JPH10297997A - 炭化珪素単結晶の製造方法 - Google Patents

炭化珪素単結晶の製造方法

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JPH10297997A
JPH10297997A JP10727397A JP10727397A JPH10297997A JP H10297997 A JPH10297997 A JP H10297997A JP 10727397 A JP10727397 A JP 10727397A JP 10727397 A JP10727397 A JP 10727397A JP H10297997 A JPH10297997 A JP H10297997A
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carbide single
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silicon
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JP10727397A
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Hiroyuki Kondo
宏行 近藤
Yasuo Kito
泰男 木藤
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Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 結晶成長時における種結晶の剥がれを抑制し
て安定した炭化珪素単結晶の製造方法を提供すること低
コストで製造すること。 【解決手段】シリコンウエハの上に炭化珪素単結晶層1
3を成長し、この炭化珪素単結晶層13の表面に、同一
成長装置内にて連続的にして炭化珪素よりなる補強層1
4を形成する。その後、珪素単結晶12を除去し、補強
層14の表面を結晶成長装置のルツボ蓋材4bに接合す
ることにより炭化珪素単結晶層13が蓋材4bに固定さ
れ、この蓋材4bが結晶成長装置に装着される。昇華再
結晶法を用い、炭化珪素単結晶層13を種結晶として当
該炭化珪素単結晶層13に炭化珪素単結晶18が成長さ
れ、補強層14が除去される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、炭化珪素単結晶
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、炭化珪素単結晶基板は高耐圧電力
用トランジスタ、高耐圧ダイオード等の高耐圧大電力用
半導体装置の半導体基板として開発されている。この炭
化珪素単結晶基板の製造方法としては、アチソン法、レ
ーリー法、昇華再結晶法(改良レーリー法) 等が知られ
ている。このうち半導体基板の製造方法としては、大面
積かつ高品質の炭化珪素単結晶成長に有利な昇華再結晶
法が主に採用されている。昇華再結晶法は、特公昭63
−57400号公報に開示されているように黒鉛製ルツ
ボ内に配置された炭化珪素原料を加熱昇華させ、同じく
黒鉛製ルツボ内において炭化珪素原料と対向する位置に
配置された炭化珪素単結晶からなる炭化珪素種結晶上に
炭化珪素単結晶を成長させるものである。この方法によ
り得られた炭化珪素単結晶は半導体基板に適した大面積
かつ多形が制御された基板として供給されている。さら
に、この炭化珪素単結晶基板上に必要に応じ、液相エピ
タキシャル法(LPE)または化学的気相エピタキシャ
ル法(CVD)により、導電型もしくはキャリア濃度が
基板とは異なる炭化珪素単結晶層を成長させ、半導体素
子作製用基板が製造される。
【0003】しかし、現在の炭化珪素単結晶基板はその
大きさが直径1インチ強のものしか供給されておらず、
トランジスタ等の半導体装置を大量生産するためにはよ
り炭化珪素単結晶基板の大口径化が必要となる。大口径
化の従来技術として、前記昇華再結晶法による炭化珪素
単結晶の製造において炭化珪素単結晶基板としてアチソ
ン炉による炭化珪素研磨材作製工程で偶発的に得られた
炭化珪素単結晶を整形、研磨したアチソン結晶を用いる
方法がある。アチソン結晶はサイズの小さいものしか得
られないので、特開平6−48898号公報に開示され
