JP2003336746A - 密封装置 - Google Patents

密封装置

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JP2003336746A JP2002146529A JP2002146529A JP2003336746A JP 2003336746 A JP2003336746 A JP 2003336746A JP 2002146529 A JP2002146529 A JP 2002146529A JP 2002146529 A JP2002146529 A JP 2002146529A JP 2003336746 A JP2003336746 A JP 2003336746A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リップ間の負圧の発生を防止するとともに、
ダストの侵入を防止することが可能な、密封性能を向上
させた信頼性の高い密封装置を提供する。 【解決手段】 ダストリップ6は、回転軸3に摺動自在
に密封接触する接触部と、ダストを反密封対象側Oに搬
送するポンプ効果を発揮する側壁面8c,8dを有し、
密封対象側Mと反密封対象側Oとを連通させる切り欠き
部8と、をリップ先端に備える。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、各種装置の軸封部
に用いられるオイルシール等の密封装置に関するもので
ある。 【0002】 【従来の技術】従来、この種の密封装置としては、例え
ば図5に示すようなものが知られている。図5は従来の
密封装置100を示す概略図である。 【0003】この密封装置100は、互いに同心的に相
対回転自在に組み付けられるハウジングと、そのハウジ
ング内に挿入される回転軸との間の環状の隙間を密封す
るもので、ハウジングの内周に嵌着される環状のシール
本体103と、このシール本体103から密封対象側M
に延びて回転軸に摺動自在に密封接触するメインリップ
102と、シール本体103から反密封対象側Oに延び
て回転軸に摺動自在に密封接触するダストリップ101
とを備えている。 【0004】そして、メインリップ102とダストリッ
プ101との間には環状空間104が設けられており、
メインリップ102及びダストリップ101のリップ先
端が回転軸と密封接触することにより、環状空間104
は環状空室を形成する。 【0005】このような構成において、回転軸が回転し
た場合、環状空室内の流体は、メインリップ102の密
封作用により、密封対象側Mに流体吸込み作用を受け
る。 【0006】ところが、ダストリップ101が回転軸と
密封接触しているので環状空室内へは流体が流入しない
から、環状空室内の圧力は負圧となってしまう。 【0007】このような場合、ダストリップ101とメ
インリップ102はゴム材製であるため、負圧の環状空
室内に引寄せられるように変形する。この変形によりダ
ストリップ101とメインリップ102とは回転軸の周
面に押圧されて摩擦が増大し、この摩擦する部分が発熱
及び異常摩耗等を引き起すことになる。 【0008】従って、密封性能に問題が生じてしまう。 【0009】そこで、図6〜図8に示すような、環状空
室内の負圧の防止を目的とした密封装置が提案されてい
る。 【0010】図6に示す密封装置200は、回転軸に密
封接触するダストリップ201に孔202を設けたもの
である。 【0011】図7に示す密封装置300は、ダストリッ
プ301を回転軸303に対して非接触に設けることで
負圧を防止するとともに、ダストリップ301の環状空
室側の周面にねじ突起302を設けることで環状空室内
に侵入したダストを反密封対象側Oへ排出するものであ
る。 【0012】図8に示す密封装置400は、ダストリッ
プ401を回転軸に密封接触して設け、ダストリップ4
01において回転軸との接触部よりも密封対象側Mの周
面にリブ402を設け、負圧が発生した場合には、負圧
によりダストリップが変形することにより、リブ402
が環状空室の周面に当接するとともに、回転軸との接触
部が回転軸と離れることで隣り合うリブとの間が連通路
