JP3689314B2 - 青色半導体レーザー用平版印刷版 - Google Patents

青色半導体レーザー用平版印刷版 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、銀錯塩拡散転写法を応用した走査露光用平版印刷版に関し、特に青色半導体レーザー用平版印刷版に関する。
【0002】
【従来の技術】
銀錯塩拡散転写法(DTR法)によって得られる転写銀画像を直ちにインキ受理性として利用することができる平版印刷版は既に知られている。その1つのタイプは、支持体(例えば、ポリエチレン樹脂を被覆した紙ベース、ポリエチレンテレフタレートベース等)上に少なくともハロゲン化銀乳剤層及び物理現像核層をこの順に有する平版印刷版であり、例えば米国特許第3721559号、同第3490905号、同第3385701号、同第3814603号、同第3454398号、同第3764323号、同第3099209号、特公昭44−27242号、同48−30562号、特開昭53−9603号、同53−21602号、同54−103104号、同56−9750号公報等に記載されている。
【0003】
上記平版印刷版はゼラチンをバインダーとする乳剤層の表面に物理現像核を有し、露光された乳剤層中のハロゲン化銀結晶は、DTR現像により化学現像を生起し黒色の銀となり、ゼラチンを主体とする親水性の非画像部を形成する。一方、未露光のハロゲン化銀結晶は現像液中の銀塩錯化剤により銀塩錯体となって表面の物理現像核層まで拡散し、核の存在により物理現像を生起してインキ受容性の物理現像銀を主体とする画像部を形成する。
【0004】
ここで、銀画像部はインキ受理性として、非画像部のゼラチン表面はインキ反発性として印刷に供される。
【0005】
もう1つのタイプは、粗面化及び陽極酸化されたアルミニウム支持体に担持された物理現像核の上にハロゲン化銀乳剤層を有する平版印刷版(以降、アルミ平版印刷版と称す)が知られており、例えば特開平5−216236号、同平6−81194号公報等に記載されている。この平版印刷版は露光、現像処理後、ハロゲン化銀乳剤層をウォッシュオフ(水洗除去)して、金属銀膜からなる画像部とアルミ陽極酸化表面からなる非画像部が現れる。
【0006】
上記2つの平版印刷版は構成及び製版方法は異なるが、画像銀をインキ受理性にする点に於いては共通するものである。これらの平版印刷版は、親油性のインキを受理する画像部分と親水性で水を受理する非画像部分とから構成される。従って、通常の平版印刷は水(給湿液)とインキの両方を版面に供給し、画像部分は着色性のインキを、非画像部分は水を選択的に受け入れ、該画像上のインキを例えば紙などの基質に転写させることによってなされる。
【0007】
また、上記した銀錯塩拡散転写法を利用した平版印刷版には、カメラ露光タイプと走査露光タイプの平版印刷版が知られている。走査露光タイプの平版印刷版としては、例えば、米国特許第4,501,811号、特開昭59−71055号、同昭59−71056号、同昭60−61752号、同昭60−75838号、同昭60−100148号、同昭60−179744号、同昭60−252352号、同昭61−114235号、同昭63−47756号、同平2−251853号公報等に、ヘリウム・ネオンレーザー、アルゴンレーザー、半導体レーザー、発光ダイオード等を光源とする走査露光タイプの平版印刷版が記載されている。これらの走査露光用平版印刷版は、CTP(コンピューター・ツー・プレート)用の平版印刷版として、好適であり脚光を浴びている。
【0008】
極近年、400〜430nmに発振波長を持った青色半導体レーザーを搭載した出力機が開発され出現している。この出力機は上記した従来の出力機に比べ、短波長であるため、レーザーの収束が良好であること、及び出力速度が速いという利点がある。しかしながら、この出力機に対して、充分に焼けるだけの実用感度を有し、かつ印刷版として耐刷力に優れ、保存安定性が良い平版印刷版は未だ開発されていない。更に、該出力波長に対して実用感度を有し、かつ明室下で取り扱うことができる平版印刷版の開発が要望されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、青色半導体レーザーを用いた出力機に対して充分に焼けるだけの実用感度を有し、かつ明室下での取り扱いが可能であり、印刷版として高耐刷力で保存安定性が良好な青色半導体レーザー用平版印刷版を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、支持体上に少なくともハロゲン化銀乳剤層及び物理現像核層を有し、前記ハロゲン化銀乳剤層が前記化1及び化2で表される増感色素の中の少なくとも1種を含有することを特徴とする青色半導体レーザー用平版印刷版によって達成された。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられる増感色素は、前記化1及び化2の中から選ばれる。これらの増感色素について詳細に説明する。
