JP2003295418A - 平版印刷版の作成方法 - Google Patents

平版印刷版の作成方法

Info

Publication number
JP2003295418A
JP2003295418A JP2002095736A JP2002095736A JP2003295418A JP 2003295418 A JP2003295418 A JP 2003295418A JP 2002095736 A JP2002095736 A JP 2002095736A JP 2002095736 A JP2002095736 A JP 2002095736A JP 2003295418 A JP2003295418 A JP 2003295418A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silver halide
printing plate
ink
treatment
printing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002095736A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Hirata
賢治 平田
Izumi Akaiwa
和泉 赤岩
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority to JP2002095736A priority Critical patent/JP2003295418A/ja
Publication of JP2003295418A publication Critical patent/JP2003295418A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】未現像のハロゲン化銀像を親油化し性、インキ
受容性として応用する印刷版の作成方法に於いて、印刷
時に印刷枚数が多くなってもムラのない安定したインキ
着肉性及び耐刷力をもつ印刷版の作成方法を提供する。 【解決手段】ロゲン化銀乳剤層を有する写真材料を露
光、現像処理後、親油化処理を施し、未現像のハロゲン
化銀像部を選択的に親油化しインキ受容性にする平版印
刷版の作成方法において、現像処理後、親油化処理前に
水洗処理することを特徴とする平版印刷版の作成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、未現像のハロゲン
化銀像をインキ受容性として応用する平版印刷版の作成
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】平版印刷は、油脂性のインキを受理する
親油性の部分と、インキを受け付けない親水性の部分
に、水とインキの両方を版面に供給して親油性部は着色
性のインキを親水性部は水を選択的に受け入れ、該画線
上のインキを紙などの基質に転写させることによってな
されている。従って、良い印刷物を得るためには表面の
親油性及び親水性の差が充分大きくて、水及びインキを
適用したときに、親油性部は十分量のインキを受け付
け、親水性部はインキを全く受け付けないことが必要で
ある。
【0003】高い感度を有し、かつスペクトル増感でき
るハロゲン化銀乳剤からなる写真材料は印刷版の製造に
好適で、既に幾つかの方法が知られている。写真ゼラチ
ン、ハロゲン化銀乳剤を利用して平版印刷版を作成する
方法を大別すると、次のような方法が知られている。
【0004】(1)タンニング現像を利用する方法で、
親水性ゼラチン、およびハロゲン化銀乳剤をタンニング
現像して現像部のゼラチンを硬化させ親油性、インキ受
理性にする方法(米国特許第3,146,104号)。
【0005】(2)銀拡散転写法を応用し、形成された
表面金属銀模様を親油化し、インキ受理性として利用す
る印刷版(米国特許第3,721,559、同第3,4
90,905、特公昭48−30562、J.Pho
t.Sci.,8,26〜32(1960) A Ro
tt & L. DeHaes)
【0006】(3)エッチングブリーチを応用し、現像
された銀像部若しくは転写現像によって形成された銀像
部を漂白液で処理し、同時に銀画像部分のゼラチンを破
壊して親油性の表面を露出させることにより平版印刷版
を作成する方法。(米国特許第3,385,701、同
第3,814,603号、特公昭44−27242)
【0007】(4)ハロゲン化銀乳剤層の未現像のハロ
ゲン化銀像部を選択的に親油化インキ受容化する方法
(米国特許第3,454,398号、同3,764,3
23号、同3,099,209号、特 公昭57−39
39号、特開平4−12353号、特開平9−3049
34号等)。
【0008】本発明の平版印刷版は上記分類の(4)に
属する。従って、上記原理による平版印刷版は、画像露
光後、ハロゲン化銀写真感光材料用の現像液で現像処理
(拡散転写現像を含まない)を行い、その後、非画像部
のハロゲン化銀(未現像のハロゲン化銀)にインキ受容
