JPH10296555A - 自動ねじ締め機および自動ねじ締め方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】パイロットピンを設けたワークにねじを正しく
供給し締結できる自動ねじ締め機を提供する。 【解決手段】本発明は、回転駆動源６の駆動を受けて回
転可能なドライバビット８と、このドライバビット８を
軸線方向に移動させる第１往復駆動源９と、前記ドライ
バビット８と一体に往復移動可能な第２往復駆動源１０
と、この第２往復駆動源１０の作動を受けて所定量往復
移動可能かつねじを保持可能な保持穴を有するとともに
この保持穴を前記ドライバビット８の移動路上に常時配
置するよう付勢されるチャック爪１６とを備えて構成さ
れ、第２往復駆動源１０の駆動によりチャック爪１６を
移動させて、保持されたねじにドライバビット８を近接
させるようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ねじを締結位置ま
で導くパイロットピンが設けられているワークにねじを
締め付けるに適した自動ねじ締め機および自動ねじ締め
方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ワークにねじを締結する際には各
種の自動ねじ締め機が利用されている。この種の自動ね
じ締め機は、モータなどの回転駆動源の駆動を受けて回
転可能かつシリンダなどの往復駆動源の駆動により軸線
方向に往復移動可能に構成されたドライバビットを有
し、このドライバビットの移動路上には、ドライバビッ
トと一体に移動可能かつ所定の位置でストッパなどに当
接して停止するよう設けられるチャックユニットが配置
されている。前記チャックユニットは、前記ドライバビ
ットの移動路上にねじを保持可能なチャック爪を備えて
おり、このチャック爪にはねじ供給装置からねじが供給
されるように構成されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし上記従来の自動
ねじ締め機では、例えばワークのねじ穴から自動ねじ締
め機側へ突出するよう付勢されたパイロットピンが設け
られている場合、パイロットピンがチャック爪に進入し
てねじに当接するまでチャック爪を移動し、その後ドラ
イバビットの移動によりねじをパイロットピンで案内し
ながらワークのねじ穴まで導き、そしてドライバビット
を回転して締付けを行うのであるが、実際にはパイロッ
トピンがチャック爪に進入するにともなってねじがチャ
ック爪内に押し戻されて倒れてしまうため、ワークにね
じを正しく供給し締結することが不可能になってしまう
等の問題が発生している。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題に鑑み
て創成されたものであり、パイロットピンを設けたワー
クにねじを正しく供給し締結できる自動ねじ締め機およ
び自動ねじ締め方法を提供することを目的とする。この
目的を達成するため、本発明は、ワークに締め付けられ
るねじに係合可能な先端部を有しかつ回転駆動源の駆動
を受けて回転可能なドライバビットと、このドライバビ
ットを軸線方向に移動させる第１往復駆動源と、前記ド
ライバビットと一体に往復移動可能な第２往復駆動源
と、この第２往復駆動源の作動を受けて所定量往復移動
可能かつねじを保持可能な保持穴を有するとともにこの
保持穴を前記ドライバビットの移動路上に常時配置する
よう付勢されるチャック爪とを備えて構成されている。
なお、前記第２往復駆動源は、ドライバビットの先端が
チャック爪に保持されたねじに近接する位置までチャッ
ク爪を移動させるよう作動するものであることが好まし
い。

【０００５】また、本発明は、回転駆動源の駆動を受け
て回転可能かつ第１往復駆動源の駆動を受けて往復移動
可能なドライバビットの移動路上にねじを保持するよう
配置したチャック爪にねじを供給保持し、次に第２往復
駆動源の作動により前記ドライバビットの先端がチャッ
ク爪に保持されたねじに近接するまでチャック爪を移動
し、続いて第１往復駆動源の作動によりドライバビット
を移動してチャック爪からねじを押し出すとともに回転
駆動源の駆動によりドライバビットを回転してねじをワ
ークに締め付ける方法によりねじ締め作業を行うもので
ある。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図１ないし図４において、１は自
動ねじ締め機であり、ベース２前面に設けた上ガイド２
ａおよび下ガイド２ｂに案内されて摺動可能なガイド軸
３が設けられており、このガイド軸３にはドライバ台４
が摺動自在に挿通している。このドライバ台４は、前記
ガイド軸３と引張りばね５によって連結されて常時上方
に引き上げられるようになっており、その前部には回転
駆動源６が配置されている。この回転駆動源６はモータ
であり、その出力軸には伝達機構７を介してドライバビ
ット８が連結されている。また、前記ベース２の上部に
は、前記ドライバ台４に連結されるシリンダなどの第１
往復駆動源９が配置されており、この第１往復駆動源９
の作動によりドライバ台４が往復移動し、前記ドライバ
ビット８を軸線方向に往復移動させるようになってい
る。

【０００７】前記ガイド軸３の下端には、第２往復駆動
源１０が配置される支持台１１が一体に固定されてい
る。この支持台１１に配置されている第２往復駆動源１
０は、エアシリンダであり、進退可能なロッド１０ａの
先端には、チャック台１２が連結されている。このチャ
ック台１２には、前記支持台１１側へ所定量突出してス
トッパ１３が取付けられるとともに、前記ドライバビッ
ト８の下方に位置してチャックユニット１４が連結され
ている。

【０００８】前記チャックユニット１４は、前記ドライ
バビット８を常時案内可能に構成されたチャック本体１
５を有し、このチャック本体１５の先端には一対のチャ
ック爪１６が回動可能に連結されている。このチャック
爪１６は、ばね（図示せず）により常時閉じるように付
勢され、前記ドライバビット８の移動路を塞ぐように構
成されている。このチャック爪１６の対向面には、ドラ
イバビット８の移動路に沿って保持穴１６ａが分割形成
されており、この保持穴１６ａには、前記チャック本体
１５に傾斜して回動可能に取り付けたねじ案内管１７が
常時連通するように構成されている。また、前記チャッ
ク本体１５にはねじ案内管１７に連通するよう傾斜して
ホース連結具１８が固定されており、このホース連結具
１８には、ねじ供給装置（図示せず）から延びる給送ホ
ース（図示せず）が連結されるように構成されている。

