JPH10298055A - 抗アンドロゲン剤及び養毛剤,皮脂分泌抑制剤 - Google Patents

抗アンドロゲン剤及び養毛剤,皮脂分泌抑制剤

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JPH10298055A
JPH10298055A JP9120215A JP12021597A JPH10298055A JP H10298055 A JPH10298055 A JP H10298055A JP 9120215 A JP9120215 A JP 9120215A JP 12021597 A JP12021597 A JP 12021597A JP H10298055 A JPH10298055 A JP H10298055A
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hair
antiandrogenic
acid
extract
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JP9120215A
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Tomoyoshi Arashima
荒島朋美
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Noevir Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い抗アンドロゲン作用を有し、安定性が良
好で、副作用がなく安全性にも優れる抗アンドロゲン剤
を提供すること、及びこの抗アンドロゲン剤を有効成分
として含有する養毛剤、皮脂分泌抑制剤を提供すること
を目的とした。 【解決手段】 生薬の一種であるオウバクの抽出物を含
有させて、抗アンドロゲン剤とする。抽出溶媒として
は、水及び低級アルコール,多価アルコールをはじめと
する極性有機溶媒、特に50重量%エタノール水溶液が
好ましい。さらに、これを含有させて養毛剤、皮脂分泌
抑制剤とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、テストステロンの活
性発現を阻害することにより、男性ホルモン依存性疾患
である前立腺肥大症,前立腺腫瘍,少年の思春期早期発
現症,尋常性ざ瘡,脂漏等の治療,男性型脱毛症の予
防,改善に有効な抗アンドロゲン剤及びこの抗アンドロ
ゲン剤を有効成分として配合した養毛剤、皮脂分泌抑制
剤に関する。さらに詳しくは、生薬の一種であるオウバ
クの抽出物を含有してなる抗アンドロゲン剤及び養毛
剤,皮脂分泌抑制剤に関する。
【0002】
【従来の技術】男性ホルモンであるテストステロンに依
存性の男性型脱毛症,粗毛などの毛髪の疾患、前立腺肥
大,前立腺腫瘍等の疾患、尋常性ざ瘡,脂漏などの過剰
な皮脂分泌が原因とされる皮膚疾患等に対して、従来よ
り抗アンドロゲン作用を有する薬剤が用いられてきた。
かかる抗アンドロゲン剤としては、酢酸シプロテロンが
代表的なものとしてあげられる。この酢酸シプロテロン
は、活性型テストステロンであるジヒドロテストステロ
ンの受容体への結合を競合的に阻害すると言われてい
る。
【0003】また、男性型脱毛症の改善及び予防には、
2,4-ジアミノ-6-ピペリジノピリミジン-3-オキシド(ミ
ノキシジル),セファランチン,ビタミンE誘導体,塩
化カルプロニウムといった血行促進作用を有するもの、
アデノシン三リン酸,ウロガストロン,バイカレイン,
パンテテイン−S−スルホン酸,奇数鎖脂肪酸誘導体と
いった毛母細胞賦活作用を有するものが主に用いられて
きた。
【0004】さらに、男性型脱毛症がテストステロン依
存性であることから、テストステロンを活性型のジヒド
ロテストステロンに変換する酵素であるテストステロン
5α−リダクターゼを阻害する物質の検討が主としてな
されてきた。かかる阻害剤としては、アンドロスタノン
誘導体,ビシクロヘプテノン誘導体,フェノキシブタン
