JPH08283143A

JPH08283143A - 皮膚外用剤

Info

Publication number: JPH08283143A
Application number: JP7113899A
Authority: JP
Inventors: Kimie Kimura; 喜美江木村; Hiroshi Hoshino; 拓星野; Shinji Kobayashi; 伸次小林
Original assignee: Kose Corp
Current assignee: Kose Corp
Priority date: 1995-04-14
Filing date: 1995-04-14
Publication date: 1996-10-29

Abstract

(57)【要約】【構成】ゴカヒ、ソウボクヒ、カイカ、キンオウシ、ボ
ウイ、ヒカイ、センプクカから選ばれる一種又は二種以
上を含有する皮膚外用剤。【効果】本発明の皮膚外用剤は、メラニン産生抑制効果
を有する特定の生薬抽出物を含有することにより、優れ
た美白効果を有している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、特定の生薬抽出物を含
有することを特徴とする皮膚外用剤に関し、更に詳細に
は、優れた美白効果を有し、安全性の高い皮膚外用剤に
関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、皮膚外用剤において、皮膚の色
黒、シミ、ソバカスの防止等の美容効果を得るために、
アスコルビン酸、グルタチオン、コロイドイオウ等が配
合された美白化粧料が知られている。また、近年、生薬
等の天然物を化粧料に配合し、美白効果を得ようとする
試みがなされている（特開昭５３−８８３３３号、特開
昭５４−２３４４号、特開昭５７−１６３３０７号、特
開昭６０−１０４００５号、フレグランスジャーナル臨
時増刊Ｎｏ．６（１９８６）Ｐ１６４〜１６６等）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アスコ
ルビン酸は酸化されやすいため、一定の効果の発現が期
待しにくいばかりか、化粧料自体が変色することがある
という問題があった。また、グルタチオンやコロイドイ
オウは特有の臭気及び及び剤型によっては沈澱等が生じ
るという欠点を有している。一方、生薬は安全性が高い
ことからその有用性が期待されているものの、その美白
効果は未だ不十分であった。そこで、優れた美白効果を
有し、かつ、生体系への適用に際しても好適な美白剤を
含有する皮膚外用剤の開発が望まれていた。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記実情に鑑み、本発明
者らは、鋭意研究の結果、特定の生薬抽出物が優れた美
白効果を有することを見いだし、本発明を完成するに至
った。すなわち、本発明は、ゴカヒ、ソウボクヒ、カイ
カ、キンオウシ、ボウイ、ヒカイ、センプクカから選ば
れる生薬抽出物の一種又は二種以上を含有することを特
徴とする皮膚外用剤を提供するものである。以下、詳細
に説明する。

【０００５】本発明で用いられる主たる生薬の起源及び
薬用部分を以下に示す。

【０００６】ゴカヒ（五加皮）：うこぎ科ウコギ属のウ
コギ［Ａｃａｎｔｈｏｐａｎａｘｓｉｅｂｏｌｄｉａｎ
ｕｓＭａｋｉｎｏ］、エゾウコギ［Ａｃａｎｔｈｏｐ
ａｎａｘｓｅｎｔｉｃｏｓｕｓ（Ｒｕｐｒ．ｅｔＭ
ａｘｉｍ．）Ｈａｒｍｓ］、ヤマウコギ（オニウコギ）
［Ａｃａｎｔｏｐｏｎａｘｓｐｉｎｏｓｕｓ（Ｌ．
ｆ．）Ｍｉｑ．］及び同属植物の根皮又は乾皮、ががい
も科ペリプロカ属のクロバナカズラ［Ｐｅｒｉｐｌｏｃ
ａｓｅｐｉｕｍＢｇｅ．］の根皮等である。