ているようにサイズの小さい種結晶から成長を始め、繰
返し成長することにより除々にサイズを大きくすること
が考えられる。
【0004】又、特公昭60−14000号公報に開示
されているように珪素基板上に炭化珪素単結晶層をエピ
タキシャル成長させた後、珪素基板を除去し、炭化珪素
単結晶層上にCVD法により炭化珪素単結晶層を成長さ
せる方法がある。この方法は大口径の炭化珪素単結晶基
板が製造できる可能性がある。しかしながら、特開平6
−48898号公報による方法は繰返し成長の工程が繁
雑であり、コストが高くなってしまう。又、大口径化の
大きさの限界があり、現在の研究レベルでも2〜3イン
チが限界となっている。
【0005】又、特公昭60−14000号公報による
方法においては、大口径の炭化珪素単結晶層は成長でき
るが、CVD法によるエピタキシャル膜のため膜厚20
μm程度のものしか得られず基板として必要な厚さであ
る300μm以上の炭化珪素バルク単結晶の作製は困難
である。これら問題(コスト高、大口径化の限界、厚膜
化の限界)を解決する一手法として、珪素基板上に炭化
珪素単結晶層をCVD法によりエピタキシャル成長させ
た後、珪素基板を除去し、炭化珪素単結晶層上に昇華再
結晶法により炭化珪素単結晶を成長させる方法が考えら
れる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、種結晶
となる炭化珪素単結晶層(13)の膜厚は、エピタキシ
ャル成長の成長速度が非常に遅く、再現性よく作成する
ことを考慮するとせいぜい20μm程度の厚さである。
このような薄い種結晶を補強材を設けて図1に示す黒鉛
製ルツボ4の蓋材4bに接合し(特開平9−77595
号公報)、結晶成長させる方法があるが、このような方
法を用いて結晶成長させる際に薄い種結晶が補強材から
剥がれてしまうことが生ずることがわかってきた。これ
は成長温度が2000℃程度と非常に高い温度のため
に、薄い種結晶と補強材との界面の接合が分離してしま
うために起こるものと考えられる。種結晶が剥がれてし
まうと安定して単結晶の結晶成長ができないという問題
が生じる。
【0007】そこで、この発明の目的は、結晶成長時に
おける種結晶の剥がれを抑制して安定した炭化珪素単結
晶の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、第1工程により、珪素単結晶基板(12)から
気相成長装置内で第1の成長速度(R1)で成長させる
炭化珪素単結晶層(13)が、第2工程により、同じ気
相成長装置内で第1の成長速度(R1)より大きい第2
の成長速度(R2)で第1の工程と連続的に炭化珪素よ
りなる補強層(14)にて被覆される。
【0009】この際、50〜100μm の厚い補強層
(14)の存在により、炭化珪素単結晶層(13)の割
れが防止される。即ち、薄い炭化珪素単結晶層(13)
を用いると炭化珪素単結晶層(13)に割れが発生する
ことがあるが、本発明では補強層(14)の存在により
割れを防ぐことができる。また、同一の気相成長装置に
より炭化珪素単結晶層(13)と補強層(14)を連続
的に成長させるため、炭化珪素単結晶層(13)と補強
層(14)との界面の接合を強固にすることができる。
【0010】そして、第3工程により、補強材(14)
の表面を結晶成長装置の台座(4b)に接合することに
より炭化珪素単結晶層(13)が補強層(14)を介し
て台座(4b)に固定され、この台座が結晶成長装置
(19)に装着される。さらに、第4工程により、炭化
珪素単結晶層(13)を種結晶とし、該種結晶に製造し
ようとする炭化珪素単結晶の原料のガスを供給すること
により当該炭化珪素単結晶層(13)に炭化珪素単結晶
(18)が成長される。例えば、昇華再結晶法を用いる
場合、炭化珪素原料を不活性ガス雰囲気中で加熱昇華さ
せ、炭化珪素原料よりやや低温になっている炭化珪素単
結晶層(13)の表面側に炭化珪素単結晶(18)を成
長させる。この際、炭化珪素単結晶層(13)と補強層
(14)との界面の接合が強固にされているため、炭化
珪素単結晶層(13)が補強層(14)から剥がれるこ
とはなく、安定して炭化珪素単結晶(18)を成長させ
ることができる。
【0011】又、珪素単結晶基板上に形成させた炭化珪
素単結晶層は下地の珪素単結晶基板と同一の口径をもつ
