JP2000159653A - 皮膚外用剤 - Google Patents
皮膚外用剤Info
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Abstract
とを特徴とする皮膚外用剤を提供する。 【構成】本発明はクルイベロミセス属(Kluyveromyce
s)の酵母抽出物を含有することを特徴とする皮膚外用
剤である。本発明のクルイベロミセス属の酵母抽出物は
優れたヒスタミンの遊離を抑制する作用を有し、さら
に、クルイベロミセス属の酵母抽出物を含有することを
特徴とする皮膚外用剤は酵母特有の刺激臭がなく、優れ
た肌荒れの改善作用を示した。
Description
優れた皮膚外用剤に関する。
炎症があり、その炎症を沈め、肌荒れを改善する皮膚外
用剤が望まれている。その治療法の一つとして、炎症時
に生じる起炎物質であるヒスタミンの遊離を抑制する方
法がある。しかしながら、従来のヒスタミンの遊離を抑
制する作用をもつ皮膚外用剤は、ステロイド剤等の化学
合成で得られた物質を含有するものがほとんどであり、
副作用の危険性もあるため、安全性が高く、効果の優れ
た天然物由来の皮膚外用剤が望まれている。一方、ビー
ル酵母やパン酵母として知られるサッカロミセス属(Sa
ccharomyces)の酵母抽出物に肌荒れ改善作用があるこ
とは公知であり、これを配合した皮膚外用剤は広く用い
られているが、特有の強い刺激臭があるため、製品への
配合量が制限されていた。
み、本発明者らは鋭意検討した結果、クルイベロミセス
属(Kluyveromyces)の酵母抽出物を含有した皮膚外用
剤は、優れたヒスタミンの遊離を抑制する作用(抗炎症
作用)を示し、酵母特有の刺激臭がないことを見出し、
本発明を完成するに至った。
優れた皮膚外用剤を提供することである。
明は、クルイベロミセス属の酵母抽出物を含有すること
を特徴とする皮膚外用剤である。
風味改善剤や保水剤として用いられ、その他の利用とし
ては特開昭61-236727に抗う蝕乃至抗菌周症剤が開示さ
れている。
抽出物とは、酵母又は酵母を乾燥粉末化したものを溶媒
抽出、酸加水分解、酵素分解、自己消化等の適当な条件
下で抽出、可溶化、精製等を行ったものが挙げられる。
また、抽出する溶媒としては、例えば、水、水溶性溶媒
及び非水溶性溶媒があり、水溶性溶媒としては低級1価
アルコール類(メタノール、エタノール、1-プロパノー
ル、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール
等)、液状多価アルコール(1,3-ブチレングリコール、
プロピレングリコール等)、ケトン類(アセトン、メチ
ルエチルケトン等)、アセトニトリル等が挙げられ、非
水溶性溶媒としては、エステル類(酢酸メチル、酢酸エ
チル、酢酸ブチル等)、炭化水素類(ヘキサン、ヘプタ
ン、流動パラフィン等)、エーテル類(エチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、プロピルエーテル等)等が挙
げられる。好ましくは、水及び水溶性溶媒が良く、特に
好ましくは、水、エタノール、1,3-ブチレングリコール
及びプロピレングリコールが良い。これらの溶媒は1種
で用いても2種以上を混合して用いても良い。
は、抽出した溶液のまま用いても良く、必要に応じて、
濃縮、希釈、濾過等の処理をして用いても良い。更に
は、抽出した溶液を濃縮乾固、噴霧乾燥、凍結乾燥等の
処理を行い、乾燥物として用いても良い。中でも、市販
されている酵母の乾燥粉末及びその抽出物が扱い易く、
また容易に入手できるので好ましい。
の菌体種としては特に問わないが、例えば、クルイベロ
ミセス・アフリカヌス(Kluyveromyces africanus)、
クルイベロミセス・フラジリス(Kluyveromyces fragil
is)、クルイベロミセス・ラクティス(Kluyveromyces
lactis)、クルイベロミセス・ファフィー(Kluyveromy
ces phaffii)、クルイベロミセス・サーモトレランス
(Kluyveromyces thermotolerans)、クルイベロミセス
・ウォルティ(Kluyveromyces waltii)、クルイベロミ
セス・ウィッカーラミ(Kluyveromyces wickerhami
i)、クルイベロミセス・ヤロウィ(Kluyveromyces yar
rowii)等が挙げられ、一般の微生物保存機関等から自
由に入手することができる。これらの酵母は単独で用い
ても2種以上を混合して用いても良い。好ましくは、ク
ルイベロミセス・フラジリス及びクルイベロミセス・ラ
クティスを用いるのが良い。また、この2種の酵母の混
合乾燥粉末が食用酵母として雪印食品株式会社より「pr
otibel」という商品名で市販されており、これを用いる
ことができる。。
属の酵母抽出物の効果を損なわない範囲内で、通常の皮
膚外用剤に用いられる成分である油脂類、ロウ類、炭化
水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活
性剤、金属石鹸、pH調整剤、防腐剤、香料、保湿剤、粉