誘導体,トコフェリルキノン,トロポロン誘導体,ユビ
キノン等の他、シソ科植物,キク科植物をはじめ多くの
植物の抽出物が知られている。
【0005】しかしながら、上記の抗アンドロゲン剤,
血行促進剤,毛母細胞賦活剤、或いはテストステロン5
α−リダクターゼ阻害剤の多くは、副作用の発現が懸念
されたり、製剤基剤中での安定性が悪かったり、作用が
不十分であったりして、十分な抗アンドロゲン活性と安
定性及び安全性を充足するものは少なかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高い
抗アンドロゲン作用を有し、安定性が良好で、副作用が
なく安全性にも優れる抗アンドロゲン剤を提供すること
を目的とした。また、この抗アンドロゲン剤を有効成分
として含有する養毛剤及び皮脂分泌抑制剤を提供するこ
とも目的とした。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に一般的に用いられている生薬のスクリーニングを行っ
た結果、オウバク抽出物が高い抗アンドロゲン作用を有
し、しかも安定性が良好で、副作用がなく安全性にも優
れることを見いだし、本発明を完成するにいたった。
【0008】ここで、オウバクは生薬の一種であり、ミ
カン科(Rutaceae)植物キハダ(Phellodendron amurense
Rupe.)の乾燥樹皮で、ベルベリン系アルカロイドを含
み、抗菌作用,抗炎症作用を有することが知られている
が、抗アンドロゲン作用は未だ知られていない。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるオウバク抽出
物を得る抽出溶媒としては、水、エタノール,メタノー
ル,イソプロパノール,イソブタノール,n-ヘキサノー
ル,メチルアミルアルコール,2-エチルブタノール,n-
オクチルアルコールなどのアルコール類、グリセリン,
エチレングリコール,エチレングリコールモノメチルエ
ーテル,エチレングリコールモノエチルエーテル,プロ
ピレングリコール,プロピレングリコールモノメチルエ
ーテル,プロピレングリコールモノエチルエーテル,ト
リエチレングリコール,1,3-ブチレングリコール,ヘキ
シレングリコール等の多価アルコール又はその誘導体、
アセトン,メチルエチルケトン,メチルイソブチルケト
ン,メチル-n-プロピルケトンなどのケトン類、酢酸エ
チル,酢酸イソプロピルなどのエステル類、エチルエー
テル,イソプロピルエーテル,n-ブチルエーテル等のエ
ーテル類などの極性溶媒から選択される1種又は2種以
上の混合溶媒が好適に使用できるが、特に限定はされな
い。或いは、石油エーテル,n-ヘキサン,n-ペンタン,
n-ブタン,n-オクタン,シクロヘキサン等の脂肪族炭化
水素類、四塩化炭素,クロロホルム,ジクロロメタン,
トリクロロエチレン,ベンゼン,トルエンなどの非極性
溶媒から選択される1種又は2種以上の混合溶媒も好適
に使用することができる。
【0010】オウバク抽出物を得る溶媒としては、上記
溶媒であれば特に限定されないが、抗アンドロゲン作用
の点から、極性溶媒が好ましく、さらには、エタノー
ル,1,3-ブチレングリコール,水から選択される1種又
は2種以上の混合溶媒が好ましく、その中でも抽出溶媒
として50重量%エタノール水溶液が最も好ましい。
【0011】さらに、抽出方法としては、室温,冷却又
は加温した状態で含浸させて抽出する方法、水蒸気蒸留
等の蒸留法を用いて抽出する方法、生のオウバクから圧
搾して抽出物を得る圧搾法等が例示され、これらの方法
を単独で又は2種以上を組み合わせて抽出を行う。
【0012】抽出の際の植物と溶媒との比率は特に限定
されるものではないが、植物1に対して溶媒2〜100
0重量倍、特に抽出操作、効率の点で5〜100重量倍
が好ましい。また、抽出温度は、常圧下で室温から溶剤
の沸点以下の範囲とするのが便利であり、抽出時間は抽
出温度などによって異なるが、2時間〜2週間の範囲と
するのが好ましい。
【0013】また、このようにして得られたオウバク抽