性を持たせるため、ハロゲン化銀溶剤及び銀イオンと反
応して難溶性化合物を形成する有機化合物を含む処理液
(以後感脂化処理液とする)で親油化処理を行い、必要
に応じて安定化処理を経て得られる。
【0009】上記方法によって作製された平版印刷版
は、印刷枚数が多くなるとインキ着肉ムラや耐刷ムラが
起こりやすく、未だ実用化されるに至ってなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、上記(4)の方法によって作成される平版印刷版の
印刷時におけるインキの着肉ムラ及び耐刷ムラを改良
し、安定した印刷性が得られる平版印刷版の作成方法を
提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、ハ
ロゲン化銀乳剤層を有する写真材料を露光、現像処理
後、親油化処理を施し、未現像のハロゲン化銀像部を選
択的に親油化しインキ受容性にする平版印刷版の作成方
法において、現像処理後、親油化処理前に水洗処理する
ことを特徴とする平版印刷版の作成方法によって達成さ
れた。
【0012】本発明が対象とする平版印刷版において、
印刷時のインキ着肉ムラや耐刷ムラが、その処理方法に
起因することを突き止めた。即ち、本発明が対象とする
平版印刷版の作成方法は、前述した特開公報にも示され
ているように、現像処理後、連続して親油化処理が施さ
れる。通常、ハロゲン化銀写真感光材料用の自動現像機
では、現像処理後に残余の現像液を除去するため、一対
の絞りローラーが配置されているが、巾方向に対するニ
ップ圧のバランスの崩れや、ローラー硬度の不均一さか
ら、残余の現像液を均一に除去することが難しい。この
ように写真材料表面に残留する現像液が不均一な状態で
次の親油化処理が施された場合、この残余の現像液の不
均一さのために、親油化の度合が変化して、印刷時のイ
ンキ着肉のムラひいては耐刷ムラが生じることが判明し
た。
【0013】本発明は上記した現像及び親油化処理に起
因する課題を解決するものであり、現像処理後でかつ親
油化処理の前に水洗処理を施すことによって解決するこ
とを見出した。
【0014】
【発明の実施の形態】水洗処理に用いられる水洗液は、
現像処理からもち込まれる現像液を迅速に希釈、除去す
るために、20〜50℃、好ましくは30〜40℃に保
たれているのがよい。温度が低すぎると、現像液の希釈
・除去が不十分であり、温度が高すぎると、自動現像機
内に水蒸気が結露して予期せぬ品質トラブルを引き起こ
す。
【0015】また、この水洗液はいわゆる水道水でもよ
いが、現像処理からもち込まれる現像液を中和するため
に、当業界で公知の酸・塩基類を用いてpH4〜10の
範囲で緩衝能をもたせてもよい。
【0016】本発明に用いられる感脂化処理液は、ハロ
ゲン化銀溶剤と銀イオンと反応して難溶性化合物を形成
する有機化合物を少なくとも含有する。前記有機化合物
は、ハロゲン化銀溶剤によって形成された可溶性銀錯体
よりも安定度が高く、且つ溶解度の低い銀錯体化合物を
形成できる有機化合物である。該有機化合物は、特公昭
57−3939に詳述されるように未露光部表面を親油
化させる有機化合物でもあり、詳細は後述する。
【0017】本発明に用いられる好ましいハロゲン化銀
溶剤としては、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨ
ウ化アンモニウム塩等のヨウ化物、チオ硫酸ソーダ、チ
オ硫酸カリウム等、チオ硫酸アンモニウム等の、チオ硫
酸塩、チオシアン酸カリウムや、チオシアン酸ソーダ等
のチオシアン酸塩、亜硫酸ナトリウムや亜硫酸カリウ
ム、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫
酸水素カリウム等の亜硫酸塩が挙げられる。
【0018】本発明の感脂化処理液に含まれている親油
化のための有機化合物としては、好ましくは、メルカプ
ト基を有する含窒素複素環化合物であり、更に炭素数3
以上の脂肪族基または芳香族基を有する化合物が好まし
い。以下にその代表的な一般式を挙げる。
【0019】
【化1】
【0020】式中のR1、R2、R3は水素原子、脂肪族
基(例えばアルキル基、アルケニル基、アラルキル基)
または芳香族基(例えばアリール基)を表す。好ましく
は、R1、R2、R3は、炭素数3〜12の脂肪族基また
は芳香族基である。m、nは0〜2の整数を表す。好ま
しくは、mは1または2である。Zは、式中のN、Cと
共に5ないし6員環を形成するのに必要な結合の残りの
原子団を示す。
【0021】5ないし6員環の具体的な例としては、イ
ミダゾール、イミダゾリン、チアゾール、チアゾリン、
オキサゾール、オキサゾリン、ピラゾリン、トリアゾー
ル、チアジアゾール、オキサジアゾール、テトラゾー
ル、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、ト
リアジン等であり、又これらの環は2個以上の縮合生成
した環であってもよく、ベンゼン環やナフタリン環と縮
合したものであってもよい。
