JPH08226547A - オイルシール - Google Patents

オイルシール

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JPH08226547A
JPH08226547A JP7034926A JP3492695A JPH08226547A JP H08226547 A JPH08226547 A JP H08226547A JP 7034926 A JP7034926 A JP 7034926A JP 3492695 A JP3492695 A JP 3492695A JP H08226547 A JPH08226547 A JP H08226547A
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JP
Japan
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lip
tip
seal
oil
oil seal
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JP7034926A
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English (en)
Inventor
Takaaki Suzuki
孝明 鈴木
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 リップ先端の摩耗時におけるシール性の低下
を好適に抑制するネジ付きオイルシールを提供する。 【構成】 オイルシール10の突条36は、リップ先端
26から離隔するに従ってその高さHが大きくされてい
る。そのため、リップ部18のリップ先端26が摩耗し
てリップ接触幅dL が大きくなった際には、突条36の
うち高さHの大きい部分が摺接させられることとなり、
突条36の当たり幅dS が大きくなる。これにより、リ
ップ先端26が摩耗するに従って突条36による漏れ出
ようとするオイルを押し戻す推力が増大して、十分なポ
ンプ作用が得られることとなり、リップ先端26の摩耗
時におけるシール性の低下が好適に抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、差動歯車装置、車軸や
変速機等の回転部分に用いられてオイルをシール内側へ
押し戻す推力を発生させる突条を備えたオイルシールに
関する。
【0002】
【従来の技術】差動歯車装置、車軸や変速機等におい
て、ハウジング内から回転軸が突き出す部分には、内部
に封入されたグリース等のオイルが外部へ漏れ出ること
を抑制すると同時に、外部の埃や泥水等が内部へ侵入す
ることを抑制するために、一般に、回転軸の外周面およ
びその回転軸の一部を収容するハウジング部材の収容穴
内周面の一方に設けられる環状摺接面に先端を摺接させ
るためのリップ部と、そのリップ部の先端から回転軸の
軸心方向におけるシール外側へ向かう程その環状摺接面
から離隔するように形成されたテーパ面とを備え、回転
軸の外周面およびハウジングの収容穴内周面の他方に固
定されるオイルシールが設けられている。
【0003】
【発明が解決すべき課題】上記オイルシールの一つとし
て、上記テーパ面に、回転軸の軸心方向に対して傾斜す
るように形成された複数本の突条を備えた、所謂ネジ付
きオイルシールが知られている。例えば、特開平2−4
2278号公報に記載されているもの等がそれである。
この技術によれば、オイルシールの上記テーパ面に設け
られた複数本の突条によって、リップ部の先端と摺接面
との相対回転時に環状摺接面とリップ部との間からシー
ル外側へ漏れ出ようとするオイルをシール内側へ押し戻
す推力を発生させるポンプ作用が得られるため、シール
外側へのオイルの漏れが一層抑制される利点がある。
【0004】しかしながら、従来のネジ付きオイルシー
ル42においては、図5に示されるように突条44の全
長に亘って第2円錐面30からの高さHが一様とされて
いた。そのため、図6(a) のリップ先端26の接触状態
に示されるように、そのリップ先端26が未だ摩耗して
いない初期においては、リップ接触幅(すなわち摺接面
24に摺接させられるリップ先端26の軸心方向長さ)
L が小さいことから、そのリップ接触幅dL に対する
突条44の当たり幅(すなわち摺接面24に接触させら
れる突条44の軸心方向長さ)dS の割合が大きく、十
分なポンプ作用が得られるが、リップ先端26が摩耗す
るに従ってリップ接触幅dL が大きくなる一方、突条の
当たり幅dS は同様であるため、そのリップ接触幅dL
に対する突条の当たり幅dS の割合が低下して、十分な
ポンプ作用が得られず、シール性が低下するという問題
があった。
【0005】すなわち、リップ接触幅dL が大きくなる
とガータスプリング32により与えられる面圧が低下す
る傾向となることから、摺接面24とリップ先端26と
の間から漏れ出ようとするオイルの浸出力は増大する一