403となり負圧を防止するものである。 【0013】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来技術の場合には、下記のような問題が生じる
可能性がある。 【0014】密封装置200のようにダストリップ20
1に孔202を設けたものは、常に孔202が開口して
いることにより、孔202から環状空室内にダストが侵
入して、ダストリップ及びメインリップのシール面、特
にメインリップのシール面に付着して早期に摺動面を摩
耗させることが懸念される。そして、侵入したダスト等
により孔が塞がれてしまう虞があった。 【0015】また、密封装置300においては、ダスト
リップ301は回転軸に対して非接触なので、全周から
環状空室内にダストが侵入しやすい状態であり、ねじ突
起302によりダストを排出するものの、メインリップ
のシール面にダストが付着して、やはり早期にメインリ
ップを摩耗させることが懸念される。 【0016】ここで、密封装置300において、耐ダス
ト性の向上のため、ダストリップにしめ代を付けること
も考えられるが、ねじ突起のポンプ作用により環状空室
が負圧となってしまい、その結果メインリップが不安定
な接触状態(不安定な接触応力分布)となり、漏れ発生
の原因となってしまう。 【0017】また、密封装置400では、負圧が生じる
ことによりダストリップ401が変形してからリブ間の
連通路が形成されるため、連通路が形成されるまでに発
生する負圧により、メインリップ及びダストリップは軸
の周面に押圧されて摩耗してしまうことが懸念される。 【0018】本発明は上記の従来技術の課題を解決する
ためになされたもので、その目的とするところは、リッ
プ間の負圧の発生を防止するとともに、ダストの侵入を
防止することが可能な、密封性能を向上させた信頼性の
高い密封装置を提供することにある。 【0019】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明にあっては、互いに同心的に相対回転自在に組
み付けられる2部材間の環状の隙間を密封する密封装置
であって、前記2部材のうちの一方の部材に摺動自在に
密封接触するメインリップと、前記メインリップに対し
て環状空間を介して設けられ、反密封対象側からのダス
トの侵入を防止するダストリップと、を備えた密封装置
において、前記ダストリップは、前記一方の部材に摺動
自在に接触する接触部と、ダストを反密封対象側に搬送
するポンプ効果を発揮するねじ状部を有し、密封対象側
と反密封対象側とを連通させる貫通部と、をリップ先端
に備えることを特徴とする。 【0020】従って、メインリップとダストリップとの
間に負圧が発生することはなくなり、かつ、ダストの侵
入を防止し、ダストが侵入してもねじ状部のポンプ効果
によりかき出すことができるので、ダストによる影響を
抑制させることができる。 【0021】 【発明の実施の形態】以下に図面を参照して、この発明
の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただ
し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、
材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される
装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきもので
あり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣
旨のものではない。 【0022】(実施の形態1)図1は、本発明の実施の
形態1に係る密封装置1を示す概略図であり、同図
(a)は密封装置1の概略断面図、同図(b)は同図
(a)の要部(切り欠き部8)の拡大図である。 【0023】本実施の形態に係る密封装置1は、互いに
同心的に相対回転自在に組み付けられる2部材としての
ハウジング2と、そのハウジング2内に挿入される、2
部材のうちの一方の部材としての回転軸3との間の環状
の隙間を密封するものである。 【0024】密封装置1は、概略、ハウジング2の内周
に嵌着される環状のシール本体4と、このシール本体4
から密封対象側Mに延びてリップ先端が回転軸3に摺動
自在に密封接触するゴム状弾性材製のメインリップ5
