JPH10299501A - ターボチャージャの製造方法と製造装置 - Google Patents

ターボチャージャの製造方法と製造装置

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JPH10299501A
JPH10299501A JP11098797A JP11098797A JPH10299501A JP H10299501 A JPH10299501 A JP H10299501A JP 11098797 A JP11098797 A JP 11098797A JP 11098797 A JP11098797 A JP 11098797A JP H10299501 A JPH10299501 A JP H10299501A
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turbine wheel
turbine
shaft
unbalance
wheel
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Masahiro Inoue
雅博 井上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 タービンシャフトをタービンホイールに溶接
してなるタービンアッシィの製造にかかる時間、労力を
減少し、歩留まりを向上する。 【解決手段】 タービンホイールの端面にタービンシャ
フトの軸端を溶接してなるタービンアッシィを備えたタ
ーボチャージャの製造方法において、タービンホイール
とタービンシャフトを溶接する前に、予めタービンホイ
ールの回転中心の位置を相互に変えてそれぞれの回転中
心におけるアンバランス量を測定し(ステップ20
1)、測定したうちでアンバランス量が最小となったと
きのタービンホイールの回転中心とタービンシャフトの
軸心を同心上に配置して(ステップ202)、タービン
シャフトをタービンホイールに溶接する(ステップ10
3)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関に用いら
れるターボチャージャの製造方法と製造装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】一般に、内燃機関にターボチャージャを
装備した自動車では、機関の排気を駆動源としてタービ
ンホイールを回し、このタービンホイールに連結された
タービンシャフトを介してコンプレッサホイールを回転
し、このコンプレッサホイールの回転により吸気を機関
に過給するようになっている。
【0003】これらタービンホイール、タービンシャフ
ト、コンプレッサホイールからなるターボチャージャの
回転体は非常に高速度で回転されるので、回転体のバラ
ンスは非常に重要である。そのため、この回転体製造の
途中において、アンバランス量を測定し、必要に応じて
バランス修正を施し、厳しいバランス管理を行ってい
る。
【0004】特開昭63−192915号公報には、タ
ーボチャージャのバランス管理に用いられる従来の検査
装置が開示されている。この公報によれば、タービンホ
イールとタービンシャフトを連結した後、コンプレッサ
ホイールを取り付ける前に、連結されたタービンホイー
ル及びタービンシャフトを検査装置に取り付けて高速回
転し、試験を行っている。
【0005】従来のターボチャージャの製造方法につい
て、図9のフローダイヤグラムにしたがって説明する
と、タービンシャフト単体を旋削加工し(ステップ10
1)、タービンホイール単体を鋳造し(ステップ10
2)、タービンホイールの端面にタービンシャフトの軸
端を摩擦溶接する(ステップ103)。溶接後、タービ
ンシャフトを仕上げ研削し(ステップ104)、タービ
ンホイールのタービン翼を仕上げ研削する(ステップ1
05)。次に、タービンホイール及びタービンシャフト
を前記公報に開示されている様な検査装置に取り付け、
所定速度で高速回転してアンバランス量を測定する(ス
テップ106)。そして、測定されたアンバランス量が
所定の許容範囲に入っているか否を判定し(ステップ1
07)、NOの場合にはタービンホイールの端面を研削
する等のアンバランス修正加工を施し(ステップ10
8)、ステップ106に戻ってアンバランス量を再検査
する。ステップ106からステップ108を繰り返し
て、アンバランス量が許容範囲に収まると加工完了であ
る(ステップ109)。
【0006】ステップ103での摩擦溶接はホイールホ
ルダとシャフトホルダを同心上に備えた自動溶接機で行
っており、ホイールホルダは自動調心機構を備えたチャ
ックでタービンホイールを保持し、シャフトホルダは自
動調心機構を備えたチャック機構でタービンシャフトを
