g NaOH 4g 2-メルカフ゜ト-5-ヘフ゜チル-1,3,4-オキサシ゛アソ゛ール 3g リン酸2カリ 25g リン酸(85%) 4g KI 25g 水を加えて1Lにする。 【0124】現像液Aに化2、化3、化22、化31、
化44、化49で示されるヒドラジン化合物を1L当た
り0.15g添加し、比較例1と同じ方法で印刷版Aを
処理した印刷版を本発明1〜6とする。 【0125】以上の操作により作成した平版印刷版をオ
フセット印刷機に装着し下記の給湿液を用いて、以下の
条件で印刷を行った。 【0126】給湿液 o−リン酸 10 g 硝酸ニッケル 5 g 亜硝酸ナトリウム 5 g エチレングリコール 100 g コロイダルシリカ(20%液) 28 g 水を加えて1リットルとする。 【0127】印刷機はエービーディック350CD(A.B.Dick
社製オフセット印刷機の商標)を使用し、非画線部の地
汚れ及び銀画像部の欠落による画像飛びが生じて印刷に
供せなくなったときの印刷枚数で、次の評価基準により
判定した。 A 30000〜50000枚 B 20000〜30000枚 C 10000〜20000枚 D 5000〜10000枚 E 2000〜5000枚 【0128】さらに、平版印刷版A及びBに用いたハロゲ
ン化銀乳剤の、階調を見るために、乳剤層のみをホ゜リエチレ
ンテレフタレートフィルム上に塗布し、自動現像機LD221の第2槽をC
F901(商品名(三菱製紙(株)製))の定着液に入れ替えて、
印刷版の作成と同じ条件でウェッシ゛を露光し、現像定着を
行いガンマを測定した。ガンマは透過濃度1.0から2.5の
平均勾配として表した。結果は表1に示した。 【0129】 【表1】 【0130】表1からわかるように、比較例1の印刷版
は耐刷が悪く、また、比較例2の印刷版は本発明と同様
のガンマ値であるが、耐刷はほとんど改善されないのに
対して、本発明の印刷版は、耐刷の良好な、印刷物を得
ることができた。 【0131】実施例2 実施例1の印刷版Aの乳剤層中に、現像液中に添加した
ヒドラジンを銀1モル当たり0.4×10-3モル添加した。ヒ
ドラジンを添加していない感光材料を比較例3とし、ヒ
ドラジン化合物を添加した感光材料を本発明7〜12と
した。これに実施例1と同じ上塗り液を塗布し、加熱乾
燥した。これらの感光材料を、実施例1の現像液Aにヒ
ドラジンを添加していないもので現像、および感脂化液
を用いて、実施例1と同じ条件で処理を行った。印刷条
件および評価方法は実施例1に従った。結果は表2に示
した。 【0132】 【表2】 【0133】表2からわかるように、比較例3の印刷版
は、耐刷が悪いのに対して、本発明の印刷版は、耐刷の
良好な印刷物を得ることができた。 【0134】実施例3 銀1モル当り4×10-7モルの六塩化イリジウム(III)
カリ及びアンモニアの存在下で97モル%のAgBr、
3モル%のAgIを含む平均粒子サイズ0.25μの立
方体晶からなる沃臭化銀乳剤をダブルジェット法によっ
て調製した。この乳剤をフロキュレーション法により脱
塩を行った後、銀1モル当り40gの不活性ゼラチンを
加えた。この乳剤を50℃に保ち増感色素として5,
5′−ジクロロ−9−エチル−3,3′−ビス(4−ス
ルホブチル)オキサカルボシアニンを加え20分間経時
させた後降温した。この乳剤を用いて化5、化44、化
45、化57、化58の化合物を銀1モルに対して0.4
×10-3モル添加し、更に5−メチルベンゾチアゾール、
2−メチル−4−ヒドロキシ−1,3,3a,7−テト
ラアザインデンを加えた。また、各試料に下記化62を
30mg/m2加え、1,3−ジビニルスルホニル−2−
プロパノールを加え、更に実施例1のシリカをm2当たり
0.7g加え、ポリエチレンテレフタレートフィルム上
に実施例1で用いた下塗り層を塗布した上に、銀量1.
5g/m2、ゼラチン量1.0g/m2となるよう塗布し
た。これを実施例1と同じ硬膜剤で硬膜を行い、実施例
1の上塗り液を塗布した。これらの感光材料のうち、ヒ
ドラジン誘導体を添加しなかったものを比較例4とし、
化3、化43、化44、化57、化58で示される化合
物を添加したものを本発明13〜17とする。 【0135】 【化62】 【0136】上記塗布サンプルを3200°Kのタング
ステン光で光学クサビ及び150線グレイコンタクトス
クリーンを通して露光行い、下記処方の現像液および実
施例1の感脂化処理液を用いて実施例1と同じ自動現像
機で処理を行った。これらの印刷版を実施例1と同じ方
法で耐刷の評価を行った。結果を表3に示す。 【0137】 現像液B 水 600ml 亜硫酸ナトリウム 49g 炭酸カリウム 30g ハイドロキノン 17g 1-フェニル-4-ヒドロキシメチル-4-メチル-3-ピラゾリドン 0.7g ベンゾトリアゾール 0.2g KBr 1.5g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 1g 水を加えて1Lとした後、KOHでpHを10.50(25℃)に合わせた。 【0138】 【表3】 【0139】表3からわかるように、比較例4の印刷版
は、耐刷が悪いのに対して、本発明の印刷版は、耐刷の
良好な、しかも汚れの改善された印刷物を得ることがで
きた。 【0140】 【発明の効果】本発明によれば、ハロゲン化銀乳剤層を
露光し現像後、未現像のハロゲン化銀像部または現像さ
れたハロゲン化銀像部を選択的に親油化しインキ受容性
にする平版印刷版において、ヒドラジン化合物の存在下
で現像処理することによって耐刷の良好な印刷版を得る
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 7/06 G03F 7/07 G03F 7/00 503 G03C 8/06 501 G03F 7/30

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 ハロゲン化銀乳剤層を有する写真材料を
    露光し、現像(拡散転写現像を含まない)後、未現像の
    ハロゲン化銀像部または現像された金属銀像部を選択的
    に親油化しインキ受容性にする平版印刷版の作成方法に
    おいて、該写真材料を、ヒドラジン化合物の存在下で現
    像処理することを特徴とする平版印刷版の作成方法。
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