【0012】
上記化1におけるZ1のヘテロ環の例としては、例えば、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾイソオキサゾール環、ナフトオキサゾール環、ピリドオキサゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、ナフトチアゾール環、セレナゾール環、ベンゾセレナゾール環、ピリジン環、キノリン環等があり、これらのヘテロ環および縮合ベンゼン環やナフタレン環は置換基を有していてもよい。置換基の例としては、例えば、メチル、エチル基のようなアルキル基、メトキシ、エトキシ基のようなアルコキシ基やメチレンジオキシ基、フェニル、メトキシフェニル基のようなアリール基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル基のようなアルコキシカルボニル基、フッ素、塩素、臭素、沃素のようなハロゲン原子などが挙げられる。
【0013】
さらに、Z1で表されるヘテロ環窒素の置換基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、n−アミル、β−ヒドロキシエチル、γ−ヒドロキシプロピル、β−アセトキシエチル、γ−アセトキシプロピル、β−メトキシエチル、γ−メトキシプロピル、カルバモイルメチル、カルバモイルエチル、N−メチルカルバモイルメチル、N-エチルカルバモイルメチ ル、N−メチルカルバモイルエチル、N,N−ジメチルカルバモイルメチル、N,N−ジメチルカルバモイルエチル、N,N−ジエチルカルバモイルメチル、カルボキシメチル、β−カルボキシエチル、γ−カルボキシプロピル、δ−カルボキシブチル、ω−カルボキシペンチル、メトキシカルボニルメチル、エトキシカルボニルメチル、β−メトキシカルボニルエチル、γ−メトキシカルボニルプロピル、δ−メトキシカルボニルブチル、エトキシカルボニルエタンスルホニルエチル、カルバモイルエタンスルホニルエチル、カルボキシエタンスルホニルエチル、β−スルホエチル、γ−スルホプロピル、γ−スルホブチル、δ−スルホブチル、ベンジル、フェネチル、p−カルボキシベンジル、p−スルホフェネチル、アリル、プロパルギル、トリフルオロエチル基などが挙げられる。
【0014】
1及びQ2のNR11、CO−NR12、NR13で表されるR11、R12、R13のアルキル基の例としては例えば、メチル、エチル 、プロピル等が挙げられ、アリール基の例としては、例えば、フェニル、トリル、メトキシフェニル、クロロフェニル等が挙げられる。
【0015】
1で表されるカウンターイオンの例としては、例えば、メチル硫酸、エチル硫酸、チオシアン酸、トルエンスルホン酸、塩素、臭素、沃素、過塩素酸、カリウム、ナトリウム、トリエチルアンモニウム、ピリジニウムなどが挙げられる。
【0018】
化2におけるZ4で表されるヘテロ環は、前記Z1と同義である。R3及びR4で表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等、アルコキシカルボニル基のアルコキシ基としてはメトキシ、エトキシ、プロポキシ基等、アリールオキシカルボニル基のアリール基としてはフェニル基が挙げられる。同様に、アルキルスルホニル基のアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等、アリールスルホニル基のアリール基としてはフェニル基が挙げられる。同様に、アシル基としてはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ベンゾイル基等が挙げられる。M3で表されるカウンターイオンとしては、前記M1と同義である。
【0019】
以下に、本発明に用いられる増感色素の具体例を示す。
