JP2006151938A - 育毛剤 - Google Patents

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雅浩 瀧川
Taisuke Ito
泰介 伊藤
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Abstract

【課題】 安全で有効な育毛剤及び白髪防止剤を提供する。
【解決手段】 ロキシスロマイシンを有効成分として含有する育毛剤及び白髪防止剤。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ロキシスロマイシンを含む育毛剤及び白髪防止剤に関する。
現在までにいくつかの外用育毛剤及び白髪防止剤が発売されてきているが、未だ十分満足の得られる物質は、知られていない。
ロキシスロマイシンは、14員環のマクロライド系抗生物質であり、皮膚感染症を始め多くの感染性疾患に用いられているが、その育毛効果及び白髪防止効果については、知られていない。
したがって、毛髪成長を促進することができ、白髪を防止することができる物質の解明が待たれている。
本発明の目的は、安全で有効な育毛剤及び白髪防止剤を提供することにある。
本発明者は、すでに十分医薬品として使用され、安全性の確認されているRXMという成分に、インビトロにおける毛組織細胞のアポトーシスを阻止する効果、ヒト、マウス両方の培養毛髪の成長を有意に促進する効果、及びヒトの白髪を防止する効果があることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、ロキシスロマイシンを有効成分として含有する育毛剤及び白髪防止剤に関する。
本発明は、安全性に優れた育毛剤及び白髪防止剤を提供することができる。
ロキシスロマイシン(RXM:エリスロマイシン 9−{O−[(2−メトキシエトキシ)メチル]オキシム})は、14員環のマクロライド系抗生物質であり、皮膚感染症を始め多くの感染性疾患に用いられており、その安全性と効果が広く認められている。また、RXMには抗生物質としての効果以外に、様々な免疫修飾効果があることもわかってきている(Ohshima A, Tokura Y, Wakita H, Furukawa F, Takigawa M. Roxithromycin down-modulates antigen-presenting and interleukin-1 beta-producing abilities of murine Langerhans cells. J Dermatol Sci 1998; 17:214-222.)。
また、インターフェロンγ(IFN−γ)が、培養されたヒト成長期毛に中間期様変化を誘導することが知られている(Ito T et al., IFN-γ is a potent inducer of catagen-like changes in cultured human anagen hair follicles. Br J Dermatol 2004 in press.)。RXMは、IFN−γによって誘導される退行期毛やアポトーシス変化を阻害することもわかった。他の14員環マクロライド系抗生物質であるクラリスロマイシン(CLM)、エリスロマイシン(EM)にはそのような効果を見なかったため、この効果はRXMに特有なものである。
本発明のロキシスロマイシンは、市販されているものを購入することができる。また、ロキシスロマイシンのみならず、本発明の効果を有する限りロキシスロマイシンの誘導体や生理学的に許容可能な塩を用いることもできる。
本発明の育毛剤及び白髪防止剤においては、この他に、必要に応じて、抗炎症剤(グリチルリチン酸、グアイアズレン等)、末梢血管拡張剤(酢酸トコフェロール、ニコチン酸ベンジル、オタネニンジンエキス、センブリ抽出エキス、トウガラシエキス等)、副腎皮質ホルモン(酢酸ハイドロコーチゾン、吉草酸ベタメタゾン、酪酸プロピオン酸ハイドロコーチゾン等)、抗ヒスタミン剤(塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸イソチベンジル等)、局所麻酔剤(塩酸ジブカイン、塩酸リドカイン等)、角質溶解剤(尿素、サリチル酸等)、ビタミン剤(ビタミンEアセテート、酢酸レチノール、レチナール、レチノイン酸等)、卵胞ホルモン(17β−エストラジオール、エストロン等)、黄体ホルモン(プロゲステロン、17α−ヒドロキシプロゲステロンアセテート等)、抗アンドロゲン剤(シブロテロンアセテート、4−アンドロステン−3−オン−17β−カルボキシリックアシッド等)、保湿剤(プロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン等)、溶媒(エチルアルコール、イソプロピルアルコール、1,3−ブタンジオール、精製水等)、保存剤(パラペン類等)、油分(流動パラフィン、セチルアルコール、スクワラン、オリーブ油等)、殺菌剤(イオウ、グルコン酸クロルヘキシジン、イソプロピルメチルフェノール、第4級アンモニウム塩、ヒノキチオール等)、界面活性剤(ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、グリセリンモノ脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油誘導体等)、ゲル化剤(メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシビニルポリマー等)、pH調整剤(ジイソプロパノールアミン等)、酸化防止剤(ジブチルヒドロキシトルエン等)、清涼剤(1−メントール、カンフル等)、香料、金属イオン封鎖剤、紫外線吸収剤、色素などを本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。
本発明の育毛剤及び白髪防止剤は、通常用いられる方法、たとえば、第12改正日本薬局方に規定する方法等)にしたがって、ローション、乳液、クリーム、ゲル、エアゾール等の剤形に調製することができる。
本発明の育毛剤及び白髪防止剤の投与量は、頭皮に適量を、1日1〜数回塗布することによって行うことができる。
本発明の育毛剤及び白髪防止剤の投与方法は、限定されないが、経口育毛剤、外用育毛剤等として使用することが好ましく、外用育毛剤がとして使用することがより好ましい。
本発明の育毛剤及び白髪防止剤中のロキシスロマイシンの含有量は、通常0.0001〜50重量%、好ましくは0.001〜10重量%、より好ましくは0.01〜1重量%である。
本発明の経口育毛剤及び白髪防止剤の形態としては、錠剤、カプセル剤、粉末、丸剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、シロップ剤、トローチ剤等があげられる。エラジタンニンの純品、精製物、粗精製物等、又はこれらとプロアントシアニジン、アスコルビン酸又はその塩、ビタミンE、パントテン酸若しくはその誘導体又はそれらの塩、ビオチン、亜鉛及び酵母エキスからなる群から選ばれる1つ以上との組合わせをそのまま投与してもよいが、薬理的に許容される賦形剤とともに、錠剤、カプセル剤、粉末、丸剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、シロップ剤、トローチ剤等の形態で投与してもよい。賦形剤としては、ソルビトール、ラクトース、グルコース、乳糖等の糖類、デキストリン、澱粉、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム等の無機物、結晶セルロース、蒸留水、ゴマ油、トウモロコシ油、オリーブ油、綿実油等、一般に使用されているものであればいずれも用いることができる。製剤化する際には、結合剤、滑沢剤、分散剤、懸濁剤、乳化剤、希釈剤、緩衝剤、抗酸化剤、細菌抑制剤等の添加剤を用いることもできる。
液状又は固形状の剤型としては、ヘヤーリキッド、ヘヤートニック、ヘヤーローション等の液状剤型、軟膏、ヘヤークリーム等の固形状剤型があげられ、各々好適な基剤に本発明に用いられるロキシスロマイシンを添加し、常法により製造することができる。
次に、実施例により本発明を詳細に説明する。
組織:
4週齢のメスBalb/cマウスをSLC(浜松市)から購入し、髭毛(vibrissa)を採取した。なお4週齢の髭毛は成長期に入っている。ヒトの毛髪は、患者の同意を得た上で、外科手術で得られた頭皮組織の提供をうけ、そこから成長期毛をPhilpottらの培養法にしたがって採取した(Philpott MP, Sanders D, Westgate GE, Kealey T. Human hair growth in vitro: model for the study of hair biology. J Dermatol Sci 1994; 7: S55-72.)。