【0022】係る化合物の具体例としては、2−メルカ
プト−4−フェニルイミダゾール、2−メルカプト−1
−ベンジルイミダゾール、2−メルカプト−ベンズイミ
ダゾール、2−メルカプト−1−ブチル−ベンズイミダ
ゾール、1,3−ジベンジル−イミダゾリジン−2−チ
オン、2−メルカプト−4−フェニルチアゾール、3−
ブチル−ベンゾチアゾリン−2−チオン、3−ドデシル
−ベンゾチアゾリン−2−チオン、2−メルカプト−
4,5−ジフェニルオキサゾール、3−ペンチル−ベン
ゾオキサゾリン−2−チオン、1−フェニル−3−メチ
ルピラゾリン−5−チオン、3−メルカプト−4−アリ
ル−5−ペンタデシル−1,2,4−トリアゾール、3
−メルカプト−5−ノニル−1,2,4−トリアゾー
ル、3−メルカプト−4−アセタミド−5−ヘプチル−
1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−4−アミ
ノ−5−ヘプタデシル−1,2,4−トリアゾール、2
−メルカプト−5−フェニル−1,3,4−チアジアゾ
ール、2−メルカプト−5−n−ヘプチル−オキサチア
ゾール、2−メルカプト−5−nヘプチル−オキサジア
ゾール、2−メルカプト−5−フェニル−1,3,4−
オキサジアゾール、5−メルカプト−1−フェニル−テ
トラゾール、3−メルカプト−4−メチル−6−フェニ
ル−ピリダジン、2−メルカプト−5,6−ジフェニル
−ピラジン、2−メルカプト−4,6−ジフェニル−
1,3,5−トリアジン、2−アミノ−4−メルカプト
−6−ベンジル−1,3,5−トリアジン等が挙げられ
るが、これらに限定されるものではない
【0023】本発明の目的に有効なハロゲン化銀溶剤の
使用量はハロゲン化銀乳剤の組成に依存して一律ではな
いが、10-2モル/L〜1モル/Lの範囲内である。ま
た、感脂化処理液に含まれている親油化させる有機化合
物の量は必ずしも各化合物について一律ではないが、1
-3モル/L〜10-1モル/Lの濃度で使用される。
【0024】親油化のための有機化合物及びハロゲン化
銀溶剤を含有する感脂化処理液は、該有機化合物の溶解
性を良くするために、メタノール、エタノール、プロパ
ノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール等
の水混和性有機溶媒を含有しうる。
【0025】また、感脂化処理液はpH4〜8の間で緩
衝されていることが好ましい。pHの緩衝剤としては、
酢酸、クエン酸、リン酸等、pKa値が4〜8の酸と、
それらの 塩類の中から選択できる。また、該感脂化処
理液は各種の他の成分を含んでもよい。例えばヒドロキ
シエチルセルロースなどの水可溶性ポリマー類、コロイ
ダルシリカなどの表面化親水化剤等を含むことができ
る。
【0026】本発明に用いる現像液の現像主薬としては
ハイドロキノン、クロロハイドロキノン、ブロムハイド
ロキノン、イソプロピルハイドロキノン、メチルハイド
ロキノン、2,3−ジクロロハイドロキノン、2,5−
ジクロロハイドロキノン、2,3−ジブロモハイドロキ
ノン、2,5−ジメチルハイドロキノン、ハイドロキノ
ンモノスルホネートなどがある。
【0027】本発明には上記現像主薬に加えて1−フェ
ニル−3−ピラゾリドン又はその誘導体又は、p−アミ
ノフェノール系現像主薬の現像主薬を加えることができ
る。具体例としては1−フェニル−3−ピラゾリドン、
1−フェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、
1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3
−ピラゾリドン、1−フェニル−5−メチル−3−ピラ
ゾリドン、1−p−アミノフェニル−4,4−ジメチル
−3−ピラゾリドン、1−p−トリル−4,4−ジメチ
ル−3−ピラゾリドンなどがある。本発明に用いるp−
アミノフェノール系現像主薬としてはN−メチル−p−
アミノフェノール、N−(β−ヒドロキシエチル)−p
−アミノフェノール、N−(4−ヒドロキシフェニル)
グリシン、2−メチル−p−アミノフェノール、p−ベ
ンジルアミノフェノール等があるが、なかでもN−メチ
ル−p−アミノフェノールが好ましい。
【0028】現像主薬は通常0.03モル/L〜0.8
モル/Lの量で用いられるのが好ましい。またジヒドロ
キシベンゼン類と1−フェニル−3−ピラゾリドン類又
はp−アミノフェノール類との組合せを用いる場合には
前者を0.1モル/L〜0.5モル/L、後者を0.0
1〜0.1モル/L以下の量で用いるのが好ましい。
【0029】本発明に用いる亜硫酸塩の保恒剤としては
亜硫酸塩類、例えば亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウ
ム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム、ホル
ムアルデヒド重亜硫酸ナトリウムなどがある。使用量は
特に制限されないが好ましくは0.05モル/L〜1.
