JPH09151196A - トリテルペン酸誘導体 - Google Patents

トリテルペン酸誘導体

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JPH09151196A
JPH09151196A JP17167193A JP17167193A JPH09151196A JP H09151196 A JPH09151196 A JP H09151196A JP 17167193 A JP17167193 A JP 17167193A JP 17167193 A JP17167193 A JP 17167193A JP H09151196 A JPH09151196 A JP H09151196A
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methanol
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androgenic
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Katsuhiro Hayashi
勝廣 林
Tatsuhiko Suzuki
建彦 鈴木
Shigeko Oishi
誠子 大石
Kunio Yagi
國夫 八木
Mayumi Koda
真由美 好田
Shingo Kakita
信吾 垣田
Yoshiharu Yokoo
義春 横尾
Shinkichi Honda
伸吉 本多
Toshio Tadano
俊雄 多々納
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OYO SEIKAGAKU KENKYUSHO
KH Neochem Co Ltd
Hitachi Chemical Diagnostics Systems Co Ltd
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OYO SEIKAGAKU KENKYUSHO
Kyowa Medex Co Ltd
Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 抗アンドロゲン作用を有する新規トリテルペ
ン酸誘導体および該化合物を少なくとも1つ含有するこ
とを特徴とする抗アンドロゲン剤を提供する。 【構成】 式(I) (式中、Xは−O−または単結合を表し、Rは水素また
はヒドロキシを表す)で表されるトリテルペン酸誘導体
および該化合物を含有する抗アンドロゲン剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗アンドロゲン作用を
有するトリテルペン酸誘導体および該化合物を含有する
抗アンドロゲン剤に関する。
【0002】
【従来の技術】本願発明の化合物に関連したトリテルペ
ノイド構造を有する物質としては、kadsulact
one A[フィトケミストリー誌(Phytoche
mistry)、29巻、3358−3359頁、19
90年]、anwuweizoic acid[カナデ
ィアン・ジャーナル・オブ・ケミストリー誌(Cana
dian Journal of Chemistr
y)、66巻、414−415頁、1988年]、ka
dsuric acid[ケミストリー・レター誌(C
hemistry Letters)、1307−13
10頁、1976年]等が知られている。また、サネカ
ズラ由来の化合物としては、上記のkadsuric
acidをはじめ、kadsurin[テトラヘドロン
・レター誌(Tetrahedron Letter
s)、4257−4260頁、1973年],kads
urarin(同前文献),δ−elemenol[テ
トラヘドロン・レター誌(Tetrahedron L
etters)、2899−2901頁、1968年]
等が知られている。しかし、いずれにおいても、抗アン
ドロゲン作用については知られていない。
【0003】抗アンドロゲン作用とはテストステロンの
男性ホルモン活性を軽減させる作用であり、これは5α
−ジヒドロテストステロン(5α−DHT)とアンドロ
ゲン受容体との結合を阻害すること、テストステロンを
5α−DHTに還元する酵素(テストステロン 5α−
レダクターゼ)の作用を阻害すること等によりもたらさ