方、突条44の当たり幅dSはリップ先端26の摩耗に
拘らず同様であることから、摺接面24とオイルシール
42との相対回転に基づいて発生するオイルをシール内
側へ押し戻す推力は変化しない。そのため、リップ先端
26が摩耗すると、その押し戻す推力がオイルの浸出力
に対して不十分となって、ポンプ量(突条44によりオ
イルをシール内側へ押し戻す量)が低下し、上述のよう
にシール性が低下するものと考えられる。これに対し
て、初期における突条44の高さHを摩耗時に十分なポ
ンプ作用が得られるように比較的高くすることが考えら
れるが、突条44の高さHが高くなり過ぎるとリップ先
端26の摺接面24に対する当たりに隙間が生じて静止
時にオイルが漏れ易くなるため、初期における突条44
の高さHには制限(例えば、70μm 程度が限界)があっ
て、摩耗時のポンプ作用が十分に得られる程度にまで初
期の突条44の高さHを高くすることはできないのであ
る。
【0006】本発明は、以上の事情を背景として為され
たものであり、その目的とするところは、リップ先端の
摩耗時におけるシール性の低下を好適に抑制するネジ付
きオイルシールを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成するた
め、本発明の要旨とするところは、回転軸の外周面およ
びその回転軸の一部を収容するハウジング部材の収容穴
内周面の一方に設けられる環状摺接面に先端を摺接させ
るためのリップ部と、そのリップ部の先端から前記回転
軸の軸心方向におけるシール外側へ向かう程その環状摺
接面から離隔するように形成されたテーパ面と、前記環
状摺接面とリップ部との間からシール外側へ向かって漏
れるオイルに対してシール内側へ向かう方向の推力を与
えるために前記テーパ面において前記回転軸の軸心方向
に対して傾斜するように形成された複数本の突条とを備
え、前記回転軸の外周面および前記ハウジング部材の収
容穴内周面の他方に固定されるオイルシールであって、
(a) 前記突条が、前記リップ部の先端から離隔するに従
って前記テーパ面からの高さが高くなるように形成され
ていることにある。
【0008】
【作用および発明の効果】このようにすれば、オイルシ
ールのテーパ面に設けられた複数本の突条は、リップ部
の先端から離隔するに従ってそのテーパ面からの高さが
高くされる。そのため、リップ部先端が摩耗してリップ
接触幅が大きくなった際には、突条のうち高さの高い部
分が摺接面と摺接させられることとなって、突条の当た
り幅が大きくなる。これにより、リップ部先端が摩耗す
るに従って摺接面とオイルシールとの相対回転に基づい
て発生するオイルをシール内側へ向かう方向の推力が増
大して、十分なポンプ作用が得られることとなり、リッ
プ部先端の摩耗時におけるシール性の低下が好適に抑制
される。しかも、初期における突条の高さを従来と同様
にしたまま、摩耗時における高さを十分に高くできるた
め、一様に突条の高さを高くする場合のように、その初
期においてリップ部先端に隙間が生じて静止時にオイル
が漏れ易くなるという問題は生じないのである。
【0009】更に、本発明によれば、リップ部先端の摩
耗が進むに従って、リップ接触幅が大きくなると同時に
突条の当たり幅も大きくなるため、リップ接触幅のみが
大きくなる従来のオイルシールに比較して、摺接面と摺
接させられるオイルシールの摺接面積の増大量が大きく
なる。したがって、従来よりも面圧の低下が大きくな
り、リップ部先端の摩耗が抑制されることとなる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。
【0011】図1は、本発明の一実施例のネジ付きオイ
ルシール10の軸心方向に平行な断面を略半分について
示す図である。オイルシール10は、例えば、自動車等
の変速機やブレーキ等の回転部分に用いられるS型のオ
イルシールであって、ハウジング12の収容穴内周面に
嵌め込まれて固定される断面L字状の固定部14と、そ
の固定部14の内周側において回転軸16と摺接させら
れるリップ部18とを備えて全体が断面U字状に形成さ
れたものであり、図におけるオイルシール10の右側に
オイルが封入されている。
【0012】上記固定部14は、断面L字状の金属環2
2に、リップ部18と一体を成すゴムが加硫接着された
ものであり、金属環22は、その加硫接着されたゴムに
より略全面が覆われている。オイルシール10がハウジ
ング12に嵌め込まれた状態においては、図の上側に位
置するゴムが金属環22とハウジング12の内周面との
間で押圧されることにより、そのハウジング12から抜
けることが阻止されている。
【0013】一方、リップ部18は、最も内周側に形成
されて回転軸16の表面である摺接面24に摺接させら
れる円環状のリップ先端26と、そのリップ先端26か
らシール内側(図における右方)へ向かうに従って摺接
面24から離隔する第1円錐面28と、そのリップ先端
26からシール外側(図における左方)へ向かうに従っ