0モル/Lの範囲で用いられる。
【0030】現像液には、その他必要により緩衝剤(例
えば、炭酸塩、ほう酸、ほう酸塩、アルカノールアミ
ン、スルホサリチル酸)、アルカリ剤(例えば、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等)、溶
解助剤(ポリエチレングリコール類、これらのエステ
ル)、pH調整剤(例えば、酢酸の如き有機酸)、現像
促進剤、界面活性剤、硬膜剤などを含有させることがで
きる。
【0031】現像液には更にカブリ防止剤(例えば、5
−ニトロインダゾール、5−ニトロ−ベンツイミダゾー
ル、5−メチル−ベンゾトリアゾール、5−ニトロベン
ゾトリアゾールの如きベンゾトリアゾール、ベンゾチア
ゾール、1−フェニル−5−メルカプト−テトラゾール
の如きテトラゾール、チアゾール或は英国特許第1,2
69,268号に記載の化合物など)、キレート化剤
(例えば、エチレンジアミン四酢酸、これらのアルカリ
金属塩、ポリリン酸塩、ニトリロ酢酸塩)を含有させる
ことができる。
【0032】上記成分以外に用いられる添加剤として
は、臭化ナトリウム、ヨウ化カリウムのような現像抑制
剤、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、ジメチルホルムアミド、メチルセ
ロソルブ、ヘキシレングリコール、エタノール、メタノ
ールのような有機溶剤を含んでもよく、更に必要に応じ
て色調剤、消泡剤、硬水軟化剤などを含んでもよい。
【0033】この様にして調整された現像液のpH値は
所望の濃度とコントラストをあたえるに充分な程度に選
択されるが、約8〜12の範囲にあることが望ましい。
【0034】本発明の処理において用いることの出来る
自動現像機としては、大日本スクリーン製造(株)製L
D281Q、LD360、LD381、LD480Q、
富士写真フィルム(株)製FG680A、FG950
A、FG710A等があるが自動現像機の種類に限定さ
れない。
【0035】また、銀錯塩拡散転写法を利用した平版印
刷版の処理に用いられる自動現像機についても処理に用
いることができる。通常、これらの自動現像機は三浴構
成になっており、順に現像・定着・水洗処理に用いら
れ、最後にドライヤーが併設されている。
【0036】本発明では、これらの自動現像機の三浴
を、順に現像・水洗・親油化処理に用いる。写真材料の
現像処理温度及び時間は相互に関係し、且つ全処理時間
との関係において決定され、一般に約20〜50℃で1
0秒〜3分であるが、高速迅速処理の場合には約30〜
50℃で10秒から40秒である。
【0037】本発明の方法によれば、未現像のハロゲン
化銀の部分にインキ受容性を持たせる。従って、ネガタ
イプのハロゲン化銀材料を像に従って露光し、現像、親
油化処理することにより、ポジの印刷版を得ることがで
きる。また、ポジタイプのハロゲン化銀材料からは、ネ
ガタイプの印刷版が得られる。
【0038】本発明に用いられる印刷版のハロゲン化銀
は、塩化銀、塩臭化銀、臭化銀で、ヨウ化物を含んでい
てもよい。感光性材料の結合剤はゼラチンが好ましい。
しかしその一部又は全部を他のコロイド物質、例えば、
アルブミン、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルアルコール−無水マレイン酸エステル、ポリビニル
アルコール−スチレン無水マレイン酸エステル、アルギ
ン酸塩、セルロース誘導体などで置換してもよい。
【0039】ハロゲン化銀に対する結合剤、好ましくは
ゼラチンの重量比及び結合剤の絶対量は、本発明の印刷
版の製造において、その品質を決定する重要な要素であ
る。硝酸銀として表したハロゲン化銀の量を1とした時
の結合剤の量は0.3〜2.0の間で好適である。結合
剤の比率が0.3以下では乳剤層としての皮膜強度が低
下しやすく、印刷特性として好ましくない結果を生じさ