れる。このような抗アンドロゲン作用を有する化合物
は、男性型脱毛症、粗毛症等の毛髪の疾患;前立腺肥
大、前立腺腫瘍等の疾患;尋常性座瘡、脂漏等の皮脂分
泌機能の亢進が原因とされる皮膚疾患等のアンドロゲン
依存性疾患の治療および予防において有効である[エン
ドクリノロジー・アンド・メタボリズム・クリニックス
・オブ・ノースアメリカ誌(Endocrinolog
y andMetabolism Clinics o
f North America)、20巻、893−
909頁、1991年、トレンド・イン・ファーマコロ
ジカル・サイエンス誌(Trends in Phar
macological Sciences)、10
巻、491−495頁、1989年等]。
【0004】サネカズラ抽出物の関連する生物活性とし
ては、育毛活性(特開平4−1121),テストステロ
ン 5α−レダクターゼ阻害活性(特開平5−1736
5)が知られているが、いずれも粗抽出物であり、単離
された化合物での該活性は知られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、抗ア
ンドロゲン作用、特に5α−DHTとアンドロゲン受容
体との結合を阻害する作用を有する新規なトリテルペン
酸誘導体および該化合物を含有する抗アンドロゲン剤を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、アンドロ
ゲン受容体との結合阻害を指標として新規化合物の探索
に鋭意研究を重ねた結果、サネカズラ(学名Kadzu
ra Japonica、別名ビナンカズラとも言われ
るツル性の多年草)より得られる化合物に上記活性を見
い出した。この物質を単離、精製した結果、該化合物
は、式(I)
【0007】
【化3】
【0008】(式中、Xは−O−または単結合を表し、
Rは水素またはヒドロキシを表す)で表される新規化合
物であることがわかった。以下、式(I)で表される化
合物を化合物(I)という。以下に、具体的な化合物
(I)の構造式および理化学的性質を示す。なお、物理
化学データは以下の機器により測定した。
【0009】 マススペクトル: 日立製作所 M-80B 質量分析装置 紫外部吸収スペクトル:島津製作所 UV-2200 分光光度計 赤外部吸収スペクトル:日本電子 JIR-RFX3001 赤外線分光光度計 核磁気共鳴スペクトル:ブルカー AM500 核磁気共鳴装置 日本電子 JNM-400 核磁気共鳴装置 融点 : 柳本製作所 ミクロ融点測定装置 旋光度: 日本分光工業 DIP-370 型デジタル旋光計 糖分析: ダイオネックス BioLC (カラム:CarboPac PA1) 化合物1
【0010】
【化4】
【0011】性状:無色粉末 融点:89.0〜92.0℃ 分子量:632 分子式:C36569 比旋光度:[α]D25=+13.1°(c=1.07 ,メタノー
ル) 赤外部吸収スペクトル(KBr法): νcm-1:3419,2929,1726,1643,1458,1446,1373,1194,11
13,1101,1070,754 紫外部吸収スペクトル:末端吸収を示すのみ 高分解能質量分析: [M−H]- :実測値 631.3813 計算値(C36H55O9) 631.3846
【0012】核磁気共鳴スペクトル(CD3OD 中):1H(4
00MHz)δ ppm:0.69(1H),0.70(1H),0.76(1H),0.93(3H,
d),0.97(3H,s),1.03(3H,s),1.14(1H),1.17(1H),1.18(1
H),1.35(1H),1.36(2H),1.37(1H),1.39(3H,s),1.45(1H),
1.48(1H),1.48(3H,s),1.57(1H),1.60(1H),1.65(1H),1.7
2(2H),1.75(1H),1.82(1H),1.92(3H,d),1.97(1H),2.10(1
H),2.14(1H),2.46(1H),2.55(1H),2.64(1H),2.76(1H),3.
34(1H),3.40(2H),3.43(1H),3.68(1H),3.85(1H),5.57(1
H),6.10(1H)13 C(100MHz) δ ppm:18.7(q),19.0(q),20.0(q),20.7
(q),23.6(q),24.3(s),26.6(t),27.2(t),27.8(t),28.2