保持する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、切削により
加工されたタービンシャフトはバランス精度が極めて高
いが、鋳造により製造されたタービンホイールはタービ
ンシャフトに比べるとバランス精度が劣る。
【0008】にもかかわらず、従来はステップ103に
おいてタービンホイールとタービンシャフトを摩擦溶接
する際、ホイールホルダにタービンホイールを無作為に
取り付けて行っていた。したがって、タービンホイール
をホイールホルダに取り付ける際の両者の周方向相対位
置が溶接後のタービンアッシィのアンバランス量を決定
し、この時点でこれ以降の工程における加工負荷(時間
やアンバランス修正加工の回数等)が決まっていた。そ
のため、ステップ103終了時点でアンバランス量が大
きかった場合には、ステップ106からステップ108
の工程を数多く繰り返さなければならず加工完了までに
多くの時間と労力を費やしたり、あるいは、修正加工を
施しても許容範囲内に納められない廃品が出る確率が少
なくなく、それまでの工程が全く無駄になることもあっ
た。
【0009】本発明はこのような従来の技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、本発明は、アンバランス量
が少ないタービンホイールの回転中心とタービンシャフ
トの軸心とを一致させてタービンシャフトをタービンホ
イールに溶接することにより、それ以降の製造工程にお
ける労力及び時間の低減と、歩留まり向上及び廃品発生
率の低減を図ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するために、以下の手段を採用した。本発明は、タービ
ンホイールの端面にタービンシャフトの軸端を溶接して
なるタービンアッシィを備えたターボチャージャの製造
方法において、タービンホイールとタービンシャフトを
溶接する前に、予めタービンホイールの回転中心の位置
を相互に変えてそれぞれの回転中心におけるアンバラン
ス量を測定し、測定したうちでアンバランス量が最小と
なったときのタービンホイールの回転中心とタービンシ
ャフトの軸心を同心上に配置して、タービンシャフトを
タービンホイールに溶接するようにしたことを特徴とす
るターボチャージャの製造方法である。
【0011】タービンシャフトをタービンホイールに溶
接する手段には摩擦溶接法が好適である。但し、この溶
接法に限るものではなく、ビーム溶接法等も採用可能で
ある。
【0012】この製造方法の発明では、タービンシャフ
トをタービンホイールに溶接した時点でのアンバランス
量を小さく抑えることができるので、以後の工程でのア
ンバランス修正加工における修正量(研削量)を小さく
でき、したがって、修正加工に要する時間、労力が低減
され、ターボチャージャの機械的強度も向上する。ま
た、廃品発生率が非常に低くなり、歩留まりも向上し、
コストダウンもできる。
【0013】また、本発明は、(イ)自動調心機構を備
えた把持手段を有し、この把持手段によってタービンホ
イールを着脱可能に保持する測定用ホルダと、(ロ)前
記測定用ホルダでタービンホイールを保持した状態で該
タービンホイールを回転してタービンホイールのアンバ
ランス量を測定可能なアンバランス測定手段と、(ハ)
タービンシャフトの軸心をタービンホイールの軸心と同
心上に配置してタービンシャフトの軸端をタービンホイ
ールの端面に溶接する溶接手段と、を備え、一つのター
ビンホイールに対して測定用ホルダへの周方向取り付け
位置を複数回変更し、各取り付け位置毎に前記アンバラ
ンス測定手段によるアンバランス測定を行い、その中で
アンバランス量が最小となる取り付け位置におけるター
ビンホイールの回転中心を前記溶接手段におけるタービ
ンホイールの軸心とすることを特徴とするターボチャー
ジャの製造装置である。この製造装置により前記製造方
法を容易に実施することができる。
【0014】尚、タービンホイールの羽根枚数や測定用
ホルダの把持手段の数に限定はなく、タービンホイール
の羽根枚数や形状等に応じて把持手段の数を適宜設定す
ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るターボチャー
ジャの製造方法及び製造装置の一実施の形態を図1から
図8の図面に基いて説明する。
【0016】初めに、ターボチャージャを製造する際に
使用される溶接装置(溶接手段)1について図7に基づ
いて説明する。この溶接装置1はベース2の上に固定さ
れたホイール支持台3とベース2の上に移動可能に設置
されたシャフト支持台4とを備えている。
【0017】ホイール支持台3は、周方向等間隔(即ち
120度間隔)に配置された3つのチャック5でターボ
チャージャのタービンホイール80を保持するものであ
り、3つのチャック5は連動して径方向に移動しタービ
ンホイール80を自動調心して支持するように構成され
ている。
【0018】シャフト支持台4は、ターボチャージャの
タービンシャフト90をシャフトホルダ6によって支持
しながら回転しタービンホイール80に摩擦溶接するも
のである。詳述すると、シャフトホルダ6には3つのチ
ャック7が周方向等間隔(即ち120度間隔)に配置さ
れており、3つのチャック7は連動して径方向に移動し
タービンシャフト90を自動調心して支持するように構
成されていて、この時のタービンシャフト90の軸心が
ホイール支持台3で支持されたタービンホイール80の
軸心と常に同心上に配置されるように設定されている。
【0019】シャフト支持台4はホイール支持台3に対
して接近離反可能に設置されており、シャフト支持台4
が移動する間、タービンシャフト90の軸心とタービン
ホイール80の軸心が同心上を維持するようになってい
る。シャフトホルダ6はタービンシャフト90を保持し
つつ図示しない駆動機構を介して回転駆動されるように
構成されている。
【0020】そして、この溶接装置1では、シャフトホ
ルダ6を回転しながらシャフト支持台4をホイール支持
台3に接近移動させることにより、タービンシャフト9
0の軸端91をタービンホイール80のハブ81の背面
(端面)81aに圧接しながら回転させ、摩擦溶接する
ようになっている。
【0021】ところで、この実施の形態におけるタービ
ンホイール80は、図5に示すように9枚の羽根82を
備えており、羽根82の枚数に対応してハブ81の背面
81a側の外周には周方向等間隔に9個の円弧部83が
形成されている。ホイール支持台3はチャック5を円弧
部83に突き当ててタービンホイール80を保持するよ
うになっており、したがってこの実施の形態の場合には
9個の円弧部83に対して3つのチャック5で保持する
ことから、タービンホイール80のホイール支持台3に
対する周方向取り付け位置によってタービンホイール8
0の軸心を3つ設定可能となる。
【0022】ここで、タービンホイール80がアンバラ
ンスしている場合には、タービンホイール80の3つあ
る軸心のうちのどの軸心をタービンシャフト90の軸心
と一致させるか、即ちどの軸心を溶接後完成するタービ
ンアッシィの回転中心とするかによって、タービンアッ
シィのアンバランス量が変わってくる。
【0023】そこで、本発明では、タービンシャフト9
0とタービンホイール80を溶接する前に、タービンホ
イール80の3つの軸心をそれぞれ回転中心とした場合
のタービンホイール80単体でのアンバランス量をそれ
ぞれ測定し、そのうちからアンバランス量が最小となる
タービンホイール80の軸心をタービンシャフト90の
軸心と一致させて溶接するようにする。
【0024】ここで、アンバランス量が最小となるター
ビンホイール80の軸心を見いだすために、測定用ホル
ダ10が使用される。測定用ホルダ10は、図2から図
4に示すように、支持板11と、シャフト12と、チャ
ック(把持手段)13と、ナット14とから構成されて
いる。
【0025】支持板11は円板状をなし、図2における
左端側に凹部15が形成され、凹部15の内側面16は
その全周に亘って均一な傾斜角のテーパ面に形成されて
いる。また、支持板11は中央に貫通孔17を備えてい
る。
【0026】シャフト12は、同一外径に形成されたシ
ャフト本体部18を有し、このシャフト本体部18を支
持板11の貫通孔17に挿通させている。シャフト本体
部18の端部には3つのアーム部19が周方向等間隔
(即ち120度間隔)に設けられており、アーム部19
は支持板11の凹部15内に配置され、各先端を径方向
外側に延ばしている。各アーム部19の先端部にはその
先端中央から径方向に沿って内方に延びるスライド溝2
0が設けられており、スライド溝20の両側のスライド
壁部21にはその先端から径方向内方に向かって延びる
ガイド溝22が設けられている。また、各アーム部19
においてスライド溝20よりも径方向内方には、ロッド
23がシャフト本体部18の軸心に沿って前方(図2に
おいて左方)に延びている。
【0027】シャフト本体部18の端部側外周面には雄
ねじ27が形成されており、この雄ねじ27にナット1
4が螺合可能になっている。チャック13は、シャフト
12の各アーム部19のスライド溝20にそれぞれ1つ
ずつ設置されている。チャック13はガイド突起24を
有し、このガイド突起24をシャフト12のガイド溝2
2に摺動可能に挿入させて、スライド溝20を径方向に
移動可能に取り付けられている。
【0028】また、チャック13は後部上面に、支持板
11の内側面16と同じ傾斜角に形成されたテーパ面2