培養:
培養は,ヒト毛髪もマウス髭毛もPhilpottらの培養法(ibid.)に基づいて行った。基本となる培養液にはウィリアムE培地(Sigma, St.Louis, MO, USA)を用い、それに10mg/mLインスリン(Sigma)、10ng/mLヒトドコルチゾン(Sigma)、100IU/mLペニシリン(Sigma)、100mg/mLストレプトマイシン(Sigma)、1mM L−グルタミン(Sigma)を添加した。培養容器には24穴培養用シャーレを用いた。
薬剤添加:
リン酸緩衝生理食塩液(PBS)添加群(コントロール群)、IFN−γ 50IU/ml、RXM5μM群、IFN−γ 50IU/ml+RXM10mM群、CLM5μM群、CLM10mM群、EM5μM群及びEM10mM群を設定した。
各培養液を各ウェルに500μlずつ加え、そこにBalb/cマウスの髭毛又はヒト頭髪をそれぞれ3本ずつ入れて培養を開始した。2日おきに培養液を交換し、その際に毛の長さを、実体顕微鏡を用いて計測した。
HE染色と毛サイクルの時期の観察:
毛サイクルの時期(成長期、退行期、休止期)の判定のため、−80℃に保存されていた凍結標本を、クリオスタット(Zeiss, Germany)を用いて5μmに切り出し、スライドグラスにのせ、ヘマトキシリン・エオジンで染色した。毛サイクルの時期(hair cycle stage)の決定は教科書や文献に従った(Kligman et al. 1959, Sinclair et al. 1999, Whiting et al. 1996, Mueller-Roever et al. 2001)。
概略としては、ヘマトキシリンエオジン染色した組織切片を顕微鏡下に形態的変化を
観察した。成長期は完全に成長した毛包であり、形態的に毛球がタマネギ様(Onion-shapedといわれる)の形で細長い毛乳頭を呈する。早期退行期はメラニンの産生が低下し、毛包の大きさは縮小し細長くなる。毛乳頭は開大する。中期退行期では、棍棒状の角化部が毛乳頭の上方のEpithelial strandという部分の上部に出現する。後期退行期ではEpithelial strandが狭小化し、ガラス様膜が肥厚し、毛乳頭は球状になって残存する。
これら判定のもとに各サンプルの毛周期スコアを計算した。
成長期VI =0
早期退行期=1
中期退行期=2
後期退行期=3
それぞれのサンプルのスコアをまとめて、治療の効果が統計的に有意に存在するのか検討した。
インサイツ(in situ)TUNEL法:
培養毛では、実際の毛のサイクルに比べて成長期の長さが短縮し、ヒトの培養毛では、培養開始後7〜9日程度で退行期に入ることが知られている。退行期になると毛の成長は鈍化し、毛母細胞や近位外毛根鞘でのアポトーシスが観察される。一方、成長期では、毛の成長は維持され、アポトーシスに陥る毛母細胞の数も少ない。そこで、アポトーシス細胞を観察するためにTUNEL kit(Apoptag, Oncor Apligene, Heidelberg, Germany)を用いてインサイツTUNELを行った。
−80℃で保存しておいた生の凍結標本を、クリオスタットを用いて5μmの厚さに薄切し、薄切標本をスライドグラスにのせ、室温で10分乾燥させた後、スライドグラスを1%パラホルムアルデヒドに10分間浸し、標本を固定した。引き続いて、標本をエタノール/酢酸中で5分間、−20℃で放置した後、TdT存在下でdigoxygenin−dUTPと37℃で1時間インキュベートした。TUNEL陽性細胞は、蛍光色素(FITC)で標識したdigoxigeninに対する抗体と反応させることで観察した。観察細胞は、Auber's line(Auber L., The anatomy of follicles producing wool-fibers, with special reference to keratinization. Trans Roy Soc Edingburgh 1952; 62: 191-254)より末梢の細胞とした。
RXMは、培養マウス髭毛の成長を促進するが、EM、CLMは培養マウス髭毛の成長に影響を与えない(図1)。
