JP2003295447A - 平版印刷版の作成方法 - Google Patents

平版印刷版の作成方法

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JP2003295447A
JP2003295447A JP2002095569A JP2002095569A JP2003295447A JP 2003295447 A JP2003295447 A JP 2003295447A JP 2002095569 A JP2002095569 A JP 2002095569A JP 2002095569 A JP2002095569 A JP 2002095569A JP 2003295447 A JP2003295447 A JP 2003295447A
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sulfite
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JP2002095569A
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Hideaki Baba
英明 馬場
Kenji Hirata
賢治 平田
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】写真的に形成されたハロゲン化銀像を親油性、
インキ受容性として応用する印刷版の現像処理方法に於
いて、高耐刷の平版印刷版を得る方法に関する。 【解決手段】ハロゲン化銀乳剤層を有する平版印刷版前
駆体の未現像ハロゲン化銀像部を選択的に親油化しイン
キ受容性にする平版印刷版の作成方法において、(1)
現像液に亜硫酸塩が0.3モル/L以下で、現像主薬を
含有することを特徴とする平版印刷版の作成方法。
(2)亜硫酸塩が0.3モル/L以下の量を含むアルカ
リ活性化液で現像処理することを特徴とする平版印刷版
の作成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、写真的に形成され
たハロゲン化銀像を親油性、インキ受容性として応用す
る平版印刷版の作成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】平版印刷版は、油脂性のインキを受理す
る親油性の部分と、インキを受け付けない親水性の部分
に、水とインキの両方を版面に供給して親油性部は着色
性のインキを親水性部は水を選択的に受け入れ、該画線
上のインキを紙などの基質に転写させることによってな
されている。従って、良い印刷物を得るためには表面の
親油性及び親水性の差が充分大きくて、水及びインキを
適用したときに、親油性部は十分量のインキを受け付
け、親水性部はインキを全く受け付けないことが必要で
ある。
【0003】高い感度を有し、かつスペクトル増感でき
るハロゲン化銀乳剤からなる写真材料は印刷版の自動製
造に好適で、既に幾つかの方法が知られている。写真ゼ
ラチン・ハロゲン化銀乳剤を利用して平版印刷版を作成
する方法を大別すると、次のような方法が知られてい
る。
【0004】(1)タンニング現像を利用する方法で、
親水性ゼラチンハロゲン化銀乳剤をタンニング現像して
現像部のゼラチンを硬化させ親油性、インキ受理性にす
る方法(米国特許第3,146,104号)。
【0005】(2)銀拡散転写法を応用し、形成された
表面金属銀模様を親油化し、インキ受理性として利用す
る印刷版(米国特許第3,721,559、同第3,490,905、特公
昭48-30562、J.Phot.Sci,8,26〜32(1960) A Rott & L.
DeHaes)
【0006】(3)エッチングブリーチを応用し、現像
された銀像部若しくは転写現像によって形成された銀像
部を漂白液で処理し、同時に銀画像部分のゼラチンを破
壊して親油性の表面を露出させることにより平版印刷版
を作成する方法。(米国特許第3,385,701、同第3,814,6
03号、特公昭44-27242号)
【0007】(4)ハロゲン化銀乳剤層の未現像のハロ
ゲン化銀像部を選択的に親油化しインキ受容化する方法
(米国特許第3,454,398号、同3,764,323号、同3,099,20
9号、特公昭57-3939号、特開平4-12353号等)。
【0008】今日、ハロゲン化銀乳剤を用いて実用化さ
れている平版印刷版は、上記(2)の方法によるものが
主流である。しかし、この方法は、特別の製版装置やD