て摺接面24から離隔する第2円錐面30とを内周面に
備えると共に、ガータスプリング32が嵌め着けられる
環状溝34を外周面に備えたものである。このリップ部
18は、全体がゴムから構成されていることから、固定
部14との境界部近傍を支点として固定部14の開放端
とリップ部18の開放端とが離隔或いは接近するように
弾性変形可能とされている。そのため、ガータスプリン
グ32によりリップ部18は常時回転軸16側に押圧さ
れ、これにより、オイルシール10のシール性が高めら
れている。本実施例においては、上記摺接面24が環状
摺接面に、第2円錐面30がテーパ面にそれぞれ相当す
る。
【0014】上記第2円錐面30には、その全周に亘っ
て所定の間隔を以て、断面三角形状で第2円錐面30の
軸心方向に延びる複数本の突条36が備えられている。
この突条36は、回転軸16の回転方向が図に示される
方向とされてその突条36の相対移動方向が図の矢印A
の方向とされたときに、リップ先端26から離隔するに
従って相対移動方向前方に向かうように軸心方向に対し
て傾斜して形成されている。このため、突条36には、
リップ先端26から漏れ出ようとするオイルを、オイル
シール10と回転軸16との相対回転に伴ってシール内
側へ押し戻すポンプ作用が与えられている。
【0015】上記の突条36の高さHは、リップ先端2
6からシール外側へ向かうに従って連続的且つ直線的に
高くなるように形成されており、例えば、リップ先端2
6近傍において50μm 程度、第2円錐面30のシール外
側の端部において 200μm 程度とされている。なお、突
条36は上記のように軸心方向に対して傾斜して設けら
れているが、図において最も上側に位置する突条36
は、その形状および高さHの理解を容易とするため、そ
の稜線を通る断面で示している。
【0016】オイルシール10は、前記ガータスプリン
グ32の弾性力によりリップ部18が回転軸16に押圧
されることにより、初期はもちろんリップ先端26の摩
耗時においてもシール性が確実なものとされてその寿命
が保証されているが、このようなオイルシール10にお
いては、回転軸16とオイルシール10とが相対回転さ
せられることから、上記リップ先端26から常時微量の
オイルがシール外側に漏れ出ることとなる。しかしなが
ら、オイルシール10等のネジ付きオイルシールにおい
ては、前記突条36がオイルをシール内側へ押し戻すポ
ンプ作用を有するため、オイルシール10のシール外側
に漏れ出るオイルの量は極めて微量となり、シール外側
のオイルによる汚染が好適に抑制される。
【0017】図2は、上記オイルシール10のポンプ量
(突条36によりシール内側へ押し戻されるオイル量)
を測定した結果を、従来の突条36の高さHが50μm 程
度で第2円錐面30の軸心方向の全長に亘って一様とさ
れている図5のオイルシール42と比較して示すもので
ある。シール外側へのオイルの漏れ量はポンプ量が大き
い程少なくなるため、オイルシール10のシール性能
は、ポンプ量が大きい程優れていることになる。オイル
シール10は、使用時間が長くなってリップ先端26が
摩耗するに従ってその幅すなわちリップ接触幅が小さく
なることから、図の横軸は使用時間に対応する。
【0018】図から明らかなように、リップ先端26が
殆ど摩耗していない初期においては、本実施例のオイル
シール10も従来のオイルシール42も同様な突条高さ
H(50μm )とされていることから、同様なポンプ量す
なわち同様なシール性能を有している。そして、ポンプ
量はリップ先端26が摩耗してリップ接触幅が増大する
に従って低下することとなるが、その低下の度合いは従
来のオイルシール42の方が著しい。すなわち、本実施
例のオイルシール10によれば、従来のオイルシール4
2に比較して高いポンプ量すなわちシール性能を長期に
亘って維持することが可能である。
【0019】図3は、オイルシール10の突条36の回
転軸16の摺接面24に対する接触状態を示す図であ
り、(a) は使用初期の状態を、(b) は、リップ先端26
の摩耗が進んだ状態をそれぞれ示す。リップ先端26の
接触幅dL は、その摩耗が進むに従って大きくなるが、
突条36の高さHがシール外側に向かうに従って高くさ
れていることから、突条36の接触幅dS も摩耗が進む
に従って大きくなる。そのため、回転軸16とオイルシ
ール10の相対回転に基づき発生するシール外側に漏れ
出ようとするオイルを押し戻す推力は、初期に比較して
増大させられることとなり、リップ接触幅dL が増大し
て漏れ出ようとするオイル量が増大した場合のポンプ量
の低下が抑制されるのである。
【0020】上述のように、本実施例によれば、オイル
シール10の突条36は、リップ先端26から離隔する
に従ってその高さHが大きくされている。そのため、リ
ップ部18のリップ先端26が摩耗してリップ接触幅d
L が大きくなった際には、突条36のうち高さHの大き
い部分が摺接させられることとなり、突条36の当たり
幅dS が大きくなる。これにより、リップ先端26が摩