と、シール本体4から反密封対象側Oに延びてリップ先
端が回転軸3に摺動自在に密封接触するゴム状弾性材製
のダストリップ6と、を備えている。 【0025】シール本体4は、断面L字形状の金属環4
aと、この金属環4aに一体的に形成されるゴム状弾性
体4bと、から構成されている。 【0026】金属環4aは、円筒部4cと、円筒部4c
の反密封対象側O端部から半径方向内方に延びる内向き
フランジ部4dと、を備えた円筒状部材である。 【0027】ここで、金属環4aの円筒部4cと、円筒
部4cの外周に一体的に形成されたゴム状弾性体4bと
によりハウジング2の内周に嵌着される嵌め合い部が構
成されている。 【0028】メインリップ5は、金属環4aの内向きフ
ランジ部4dの内径端部から軸方向密封対象側Mに延び
て、リップ先端が回転軸3に摺動自在に密封接触してい
る。 【0029】メインリップ5のリップ先端の内周形状
は、径方向内側に向かって突出する断面山形状で、摺動
面となる頂部5aから軸方向反密封対象側Oに向けて徐
々に小径となるように傾斜する周面としての反密封対象
側傾斜面5bと、頂部5aから軸方向密封対象側Mに向
けて徐々に小径となるように傾斜する密封対象側傾斜面
5cと、を有している。 【0030】図1に示す密封装置1では図示していない
が、例えば後述する図2に示す密封装置11のように、
メインリップ5の反密封対象側傾斜面5bには、平行ね
じ突起が円周方向に沿って所定間隔で複数形成されてい
ても好適である。 【0031】平行ねじ突起は反密封対象側傾斜面5bと
回転軸3の軸心を通る平面との交線(反密封対象側傾斜
面5bを構成する円錐の母線に対応する)に対して同一
方向に所定角度傾斜して設けられる。これにより、密封
対象流体を密封対象側Mに搬送するポンプ機能を発揮す
るものである。 【0032】また、メインリップ5のリップ先端の外周
側にはガータースプリング等のばね部材7が装着され、
リップ先端のシール部に緊迫力を付与している。 【0033】そして、ダストリップ6は、金属環4aの
内向きフランジ部4dの内径端部から軸方向反密封対象
側Oに向けて徐々に小径となるように傾斜して延びて、
リップ先端の接触部が回転軸3に摺動自在に密封接触し
ている。 【0034】また、ダストリップ6とメインリップ5と
の間には環状空間が設けられており、ダストリップ6と
メインリップ5とが回転軸3と密封接触することによ
り、環状空間は環状空室9を形成する。 【0035】以下に、本実施の形態の特徴的な構成であ
る、ダストリップ6について説明する。 【0036】ダストリップ6のリップ先端には、図1の
密封装置1の断面において鎖線Aで示すように略軸方向
に切り欠かれ、ダストリップ6の密封対象側Mと反密封
対象側Oとを連通する貫通部としての切り欠き部8が等
配状に設けられている。 【0037】そして、この切り欠き部8の形状は、環状
空室9内に侵入したダストを押し戻すポンプ効果を発揮
するねじ状となっている。 【0038】密封装置1では、図に示すように、切り欠
き部8は、密封対象側Mから反密封対象側Oに向けて、
ダストリップ6の密封対象側傾斜面6aと回転軸3の軸
心を通る平面との交線(密封対象側傾斜面6aを構成す
る円錐の母線に対応する)に対して拡開した形状となっ
ており(図1(b)において、8a<8b)、密封対象
側傾斜面6aに対して周方向に段差が形成されるねじ状
部としての側壁面8c,8dを有している。 【0039】これにより、回転軸3の回転方向に応じ
て、切り欠き部8を構成している側壁面8c,8dのい
ずれかがダストを積極的に反密封対象側Oにかき出すこ
とができる。図1(a)において、回転軸3が密封装置
1に対して相対的にB方向に回転した場合には、切り欠
き部8の側壁面8cがダストをかき出し(図において点
線で示す)、回転軸3がC方向に回転した場合には、側
壁面8dがダストをかき出すこととなる(図において実
線で示す)。 【0040】すなわち、軸の回転方向を問題とせず、軸
がどちらに回転してもポンプ効果を発揮することが可能
である。 【0041】上記構成の密封装置1にあっては、ダスト
リップ6が回転軸3に常に接触しているので、従来のダ
ストリップを非接触としていたものに比べて、ダストの