こととなる。一方、今日、珪素単結晶基板( シリコンウ
エハ) は8〜10インチのものまで容易に入手できる技
術水準にある。よって、8〜10インチの大口径の炭化
珪素単結晶が得られる。請求項2に記載の発明によれ
ば、前記補強層(14)は炭化珪素単結晶層(13)よ
り品質の劣る単結晶よりなるので、前記補強層(14)
として炭化珪素単結晶層(13)を用いた場合に比べ短
時間に容易に形成できる。
【0012】請求項3に記載の発明によれば、黒鉛製ル
ツボ(4)内の炭化珪素原料粉末(16)を不活性ガス
雰囲気中で加熱昇華させ、炭化珪素原料粉末(16)よ
りやや低温になっている炭化珪素単結晶層(13)の表
面側に炭化珪素単結晶(18)が成長する。この際、炭
化珪素単結晶(18)を厚くでき基板として好ましいも
のとなる。
【0013】請求項4に記載の発明によれば炭化珪素単
結晶層(13)を成長させる第1の成長速度から補強層
(14)を成長させる第2の成長速度への移行を徐々に
行っているため、炭化珪素単結晶層(13)と補強層
(14)との界面における結晶構造が徐々に変化するよ
うに補強層(14)を成長させることができるため、炭
化珪素単結晶層(13)と補強層(14)との界面の接
合を、第1の成長速度から第2の成長速度への移行を急
激に変化させる場合に比べて強固にできる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に従って説明する。本実施の形態において用いられる
結晶成長装置を図1に示す。この結晶成長装置19は、
昇華再結晶法により炭化珪素単結晶を形成するためのも
のである。図1において真空容器(チャンバー)1内に
は基台2が設けられ、この基台2の上には断熱材3に覆
われた黒鉛製ルツボ4が載置されている。黒鉛製ルツボ
4は、上面が開口するルツボ本体4aと、ルツボ本体4
aの開口部を塞ぐ蓋材4bとからなる。蓋材4bは、種
結晶である炭化珪素単結晶層13を支持する台座とな
る。又、黒鉛製ルツボ4の内側には黒鉛製支持板5が固
定され、黒鉛製支持板5はその中央部が珪素17の載置
部となるとともにその周辺部に穴5aが形成されてい
る。この黒鉛製支持板5はルツボ本体4aの底部に炭化
珪素原料粉末17を入れた時において炭化珪素原料粉末
16の上側に位置するように設置されている。
【0015】又、断熱材3は、黒鉛製ルツボ4の底面お
よび側面を覆う本体部3aと、黒鉛製ルツボ4の上部を
覆う蓋部3bとからなる。真空容器1には排気管6を介
して真空ポンプ7が接続されている。又、排気管6には
排気弁8が設けられている。そして、真空ポンプ7によ
り真空容器1内を排気できるようになっている。さら
に、真空容器1には不活性ガス導入管9が設けられ、こ
の不活性ガス導入管9を通して不活性ガスであるアルゴ
ンガスを真空容器1に導入できるようになっている。
【0016】真空容器1内における断熱材3の外周側に
は誘導コイル10が配置され、この誘導コイル10に対
し高周波電源から電力を供給することにより黒鉛製ルツ
ボ4を誘導加熱できるようになっている。真空容器1の
内部における断熱材3の底面部には温度測定穴11が設
けられ、この温度測定穴11を通して黒鉛製ルツボ4の
底部の光を取り出して光放射温度計にて黒鉛製ルツボ4
の温度を測定できるようになっている。
【0017】次に、炭化珪素単結晶の製造方法を説明す
る。まず、図2に示すように、直径4インチの珪素単結
晶基板12を用意し、その上に種結晶となる炭化珪素単
結晶層13を化学的気相エピタキシャル成長法(CV
D)により成長させる。より詳しくは、プロパンなどの
炭素供給用原料ガスおよびシランなどの珪素供給用原料
ガスの化学反応による化学的気相成長法を用いる。この
ときの炭化珪素単結晶層13の膜厚は1〜20μmであ
る。
【0018】次に図3に示すように、化学的気相成長法
(CVD)により炭化珪素単結晶層13の上(表面)
に、同一のCVD装置により連続的に炭化珪素単結晶層
13より結晶性の劣る炭化珪素単結晶からなる補強層1
4を形成する。このときの補強層(炭化珪素単結晶)1
4の膜厚は50〜200μmである。その後、CVD装
置から炭化珪素単結晶層13、補強層14を取り出しフ
ッ酸と硝酸の混酸中に浸し、図4に示すように、珪素単
結晶基板12を溶解して除去する。この珪素単結晶基板
12の除去工程において、補強層(炭化珪素単結晶)1