【０００７】ソウボクヒ（そう木皮）：うこぎ科タラノ
キ属のタラノキ［Ａｒａｌｉａｅｌａｔａ（Ｍｉ
ｑ．）Ｓｅｅｍ．］及び同属植物の樹皮、根皮である。

【０００８】カイカ（槐花）：まめ科クララ属のエンジ
ュ［ＳｏｐｈｏｒａｊａｐｏｎｉｃａＬ．］の花蕾
である。

【０００９】キンオウシ（金桜子）：ばら科バラ属のナ
ニワイバラ［ＲｏｓａｌａｅｖｉｇａｔａＭｉｃｈ
ｘ．］の果実である。

【００１０】ボウイ（防已）：つづらふじ科アオツヅラ
フジ属のアオツヅラフジ［青葛藤：Ｃｏｃｃｕｌｕｓ
ｔｒｉｌｏｂｕｓ（Ｔｈｕｎｂ．）ＤＣ．］、同科ハス
ノハカズラ属のシマハスノハカズラ［Ｓｔｅｐｈａｎｉ
ａｔｅｔｒａｎｄｒａＳ．Ｍｏｏｒｅ］、同科ツヅ
ラフジ属のオオツヅラフジ［大葛藤：Ｓｉｎｏｍｅｎｉ
ｕｍａｃｕｔｕｍ（Ｔｈｕｎｂ．）Ｒｅｈｄ．ｅｔ
Ｗｉｌｓ．］、うまのすずくさ科ウマノスズクサ属のア
リストロキア・ファンチイ［Ａｒｉｓｔｏｌｏｃｈｉａ
ｆａｎｇｃｈｉＹ．Ｃ．ＷｕｅｘＣｈｏｗｅ
ｔＨｗａｎｇ］の根、茎又は根茎である。

【００１１】ヒカイ：やまのいも科ヤマノイモ属のキク
バドコロ［Ｄｉｏｓｃｏｒｅａｓｅｐｔｅｍｌｏｂａ
Ｔｈｕｎｂ．］、オニドコロ［Ｄｉｏｓｃｏｒｅａ
ｔｏｋｏｒｏＭａｋｉｎｏ］、ディオスコレア・コレ
ッティ・ヒポグラウカ［Ｄｉｏｓｃｏｒｅａｃｏｌｌ
ｅｔｔｉｉＨｏｏｋ．ｆ．ｖａｒ．ｈｙｐｏｇｌａｕ
ｃａ（Ｐａｌｉｂ．）ＰｅｉｅｔＴｉｎｇ］の根茎
である。

【００１２】センプクカ（旋覆花）：きく科オグルマ属
のオグルマ［ＩｎｕｌａｊａｐｏｎｉｃａＴｈｕｎ
ｂ．］の頭花である。

【００１３】本発明で用いられる生薬抽出物の調製方法
としては特に限定されないが、例えば、種々の適当な溶
媒を用い、室温又は加温下において抽出する方法が挙げ
られる。抽出溶媒としては、水；メチルアルコール、エ
チルアルコール等の低級一価アルコール；グリセリン、
プロピレングリコール、１，３−ブチレングリコール等
の液状多価アルコール；酢酸エチル等の低級アルキルエ
ステル；ベンゼン、ヘキサン等の炭化水素；ジエチルエ
ーテル等のエーテル類等が例示され、これらの一種又は
二種以上の混合溶媒を用いることができる。就中、水又
は水溶性溶媒、特に、水、エチルアルコール、グリセリ
ン、１，３−ブチレングリコールの一種又は二種以上の
混合溶媒を用いることが好ましい。

【００１４】また抽出条件としては、生薬に対し、容量
比で１〜１０００倍量、特に５〜１００倍量の溶媒を用
い、４℃以上、特に１５〜３０℃の温度で１時間以上、
特に１〜３日行うのが好ましい。

【００１５】生薬抽出物は、上記のように抽出して得ら
れた抽出液をそのまま用いても良いが、さらに必要に応
じて濃縮、濾過等の処理をしたものでも良い。また、こ
れらの抽出物を常法、例えば、向流分配法、液体クロマ
トグラフィー等により精製して用いることもできる。