侵入を防ぐことができ、耐ダスト性の向上が可能とな
る。 【0042】さらに、ダストリップ6において、常に環
状空室9と反密封対象側Oとを連通させる切り欠き部8
を設けたことにより、環状空室9に負圧が発生すること
はない。従って、負圧によりメインリップ及びダストリ
ップが変形して軸に押圧され摩耗してしまうようなこと
はなくなる。 【0043】ここで、切り欠き部8においては、ポンプ
効果を発揮するねじ状としているので、仮に切り欠き部
8からダストが環状空室9に侵入してしまった場合で
も、ダストを積極的にかき出すことができる。従って、
環状空室9内に侵入したダストがダストリップ及びメイ
ンリップのシール面に付着して摺動面を摩耗させること
を防止することが可能となる。 【0044】なお、切り欠き部8の大きさや、そのテー
パの角度(8aと8bの長さ;反密封対象側傾斜面6a
と回転軸3の軸心を通る平面との交線(反密封対象側傾
斜面6aを構成する円錐の母線に対応する)に対して側
壁面8c,8dがなす角度)や、切り欠き部8の数は、
装置の仕様に応じて適宜採用することが可能である。 【0045】(実施の形態2)図2は実施の形態2に係
る密封装置11を示す概略図である。密封装置11は、
実施の形態1で示した密封装置1に対してダストリップ
6に設けられた切り欠き部の形状が異なるものである。 【0046】本実施の形態は、回転軸3の回転方向が一
方向(図に示すD方向)の場合を示すものであり、ダス
トリップ6には、回転軸3の回転方向に従った略スリッ
ト状の貫通部としての切り欠き部18が設けられてい
る。 【0047】切り欠き部18は、反密封対象側傾斜面6
aと回転軸3の軸心を通る平面との交線(反密封対象側
傾斜面6aを構成する円錐の母線に対応する)に対して
傾斜して設けられることにより、ねじ状部を構成してい
る。 【0048】切り欠き部18の大きさや、その角度(反
密封対象側傾斜面6aと回転軸3の軸心を通る平面との
交線(反密封対象側傾斜面6aを構成する円錐の母線に
対応する)に対する角度)や、切り欠き部18の数は、
装置の仕様に応じて適宜採用することが可能である。ま
た、切り欠き部18は、スリット状としているが、反密
封対象側Oと環状空室9とを連通する領域があれば、環
状空室9に対して有底状となる溝であってもよい。 【0049】また、メインリップ5の反密封対象側傾斜
面5bには、回転軸3の回転方向に従い密封対象側Mに
ポンプ機能を発揮する平行ねじ突起5dが円周方向に沿
って所定間隔で複数形成されている。 【0050】平行ねじ突起は反密封対象側傾斜面5bと
回転軸の軸心を通る平面との交線(反密封対象側傾斜面
5bを構成する円錐の母線に対応する)に対して同一方
向に所定角度傾斜して設けられている。これにより、密
封対象流体を密封対象側Mに搬送するポンプ機能を発揮
するものである。 【0051】本実施の形態においても、実施の形態1で
説明した効果と同様の効果を得ることができる。 【0052】(実施の形態3)図3は、実施の形態3に
係る密封装置21を示す概略図である。 【0053】上述した実施の形態1,2では、ダストリ
ップの先端の一部分の周壁を切り欠いて切り欠き部を設
けたが、本実施の形態においては、ダストリップ22の
回転軸3との摺動自在に密封接触する接触部23に切り
欠き部24を設けたことを特徴とする。 【0054】図3に示すように、ダストリップ22のリ
ップ先端の接触部23に設けられた貫通部としての切り
欠き部24は、実施の形態1で説明した図1に示す密封
装置1の切り欠き部8のように、密封対象側Mから反密
封対象側Oに向けて、回転軸3の軸方向に対して拡開し
た形状となっており、接触部23に対して周方向に段差
を形成するねじ状部としての側壁面24a,24bを有
している。 【0055】これにより、回転軸3の回転方向に応じ
て、切り欠き部24を構成している側壁面24a,24
bのいずれかがダストを積極的に反密封対象側Oにかき
出すことができる。図3において、回転軸3が密封装置
21に対して相対的にE方向に回転した場合には、切り
欠き部24の側壁面24aがダストをかき出し(図にお
いて実線で示す)、回転軸3がF方向に回転した場合に
は、側壁面24bがダストをかき出すこととなる(図に
おいて点線で示す)。 【0056】すなわち、軸の回転方向を問題とせず、軸