体、紫外線吸収剤、増粘剤、色素、酸化防止剤、美容成
分、キレート剤等の成分を配合することができる。
品、化粧品のいずれにも用いることができ、その剤型と
しては、例えば、化粧水、クリ−ム、乳液、ゲル剤、エ
アゾール剤、軟膏、パップ剤、ペースト剤、プラスター
剤、エッセンス、パック、洗浄剤、浴用剤、ファンデ−
ション、打粉、口紅等の皮膚に適用されるものが挙げら
れる。
抽出物の配合量は、本発明の皮膚外用剤全量に対し、乾
固物に換算して0.001重量%以上、好ましくは0.05〜10
重量%の配合が良い。0.001重量%未満では十分な効果
は望めない。10重量%を越えて配合した場合、効果の増
強はなく不経済である。また、添加の方法については、
予め加えておいても、製造途中で添加しても良く、作業
性を考えて適宜選択すれば良い。
が、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実
施例に示す配合量の部とは重量部を、%とは重量%を示
す。
及びクルイベロミセス・フラジリスの酵母熱水抽出物 クルイベロミセス・ラクティス及びクルイベロミセス・
フラジリスの酵母混合粉末(雪印食品株式会社製、商品
名「protibel」)20gに400mlの精製水を加え、95〜100
℃で2時間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮し、凍
結乾燥してクルイベロミセス・ラクティス及びクルイベ
ロミセス・フラジリスの酵母熱水抽出物を0.43 g得た。
及びクルイベロミセス・フラジリスの酵母エタノール抽
出物 クルイベロミセス・ラクティス及びクルイベロミセス・
フラジリスの酵母混合粉末(雪印食品株式会社製、商品
名「protibel」)200gに2 Lのエタノールを加え、常温
で7日間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮乾固し
て、クルイベロミセス・ラクティス及びクルイベロミセ
ス・フラジリスの酵母エタノール抽出物を0.1g得た。
の酵母熱水抽出物 クルイベロミセス・ラクティスの酵母粉末20gに400mlの
精製水を加え、95〜100℃で2時間抽出した後、濾過
し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥してクルイベロミセス
・ラクティスの酵母熱水抽出物を0.41 g得た。
の酵母熱水抽出物 クルイベロミセス・フラジリスの酵母粉末20gに400mlの
精製水を加え、95〜100℃で2時間抽出した後、濾過
し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥してクルイベロミセス
・フラジリスの酵母熱水抽出物を0.32 g得た。
均一に溶解し、両者を混合し濾過して製品とする。
クルイベロミセス・フラジリスの酵母熱水抽出物を精製
水に置き換えたものを従来の化粧水1とした。
クルイベロミセス・フラジリスの酵母熱水抽出物をビー
ル酵母熱水抽出物(製造例1においてクルイベロミセス
・ラクティス及びクルイベロミセス・フラジリスを市販
のビール酵母に置き換えて製造したもの)に置き換えた
ものを従来の化粧水2とした。
ち油相とする。成分 1及び11〜14を加熱溶解して混合
し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化し
て、かき混ぜながら冷却し、45℃で成分10を加え、更に
30℃まで冷却して製品とする。
クルイベロミセス・フラジリスの酵母エタノール抽出物
を精製水に置き換えたものを従来のクリーム1とした。
クルイベロミセス・フラジリスの酵母エタノール抽出物
をビール酵母エタノール抽出物(製造例2においてクル
イベロミセス・ラクティス及びクルイベロミセス・フラ
ジリスを市販のビール酵母に置き換えて製造したもの)
に置き換えたものを従来のクリーム2とした。
ち油相とする。成分 1及び10〜13を加熱溶解して混合
し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化し
て、かき混ぜながら冷却し、45℃で成分9を加え、更に3
0℃まで冷却して製品とする。
一に溶解し、両者を混合して製品とする。
ち油相とする。成分 1及び6〜8を加熱溶解して混合し、
75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、
かき混ぜながら30℃まで冷却して製品とする。
とする。成分20に成分10をよく膨潤させ、続いて、成分
1及び11〜14を加えて均一に混合する。これに粉砕機で
粉砕混合した成分15〜18を加え、ホモミキサーで撹拌し
75℃に保ち水相とする。この水相に油相をかき混ぜなが
ら加え、冷却し、45℃で成分19を加え、かき混ぜながら
30℃まで冷却して製品とする。
め、実験例を挙げる。
用(抗炎症作用) 雄性Spraque-Dawley系ラットの腹腔内から採取した肥満
細胞を用いてヒスタミンの遊離を抑制する作用を測定し
た。すなわち、1μg/mlのコンパウンド48/80による肥満