【００１６】本発明に用いる生薬抽出物の含有量は、乾
燥固形分に換算して好ましくは０．００００１〜１０．
０重量％（以下、単に「％」で示す）、特に０．００１
〜５．０％がより好ましい。抽出液を使用する場合は、
溶質である乾燥固形分の含有量が上記範囲内であれば、
その抽出液濃度等は何ら限定されるものではない。

【００１７】本発明の皮膚外用剤は、上記必須成分とし
ての生薬抽出物の他、通常の化粧料、医薬部外品、医薬
品に用いられる水性成分、粉末、界面活性剤、油剤、保
湿剤、アルコール、ｐＨ調製剤、防腐剤、増粘剤、色
素、香料等を本発明の効果を損なわない範囲において適
宜配合することができる。

【００１８】皮膚外用剤としての剤型は特に限定され
ず、化粧水、乳液、クリーム、パック、分散液、洗浄
料、メーキャップ化粧料等の化粧料、軟膏剤、クリーム
剤、外用液剤等種々の剤型とすることができる。

【００１９】

【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらになんら制約されるものではな
い。

【００２０】参考例１生薬抽出物の調製各生薬を乾燥させ、細切する。この細切した生薬１０重
量部に５０％エチルアルコール水溶液１００重量部を加
え、室温にて時々攪拌しながら３日間抽出した後、濾過
して各生薬抽出物を得た。

【００２１】試験例１メラニン産生抑制試験培地中にＢ１６メラノサイトを播種し、３７℃、５％Ｃ
Ｏ₂中にて５日間培養する。培養２日目に、最終濃度が
１０、１００、１０００μｇ／ｍｌとなるように試料
（参考例１の各生薬抽出物を凍結乾固して得た乾燥固形
分）を添加混合する。培養６日目に培地を除き、細胞を
リン酸緩衝生理食塩水で洗浄後回収し、メラニン産生抑
制の程度を、メラノサイトの白色化度をもって評価し
た。なお、白色化度の評価は、プラセンタエキス１００
０μｇ／ｍｌを用いて同様の操作を行ったときの白色度
及び被験試料無添加で同様に得られた白色度（コントロ
ール）と比較して以下の基準で行った。（評価）（基準）＋＋：プラセンタエキス添加時よりも白くなった。＋：プラセンタエキス添加時と同程度に白くなった。 −：コントロールと変わらない。試験結果を表１に示す。

【００２２】

【表１】

【００２３】上記結果より明らかなように、本発明に関
わる生薬抽出物は、従来の美白剤と比較して、Ｂ１６メ
ラノサイトのメラニン産生を抑制し、優れた美白効果を
有していた。就中、ゴカヒ及びセンプクカはその効果が
顕著に優れていた。

【００２４】次に、各生薬抽出物を皮膚外用剤に配合し
た実施例を以下に示す。なお、配合した生薬抽出物は上
述した参考例１によって得られたものを使用した。

【００２５】実施例１〜７及び比較例１〜３乳液下記表２に示す成分の乳液を製造し、使用試験を行って
美白効果を評価した。

【００２６】

【表２】

【００２７】（製造方法）Ａ：成分１〜６を加熱溶解し、７０℃とする。Ｂ：成分７〜２０を加熱溶解し、７０℃とする。Ｃ：ＢにＡを添加して、混合する。Ｄ：Ｃを冷却し、乳液を得た。

【００２８】（美白効果の評価）得られた乳液を使用テ
ストして、美白効果を評価した。使用テストは、それぞ
れ２０〜２８才の女性２０名を評価パネルとし、２週間
にわたって毎日、朝と昼の２回、洗顔後に乳液を顔面に
適量塗布することにより行った。２週間後、肌状態を観
察し、以下の基準で評価した。（評価）（基準）有効：シミ・ソバカスがほとんど目立たなくなった。やや有効：シミ・ソバカスがあまり目立たなくなった。無効：変わらない。上記評価結果を表３に示す。