5を有し、このテーパ面25が内側面16に摺接するよ
うになっている。さらに、チャック13は前部下方に先
端を尖らせた把持部26を有しており、この把持部26
の尖端がタービンホイール80の円弧部83に突き当て
られるようになっている。
【0029】このように構成された測定用ホルダ10に
タービンホイール80を取り付けるには、ナット14を
緩めることによってシャフト12のアーム部19を図2
において左方に移動させ、各チャック13を径方向外側
に位置させておく。そして、タービンホイール80のハ
ブ81の背面81aをシャフト12のロッド23の先端
に突き当て、タービンホイール80の円弧部83をチャ
ック13の内側に配置する。この状態でナット14を締
め込んでいくとシャフト12が図2において右方に移動
していき、同時に、各チャック13がそのテーパ面25
を支持板11の内側面16に摺接させながら径方向内側
に移動していく。その結果、各チャック13はシャフト
12の軸心からの距離を同寸法に維持されながらタービ
ンホイール80を把持するようになる。
【0030】即ち、この実施の形態において、支持板1
1の内側面16と、チャック13のテーパ面25及びガ
イド突起24と、シャフト12のスライド溝20及びガ
イド溝22は測定用ホルダ10の自動調心機構を構成し
ている。
【0031】尚、この測定用ホルダ10は、これ単体で
アンバランス測定した場合にはアンバランス量が殆ど零
になるように製造されている。したがって、この測定用
ホルダ10によりタービンホイール80を保持した状態
でアンバランス量を測定すれば、そのアンバランス量は
タービンホイール80のアンバランス量であるとみなす
ことができる。
【0032】次に、タービンホイール80単体のアンバ
ランス量を測定するためのアンバランス測定装置(アン
バランス測定手段)50について図6に基いて説明す
る。アンバランス測定装置50は、測定用ホルダ10の
シャフト12を回動自在に支持する支持台51を2つ有
し、各支持台51にはシャフト12の加速度を測定する
ための加速度センサ52が設けられている。
【0033】また、アンバランス測定装置50は、支持
台51に架け渡されたシャフト12を回転駆動するため
の駆動装置53を有し、ベルト54を介してシャフト1
2を一定速度で回転させることができるようになってい
る。
【0034】さらに、アンバランス測定装置50は、ア
ンバランスの方向性を測定するために光センサからなる
位置センサ55を有している。この位置センサ55はタ
ービンホイール80の前方に配置されていて、タービン
ホイール80のハブ81の先端面81bに白ペンキでマ
ークされたマーキング84を検出する。
【0035】このアンバランス測定装置50において
は、タービンホイール80がセットされた測定用ホルダ
10のシャフト12を支持台51に架け渡し、そのシャ
フト12と駆動装置53にベルト54を掛けて、測定用
ホルダ10及びタービンホイール80を一定速度で回転
する。
【0036】ここで、測定用ホルダ10とタービンホイ
ール80からなる回転体にアンバランスが全くなけれ
ば、この回転体は等速度で回転するので加速度センサ5
2は加速度を検出しないが、アンバランスしている場合
には回転体に加速度が生じ、この加速度を加速度センサ
52が検出する。この時の加速度とアンバランス量には
相関関係があり、アンバランス量が大きければ大きいほ
ど加速度も大きくなる。
【0037】また、同じアンバランス量の回転体を回転
している時にも、アンバランスの方向性に起因して、回
転体が1回転する間に加速度が変化する。したがって、
最大加速度値を検出した時のタービンホイール80の位
相角を検出することによってアンバランスの方向性も検
出できる。これがアンバランス測定の基本原理である。
【0038】アンバランス測定装置50は、加速度セン
サ52と位置センサ55の出力が入力される図示しない
コンピュータを備えており、このコンピュータが加速度
センサ52によって計測された最大加速度値を記憶し、
この最大加速度値から計算式に基づいてアンバランス量
を演算してこれを表示部に表示するとともに、最大加速
度値を計測した時のマーキング84の基準位置(位置セ
ンサ55で検出される位置)からの位相角を算出して表
示部に表示するようになっている。
【0039】上述説明から明らかなように、測定用ホル
ダ10をアンバランス測定装置50にセットしてアンバ
ランス量を測定する際には、測定用ホルダ10の軸心が
タービンホイール80の回転中心となる。ところで、測
定用ホルダ10にタービンホイール80を取り付ける場
合もチャック13を円弧部83に突き当ててタービンホ
イール80を保持するようにしているので、タービンホ
イール80の測定用ホルダ10に対する周方向取り付け