TR現像液が必要となる。
【0009】一方、上記(4)の原理による平版印刷版
の処理工程としては、画像露光後、ハロゲン化銀写真感
光材料用の現像液で化学現像処理を行い、その後、未
(化学)現像のハロゲン化銀部にインキ受容性を持たせ
るため、ハロゲン化銀溶剤及び銀イオンと反応して難溶
性化合物を形成する有機化合物を含む処理液(以後、感
脂化処理液とする)で親油化処理を行い、必要に応じて
安定化処理を行い、水洗、乾燥工程となる。
【0010】しかしながら、上記(4)の方法によって
つくられる平版印刷版は、耐刷力が悪いという問題があ
った。すなわち、インキ受容性の部分、特に細線や微小
な網点が、大量に印刷した場合に徐々に細ってしまい、
印刷物が印刷枚数によって変わってしまうという問題で
ある。この耐刷力を改善するために特開平9−3049
34号ではヒドラジン化合物の存在下で現像処理する方
法が示されている。この方法で耐刷性は改善されている
が、未だ十分なレベルでなく上記(4)の方法によって
作られる平版印刷版は実用化に至っていない。
【0011】一方、上記(4)の方法によってつくられ
る平版印刷版に於いて、アルカリ活性化液で現像処理す
ることは特公昭57−3939号で開示されているが、
耐汚れ性並びに耐刷力が悪く、改善を必要としていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
(4)の方法によって作成される平版印刷版の処理に於
いて、請求項1記載の作成方法では耐刷力の改善を行
い、請求項2記載の作成方法では耐汚れ性並びに耐刷力
の改善を行うことである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、ハ
ロゲン化銀乳剤層を有する写真材料を露光し、現像後、
未現像のハロゲン化銀像部を選択的に親油化しインキ受
容性にする平版印刷版の作成方法において、(1)現像
液に亜硫酸塩が0.3モル/L以下で、現像主薬を含有
することを特徴とする平版印刷版の作成方法。(2)亜
硫酸塩が0.3モル/L以下の量を含むアルカリ活性化
液で現像処理することを特徴とする平版印刷版の作成方
法。により達成された。
【0014】一般に現像主薬を含む現像液では保恒剤と
して亜硫酸塩等を含有しているが、この亜硫酸塩等はそ
の一方でハロゲン化銀の溶剤としての機能を有すること
もよく知られている。しかしながら、多くの写真材料は
現像処理後、未露光部のハロゲン化銀は不要な存在であ
り、通常は定着処理で溶解され系外に放出される事が多
い。その為に、一般的には現像処理時に於ける未露光部
のハロゲン化銀の溶解については余り重要視されていな
い。本発明が対象とする平版印刷版においても、特開平
9−304935では現像液中の亜硫酸カリウム量が実
施例1では108g/L(0.68モル/L)であり、
実施例3では亜硫酸ナトリウム量が49g/L(0.3
9モル/L)含有されている。本発明者は鋭意検討を重
ねた結果、本発明が対象とする平版印刷版の作成におい
ては、保恒剤として含有されている亜硫酸塩の溶解作用
が耐刷性を大きく低下させる事を見いだした。現像時の
亜硫酸塩等の溶解作用が上記(4)の作成方法で得られ
る平版印刷版の耐刷力を低下させる原因となっていたこ
とは全く予想されなかったことである。
【0015】アルカリ活性化液で現像処理することは一
般的に知られており、現像液のロングライフ化が可能と
なりメンテナンス性が飛躍的に向上する。この様な現像
方式では通常写真材料中に現像主薬を含有させており、
アルカリ活性化液で処理すると同時に内添されている現
像主薬が露光されたハロゲン化銀を還元、現像させる。
しかしながら、この現像方式では現像主薬を含有してい
る現像液での処理に比べ、耐汚れ性が低いと言う問題が
あった。本発明者は鋭意検討を重ねた結果、耐汚れ性の
悪化は本現像方式独自の現象であることを見いだし、こ
れは化学現像性が比較的遅い事に依るものであることが
判った。即ち、本現像方式では化学現像性が比較的遅い
ことで亜硫酸塩による露光部のハロゲン化銀を部分的に
溶解並びに感脂化処理による親油化で耐汚れ性の低下に
繋がっていた。
【0016】アルカリ活性化液での現像方式は、一方で
現像主薬を含む現像方式と同様に亜硫酸塩が耐刷力を低
下させることを見いだした。特公昭57−3939では
亜硫酸ナトリウムを50g/L(0.4モル/L)含ん
だアルカリ活性化液での現像処理となっており、本発明
者の鋭意検討の結果、亜硫酸ナトリウムの添加量が0.