(t),28.4(s),29.3(t),30.4(t),31.37(q),31.43(t),34.2
(t),35.8(t),36.8(t),37.0(t),37.4(d),46.2(s),50.0
(s),50.3(d),51.2(d),53.7(d),62.5(t),71.3(d),74.1
(d),78.3(d),78.9(d),89.4(s),95.6(d),127.4(s),147.3
(d),167.8(s),178.5(s)
【0013】薄層クロマトグラフィー:Rf 0.47
(赤紫発色) 発色剤:5%硫酸エタノール シリカゲル薄層(HPTLC RP-18F254 Art13724 メルク社
製) 展開溶媒:95%メタノール 糖鎖:加水分解後のHPLC保持時間がD−グルコース
標品に一致化合物2
【0014】
【化5】
【0015】性状:無色粉末 融点:127.0 〜130.0 ℃ 分子量:648 分子式:C365610 比旋光度:[α]D30=+0.92°(c=0.97 ,メタノー
ル) 赤外部吸収スペクトル(KBr法): νcm-1:3431,2935,1734,1716,1695,1113,1070,754 紫外部吸収スペクトル:末端吸収を示すのみ 高分解能質量分析: [M−H]- :実測値 647.3763 計算値(C36H55O10 ) 647.3795
【0016】核磁気共鳴スペクトル(CD3OD 中):1H(5
00MHz)δ ppm:0.66(1H),0.93(3H,d),0.99(3H,d),1.07
(3H,s),1.11(1H),1.16(1H),1.18(1H),1.35(1H),1.37(1
H),1.38(2H),1.45(1H),1.47(1H),1.56(3H,s),1.57(1H),
1.58(1H),1.65(2H),1.71(3H,s),1.73(2H),1.92(3H,d),
1.96(1H),1.97(1H),2.12(1H),2.18(1H),2.47(1H),2.56
(1H),2.58(1H),2.87(1H),3.36(1H),3.40(1H),3.41(1H),
3.43(1H),3.69(1H),3.86(1H),4.21(1H),5.57(1H),6.10
(1H)13 C(125MHz) δ ppm:18.7(q),19.2(q),20.3(q),20.6
(q),24.0(s),25.5(q),27.3(s),27.8(t),28.1(t),29.3
(t),30.3(q),31.3(t),32.0(t),34.26(t),34.33(t),36.0
(t),36.8(t),37.0(t),37.4(d),40.4(d),46.4(s),49.4
(s),53.8(d),53.9(d),62.5(t),66.9(d),71.2(d),74.1
(d),78.2(d),78.9(d),90.0(s),95.6(d),127.3(s),147.2
(d),167.3(s),178.9(s)
【0017】薄層クロマトグラフィー:Rf 0.63
(赤紫発色) 発色剤:5%硫酸エタノール シリカゲル薄層(HPTLC RP-18F254 Art13724 メルク社
製) 展開溶媒:95%メタノール 糖鎖:加水分解後のHPLC保持時間がD−グルコース
標品に一致化合物3
【0018】
【化6】
【0019】性状:無色粉末 融点:115.0 〜116.0 ℃ 分子量:632 分子式:C36569 比旋光度:[α]D25=−0.39°(c=1.33 ,メタノー
ル) 赤外部吸収スペクトル(KBr法): νcm-1:3431,2929,1697,1639,1461,1381,1113,1070,75
6 紫外部吸収スペクトル:末端吸収を示すのみ 高分解能質量分析: [M−H]- :実測値 631.3813 計算値(C36H55O9) 631.3846
【0020】核磁気共鳴スペクトル(CD3OD 中):1H(4
00MHz)δ ppm:0.71(1H),0.94(3H,d),0.97(3H,s),1.11
(3H,s),1.15(1H),1.15(3H,s),1.18(1H),1.30(1H),1.36
(1H),1.37(1H),1.39(1H),1.41(1H),1.43(1H),1.43(3H,
s),1.46(1H),1.51(1H),1.52(1H),1.59(1H),1.68(1H),1.