【0020】
【化4】
Figure 0003689314
【0021】
【化5】
Figure 0003689314
【0022】
【化6】
Figure 0003689314
【0023】
上記で挙げた増感色素の中、好ましくは化1で示されるものである。化1の中でも更に、Z1で表されるヘテロ環がベンゾオキサゾールからなる増感色素がより好ましい。
【0024】
上記増感色素はハロゲン化銀乳剤層に含有させるが、その添加量は、ハロゲン化銀1モル当たり、10-5から10-2モルの範囲が適当である。
【0025】
本発明が対象とする銀錯塩拡散転写法を利用した平版印刷版としては、前述したように、2つのタイプがあり、その両者とも本発明の効果を発現することができる。
【0026】
1つのタイプは、ポリエチレン樹脂を被覆した紙ベースやポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルベースに、ハレーション防止層を兼ねた下塗層、ハロゲン化銀乳剤層及び物理現像核層を、この順序で塗設した平版印刷版である。
【0027】
2つ目のタイプは、粗面化及び陽極酸化されたアルミニウム支持体上に、物理現像核を担持させ、その上にハロゲン化乳剤層を塗設した平版印刷版である。この平版印刷版は、更に物理現像核とハロゲン化銀乳剤層の間に適宜中間層を設けることができ、またハロゲン化銀乳剤層の上に保護層を設けることができる。
【0028】
本発明において、ハロゲン化銀乳剤層に含まれるハロゲン化銀は、例えば、塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、及びこれらにヨウ化銀を含むものからなる。ハロゲン化銀結晶は、ロジウム塩、イリジウム塩、パラジウム塩、ルテニウム塩、ニッケル塩、白金塩等の重金属塩を含んでいてもよい。特に、ロジウム塩及びイリジウム塩が好ましい。これらの添加量はハロゲン化銀1モル当り10-8〜10-3モルである。ハロゲン化銀の結晶形態に特に制限はなく、立方体ないし14面体粒子、さらにはコアシェル型、平板状粒子でもよい。ハロゲン化銀結晶は、単分散、多分散結晶であってもよく、その平均粒径は0.2〜0.8μmの範囲である。好ましい例の一つとしては、ロジウム塩もしくはイリジウム塩を含む、塩化銀が80モル%以上の単分散もしくは多分散結晶がある。
【0029】
ハロゲン化銀乳剤は、それが製造される時又は塗布される時に種々な方法で増感することが出来る。例えば、チオ硫酸ナトリウム、アルキルチオ尿素によって、又は金化合物、たとえばロダン金、塩化金によって、又はこれらの両者の併用など当該技術分野において良く知られた方法で化学的に増感することが好ましい。
【0030】
ハロゲン化銀乳剤層はバインダーとして主にゼラチンが用いられるが、その一部をデキストリン、アルブミン、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリビニルメチルエーテル−無水マレイン酸共重合体等の親水性高分子の一種又は二種以上で置換することもできる。ハロゲン化銀乳剤層のゼラチン量は、0.5〜4g/m2程度である。
【0031】
本発明において、物理現像核層には物理現像核として、銀、アンチモン、ビスマス、カドミウム、コバルト、鉛、ニッケル、パラジウム、ロジウム、金、白金等の金属コロイド微粒子や、これらの金属の硫化物、多硫化物、セレン化物、又はそれらの混合物、混晶等を含有する。物理現像核層には、親水性バインダーを含んでいてもいなくても良いが、ゼラチン、澱粉、ジアルデヒド澱粉、カルボキシメチルセルロース、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ポリスチレンスルホン酸、ビニルイミダゾールとアクリルアミドの共重合体、ポリビニルアルコール等の親水性高分子又はそのオリゴマーを含むことが出来、その含有量は0.5g/m2以下であることが好ましい。物理現像核層は、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、カテコール等の現像主薬を含有してもよく、更にホルマリン、ジクロロ−s−トリアジン等の公知の硬膜剤を含んでいてもよい。
【0032】