細胞からヒスタミンの遊離を抑制する作用を遊離抑制率
として求めた。肥満細胞はSullivanらの方法〔J. Immun
ology,114(5),1473(1975)〕で採取し、ヒスタミンの
定量はMayらの方法〔J. Allergy,46,12(1970)〕で行っ
た。実験の結果を表1に示した。その結果、クルイベロ
ミセス属の酵母抽出物は優れたヒスタミンの遊離を抑制
する作用を示した。
来の化粧水1及び比較例3の従来のクリーム1を用い
て、肌荒れに悩む女性15人(21〜46才)を対象に
1ヶ月間の使用試験を行った。使用後、肌荒れの改善効
果をアンケートにより判定した。その結果を表2に示し
た。その結果、クルイベロミセス属の酵母抽出物を含有
することを特徴とする皮膚外用剤は優れた肌荒れの改善
作用を示した。
来の化粧水2及び比較例4の従来のクリーム2を用い
て、女性15人(21〜46才)を対象に使用試験を行
った。使用後、酵母特有のにおいが気になるかどうかを
アンケートにより判定した。その結果を表3に示した。
その結果、クルイベロミセス属の酵母抽出物を含有する
ことを特徴とする皮膚外用剤には酵母特有の刺激臭がな
いことが示された。
例5の軟膏、実施例6のパック、実施例7のファンデー
ション、実施例8の浴用剤についても同様に使用試験を
行ったところ、優れた肌荒れの改善作用を示し、酵母特
有の刺激臭もなかった。
ミセス属の酵母抽出物は優れたヒスタミンの遊離を抑制
する作用を有し、さらに、クルイベロミセス属の酵母抽
出物を含有することを特徴とする皮膚外用剤は優れた肌
荒れの改善作用を示し、酵母特有の刺激臭がなかった。
Claims (3)
- 【請求項1】 クルイベロミセス属の酵母抽出物を含有
することを特徴とする皮膚外用剤。 - 【請求項2】 クルイベロミセス属の酵母がクルイベロ
ミセス・ラクティス及び/又はクルイベロミセス・フラ
ジリスであることを特徴とする請求項1記載の皮膚外用
剤。 - 【請求項3】 抽出物が水及び/又は水溶性溶媒抽出物
であることを特徴とする請求項1又は2記載の皮膚外用
剤。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP33218298A JP3940509B2 (ja) | 1998-11-24 | 1998-11-24 | 皮膚外用剤 |
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JP33218298A Expired - Lifetime JP3940509B2 (ja) | 1998-11-24 | 1998-11-24 | 皮膚外用剤 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2826576A1 (fr) * | 2001-06-27 | 2003-01-03 | Soc Extraction Principes Actif | Utilisation d'un extrait de kluyveromyces dans une composition destinee a traiter les manifestations cutanees du vieillissement |
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KR101080378B1 (ko) * | 2008-12-02 | 2011-11-04 | 한국생명공학연구원 | 클루베라마이세스를 함유하는 알러지, 염증 또는 천식 질환의 예방 및 치료용 조성물 |
JP2012140348A (ja) * | 2010-12-28 | 2012-07-26 | Maruzen Pharmaceut Co Ltd | 抗炎症剤、抗老化剤、及び育毛剤、並びに化粧料 |
JP2014520769A (ja) * | 2011-06-29 | 2014-08-25 | エボニック デグサ ゲーエムベーハー | 皮膚科学的に活性の酵母抽出物 |
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JP2016138054A (ja) * | 2015-01-27 | 2016-08-04 | 株式会社コーセー | 液状化粧料 |
-
1998
- 1998-11-24 JP JP33218298A patent/JP3940509B2/ja not_active Expired - Lifetime
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CN105263471A (zh) * | 2013-07-22 | 2016-01-20 | 株式会社高丝 | 保湿剂 |
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CN105263471B (zh) * | 2013-07-22 | 2018-09-28 | 株式会社高丝 | 保湿剂 |
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