3モル/Lを越えるアルカリ活性化液での現像処理は耐
刷力を低下させる事が判明した。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明に現像液の保恒剤として使
用される亜硫酸塩は、例えば亜硫酸ナトリウム、亜硫酸
カリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウ
ム、ホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウムなどがある。
本発明に於いて亜硫酸塩が現像液中に含有できる量は現
像主薬の有無に関わらず0.3モル/L以下であるが、
好ましくは0.2モル/L以下であり、更に保恒性とし
ての機能を有するために好ましくは0.1〜0.2モル
/Lである。0.1モル/L以下では保恒作用が大幅に
低下するが、例えばアスコルビン酸等を含有させて保恒
性を補うことができる。
【0018】本発明に使用されるアルカリ活性化液とは
実質的に現像主薬を含まない現像液であり、その為現像
主薬は写真材料中に含有させる必要がある。実質的に現
像主薬を含まない現像液とは、現像液中に現像主薬が全
然含まれないもの、或いは露光されて潜像形成されたハ
ロゲン化銀を含む写真材料を現像しても黒化させること
が出来ない量の現像主薬を含むものである。例えば、ハ
イドロキノンなどは0.03モル/L以下であり、また
1−フェニル−3−ピラゾリドン類は0.1モル/L未
満、p−アミノフェノール類は0.01モル/L未満の
量では実質的に現像主薬を含まない現像液と同じであ
る。
【0019】本発明に於ける作用機構は以下のように考
えている。本発明が対象とする平版印刷版の作成方法に
おいては、現像過程では露光部のみを黒化させるいわゆ
る化学現像を生じさせ、現像後の感脂化処理によって未
露光部の現像されていないハロゲン化銀を溶解させてイ
ンキ受容性を持つ難溶性化合物を形成するものである
が、ハロゲン化銀溶剤になり得る亜硫酸塩が現像液に
0.3モル/L以上含まれていると現像処理の際にハロ
ゲン化銀の溶解が起こり、次工程である感脂化処理が適
切に機能しなくなることが判明した。この理由について
は明確にはわかっていないが、現像液中に亜硫酸塩が
0.3モル/L以下の含有量であれば特に感脂化処理に
影響を及ぼさず、耐刷力が向上し本発明に到った。
【0020】更に、アルカリ活性化液での現像方式は、
本来化学現像されるハロゲン化銀部を亜硫酸塩により溶
解が進められ、感脂化処理により親油化される。これ
は、耐汚れ性の低下に繋がるが、現像液中の亜硫酸塩が
0.3モル/L以下の含有量であれば、特に現像時、露
光部のハロゲン化銀の溶解には到らず、汚れ発生を防止
でき本発明に到った。
【0021】本発明に用いられる現像液の現像主薬とし
ては、ハイドロキノン、クロロハイドロキノン、ブロム
ハイドロキノン、イソプロピルハイドロキノン、メチル
ハイドロキノン、2,3−ジクロロハイドロキノン、
2,5−ジクロロハイドロキノン、2,3−ジブロモハ
イドロキノン、2,5−ジメチルハイドロキノン、ハイ
ドロキノンモノスルホネートなどがある。
【0022】本発明には上記現像主薬に加えて1−フェ
ニル−3−ピラゾリドン又はその誘導体又は、p−アミ
ノフェノール系等の現像主薬を加えることができる。具
体例としては1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−フ
ェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−フ
ェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラ
ゾリドン、1−フェニル−5−メチル−3−ピラゾリド
ン、1−p−アミノフェニル−4,4−ジメチル−3−
ピラゾリドン、1−p−トリル−4,4−ジメチル−3
−ピラゾリドンなどがある。本発明に用いるp−アミノ
フェノール系現像主薬としてはN−メチル−p−アミノ
フェノール、N−(β−ヒドロキシエチル)−p−アミ
ノフェノール、N−(4−ヒドロキシフェニル)グリシ
ン、2−メチル−p−アミノフェノール、p−ベンジル
アミノフェノール等があるが、なかでもN−メチル−p
−アミノフェノールが好ましい。
【0023】現像主薬を現像液に添加するのは、通常