【０００９】上記自動ねじ締め機１では、ねじ供給装置
（図示せず）からエア圧送により送られてきたねじは、
給送ホース（図示せず）からホース連結具１８、ねじ案
内管１７を通じてチャック爪１６の保持穴１６ａに供給
され、そこで嵌合保持される。この状態から第２往復駆
動源１０の作動を受けてチャック台１２がドライバビッ
ト８側、すなわち支持台１１に接近する方向へ移動し、
このことによってチャック爪１６に保持されたねじにド
ライバビット８の先端が近接する。この時点でストッパ
１３が支持台１１に当接してチャック台１２の上昇が停
止する。一方、ねじ締めに先駆けて、ワークではねじが
締め付けられるねじ穴を通じて自動ねじ締め機１側へ突
出するパイロットピン２０が配置される。このパイロッ
トピン２０はばね２１によって常時伸長するように付勢
されているもので、ねじ穴を通じて突出している先端側
から押圧されるとねじ穴側へ後退できるよう構成されて
いる。

【００１０】前述のように、ドライバビット８とねじが
近接する位置にチャック爪１６を移動させた後、第１往
復駆動源９の作動を受けてドライバ台４が下降すると、
引張りばね５の力を受けてガイド軸３も一体に下降し、
これによって支持台１１およびチャック台１２も一体に
下降する。チャック台１２は、チャック爪１６の保持穴
１６ａに前述のパイロットピン２０が導入される位置に
達すると、ストッパ（図示せず）に当接して停止する。
この時、保持穴１６ａ内にパイロットピン２０が進入す
るにともなって、ねじはドライバビット８側へ押し上げ
られるが、近接するドライバビット８に即座に当接す
る。このため、パイロットピン２０によるねじの押し戻
しを抑えて、ねじが保持穴１６ａ内で倒れるのを防止す
ることができる。したがって、ねじはドライバビット８
とパイロットピン２０の間で正しい姿勢に保持され、続
くドライバビット８の下降にともなってチャック爪１６
から押し出されてワークのねじ穴まで正確に導かれる。
そして、回転駆動源６の駆動を受けてドライバビット８
が回転するにともなってワークのねじ穴に正しく螺入さ
れる。

【００１１】

【発明の効果】以上説明したように本発明の自動ねじ締
め機および自動ねじ締め方法によれば、ねじがチャック
爪に供給されると第２往復駆動源の作動を受けてチャッ
ク爪がドライバビット側へ所定量移動し、ドライバビッ
トを保持穴に保持されているねじに近接させるため、パ
イロットピンによってねじをワークのねじ穴まで導くね
じ締め作業においてパイロットピンがチャック爪の保持
穴に進入しても、これによって押し戻されようとするね
じをドライバビットで支えることができ、よってねじが
押し戻されて保持穴内で倒れてしまうこともなくなり、
ねじを正しい姿勢のままパイロットピンとドライバビッ
トの間で支持してワークのねじ穴位置まで正確に導き締
結することができる等の利点がある。また、第２往復駆
動源の作動によりチャック爪がドライバビットに対して
自由に往復移動可能であるから、ねじ締め位置の高さが
場所によって異なるワークに対しても、チャック爪を最
適な位置に位置決めしてねじ締め作業を行うことができ
る等の利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る自動ねじ締め機の要部拡大一部切
欠断面図である。

【図２】本発明に係る自動ねじ締め機の正面図である。

【図３】本発明に係る自動ねじ締め機の動作説明図であ
る。

【図４】本発明に係る自動ねじ締め機の動作説明図であ
る。

【符号の説明】

１ 自動ねじ締め機 ３ ガイド軸 ４ ドライバ台 ６ 回転駆動源 ８ ドライバビット ９ 第１往復駆動源 １０ 第２往復駆動源 １１ 支持台 １２ チャック台 １４ チャックユニット １６ チャック爪 １６ａ 保持穴

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ワークに締め付けられるねじに係合可能な
   先端部を有しかつ回転駆動源の駆動を受けて回転可能な
   ドライバビットと、 このドライバビットを軸線方向に移動させる第１往復駆
   動源と、 前記ドライバビットと一体に往復移動可能な第２往復駆
   動源と、 この第２往復駆動源の作動を受けて所定量往復移動可能
   かつねじを保持可能な保持穴を有するとともに、この保
   持穴を前記ドライバビットの移動路上に常時配置するよ
   う付勢されるチャック爪とを備えることを特徴とする自
   動ねじ締め機。
2. 【請求項２】第２往復駆動源は、ドライバビットの先端
   がチャック爪に保持されたねじに近接する位置までチャ
   ック爪を移動させるよう作動することを特徴とする請求
   項１に記載の自動ねじ締め機。
3. 【請求項３】回転駆動源の駆動を受けて回転可能かつ第
   １往復駆動源の駆動を受けて往復移動可能なドライバビ
   ットの移動路上にねじを保持するよう配置したチャック
   爪にねじを供給保持し、次に第２往復駆動源の作動によ
   り前記ドライバビットの先端がチャック爪に保持された
   ねじに近接するまでチャック爪を移動し、続いて第１往
   復駆動源の作動によりドライバビットを移動してチャッ
   ク爪からねじを押し出すとともに回転駆動源の駆動によ
   りドライバビットを回転してねじをワークに締め付ける
   ことを特徴とする自動ねじ締め方法。