6日間の培養において、コントロール群(PBS投与群、n=32)における髭毛の成長量は、1.16mm±0.23(平均±標準偏差、以下同様)であった。一方、RXM 5mM投与群では、3.8mm±0.23であり、またRXM10mM投与群では、4.3mm±0.19であり、いずれの処理群においてもコントロール群と比べて有意な(p<0.01)髭毛の成長の促進が認められた。一方、CLM 5mM投与群では、髭毛の成長が、1.53mm±0.37であり、CLM10mM投与群では、1.64mm±0.50であり、EM 5mM投与群では、1.68mm±0.42であり、そして、EM10mM投与群では、1.76mm±0.30であり、CLM、EM投与群では、コントロール群と比べた有意な差は認められなかった。
RXMはIFN−g存在下においてもVibrissaの成長を促進する(図2)。
毛包周囲における過剰なIFN−γの存在は、円形脱毛症を引き起こす原因とされ(Hoffmann R. The potential role of cytokines and T cell in alopecia areta. J Invest Dermatol Symp Proc 1999; 4: 235-238)、ヒト培養毛でも退行期を誘導することが報告されている(Ito T., et al., IFN-γ is a potent inducer of catagen-like changes in cultured human anagaen hair follicles. Br J Dermatol 2004 in press)。
そこで、RXMが、IFN−γ(50IU/ml)による退行期の誘導を阻害することができるかを、毛の成長の程度で評価した。図1と同様に、RXM 5mM投与群(1.67mm±0.12)及び10mM投与群(1.87mm±0.17)では、コントロール群(0.60mm±0.12)と比べて有意な毛の成長の増加を認めた(p<0.05)。一方、IFN−γ投与群では、コントロール群と比べて有意な毛の成長の阻害は認められなかった(0.63mm±0.02)。
IFN−γの濃度が50IUという低濃度であり、このような低濃度のIFN−γは、退行期に認められる毛母細胞でのMHCクラスI発現などを亢進することが報告されている(Ito et al., Collapse and restoration of MHC class-I-dependent immune privilege: exploiting the human hair follicle as a model. Am J Pathol 2004 164: 623-634)。したがって、50IU/mlを超える濃度のIFN−gは、非生理学的であることから採用しなかった。IFN−γ 50IU/ml存在下にRXM 10mMを添加して培養したところ、毛の成長が1.20mm±0.06であり、有意(p<0.05)な毛の成長の促進が認められた。
RXMはIFN−γによる退行期誘導を阻害し、成長期を維持した(図3)。
毛の成長においては、IFN−γ 50IU/ml投与群は、コントロール群と比べて有意な差は認められなかったが、組織学的には退行期にあった。一方で、IFN−γ 50IU/ml+RXM 10mM投与群では、組織学的にも成長期が維持されていた。
RXMはIFN−γによるアポトーシス誘導を阻害した(図4)
IFN−γは、毛母細胞をアポトーシスに陥らせることによって退行期を誘導していることが想定されている。そこで、RXMがIFN−γによるアポトーシス誘導を阻害するのかを、インサイツTUNEL法を用いて評価した。培養4日目のコントロール群では、4±1.3個のアポトーシス細胞がAuber's line以下で認められた。一方、IFN−γ 50IU/ml投与群では、アポトーシス細胞数が105±23個であり、著しい増加が認められた。しかし、RXMをIFN−γと同時に投与した場合には、アポトーシス細胞数が13±4.3個であり、RXMの添加によって、IFN−γによるアポトーシス細胞数の増加が、有意(p<0.01)に抑制された。
RXMはヒト毛髪の成長を有意に促進する(図5)