出物は、抽出物をそのまま用いることもでき、また抗ア
ンドロゲン作用を失わない範囲内で脱臭,精製等の操作
を加えてから配合することもでき、さらにはカラムクロ
マトグラフィー等を用いて分画物としてもよい。さら
に、これらの抽出物や脱臭,精製物、分画物は、これら
から溶媒を除去することによって乾燥物とすることもで
き、さらにアルコールなどの溶媒に可溶化した形態、或
いは乳剤の形態で提供することができる。
【0014】本発明は、ローション剤,乳剤,ゲル剤,
クリーム,軟膏等の形態で提供することができる。ま
た、ヘアーローション,ヘアートニック,ヘアーミル
ク,ヘアージェル,ヘアークリーム,ヘアーパック,ヘ
アートリートメント,ヘアーシャンプー,ヘアーリンス
といった形態の養毛剤としても提供される。
【0015】さらに本発明の効果を損なわない範囲内
で、医薬品,化粧品,養毛剤で一般的に使用される各種
成分、例えば、アボカド油,パーム油,ピーナッツ油,
コメヌカ油,ホホバ油,オレンジラフィー油,マカデミ
アナッツ油,スクワラン,月見草油,セサミ油,サンフ
ラワー油,サフラワー油,キャローラ油,カルナウバワ
ックス,パラフィンワックス,ラノリン,リンゴ酸ジイ
ソステアリル,イソステアリルアルコール,流動パラフ
ィン等の油分、グリセリン,ジグリセリン,ポリグリセ
リン,ソルビット,ポリエチレングリコール,1,3-ブチ
レングリコール,コラーゲン,ヒアルロン酸等の保湿
剤、ビタミンA油,レチノール,酢酸レチノール等のビ
タミンA類、リボフラビン,酪酸リボフラビン等のビタ
ミンB2類、塩酸ピリドキシン等のビタミンB6類、L-アス
コルビン酸,L-アスコルビルリン酸マグネシウム,L-ア
スコルビン酸ナトリウム等のビタミンC類、パントテン
酸カルシウム,D-パントテニルアルコール,パントテニ
ルエチルエーテル,アセチルパントテニルエチルエーテ
ル等のパントテン酸類、エルゴカルシフェロール,コレ
カルシフェロール等のビタミンD類、ニコチン酸,ニコ
チン酸アミド,ニコチン酸ベンジル等のニコチン酸類、
α-トコフェロール,酢酸トコフェロール等のビタミン
E類、ビタミンP、ビオチン等のビタミン類、2-ヒドロキ
シ-4-メトキシベンゾフェノン,2-ヒドロキシ-4-メトキ
シベンゾフェノン-5-スルホン酸,2-ヒドロキシ-4-メト
キシベンゾフェノン-5-スルホン酸ナトリウム等のベン
ゾフェノン誘導体、パラアミノ安息香酸,パラアミノ安
息香酸エチル,パラジメチルアミノ安息香酸オクチル等
のパラアミノ安息香酸誘導体、パラメトキシ桂皮酸-2-エ
チルヘキシル,ジパラメトキシ桂皮酸モノ-2-エチルヘ
キサン酸グリセリル等のメトキシ桂皮酸誘導体類、サリ
チル酸オクチル,サリチル酸ミリスチル等のサリチル酸
誘導体、ウロカニン酸、4-tert-ブチル-4'-メトキシジベ
ンゾイルメタン、2-(2'-ヒドロキシ-5'-メチルフェニル)
ベンゾトリアゾール等の紫外線吸収剤、グアガム,ロー
カストビーンガム,カラギーナン,クインスシード,ペ
クチン,マンナン等の植物系天然多糖類、キサンタンガ
ム,デキストラン,カードラン,ヒアルロン酸等の微生
物系天然多糖類、ゼラチン,カゼイン,アルブミン,コ
ラーゲン等の動物系高分子、メチルセルロース,エチル
セルロース,ヒドロキシエチルセルロース,ヒドロキシ
プロピルセルロース,カルボキシメチルセルロース等の
セルロース系半合成高分子、可溶性デンプン,カルボキ
シメチルデンプン,メチルデンプン等のデンプン系半合
成高分子、アルギン酸プロピレングリコールエステル,
アルギン酸塩等のアルギン酸系半合成高分子、ポリビニ
ルアルコール,ポリビニルピロリドン,カルボキシビニ
ルポリマー,ポリアクリル酸ナトリウム,ポリエチレン
オキサイド等の合成高分子、ベントナイト,ラポナイ
ト,コロイダルアルミナ等の無機物系高分子等の水溶性
高分子、ジブチルヒドロキシトルエン,ブチルヒドロキ
シアニソール,没食子酸エステル等の酸化防止剤、高級
脂肪酸石鹸,アルキル硫酸エステル塩,ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル硫酸塩,アシルメチルタウリン
