JPH10299854A - ボールねじのシール - Google Patents
ボールねじのシールInfo
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- JPH10299854A JPH10299854A JP10616197A JP10616197A JPH10299854A JP H10299854 A JPH10299854 A JP H10299854A JP 10616197 A JP10616197 A JP 10616197A JP 10616197 A JP10616197 A JP 10616197A JP H10299854 A JPH10299854 A JP H10299854A
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Abstract
せ、異物が溜まりにくい構造としてボールねじナット内
への異物の侵入をより効果的に防止できるボールねじの
シールを提供する。 【解決手段】ボールねじのねじ軸1のねじ溝1aと係合
するシール山13を内周に有してボールねじのナット2
の端部に装着されるボールねじのシール6Aにおいて、
シール先端に、シール外周から少なくともねじ軸のラン
ド部1bに及ぶ鋭角の傾斜面9を形成した。
Description
ルの改良に関し、ボールねじの防塵と付着異物の掻き取
りとを兼用するものである。
9に示すような標準型のプラスチックシールSS の他に
図10,図11に示すようないわゆるワイパシールSW
が知られている。
チック製のリング状円筒体で、その内周面に突出してね
じ軸1のねじ溝1aに嵌合するシール山yを有してお
り、ボールねじのナット2の端部に設けられた凹部3に
嵌合し止めねじ4で固定して装着される。このタイプの
シールSS は、ねじ溝1aに摺接するシール山yと、ラ
ンド部1bに摺接するシール内周面とでシール機能を果
たし、外部の異物Wがナット2の内部へ侵入することを
防止している。基本的にはねじ軸1の表面に付着した異
物を掻き取るスクレーパ機能はないが、大きな付着異物
Wはシールの先端面tでせき止められて堆積する。
ラスチック製の円筒体で、その内周面に突出してねじ軸
1のねじ溝1aに嵌合するシール山を有するとともに、
シール先端面tから軸方向の途中までの部分を切欠き
(すり割り)kにより周方向の6箇所で分割され、その
うち一カ所のすり割りはリングの幅を横断して円筒体を
切断するスリットoとし、シール外周にガータスプリン
グgを取り付けたものである。このワイパシールSW も
標準型のプラスチックシールSS と同じくボールねじナ
ットの端部に装着され、分割された部分をガータスプリ
ングgでねじ軸に対して弾圧することにより、シール内
周面をねじ軸に密着させてボールねじナットを外部の塵
埃,異物等に対し密封すると同時に、すり割りkのエッ
ジ部分で、回転するねじ軸に付着した異物を掻き取るス
クレーパ作用を発揮する。
来の標準型のプラスチックシールSS も、またすり割り
kのスクレーパ機能をもつワイパシールSW も、その先
端面tはねじ軸1に対し直角な面であって基本的にスク
レーパ機能はないため、ねじ軸1に付着した大きな異物
がシール先端面tにせき止められて堆積し溜まり易い。
そして、この溜まった異物がねじ軸1上を往復移動する
ボールねじナット2のストロークに伴いナット内に侵入
しようとするという問題点がある。
ルねじのシールの問題点に着目してなされたものであ
り、シール先端面を改良してスクレーパ機能をもたせ異
物が溜まりにくい構造とすることにより、ボールねじナ
ット内への異物の侵入をより効果的に防止できるボール
ねじのシールを提供することを目的とする。
めに、本発明の請求項1に係るボールねじのシールは、
円筒体の内周に、ボールねじのねじ軸のねじ溝と係合す
るシール山を有してボールねじのナットの端部に装着さ
れるボールねじのシールにおいて、前記円筒体の先端面
に、円筒体外周から少なくともねじ軸の外径面に及ぶ鋭
角の傾斜面を形成したことを特徴とする。
シールの先端面を鋭角に面取りした形状にしたため、シ
ール先端がスクレーパとして作用し、ねじ軸面の異物を
かき取るとともにシール外周方向にかきあげる。かきあ
げた異物は自然に落下するから従来のようにシール先端
面には堆積しにくく、その結果ボールねじナット内への
異物の侵入を阻止するシール性能が向上する。