せやすい。一方、結合剤の比率が高くなると、インキ受
容性が低下することがある。ハロゲン化銀乳剤層は、硝
酸銀量に換算して0.6〜7g/m2、結合剤量に換算し
て0.18〜2.1g/m2で塗布されることが好まし
い。
【0040】本発明の印刷版の製造において、他の重要
な要素は、感光性ハロゲン化銀乳剤層の硬膜にある。少
なくとも印刷前の段階で、十分に硬化されていなければ
ならない。硬化剤を通常の写真乳剤層の硬膜法と同様に
写真乳剤塗液中に添加してもよいし、また、現像、製版
処理の前もしくは後の段階で、例えば熱処理などの方法
で硬化されてもよい。安定した効果特性を得るためには
硬化剤を含むハロゲン化銀乳剤を塗布乾燥後、適度に加
温処理されることが好ましい。この加温処理は、良好な
硬化度を得るための処理であり、それは、例えば80〜
150℃で数分もし くは数十分間、あるいは30〜5
0℃で数日間(1〜20日間位)の処理であってもよ
い。
【0041】硬化剤としては、通常の写真乳剤層の硬化
剤として使用されている化合物が使用できる。例えばホ
ルマリン、グリオキザール、グルタールアルデヒド、ム
コクロム酸などのアルデヒド系硬化剤、更に、尿素−ホ
ルマリン縮合物、メラニン−ホルマリン縮合物も有効で
あり、また、エポキシ系、アジリジン系化合物、活性オ
レフィン類、イソシアネート系化合物、トリアジン類な
どの有機硬化剤、クロム、アルミニウム、ジルコニウム
などの無機多価金属塩類など、写真乳剤の硬化剤として
公知の化合物を単独もしくはいくつかを併用して使用で
きる。
【0042】また、ハロゲン化銀写真乳剤層は、印刷中
のコロイドの磨耗を防ぐために、粒子の大きさで約2〜
10μの径を有する微粒子を含有させるのが良く、シリ
カ、クレー、タルク、シークライト、米でんぷんなどが
使用できるが、特にシリカが好ましい。
【0043】シリカは1m2あたり0.01g〜1gとな
る様にハロゲン化銀乳剤中に添加される。シリカ粒子濃
度が過度に高くなると、印刷中にインキ濃度が上がりに
くくなったりスカミング現象を起こしたりする。
【0044】写真鮮鋭度、最終的には印刷物の解像度お
よび鮮鋭度を改良する目的で、いわゆる反射防止染料又
は顔料を適用することが好ましい。これらはハロゲン化
銀乳剤層中、あるいは支持体とハロゲン化銀乳剤層との
間のいわゆる反射防止層中、あるいは支持体をはさんで
ハロゲン化銀乳剤層と反対側の層中に適用することによ
って目的は達成される。
【0045】又、光反射性の顔料、例えば酸化チタン、
硫酸バリウム、酸化マグネシウムなどの白色顔料もしく
は黄色の有機顔料と光吸収性の染料または顔料とを併用
して使用することによっても目的は達成される。
【0046】本発明の印刷版の製造法における写真材料
の最も好ましい態様は、支持体上、反射防止染料もしく
は顔料を有するコロイド下塗層を有し、この下塗り層の
上にハロゲン化銀乳剤層を有するものである。
【0047】この反射防止染料もしくは顔料を有するコ
ロイド下塗層は、好ましくはゼラチンよりなり、前述の
ような粒径2〜10μの微粒子を含有させる。好適な微
粒子はシリカである。結合剤のゼラチンは、平米当たり
0.5g〜2.5gで、ハロゲン化銀乳剤層と同様良好
に硬化されるべきである。又、シリカは1平方メートル
当たり0.1g〜20gの間で付与される。
【0048】本構成におけるような、微粒子を含有する
下塗層は、印刷時におけるコロイドの磨耗性を改良し、
耐刷性を改良する効果をもつ。この場合においては乳剤
層中の微粒子シリカは必ずしも必要ではない。
【0049】ハロゲン化銀乳剤用の支持体は、当技術分
野で普通に使用されている任意の支持体を用いることが
できる。例えば、両側をポリエチレンで被覆した紙、樹
脂フィルム、金属シート等を用いることができる。
【0050】その他、塗布性を改良するために界面活性
剤や、写真感光特性を維持するための安定剤、カブリ防
止剤、増感色素、現像剤や、現像促進剤および写真乳剤