耗するに従って突条36による漏れ出ようとするオイル
を押し戻す推力が増大して、十分なポンプ作用が得られ
ることとなり、リップ先端26の摩耗時におけるシール
性の低下が好適に抑制される。なお、本実施例によれ
ば、初期における突条36の高さHを従来と同様にした
まま、摩耗時における突条36の高さHを十分に高くで
きるため、一様に高さHを高くする場合のように、その
初期においてリップ先端26に隙間が生じて静止時にオ
イルが漏れ易くなるという問題は生じないのである。
【0021】しかも、リップ先端26の摩耗が進むに従
って、リップ接触幅dL が大きくなると同時に突条36
の当たり幅dS も大きくなるため、リップ接触幅dL
みが大きくなる従来のオイルシール42に比較して、摺
接面積が増大して面圧の低下が大きくなり、リップ先端
26の摩耗が抑制され、一層オイルシール10の寿命が
長くなることとなる。
【0022】また、本実施例によれば、突条36の高さ
Hが連続的に大きくされていることから、リップ先端2
6の摩耗すなわちリップ接触幅dL の変化に対応して直
ちにオイルを押し戻す力が増大するため、オイルの漏れ
量を一層低減して、一層高いシール性を得ることができ
る。
【0023】次に本発明の他の実施例を説明する。な
お、以下の実施例において、前述の実施例と共通する部
分は同一の符号を付して説明を省略する。
【0024】図4は、他のオイルシール38の要部断面
を示す図であり、前述の実施例における図1のリップ部
18近傍に相当する図である。本実施例においては、第
2円錐面30にリップ先端26からシール外側に向かう
に従って段階的(本実施例においては、3段階)に高さ
Hを高くされた突条40が形成されているが、他の部分
は前述の実施例のオイルシール10と同様である。上記
突条40の高さHは、リップ先端26から続くdH1の範
囲におおいては、50μm 程度に、続くdH2の範囲におい
ては、 150μm 程度に、そしてdH3の範囲においては、
200μm 程度にされている。なお、突条40も断面三角
形状に形成されており、その高さHは、三角形の頂点を
結ぶ稜線が直線で構成される一方、シール外側に向かう
に従って第2円錐面30の内径が段階的に大きくされる
ことにより、相対的に段階的に高くされている。
【0025】このようにしても、前述の実施例と同様に
オイルシール10の突条40は、リップ先端26から離
隔するに従ってその高さHが高くされるため、リップ部
18のリップ先端26が摩耗してリップ接触幅dL が高
さHが一様とされている範囲dH1,dH2等よりも大きく
なった際には、突条40の高さHの大きい部分が摺接さ
せられることとなり、突条40の当たり幅dS が大きく
なる。これにより、リップ先端26が摩耗するに従って
突条40による漏れ出ようとするオイルを押し戻す推力
が増大して、十分なポンプ作用が得られることとなり、
リップ先端26の摩耗時におけるシール性の低下が好適
に抑制される。
【0026】なお、本実施例においては、突条40の高
さHが段階的に高くされていることから、その高さHが
一様とされている範囲内においては、リップ先端26が
摩耗してリップ接触幅dL が大きくなってもオイルを押
し戻す力すなわちポンプ量が増大しないが、一様とされ
ている範囲dH1,dH2等を比較的小さくすることによ
り、ポンプ量の低下が著しい範囲を比較的小さくするこ
とができるため、特に問題は生じない。
【0027】以上、本発明の一実施例を図面を参照して
詳細に説明したが、本発明は、更に別の態様でも実施さ
れる。
【0028】例えば、前述の実施例においては、突条3
6等は断面が三角形状とされていたが、その形状は適宜
変更される。例えば、半円形状や矩形状とされていても
良い。
【0029】また、実施例においては、高さHが連続的
且つ直線的に高くされた突条36や、高さHが段階的に
3段階で高くされた突条40が設けられたオイルシール
10,38について説明したが、突条36等の高さH
は、リップ先端26からシール外側に向かうに従って高
くされるものであれば、その変化の態様は適宜変更され
る。例えば、連続的に高くされる場合において、その稜
線が曲線となるように変化させられても良く、また、段
階的に高くさせられる場合には、2段階或いは4段階以
上で変化させられても良い。
【0030】また、突条36等の稜線は、リップ先端2
6から離隔するに従って周方向に湾曲するように形成さ
れていても良い。
【0031】また、実施例においては、リップ先端26
から続いて形成されたテーパ面(第2円錐面30が円錐
面から構成されていたが、このテーパ面は、例えば摺接
面24に向かう凹面から構成されていても良い。この場
合には、突条36等は、テーパ面の中間部からはリップ
先端26から離隔するに従ってテーパ面からの高さHが
低くなるように形成されることとなるが、オイルシール
10等は、第2円錐面30等のテーパ面全体が消滅する
程摩耗するまでは用いられない。したがって、突条36