前者のタイプは、ハロゲン化銀乳剤層の下にハレーション防止層を通常有する。下塗り層はバインダーとしてゼラチンを0.5〜10g/m2、好ましくは1〜6g/m2含有する。下塗り層にはハレーション防止の目的でカーボンブラック等の顔料、染料等を含み得るし、また耐刷力向上のために平均粒径0.1〜10ミクロンの固形粉末(例えばシリカ粒子)を含み得る。さらに現像主薬等の写真用添加物も含むことが出来る。また下塗り層は特開昭48−5503号、同昭48−100203号、同昭49−16507号公報に記載のようなものであってもよい。更に特開平5−80519号、同5−80517号、同5−66564号の下塗り層への非膨潤性ラテックスを含有してもいい。
【0033】
前者のタイプは、下塗り層及びハロゲン化銀乳剤層等のゼラチン含有層には、硬膜剤を含有させる。後者のタイプは、現像処理後、ハロゲン化銀乳剤層を水洗除去するため、硬膜剤は含有させないか、含有させても水洗除去に支障のない程度の少量とするのが好ましい。ゼラチンの硬膜剤としては、例えばクロム明ばんのような無機化合物、ホルマリン、グリオキザール、マレアルデヒド、グルタルアルデヒドのようなアルデヒド類、尿素やエチレン尿素等のN−メチロール化合物、ムコクロル酸、2,3−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサンの様なアルデヒド類、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−トリアジン塩や、2,4−ジヒドロキシ−6−クロロ−トリアジン塩のような活性ハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、ジビニルケトンやN、N、N−トリアクロイルヘキサヒドロトリアジン、活性な三員環であるエチレンイミノ基やエポキシ基を分子中に二個以上有する化合物類、高分子硬膜剤としてのジアルデヒド澱粉等の種々の化合物の一種もしくは二種以上をもちいることができる。
【0034】
硬膜剤はすべての層に添加することも出来、幾つか又は一層にのみ添加することも可能である。勿論、拡散性の硬膜剤は二層同時塗布の場合、何れか一層にのみ添加することが可能である。添加方法は乳剤製造時に添加したり、塗布時にインラインで添加することもできる。
【0035】
本発明の平版印刷版において、下塗り層、ハロゲン化銀乳剤層及び物理現像核層等の各塗布層には、塗布助剤として、界面活性剤を含んでいてもよいし、カブリ防止剤、マット剤、増粘剤、帯電防止剤等を含むことが出来る。
【0036】
本発明の平版印刷版の現像後の表面銀層は、任意の公知の表面処理剤でインキ受容性に変換ないしは受容性を増強せしめ得る。このような処理液としては、例えば特公昭48−29723号、米国特許第3,721,559号等に記載されている。印刷方法、あるいは使用する不感脂化液、給湿液等は普通に良く知られた方法によることが出来る。
【0037】
【実施例】
以下に本発明を実施例により説明するが勿論本発明はこれだけに限定されるものではない。
実施例1
厚み175μmの下引き済みポリエチレンテレフタレートフィルムの片面(裏面)に導電性カーボン(SD10M、大日本インキ製)2g/m2、ゼラチン1.5g/m2を含む裏塗り第1層、平均粒子サイズ3.5μmのシリカ粒子を0.1g/m2、硬膜剤として2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウムを含有するマット化層(ゼラチン量1g/m2)の第2層を設けた。その反対側の面(表面)をコロナ放電加工後、下塗り層及びハロゲン化銀乳剤層を重層塗布した。
【0038】
下塗り層は、ゼラチン3.5g/m2、カーボンブラック、平均粒径3.5μmのシリカ粉末を1.2g/m2、スチレン−ブタジエンラテックス(日本エーアンドエル株式会社製POL752A)2g/m2、及び硬膜剤として2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウムを含有する。
【0039】
ハロゲン化銀乳剤層は、ダブルジェット混合法で作成された平均粒子径0.3μmの塩沃化銀(塩化銀99モル%)乳剤を用いた。該ハロゲン化銀は、混合時に、塩化ロジウムをハロゲン化銀1モル当たり5×10-6モルと、ヘキサクロロイリジウム(IV)酸カリウムをハロゲン化銀1モル当たり3×10-6モル含有し、混合終了後、脱塩処理した後、化学増感(金−硫黄増感)を施したものである。ハロゲン化銀乳剤層は更に、1−フェニル−3−ピラゾリドンを0.1g/m2、下記表1に示す増感色素をハロゲン化銀1モル当たり1.3×10-3モル、硬膜剤としてN−メチロールエチレン尿素、及び界面活性剤を含有する。該ハロゲン化銀乳剤層は、銀量で1.0g/m2(ゼラチン量0.8g/m2含む)となるように塗布された。