塩,アルキルエーテルリン酸エステル塩,アシルアミノ
酸塩等のアニオン界面活性剤、塩化アルキルトリメチル
アンモニウム,塩化ジアルキルジメチルアンモニウム,
塩化ベンザルコニウム等のカチオン界面活性剤、アルキ
ルジメチルアミノ酢酸ベタイン,アルキルアミドジメチ
ルアミノ酢酸ベタイン,2-アルキル-N-カルボキシメチ
ル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインなど
の両性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル,ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル,ポリ
オキシエチレンポリオキシプロピレングリコール,ポリ
オキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテ
ル,ポリオキシアルキレン脂肪酸グリセリンエステル,ポ
リオキシアルキレンソルビタンエステル,ソルビット系
オリゴマー型テトラエステル,ソルビット系オリゴマー
型ヘキサエステル,ポリエチレングリコールエステル,ポ
リオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル,ポリオ
キシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル,ショ糖脂肪
酸エステル,アルキロールアミド,脂肪酸アミド等のノニ
オン界面活性剤、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム
塩,ポリリン酸ナトリウム,クエン酸,メタリン酸ナト
リウム,コハク酸,グルコン酸等の金属イオン封鎖剤、
胎盤抽出物,ソウハクヒエキス,グルタチオン,コウジ
酸及びその誘導体類,ハイドロキノン配糖体等のハイド
ロキノン及びその誘導体類等の美白剤、グリチルリチン
酸,グリチルレチン酸,アラントイン,アズレン,ヒド
ロコルチゾン,ε-アミノカプロン酸等の抗炎症剤、酸
化亜鉛,アラントインヒドロキシアルミニウム,塩化ア
ルミニウム,タンニン酸,クエン酸,乳酸等の収れん
剤、メントール,カンフル等の清涼化剤、塩酸ジフェン
ヒドラミン,マレイン酸クロルフェニラミン等の抗ヒス
タミン剤、エストラジオール,エストロン,エチニルエ
ストラジオール等の皮脂抑制剤、サリチル酸,レゾルシ
ン等の角質剥離・溶解剤、α−ヒドロキシ酸類等が配合
できる。
【0016】抗アンドロゲン剤および養毛剤、過剰皮脂
分泌抑制剤への、オウバク抽出物の配合量は、その効果
や添加した際の香り、色調の点から考え、0.001〜
20重量%の濃度範囲とすることが望ましい。
【0017】
【作用】[オウバク抽出物調製方法]オウバクの乾燥物
30gを、3倍量の50重量%エタノール水溶液に1週
間浸漬した後濾過し、オウバク抽出物とした。
【0018】上記オウバク抽出物を用いて皮膚一次刺激
性,皮膚累積刺激性及び急性毒性の安全性試験及びマウ
スSC−3細胞を用いた抗アンドロゲン性試験を行っ
た。なお、皮膚一次刺激性,皮膚累積刺激性試験及び抗
アンドロゲン性試験は10重量%水溶液を用いて行っ
た。
【0019】「皮膚一次刺激性試験」オウバク抽出物の
10重量%水溶液を、背部を除毛したウサギ(一群3
匹)の皮膚に貼布した。判定は、貼布後24,48,7
2時間後に表1に示す判定基準により評価し、紅斑及び
浮腫の発生に関する皮膚刺激指数の平均値を求めた。評
価結果は表2に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】表2に示した皮膚一次刺激性試験結果のと
おり、ほとんどの動物において、紅斑及び浮腫を認め
ず、わずかに48時間後に、一過性の微弱な紅斑の発生
を認めたのみであった。このことにより、本発明による
オウバク抽出物は、皮膚一次刺激性を有さないことが示
された。
【0023】「皮膚累積刺激性試験」側腹部を除毛した