0.03モル/L〜0.8モル/Lの量で用いられるの
が好ましい。また、ジヒドロキシベンゼン類と1−フェ
ニル−3−ピラゾリドン類またはp−アミノフェノール
類との組み合わせを用いる場合には前者を0.1モル/
L〜0.5モル/L、後者を0.01モル/L〜0.1
モル/Lの量で用いるのが好ましい。
【0024】アルカリ活性化液に用いるアルカリ剤とし
ては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどがある
が、これらに限定されない。
【0025】現像液には、緩衝剤、アルカリ剤、溶解助
剤、pH調整剤、現像促進剤、界面活性剤、硬膜剤、更
にカブリ防止剤、キレート化剤を含有させることができ
る。
【0026】上記成分以外に用いられる添加剤として
は、臭化ナトリウム、ヨウ化カリウムのような現像抑制
剤、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、ジメチルホルムアミド、メチルセ
ロソルブ、ヘキシレングリコール、エタノール、メタノ
ールのような有機溶剤を含んでもよく、更に必要に応じ
て色調剤、消泡剤、硬水軟化剤などを含んでもよい。
【0027】この様にして調整された現像液のpH値は
所望の濃度とコントラストをあたえるに充分な程度に選
択されるが、約8〜13の範囲にあることが望ましい。
【0028】本発明の処理において用いることの出来る
自動現像機としては、大日本スクリーン製造(株)製L
D281Q、LD360、LD381、LD480Q、
富士写真フィルム(株)製FG680A、FG950
A、FG710A等があるが自動現像機の種類は限定さ
れない。また、銀錯塩拡散転写法を利用した平版印刷版
の処理に用いられる自動現像機についても処理に用いる
ことができる。
【0029】感光材料の現像処理温度及び時間は相互に
関係し、且つ全処理時間との関係において決定され、一
般に約20〜50℃で10秒〜3分であるが、高速迅速
処理の場合には約30〜50℃で10秒から40秒であ
る。
【0030】本発明に用いられる感脂化処理液は、ハロ
ゲン化銀溶剤と銀イオンと反応して難溶性化合物を形成
する有機化合物を少なくとも含有する。前記有機化合物
は、ハロゲン化銀溶剤によって形成された可溶性銀錯体
よりも安定度が高く、且つ溶解度の低い銀錯体化合物を
形成できる有機化合物である。該有機化合物は、特公昭
57−3939に詳述されるように未露光部表面を親油
化させる有機化合物でもあり、詳細は後述する。
【0031】本発明に用いられる好ましいハロゲン化銀
溶剤としてはヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ
化アンモニウム塩等のヨウ化物、チオ硫酸ナトリウム、
チオ硫酸カリウム、チオ硫酸アンモニウム等の、チオ硫
酸塩、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸ナトリウ
ム、チオシアン酸アンモニウム等のチオシアン酸塩、亜
硫酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウ
ム、亜硫酸水素カリウム等の亜硫酸塩が用いられる。
【0032】本発明の感脂化処理液に含まれている親油
化のための有機化合物としては、好ましくは、メルカプ
ト基を有する含窒素複素環化合物であり、更に炭素数3
以上の脂肪族基または芳香族基を有する化合物が好まし
い。以下にその代表的な一般式を挙げる。
【0033】
【化1】
【0034】式中のR1、R2、R3は水素原子、脂肪族
基(例えばアルキル基、アルケニル基、アラルキル基)
または芳香族基(例えばアリール基)を表す。好ましく
は、R1、R2、R3は、炭素数3〜12の脂肪族基また
は芳香族基である。m、nは0〜2の整数を表す。好ま
しくは、mは1または2である。Zは、式中のN、Cと
共に5ないし6員環を形成するのに必要な結合の残りの
原子団を示す。
【0035】5ないし6員環の具体的な例としてはイミ
ダゾール、イミダゾリン、チアゾール、チアゾリン、オ
キサゾリン、オキサゾール、ピラゾリン、トリアゾー
ル、チアジアゾール、オキサジアゾール、テトラゾー
ル、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、ト
リアジン等があり、又これらの環は2個以上の縮合生成