位置によってタービンホイール80の回転中心を3つ設
定することができ、ここで設定した回転中心の一つを、
タービンホイール80を溶接装置1に取り付ける際の軸
心とすることが可能になる。
【0040】そこで、タービンホイール80の測定用ホ
ルダ10に対する周方向取り付け位置を3通りに変えて
セットし、それぞれのセット状態でタービンホイール8
0のアンバランス量をアンバランス測定装置50によっ
て測定する。
【0041】そして、測定の結果、3通りあるセット方
法から最小のアンバランス量が測定されたセット方法
で、タービンホイール80を溶接装置1のホイール支持
台3にセットする。
【0042】つまり、タービンホイール80を測定用ホ
ルダ10から取り外して溶接装置1のホイール支持台3
に取り付ける際に、最小のアンバランス量が測定された
時に測定用ホルダ10のチャック13が当てられていた
タービンホイール80の円弧部83に、ホイール支持台
3のチャック5を突き当てて溶接装置10に取り付け
る。
【0043】このようにすると、ホイール支持台3に取
り付けた時のタービンホイール80の軸心を、最小アン
バランス量を測定した時のタービンホイールの回転中心
に一致させることができる。その結果、溶接装置1のシ
ャフト支持台に取り付けられたタービンシャフト90の
軸心を、最小アンバランス量を測定した時のタービンホ
イールの回転中心に一致させることができ、この状態で
タービンシャフト90の軸端91をタービンホイール8
0のハブ81の背面81aに摩擦溶接すれば、タービン
ホイール80にタービンシャフト90を連結して構成さ
れるタービンアッシィのアンバランス量をこの時点にお
いて実現可能な最小値とすることができる。
【0044】図1は、このタービンアッシィの製造工程
のフローダイヤグラムである。タービンシャフト90が
旋削され(ステップ101)、タービンホイール80が
鋳造されたならば(ステップ102)、タービンシャフ
ト90をタービンホイール80に溶接する前に(即ちス
テップ103に進む前に)、タービンホイール80単体
のアンバランス量を回転中心を変える毎に測定し(ステ
ップ201)、アンバランス量が一番少ないタービンホ
イールの回転中心を見い出し(ステップ202)、この
回転中心をタービンシャフト90の軸心に一致させて、
タービンシャフト90の軸端91をタービンホイール8
0のハブ81の背面81aに摩擦溶接する(ステップ1
03)。これ以降の工程は図9に示した従来の製造方法
と同じであるので、図中同一ステップに同一符号を付し
て説明を省略する。
【0045】以上のようにしてターボチャージャのター
ビンアッシィを製造すると、ステップ106以前におけ
るアンバランス量を少なくでき、アンバランス修正加工
(ステップ108)においてタービンホイール80のハ
ブ81の背面81aや先端面81bを研削する量が従来
よりも非常に少なくなる。
【0046】従来はアンバランス量が大きいときにはス
テップ106からステップ108までの工程を何回も繰
り返さなくては許容範囲に納められない場合もあった
が、本発明ではアンバランス量が小さいのでアンバラン
ス修正加工の工程(ステップ108)を殆ど1回だけ行
えば許容範囲に仕上げることができ、前記ステップの繰
返し回数を大幅に低減することができる。したがって、
加工時間及び加工労力が減少し、加工のための研削具の
寿命も延びる。
【0047】従来はアンバランス修正加工における研削
量が多かったので、タービンホイールのハブが局部的に
肉薄になり、高速回転時にこの肉薄部に応力が集中して
機械的強度の低下を招く場合があった。しかしながら、
本製造方法によれば、アンバランス修正加工においてタ
ービンホイール80に対する研削量が少なくなるので、
タービンホイール80の機械的強度が低下するのを防止
することができる。
【0048】さらに、従来の場合にはステップ106で
アンバランス量を測定した時にアンバランス量が大き過
ぎて、例えアンバランス修正加工を施したとしても許容
範囲に納めることができず、廃棄処分せざるを得ないも
のが製造される場合があったが、本製造方法では廃品発
生率が極めて小さくなり、歩留まりが向上し、コストダ
ウンになる。
【0049】尚、図8は多数のサンプルについて修正加
工する前にステップ106でアンバランス測定をした時
のアンバランス量の統計をとった結果であり、図中実線
は本発明の製造方法による場合であり、図中鎖線は従来
の製造方法による場合である。このグラフで修正限界を
越えるアンバランス量を持つ製品は廃品となり、本発明
の製造方法によれば廃品発生率が零になることがわか
る。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のターボチ