72(1H),1.77(1H),1.78(1H),1.93(3H,d),1.97(1H),2.15
(1H),2.16(1H),2.18(1H),2.47(1H),2.56(1H),2.86(1H),
3.38(1H),3.40(2H),3.45(1H),3.68(1H),3.85(1H),4.21
(1H),5.58(1H),6.18(1H)13 C(100MHz) δ ppm:18.8(q),19.4(q),20.3(q),20.7
(q),21.6(q),21.8(s),23.2(q),25.1(s),27.4(t),27.9
(t),29.4(t),33.0(t),34.3(t),35.6(t),35.6(t),36.9
(t),37.0(t),37.5(d),38.1(t),41.0(t),46.9(s),49.5
(s),51.5(d),52.1(s),53.9(d),62.5(t),68.0(d),71.3
(d),74.1(d),78.3(d),78.9(d),95.6(d),127.4(s),147.4
(d),167.8(s),219.0(s)
【0021】薄層クロマトグラフィー:Rf 0.56
(赤紫発色) 発色剤:5%硫酸エタノール シリカゲル薄層(HPTLC RP-18F254 Art13724 メルク社
製) 展開溶媒:95%メタノール 糖鎖:加水分解後のHPLC保持時間がD−グルコース
標品に一致
【0022】次に、化合物(I)の製法について説明す
る。サネカズラまたはその同属植物の葉または全草を、
メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等
のアルコール、アセトン等の親水性溶媒あるいはこれら
親水性溶媒と水との混合溶媒等で抽出する。さらに、必
要に応じて、該抽出液から溶媒を除去した残渣を、メタ
ノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のア
ルコール、アセトン等の親水性溶媒あるいはこれら親水
性溶媒と水との混合溶媒、ジエチルエーテル、酢酸エチ
ル、クロロホルムあるいはベンゼン等の有機溶媒等を単
独または組み合わせて用いて抽出することにより、化合
物(I)を含有する抽出物を得ることができる。
【0023】該抽出物を、担体として、ダイヤイオンH
P−20(登録商標;三菱化成社製)等のポーラスポリ
マー、セファデックスLH−20(登録商標;ファルマ
シアLKB バイオテクノロジー社製)等のセファデッ
クス、順相系シリカゲル、逆相系シリカゲル、ポリアミ
ド、活性炭またはセルロース等を用いたカラムクロマト
グラフィーまたは分取高速液体クロマトグラフィーに付
し、薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:95%メタノ
ール、発色剤:5%硫酸エタノール)あるいはアンドロ
ゲン受容体結合阻害活性(後述の試験例参照)で目的成
分を確認しながら分画精製することにより、化合物
(I)を得ることができる。この際、各担体によるカラ
ムクロマトグラフィー操作は、適宜、組み合わせ、反復
して用いることが望ましい。また、必要に応じて、再結
晶操作により精製することもできる。
【0024】次に、化合物(I)の抗アンドロゲン作用
について試験例で説明する。 試験例:アンドロゲン受容体結合阻害作用 本試験は、ジャーナル・オブ・ステロイド・バイオケミ
ストリー誌(Journal of Steroid
Biochemistry)、19巻,1141−11
46頁(1983年)に記載の方法に準じて行った。
【0025】a)アンドロゲン受容体溶液の調製 雄性シリアンハムスターを去勢し、16時間後に皮脂腺
を摘出し、10mM−トリス塩酸緩衝液(pH7.
4)、1.5mM−エチレンジアミン四酢酸(EDT
A)、1mM−ジチオスレイトール(DTT)、10m
M−Na2 MoO4 および10%(V/V)グリセロー
ルを含有する5〜20倍容量の溶液で上記の皮脂腺をホ