した環であってもよい。化1で示される化合物の代表的
なものについて具体的に例示すると、2−メルカプト−
5−ヘプチル−1,3,4−オキサジアゾール、2−メ
ルカプト−5−フェニル1,3,4−オキサジアゾー
ル、2−メルカプト−4−フェニルイミダゾール、2−
メルカプト−1−ベンジルイミダゾール、2−メルカプ
トベンツイミダゾール、2−メルカプト−1−エチル−
ベンツイミダゾール、2−メルカプト−1−ブチル−ベ
ンツイミダゾール、1,3−ジエチル−ベンツイミダゾ
リン−2−チオン、2,2‘−ジメチルカプト−1,
1’−デカメチレン−ジイミダゾリン、2−メルカプト
−4−フェニルチアゾール、2−メルカプトナフトチア
ゾール等がある。
【0036】本発明の目的に有効なハロゲン化銀溶剤の
使用量はハロゲン化銀乳剤の組成に依存して一律ではな
いが、10-2モル/リットル〜1モル/リットルの範囲内である。該親
油化のための有機化合物の量は必ずしも各化合物につい
て一律ではないが、10-3モル/リットル〜10-1モル/リットルの濃
度で使用される。
【0037】親油化のための有機化合物及びハロゲン化
銀溶剤を含有する感脂化処理液は、該有機化合物の溶解
性を良くするために、メタノール、エタノール、プロパ
ノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール等
の水混和性有機溶媒を含有しうる。
【0038】また、本感脂化処理液はpH4〜8の間で緩
衝されていることが好ましい。pHの緩衝剤としては、酢
酸、クエン酸、リン酸等、pKa値が4〜8の酸と、それ
らの塩類の中から選択できる。また、該変換液は各種の
他の成分を含んでもよい。例えばヒドロキシエチルセル
ロースなどの水可溶性ポリマー類、コロイダルシリカな
どの表面親水化剤等を含むことができる。更に、感脂化
処理のムラを防ぐ目的で、特開平4−12353記載の
界面活性剤を用いることができる。
【0039】本発明に於いて、インキ受容性として利用
する部分は未現像のハロゲン化銀である。未現像のハロ
ゲン化銀をインキ受容部に変換する場合は、前記したご
とく、現像後感脂化処理を施すことによって得られる。
【0040】未現像のハロゲン化銀をインキ受容部に変
換して印刷版を作成する場合、用いるハロゲン化銀材料
がネガタイプのときはポジタイプの印刷版、またポジタ
イプのハロゲン化銀感光材料のときはネガタイプの印刷
版が得られる。
【0041】本発明において現像主薬を写真材料中に含
有させる場合は、ハロゲン化銀乳剤層、ハロゲン化銀乳
剤層に隣接する親水性コロイド層、下塗層、中間層、フ
ィルター層、保護層、アンチハレーション層などに含有
させることが出来る。
【0042】本発明におけるアルカリ活性化液で処理さ
れる写真材料中の現像主薬としてはハイドロキノン、ク
ロロハイドロキノン、ブロムハイドロキノン、イソプロ
ピルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、2,3−
ジクロロハイドロキノン、2,5−ジクロロハイドロキ
ノン、2,3−ジブロモハイドロキノン、2,5−ジメ
チルハイドロキノン、ハイドロキノンモノスルホネート
などがある。
【0043】本発明には上記現像主薬に加えて1−フェ
ニル−3−ピラゾリドン又はその誘導体又は、p−アミ
ノフェノール系等の現像主薬を加えることができる。具
体例としては1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−フ
ェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−フ
ェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラ
ゾリドン、1−フェニル−5−メチル−3−ピラゾリド
ン、1−p−アミノフェニル−4,4−ジメチル−3−
ピラゾリドン、1−p−トリル−4,4−ジメチル−3
−ピラゾリドンなどがある。本発明に用いるp−アミノ
フェノール系現像主薬としてはN−メチル−p−アミノ
フェノール、N−(β−ヒドロキシエチル)−p−アミ
ノフェノール、N−(4−ヒドロキシフェニル)グリシ
ン、2−メチル−p−アミノフェノール、p−ベンジル
アミノフェノール等があるが、なかでもN−メチル−p