【００２９】

【表３】

【００３０】表３の結果から明らかなように、本発明に
関わる実施例１〜７は、本生薬抽出物を配合しないもの
及び従来の美白剤を配合したものと比較して、優れた美
白効果を有していた。

【００３１】実施例７化粧水（成分）（重量％）１．ポリオキシエチレンオレイルエーテル（２０Ｅ．Ｏ．）０．２２．エタノール１５．０３．香料適量４．防腐剤適量５．ソウボクヒ抽出物０．０１（注１）６．リンゴ酸０．０２７．リンゴ酸ナトリウム０．０４８．精製水残量（注１）乾燥固形分に換算して製品中に０．０００１８％含有。

【００３２】（製造方法）Ａ：成分１〜４を均一に混合する。Ｂ：成分５〜８を均一に混合し、これにＡを添加混合し
て、化粧水を得る。実施例７は美白効果に優れた化粧水であった。

【００３３】実施例８美容液（成分）（重量％）１．ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油（８０Ｅ．Ｏ．）０．２２．エタノール５．０３．グリセリン５．０４．香料適量５．防腐剤適量６．キンオウシ抽出物０．１（注２）７．カルボキシビニルポリマー０．１５８．ポリビニルピロリドン０．１９．トリエタノールアミン０．１５１０．精製水残量（注２）乾燥固形分に換算して製品中に０．００４３％含有。

【００３４】（製造方法）Ａ：成分１〜５を均一に混合する。Ｂ：成分６〜１０を均一に混合し、これにＡを添加混合
して、美容液を得る。実施例８は、美白効果に優れた美容液であった。

【００３５】実施例９クリーム（成分）（重量％）１．アシルメチルタウリンナトリウム０．５２．トリオレイン酸ソルビタン２．０３．ベヘニルアルコール３．０４．スクワラン１０．０５．パラフィンワックス３．０６．オレイン酸オクチルドデシル７．０７．ボウイ抽出物０．５（注３）８．１，３−ブチレングリコール５．０９．防腐剤適量１０．香料適量１１．精製水残量（注３）乾燥固形分に換算して製品中に０．００４％含有。

【００３６】（製造方法）Ａ：成分１〜６を均一に加熱混合し、７０℃とする。Ｂ：成分７〜９及び１１を均一に加熱混合して７０℃と
し、これにＡを添加して混合する。Ｃ：Ｂを冷却し、成分１０を添加混合してクリームを得
る。実施例９は、美白効果の優れたクリームであった。

【００３７】実施例１０洗浄料（成分）（重量％）１．ステアリン酸１０．０２．パルミチン酸８．０３．ミリスチン酸１２．０４．ラウリン酸４．０５．オレイルアルコール１．５６．精製ラノリン１．０７．防腐剤適量８．グリセリン１８．０９．水酸化カリウム６．０１０．ゴカヒ抽出物１０．０（注４）１１．香料適量１２．精製水残量（注４）乾燥固形分に換算して製品中に０．２８％含有。

【００３８】（製造方法）Ａ：成分１〜７を均一に加熱混合し、７０℃とする。Ｂ：成分８〜９及び成分１２を加熱混合し、７０℃とす
る。Ｃ：ＡにＢを添加混合し、鹸化反応が終了後、冷却して
成分１０〜１１を添加混合して洗浄料を得る。実施例１０は、美白効果の優れた洗浄料であった。

【００３９】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明の皮膚外用
剤は、メラニン産生抑制能を有する特定の生薬抽出物を
含有することにより、皮膚に対して安全性が高く、優れ
た美白効果を有するものである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ａ６１Ｋ 35/78 Ａ６１Ｋ 35/78 ＣＡＤＡＡＤＡＨＡＤＳＡＤＳＪ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ゴカヒ、ソウボクヒ、カイカ、、キンオウ
シ、ボウイ、ヒカイ、センプクカから選ばれる生薬抽出
物の一種又は二種以上を含有することを特徴とする皮膚
外用剤。