モジネートした。次いで、これを33,000rpm、
0〜4℃で1時間遠心し、得られた上清をアンドロゲン
受容体溶液として用いた。
【0026】b)アンドロゲン受容体結合阻害活性の測
定 1nM[3 H]R1881(メチルトリエノロン、8
6.0Ci/nmol)、1μMトリアムシノロンアセ
トニド、上記a)項で調製した受容体溶液および検体試
料の混合溶液(全量150μl)を0℃で16時間イン
キュベートした後、0.5%量の活性炭および0.05
%量のデキストランT−70を含有する溶液500μl
を添加し、0℃で10分間放置し、次いで、3000r
pmで10分間遠心して上清を得た。この上清300μ
lを採取し、液体シンチレーションカクテルと混合した
後、液体シンチレーターを用いて受容体への[3 H]R
1881の特異的結合量を測定し、得られたデータを次
式に導入し、阻害率として阻害活性を求め、この阻害率
から50%阻害濃度(IC50)を算出した。
【0027】 阻害率(%)=[(c−s)/c]×100 c:検体試料を添加しない場合の受容体蛋白と[3 H]
R1881との特異的結合量 s:検体試料を添加した場合の受容体蛋白と[3 H]R
1881との特異的結合量 結果を第1表に示す。
【0028】
【表1】
【0029】表から明らかなように、化合物(I)は、
顕著なアンドロゲン受容体結合阻害作用を示した。次
に、化合物(I)を含有する組成物の剤型および投与量
について説明する。化合物(I)を含有する組成物の投
与方法としては、経口投与、非経口投与、皮膚外用等い
ずれの方法も可能であり、特に限定されないが、育毛化
粧料として頭皮への塗布等も含まれる。
【0030】本発明による抗アンドロゲン剤の剤型とし
ては、特に制限はなく、錠剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、
カプセル剤、注射剤、内服液剤、坐剤、外皮用剤(リニ
メント剤、ローション剤、外用クリーム剤ないし軟膏
剤)等があげられる。製剤用組成物は、活性成分とし
て、有効な量の化合物(I)を、薬理的に許容される担
体と均一に混合して製造できる。薬理的に許容される担
体としては、例えば、ソルビトール、ラクトース、グル
コース、デキストリン、澱粉、乳糖、軽質無水けい酸、
メタけい酸アルミン酸マグネシウム、ステアリン酸マグ
ネシウム、ポリビニルアルコール、脂肪酸エステル、グ
リセリン、ポリエチレングリコール、ゴマ油、p−ヒド
ロキシ安息香酸エステル、ストロベリーフレーバー等が
用いられる。
【0031】投与量は、疾患の種類、症状、剤型、患者
の年齢等の要因により異なるが、成人を対象とする場
合、有効成分である化合物(I)は、経口投与では0.
002〜25mg/日、坐剤では0.005〜25mg
/日を1〜4回に分けて投与するのが適当である。ま
た、外皮用剤では、化合物(I)を0.00001〜
0.1重量%含有する製剤となし、これを症状に応じ1
日数回塗布することにより投与することが好ましい。非
経口投与では、0.001〜10mg/日の注射用製剤
等とし、1〜4回に分けて投与するのが適当である。ま
た、必要に応じて、これらの制限外の投与量を用いるこ
ともできる。
【0032】化合物(I)は、化粧料成分として使用す
ることも可能である。その場合は、化粧料一般に用いら
れる各種成分、すなわち、油脂類、炭化水素類、ロウ
類、脂肪酸、合成エステル類、アルコール類、界面活性
剤、増粘剤、保湿剤、防腐剤、香料、顔料、薬剤、水等
を配合することができる。化粧料の剤型は任意であり、
例えば、可溶化系、乳化系、分散系などの剤型をとるこ
とができる。本発明における化粧料製品としては、トニ
ック、ヘアクリーム、ムース、シャンプー、リンス、コ
ンディショナー、スカルプトリートメントなどのスキン
ケア製品、口紅、ファンデーションなどのメイクアップ
製品の剤型をとることもできる。
【0033】以下に、本発明の実施例および参考例を示
す。
【0034】
【実施例】