【0040】
下塗り層とハロゲン化銀乳剤層を塗布乾燥後、40℃で5日間加温後、特開平8−211614号の実施例1に記載の物理現像核塗布液(ポリマーとしてはP−2を使用)を塗布、乾燥して平版印刷版を作成した。
【0041】
上記のようにして作成した平版印刷版について、40℃−1日加温の試料(フレッシュ)と35℃相対湿度70%の条件下で1ヶ月間強制加温した試料を作り、以下のような試験を行った。
【0042】
青色半導体レーザーを用いた出力機として、ESCHER GRAD社製青色半導体レーザー搭載イメージセッターCobalt8CTP(発振波長410nm)を用いて露光し、下記の銀錯塩拡散転写現像液で30℃20秒間現像処理を行って印刷用平版印刷版を作成した。
【0043】
また、明室下での取り扱い性を評価するため、上記フレッシュの試料について、セーフライトとして約450nmより短波長の光を除去した蛍光灯(NEC社製純黄色蛍光灯FL−40SYF/M)を用いて、200ルクスの光が当たるように試料を置き、その条件下で5分間照射した後に、上記と同様に青色半導体レーザーを用いた出力機で露光し、現像処理した。
【0044】
<転写現像液>
水 700ml
水酸化カリウム 8g
水酸化ナトリウム 24g
無水亜硫酸ナトリウム 50g
2−アミノエチル−アミノエタノール 10g
2−メルカプト−5−nヘプチルオキサジアゾール 0.2g
水を加えて1リットルとする。pHは13.4に調整。
【0045】
現像処理後、該原版を2本の絞りローラー間に通し、余分の現像液を除去し、直ちに下記組成を有する中和液で25℃20秒間処理し、絞りローラーで余分の液を除去し室温で乾燥した。
【0046】
<中和液>
水 600ml
リン酸 1.2g
第一リン酸ナトリウム 25g
無水亜硫酸ナトリウム 2.5g
エチレングリコール 5g
2−メルカプト−5−nヘプチルオキサジアゾール 0.1g
ジエタノールアミン 5g
水を加えて1リットルとする。pHは6.0に調整。
【0047】
以上の操作により作成した平版印刷版をオフセット印刷機に装着し、下記の感脂化液を版面にくまなく与え、下記給湿液を用いて印刷を行い、耐刷力を評価した。
【0048】
Figure 0003689314
【0049】
<給湿液>
o−リン酸 10g
硝酸ニッケル 5g
亜硝酸ナトリウム 5g
エチレングリコール 100g
コロイダルシリカ(20%液) 28g
水を加えて2リットルとする。
【0050】
耐刷力は、リョービ3200CD(リョービK.K社製オフセット印刷機の商標)を使用し、非画像部の地汚れ及び銀画像部の欠落による画像飛びが生じて印刷に供せなくなった時の印刷枚数で、次の評価基準により判定した。尚インキはABdick3−1012を使用した。印刷試験の結果を表1に示す。ここで、耐刷力の評価は、実用感度及びセーフライト安全性の評価を兼ねている。即ち、実用感度が不足すると、非画像部に析出銀が生じ地汚れの原因となる。また、セーフライト安全性が劣ると、銀画像部の析出銀が不足して画像飛びが生じる。
【0051】
◎:20,000枚以上
○:10,000枚以上〜20,000枚未満
△:5,000枚以上〜10,000枚未満
×:5,000枚未満
【0052】
【表1】
Figure 0003689314
【0053】
【化7】
Figure 0003689314
【0054】
上記結果より、本発明の平版印刷版は、青色半導体レーザーを用いた出力機に好適であることが分かる。更に明室条件下での取り扱い性に優れていることが分かる。
【0055】
実施例2
アルミニウム支持体の電解粗面化処理及び陽極酸化は米国特許第5,427,889号公報に記載の方法に従って、平均直径約5μmのプラト−上に直径0.03〜0.30μmのピットを100μm2当たり約5,600個有し、かつ これらのピットの平均直径が0.08μmである厚さ0.30mmのアルミニウム板を得た。このアルミ板は粗面化処理後に陽極酸化したものであり、中心線平均粗さ(Ra)は0.5〜0.6μmであった。
【0056】
上記アルミニウム支持体上に、少量の親水性バインダーを含む硫化パラジウムの物理現像核液を塗布し、その後乾燥した。物理現像核層に含まれるPdS核量は3mg/m2であった。