−アミノフェノールが好ましい。
【0044】本発明における写真材料中に添加すべき現
像主薬量は、例えばハイドロキノンで0.02g/m2
ら1.0g/m2、また1−フェニル−3−ピラゾリドン
では、0.001g/m2から0.1g/m2の量で十分で
ある。
【0045】本発明に用いられる印刷版のハロゲン化銀
は、塩化銀、塩臭化銀、臭化銀で、ヨウ化物を含んでい
てもよい。感光性材料の結合剤はゼラチンが好ましい。
しかしその一部又は全部を他のコロイド物質、例えば、
アルブミン、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルアルコール−無水マレイン酸エステル、ポリビニル
アルコール−スチレン無水マレイン酸エステル、アルギ
ン酸塩、セルロース誘導体などで置換してもよい。
【0046】ハロゲン化銀に対する結合剤、好ましくは
ゼラチンの重量比及び結合剤の絶対量は、本発明の印刷
版の製造において、その品質を決定する重要な要素であ
る。硝酸銀として表したハロゲン化銀の重量を1とした
時の結合剤の量は0.3〜3.0の間で好適である。結合剤の
比率が0.3以下では乳剤層としての皮膜強度が低下しや
すく、印刷特性として好ましくない結果を生じさせやす
い。一方、結合剤の比率が高くなると、インキ受容性が
低下することがある。ハロゲン化銀乳剤層は、硝酸銀量
に換算して0.6〜7g/m2、結合剤量に換算して0.5〜2.5g/m
2で塗布されることが好ましい。
【0047】本発明の印刷版の製造において、他の重要
な要素は、感光性ハロゲン化銀乳剤層の硬膜にある。少
なくとも印刷前の段階で、十分に硬化されていなければ
ならない。硬化剤を通常の写真乳剤層の硬膜法と同様に
写真乳剤塗液中に添加してもよいし、また、現像、製版
処理の前もしくは後の段階で、例えば熱処理などの方法
で硬化されてもよい。安定した硬膜特性を得るためには
硬化剤を含むハロゲン化銀乳剤を塗布乾燥後、適度に加
温処理されることが好ましい。この加温処理は、良好な
硬化度を得るための処理であり、それは、例えば80〜15
0℃で数分もしくは数十分間、あるいは30〜50℃で数日
間(1〜20日間位)の処理であってもよい。
【0048】硬化剤としては、通常の写真乳剤層の硬化
剤として使用されている化合物が使用できる。例えばホ
ルマリン、グリオキザール、グルタールアルデヒド、ム
コクロム酸などのアルデヒド系硬化剤、更に、尿素−ホ
ルマリン縮合物、メラニン−ホルマリン縮合物も有効で
あり、また、エポキシ系、アジリジン系化合物、活性オ
レフィン類、イソシアネート系化合物などの有機硬化
剤、クロム、アルミニウム、ジルコニウムなどの無機多
価金属塩類など、写真乳剤の硬化剤として公知の化合物
を単独もしくはいくつかを併用して使用できる。
【0049】また、ハロゲン化銀写真乳剤層は、印刷中
のコロイドの磨耗を防ぐために、粒子の大きさで約2〜
10μの径を有する微粒子を含有させるのが良く、シリ
カ、クレー、タルク、シークライト、米でんぷんなどが
使用できるが、特にシリカが好ましい。
【0050】シリカは1m2当たり0.01〜1gとなるよう
にハロゲン化銀乳剤中に添加される。シリカ粒子濃度が
過度に高くなると印刷中にインキ濃度が上がりにくくな
ったりスカミング現象を起こしたりする。
【0051】写真鮮鋭度、最終的には印刷物の解像度お
よび鮮鋭度を改良する目的で、いわゆる反射防止染料又
は顔料を適用することが好ましい。これらはハロゲン化
銀乳剤層中、あるいは支持体とハロゲン化銀乳剤層との
間のいわゆる反射防止層中、あるいは支持体をはさんで
ハロゲン化銀乳剤層と反対側の層中に適用することによ
って目的は達成される。
【0052】又、光反射性の顔料、例えば酸化チタン、
硫酸バリウム、酸化マグネシウムなどの白色顔料もしく
は黄色の有機顔料と光吸収性の染料または顔料とを併用
して使用することによっても目的は達成される。
【0053】本発明の印刷版の製造法における写真感光
材料の最も好ましい態様は、支持体上、反射防止染料も
しくは顔料を有するコロイド下塗層を有し、この下塗り
層の上にハロゲン化銀乳剤層を有するものである。
【0054】この反射防止染料もしくは顔料を有するコ
ロイド下塗層は、好ましくはゼラチンよりなり、前述の
ような粒径2〜10μの微粒子を含有させる。好適な微
粒子はシリカである。結合剤のゼラチンは、m2当たり0.