ハートレー系モルモット(雌性,一群5匹)の皮膚に1
日1回,週5回,オウバク抽出物の10重量%水溶液
0.5ml/8cm2を塗布した。塗布は、4週間にわたっ
て、また除毛は各週の最終塗布日に行った。判定は各週
の最終日の翌日に表1に示す判定基準にて評価し、紅斑
及び浮腫の発生に関する皮膚刺激指数の平均値を求め
た。評価結果を表3に示す。
【0024】
【表3】
【0025】表3に示した皮膚累積刺激性試験結果の通
り、ほとんどの動物において、紅斑及び浮腫を認めなか
った。一部3週目にわずかな紅斑の発生が認められた
が、一時的な紅斑であり、次の判定日には紅斑は認めら
れなかった。わずかな紅斑の発生は、除毛時のバリカン
による物理刺激によるものと考えられた。このことによ
り、本発明のオウバク抽出物は、皮膚累積刺激性を有さ
ないことが示された。
【0026】「急性毒性試験」試験前4時間絶食させた
マウス(一群5匹)にオウバク抽出物2g/kg量を経口投
与し、毒性症状の発現、程度などを経時的に観察した。
その結果、全てのマウスにおいて、14日間何等異常を
認めず、解剖の結果においても異常所見を認めなかっ
た。
【0027】「抗アンドロゲン性試験」オウバク抽出物
の抗アンドロゲン作用を、マウスの自然発生乳ガン細胞
で、アンドロゲン依存性増殖を示すSC−3細胞株を用
いて評価した。SC−3細胞を0.125重量%トリプ
シン処理によって剥離した後、2重量%牛胎仔血清(F
CS)を添加したMEM培地に分散して1.0×104
/ウェルの細胞密度で96穴マイクロプレートに播種し
た。24時間後に培地を試料、若しくは試料及び10-8
Mのジヒドロテストステロンを添加した試験用無血清培
地(Ham’sF−12+MEM(1:1)+0.5重
量%牛血清アルブミン)に交換し、48時間培養後、培
地を0.4mgの2-(4,5-ジメチル-2-チアゾリル)-3,5-
ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)を含有す
る2重量%FCS添加MEM培地に交換し、さらに2時
間培養後、生成したフォルマザンを550nm及び65
0nmの吸光度の差により求めた。ジヒドロテストステ
ロン及び試料無添加時のSC−3細胞のフォルマザン生
成量を100として、ジヒドロテストステロン添加時、
及びさらに試料を添加した場合のフォルマザン生成量
(MTTインデックス)を求め、次式(1)により、ジ
ヒドロテストステロン依存性増殖の阻害率を求めた。
【0028】
【数1】 なお、式(1)において、 MTT・I(DHT), MTT
・I(S), MTT・I(C)はそれぞれ、ジヒドロテスト
ステロン10-8M添加時のMTTインデックス値,試料
添加時のMTTインデックス値,対象のMTTインデッ
クス値を示す。結果を表4に示した。
【0029】
【表4】
【0030】表4において、オウバク抽出物含有濃度
が、1.25〜5μg/mlと低濃度であるにもかかわら
ず、SC−3細胞のテストステロン依存性増殖に対して
44〜98%と高い阻害活性を示し、かつ細胞毒性が低
いことが示された。
【0031】
【実施例】さらに本発明の特徴について、実施例により
詳細に説明する。
【0032】 [実施例1]ローション剤 (1)精製水 79.0(重量%) (2)ヒドロキシエチルセルロース 1.0 (3)オウバク抽出物 10.0 (4)エタノール 10.0 製法:(2)〜(4)の成分を(1)に順次添加して、溶解し
均一化する。
【0033】 [実施例2]ざ瘡治療用クリーム (1)ミツロウ 6.0(重量%) (2)セタノール 5.0 (3)還元ラノリン 8.0 (4)スクワラン 15.5 (5)グリセリル脂肪酸エステル 4.0 (6)親油型グリセリルモノステアリン酸エステル 1.5 (7)ポリオキシエチレン(20EO)ソルビタン モノラウリン酸エステル 4.0 (8)プロピレングリコール 5.0 (9)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (10)精製水 45.9 (11)オウバク抽出物 5.0 製法:(1〜(7)の油相成分を混合,溶解して75℃に