層を着色させる目的で染料、顔料等を、任意に含有でき
る。
【0051】本発明に用いられる印刷版にはインキ受容
性を付与する有機チオール化合物もしくはチオン化合
物、あるいは、その他の有機複素環化合物の一部もしく
は全部をあらかじめハロゲン化銀乳剤層を有する材料中
に、加することもできる。それは、感光性ハロゲン化銀
乳剤層以外の層であっても良い。又、これらの有機化合
物は、油剤に溶解させ、微小油滴状に分散させてから加
えられても良い。
【0052】本発明に用いられる写真材料は、ハロゲン
化銀乳剤層の上に、ポリアクリル酸塩やポリアクリルア
ミドのような水溶性ポリマー層を被覆してもよい。
【0053】
【実施例】以下に実施例を掲げ本発明を詳細に説明する
が、これだけに限定されるわけではない。 実施例1 (1)平版印刷版の製造 コロナ状放電加工したポリエチレン被覆紙上にシリカ粒
子(平均粒径5μ)とカーボンブラックを含むゼラチン
下塗り液を塗布した。又、コロイド層硬化剤としてホル
マリンとジメチロール尿素を加えた。ゼラチンおよびシ
リカの付着量は1平方メートル当たりそれぞれ、1.2
g、0.7gであった。また、この層は、反射濃度で
0.9を示した。続いて、この下塗り層上にオルソ増感
され、コロイド層硬化剤としてホルマリンとジメチロー
ル尿素を含む下記構成のハロゲン化銀乳剤層を塗布して
写真材料を作製した。
【0054】 <ハロゲン化銀乳剤層> ハロゲン化銀組成 塩臭化銀(臭化銀25モル%) ハロゲン化銀の平均粒子サイズ 0.33μ 硝酸銀で表したハロゲン化銀塗布量 1.2g/m2 ゼラチン塗布量 0.7g/m2 シリカ(平均粒径5μ)塗布量 0.1g/m2
【0055】この写真材料を40℃で3日間加温後、下
記処方の水溶性合成高分子物質を含有する水溶液(上塗
り液)を15ml/m2になるよう塗布し、加熱乾燥して
平版印刷版を作成した。 水 800ml ポリアクリル酸ソーダ(1%水溶液) 200ml 1%H3PO4 200ml 10%サポニン 15ml 10%グリオキザール 20ml 水を加えて1500mlに合わせる。
【0056】(2)処理方法 上記感光材料を製版用カメラで像露光を行い下記処方の
現像液及び感脂化処理液をそれぞれ自動現像機LD22
1(大日本スクリーン製)の第1槽及び第3槽に入れ、
第2槽には予め温度を調節した水道水を入れた。第1槽
では35℃30秒、第2槽では所定の温度30秒、第3
槽では30℃15秒処理を行い、乾燥して印刷版を得
た。
【0057】比較のため、第1槽に現像液、第2槽に感
脂化処理液、第3槽に水道水、または、第3槽に何も入
れずに処理を行った。温度・時間は上記と同じである。
【0058】 <現像液> EDTA・2Na 1g 水酸化ナトリウム 48g 亜硫酸カリウム 108g ハイドロキノン 55g N−メチル−p−アミノフェノール1/2硫酸塩 0.8g ハイドロキノンモノスルホン酸カリウム 40g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.2g 臭化カリウム 4g KOHを用いてpHを11.80に合わせ、水を加えて
1Lにした。
【0059】 <感脂化処理液> 水 600ml ジエチレングリコール 50g NaOH 4g 2−メルカプト−5−ヘプチル−1,3,4−オキサジアゾール 3g リン酸2カリ 25g リン酸(85%) 4g KI 25g 水を加えて1Lにした。pHを7.5に調整した。
【0060】以上の操作により作成した平版印刷版をオ
フセット印刷機に装着し、下記の給湿液を版面にくまな
く与え、下記給湿液を用いて印刷を行った。
【0061】<給湿液> o−リン酸 10g 硝酸ニッケル 5g 亜硝酸ナトリウム 5g エチレングリコール 100g コロイダルシリカ(20%液) 28g 水を加えて1Lとした。
【0062】印刷ムラは以下の方法で印刷評価を行っ
た。印刷機は、エービーディック3200CD(A.