がどちらに回転してもポンプ効果を発揮することが可能
である。 【0057】さらに、切り欠き部24においては、拡開
して設けられた側壁面24a,24b間に形成された周
方向面24cを、軸方向に対して傾斜させて設けてい
る。すなわち、切り欠き部24の周方向面24cにおい
て、反密封対象側Oの端部は密封対象側Mの端部24d
よりも外径側に設けられている。そして、回転軸3の外
周面に対する端部24dの位置の設定により、密封対象
側Mと反密封対象側Oとを貫通する領域(貫通部)の大
きさを設定することができる。 【0058】このように構成される密封装置21にあっ
ては、ダストリップ22が回転軸に常に接触しているの
で、従来のダストリップを非接触としていたものに比べ
て、ダストの侵入を防ぐことができ、耐ダスト性の向上
が可能となる。 【0059】さらに、ダストリップ22において、常に
環状空室と反密封対象側Oとを連通させる切り欠き部2
4を設けたことにより、環状空室に負圧が発生すること
はない。従って、負圧によりメインリップ及びダストリ
ップが変形して軸に押圧され摩耗してしまうようなこと
はなくなる。 【0060】さらに、切り欠き部24は、ダストリップ
22において回転軸3との接触部23に設けたので、ダ
ストリップ22の接触部23において、密封対象側Mす
なわち環状空室に侵入しようとするダストに対してポン
プ効果を発揮することができるので、早期にダストが侵
入するのを防止することができる。 【0061】また、切り欠き部24を構成する周方向面
24cにおいて、テーパを設けた(軸方向に対して傾斜
させた)ので、ダストが環状空室に侵入するのを防止す
ることができ、さらに、回転軸3の外周面に対する端部
24dの位置の設定により、負圧が発生しない限度とな
るように貫通部を設定することにより、特に、回転軸の
停止状態において効果的である。 【0062】(実施の形態4)図4は、実施の形態4に
係る密封装置31を示す概略図である。 【0063】上述した実施の形態では、ダストリップに
切り欠き部を設けていたが、本実施の形態に係る密封装
置31においては、ダストリップ32のリップ先端部分
に突起が位置するように、ねじ状部としてのねじ突起3
3を設けたことを特徴としている。 【0064】ねじ突起33は、密封対象側Mから反密封
対象側Oに向けて、ダストリップ32の密封対象側傾斜
面35と回転軸の軸心を通る平面との交線(密封対象側
傾斜面35を構成する円錐の母線に対応する)に対して
同一方向に所定角度傾斜した形状となっている。 【0065】そして、ダストリップ32においては、ね
じ突起33が回転軸に常に接触した状態となっており、
接触部を構成している。 【0066】ねじ突起33が回転軸と接触することによ
り、隣り合うねじ突起と回転軸とで貫通部としての貫通
口34が形成されることとなる。 【0067】このように本実施の形態においては、ダス
トリップ32においては、ねじ突起33が回転軸に接触
しているので、従来のダストリップを非接触としていた
ものに比べて、ダストの侵入を防ぐことができ、耐ダス
ト性の向上が可能となる。 【0068】さらに、ダストリップ32に設けられたね
じ突起33が回転軸に接触することにより、ねじ突起間
に貫通口34が形成されるので、環状空室に負圧が発生
することはない。従って、負圧によりメインリップ及び
ダストリップが変形して軸に押圧され摩耗してしまうよ
うなことはなくなる。 【0069】また、仮に貫通口34からダストが環状空
室へ侵入してしまっても、ねじ突起33がポンプ効果を
発揮することにより、環状空室に侵入したダストをかき
出すので、環状空室内に侵入したダストがダストリップ
及びメインリップのシール面に付着して摺動面を摩耗さ
せることを防止することが可能となる。 【0070】なお、ねじ突起33においては、平行ねじ
突起としてもよいが、突出高さ及び幅のうちの少なくと
も突出高さがダストリップのリップ先端から密封対象側
Mに向けて徐々に高くなる船底ねじ突起とすることによ
り、経時的にゴム状弾性材の摩耗が進行した場合におい
ても、ねじ突起の残存部を接触させてねじポンプ効果を
維持させることができるので、経時的なゴム状弾性材の
摩耗による密封性能の低下をも抑える効果が得られる。