加熱する。一方、(8)〜(10)の水相成分を混合,溶解し
て75℃に加熱する。次いで、上記水相成分に油相成分
を添加して予備乳化した後、ホモミキサーにて均一に乳
化し、冷却後40℃にて(11)を添加する。
【0034】 [実施例3]皮脂分泌抑制剤 (1)精製水 85.8(重量%) (2)カルボキシビニルポリマー 0.5 (3)ジプロピレングリコール 10.0 (4)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (5)オウバク抽出物 3.5 (6)水酸化カリウム 0.1 製法:(2)〜(6)の成分を(1)に順次添加して、溶解し
均一化する。
【0035】 [実施例4]育毛ローション (1)精製水 32.5(重量%) (2)エタノール 60.0 (3)酢酸トコフェロール 0.5 (4)プロピレングリコール 2.0 (5)オウバク抽出物 5.0 製法:(2)〜(5)の成分を(1)に順次添加して、溶解し
均一化する。
【0036】 [実施例5]ヘアーリンス (1)シリコーン油 3.0(重量%) (2)流動パラフィン 1.0 (3)セタノール 1.5 (4)ステアリルアルコール 1.0 (5)塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.7 (6)グリセリン 3.0 (7)パラオキシ安息香酸メチル 0.2 (8)緑色3号(2重量%水溶液) 0.1 (9)精製水 85.5 (10)オウバク抽出物 4.0 製法:(1)〜(4)の油相成分を混合,溶解して75℃に
加熱する。一方、(5)〜(9)の水相成分を混合,溶解し
て75℃に加熱する。次いで、上記水相成分に油相成分
を添加して予備乳化した後、ホモミキサーにて均一に乳
化し、冷却後40℃にて(10)を添加する。
【0037】 [実施例6]ヘアフォーム (原液処方) (1)カチオン化セルロース 3.0(重量%) (2)ポリオキシエチレン(50EO)硬化ヒマシ油 1.0 (3)シリコーン油 5.0 (4)ジプロピレングリコール 7.0 (5)エタノール 15.0 (6)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (7)精製水 65.9 (8)オウバク抽出物 3.0 (充填処方) 原液 90.0 液化石油ガス 10.0 製法:(3)を(2)と(4)の溶解物に添加し、ホモミキサ
ーで均一に乳化する。これを(1),(5)〜(8)の溶液に
添加する。充填は缶に原液を充填し、バルブ装着後液化
石油ガスを充填する。
【0038】 [実施例7]ヘアートリートメント (1)流動パラフィン 15.0(重量%) (2)ワセリン 15.0 (3)ミツロウ 2.0 (4)ポリオキシエチレン(50EO)硬化ヒマシ油 3.0 (5)グリセリン 5.0 (6)カルボキシビニルポリマー 0.1 (7)キサンタンガム 0.1 (8)エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.1 (9)精製水 54.7 (10)水酸化ナトリウム 0.5 (11)オウバク抽出物 4.5 製法:(1)〜(4)の油相成分を混合,溶解して75℃に
加熱する。一方、(5)〜(9)の水相成分を混合,溶解し
て75℃に加熱する。次いで、上記水相成分に油相成分
を添加して予備乳化した後、ホモミキサーにて均一に乳
化し、冷却後40℃にて(10),(11)を添加する。
【0039】上記実施例のうち実施例2,実施例3,実
施例4について、それぞれざ瘡治療効果、ふけ,痒みの
防止効果、及び毛髪の成長促進効果を評価した。
【0040】まず実施例2について、処方中オウバク抽
出物を50重量%エタノール水溶液に代替したものを比
較例1として、ざ瘡患者における使用試験を行った。使
用試験はざ瘡患者20名を1群とし、各群に実施例及び
比較例をそれぞれブラインドにて1日2回,1ヶ月間使
用させ、症状の改善状況を観察して行った。症状の改善