4が補強層として機能し、補強層14により炭化珪素単
結晶層13の割れが防止される。
【0019】このように、珪素を溶解する薬液による化
学的方法にて珪素単結晶基板12が除去される。ここ
で、珪素単結晶基板12を除去する方法として、フッ酸
と硝酸の混液を用いた。しかし、図1における黒鉛製ル
ツボの蓋材4bを結晶成長装置19から取り外し、図5
に示すように、補強層14の表面を黒鉛製ルツボの蓋材
4bに接合剤としての接着剤15で接合して炭化珪素単
結晶層13を黒鉛製ルツボの蓋材4bに固定してから熱
で蒸発させてもよい。
【0020】ここで、補強層14の表面を黒鉛製ルツボ
の蓋材4bに接着剤15で接合する代わりに、接着剤を
用いないで直接接合により固定してもよい。そして、図
1に示すように、黒鉛製ルツボの蓋材4bを結晶成長装
置19に装着する。このようにして、炭化珪素単結晶層
13が黒鉛製ルツボの蓋材4bの下面に配置される。
【0021】一方、図1における黒鉛製ルツボ4には炭
化珪素原料粉末16が100g充填されている。炭化珪
素原料粉末16は、研磨材として市販されている平均粒
径500μmのものを予め真空中で1800〜2000
℃で熱処理して使用している。又、黒鉛製支持板5の上
には珪素17を載せる。珪素17としてシリコンウエハ
を整形したものを用いた。シリコンウエハの代わりに珪
素粉末を用いてもよい。
【0022】この状態から、排気管6と排気弁8とを通
して真空ポンプ7により真空容器1内を排気する。この
ときの真空度は10-3〜10-4Torr とする。さらに、
誘導コイル10に高周波電源より電力を供給して黒鉛製
ルツボ4を誘導加熱する。温度は温度測定穴11を通し
て黒鉛製ルツボ4の底を光放射温度計により測定する。
温度を監視ながら1200℃まで温度を上昇した後、不
活性ガス導入管9よりアルゴンガスを導入して真空容器
1内の圧力を500Torr にする。
【0023】その後、誘導コイル10に電力を供給して
再び温度を上昇させて黒鉛製ルツボ4の温度を2300
〜2350℃にして炭化珪素原料粉末19の昇華温度に
する。このときの炭化珪素単結晶層13の温度は、黒鉛
製ルツボ4と誘導コイル10の相対的な位置関係により
50〜350℃だけ炭化珪素原料粉末16の温度より低
くなっている。そして、炭化珪素原料粉末19と炭化珪
素単結晶層13の温度が安定した後、真空ポンプ7によ
り真空容器1を減圧する。減圧とともに炭化珪素原料粉
末16から昇華が始まり結晶成長が開始される。この
際、0.5〜100Torr まで減圧して成長圧力とす
る。又、結晶成長中はアルゴンガスを10リットル/m
in流し、排気弁8の開度を調節しながら真空ポンプ7
により圧力を制御する。
【0024】炭化珪素原料粉末16から昇華したガスは
種結晶である炭化珪素単結晶層13との温度差を駆動力
として炭化珪素単結晶層13まで到達して、結晶成長が
進行する。5時間の成長後、アルゴンガスを真空容器1
に導入するとともに誘導コイル10への電力供給を停止
し、温度を下げて成長終了とする。その結果、図6に示
すように、種結晶である炭化珪素単結晶層13上に炭化
珪素単結晶(炭化珪素単結晶インゴット)18が形成さ
れる。炭化珪素単結晶(炭化珪素単結晶インゴット)1
8はその厚さが2mm、直径が4インチである。このよ
うにして、大口径の炭化珪素単結晶インゴットが得られ
る。つまり、黒鉛製ルツボ4内において炭化珪素原料粉
末16を不活性ガス雰囲気中で加熱昇華させ、炭化珪素
原料粉末16よりやや低温になっている炭化珪素単結晶
層13の表面側に炭化珪素単結晶を成長させる昇華再結
晶法にて炭化珪素単結晶(炭化珪素単結晶インゴット)
18が得られる。
【0025】図7に示すように、炭化珪素単結晶(炭化
珪素単結晶インゴット)18を黒鉛製ルツボの蓋材4b
から取り外し、得られた結晶をスライス、研磨して補強
層14等が除去されて半導体基板となる。この基板を用
いて、大電力用の縦型MOSFET、pnダイオード、
ショットキーダイオード等の半導体装置が作製される。
【0026】又、炭化珪素単結晶(炭化珪素単結晶イン
ゴット)18の製造工程において、炭化珪素単結晶層1
3に対し補強層14が設けられているので、この補強層
14が補強層として機能し、ハンドリングの際に炭化珪
素単結晶層13の破損が防止される。さらに、補強層1