この場合、図に示すように、メインリップにも船底ねじ
突起を設けると好適である。 【0071】ここで、船底ねじ突起の数、すなわち貫通
口を形成する船底ねじ突起間の間隔、及び、船底ねじ突
起の長さ方向や突起の突出高さ方向は、材質や使用状況
等に応じて適宜設定されればよい。 【0072】なお、一般的に、船底ねじ突起とは、ねじ
突起をなだらかに湾曲しながら高さが高くなる船底形状
をした突起を表すが、直線状に高さが高くなるような、
いわゆるテーパ形状のテーパねじ突起としてもよい。 【0073】また、ねじ突起33として、リップ先端に
は、その高さおよび幅が同等なねじを有し、前記ねじか
ら連続的に形成された船底形状のねじを有する突起とす
れば、初期摩耗を高さおよび幅が同等なねじが作用し、
摩耗が進んだ際には船底形状のねじによりシール効果を
得ることができる。 【0074】また、本実施の形態ではシール本体4がハ
ウジング3に固定されメインリップ5が回転軸3に密封
接触するいわゆるインナーシールについて説明したが、
シール本体が回転軸に固定されメインリップがハウジン
グ内周に密封接触するいわゆるアウターシールについて
も適用することもできる。 【0075】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ダストリップは、一方の部材に摺動自在に接触する接触
部を備えるので、メインリップとダストリップとの間に
負圧が発生することを防止でき、かつ、ポンプ効果を発
揮するねじ状部を有した貫通部を備えるので、ダストの
侵入を防止し、ダストが侵入してもかき出すことにより
ダストによる影響を抑制させ、密封性能を向上させた信
頼性の高い密封装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】 【図1】図1は本発明の実施の形態1に係る密封装置を
示す概略図であり、同図(a)は密封装置の概略断面
図、同図(b)は同図(a)の要部の拡大図である。 【図2】実施の形態2に係る密封装置を示す概略図であ
る。 【図3】実施の形態3に係る密封装置を示す概略図であ
る。 【図4】実施の形態4に係る密封装置を示す概略図であ
る。 【図5】従来技術に係る密封装置を示す概略図である。 【図6】従来技術に係る密封装置を示す概略図である。 【図7】従来技術に係る密封装置を示す概略図である。 【図8】従来技術に係る密封装置を示す概略図である。 【符号の説明】 1,11,21,31 密封装置 2 ハウジング 3 回転軸 4 シール本体 4a 金属環 4b ゴム状弾性体 4c 円筒部 4d 内向きフランジ部 5 メインリップ 5a 頂部 5b 反密封対象側傾斜面 5c 密封対象側傾斜面 6 ダストリップ 6a 密封対象側傾斜面 7 ばね部材 8 切り欠き部 8a,8b 側壁面8c,8d間の長さ 8c,8d 側壁面 9 環状空室 18 切り欠き部 22 ダストリップ 23 接触部 24 切り欠き部 24a,24b 側壁面 24c 周方向面 24d 密封対象側Mの端部 32 ダストリップ 33 ねじ突起 34 貫通口 35 密封対象側傾斜面 M 密封対象側 O 反密封対象側
フロントページの続き (72)発明者 神田 剛 福島県福島市永井川字続堀8番地 エヌオ ーケー株式会社内 Fターム(参考) 3J006 AE03 AE05 AE14

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】互いに同心的に相対回転自在に組み付けら
    れる2部材間の環状の隙間を密封する密封装置であっ
    て、 前記2部材のうちの一方の部材に摺動自在に密封接触す
    るメインリップと、 前記メインリップに対して環状空間を介して設けられ、
    反密封対象側からのダストの侵入を防止するダストリッ
    プと、 を備えた密封装置において、 前記ダストリップは、 前記一方の部材に摺動自在に密封接触する接触部と、 ダストを反密封対象側に搬送するポンプ効果を発揮する
    ねじ状部を有し、密封対象側と反密封対象側とを連通さ
    せる貫通部と、 をリップ先端に備えることを特徴とする密封装置。
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