JP2017043594A - 育毛組成物 - Google Patents
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Abstract
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加えて、ワレモコウエキス、エイジツエキス、褐藻エキス、ビワ葉エキスにFGF−5タンパク質とその受容体であるFGFR1との結合を特異的に阻害することを見出し、そのうち、ワレモコウエキスは脱毛を改善することが示された(非特許文献5)。
FGF−5は、毛の成長を阻害し、毛周期を成長期から退行期へ移行させる作用を有していることが明らかとなっている。一方、毛包の根元にある毛乳頭は、毛母細胞の増殖や分化を調節することにより毛の成長を制御している。退行期になると毛母細胞は消失してしまうが、毛乳頭細胞は活動が低下するもののその数は減らない。次の成長期には、毛乳頭細胞が再び活性化し、その作用によって毛母細胞が新たに増殖・分化し始める。毛乳頭細胞そのものは変わっていないため、前の成長期と同じ太さの毛を作ることができる。したがって、成長期から退行期・休止期に移る引き金の役割を担っているFGF−5の作用を何らかの方法で抑制すれば、成長期だけが延長される。よって、成長期をこのように長くする物質は、優れた育毛・養毛効果を発揮すると期待される。
毛乳頭は毛包の毛球部の最奥部に存在し、その周囲にある毛母細胞を活性化し増殖させ、毛繊維を形成していくと考えられている。毛乳頭は成長期においてALP(アルカリホスファターゼ)を発現することが報告されている。毛乳頭におけるALPの機能はまだ解明されていないが、毛形成能と密接に関連するとされる。毛乳頭の二次元培養細胞において、Wnt経路が活性化されるとALP発現が顕著となることが知られている。発明者らはこのWnt経路の活性化された毛乳頭培養細胞にFGF−5を添加することで、ALP活性が低下することを見出した。これはFGF−5が毛の成長期を終了させる事象を反映しているものと考えられる。
本発明では、上述した条件下、FGF−5によりALP活性が低下した毛乳頭培養細胞に、さらに、フィチン酸を添加して培養したところ、フィチン酸無添加の時に低下していたALP活性が回復した。これにより、フィチン酸がFGF−5の作用を阻害した結果、FGF−5によるALP活性の低下が防がれることが確認された。
上記2試験は培養細胞を用いた試験であり、実際にフィチン酸の育毛作用を最終的に判断するには、in vivo試験によって確認する必要がある。通常はマウスまたはラットの体毛による評価を実施する。ヒトの頭皮のように毛一本一本の毛周期がばらばらな場合と異なり、マウスまたはラットの体毛は比較的毛周期が揃っており、その成長度合いを統計的に把握しやすい。さらに、休止期にある体毛において、抜毛することにより同調的に成長期を誘導できることが知られており、毛周期のより揃った実験条件が獲得できる。抜毛の方法には剃毛、手による引き抜き、脱毛クリーム、脱毛テープ等の手法がある。このうち、適度かつ適正に皮膚に刺激を与え確実に成長期を誘導するという意味で、剃毛、脱毛テープが好ましい。本発明では、脱毛テープによる抜毛により成長期を同調的に誘導し、毛包組織内にFGF−5の発現が増加する成長期後半にあたると目される抜毛後7日後から同マウス背部にフィチン酸を1日1回塗布した。マウスの毛周期が成長期から退行期へと移行する時期において、塗布部位の皮膚を採取し、光学顕微鏡下にて皮膚切片像を観察した。その結果、フィチン酸塗布群では、ベヒクルを塗布した対照群と比べると、毛包の成長期から退行期への移行が遅れることが示された。
発毛・育毛の生理メカニズムを担う毛包の機能とこれを制御する分子の作用に立脚する育毛物質を有効成分に含む育毛・養毛剤でなければ、満足すべき発育毛効果を得られない。かかる観点から完成された本発明の育毛剤組成物は、FGF−5の作用を阻害するフィチン酸を有効成分として含有する。本発明の育毛剤組成物は、含有するフィチン酸の作用が毛成長、特に、毛周期における成長期から退行期への移行に関する分子的機作に裏づけられているという特徴を有している。
育毛剤全量に対するフィチン酸の添加量は0.005〜5重量%の範囲で他の成分との相溶性も考慮して使用して良いが、育毛効果をより期待できるという観点から0.003〜3重量%が好ましく、育毛効果を確実に期待できるという観点から0.1〜1重量%がより好ましい。0.005%未満では所期の発育毛促進効果が得られず、逆に5%を超えると、その効果は頭打ちであるにもかかわらず、コストが上昇するだけである。
・IL−3:ペプロテック
・フィチン酸ナトリウム:シグマ―アルドリッチ
・ヘパリン:シグマ―アルドリッチ
・Cell Count Kit8:同仁化学研究所
・GSK3 Inhibitor IX:カルビオケム
・NP−40:和光純薬
・Tris−HCl:和光純薬
・MgCl2(六水和物):関東化学
・NADP:エンゾライフサイエンス
・リン酸ナトリウム:和光純薬
・INT:同仁化学研究所
・Diaphorase(NADH):旭化成ファーマ
・ADH:オリエンタル酵母
FGF−5およびインターロイキン−3(IL−3)に応答性のあるFR−Ba/F3細胞を、10%ウシ胎児血清、抗生物質を含む培養液中で培養した。IL−3は、FGF−5非依存的にFR−Ba/F3細胞の増殖を促進するサイトカインである。なお、本実施例ではフィチン酸ナトリウムを使用した。96穴培養用プレートに、最終濃度が3.75mg/mLから5段階の3倍連続希釈となるようにフィチン酸濃度区を設定した。そこに最終濃度75ng/mLのFGF−5および5μg/mLのヘパリン、または、最終濃度2ng/mLのIL−3をそれぞれ添加した。最後に、すべてのウェルにFR−Ba/F3細胞を最終濃度2.5x105細胞/mLとなるように播種し、10%ウシ胎児血清、抗生物質を含む培地中、37℃、5%CO2雰囲気下で3日間培養した。その後、各ウェルにCell Count Kit8を10μL添加し、37℃、5%CO2雰囲気下で2時間培養して発色後、マイクロプレートリーダー(450nm)を用いて吸光度を測定し細胞増殖を調べた。