実施例1 サネカズラの乾燥葉5.0kgを、メタノール200L
で、室温攪拌下、16時間抽出し、次いで、抽出液の溶
媒を減圧下留去することにより、メタノール抽出エキス
を得た。この抽出エキスを60%メタノール含有水[メ
タノール濃度60(V/V)%を表す]62Lで抽出
し、得られた抽出液の溶媒を減圧下留去した後、残渣を
さらに水12.5Lに懸濁させ、ジエチルエーテル50
Lで抽出した。ジエチルエーテル層を蒸発乾固させるこ
とにより、エーテル画分61.2gを得た。
【0035】エーテル画分をシリカゲル(ヤトロン社
製)カラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム、
クロロホルム−メタノール混合溶媒、次いでメタノール
によって順次溶出した。得られた画分のうち、クロロホ
ルム−メタノールの混合比が15:1、10:1および
5:1である溶媒で溶出された画分を合わせてさらにシ
リカゲルクロマトグラフィーに付した。展開溶媒として
用いたクロロホルム−メタノールの混合比が20:1、
15:1および10:1である溶媒で溶出された画分を
合わせ、これを逆相シリカゲル(ODSタイプ、富士デ
ヴィソン化学社製)カラムクロマトグラフィーに2回繰
り返して付すことにより(展開溶媒としては、メタノー
ル−水混合溶媒、メタノールを順次使用)、75%メタ
ノール含有水で溶出された画分A,108mg、80%
メタノール含有水で溶出された画分B,260mg、8
5%メタノール含有水で溶出された画分C,233mg
を得た。
【0036】画分C,213mgをセファデックスLH
−20(ファルマシア社製)カラムクロマトグラフィー
に付し、75%メタノール含有水で溶出した。得られた
アンドロゲン受容体結合阻害活性を有する画分を分取高
速液体クロマトグラフィー[aカラム:COSMOSIL 10C18
(ナカライテスク社製50mmID × 250mm, 10μm ゲ
ル)、展開溶媒:81%メタノール含有水、およびbカ
ラム:Deverosil ODS-5 (野村化学社製、20mmID × 2
50mm, 5 μm ゲル)、展開溶媒:水:メタノール:アセ
トニトリル=26:40:34]に繰り返して付すこと
により、化合物1,13.5mgを得た。
【0037】実施例2 実施例1で得られた画分A,82mgをセファデックス
LH−20(ファルマシア社製)カラムクロマトグラフ
ィーに付し、75%メタノール含有水で溶出した。得ら
れたアンドロゲン受容体結合阻害活性を有する画分を分
取高速液体クロマトグラフィー[aカラム:COSMOSIL 1
0C18(ナカライテスク社製20mmID × 250mm, 10μm ゲ
ル)、展開溶媒:水:メタノール:アセトニトリル=3
2:40:28、およびbカラム:Deverosil ODS-5
(野村化学社製、20mmID × 250mm, 5 μm ゲル)、展
開溶媒:水:メタノール:アセトニトリル=33:4
0:27]に繰り返して付すことにより、化合物2,2
0.5mgを得た。
【0038】実施例3 実施例1で得られた画分B,199mgをセファデック
スLH−20(ファルマシア社製)カラムクロマトグラ
フィーに付し、75%メタノール含有水で溶出した。得
られたアンドロゲン受容体結合阻害活性を有する画分を
分取高速液体クロマトグラフィー[aカラム:COSMOSIL
10C18(ナカライテスク社製20mmID ×250mm, 10μm
ゲル)、展開溶媒:79%メタノール含有水、およびb
カラム:Deverosil ODS-5 (野村化学社製、20mmID ×
250mm, 5 μm ゲル)、展開溶媒:水:メタノール:ア
セトニトリル=26:40:34]に繰り返して付すこ
とにより、化合物3,16.4mgを得た。
【0039】実施例4(リニメント剤) 処方: 化合物1 0.025mg トラガント 50g グリセリン 30ml エタノール 100ml精製水 残部 全量 1000ml 乳鉢にエタノール100mlを採取し、化合物1,0.