を参照して説明する。図1ないし図4は、本発明の第1
の実施形態を示したもので、図1はシール装着部分を半
断面で表したボールねじの正面図、図2はシール装着部
分の断面図、図3はシールの側面図、図4は作用説明図
である。
1に示すように、螺旋状のねじ溝1aを外周面に有する
ねじ軸1に、そのねじ軸1のねじ溝1aに対応する図示
されないねじ溝を内周面に有するボールねじナット2が
図示されない多数のボールを介して螺合されている。ね
じ軸1が回転すると、ボールは両ねじ溝によって形成さ
れた螺旋状空間内を転動しつつねじ軸1の回転方向に移
動するとともにボールねじナット2の胴部に設けられた
ボール循環路(一点鎖線で略示)3を経由して循環す
る。これにより、ねじ軸1の回転方向に応じてボールね
じナット2がねじ軸1に沿い往復直線運動する構成であ
る。
の凹部5が形成されており、この凹部5に、例えば高分
子量ポリエチレン樹脂からなる円筒体のワイパシール6
Aが取り付けられている。当該ワイパシール6Aは、そ
の後端側に形成してあるフランジ状の取付け部7を前記
凹部5に嵌合するとともに止めねじ8を締めつけること
により固定されている。
円筒体外周からねじ軸1の外径面であるランド部1bに
及び鋭角の傾斜面9が形成してある(図2参照)。この
傾斜面9の根元の円筒体外周はつば部10とされ、その
つば部10から前記取付け部7までの間のシール胴部1
1は、つば部10より外径を小さくして肉厚が薄くなっ
ている。そのシール胴部11の外周面には、つば部10
の根元位置及びシール胴部11の軸方向のほぼ中間位置
に環状のガータスプリング溝12,12が形成されてい
る。一方、シール6Aの内周面には、ねじ軸1のねじ溝
1aに嵌合する凸部(シール山)13が、ワイパシール
6Aの先端から後端に及び螺旋状に形成されている。
面9を有する先端から円筒体軸方向に延びるすり割り1
5が、円周等分に6ヵ所設けられている。その6ヵ所の
すり割り15はいずれも、図3に示すようにシール肉厚
を斜めに横断するとともに、シール中心軸に平行に延び
ている。そのうちの5ヵ所のすり割り15は、その長さ
がフランジ状の取付け部7の根元近くまでとされている
のに対し、他の一カ所のすり割りは、円筒体の先端面か
ら後端面にいたるワイパシール6Aの全長に及んでお
り、円筒体を切断するスリット17として形成されてい
る。
6Aは、スリット17を開いて円筒体を拡開させた状態
でねじ軸1に嵌め合わせた後、ボールねじナット2の端
面の凹部5にシール後端の取付部7を嵌入し、ボールね
じナット2の側面からねじ込んだ止めねじ8の先端を取
付部7に係合させることにより固定して、ボールねじナ
ット2の両端に取り付けられる。続いて、このようにス
リット17を拡開して取り付けたシール6Aの先端部分
に設けられているガータスプリング溝12に、ガータス
プリング14を取り付け、その緊迫力でワイパシール6
Aを弾性的に締めつける。
5の長さが長く、且つシール胴部11が肉薄に設定され
ているため、すり割り15及びスリット17で円周等分
に6分割されたシール胴部11の6個の分割部分が柔ら
かい弾性をもち、ガータスプリング14に弾圧されると
ねじ軸1の外面に容易になじんで、シール山13はねじ
溝1aに、その他の内周面はねじ軸の外径面であるラン
ド部1bにそれぞれ密着するから、シール全体としての
良好なシール性が確保される。
相対回転に応じてボールねじナット2が往復直線移動す
るとき、ワイパシール6Aの各分割部分がねじ軸外面に
密着したまま相対摺動運動を行う。これにより、各分割
部分のエッジ(すり割り15とスリット17の各エッジ
部分)がねじ軸1外面の付着異物を掻き取り払拭するか
ら(スクレーパ作用)、ボールねじナット2内への異物
侵入を効果的に防止し、シール性能を向上させることが
できる。
Aの先端面のエッジ18で掻き取られたねじ軸1の外面
の付着異物Wは、あたかもかんな屑のように削られて鋭
角の傾斜面9にすくいあげられ自然落下する。シール肉
厚を斜めに横断するすり割り15,スリット17の各エ
ッジ部分で削られた異物も、同様に斜面にすくいあげら
れてシール胴部11の表面から自然落下する。
堆積しにくく、ボールねじナット2内への異物の侵入が
効果的に阻止されてシール性能がより一層向上する。図
5は、上記第1の実施形態のワイパシール6Aの変形例
である。このワイパシール6A’にあっては、傾斜面9