ャージャの製造方法によれば、タービンホイールとター
ビンシャフトを溶接する前に、予めタービンホイールの
回転中心の位置を相互に変えてそれぞれの回転中心にお
けるアンバランス量を測定し、測定したうちでアンバラ
ンス量が最小となったときのタービンホイールの回転中
心とタービンシャフトの軸心を同心上に配置して、ター
ビンシャフトをタービンホイールに溶接するようにした
ことにより、アンバランス修正加工にかかる時間、労力
が低減されて、コストダウンを図ることができるという
優れた効果が奏される。また、廃品発生率を激減するこ
とができ、歩留まりも向上する。さらに、アンバランス
修正加工時の研削量を減らすことができ、ターボチャー
ジャの機械的強度も向上する。
【0051】また、本発明のターボチャージャの製造装
置によれば、(イ)自動調心機構を備えた把持手段を有
し、この把持手段によってタービンホイールを着脱可能
に保持する測定用ホルダと、(ロ)前記測定用ホルダで
タービンホイールを保持した状態で該タービンホイール
を回転してタービンホイールのアンバランス量を測定可
能なアンバランス測定手段と、(ハ)タービンシャフト
の軸心をタービンホイールの軸心と同心上に配置してタ
ービンシャフトの軸端をタービンホイールの端面に溶接
する溶接手段と、を備えたことにより、前記製造方法を
容易に実施することができるという優れた効果が奏され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のターボチャージャの製造方法の一実
施の形態における製造工程の流れ図である。
【図2】 本発明のターボチャージャの製造装置の一実
施の形態における測定用ホルダを一部破断して示す正面
図である。
【図3】 前記測定用ホルダの左側面図である。
【図4】 (A)は前記測定用ホルダのチャックの正面
図、(B)は同左側面図、(C)は同底面図である。
【図5】 本発明の製造方法で製造されるターボチャー
ジャにおけるタービンホイールの正面図である。
【図6】 本発明のターボチャージャの製造方法に用い
られるアンバランス測定装置の一実施の形態を示す概略
構成図である。
【図7】 本発明のターボチャージャの製造方法に用い
られる溶接装置の一実施の形態を示す概略構成図であ
る。
【図8】 アンバランス修正加工を施す前のタービンの
アンバランス量の分布状態を示す図である。
【図9】 従来のターボチャージャの製造方法における
製造工程の流れ図である。
【符号の説明】
1 溶接装置(溶接手段) 10 測定用ホルダ 13 チャック(把持手段) 50 アンバランス測定装置(アンバランス測定手段) 80 タービンホイール 81a ハブの背面(タービンホイールの端面) 90 タービンシャフト 91 軸端

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タービンホイールの端面にタービンシャ
    フトの軸端を溶接してなるタービンアッシィを備えたタ
    ーボチャージャの製造方法において、タービンホイール
    とタービンシャフトを溶接する前に、予めタービンホイ
    ールの回転中心の位置を相互に変えてそれぞれの回転中
    心におけるアンバランス量を測定し、測定したうちでア
    ンバランス量が最小となったときのタービンホイールの
    回転中心とタービンシャフトの軸心を同心上に配置し
    て、タービンシャフトをタービンホイールに溶接するよ
    うにしたことを特徴とするターボチャージャの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 (イ)自動調心機構を備えた把持手段を
    有し、この把持手段によってタービンホイールを着脱可
    能に保持する測定用ホルダと、(ロ)前記測定用ホルダ
    でタービンホイールを保持した状態で該タービンホイー
    ルを回転してタービンホイールのアンバランス量を測定
    可能なアンバランス測定手段と、(ハ)タービンシャフ
    トの軸心をタービンホイールの軸心と同心上に配置して
    タービンシャフトの軸端をタービンホイールの端面に溶
    接する溶接手段と、を備え、一つのタービンホイールに
    対して測定用ホルダへの周方向取り付け位置を複数回変
    更し、各取り付け位置毎に前記アンバランス測定手段に
    よるアンバランス測定を行い、その中でアンバランス量
    が最小となる取り付け位置におけるタービンホイールの
    回転中心を前記溶接手段におけるタービンホイールの軸
    心とすることを特徴とするターボチャージャの製造装
    置。
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