マウスで得られた実験結果のヒト培養細胞における再現性を評価した。同意を得た上で採取した手術後頭皮切片の6日間の培養毛において、コントロール群(PBS投与群)(n=64)の成長量は、1.96mm±0.19であった。一方、RXM 5mM投与群の成長量は、3.4mm±0.20であり、RXM10mM投与群では、3.32mm±0.19であり、いずれもコントロール群と比べた有意(p<0.01)な毛の成長の促進が認められた。一方、CLM 5mM投与群では、毛の成長量が、2.17mm±0.13であり、CLM10mM投与群では、1.93mm±0.18であり、EM 5mM投与群では、2.85mm±0.13であり、そしてEM10mM投与群では、2.05mm±0.19であり、CLM、EM投与群では、コントロール群と比べた有意差は認められなかった。
育毛作用は、RXMと類似の構造を持つ14員環の抗生物質であるエリスロマイシン(EM)、クラリスロマイシン(CLM)には認められなかった。RXM、EM、CLMの化学構造式から検討すれば、RXMはペンタデカンC6に水酸基、C9に(2−メトキシエトキシ)メトキシイミノ基が結合しており、EMはペンタデカンC6に水酸基、C9にカルボニル基が結合しており、CLMはペンタデカンC6にメトキシ基、C9にカルボニル基が結合していることから、C9に結合した(2−メトキシエトキシ)メトキシイミノ基側鎖が育毛に寄与している可能性が高いと思われる。したがって、この側鎖の長さを変えることにより、また側鎖に新たな残基を結合させるか又は側鎖の残基を取ることにより、側鎖の構造をさまざまに修飾し、より高い育毛効果をもった化合物を得ることができる。
RXM外用剤の臨床効果及び安全性の検討
壮年性脱毛症、いわゆる若はげの患者6人(年齢、39歳〜58歳、全て男性)においてRXM外用の育毛効果、及びRXM外用による局所及び全身副作用を検討した。
エチルアルコール65重量部にプロピレングリコール5重量部、RXM 0.5重量部、及び精製水29.5重量部を加えて撹拌溶解し、ローションタイプのRXM液を調製した。このRXM液6ml〜7mlを一日一回、就寝前に脱毛の明らかな部分に塗布した。
RXM液塗布前及び塗布3ヶ月後に、育毛効果を判断するための塗布部位のデジタル写真を撮影し、塗布部皮膚表面の症状の観察し、さらに可及的に肘静脈からの採血による血液検査(赤血球数、ヘモグロビン値、ヘマトクリット値、白血球数、GOT、GPT、LDH、BUN、クレアチニン値)、及び尿検査(赤血球、糖、蛋白、ビリルビン)を行った。
育毛効果の判定は、下記に示す方法にしたがった。各患者につき、RXM液塗布前及び塗布後の写真2枚を、塗布の前後が分からないように提示し、一方を育毛効果が認められる写真として選び、他方の写真を比較対象として選び、育毛効果の程度を、1点(改善なし)、2点(軽度改善)、3点(改善)、4点(大いに改善)の4段階で評価し、点数をつけた。育毛効果が認められるとして選んだ写真がRXM液塗布後のものであればプラス評価とし、RXM液塗布前であればマイナス評価とした。各患者につき、10人の皮膚科専門医(社団法人日本皮膚科学会が認定する皮膚科専門医)が判定し、各医師の点数を合計し、平均点及び標準偏差を算出し、評価点とした。
その結果を下記に示す。
RXMの育毛効果についての臨床結果(平均点±標準偏差)
症例1: 3.10点±0.64
症例2: 2.75点±0.89
症例3: 2.00点±1.77
症例4: 0.93点±0.89
症例5: 0.75点±1.75
症例6:−0.75点±1.75
軽度改善(平均点2点)以上が3人、無効(平均点1点かそれ以下)が3人であり、6人中3人に軽度改善以上の明らかな育毛効果が認められた。また、育毛効果の認められた患者では、白髪が減少し、黒毛の増加も認められたことから、白髪防止剤としての作用もみられた。図6に著効例をしめす。
また、RXM液塗布による塗布部位局所の刺激感、発赤などの副作用は全く認められず、また血液検査及び尿検査においても異常値は全く認められなかった。したがって、RXM液塗布は局所的に又全身的に安全であることが確認された。
溶液中に保存されたRXMの経時的な構造的安定性の検討
遮光プラスチック容器中のエチルアルコール65重量部、プロピレングリコール5重量部、RXM0.5重量部、及び精製水29.5重量部液を室温15℃〜30℃にて1、2、3、4および5ヶ月保存した後、5サンプル中のRXMの化学構造の安定性をLCタンデム質量分析計(液体クロマトグラフィー/マススペクトロメトリー/マススペクトロメトリー、サーモエレクトロン株式会社、TSQ7000)で測定した。マクロライド系抗生物質であるEMを内部標準物質として用いた。最大のイオン化効率が得られる至適サンプルアプライ量を検量線より求め2ng/4mlとした。測定直前に調製したRXM、EM各溶液のピーク出現時間及び面積比をコントロールとしてこれらの値と1〜5月保存したRXM液を比較した。その結果、ピーク出現時間およびピーク面積比(100%±15%)の経時的変化は見られなかった。よって、RXMの1〜5月保存による構造変化はないと考えられた。