5g〜2.5gで、ハロゲン化銀乳剤層と同様良好に硬化され
るべきである。又、シリカはm2当たり0.1g〜20gの間で
付与される。
【0055】ハロゲン化銀乳剤用の支持体は、当技術分
野で普通に使用されている任意の支持体を用いることが
できる。例えば、両側をポリエチレンで被覆した紙、樹
脂フィルム、金属シート等を用いることができる。
【0056】その他、塗布性を改良するために界面活性
剤や、写真感光特性を維持するための安定剤、カブリ防
止剤、増感色素、現像剤や、現像促進剤および写真乳剤
層を着色させる目的で染料、顔料等を、任意に含有でき
る。
【0057】本発明に用いられる印刷版にはインキ受容
性を付与する有機チオール化合物もしくはチオン化合
物、あるいはその他の有機複素環化合物の一部もしくは
全部を、あらかじめハロゲン化銀乳剤層を有する材料中
に、添加することもできる。それは、感光性ハロゲン化
銀乳剤層以外の層であっても良い。又、これらの有機化
合物は、油剤に溶解させ、微小油滴状に分散させてから
加えられても良い。
【0058】
【実施例】以下に実施例を掲げ本発明を詳細に説明する
が、これだけに限定されるわけではない。
【0059】実施例1 (1)平版印刷版の製造 コロナ状放電加工したポリエチレン被覆紙上にシリカ粒
子(平均粒径5μ)とカーボンブラックを含むゼラチン
下塗り液を塗布した。又、コロイド層硬化剤としてホル
マリンとジメチロール尿素を加えた。ゼラチンおよびシ
リカの付着量はm2当たりそれぞれ、1.2g、0.7gであっ
た。また、この層は、反射濃度で0.9を示した。続い
て、この下塗り層上にヘリウム−ネオンレーザー用増感
色素で光学増感され、コロイド層硬化剤としてホルマリ
ンとジメチロール尿素を含むハロゲン化銀乳剤を塗布
し、その後40℃で3日間加温して平版印刷版を作成す
る。
【0060】この乳剤層は下記の構成を有している。 ハロゲン化銀組成 クロライド(塩化銀100モル%) ハロゲン化銀の平均粒子サイズ 0.25μ 硝酸銀で表したハロゲン化銀塗布量 1.3g/m2 ゼラチン塗布量 1.0g/m2 シリカ(平均粒径3μ)塗布量 1.0g/m2
【0061】(2)処理方法 (1)で作成した平版印刷版をイメージセッターで像露
光を行い、下記に示す様に亜硫酸カリウムの添加量を変
化させた現像液と感脂化液をそれぞれ自動現像機LD2
21(大日本スクリーン製)の第1槽及び第2槽に入
れ、35℃30秒の現像処理、および30℃30秒の感
脂化処理を行った。亜硫酸カリウム(Xg)を0g、5
g、15g、30g、45g添加した現像液を作成し、
処理したサンプルをそれぞれサンプルA、B、C、D、
Eとした。比較例として現像液に亜硫酸カリウム(X
g)を60g、80g添加し、上記サンプルと同様に現
像、感脂化処理した比較A、Bを作成した。
【0062】 現像液 EDTA・2Na 1g 水酸化ナトリウム 48g 亜硫酸カリウム Xg ハイドロキノン 55g N-メチル-p-アミノフェノール1/2硫酸塩 0.8g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.2g 臭化カリウム 4g pHを11.8に合わせ、水を加えて1リットルにした。
【0063】 感脂化処理液 水 600ml ジエチレングリコール 50g NaOH 4g 2-メルカフ゜ト-5-ヘフ゜チル-1,3,4-オキサシ゛アソ゛ール 3g リン酸2カリ 25g リン酸(85%) 4g KI 25g 水を加えて1Lにする。
【0064】以上の操作により作成したサンプルA〜E
と比較A、Bをオフセット印刷機に装着し下記の給湿液
を用いて、以下の条件で印刷を行った。
【0065】 給湿液 o−リン酸 10g 硝酸ニッケル 5g 亜硝酸ナトリウム 5g エチレングリコール 100g コロイダルシリカ(20%液) 28g 水を加えて1リットルとする。
【0066】印刷機はエービーディック350CD(A.