B.Dick社製オフセット印刷機の商標)を使用し、
インキはNew Champion墨H(大日本インキ
製、商品名)を用い、10,000枚、20,000
枚、30,000印刷を行った後に、印刷物の状態を次
の評価基準により判定した。印刷結果を表1に示す。 A 画像部分の欠落が全くない。 B わずかに欠落がおこっている。 C 一部に処理ムラによるインキ濃度ムラがある。 D 全体にインキ濃度にむらがあり、インキが乗ってい
ない部分がある。 E インキがほとんど乗っていない。
【0063】
【表1】
【0064】表1からわかるように、比較例1〜5の印
刷版は印刷ムラがあり、かつ、耐刷力が低下する。本発
明1および6はこれらに比べ改善されており、更に、本
発明2〜5はムラもほとんどなく、耐刷力も良好であ
る。
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、未現像のハロゲン化銀
像を親油化し、インキ受容性として応用する印刷版の作
成方法に於いて、現像処理後、親油化処理前に水洗処理
を行うことで、印刷時に印刷枚数が多くなってもムラの
ない安定したインキ着肉性及び耐刷力をもつ印刷版を得
ることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲン化銀乳剤層を有する写真材料を
    露光、現像処理後、親油化処理を施し、未現像のハロゲ
    ン化銀像部を選択的に親油化しインキ受容性にする平版
    印刷版の作成方法において、現像処理後、親油化処理前
    に水洗処理することを特徴とする平版印刷版の作成方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1の平版印刷版の作成方法におい
    て、水洗温度が20〜50℃の範囲で水洗処理すること
    を特徴とする平版印刷版の作成方法。
JP2002095736A 2002-03-29 2002-03-29 平版印刷版の作成方法 Pending JP2003295418A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002095736A JP2003295418A (ja) 2002-03-29 2002-03-29 平版印刷版の作成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002095736A JP2003295418A (ja) 2002-03-29 2002-03-29 平版印刷版の作成方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003295418A true JP2003295418A (ja) 2003-10-15

Family

ID=29239090

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002095736A Pending JP2003295418A (ja) 2002-03-29 2002-03-29 平版印刷版の作成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003295418A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5275915A (en) Developer for light-sensitive material
US4230792A (en) Lithographic printing plate from silver halide emulsion
US5910391A (en) Process for making lithographic printing plate with water wash containing mercapto compound
US5525455A (en) Treating solution for lithographic printing plate
JP2003295418A (ja) 平版印刷版の作成方法
JPH05127387A (ja) 平版印刷版の製版方法
JP2003295475A (ja) 平版印刷版の作成方法
JP2004004265A (ja) 平版印刷版の作成方法
JP3402558B2 (ja) 平版印刷版の作成方法
JP2003295447A (ja) 平版印刷版の作成方法
JPH09304935A (ja) 平版印刷版の作成方法
JP2004085771A (ja) 平版印刷版の作成方法
JP3587285B2 (ja) 平版印刷版用版面処理液
JP2868997B2 (ja) 平版印刷版の処理方法
JP2003295472A (ja) 平版印刷版の作成方法
JP3522474B2 (ja) 平版印刷版のスターター液及び印刷方法
JP2003295446A (ja) 平版印刷版の処理方法
JP3437374B2 (ja) 平版印刷版用スターター液
JP2019191361A (ja) 平版印刷版の製版方法
JP2003167349A (ja) 平版印刷版の現像処理方法
JPH1062999A (ja) 平版印刷版の製版用処理液及び製版方法
JP2003295445A (ja) 平版印刷版の作成方法
JP2019135515A (ja) 平版印刷版の製版方法
JP2005266626A (ja) 平版印刷版の作成方法
JP2003295451A (ja) 平版印刷版の作成方法