RXM液の長期室温保存における機能的安定性の検討
RXM液(エチルアルコール65重量部にプロピレングリコール5重量部、RXM0.5重量部、及び精製水29.5重量部)を遮光プラスチック容器中、室温(15〜30℃)で、3ヶ月保存し、マウス髭毛の培養物に添加した。無添加群、RXM 5mM処理群、RXM 10mM処理群を設け、毛の成長を比較した。
6日目の髭毛の成長は、無添加群では2.8±0.75mmであり、RXM 5mM処理群では4.3±0.76mm(p<0.05)であり、RXM 10mM処理群では3.9±1.0mm(p<0.05)であり、RXM処理群では無添加群に比べて有意に優れた成長が認められた。
以上の結果から、長期室温保存におけるRXMの育毛効果の減少は認められず、長期室温保存における安定性が確認された。
以上の結果から、RXMは、マウス、ヒト両方の培養毛において有意に毛の成長を促進し、成長期の期間をより長く維持する効果があるという結果を得た。また、育毛効果の認められた患者では、白髪が減少し、黒毛の増加も認められたことから、白髪防止剤としての作用もみられた。過去にRXMと毛髪との関係を発表した例はなく、我々が初めてRXMの毛髪に対する効果を明らかにした。
また、RXMはIFN−γによるアポトーシス誘導を阻害することから、IFN−γの過剰産生が病因の一つであるとされる円形脱毛症においても、RXMの発毛効果が期待される。RXMは、今後、発毛剤、脱毛症治療剤として発展可能な薬剤である。
本発明の育毛剤は、育毛、発毛、脱毛症治療及び白髪防止のために有用である
図1は、培養マウス髭毛の成長に対するRXM、EM及びCLMの影響を示す。縦軸は、髭毛の成長(mm)を表し、横軸は、時間(日)を表す。各処理群を、コントロール(白四角)、EM5μM(菱形)、EM10μM(白丸)、CLM5μM(白三角)、CLM10μM(白四角+十字)、RXM5μM(菱形+十字)、RXM10μM(白丸+十字)で示した。 図2は、IFN−g存在下における、培養マウス髭毛の成長に対するRXMの影響を示す。縦軸は、髭毛の成長(mm)を表し、横軸は、時間(日)を表す。各処理群を、コントロール(白四角)、IFN−γ(菱形)、RXM5μM(白丸)、RXM10μM(白三角)、RXM10μM+IFN−γ(白四角+十字)で示した。 図3は、RXMの毛周期に対する影響を示す。処理群は、左から順に、コントロール群、50IU/mlIFN−γ処理群、10μM RXM処理群及び50IU/mlIFN−γ+10μM RXM処理群である。毛周期は、Control及び10μMRXM群では、成長期VIであり、IFN−γ50IU/ml処理群では、退行期であり、IFN−γ+RXM処理群では、成長期〜早期退行期であった。 図4は、in situTUNELの結果を示す。処理群は、左から順に、コントロール群、50IU/mlIFN−γ処理群、50IU/mlIFN−γ+10μM RXM処理群である。図内を横断する直線(左端の図で矢印で示した)は、Auber's lineを示す。白く見える細胞は、アポトーシスを起こした細胞であり、その数は、コントロール群では、4±1.3細胞/毛であり、50IU/mlIFN−γ処理群では、105±23細胞/毛であり、50IU/mlIFN−γ+10μM RXM処理群では、13±4.3細胞/毛であった。 図5は、RXMのヒト毛髪の成長に対する影響を示す。縦軸は、髭毛の成長(mm)を表し、横軸は、時間(日)を表す。各処理群を、コントロール(白四角)、RXM5μM(菱形)、RXM10μM(白丸)、EM5μM(白三角)、EM10μM(白四角+十字)、CLM5μM(菱形+十字)、CLM10μM(白丸+十字)で示した。 図6は、RXM外用剤の臨床効果を示す。

Claims (2)

  1. ロキシスロマイシンを有効成分として含有する育毛剤。
  2. ロキシスロマイシンを有効成分として含有する白髪防止剤。
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