本発明で用いられた毛乳頭培養細胞は35歳の健常人の頭皮から採取した毛乳頭を培養して得られた。また、本実施例でもフィチン酸ナトリウムを使用した。96穴の細胞培養用プレートに、最終濃度が0.025mg/mL、0.075mg/mL、0.25mg/mL、0.75mg/mLとなるようにフィチン酸濃度区を設定した。それぞれのフィチン酸濃度区について、最終濃度が1000ng/mLから0.1ng/mLまで9段階の3倍連続希釈となるようにFGF−5を添加した。FGF−5を添加したウェルには同時に最終濃度5μg/mLのヘパリン、及び、最終濃度500ng/mlのGSK3 Inhibitor IXを添加した。最後に、すべてのウェルに上記の毛乳頭培養細胞を最終濃度5x104細胞/mLとなるように播種し、10%ウシ胎児血清、抗生物質を含む培地中、37℃、5%CO2雰囲気下で3日間培養した。
毛周期が休止期にある8週齢のBLC6マウス♂(日本SLC社より購入)の背部(2x6cm)を、抜毛テープで局所的に抜毛し成長期を誘導した。動物を各試験群はベヒクル単独、および、フィチン酸塗布群として0.03%群、0.1%群、0.3%群、1.0%群、3.0%群を設定した。抜毛日を0日として7日目から、ベヒクル(エタノール:プロピレングリコール:水=1:1:8)に所定量を溶解したフィチン酸ナトリウム(シグマ−アルドリッチ)を1日1回外用塗布した。外用塗布量は1匹1回当たり70μLであった。各試験群において18、20、22日目に動物を頸椎脱臼によりサクリファイスして塗布部位の皮膚皮下組織を採取した。採取した皮膚皮下組織は、OCTコンパウンドに埋入し、液体窒素で凍結させた。クリオスタット(マイクロ・エッヂ・インスツルメント社製)を用いて、毛包が毛根部から毛幹先端まで完全に見える方向(長軸方向)に厚さ8μmで薄切し、スライドグラス(マツナミ社製)に貼り付けた。4%パラホルムアルデヒドで固定後、HE染色を行ない、封入後、光学顕微鏡下にて皮膚切片像を観察した。
フィチン酸50%水溶液 0.2g
トウガラシチンキ 2.0g
1,3−ブチレングリコール 3.0g
エタノール 40.0g
ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム 0.2g
グリチルリチン酸ジカリウム 0.05g
ヒドロキシエチルセルロース 0.3g
クエン酸 0.017g
水酸化カリウム 0.06g
精製水 残部(全量を100gとする)
フィチン酸50%水溶液 0.6g
センブリエキス 0.1g
エイジツエキス 0.5g
1,3−ブチレングリコール 3.0g
エタノール 57.0g
酢酸トコフェロール 0.08g
ニンジンエキス 0.1g
ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム 0.07g
イチョウ葉エキス 0.5g
パントテニルエチルエーテル 0.25g
ヒドロキシエチルセルロース 0.3g
ワレモコウエキス 0.5g
ビワ葉エキス 0.5g
クエン酸 0.023g
水酸化カリウム 0.18g
精製水 残部(全量を100gとする)
Claims (10)
- フィチン酸を有効成分とすることを特徴とする育毛活性剤。
- 線維芽細胞増殖因子5(FGF−5)の作用を阻害する活性を有することを特徴とする請求項1に記載の育毛活性剤。
- FGF−5により減退した毛乳頭細胞のALP活性を回復させる効果を有することを特徴とする請求項2に記載の育毛活性剤。
- 毛周期における成長期から退行期への移行を遅延させることで、毛の成長期間を延長させることを特徴とする請求項3に記載の育毛活性剤。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の育毛活性剤を、0.005〜5重量%含有することを特徴とする育毛剤組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の育毛活性剤を、0.1〜1重量%含有することを特徴とする育毛剤組成物。
- エタノールを30〜60重量%配合し、かつ、アミノ酸系2鎖3親水基型界面活性剤、および、親エタノール性セルロース誘導体を含有することを特徴とする請求項5〜6の何れかに記載の育毛剤組成物。
- アミノ酸系2鎖3親水基型界面活性剤としてジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウムを0.001〜1.0重量%含有する請求項7に記載の育毛剤組成物。
- 親エタノール性セルロース誘導体としてヒドロキシエチルセルロースを0.001〜1.5重量%含有する請求項7に記載の育毛剤組成物。
- ワレモコウエキス、エイジツエキス、ビタミンEアセテート、パントテニルエチルエーテル、ニンジンエキス、イチョウエキス、センブリエキス、ビワ葉エキス、グリチルレチン酸およびグリチルリチン酸ジカリウムから成る群より選ばれる成分の1種または2種以上を含有する請求項5〜9の何れかに記載の育毛組成物。
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2015
- 2015-08-28 JP JP2015181177A patent/JP2017043594A/ja active Pending
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