4は炭化珪素単結晶層13を成長させた後、同一の成長
装置内にて連続的に形成されているため、炭化珪素単結
晶層13と補強層14との界面での接合は強固なものと
なり、炭化珪素単結晶18の成長の際に炭化珪素単結晶
層13と補強層14とが剥がれてしまうことはなく、安
定して炭化珪素単結晶18を成長させることができる。
【0027】図8に示すように、炭化珪素単結晶層13
を珪素単結晶基板12上に成長させる第1工程では第1
の成長速度R1で炭化珪素単結晶層13を成長させ、補
強層14を炭化珪素単結晶層13上に成長させる第2工
程では第2の成長速度R2で補強層14を被覆させ、短
時間で種結晶が製造できる。第1の成長速度R1は1〜
6μm/hrで第2の成長速度R2は20〜50μm/
hrである。また第1工程の時間t1は1〜3.3hr
で第2工程の時間t2は1〜10hrである。
【0028】また、図9に示すように第1工程の成長速
度R1から第2工程の成長速度R2への移行を徐々に行
うようにしてもよい。このように成長速度を徐々に変化
させることで炭化珪素単結晶層13と補強層14との界
面での結晶性が徐々に変化しながら補強層14が成長す
るため、炭化珪素単結晶層13と補強層14との界面で
の接合は図8に示すように成長速度R1からR2へ急激
に変化させる場合に比べてより強固なものとなる。
【0029】また、図9では炭化珪素単結晶の成長速度
がR1からR2に移行する際に成長速度を時間に対して
リニアに変化させているが、成長速度R1からR2への
移行の仕方はこれに限るものではなく、図9における第
2工程内にてステップ状に変化させたりしてもよい。あ
るいは図9における第3工程を設けることなく補強層1
4を成長させる過程の間において徐々に成長速度を変え
るようにしてもよい。尚、図9に示すように成長速度R
1からR2への移行期間を短時間で済ませ、成長速度が
R2の第3工程を設けるようにすることで、補強層14
の成長時間を短縮することができる。
【0030】このように本実施の形態では、下記(イ)
〜(ニ)の特徴を有する。 (イ)珪素単結晶12から成長させた炭化珪素単結晶層
13が、炭化珪素よりなる補強層14にて被覆され、珪
素単結晶基板12を除去して、炭化珪素単結晶層13の
表面が露出される。その後、補強層14の表面を結晶成
長装置19のルツボ蓋材4bに接合することにより炭化
珪素単結晶層13がルツボ蓋材4bに固定され、このル
ツボ蓋材4bが結晶成長装置19に装着される。さら
に、昇華再結晶法を用い、炭化珪素単結晶層13を種結
晶として当該炭化珪素単結晶層13に炭化珪素単結晶1
8が成長される。つまり、炭化珪素原料粉末16を不活
性ガス雰囲気中で加熱昇華させ、炭化珪素原料粉末16
よりやや低温になっている炭化珪素単結晶層13の表面
側に炭化珪素単結晶18を成長させる。よって、炭化珪
素単結晶18が得られる。又、種結晶に対し昇華再結晶
法により炭化珪素単結晶18を成長させたので成長厚さ
を厚くできる。又、一回の成長でよいので、効率よく大
量に製造でき低コスト化できる。
【0031】又、珪素単結晶基板12上に形成させた炭
化珪素単結晶層13は下地の珪素単結晶基板12と同一
の口径をもつこととなる。今日、シリコンウエハは8〜
10インチのものまで容易に入手できる技術水準にあ
る。よって、8〜10インチの大口径の炭化珪素単結晶
が得られる。 (ロ)特に、炭化珪素単結晶層13に対する補強層14
による被覆を炭化珪素単結晶層13の露出処理として次
のように行った。即ち、珪素単結晶基板12の上に炭化
珪素単結晶層13を成長し、この炭化珪素単結晶層13
の表面に、炭化珪素よりなる補強層14を形成し、その
後、珪素単結晶基板12を除去する。この際、補強層1
4により、炭化珪素単結晶層13の割れが防止される。 (ハ)補強層14は炭化珪素単結晶層13より結晶性が
劣る炭化珪素結晶よりなるので、補強層として炭化珪素
単結晶13を用いた場合に比べ形成が容易となる。 (ニ)昇華再結晶法の際には、黒鉛製ルツボ4内の炭化
珪素原料粉末16を不活性ガス雰囲気中で加熱昇華さ
せ、炭化珪素原料粉末16よりやや低温になっている炭
化珪素単結晶層13の表面側に炭化珪素単結晶18を成
長させる。この際、炭化珪素単結晶18の膜厚を厚くで
き基板として好ましいものとなる。また、炭化珪素単結
晶層13と補強層14とを同一装置内にて連続的に形成