等は、摩耗によって摺接面24に摺接させられ得る範囲
内において、リップ先端26から離隔するに従ってテー
パ面からの高さHが高くなるように形成されていれば十
分であり、上記のように構成しても良いのである。
【0032】また、突条36等は、第2円錐面30の軸
心方向の幅全体に形成されず、その幅の一部に形成され
ていても良い。上述のように、オイルシール10等は第
2円錐面30全体が消滅するまでは使用されないことか
ら、シール外側端部近傍にまで突条36等が形成されて
いる必要はなく、また、オイルシール10等の使用初期
においては、比較的高いシール性が得られることから、
リップ先端26近傍にまでは突条36等が形成されず、
リップ先端26が所定量摩耗した後に突条36等による
ポンプ作用が得られるようにしても良いのである。
【0033】また、実施例においては、外周側に固定部
14が設けられ、内周側にリップ部18およびリップ先
端26が設けられているオイルシール10等に、本発明
が適用された場合について説明したが、外周側にリップ
部およびリップ先端が設けられ、内周側に固定部が設け
られたオイルシールにも同様に適用される。その場合
は、オイルシールが回転軸16に固定されると共に、ハ
ウジング12の収容穴内周面が摺接面に相当することと
なる。
【0034】また、実施例においては、金属環22がゴ
ムで覆われると共にガータスプリング32が備えられた
S型のオイルシール10について説明したが、金属環2
2が露出したS型等のオイルシールや、金属環22が備
えられていないMG型等のオイルシール、或いはガータ
スプリング32が備えられていないV型等のオイルシー
ル等にも本発明は同様に適用される。
【0035】また、実施例においては、突条36等の高
さHは、リップ先端26側で50μm程度、第2円錐面3
0のシール外側端部において 200μm 程度等とされてい
たが、これらの数値は適宜変更される。すなわち、リッ
プ先端26の摩耗状態に応じて、リップ接触幅dL と突
条36等の当たり幅dS との関係が十分なポンプ量が得
られるように、高さHが設定されていれば良い。
【0036】その他、一々例示はしないが、本発明はそ
の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加え得るものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のオイルシールの断面を示す
図である。
【図2】図1のオイルシールの性能を従来のオイルシー
ルと比較して示す図である。
【図3】図1のオイルシールのリップ部の接触状態を示
す図であり、(a) は初期における接触状態を、(b) は、
リップ先端の摩耗が進んだ後における接触状態をそれぞ
れ示すものである。
【図4】本発明の他の実施例のオイルシールの断面を示
す図であり、図1のリップ部近傍に相当する図である。
【図5】従来のオイルシールの断面を示す図であり、図
4に相当する図である。
【図6】図5のオイルシールの接触状態を示す図であ
り、(a) ,(b) は、それぞれ図3の(a) ,(b) に相当す
る図である。
【符号の説明】
10:オイルシール 12:ハウジング 16:回転軸 18:リップ部 24:摺接面(環状摺接面) 26:リップ先端 30:第2円錐面(テーパ面) 36:突条

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸の外周面および該回転軸の一部を
    収容するハウジング部材の収容穴内周面の一方に設けら
    れる環状摺接面に先端を摺接させるためのリップ部と、
    該リップ部の先端から前記回転軸の軸心方向におけるシ
    ール外側へ向かう程該環状摺接面から離隔するように形
    成されたテーパ面と、前記環状摺接面とリップ部との間
    からシール外側へ向かって漏れるオイルに対してシール
    内側へ向かう方向の推力を与えるために前記テーパ面に
    おいて前記回転軸の軸心方向に対して傾斜するように形
    成された複数本の突条とを備え、前記回転軸の外周面お
    よび前記ハウジング部材の収容穴内周面の他方に固定さ
    れるオイルシールであって、 前記突条が、前記リップ部の先端から離隔するに従って
    前記テーパ面からの高さが高くなるように形成されてい
    ることを特徴とするオイルシール。
JP7034926A 1995-02-23 1995-02-23 オイルシール Pending JPH08226547A (ja)

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JP7034926A JPH08226547A (ja) 1995-02-23 1995-02-23 オイルシール

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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