の最先端をねじ軸1のランド部1bから更に延長してね
じ溝1aの底部に達するようにしている。これにより、
ねじ溝1a内に堆積する異物のスクレーパ機能がより向
上する利点がある。
お、上記第1の実施形態と同一部分には同一の符号を付
して、詳細な説明は省く(以下、同様)。
6Bは、シール先端の鋭角の傾斜面9の 内径部に、円
周状の逃げ溝20を設けたことにより、ねじ軸1の外径
面であるランド部1bと接する部分21をリップ形状と
した点が上記第1の実施形態とは異なっている。このよ
うにシール6Bの先端をリップ形状にすると、ねじ軸1
のランド部1bに付着した異物のスクレーパ機能がより
向上する利点がある。
実施形態のものと同様である。図7に本発明の第3の実
施形態を示す。上記第1,第2の各実施形態のワイパシ
ール6A,6Bにあっては、円筒体を分割するすり割り
15が傾斜面9を有するシール先端からシール後端に向
かって中心軸に平行に形成してあるものを示したが、そ
の変形例として、図7に示すワイパシール6Cのよう
に、すり割り15の延びる方向をシール中心軸に平行で
はなく傾斜させてもよい。このように斜め方向に延びる
すり割り15にすると、シール山13部分のすり割り1
5のエッジ部分がねじ溝1aに対して直角に近づくこと
になり、ねじ溝1a内のスクレーパ作用をより効果的に
発揮させることができる利点がある。
第2の実施形態のものと同様である。図8に本発明の第
4の実施形態を示す。
は、標準型のプラスチックシールSSに対して本発明を
適用した例である。すなわち、シール先端をボールねじ
ナット2の端面から外方に突出させて、そのシール先端
部にシール円筒体外周からねじ軸1の外径面であるラン
ド部1bに及ぶ鋭角の傾斜面9が形成してある。
の先端のエッジ18で掻き取られたねじ軸1の外面の付
着異物は、図4の場合と同じくあたかもかんな屑のよう
に削られて鋭角の傾斜面9にすくいあげられ自然落下す
る。このために、ワイパシール6Dの先端部には異物が
堆積しにくく、ボールねじナット2内への異物の侵入が
効果的に阻止されてシール性能が向上する。
高分子量ポリエチレン樹脂を用いたものとしたが、本発
明のボールねじのシールは、弾性の得られる素材であれ
ば特に限定する必要はない。また、潤滑剤含有ポリマを
原料にしてもよく、これらの原料を用いた切削加工品又
は射出成形品とすることができる。潤滑剤含有ポリマを
原料とした場合の例を説明すると、たとえば、低分子量
ポリエチレン(分子量1×103 〜5×105 )45重
量%と超高分子量ポリエチレン(分子量1×106 〜5
×106 )5重量%からなるポリエチレンに、潤滑剤と
してパラフィン系鉱油50重量%を混合したものを原料
として用い、その混合物を加熱溶融した後、所定の金型
に注入して加圧しながら冷却固化させて成形される。成
形法は圧縮成形もしくは射出成形等が可能である。
シール6A〜6Cでは、シール胴部11を肉薄にしてい
るが、本発明のボールねじのシールはシール胴部が肉薄
でないものにも適用できる。
は、ガータスプリング14を二本装着したものを示した
が、本発明のボールねじのシールはガータスプリングの
本数には関係なくワイパシールに対して適用可能であ
る。
じのシールによれば、シール先端に鋭角の傾斜面を形成
してシール先端部にスクレーパ機能を付加したため、ボ
ールねじのねじ軸の外径面に付着した異物の掻き取り能
力が向上するとともに、掻き取とった異物を堆積させず
に斜面に乗せてねじ軸から切り離すことができ、その結
果ボールねじナット内への異物侵入の防止能力が向上す
るという効果を奏する。
に、ねじランド部が広いボールねじに対して有効であ
る。
断面で表したボールねじの正面図である。
シール部分の拡大断面図である。
大断面図である。
半断面で表したボールねじの正面図である。
分の正面図である。
を表した断面図である。
図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 円筒体の内周に、ボールねじのねじ軸の
ねじ溝と係合するシール山を有してボールねじナットの
端部に装着されるボールねじのシールにおいて、 前記円筒体の先端面に、円筒体外周から少なくともねじ
軸の外径面に及ぶ鋭角の傾斜面を形成したことを特徴と
するボールねじのシール。
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