025mgを添加して溶解させ、これにトラガント50
gを添加して混合した。次いでグリセリン30mlを添
加して混合し、さらに精製水500mlを添加しながら
混合して、糊状物となした。その後、さらに精製水を添
加して全量を1000mlとし混合することにより、リ
ニメント剤を製造した。
【0040】実施例5(ローション剤) 処方: 化合物2 0.1mg ヒドロキシプロピルセルロース 1g ポリエチレングリコール400 10ml エタノール 10ml精製水 残部 全量 100ml 化合物2,0.1mgをエタノール10mlに溶解さ
せ、ポリエチレングリコール400,10mlを添加し
て充分に混和した。これにヒドロキシプロピルセルロー
ス1gを添加して混合した後、精製水を添加して全量を
100mlとなし、次いで真空ホモジナイザーで処理す
ることにより、ローション剤を製造した。
【0041】実施例6(ヘアリキッド) 処方: 製剤用組成物(参考例) 1mg ビタミンEアセテート 0.1g パントテニルアルコール 0.5g エタノール 40ml 1,3−ブチレングリコール 1ml 香料 適量精製水 残部 全量 100ml 上記の処方で、常法によりヘアリキッドを製造した。
【0042】実施例7(頭髪用トニック) 処方: 製剤用組成物(参考例) 1mg 変性アルコール 58ml 1−メントール 0.1g 1,3−ブチレングリコール 1ml ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.)1g 香料 適量精製水 残部 全量 100ml 上記の処方で、常法により頭髪用トニックを製造した。
【0043】実施例8(外用クリーム剤ないし軟膏剤) 処方: 製剤用組成物(参考例) 3g セバシン酸ジエチル 8g 蜜蝋 5g ポリオキシエチレンオレイルエーテル リン酸ナトリウム 6g 安息香酸ナトリウム 0.5gワセリン 残部 全量 100g 上記の処方で、常法により外用クリーム剤ないし軟膏剤
を製造した。
【0044】実施例9(坐剤) 上記の処方で、常法により成型して坐剤を製造した。
【0045】実施例10(散剤) 上記の処方で、常法により散剤を製造した。
【0046】実施例11(顆粒剤) 上記の処方で、常法により顆粒剤を製造した。
【0047】実施例12(錠剤、コーティング錠および
糖衣錠) 処方: 製剤用組成物(参考例) 3mg 結晶セルロース 40mg 乳糖 69.5mg コーンスターチ 40mg ステアリン酸マグネシウム 7.5mg 1錠当り 160mg
【0048】上記の処方で、常法により錠剤を製造し
た。一方、このようにして得た錠剤の一部について、下
記のコーティング処方(重量比)で、常法により水溶性
被覆コーティング錠となした。 水溶性被覆コーティング処方: ヒドロキシプロピルセルロース 4 ポリエチレングリコール6000 1 酸化チタン 0.3 タルク 0.5 精製水 94.2
【0049】さらに、上記の錠剤の一部について、下記
のサブコーティング処方およびカラーリング処方(重量
比)で、常法により糖衣錠となした。 サブコーティング処方: 白糖 40.5 ゼラチン 0.5 アラビアゴム 1.4 沈降炭酸カルシウム 22 タルク 15.6 精製水 20 カラーリング処方: 白糖 7 酸化チタン 50 レーキ色素 39.5 精製水 3.5
【0050】実施例14(硬カプセル剤) 製剤用組成物3mgに乳糖121mgおよびコーンスタ
ーチ50mgを添加して混合し、これにヒドロキシプロ
ピルセルロース16mgの水溶液を添加して練合した。
次いで、押し出し造粒機を用いて、常法により顆粒を製
造した。この顆粒をゼラチン硬カプセルに充填すること
により、硬カプセル剤を製造した。
【0051】参考例(製剤用組成物) 化合物3,2mgをエタノール100mlに溶解させ、
これにデキストリン10mgを添加し充分に混和して均
一物となし、次いで乾燥させることにより、製剤用組成
物を得た。
【0052】
【発明の効果】本発明により、抗アンドロゲン作用を有
する新規トリテルペン酸誘導体および該化合物を含有す
る抗アンドロゲン剤が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/70 AEJ A61K 31/70 AEJ (72)発明者 鈴木 建彦 愛知県春日井市小野町1−77 (72)発明者 大石 誠子 愛知県犬山市天神町1−17 (72)発明者 八木 國夫 愛知県名古屋市名東区西里町2−21 (72)発明者 好田 真由美 神奈川県相模原市磯部9−18 (72)発明者 垣田 信吾 東京都町田市中町3−9−10 (72)発明者 横尾 義春 茨城県牛久市牛久町3010−34 (72)発明者 本多 伸吉 千葉県我孫子市根戸549−56 (72)発明者 多々納 俊雄 静岡県沼津市大岡2297−6

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I) 【化1】 (式中、Xは−O−または単結合を表し、Rは水素また
    はヒドロキシを表す)で表されるトリテルペン酸誘導
    体。
  2. 【請求項2】 式(I) 【化2】 (式中、XおよびRは前記と同意義を表す)で表される
    トリテルペン酸誘導体を含有することを特徴とする抗ア
    ンドロゲン剤。
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