B.Dick社製オフセット印刷機の商標)を使用し、耐刷力
の評価はインキとして大日本インキ社製Fグロス墨Hを
使用し、銀画像部の欠落による画像飛びが生じて印刷に
供せなくなったときの印刷枚数で、次の評価基準により
評価した。結果を表1に示す。 ◎ 3万枚以上 ○ 1万〜3万枚 △ 1万〜5千枚 × 5千枚未満
【0067】また、印刷汚れ性は、インキとして大日本
インキ社製Fグロス紫Sを使用し、1000枚の印刷を
行い、その時の印刷物の汚れの程度から次の4つの水準
で評価した。結果を表1に示す。 ◎ 全く汚れが発生しない ○ 地汚れは発生しないが、網点が少しつまる △ 部分的な汚れ × 全面的な濃い汚れ
【0068】
【表1】 ────────────────────────── 印刷版 耐刷力 耐汚れ性 サンプルA ◎ ◎ サンプルB ◎ ◎ サンプルC ◎ ◎ サンプルD ◎ ◎ サンプルE ○ ◎ 比較A × ◎ 比較B × ◎ ──────────────────────────
【0069】実施例2 平版印刷版は乳剤層中にハイドロキノンを0.8g/
m2、1−フェニル−3−ピラゾリドンを0.05g/m2
添加する以外は実施例1と同様に作成し、下記処方に従
って亜硫酸カリウム量(Yg)を変化させた現像液F
(0g)、G(5g)、H(15g)、I(30g)、
J(45g)で処理する以外は実施例1に従った。尚、
比較例としては現像液に亜硫酸カリウム(Yg)を60
g、80g添加しそれぞれ上記サンプルと同様に現像、
感脂化処理した比較C、Dを作成した。
【0070】 現像液 EDTA・2Na 1g 水酸化ナトリウム 48g 亜硫酸カリウム Yg 水を加えて1Lとした後、pHを13に合わせた。
【0071】実施例1と同様に印刷評価し、結果を表2
に示す。
【0072】
【表2】 ────────────────────────── 印刷版 耐刷力 耐汚れ性 サンプルF ◎ ◎ サンプルG ◎ ◎ サンプルH ◎ ◎ サンプルI ◎ ◎ サンプルJ ○ ○ 比較C × × 比較D × × ──────────────────────────
【0073】
【発明の効果】本発明によれば、写真的に形成されたハ
ロゲン化銀像を親油性、インキ受容性として応用する印
刷版の現像処理方法に於いて、耐汚れ性を低下させるこ
となく高耐刷の印刷版を得ることが出来る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲン化銀乳剤層を有する写真材料を
    露光し、現像後、未現像のハロゲン化銀像部を選択的に
    親油化しインキ受容性にする平版印刷版の作成方法にお
    いて、現像液に亜硫酸塩が0.3モル/L以下で、現像
    主薬を含有することを特徴とする平版印刷版の作成方
    法。
  2. 【請求項2】 ハロゲン化銀乳剤層を有する写真材料を
    露光し、現像後、未現像のハロゲン化銀像部を選択的に
    親油化しインキ受容性にする平版印刷版の作成方法にお
    いて、該写真材料を亜硫酸塩が0.3モル/L以下の量
    を含むアルカリ活性化液で現像処理することを特徴とす
    る平版印刷版の作成方法。
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