状況は、「改善」,「やや改善」,「改善を認めず」の
3段階で評価し、各評価を得た患者数にて表5に示し
た。
【0041】
【表5】
【0042】表5において明らかなように、本発明の実
施例2使用群では、20名中19名の患者に改善が認め
られ、改善の認められなかった患者はいなかった。これ
に対し、比較例1使用群では改善傾向は見られるものの
不十分であり、完全な改善の認められたのは2名のみ
で、3名においては全く改善が認められていなかった。
【0043】次に実施例3において、処方中オウバク抽
出物を50重量%エタノール水溶液に代替したものを比
較例2として、ふけ症患者における使用試験を行った。
使用試験はふけ症患者20名を1群とし、各群に実施例
及び比較例をそれぞれブラインドにて1日2回、1ヶ月
間使用させ、ふけ及び痒みの各症状の改善状況を評価さ
せて行った。症状の改善状況は、「改善」,「やや改
善」,「改善を認めず」の3段階で評価し、各評価を得
た患者数にて表6に示した。
【0044】
【表6】
【0045】表6において、本発明の実施例3使用群で
は、全パネラーにおいてふけ症状の改善傾向が認められ
ており、18名の患者で明確な改善が認められていた。
また、痒みについては全患者で明確な改善を認めてい
た。これに対し、比較例2使用群では、各症状について
改善傾向を認めるものの、ふけについては4名,痒みに
ついては2名で改善が認められておらず、改善の程度も
不十分であった。
【0046】続いて実施例4について、処方中のオウバ
ク抽出物を50重量%エタノール水溶液に代替したもの
を比較例3として、男性型脱毛症患者における使用試験
を行った。使用試験は男性型脱毛症患者20名を1群と
し、各群に実施例及び比較例をそれぞれブラインドにて
1日2回,6ヶ月間使用させ、6ヶ月後の発毛の程度を
写真撮影により評価して行った。評価は表7に示す判定
基準に従って行い、各評価点数を得たパネラー数にて表
8に示した。
【0047】
【表7】
【0048】
【表8】
【0049】表8において示されるように、本発明の実
施例4使用群では、全患者において、生毛の発生を認め
ており、ほぼ全員において、全体的な発毛が認められて
いた。また、半数以上の患者において硬毛を認めてい
た。これに対し、比較例3使用群では、部分的な生毛の
発生は認められるものの、全体的な発毛の見られた患者
は少なかった。また、硬毛を認めた患者は見られなかっ
た。
【0050】なお上記試験において、本発明の実施例の
使用により、皮膚又は頭皮に対する刺激性や感作性は全
く認められず、その他の副作用も認められなかった。さ
らに、本発明の実施例1〜実施例7については、いずれ
も良好な保存安定性を示していた。
【0051】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明により非常
に高い抗アンドロゲン作用を有し、安定性が良好で、副
作用がなく安全性にも優れる抗アンドロゲン剤及び、こ
の抗アンドロゲン剤を有効成分として含有する養毛剤及
び皮脂分泌抑制剤を得ることができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 35/78 ACV A61K 35/78 ACVK ADA ADA ADU ADU

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オウバク抽出物を含有することを特徴と
    する抗アンドロゲン剤。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の抗アンドロゲン剤を有
    効成分として配合することを特徴とする養毛剤。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の抗アンドロゲン剤を有
    効成分として配合することを特徴とする皮脂分泌抑制
    剤。
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