【0057】
ハロゲン化銀乳剤として、保護コロイドとして、アルカリ処理ゼラチンを用い、コントロールダブルジェット法で平均粒径0.2μmの、ヘキサクロロイリジウム(IV)酸カリウムをハロゲン化銀1モル当り6×10-6モルドープさせた塩ヨウ臭化銀乳剤(AgBr15モル%、AgI0.4モル%)を作成した。更に、この乳剤に硫黄金増感を施し、表2に示す増感色素をハロゲン化銀1モル当たり1×10-3モル加えて分光増感した。
【0058】
このようにして作成したハロゲン化銀乳剤に、下記化8のフィルター染料を0.3g/m2と界面活性剤を加え、前記物理現像核が塗布されたアルミニウム支持体上に銀量が2.5g/m2、ゼラチン(アルカリ処理ゼラチン)が3g/m2になるように塗布、乾燥して平版印刷材料を得た。
【0059】
【化8】
Figure 0003689314
【0060】
上記平版印刷版について、実施例1と同様な方法で評価した。但し、現像処理は、製版用プロセッサー(デュポン社製SLT−85N自動現像機)を用いて処理した。製版用プロセッサーは、現像処理工程(22℃、15秒間浸漬)、水洗処理工程(33℃の水洗液を12秒間シャワー噴射しながらスクラブローラで乳剤層を剥離する)、仕上げ処理工程(21℃、5秒間シャワー)及び乾燥工程から構成されている。用いた現像液、水洗液及び仕上げ液を以下に示す。
【0061】
<現像液>
水酸化ナトリウム 20g
ハイドロキノン 20g
1−フェニル−3ピラゾリジノン 2g
無水亜硫酸ナトリウム 80g
モノメチルエタノールアミン 6g
2−メルカプト−5−nヘプチル−オキサジアゾール 0.5g
無水チオ硫酸ナトリウム 6g
エチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩 5g
ポリエチレングリコ−ル(平均分子量400) 10g
水を加えて全量を1000ccに調整する。pHは13.0に調整した。
【0062】
<水洗液>
2−メルカプト−5−nヘプチル−オキサジアゾール 0.5g
トリエタノールアミン 20g
重亜硫酸ナトリウム 10g
タンパク質分解酵素 1g
水を加えて全量を1000ccに調整する。pHは6.8に調整した。
タンパク質分解酵素として、ビオプラーゼAL−15(細菌プロティナーゼ、長瀬産業(株)製)を用いた。
【0063】
<仕上げ液>
アラビアゴム 10g
2−メルカプト−5−nヘプチル−オキサジアゾール 1g
トリエタノールアミン 26g
第1燐酸ナトリウム 10g
水を加えて全量を1000ccに調整する。pH6.0に調整した。
【0064】
上記記載の方法で作成された平版印刷版について、実施例1と同様にして印刷し、以下の基準で耐刷力を評価した。その結果を表2に示す。
◎:10万枚以上
○:5万枚以上〜10万枚未満
△:1万枚以上〜5万枚未満
×:1万枚未満
【0065】
【表2】
Figure 0003689314
【0066】
【発明の効果】
本発明の平版印刷版は、青色半導体レーザーを用いた出力機に対して充分に焼けるだけの実用感度を有し、かつ明室下での取り扱いが可能であり、印刷版として高耐刷力で保存安定性が良好であり、青色半導体レーザー用平版印刷版としての性能を兼ね備えている。

Claims (1)

  1. 支持体上に少なくともハロゲン化銀乳剤層及び物理現像核層を有し、前記ハロゲン化銀乳剤層が下記化1及び化2で表される増感色素の中の少なくとも1種を含有することを特徴とする青色半導体レーザー用平版印刷版。
    Figure 0003689314
    (式中、Z1は5または6員環の含窒素ヘテロ環を形成するのに必要な原子群を表し、 1 はNR 11 、CO−NR 12 を表し、Q 2 はNR 13 を表す。ここでR11、R12、R13はそれぞれ水素原子、アルキル基、アリール基を表す。M1は該分子の電荷を中和するためのカウンターイオンを表す。)
    Figure 0003689314
    (式中、Z4は5または6員環の含窒素ヘテロ環を形成するのに必要な原子群を表し、R3及びR4はアルキル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、またはシアノ基を表す。 3 は該分子の電荷を中和するためのカウンターイオンを表す。)
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