しているため、炭化珪素単結晶層13と補強層14との
界面での接合を強固にでき、安定して炭化珪素単結晶1
8を成長させることができる。
【0032】以下に他の形態を説明する。上述した例で
は補強層として炭化珪素単結晶層13より結晶性の劣る
炭化珪素単結晶14を用いたが、炭化珪素多結晶やアモ
ルファス(非晶質)炭化珪素を用いてもよい。炭化珪素
原料は、その形態として粉末以外にも、焼結体でもよ
い。
【0033】種結晶へ製造しようとする炭化珪素単結晶
の原料のガスを供給するには、上記のように昇華再結晶
法による方法以外の方法でもよい。即ち、上記供給する
原料ガスは、単結晶となる原料を加熱昇華させる方法
(昇華法)により生成した昇華ガスに限らず、昇華法以
外の方法で調整した単結晶となる原料のガスでもよい。
しかし、その中でも昇華再結晶法によるものが単結晶を
成長しやすく望ましい。
【0034】ルツボの材料は、黒鉛製のものの他にも、
タングステンやタンタル等の高融点金属製のものでもよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】炭化珪素単結晶の成長装置の断面図。
【図2】炭化珪素単結晶の製造工程を説明するための断
面図。
【図3】炭化珪素単結晶の製造工程を説明するための断
面図。
【図4】炭化珪素単結晶の製造工程を説明するための断
面図。
【図5】炭化珪素単結晶の製造工程を説明するための断
面図。
【図6】炭化珪素単結晶の製造工程を説明するための断
面図。
【図7】炭化珪素単結晶の製造工程を説明するための断
面図。
【図8】炭化珪素単結晶の製造工程を説明するための
図。
【図9】炭化珪素単結晶の製造工程を説明するための
図。
【符号の説明】
4b ルツボ蓋材 12 珪素単結晶基板としてのシリコンウエハ 13 炭化珪素単結晶層( 種結晶) 14 補強層(炭化珪素単結晶) 15 接着剤 16 炭化珪素原料粉末 18 炭化珪素単結晶インゴット 19 結晶成長装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 珪素単結晶基板(12)上に炭化珪素単
    結晶層(13)を気相成長装置内で第1の成長速度(R
    1)で成長させる第1工程と、前記炭化珪素単結晶層
    (13)の表面上に、前記気相成長装置内で連続的に第
    1の成長速度(R1)より大きい第2の成長速度(R
    2)で炭化珪素からなる補強層(14)を成長させる第
    2工程と、 前記珪素単結晶基板(12)を除去し、炭化珪素単結晶
    層(13)を前記補強層(14)を介して台座(4b)
    に固定し、この台座(4b)を結晶成長装置(19)に
    装着する第3工程と、 前記炭化珪素単結晶層(13)を種結晶とし、該種結晶
    に製造しようとする炭化珪素単結晶(18)の原料のガ
    スを供給し、前記気相成長装置内よりも高い温度にて前
    記炭化珪素単結晶層(13)に炭化珪素単結晶(18)
    を成長させる第4工程とを備えたことを特徴とする炭化
    珪素単結晶(18)の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記補強層(14)は炭化珪素単結晶層
    (13)より結晶性の劣る炭化珪素からなる請求項1に
    記載の炭化珪素単結晶(18)の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第4工程は、黒鉛製ルツボ内(4
    a)において炭化珪素原料粉末(16)を不活性ガス雰
    囲気中で加熱昇華させ、炭化珪素原料粉末(16)より
    やや低温になっている前記炭化珪素単結晶層(13)の
    表面側に炭化珪素単結晶(18)を成長させるものであ
    る請求項1に記載の炭化珪素単結晶(18)の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記第1工程と第2工程とにおいて、前
    記第1の成長速度(R1)から前記第2の成長速度(R
    2)への移行は徐々に行うものである請求項1乃至3の
    いずれかに記載の炭化珪素単結晶(18)の製造方法。
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